(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061452
(43)【公開日】2023-05-02
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
F24F 11/526 20180101AFI20230425BHJP
F24F 11/30 20180101ALI20230425BHJP
【FI】
F24F11/526
F24F11/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021171337
(22)【出願日】2021-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】高安 真弘
(72)【発明者】
【氏名】山際 啓司
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AA01
3L260AB02
3L260BA33
3L260CA32
3L260CB62
3L260DA02
3L260EA07
3L260FA02
3L260FB80
3L260GA17
(57)【要約】
【課題】利便性を向上させた空気調和機を提供する。
【解決手段】
本開示の空気調和機は、室内の空気を調和する空気調和機であって、冷房運転を開始する冷房制御コマンドまたは暖房運転を開始する暖房制御コマンドを受信する受信部と、空気調和機に関する音声を出力するスピーカーと、冷房制御コマンドまたは暖房制御コマンドに基づいて空気調和機の運転モードを制御すると共に、スピーカーを制御する制御部と、を備え、制御部は、冷房制御コマンドまたは暖房制御コマンドを受信してから所定の時間の間に、室内温度に基づいて運転モードの適否を判定し、運転モードが適切でないと判定した場合に、スピーカーから音声を出力する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の空気を調和する空気調和機であって、
冷房運転を開始する冷房制御コマンドまたは暖房運転を開始する暖房制御コマンドを受信する受信部と、
前記空気調和機に関する音声を出力するスピーカーと、
前記冷房制御コマンドまたは前記暖房制御コマンドに基づいて前記空気調和機の運転モードを制御すると共に、前記スピーカーを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記冷房制御コマンドまたは前記暖房制御コマンドを受信してから所定の時間の間に、室内温度に基づいて前記運転モードの適否を判定し、
前記運転モードが適切でないと判定した場合に、前記スピーカーから前記音声を出力する、
空気調和機。
【請求項2】
前記制御部は、室外温度に基づいて、前記運転モードの適否を判定する、
請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記制御部は、カレンダー、または天気予報のうち少なくとも1つに基づいて、前記運転モードの適否を判定する、
請求項1または2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記受信部は、さらに、前記空気調和機に関する情報を知らせるお知らせコマンドを受信し、
前記制御部は、前記所定の時間の経過後に前記お知らせコマンドを受信した場合に、前記スピーカーから前記音声を出力する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記制御部は、前記運転モードが適切でないと判定した場合に、前記スピーカーから前記運転モードの変更を促す音声を出力する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記制御部は、前記冷房制御コマンドまたは前記暖房制御コマンドを受信してから一定の時間を経過したときに、前記運転モードの変更を促す音声の出力を終了する、
請求項5に記載の空気調和機。
【請求項7】
さらに、
前記冷房制御コマンドおよび前記暖房制御コマンドを送信する操作機器、
を備える、
請求項1から6のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項8】
前記操作機器は、表示部をさらに有し、
前記制御部は、前記表示部に前記運転モードの適否に関する情報を表示する、
請求項7に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
音声を出力することができる空気調和機が知られている。例えば、特許文献1に記載の空気調和機は、コントロールユニットと、音声データを格納するためのメモリを含む無線通信ユニットと、スピーカーと、を含み、音声データに基づいてスピーカーから音声を出力させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の空気調和機は、利便性の向上の点で未だ改善の余地がある。
【0005】
本開示は、利便性を向上させた空気調和機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る空気調和機は、
室内の空気を調和する空気調和機であって、
冷房運転を開始する冷房制御コマンドまたは暖房運転を開始する暖房制御コマンドを受信する受信部と、
前記空気調和機に関する音声を出力するスピーカーと、
前記冷房制御コマンドまたは前記暖房制御コマンドに基づいて前記空気調和機の運転モードを制御すると共に、前記スピーカーを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記冷房制御コマンドまたは前記暖房制御コマンドを受信してから所定の時間の間に、室内温度に基づいて前記運転モードの適否を判定し、
前記運転モードが適切でないと判定した場合に、前記スピーカーから前記音声を出力する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によると、利便性を向上させた空気調和機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施の形態1に係る空気調和機の概略図
【
図3】リモートコントローラ70の一例を示す模式図
【
図4】
図1の空気調和機の音声出力動作を示すフローチャート
【
図5】実施の形態2に係る空気調和機の音声出力動作を示すフローチャート
【
図6】実施の形態3に係る空気調和機の音声出力動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の一態様に係る空気調和機は、室内の空気を調和する空気調和機であって、冷房運転を開始する冷房制御コマンドまたは暖房運転を開始する暖房制御コマンドを受信する受信部と、前記空気調和機に関する音声を出力するスピーカーと、前記冷房制御コマンドまたは前記暖房制御コマンドに基づいて前記空気調和機の運転モードを制御すると共に、前記スピーカーを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記冷房制御コマンドまたは前記暖房制御コマンドを受信してから所定の時間の間に、室内温度に基づいて前記運転モードの適否を判定し、前記運転モードが適切でないと判定した場合に、前記スピーカーから前記音声を出力する。
【0010】
このような構成によれば、利便性を向上させた空気調和機を提供することができる。
【0011】
例えば、前記制御部は、室外温度に基づいて、前記運転モードの適否を判定してもよい。
【0012】
例えば、前記制御部は、カレンダー、または天気予報のうち少なくとも1つに基づいて、前記運転モードの適否を判定してもよい。
【0013】
例えば、前記受信部は、さらに、前記空気調和機に関する情報を知らせるお知らせコマンドを受信し、
前記制御部は、前記所定の時間の経過後に前記お知らせコマンドを受信した場合に、前記スピーカーから前記音声を出力してもよい。
【0014】
例えば、前記制御部は、前記運転モードが適切でないと判定した場合に、前記スピーカーから前記運転モードの変更を促す音声を出力してもよい。
【0015】
例えば、前記制御部は、前記冷房制御コマンドまたは前記暖房制御コマンドを受信してから一定の時間を経過したときに、前記運転モードの変更を促す音声の出力を終了してもよい。
【0016】
例えば、さらに、前記冷房制御コマンドおよび前記暖房制御コマンドを送信する操作機器、を備えてもよい。
【0017】
例えば、前記操作機器は、表示部をさらに有し、前記制御部は、前記表示部に前記運転モードの適否に関する情報を表示してもよい。
【0018】
以下、本開示の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本開示の実施の形態1に係る空気調和機の概略図である。
図2は、
図1の空気調和機の構成を示すブロック図である。
【0020】
図1に示すように、空気調和機10は、空調対象の室内Rinに配置される室内機20と、室外Routに配置される室外機30と、を有する。本実施の形態では、冷房および暖房を実行する空気調和機10について説明する。
【0021】
空気調和機10が実行する空調運転は、ユーザによって選択される。例えば、
図1に示すリモートコントローラ70に対するユーザの選択操作により、空気調和機10は、その操作に対する空調運転を実行する。
【0022】
図2に示すように、空気調和機10の室内機20は、受信部21と、スピーカー22と、制御部23と、を備える。
【0023】
受信部21は、冷房運転を開始する冷房制御コマンド、または暖房運転を開始する暖房制御コマンドを受信する。受信部21は、例えば、有線通信または無線通信により信号を送受信する。本実施の形態では、受信部21は、無線通信により、冷房制御コマンドまたは暖房制御コマンドを受信する。受信部21は、Wi-Fi(登録商標)、IEEE802.2、IEEE802.3、3G、またはLTE等の規格に従い通信を行うことができるものあってもよい。または、受信部21は、インターネットの他、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等、赤外線、Bluetooth(登録商標)で通信してもよい。本実施の形態では、受信部21は、リモートコントローラ70から無線通信を介して、冷房制御コマンドまたは暖房制御コマンドを受信する。
【0024】
図3は、リモートコントローラ70の一例を示す模式図である。
図3に示すように、リモートコントローラ70は、例えば、冷房ボタン71、暖房ボタン72、お知らせボタン73、温度ボタン74、湿度ボタン75、および、停止ボタン76等の複数のボタンと、表示部77と、を有する。冷房ボタン71は、冷房制御コマンドを送信するためのボタンである。暖房ボタン72は、暖房制御コマンドを送信するためのボタンである。お知らせボタン73は、後述するお知らせコマンドを送信するためのボタンである。温度ボタン74は、設定温度を変更する信号を送信するためのボタンである。湿度ボタン75は、設定湿度を変更する信号を送信するためのボタンである。停止ボタン76は、冷房運転または暖房運転を停止する信号を送信するためのボタンである。表示部77は、運転モード、設定温度、設定湿度、または現在時刻等を表示するものであり、例えば液晶ディスプレイである。
【0025】
例えば、ユーザによりリモートコントローラ70の冷房ボタン71が押下されると、リモートコントローラ70により冷房制御コマンドが送信される。また、リモートコントローラ70の暖房ボタン72が押下されると、リモートコントローラ70により暖房制御コマンドが送信される。なお、リモートコントローラ70が、冷房制御コマンドおよび暖房制御コマンドを送信する「操作機器」に相当する。
【0026】
スピーカー22は、制御部23により制御されて、空気調和機10に関する音声を出力する。具体的には、スピーカー22は、制御部23から音声出力コマンドを受信し、音声を出力する。空気調和機に関する音声とは、例えば、運転モード(冷房運転または暖房運転)、設定温度、室内温度、または室内湿度などの空気調和機の運転に関連する情報を通知する音声である。なお、本実施の形態では、スピーカー22は、運転モードの変更を促す音声を出力する。
【0027】
制御部23は、空気調和機10の構成要素を制御する。制御部23は、例えば、プログラムを記憶したメモリと、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサに対応する処理回路を備える。制御部23の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。制御部23は、メモリに格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、所定の機能を実現する。本実施の形態では、制御部23は、冷房制御コマンドまたは暖房制御コマンドに基づいて、空気調和機の運転モードを制御すると共に、スピーカー22を制御する。
【0028】
制御部23は、受信部21が冷房制御コマンドを受信したことに基づいて、空気調和機10の冷房運転を実行し、受信部21が暖房制御コマンドを受信したことに基づいて、空気調和機10の暖房運転を実行する。制御部23は、冷房制御コマンドまたは暖房制御コマンドを受信してから所定の時間の間に、室内温度に基づいて運転モードの適否を判定する。制御部23は、運転モードが適切でないと判定した場合に、スピーカー22から音声を出力する。
【0029】
<音声出力のフロー>
図4は、
図1の空気調和機の音声出力動作を示すフローチャートである。なお、
図4に示す処理は一例であって、本実施の形態は
図4に示す処理に限定されない。
【0030】
図4に示す処理は、例えば、
図1および
図3に示すリモートコントローラ70に対するユーザの選択操作により、冷房運転または暖房運転がONになったとき、すなわち、受信部21が冷房制御コマンドまたは暖房制御コマンドを受信したときに開始する。
【0031】
ステップS11では、制御部23が、受信部21において冷房制御コマンドが受信されたか否かを判定する。制御部23が、受信部21において冷房制御コマンドが受信されたと判定した場合、処理はステップS12に進む。制御部23が、受信部21において冷房制御コマンドが受信されていないと判定した場合、処理はステップS13に進む。
【0032】
ステップS12では、制御部23は、運転モードが適切であるか否かを判定する。本実施の形態では、運転モードが適切であるか否かを、室内温度に基づいて判定する。ステップS12では、制御部23は、運転モードとして冷房運転が適切であるか否かを、室内温度に基づいて判定する。室内温度は、室内Rinの気温であり、例えば、室内機20に内蔵されている温度計から室内温度を取得することができる。または、室内Rinに配置されている温度計から、ネットワーク経由で温度情報を取得することができる。制御部23は、取得した温度情報に基づいて、運転モードの適否を判定する。例えば、制御部23は、取得した室内温度が所定の閾値以下である場合に、運転モードとして冷房運転が適切でないと判定する。より具体的には、制御部23は、室内温度が例えば25℃以下である場合に、運転モードとして冷房運転が適切でないと判定する。
【0033】
空気調和機10が冷房制御コマンドを受信して冷房運転を実行している場合、冷房運転の実行開始直後の室内温度が25℃以下である場合に、制御部23は、運転モードとして冷房運転が適切でないと判定する。冷房運転の実行開始直後とは、例えば、空気調和機10が冷房制御コマンドを受信してから30秒以内である。冷房制御コマンドを受信してから30秒以内であれば、冷房運転により十分に室温が低下していないため、運転モードの適否を判定するのに適切である。例えば、冷房運転の実行開始直後の室内温度が25℃以下である場合、冷房運転により室内温度を下げなくてもよい可能性があるため、制御部23は、運転モードが適切でないと判定する。
【0034】
ステップS12において、制御部23により運転モードが適切であると判定した場合、処理を終了する。ステップS12において、制御部23により運転モードが適切でないと判定した場合、ステップS13に進む。
【0035】
ステップS13では、制御部23により、冷房制御コマンドまたは暖房制御コマンドを受信してから所定の時間が経過したか否かを判定する。所定の時間は、例えば、冷房制御コマンドまたは暖房制御コマンドを受信してから30秒である。
【0036】
制御部23が所定の時間が経過したと判定した場合、処理はステップS14に進む。制御部23が所定の時間が経過していないと判定した場合、ステップS13を繰り返す。
【0037】
ステップS14では、制御部23により、スピーカー22から音声を出力する。例えば、制御部23は、スピーカー22から運転モードの適否に関する情報を音声で出力する。より具体的には、空気調和機10が冷房制御コマンドを受信した場合、「温度が低くなっています。暖房への変更をお勧めします。」のように、運転モードの変更を促す音声を出力してもよい。また、例えば空気調和機10が暖房制御コマンドを受信した場合、「温度が高くなっています。冷房への変更をお勧めします。」のように、運転モードの変更を促す音声を出力してもよい。上述のアナウンスに加えて、報知音を出力してもよい。ステップS14で音声を出力すると、処理が終了する。
【0038】
ステップS15では、制御部23が、受信部21において暖房制御コマンドが受信されたか否かを判定する。制御部23が、受信部21において暖房制御コマンドが受信されたと判定した場合、ステップS16に進む。制御部23が、受信部21において暖房制御コマンドが受信されていないと判定した場合、処理を終了する。
【0039】
ステップS16では、制御部23は、運転モードが適切であるか否かを判定する。ステップS16では、制御部23は、運転モードとして暖房運転が適切であるか否かを、室内温度に基づいて判定する。制御部23は、取得した温度情報に基づいて、運転モードが適切であるか否かを、室内温度に基づいて判定する。例えば、制御部23は、取得した室内温度が所定の閾値以上である場合に、運転モードとして暖房運転が適切でないと判定する。より具体的には、制御部23は、室内温度が例えば20℃以上である場合に、運転モードが適切でないと判定する。
【0040】
空気調和機10が暖房制御コマンドを受信して暖房運転を実行している場合、暖房運転の実行開始直後の室内温度が20℃以上である場合に、制御部23は、運転モードが適切でないと判定する。暖房運転の実行開始直後とは、例えば、空気調和機10が暖房制御コマンドを受信してから30秒以内である。暖房制御コマンドを受信してから30秒以内であれば、暖房運転により十分に室温が上昇していないため、運転モードの適否を判定するのに適切である。例えば、暖房運転の実行開始直後の室内温度が20℃以上である場合、暖房運転により室内温度を上げなくてもよい可能性があるため、制御部23は、運転モードが適切でないと判定する。
【0041】
ステップS16において、制御部23により運転モードが適切であると判定した場合、処理を終了する。ステップS16において、制御部23により運転モードが適切でないと判定した場合、処理はステップS13に進む。
【0042】
なお、
図4に示す処理は例示であって、全体の動作がこれに限定されるものではない。例えば、
図4に示す処理は、追加のステップをさらに含んでいてもよいし、ステップが削除、統合および/または分割されてもよい。
【0043】
制御部23により、運転モードの適否を判定し、運転モードが適切でないと判定した場合に、スピーカー22から音声を出力することにより、ユーザは、運転モードが適切でないことを知ることができる。このため、ユーザの利便性を向上させることができる。例えば、ユーザがリモートコントローラ70の冷房ボタン71と暖房ボタン72とを間違えて押下してしまった場合、音声により誤りの可能性を通知することで、ユーザが押し間違いを認知することができる。
【0044】
なお、上述した実施の形態では、ユーザによりリモートコントローラ70から冷房制御コマンドまたは暖房制御コマンドが送信される例について説明したが、これに限定されない。例えば、冷房制御コマンドまたは暖房制御コマンドは、スマートフォンまたはタブレット等の電子機器にインストールされたアプリケーションを使用して、電子機器からネットワークを介して送信されてもよい。
【0045】
また、上述した実施の形態では、冷房制御コマンドを受信して室内温度が25℃以下である場合、および暖房制御コマンドを受信して室内温度が20℃以上である場合に、運転モードが適切でないと判定する例について説明したが、これに限定されない。空気調和機10の設置される場所の環境、または気候条件等により、上述の閾値を変更することができる。または、例えば、冷房運転または暖房運転の設定温度を閾値として使用してもよい。
【0046】
また、上述した実施の形態では、空気調和機10が冷房運転または暖房運転を実行する例について説明したが、これに限定されない。例えば、空気調和機10は冷房運転および暖房運転に加えて、除湿運転または加湿運転等を実行してもよい。
【0047】
また、上述した実施の形態では、運転モードが適切でない場合に、スピーカー22から音声を出力する例について説明したが、これに限定されない。リモートコントローラ70の表示部77に、空気調和機10に関する情報を表示してもよい。例えば、
図3に示すように、運転モードの変更を促す通知を、リモートコントローラ70の表示部77に表示してもよい。
【0048】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る空気調和機について説明する。なお、実施の形態2では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態2においては、実施の形態1と同一または同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0049】
図5は、実施の形態2に係る空気調和機の音声出力動作を示すフローチャートである。
図5に示すように、実施の形態2では、室内温度に加えて、室外温度に基づいて、制御部23が運転モードの適否を判定する点で、実施の形態1と異なる。
【0050】
図5において、ステップS21、S24~S25、S26は、実施の形態1のステップS11、S13~S14、S15と同一であるため、説明を省略する。
【0051】
ステップS22~S23では、制御部23は、運転モードが適切であるか否かを判定する。ステップS22~S23では、制御部23は、運転モードとして冷房運転が適切であるか否かを、室内温度および室外温度に基づいて判定する。
【0052】
ステップS22では、制御部23は、室内温度が所定の閾値以下であるか否かを判定する。より具体的には、制御部23は、室内温度が25℃以下であるか否かを判定する。室内温度は、実施の形態1と同様に、例えば室内機20に内蔵された温度計、または室内Rinに配置されている温度計から取得することができる。制御部23により、室内温度が25℃以下であると判定した場合、処理はステップS23に進む。制御部23により、室内温度が25℃以下でないと判定した場合は、処理を終了する。
【0053】
ステップS23では、制御部23は、室外温度が所定の閾値以下であるか否かを判定する。より具体的には、制御部23は、室外温度が16℃以下であるか否かを判定する。室外温度は、室外Routの気温であり、例えば、室外機30に配置された温度計から室外温度を取得することができる。制御部23により、室外温度が16℃以下であると判定した場合、処理はステップS24に進む。制御部23により、室外温度が16℃以下でないと判定した場合、処理を終了する。
【0054】
本実施の形態では、空気調和機10が冷房制御コマンドを受信した場合、制御部23は、ステップS22およびステップS23で、運転モードとしての冷房運転の適否の判定を行う。具体的には、空気調和機10が冷房制御コマンドを受信したときに、制御部23は、室内温度が25℃以下、かつ室外温度が16℃以下である場合に、運転モードとして冷房運転が適切でないと判定する。すなわち、ステップS22でYes、かつステップS23でYesの場合、制御部23が、運転モードとして冷房運転が適切でないと判定したことを示す。
【0055】
例えば、室内温度が25℃以下かつ室外温度が16℃以下である場合、ユーザの誤操作により、空気調和機10が冷房制御コマンドを受信したと考えられる。このため、空気調和機10が冷房制御コマンドを受信した場合、制御部23は、室内温度が25℃以下かつ室外温度が16℃以下である場合に、運転モードが適切でないと判定する。
【0056】
ステップS27~S28では、制御部23は、運転モードが適切であるか否かを判定する。ステップS27~S28では、制御部23は、運転モードとして暖房運転が適切であるか否かを、室内温度および室外温度に基づいて判定する。
【0057】
ステップS27では、制御部23は、室内温度が所定の閾値以上であるか否かを判定する。より具体的には、制御部23は、室内温度が20℃以上であるか否かを判定する。制御部23により、室内温度が20℃以上であると判定した場合は、処理はステップS28に進む。制御部23により、室内温度が20℃以上でないと判定した場合は、処理を終了する。
【0058】
ステップS28では、制御部23は、室外温度が所定の閾値以上であるか否かを判定する。より具体的には、制御部23は、室外温度が30℃以上であるか否かを判定する。制御部23により、室外温度が30℃以上であると判定した場合、処理はステップS24に進む。制御部23により、室外温度が30℃以上でないと判定した場合、処理を終了する。
【0059】
本実施の形態では、空気調和機10が暖房制御コマンドを受信した場合、制御部23は、ステップS25およびステップS26で、運転モードとしての暖房運転の適否の判定を行う。具体的には、空気調和機10が暖房制御コマンドを受信したときに、制御部23は、室内温度が20℃以上、かつ室外温度が30℃以上である場合に、運転モードとして暖房運転が適切でないと判定する。すなわち、ステップS25でYes、かつステップS26でYesの場合、制御部23が、運転モードとして暖房運転が適切でないと判定したことを示す。
【0060】
例えば、室内温度が20℃以上かつ室外温度が30℃以上である場合、ユーザの誤操作により、空気調和機10が暖房制御コマンドを受信したと考えられる。このため、空気調和機が暖房制御コマンドを受信した場合、制御部23は、室内温度が20℃以上かつ室外温度が30℃以上である場合に、運転モードが適切でないと判定する。
【0061】
室内温度に加えて、室外温度に基づいて運転モードの適否を判定することにより、冷房運転または暖房運転が誤操作により実行されたことをより正確に判定し、ユーザに通知することができる。このため、ユーザの利便性がさらに向上する。
【0062】
なお、上述した実施の形態では、制御部23が、室内温度に加えて室外温度に基づいて運転モードの適否を判定する例について説明したが、これに限定されない。例えば、制御部23は、室内温度に加えて、カレンダー情報または気象情報のうち少なくとも1つに基づいて、運転モードの適否を判定してもよい。カレンダー情報または気象情報は、外部のサーバから受信することができる。カレンダー情報は、例えば現在の日付、曜日、または季節等を含む、カレンダーに関する情報である。気象情報は、例えば、天気予報、または気象警報・注意報などを含む、天候に関連する情報である。
【0063】
例えば、空気調和機10が冷房制御コマンドを受信した場合、室内温度が25℃以下、かつ冬季(例えば、12月から2月)であれば、制御部23は、運転モードが適切でないと判定することができる。
【0064】
または、空気調和機10の設置されている地域の気象情報に基づいて、制御部23が運転モードの適否を判定してもよい。例えば、制御部23は、室内温度に加えて、空気調和機10の設置されている地域の気温または天候などの気象情報に基づいて、運転モードの適否の判定をしてもよい。
【0065】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る空気調和機について説明する。なお、実施の形態3では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態3においては、実施の形態1と同一または同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態3では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0066】
図6は、実施の形態3に係る空気調和機の音声出力動作を示すフローチャートである。
図6に示すように、実施の形態5では、受信部21がお知らせコマンドを受信し、お知らせコマンドに基づいて、制御部23によりスピーカー22から音声を出力する点で、実施の形態1と異なる。
【0067】
お知らせコマンドは、ユーザの要求により、空気調和機10に関するお知らせ情報を通知するためのコマンドである。お知らせ情報は、例えば、空気調和機10の運転モード、設定温度、設定湿度、または現在時刻等に関する情報である。本実施の形態では、制御部23により、お知らせ情報として運転モードの適否を通知することができる。
【0068】
例えば、
図3に示すリモートコントローラ70のお知らせボタン73がユーザにより押下されると、リモートコントローラ70からお知らせコマンドが送信される。受信部21でお知らせコマンドを受信すると、制御部23によりスピーカー22を制御して空気調和機10に関するお知らせ情報を音声等で通知することができる。
【0069】
本実施の形態では、空気調和機10が冷房制御コマンドまたは暖房制御コマンドを受信してから所定の時間(例えば、30秒)の経過後に、受信部21がお知らせコマンドを受信すると、空気調和機10に関する情報を音声で通知する。本実施の形態では、空気調和機10に関するお知らせ情報は、例えば、運転モードの変更を促す通知である。
【0070】
図6を参照して、実施の形態3に係る音声出力動作を説明する。なお、
図6のステップS31~S34、S38~S39は、実施の形態1で説明した
図4のステップS11~S14、S15~S16と同一であるため、説明を省略する。
【0071】
制御部23により、運転モードが適切でないと判定してスピーカー22から音声を出力した後、例えば、リモートコントローラ70のお知らせボタン73が押下されて受信部21によりお知らせコマンドを受信する。ステップS35では、制御部23は、受信部21によりお知らせコマンドを受信したか否かを判定する。
【0072】
制御部23により、受信部21がお知らせコマンドを受信していないと判定した場合、処理を終了する。制御部23により、受信部21がお知らせコマンドを受信したと判定した場合、ステップS36に進む。
【0073】
ステップS36では、制御部23により、冷房制御コマンドまたは暖房制御コマンドを受信してから一定の時間が経過したか否かを判定する。冷房制御コマンドまたは暖房制御コマンドを受信してから一定の時間とは、例えば、冷房制御コマンドまたは暖房制御コマンドを受信してから10分間である。制御部23により、一定の時間が経過したと判定した場合、運転モードの変更を促す音声の出力を終了する。制御部23により、一定の時間が経過していないと判定した場合、ステップS37に進む。
【0074】
ステップS37では、制御部23により、スピーカー22から音声を出力する。制御部23は、スピーカー22から、空気調和機10に関するお知らせ情報を音声で出力する。制御部23は、例えば、スピーカー22から運転モードの適否に関する情報を音声で出力してもよい。より具体的には、
図4のステップS14と同様に、「温度が低くなっています。暖房への変更をお勧めします。」または「温度が高くなっています。冷房への変更をお勧めします。」等の運転モードの変更を促す音声を出力してもよい。ステップS37で音声を出力すると、処理が終了する。
【0075】
空気調和機10において、制御部23により運転モードが適切でないと判定した場合、冷房制御コマンドまたは暖房制御コマンドを受信してから一定の時間(例えば、10分間)を経過するまでは、ユーザによる誤操作の可能性が高いと考えられる。一方で、一定の時間を経過した後であれば、誤操作ではなくユーザの意図した操作であると考えられる。このため、冷房制御コマンドまたは暖房制御コマンドを受信してから一定の時間が経過するまでの間に、お知らせコマンドを受信した場合には、制御部23により、スピーカー22からの音声で、運転モードの変更を促す音声を出力する。このような構成により、ユーザに誤操作の可能性を通知し、利便性を向上させることができる。
【0076】
なお、上述した実施の形態では、お知らせコマンドの受信に基づいて、スピーカー22から音声を出力する例について説明したが、これに限定されない。例えば、
図3に示すリモートコントローラ70の表示部77にお知らせ情報を表示してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本開示は、冷房運転および暖房運転を実行することができる空気調和機であれば適用可能である。
【符号の説明】
【0078】
10 空気調和機
20 室内機
21 受信部
22 スピーカー
23 制御部
30 室外機
70 リモートコントローラ
71 冷房ボタン
72 暖房ボタン
73 ボタン
77 表示部