(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061337
(43)【公開日】2023-05-01
(54)【発明の名称】可動式トイレットペーパーホルダーユニット
(51)【国際特許分類】
A47K 10/40 20060101AFI20230424BHJP
【FI】
A47K10/40 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021185245
(22)【出願日】2021-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】521338134
【氏名又は名称】有限会社原電業
(72)【発明者】
【氏名】原 素子
(57)【要約】
【課題】トイレットペーパー使用時のトイレ使用者の体勢をより楽なものにする可動式トイレットペーパーホルダーユニットを提供する。
【解決手段】本発明の可動式トイレットペーパーユニット(70)は、トイレットペーパーホルダー(20)とこれを支持する水平アーム(30)とを備えたものであり、前記トイレットペーパーホルダー(20)は前記水平アーム(30)上をスライド可能に当該水平アーム(30)に支持されると共に、前記水平アーム(30)の長手方向一端にはその水平アーム(30)を他の構築物に水平回動可能に取り付ける基部取付部材(40)が設けられている。前記可動式トイレットペーパーホルダー(70)は、前記基部取付部材(40)にて他の構築物に設けられたレール(50)上をスライド自在に設置することもできる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレットペーパーホルダー(20)と、これを支持する水平アーム(30)とを備えた可動式トイレットペーパーホルダーユニットであって、
前記トイレットペーパーホルダー(20)は前記水平アーム(30)上をスライド可能に当該水平アーム(30)にて支持されると共に、
前記水平アーム(30)の長手方向一端には、その水平アーム(30)を他の構築物に水平回動可能に取り付ける基部取付部材(40)が設けられている、
ことを特徴とする可動式トイレットペーパーホルダーユニット。
【請求項2】
請求項1の可動式トイレットペーパーホルダーユニットにおいて、
水平アーム(30)を他の構築物に水平回動可能に取り付ける基部取付部材(40)が、当該他の構築物に設けられたレール(50)上をスライド自在に設けられている、
ことを特徴とする可動式トイレットペーパーホルダーユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
トイレットペーパーホルダーを可動式とするユニットに関する
【背景技術】
【0002】
トイレに備え付けられているトイレットペーパーホルダーについては、多くの場合トイレの壁面、とりわけ便器の側面壁に直接設置されている。
しかし、これまで特開平09-206239号公報では、トイレットペーパーホルダーを、壁面ではなく壁面に取り付けた手摺りに取り付けて美観をアップさせる工夫がなされているし、特開2002-85291号公報や特開2002-238806号公報では、壁面に取り付けた手摺りにトイレットペーパーホルダーをより使いやすい形で取り付ける工夫がなされている。
また、特開2012-70940号公報では、壁面に取り付けた手摺りにトイレットペーパーホルダーを取り付ける際にその取り付け角度をトイレ床面に対して斜めにしてトイレットペーパーをより取り出しやすくする工夫がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09-206239号公報
【特許文献2】特開2002-85291号公報
【特許文献3】特開2002-238806号公報
【特許文献4】特開2012-70940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トイレに備え付けられているトイレットペーパーホルダーについては、多くの場合トイレの壁面、とりわけ便器の側面壁に直接設置されており、トイレ使用者が便器に腰かけている状態で、トイレットペーパーをトイレットペーパーホルダーから取り出そうとするとき、トイレットペーパーの端を引き出してから両手を使用してトイレットペーパーを巻き取って最後にトイレットペーパーホルダーから切り取るのであるが、この作業を行うにはトイレ使用者は体を捻る必要がある。トイレットペーパーホルダーが壁面に取り付けられた手摺りに設置されている場合も同様で、多かれ少なかれトイレ使用者は体を捻る体勢をとる必要がある。特に、体の不自由なトイレ使用者にとっては避けたい動作であり、体が不自由なトイレ使用者でなくとも、例えば腰を痛めているときにトイレットペーパーをトイレットペーパーホルダーから引き出して切り取るために体を捻る動作は大きな負担である。
【0005】
それゆえに、本発明の可動式トイレットペーパーホルダーユニットの目的は、トイレ使用者がトイレットペーパーを巻き取って切り取る作業をするとき体を捻る必要のないトイレットペーパーホルダーの仕組みを提供することにある。
すなわち、トイレットペーパーホルダーをトイレ壁面から離し、トイレ使用者の使いやすい位置つまりトイレ使用者の前方により近い位置に移動すれば、トイレ使用者が体に負担なくトイレットペーパーを使用できるのである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明は、例えば
図1から
図6に示すように、可動式トイレットペーパーホルダーユニット70を次のように構成した。
トイレットペーパーホルダー20と、これを支持する水平アーム30とを備えた可動式トイレットペーパーホルダーユニット70であって、そのトイレットペーパーホルダー20はその水平アーム30上をスライド可能に当該水平アーム30にて支持されると共に、その水平アーム30の長手方向一端には、水平アーム30を他の構築物に水平回動可能に取り付ける基部取付部材40が設けられている、ことを特徴とする可動式トイレットペーパーホルダーユニット70を提供する。
さらに、上記の可動式トイレットペーパーホルダーユニット70において、水平アーム30を他の構築物に水平回動可能に取り付ける基部取付部材40が、当該他の構築物に設けられたレール50上をスライド自在に設けられている、ことを特徴とする可動式トイレットペーパーホルダーユニット70も提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、体を捻ってトイレットペーパーホルダーからトイレットペーパーの端を引き出し、両手を使用してトイレットペーパーを巻き取って最後にトイレットペーパーホルダーから切り取る作業を負担に感じるトイレ使用者の状況に応じて、トイレットペーパーホルダーを水平アームに沿わせて水平方向に移動させると共に、水平アームをトイレ使用者の正面側へと水平回動動作させることにより、トイレットペーパーホルダーをトイレ使用者の正面近くに位置させることができ、トイレ使用者は便座に腰かけたまま体の捻りを最小限もしくは全く上半身を捻ることなくトイレットペーパーを使用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態(第1実施形態)の可動式トイレットペーパーホルダーユニット全体を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態(第1実施形態)の可動式トイレットペーパーホルダーユニットを壁面などに設置し正面方向から見た図(正面図)であり、トイレットペーパーホルダーが基部取付部材側に最も引き寄せられている状態を示している。
【
図4】本発明の一実施形態(第1実施形態)の可動式トイレットペーパーホルダーユニットを壁面などに設置し上方向から見た図(平面図)であり、トイレットペーパーホルダーを基部取付部材より最も離れた位置まで水平アーム上をスライドさせると同時に、基部取付部材を支点とした水平アームの水平回動の結果、壁面などからトイレットペーパーホルダーが離れた状態を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態(第1実施形態)の可動式トイレットペーパーユニットの、壁面などに取り付けた水平アーム支持部材を側面方向から見た図(側面図)である。
【
図6】本発明の他の実施形態(第2実施形態)の可動式トイレットペーパーホルダーユニット全体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の可動式トイレットペーパーホルダーユニット70の第1実施形態について
図1から
図5を用いて説明する。
なお、本第1実施形態の可動式トイレットペーパーホルダーユニット70は、トイレの便座に腰かけた状態のトイレ使用者から見て左側の壁面に設置されているものとして説明する。
図1は、本実施形態の可動式トイレットペーパーホルダーユニット70全体の斜視図である。この図が示すように、本実施形態の可動式トイレットペーパーホルダーユニット70はトイレットペーパーホルダー20、水平アーム30、基部取付部材40及び水平アーム支持部材60から大略構成される。
なお、各パーツを構成する材料は金属、プラスチック等硬質素材ならば何でもよいが、回動等の動作を繰り返し行うことから、丈夫な材料を用いることが好ましい。
【0010】
トイレットペーパーホルダー20は、トイレットペーパー10を収容してそこからトイレ使用者がトイレットペーパー10を巻き取ることができる部材であり、いわゆるワンタッチ式トイレットペーパーホルダーを採用している。ワンタッチ式トイレットペーパーホルダーの背面にホルダー取付部22があり、このホルダー取付部22には後述の水平アーム30に取り付けられるようトイレットペーパー10の軸と平行する方向にトンネル22aが設けられている(
図3参照)。
このトンネル22aの内部には、図示実施形態の場合は前後一対の凸条22bが長手方向に設けられており、後述する水平アーム30に設けられる凹条38とかみ合う構造となっている。
【0011】
水平アーム30は、前述のトイレットペーパーホルダー20が装着され且つ水平アーム30の長手方向に沿ってトイレットペーパーホルダー20が行き来できるように形成された棒状の部材であり、トイレ壁面に水平方向に設置される。その断面は略四角形等でも良いが、本実施形態においては略円形のものを使用する。
また、前述したとおり水平アーム30のアーム本体32表面には、トイレットペーパーホルダー20の背面に設けられたトンネル22a内部の凸条22bに勘合する凹条38が長手方向に施されている。よって、これらの凹凸条はトイレットペーパーホルダー20の回転を防ぎ安定させる役割を果たす。
【0012】
以下、これら2つの部材について更に詳述すると、まず、トイレットペーパーホルダー20の構成であるが、トイレットペーパーホルダー20全体を水平アーム30に取り付ける部分であるホルダー取付部22、トイレットペーパー10を側面から挟むように位置する左右一対のホルダー側面部24、またそのホルダー側面部24から内側へ伸びトイレットペーパー10の中心部空間を通ってその回転の中心軸となる左右一対のホルダー軸26、および、トイレットペーパー10の上部に位置しトイレットペーパー10の切り取りに利用できる紙切板28から構成される。ホルダー取付部22は、トイレットペーパー10やホルダー側面部24や紙切板28を背面から支える。
【0013】
ホルダー側面部24には、左右それぞれに内側に向けてホルダー軸26が水平から上方向への回動自在に取り付けてあり、このホルダー軸26が上方に回動しているときに両ホルダー軸26の間にトイレットペーパー10を左右一対のホルダー側面部24の間に差し入れ、トイレットペーパー10の中心に通った孔に左右からホルダー軸26の先が入ったところでトイレットペーパー10を下方に下げる。ホルダー軸26は水平位置より下方には下がらないようにストッパーが掛かっているので、トイレットペーパー10は上部を紙切板28に、左右をホルダー側面部24に、その背面をホルダー取付部22に囲まれた位置で安定し回転することが可能である。
【0014】
ホルダー取付部22は、トイレットペーパーホルダー20を、基部取付部材40と水平アーム支持部材60との間において水平アーム30のアーム本体32上をスライド可能に支持するための部材であり、トイレットペーパーホルダー20が水平アーム30上で回転してしまわないようにするため、水平アーム30表面の長手方向に沿って設けられた2本の凹条38に勘合するよう、ホルダー取付部22のトンネル22a内部にトンネル22aの長手方向に凸条22bが2本設けられ、これらの凹条38と凸条22bが互いにかみ合ってトイレットペーパーホルダー20が水平アーム30上を回転することのないようにできる。また、ホルダー取付部22のトンネル22a内部は、水平アーム30との摩擦に強い材料で作られることが大切となる。
なお、本第1実施形態においては、凹条38や凸条22bについて、ホルダー取付部22のトンネル22a内部のものを凸条のもの、水平アーム30上のものを凹条のものとしたが、それらは逆でも問題ない。また、凹凸条の数においては単数であっても複数であっても問題ないし、その施す位置についても360度どの位置でも問題ない。
【0015】
次に、水平アーム30の構成であるが、棒状の部材であるアーム本体32を有し、またこのアーム本体32の先端部には水平アーム支持部材60と係合する支持部材係合部34が当該水平アーム支持部材60の横幅と略一致する長さで設けられる。
また、水平アーム30は、アーム本体32の基端部が、前述の基部取付部材40に水平回動自在にて固定される。
【0016】
一方、アーム本体32の先端部は、前述の支持部材係合部34が水平アーム支持部材60に載置されることによって水平方向に安定的に保持することができる。この支持部材係合部34の基端側には、凹条38に沿ってスライドするトイレットペーパーホルダー20がアーム本体32を滑り抜けてしまわないように、当該アーム本体32の外径よりも大きな外径を有する鍔状のトイレットペーパーホルダーストッパー35が設けられており、トイレットペーパーホルダー20はトイレットペーパーホルダーストッパー35を通り越してさらに水平アーム30の先端方向へ抜けることは無い。また、支持部材係合部34の先端側には、前述のトイレットペーパーホルダーストッパー35と同じ鍔状のアームエンド36が設けられており、このアームエンド36とトイレットペーパーホルダーストッパー35とが協働することにより、支持部材係合部34がより確実に水平アーム支持部材60上に安定して留まることができる。ただし、トイレットペーパーホルダーストッパー35やアームエンド36は、必ずしも前述のように水平アーム30の周囲をぐるりと一周突起している形状である必要はない。
【0017】
次に、基部取付部材40について説明する。
基部取付部材40は、前述の水平アーム30の片端でトイレ使用者に近い側の片端に位置し、水平アーム30の当該片端をトイレ壁面80に固定し且つ水平アーム30が基部取付部材40を基点に水平回動可能であるようにするための部材である。この基部取付部材40は、トイレ壁面80に取り付けるための部分である基部取付部46と、水平アーム30を上下から挟むようにして支持する一対の基部水平アーム支持部42、および基部水平アーム支持部42に水平アーム30をアーム本体32の基端部を基点として水平回動自在に固定する基部回転軸部44から構成されている。
【0018】
次に、水平アーム支持部材60であるが、水平アーム30の、アーム本体32の基端部側とは反対側の端を支えるための部材で、トイレ壁面80に固定されている一方で水平アーム30とは固定されていない。
水平アーム支持部材60の構成は、トイレ壁面80に取り付けるための部分である水平アーム支持部取付部62と、アーム先端部34をその下方向から支えて保持させる部分であるアーム先端部支持部64から成っている。このアーム先端部支持部64の上面のアーム先端部34に接する部分には、より確実に水平アーム30を保持できるようにくぼみが設けられている(
図5参照)。しかし、必ずしも必要なくぼみではない。
【0019】
次いで、本実施形態の可動式トイレットペーパーホルダーユニット70の使用手順を説明する。
図2を定位置状態とする。この状態におけるトイレットペーパーホルダー20の位置が、トイレットペーパーホルダー20が直接トイレ壁面に固定されていても健常者であり体を痛めてもいないトイレ使用者が特別不自由を感じることなくトイレットペーパーを取り出せる位置であることが基本である。しかし、このトイレットペーパーホルダー20の位置では、トイレットペーパー10を引き出し巻き取る動作のために体を捻ることを不自由であると感じるトイレ使用者も存在する。
【0020】
そこで、そのようなトイレ使用者は、トイレットペーパーホルダー20を左手でもってトイレ使用者から見て前方に水平アーム30上を滑らせて、トイレ使用者の体側から遠ざけることができる。これだけでも、トイレ使用者のトイレットペーパー10巻き取り時の体の捻りを軽減する効果が望めるが、更に、水平アーム30を、基部取付部材40を基点としてトイレ壁面80から離れる方向すなわちトイレ使用者の正面に近づく方向に回動させると、結果として水平アーム30上のトイレットペーパーホルダー20をトイレ使用者のほぼ正面に位置させることができるのである。これによって、体を捻ることを嫌うトイレ使用者が捻りによる体への負担を最小限に抑えてトイレットペーパー10を使用することが可能になる。
【0021】
また、前述では、一旦トイレットペーパーホルダー20をアーム先端部34へ向けてスライドした後で、水平アーム30を回動させて、最終的にトイレットペーパーホルダー20がトイレ使用者の正面近くに来るような手順として説明したが、トイレットペーパーホルダー20のスライド動作と水平アーム30の回動動作を同時に行うことも可能である。
【0022】
トイレットペーパー10を使用した後は、再び片手で水平アーム30やトイレットペーパーホルダー20を持って、トイレットペーパーホルダー20を使用者の体の正面から使用者の体の脇の方によけるような仕草で邪魔にならない位置に動かすことができる。
また、トイレットペーパーホルダー20が、基部取付部材40近くにある状態でも水平アーム30上の途中にある状態でも水平アーム支持部材60近くにある状態でも、アーム先端部34が水平アーム支持部材60によって支持されている状態であれば、本実施形態の可動式トイレットペーパーホルダーユニット70は手摺りとしての役割を果たすこともできる。
【0023】
なお、上述の実施形態では、可動式トイレットペーパーホルダーユニット70をトイレ壁面80に直接設置する場合を示したが、本発明の可動式トイレットペーパーホルダーユニット70の設置場所はこれに限定されるものではなく、トイレ内に設置された各種設備、例えば体の不自由な利用者に向けて設置された可動式手摺りなどに設置することもできる。
【0024】
次に、
図6を参照しつつ、本発明の第2実施形態について以下に説明する。
第2実施形態とは、第1実施形態にて説明した可動式トイレットペーパーホルダーユニット70を、トイレ壁面80あるいはトイレ内部に設置された各種設備に設けられたレール50上に設置した形態である。すなわち、第1実施形態の可動式トイレットペーパーホルダーユニット70のように基部取付部材40を壁面等へ固定して設置する形態ではなく、別に設置されたレール50に基部取付部材40を嵌めてスライドできる形態に変更することによって、可動式トイレットペーパーホルダーユニット70全体を、基部取付部材40をベースとしてレール50上を移動させることができるのである(
図6参照)。
この発明により、多目的トイレなどの、既に器具が種々設置されているトイレ内空間への可動式トイレットペーパーホルダーユニット70の自在な設置が可能になるだけでなく、トイレ使用者が最もトイレットペーパー10を使用しやすい位置にトイレットペーパーホルダー20を移動させることがより容易になる。
【0025】
本第2実施形態においても、前述したレール50はトイレ使用者から見て左側のトイレ壁面80に設置されているものとして説明する。
そのレール50のレール本体52の長手方向に凹条54が設けられ、レール本体52のトイレ使用者から離れた側の片端に水平アーム支持部材60が設置され、トイレ使用者に近い側の端にはストッパー56が設けられる。基部取付部材40においては、第1実施形態で基部取付部46であった部分が凸型基部取付部48に変更され、その凸型基部取付部48と前述の凹条54とがスライド可能な嵌合構造を形成している。したがって、水平アーム30は基部取付部材40によって回動自在であると同時にレール50上をスライド自在とすることができる。
基本的な基部取付部材40の位置は、レール本体52上のストッパー56に隣接する位置であり、基部取付部材40がこの位置にあるとき、水平アーム30先端部の支持部材係合部34が水平アーム支持部材60に載置される。
本第2実施形態の可動式トイレットペーパーホルダーユニット70の使用に当たっては、基部取付部材40が前述の基本的位置にあり支持部材係合部34が水平アーム支持部材60に載置される状態でトイレットペーパーホルダー20を水平アーム30に沿ってスライドすることも可能であるし、トイレットペーパーホルダー20を水平アーム30に沿ってスライドさせた後あるいは同時に基部取付部材40を支点とした水平アーム30の回動を利用することも可能であり、その回動動作の後あるいは同時に基部取付部材40のレール50上のスライドも行うことが可能である。
【0026】
なお、レール50が設置されるのはトイレ壁面80に限定されることはなく、トイレ内に設置された各種設備上に設置することができる。また、上記においてはレール本体52に設けられたのは凹条54であったがそれは凸条でも問題なく、この場合は凸型基部取付部48が凹型形状に変更され当該凸条と嵌合構造を形成することとなる。
【0027】
第1実施形態、第2実施形態ともに、トイレ使用者から見て右側に設置する場合は、上記説明において適宜部材の位置や動作方向を読み替える。
また、トイレットペーパーホルダー20の水平アーム30上のスライドにおいては、段階的な停止を可能にするような工夫を加えることができる。例えば、水平アーム30とトイレットペーパーホルダー20との接触面の摩擦を大きくするなど変化させたり、アーム本体32表面の全体あるいは一部または凹条38に楔状の凹凸を施し、トイレットペーパーホルダー20のアーム本体32または凹条38に施された楔状凹凸との摩擦面に当該楔状凹凸に引っかかる形状の突起物を作成したりすることが考えられる。
また、トイレットペーパーホルダー20がトイレットペーパーホルダーストッパー35までスライドした時、トイレットペーパーホルダー20に施した突起部材(あるいは凹状部材)がトイレットペーパーホルダーストッパー35に施された凹状部材(あるいは突起部材)に着脱可能に嵌るような工夫により、トイレットペーパーホルダー20が一時的および簡易的に固定される状態を作ることも可能である。
【符号の説明】
【0028】
10:トイレットペーパーホルダー,20:トイレットペーパーホルダー,22:ホルダー取付部,22a:トンネル,凸条22b:凸条,24:ホルダー側面部,26:ホルダー軸,28:紙切板,30:水平アーム,32:アーム本体,34:支持部材係合部,35:トイレットペーパーホルダーストッパー,36:アームエンド,40:基部取付部材,42:基部水平アーム支持部,44:基部回転軸部,46:基部取付部,48:凸型基部取付部,50:レール,52:レール本体,54:凸条,56:ストッパー,60:水平アーム支持部,62:水平アーム支持部取付部,64:アーム先端部支持部,70:可動式トイレットペーパーホルダーユニット,80:トイレ壁面.