(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006146
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】定置洗浄用ポンプ
(51)【国際特許分類】
F04B 13/00 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
F04B13/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021108587
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】吉村 利克
(72)【発明者】
【氏名】若木 一史
【テーマコード(参考)】
3H075
【Fターム(参考)】
3H075AA17
3H075BB03
3H075BB13
3H075CC23
3H075DA07
3H075DA28
(57)【要約】
【課題】バルブの作動時に、バルブに捻じれや倒れが生じることを抑制する定置洗浄用ポンプを提供する。
【解決手段】定置洗浄用ポンプ1は、液体及び/又は口腔用組成物を貯蔵するタンクに接続された第1ハウジング10と、液体及び/又は口腔用組成物の移動を制御するバルブ23と、バルブを作動させるように駆動レバーと接合されるピボット24を備える本体部20と、ピボットを配置可能に構成されバルブの動作を制御可能に構成されたコントロールバルブ30と、バルブとコントロールバルブの間に設けられるシーリング部材40を有し、ピボット24の回転方向の力を受ける少なくとも1つの第1ベアリング51と、ピボットの基端側に形成された第1受け面24Mとコントロールバルブの基端側に形成された第2受け面30Mの間に設けられ、ピボット24の軸方向の力を受ける第2ベアリング(スラストベアリング)52をさらに有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体及び/又は口腔用組成物を貯蔵するタンクに接続された流入口と、前記流入口から流入した前記液体及び/又は前記口腔用組成物を排出可能な排出口と、前記流入口と前記排出口の間に設けられた第1内部空間を備える第1ハウジングと、
前記液体及び/又は前記口腔用組成物を前記流入口から前記排出口に向かって移動可能なピストンと、前記ピストンを収容可能なシリンダーと、前記第1内部空間に配置され、作動すると回転するように構成されたバルブであって、前記ピストンが前記シリンダー内を前進移動すると前記ピストンの先端部を部分的に収容し、前記ピストンの動作によって生じる前記液体及び/又は前記口腔用組成物の移動を制御するように構成されたバルブと、前記バルブの先端側に設けられ前記バルブを作動させるように駆動レバーと接合されるピボットを備え、前記バルブが作動すると前記バルブ及び前記ピボットが前記ピボットの軸に対して回転方向に90度の範囲を往復するように構成される本体部と、
前記ピボットを配置可能に構成された第2内部空間を備える第2ハウジングを備え、前記バルブの動作を制御可能に構成されたコントロールバルブと、
前記バルブと前記コントロールバルブの間に設けられ、前記流入口及び前記排出口に隣接して配置されるシーリング部材と、を有し、
前記第2ハウジングに配置された前記ピボットに設けられ、前記ピボットの前記回転方向の力を受ける少なくとも1つの第1ベアリングと、
前記ピボットの基端側に形成された第1受け面と前記第2ハウジングの基端側に形成され前記第1受け面と対向する第2受け面の間に設けられ、前記ピボットの軸方向の力を受ける第2ベアリングをさらに有する、定置洗浄用ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定置洗浄用ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
流体の移動を制御するように構成されたバルブを備えたポンプは、以前から知られていた。
【0003】
一般的に、ポンプなどの機器は、手動で洗浄や滅菌などを実施する際に構成部品を分解する必要があり、作業が煩雑化する傾向にあった。そのため、近年では、ポンプなどの機器を含むシステムに洗浄や滅菌を自動で実施することができる定置洗浄(CIP:cleaning in place)機能が追加されている(例えば、下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、構成部品数が多く、各部のクリアランスが小さく設計されている機器に定置洗浄機能を追加して洗浄や滅菌などを実施しようとすると、各構成部品の細部まで洗浄することが難しい場合があった。そのため、定置洗浄機能を追加した機器は、定置洗浄機能に特化するために、構成部品数を削減し、洗浄液が機器の内部を洗浄しやすいように各部のクリアランスを拡大する必要があった。
【0006】
例えば、ピボット(支軸)が駆動源に接続されることによって回転するように構成されたバルブ(定置洗浄に対応していない従来のバルブ)は、一般的に、バルブとピボットが別体で成型され、バルブの先端面にピボットが接続されている。しかしながら、ポンプを構成する構成部品数を削減するためにバルブとピボットを一体で成型すると、バルブが作動したときに生じるラジアル荷重と、ピストンを前後方向にストロークさせた時に生じるスラスト荷重がピボットの基端側に集中してしまい、バルブの作動時に、バルブが捻じれたり、倒れたりする問題が生じた。また、バルブに捻じれや倒れが生じることによって、定置洗浄用ポンプを構成する各構成要素が干渉し、各構成要素が損傷を受けると、機能性・耐久性が低下してしまう問題が生じた。
【0007】
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、バルブの作動時に、バルブに捻じれや倒れが生じることを抑制する定置洗浄用ポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の定置洗浄用ポンプは、
液体及び/又は口腔用組成物を貯蔵するタンクに接続された流入口と、前記流入口から流入した前記液体及び/又は前記口腔用組成物を排出可能な排出口と、前記流入口と前記排出口の間に設けられた第1内部空間を備える第1ハウジングと、
前記液体及び/又は前記口腔用組成物を前記流入口から前記排出口に向かって移動可能なピストンと、前記ピストンを収容可能なシリンダーと、前記第1内部空間に配置され、作動すると回転するように構成されたバルブであって、前記ピストンが前記シリンダー内を前進移動すると前記ピストンの先端部を部分的に収容し、前記ピストンの動作によって生じる前記液体及び/又は前記口腔用組成物の移動を制御するように構成されたバルブと、前記バルブの先端側に設けられ前記バルブを作動させるように駆動レバーと接合されるピボットを備え、前記バルブが作動すると前記バルブ及び前記ピボットが前記回転方向に90度の範囲を往復するように構成される本体部と、
前記ピボットを配置可能に構成された第2内部空間を備える第2ハウジングを備え、前記バルブの動作を制御可能に構成されたコントロールバルブと、
前記バルブと前記コントロールバルブの間に設けられ、前記流入口及び前記排出口に隣接して配置されるシーリング部材と、を有し、
前記第2ハウジングに配置された前記ピボットに設けられ、前記ピボットの前記回転方向の力を受ける少なくとも1つの第1ベアリングと、
前記ピボットの基端側に形成された第1受け面と前記第2ハウジングの基端側に形成され前記第1受け面と対向する第2受け面の間に設けられ、前記ピボットの軸方向の力を受ける第2ベアリングをさらに有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成した定置洗浄用ポンプによれば、バルブと一体に成型されたピボットの基端側に第2ベアリング(スラストベアリング)を設けることによって、バルブの作動時に生じるスラスト荷重をスラストベアリングに吸収させることができる。そのため、定置洗浄用ポンプは、ピボットの基端側にスラスト荷重がかかることによって生じるバルブの捻じれや倒れを抑制することができ、定置洗浄用ポンプを構成する各構成要素の機能性・耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係る定置洗浄用ポンプを示す断面図であり、ピストンがシリンダー内を前進している状態を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る定置洗浄用ポンプを示す断面図であり、ピストンがシリンダー内を後退している状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ここで示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するために例示するものであって、本発明を限定するものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者などにより考え得る実施可能な他の形態、実施例及び運用技術などは全て本発明の範囲、要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0012】
また、本明細書に添付する図面は、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺、縦横の寸法比、形状などについて、実物から変更し模式的に表現される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0013】
また、以下の説明において、「第1」、「第2」のような序数詞を付して説明する場合は、特に言及しない限り、便宜上用いるものであって何らかの順序を規定するものではない。
【0014】
本実施形態の定置洗浄用ポンプ1は、容器(図示省略)に口腔用組成物を充填可能に構成されたポンプであり、ポンプを分解しなくともポンプ内部を洗浄液などで自動的に洗浄することができる機能を有している。
【0015】
図1、
図2に示すように、定置洗浄用ポンプ1は、液体及び/又は口腔用組成物を貯蔵可能なタンク(図示省略)と、タンクと接続される第1ハウジング10と、第1ハウジング10内に配置され、液体及び/又は口腔用組成物の第1ハウジング10内の移動を制御するバルブ23を備える本体部20と、バルブ23の動作を制御可能に構成されたコントロールバルブ30と、バルブ23とコントロールバルブ30の間に設けられるシーリング部材40と、バルブ23の作動時にバルブ23とコントロールバルブ30の間に生じる力を受ける複数のベアリング50を有している。
【0016】
本明細書において、「液体」は、例えば定置洗浄用の洗浄液である。また、「口腔用組成物」は、例えば歯磨き粉である。
【0017】
タンクは、配管(図示省略)を備え、タンクに貯蔵されている液体及び/又は口腔用組成物は、配管を介して第1ハウジング10に流入する。
【0018】
第1ハウジング10は、
図1に示すように、タンクの配管(図示省略)に接続された流入口11と、流入口11から流入した液体及び/又は口腔用組成物を排出可能な排出口12と、流入口11と排出口12の間に設けられた第1内部空間13を備えている。
【0019】
第1ハウジング10の排出口12は、容器(図示省略)に口腔用組成物を充填可能な充填部(図示省略)に接続されている。なお、充填部に設けられる吐出部(図示省略)は、定置洗浄用ポンプ1が定置洗浄を行う場合(つまり、吐出部に容器が装着されていない場合)、定置洗浄用ポンプ1の内部を流動する液体を定置洗浄用ポンプ1の外部に排出可能に構成される。
【0020】
本体部20は、
図1に示すように、液体及び/又は口腔用組成物を流入口11から排出口12に向かって移動可能なピストン21と、ピストン21を収容可能なシリンダー22と、ピストン21がシリンダー22内を移動することによって液体及び/又は口腔用組成物の第1ハウジング10内の移動を制御するバルブ23と、バルブ23の先端側に設けられるピボット(支軸ともいう)24を備えている。
【0021】
ピストン21は、シリンダー22内を前進方向に移動する(ピストン21の先端部が
図2に示す位置から
図1に示す位置まで移動する)ことによって、バルブ23に流入した液体及び/又は口腔用組成物をバルブ23の外部(第1ハウジング10の排出口12)に移動させることができる。ピストン21は、シリンダー22内を前進する動作と後進する動作を交互に繰り返すことによって、バルブ23を介して第1ハウジング10の流入口11から流入した液体及び/又は口腔用組成物を第1ハウジング10の排出口12に移動させることができる。
【0022】
バルブ23は、シリンダー22の先端側に配置され、シリンダー22内を前進方向に移動するピストン21を少なくとも部分的に収容可能な収容部23S(
図2を参照)を備えている。
【0023】
バルブ23は、周方向に沿って形成される複数の孔部(例えば、90度毎に形成される4つの孔部、図示省略)を備えている。第1ハウジング10に流入した液体及び/又は口腔用組成物は、流入口11側に配置されたバルブ23の一の孔部から収容部23Sに流入し、バルブ23がピボット24の軸に対して回転方向に90度に回転すると、第1ハウジング10の排出口12側に配置された他の孔部から排出される。
【0024】
ピボット24は、
図1に示すように、第1ハウジング10の第1内部空間13に配置される。また、バルブ23及びピボット24は、バルブ23が作動すると、ピボット24の軸に対して回転方向に90度の範囲を往復するように構成される。
【0025】
コントロールバルブ30は、ピボット24に接合されることによってバルブ23を作動させる駆動レバー(図示省略)と、ピボット24を配置可能に構成された第2内部空間を備える第2ハウジング31を備えている。なお、駆動レバーは、コントロールバルブ30の裏面30u側(
図2を参照。ここでいう裏面30uとは、
図2に示す断面から手前側をコントロールバルブ30の正面としたときに、正面と対向する面である。)に位置している。
【0026】
シーリング部材40は、
図1、
図2に示すように、流入口11及び排出口12に隣接して配置される。そのため、シーリング部材40は、バルブ23の動作時に、第1ハウジング10に流入した液体及び/又は口腔用組成物がコントロールバルブ30側に流出することを防止することができる。シーリング部材40は、例えば、バルブ23がコントロールバルブ30に接触する面(第1ハウジング10がバルブ23又はコントロールバルブ30と接触する面)に設けられる。
【0027】
ベアリング50は、回転方向(ラジアル方向)の力を受けるボールベアリング51(「第1ベアリング」に相当する)と、ピボット24の軸方向(スラスト方向)の力を受けるボールベアリング52(「第2ベアリング」に相当する。以下の説明において、スラストベアリングと称する)から構成される。
【0028】
ラジアル方向の力を受けるボールベアリング51は、
図1、
図2に示すように、ピボット24の先端側24aに2つ設けられている。各ボールベアリング51の位置は、各ボールベアリング51の間に設けられた間座によって固定されている。なお、ピボット24に設けられるボールベアリング51の数は、少なくとも1つであり、
図1、
図2に示すように、2つであることが好ましい。
【0029】
スラスト方向の力を受けるスラストベアリング52は、
図1、
図2に示すように、ピボット24の基端側24bに1つ設けられている。
【0030】
なお、ベアリング50は、特定の方向の力を受けることができる限り、その構成は限定されず、ベアリングの種類と、その構造は特に限定されない。
【0031】
定置洗浄機能に対応していない従来のポンプは、バルブとピボットが別体であり、ピボットにはラジアル方向の力を受けるベアリングのみが設けられていた。このとき、バルブは、コントロールバルブと面接触するように構成されていたため、従来のポンプは、ピストンの前後方向にストロークした時のスラスト荷重に耐え得る設計であった。また、従来のポンプは、一般的に、ピボットを金属材料(例えば、ステンレス鋼)で構成され、バルブを樹脂材料(例えば、ポリアセタール(POM))で構成されていたため、バルブを円周方向に接触させながら回転させることができた。そのため、従来のポンプは、バルブがラジアル荷重の影響を受けにくい、又は、バルブがラジアル荷重の影響を受けても問題が発生しないように構成することが可能であった。
【0032】
しかしながら、定置洗浄用ポンプは、定置洗浄機能に特化するため、ポンプを構成する構成部品数を削減し、洗浄液が定置洗浄用ポンプの内部を洗浄しやすいように各部のクリアランスを拡大する必要があった。そのため、バルブとピボットは一体に成型され、バルブを構成する材料は、樹脂材料から、ピボットの構成材料と同じ金属材料に変更された。したがって、バルブを円周方向に接触させながら回転させる動作を行うと不具合が生じやすく、ピボットの基端側にラジアル荷重が集中してしまうおそれがあった。また、バルブとピボットが一体化したことによって、ピストンを前後方向にストロークさせた時に生じるスラスト荷重をバルブの先端面(前面)で受けることができず、ピボットの基端側でスラスト荷重を受ける必要があるため、ラジアル荷重とスラスト荷重の両方向の荷重をピボット単体で受ける必要があった。そのため、バルブが作動すると、バルブに捻じれや倒れが発生し、シーリング部材が衝撃を受けることによってシール性が低下したり、コントロールバルブの内部やベアリングが衝撃を受けることによって破損したり、ピボットが偏摩耗したりする、などの問題が生じ得ることが容易に推測できた。
【0033】
そのため、本実施形態に係る定置洗浄用ポンプ1は、以下の改善を行った。
【0034】
(1)コントロールバルブ30内に配置され、ラジアル方向の力を受けるボールベアリング51の各々のピッチd(
図2を参照)を縮小した。各ボールベアリング51がピボット24の先端側24aへオフセットされることによって、ボールベアリング51を設置するために必要な厚みが縮小した。
【0035】
(2)本体部20のピボット24の基端側24bに第1受け面24M(
図2を参照)を形成し、コントロールバルブ30の第2ハウジング31の基端側に第2受け面30M(
図2を参照)を形成して、第1受け面24Mと第2受け面30Mの間にスラスト方向の力を受けるスラストベアリング52を新たに設置した。このとき、バルブ23の先端側にスラストベアリング52を設けるために、バルブ23に凹部24R(
図2を参照)を形成し、凹部24Rに第2受け面30Mを形成することによって、凹部24Rを浅くしながらもピボット24の基端部に形成される平面を拡張し、スラストベアリング52を支持するための構成面を十分に確保した。
【0036】
定置洗浄用ポンプ1を上記のように構成することによって、定置洗浄用ポンプ1は、バルブ23の作動時に生じるスラスト荷重をスラストベアリング52に吸収させることができる。そのため、定置洗浄用ポンプ1は、ピボット24の基端側24bにスラスト荷重がかかることによってバルブ23に捻じれや倒れが生じることを抑制することができ、(1)ピボット24の耐久性を向上させる、(2)シーリング部材40の耐久性を向上させる、(3)ベアリング50の耐久性を向上させることができる。また、定置洗浄用ポンプ1を構成する構成部品の機能性が向上する(定置洗浄用ポンプ1を構成する構成部品を最適化する)ことにより、(4)口腔用組成物の充填精度を向上させる、(5)定置洗浄の精度を向上させる(口腔用組成物などの煉漏れ、洗浄水などの液体漏れのリスクを回避する)ことが期待できる。また、定置洗浄用ポンプ1は、バルブ23に捻じれや倒れが生じることを抑制することによって、(6)金属製のバルブ23が捻じれたり、倒れたりした場合に、各構成部品の干渉(例えばバルブ23とコントロールバルブ30の干渉)が発生し、金属などの異物が定置洗浄用ポンプ1の流路に混入するリスクを低減することが期待できる。
【0037】
<作用効果>
以上説明したように、本実施形態に係る定置洗浄用ポンプ1は、
液体及び/又は口腔用組成物を貯蔵するタンク(図示省略)に接続された流入口11と、流入口11から流入した液体及び/又は口腔用組成物を排出可能な排出口12と、流入口11と排出口の間に設けられた第1内部空間13を備える第1ハウジング10と、
液体及び/又は口腔用組成物を流入口11から排出口12に向かって移動可能なピストン21と、ピストン21を収容可能なシリンダー22と、ピストン21を収容可能なシリンダーと、第1内部空間13に配置され、作動すると回転するように構成されたバルブであって、ピストン21がシリンダー22内を前進移動するとピストン21の先端部を部分的に収容し、ピストン21の動作によって生じる液体及び/又は口腔用組成物の移動を制御するように構成されたバルブ23と、バルブ23の先端側に設けられバルブ23を作動させるように駆動レバーと接合されるピボット24を備え、バルブ23が作動するとバルブ23及びピボット24がピボット24の軸に対して回転方向に90度の範囲を往復するように構成される本体部20と、
ピボット24を配置可能に構成された第2内部空間を備える第2ハウジング31を備え、バルブ23の動作を制御可能に構成されたコントロールバルブ30と、
バルブ23とコントロールバルブ30の間に設けられ、流入口11及び排出口12に隣接して配置されるシーリング部材40と、を有する。
また、定置洗浄用ポンプ1は、第2ハウジング31に配置されたピボット24に設けられ、ピボット24の回転方向の力を受ける少なくとも1つの第1ベアリング51と、
ピボット24の基端側24bに形成された第1受け面24Mと、第2ハウジング31の基端側に形成され第1受け面24Mと対向する第2受け面30Mの間に設けられ、ピボット24の軸方向の力を受ける第2ベアリング(スラストベアリング)52をさらに有する。
【0038】
上記のように構成した定置洗浄用ポンプ1によれば、バルブ23の作動時に、バルブ23に捻じれや倒れが生じることを抑制し、定置洗浄用ポンプ1を構成する各構成要素の機能性・耐久性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 定置洗浄用ポンプ、
10 第1ハウジング、
11 流入口、
12 排出口、
13 第1内部空間、
20 本体部、
21 ピストン、
22 シリンダー、
23 バルブ、
24 ピボット、
24M 第1受け面、
30 コントロールバルブ、
30M 第2受け面、
31 第2ハウジング、
40 シーリング部材、
51 第1ベアリング、
52 第2ベアリング(スラストベアリング)。