(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061464
(43)【公開日】2023-05-02
(54)【発明の名称】テント
(51)【国際特許分類】
E04H 15/64 20060101AFI20230425BHJP
E04H 15/42 20060101ALI20230425BHJP
E04H 15/36 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
E04H15/64
E04H15/42
E04H15/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021171361
(22)【出願日】2021-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】591231247
【氏名又は名称】株式会社ヘリテイジ
(74)【代理人】
【識別番号】100074734
【弁理士】
【氏名又は名称】中里 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100073483
【弁理士】
【氏名又は名称】八鍬 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100164286
【弁理士】
【氏名又は名称】中里 卓夫
(72)【発明者】
【氏名】野中 玲樹
【テーマコード(参考)】
2E141
【Fターム(参考)】
2E141AA08
2E141BB05
2E141CC05
2E141EE18
2E141EE22
2E141EE28
2E141EE32
2E141GG08
(57)【要約】
【課題】ポールの一端部の受け具への挿入と、他端部の受け具への挿入を同時に行うことができるテントを提供する。
【解決手段】前記課題を解決するために本発明のテントは、テント本体と、ポールと、を備え、テント本体は、ドーム部と、ポールスリーブと、を有し、ポールスリーブは、ドーム部の面に沿ってドーム部の一方側の周縁部から他方側の周縁部に亘って設けられるスリーブ本体と、スリーブ本体の他端部に設けられ前記ポールの他端部を係止するポール受け具と、を有し、ポール受け具は、ポールの端部が挿入可能な挿入穴を形成する挿入部を有し、ポールは、挿入穴の内径よりも大きな外径を有する大径部と、大径部の端部側において挿入穴の内径よりも小さな外径を有する小径部と、を有し、ポール受け具は、小径部がスリーブ本体から突出した状態でポールの挿入方向への移動を規制するようにポールの端部を係止する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テント本体と、前記テント本体をドーム状に張設するポールと、を備えたテントであって、
前記テント本体は、ドーム部と、前記ドーム部の周面に設けられるとともに前記ポールが挿入可能なポールスリーブと、前記ポールの一端部が係止可能なポール係止部と、を有し、
前記ポールスリーブは、前記ドーム部の面に沿って前記ドーム部の一方側の周縁部から他方側の周縁部に亘って設けられるスリーブ本体と、前記スリーブ本体の他端部に設けられ前記ポールの他端部を係止するポール受け具と、を有し、
前記ポール受け具は、前記ポールの端部が挿入可能な挿入穴を形成する挿入部を有し、
前記ポールは、前記挿入穴の内径よりも大きな外径を有する大径部と、前記大径部の他端部側において前記挿入穴の内径よりも小さな外径を有する小径部と、を有し、
前記ポール受け具は、前記小径部が前記スリーブ本体から突出した状態で前記ポールの挿入方向への移動を規制するように前記ポールの端部を係止する、テント。
【請求項2】
請求項1に記載のテントにおいて、
前記スリーブ本体の内壁における前記ドーム部の周面に対向する対向部は、前記挿入部の周縁部に接続されている、テント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は繋ぎ合わせた長尺状ポールの弾性を利用して張設するテントに係り、特にグロメット一体型となしたポールスリーブを具備してなるテントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載のようなドーム型テント(以下、単にテントと呼ぶ)が知られている。このテントは、テント本体と、テント本体をドーム状に張るための長尺パイプ状のフレームと、を有する。テント本体は、内壁を構成するインナーシェルと、インナーシェルの外側に取り付けられるポールスリーブと、インナーシェルの周縁部に設けられる一対のフレーム受け具と、を有する。
【0003】
ポールスリーブの両端は、開口しており、このポールスリーブ内にフレームが挿通され、さらにフレームの先端部がフレーム受け具により係止されることにより、テント本体のインナーシェルがドーム状に張設される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のテントでは、フレームの両端を手動でフレーム受け具の挿入穴に挿入する必要があり、フレームの一端部を一方のフレーム受け具に挿入した状態で、他端部も他方のフレーム受け具に挿入する必要があり、一人で組み立てる場合、ユーザーは、一端部の挿入状態を保持した状態で他端部側まで移動する必要があり、しかもその間にフレームの端部がフレーム受け具から外れる場合があるなど非常に手間であった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、他端部から一端部に移動することなく、ポール(フレーム)の一端部の受け具への係止と、他端部の受け具への挿入を同時に行うことができるテントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明のテントは、テント本体と、前記テント本体をドーム状に張設するポールと、を備えたテントであって、前記テント本体は、ドーム部と、前記ドーム部の周面に設けられるとともに前記ポールが挿入可能なポールスリーブと、前記ポールの一端部が係止可能なポール係止部と、を有し、前記ポールスリーブは、前記ドーム部の面に沿って前記ドーム部の一方側の周縁部から他方側の周縁部に亘って設けられるスリーブ本体と、前記スリーブ本体の他端部に設けられ前記ポールの他端部を係止するポール受け具と、を有し、前記ポール受け具は、前記ポールの端部が挿入可能な挿入穴を形成する挿入部を有し、前記ポールは、前記挿入穴の内径よりも大きな外径を有する大径部と、前記大径部の他端部側において前記挿入穴の内径よりも小さな外径を有する小径部と、を有し、前記ポール受け具は、前記小径部が前記スリーブ本体から突出した状態で前記ポールの挿入方向への移動を規制するように前記ポールの端部を係止する。
【0008】
このテントによれば、前記ポールスリーブは、前記ドーム部の面に沿って前記ドーム部の他方側の周縁部から一方側の周縁部に亘って設けられるスリーブ本体と、前記スリーブ本体の他端部に設けられ前記ポールの端部を係止するポール受け具と、を有するので、ポールの端部をスリーブの一端部から挿入すれば、ポールの端部はスリーブ本体によりポール受け具にまで案内され、ポール受け具に係止される。このため、ユーザーはポールスリーブの一端部から他端部に移動することなく、ポールの他端部のポール受け具への係止と、一端部の係止具への係止を同時に行うことができる。
【0009】
また、前記ポール受け具は、前記挿入穴の内径よりも大きな外径を有する大径部と、前記大径部の端部側において前記挿入穴の内径よりも小さな外径を有する小径部と、を有するので、ポールをポールスリーブの一端部から挿入して他端部側に押し込めば、ポールの小径部をポール受け具の挿入部に挿入することができ、ポールの大径部がポール受け具の挿入部に当接するので、それ以上のポールの挿入を規制することができる。このため、ユーザーはポールスリーブの一端部から他端部に移動することなく、ポールの他端部の受け具への係止をより効率的に行うことができる。
【0010】
前記テントにおいて、前記スリーブ本体の内壁における前記ドーム部の周面に対向する対向部は、前記挿入部における前記挿入穴の周縁部に接続されているのが好ましい。
【0011】
この構成によれば、スリーブ本体の内壁における対向部が挿入部の周縁部に接続されているので、ポールを一端部側からスリーブ本体内に挿入することで、ポールの他端部が対向部に当接し、この対向部により挿入穴に案内される。このため、ポールの先端部を挿入部に挿入する際は、当該対向部により円滑にポールの端部を挿入穴に挿入することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明のテントによれば、ポールスリーブの他端部から一端部に移動することなく、ポールの一端部の受け具への係止と、他端部の受け具への挿入を同時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明のテントの張設状態を表す正面図である。
【
図3】前記テント本体における、ポールの他端部を係止する係止部の斜視図である。
【
図4】前記テント本体のポールスリーブにポールを挿入している状態を表す斜視図である。
【
図6】前記ポールの一端部がポール受け具に係止されている状態を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係るテント1について図面に基づき詳細に説明する。
【0015】
なお、以下に示す実施形態は本発明の技術思想を具体化するためのテント1の一例を示すに過ぎないものであって、本発明は以下の説明及び図示したものに限定されるものではない。特に、実施の形態及び図面に示されている構成部品の形状、相対的配置関係等は、特定的な記載がない限り本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎないものである。
【0016】
本実施形態のテント1は、
図1に示すように、張設時においてドーム状を呈するテント本体10と、テント本体10をドーム状に張設するためのポール50と、を備えている。
【0017】
テント本体10は、
図1に示すように、シート状の土台部14と、土台部14の周縁に沿ってこの土台部14の上面を覆うように設けられるドーム部20と、ドーム部20に設けられるとともにポール50が挿入可能なポールスリーブ30と、を有する。なお、これら土台部14、ドーム部20、ポールスリーブ30の素材としては、可撓性を有した素材を用いるのが好ましく、さらに防炎機能、防水機能などの性質を有した素材を用いるのがより好ましい。
【0018】
土台部14は、平面視で四角形状を呈しており、その周縁部は、ドーム部20の周縁部と接続されている。
【0019】
土台部14の四隅のうち一方側において隣接する2つの隅部には、
図2に示すように、ポール50の一端部を係止するためのポール係止部15がそれぞれ設けられている。
【0020】
ポール係止部15には、
図3に示すように、土台部14の対角線方向に並んだ複数(本実施形態では2箇所)の穴部15a、15bが形成されている。穴部15bは、穴部15aよりも対角線方向の外側(平面視で土台部14の外側)に設けられている。ポール50の他端部を穴部15a、15bのどちらに係止するかにより、ポール50のテント本体10に対する張力を調整することができる。具体的に、ポール50の他端部を内側の穴部15aに係止した時のポール50の張力は、ポール50の他端部を外側の穴部15bに係止した時のポール50の張力よりも大きくなる。
【0021】
ドーム部20は、土台部14との間で人が入るための空間を形成するための部材である。ドーム部20の周縁部は、土台部14の周縁部と同様に平面視で四角形状を呈しており、これらドーム部20の周縁部と、土台部14の周縁部と、が互いに接続されている。
【0022】
ドーム部20には、
図1に示すように、人が内部に入るための入り口が形成されている。この入り口は例えばファスナー等によりドーム部20の内外から自在に開閉できるように構成されている。
【0023】
ポールスリーブ30は、ポール50をドーム部20に取り付けるための部位である。ポールスリーブ30は、
図1、
図2に示すように、ドーム部20の上面(周面)に沿って交差するように2つ設けられている。具体的に、これら一対のポールスリーブ30は、ドーム部20の対角線を為すようにこのドーム部20の上面に設けられている。なお、これら一対のポールスリーブ30は、その交差部で内部空間を共有していても良いが、ポールスリーブ30内に挿入したポール50同士が互いに干渉(衝突)するのを抑制するために、立体交差して設けられるのが好ましい。
【0024】
また、それぞれのポールスリーブ30は、
図5及び
図6に示すように、ポール50が挿入可能な空間が形成されたスリーブ本体32と、スリーブ本体32の他端部に設けられポール50の端部を係止するポール受け具34と、を有する。
【0025】
スリーブ本体32は、ドーム部20の他方側の周縁部から一方側の周縁部に亘って設けられている。このスリーブ本体32の一端部には、ポール50をこのスリーブ本体32に挿入するための開口が形成されている。
【0026】
また、スリーブ本体32の内壁におけるドーム部20の周面に対向する対向部32aは、ポール50を円滑に挿入穴35aに挿入することができるように、挿入部35における挿入穴35aの周縁部に接続されている。
【0027】
スリーブ本体32の外周部には、
図6に示すように、このスリーブ本体32を挿入部35に取り付けるための紐38が取り付けられている。紐38の一端部がスリーブ本体32に縫い付けられ、他端部が挿入部35に縫い付けられ、さらにスリーブ本体32の他端部が挿入部35における挿入穴35aの周縁部に縫い付けられることにより、スリーブ本体32の対向部32aが、挿入部35における挿入穴35aの周縁部に接続される。
【0028】
ポール受け具34は、ポール50の端部が挿入可能な挿入穴35aが形成された挿入部35と、挿入部35を取り付ける布生地36と、を有する。挿入部35は、
図6に示すように、ポール50の後述する係止部56及び小径部54が挿入可能な穴部35aを有する。ポール受け具34は、小径部54がスリーブ本体32から突出した状態でポール50の挿入方向Iへの移動を規制するようにポール50の端部を係止する。
【0029】
具体的に、挿入部35としては本実施形態ではグロメットが用いられる。布生地36には、挿入部35(グロメット)の直径と略同じ直径の穴が形成されており、この布生地36の穴に挿入部35(グロメット)が嵌め込まれることによりポール受け具34が形成される。
【0030】
挿入部35の穴部35aの内径は、ポール50の小径部54よりも大きくかつ大径部56よりも小さくされる。これにより、ポール50の小径部54の穴部35aへの挿入を許容しつつ、大径部52の穴部35aへの挿入を規制することができる。つまり、ポール受け具34は、小径部54がスリーブ本体32から突出した状態でポール50の挿入方向Iへの移動を規制するようにポール50の端部を係止することができる。
【0031】
なお、スリーブ本体32の他端部は、布生地36における挿入部35(グロメット)の周縁部との接合部に縫い付けられており、紐38の他端部は、布生地36における挿入部35(グロメット)の周縁部よりも外側に縫い付けられている。
【0032】
ポール50は、弾性を有する長尺の棒状部材であり、例えばアルミニウム等の金属材料により形成される。ポール50は一本の長尺の棒状部材により構成してもよいが、運搬時の利便性を考慮して、複数本の短尺の棒状部材を互いに連結することにより構成してもよい。
【0033】
ポール50は、
図6に示すように、挿入部35の内径よりも大きな外径を有する大径部52と、大径部52の一端部に設けられ挿入部35の内径よりも小さな外径を有する小径部54と、小径部54の一端部に設けられ、ポール50の端部をポール受け具34に係止するための係止部56と、を有する。
【0034】
大径部52の外径は挿入部35の内径よりも大きい。このため、大径部52の一端部の段差と挿入部35の穴部35a又はポール受け具34の挿入方向Iとは反対方向側の端部に当接することによりポール50の挿入方向Iへの移動が規制される。
【0035】
一方、小径部54の外径は、挿入部35の内径よりも小さい。このため、小径部54の一端部が挿入部35の挿入方向I側に突出可能となっている。
【0036】
テント本体10の下には、テント本体10の汚れなどを抑制するためのグランドシートを敷くことがあるが、小径部54が挿入部35の挿入方向I側に突出した状態でポール50がポール受け具34に係止されることにより、小径部54の一端部をグランドシートに形成されたグロメット等に係止することができる。
【0037】
係止部56は、小径部54の外径よりも大きくかつ挿入部35の内径よりも小さな外径を有する。この係止部54が、ポール受け具34の挿入方向I側の端部に引っかかることによりポール50の端部がポール受け具34に係止され、ユーザーが意図しないポール50のポール受け具34からの離脱を抑制することができる。
【0038】
なお、係止部56の端部は、
図6に示すように、テーパー状に形成されている。このため、ポール50の挿入部35への挿入時には、このテーパー部により円滑にポール50を挿入部35へ挿入することができる。
【0039】
このような大径部52、小径部54、係止部56は、ポール50の両端部に形成されている。つまり、ポール50をどちら側の端部からポールスリーブ30に挿入したとしても、このポール50をポール受け具34に係止することができる。
【0040】
(施工手順)
以下、本実施形態のテント1の施工手順について、図面を参照しながら説明する。
【0041】
まずは、
図4に示すように、ポール50の端部をスリーブ本体32の一端部の開口から挿入する。そしてポール50をスリーブ本体32の他方側に押し込む。この時、ポール50の他端部はスリーブ本体32の内部において、スリーブ本体32の他端部に設けられたポール受け具34に案内される。
【0042】
ポール50の他端部がポール受け具34に到達した時に、さらにポール50を押し込むと、ポール50の小径部54及び係止部56がポール受け具34の挿入部35の穴部35aに案内されて、
図6に示すように、ポール受け具34の挿入方向I側に突出する。そのままさらにポール50を押し込むと、大径部52の他端部がポール受け具34に当接し、それ以上のポール50の挿入方向Iへの移動が規制される。
【0043】
この時、係止部56が挿入方向I側(外側)からポール受け具34の端部に当接することにより、ポール50のポール受け具34に対する係止が意図せず解除されるのを抑制することができる。
【0044】
このような手順でポール50の他端部をポール受け具34に係止した状態で、
図1及び
図4に示すように、ポール50の一端部を土台部14に設けられたポール係止部15の穴部15a又は穴部15bに係止する。ポール50の一端部の小径部54が穴部15a又は穴部15bに挿入された状態で係止部56がポール係止部15における穴部15a又は穴部15bの周縁部に当接することによりポール50の一端部のポール係止部15からの離脱が抑制される。
【0045】
このような作業を、一対のポール50及びポールスリーブ30に対して同様に行う。
【0046】
以上の手順により、
図1に示すように、ユーザーは、テント本体10の一方側から他方側に移動することなく、ポール50の張力によりテント1をドーム状に張設することができる。
【0047】
(作用効果)
本実施形態のテント1によれば、ポールスリーブ30は、ドーム部20の面に沿ってドーム部20の他方側の周縁部から一方側の周縁部に亘って設けられるスリーブ本体32と、スリーブ本体32の他端部に設けられポール50の端部を係止するポール受け具34と、を有するので、ポール50の端部をポールスリーブ30の一端部から挿入すれば、ポール50の端部はスリーブ本体32によりポール受け具34にまで案内され、ポール受け具34に係止される。このため、ユーザーはポールスリーブ30の一端部から他端部に移動することなく、ポール50の他端部のポール受け具34への係止と、一端部の係止具への係止を同時に行うことができる。
【0048】
また、ポール受け具34は、挿入部35の挿入穴の内径よりも大きな外径を有する大径部52と、大径部52の端部側において挿入穴の内径よりも小さな外径を有する小径部54と、を有するので、ポール50をポールスリーブ30の一端部から挿入して他端部側(挿入方向I)に押し込めば、ポール50の小径部54をポール受け具34の挿入部35に挿入することができ、ポール50の大径部52がポール受け具34の挿入部35に当接するので、それ以上のポール50の挿入方向Iへの挿入を規制することができる。このため、ユーザーはポールスリーブ30の一端部から他端部に移動することなく、ポール50の他端部のポール受け具34への係止をより効率的に行うことができる。
【0049】
また、スリーブ本体32の内壁におけるドーム部20の周面に対向する対向部32aは、挿入部35(グロメット)の周縁部に接続されているので、ポール50を一端部側からスリーブ本体32内に挿入することで、ポール50の他端部が対向部32aに当接し、この対向部32aにより挿入穴35aに案内される。このため、ポール50の先端部を挿入部35に挿入する際は、当該対向部37により円滑にポール50の小径部54を挿入穴に挿入することができる。
【0050】
(変形例)
上記実施形態は本発明の好ましい具体例を例示したものに過ぎず、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0051】
例えば、上記実施形態では、ポール受け具34をスリーブ本体32の他端部にのみ設けたが、ポール受け具34を設ける場所はこれに限られず、例えばスリーブ本体32の一端部にも同様に設けてもよい。この場合、スリーブ本体32の一端部にポール50が挿通可能なスリットを設け、当該スリットからポール50の他端部を挿入し、他端部側のポール受け具34に係止した後に、ポール50の一端部をスリットに挿入し、一端部側のポール受け具34に係止してもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、一対のポールスリーブ30を交差して設けていたが、ポールスリーブ30の設置態様はこれに限られない。例えば、互いに平行な複数のポールスリーブ30をドーム部20の一端部から他端部に亘って設けてもよい。
【0053】
その他、本発明の特許請求の範囲内で種々の設計変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0054】
1 テント
10 テント本体
14 土台部
20 ドーム部
30 ポールスリーブ
32 スリーブ本体
34 ポール受け具
35 挿入部(グロメット)
35a 穴部
36 布生地
50 ポール
52 大径部
54 小径部