(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061476
(43)【公開日】2023-05-02
(54)【発明の名称】アクチュエータの推力増幅器
(51)【国際特許分類】
F16K 31/524 20060101AFI20230425BHJP
F16K 31/122 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
F16K31/524 C
F16K31/122
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021171378
(22)【出願日】2021-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 恵一
(72)【発明者】
【氏名】岡本 愛
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 博恒
【テーマコード(参考)】
3H056
3H063
【Fターム(参考)】
3H056AA07
3H056BB01
3H056BB24
3H056CA01
3H056CB03
3H056CE06
3H063AA01
3H063BB01
3H063DA15
3H063DB18
3H063DC01
3H063EE08
(57)【要約】
【課題】アクチュエータが動作を開始したときのスピードと、弁体が弁座に着座する直前のスピードとを変動させることができるアクチュエータの推力増幅器を提供すること。
【解決手段】アクチュエータ2の駆動機構、例えば、押圧手段33と圧縮流体によって移動するピストン3から延設され、弁体6側の先端と、ディスク13の上面とボール押さえ11のテーパ面11aとステム32の先端に形成された傾斜面12に当接して挟持され、ステム32の下方への移動に伴って外方に移動するように配置された複数のボール10とから構成され、ボール押さえ11のボール10と接触するテーパ面11aは、そのテーパ角度が複数の異なる角度で形成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体流路を開閉する弁体を作動させるアクチュエータの出力端と前記弁体との間に備えられ、当該弁体を押圧する推力を伝達するディスクと、
該ディスクの上方に配置され、外方下方に向けて広がった円錐形状のテーパ面を有するボール押さえと、
該ボール押さえの中央部に形成された貫通孔を貫通し、前記アクチュエータの駆動機構から延設され、前記弁体側の先端が先細の傾斜面を有するステムと、
前記ディスクの上面と前記ボール押さえのテーパ面と前記ステムの傾斜面に当接して挟持され、前記ステムの下方への移動に伴って外方に移動するように配置された複数のボールとを有し、
前記ボール押さえの前記ボールと接触するテーパ面は、そのテーパ角度が複数の異なる角度で形成されているアクチュエータの推力増幅器。
【請求項2】
前記テーパ角度は、中心側より外径側の角度が緩やか又は外側に凸の曲面の接線角度である請求項1に記載のアクチュエータの推力増幅器。
【請求項3】
前記テーパ角度は、中心側より外径側の角度が急又は内側に凸の曲面の接線角度である請求項1に記載のアクチュエータの推力増幅器。
【請求項4】
前記ステムの傾斜面の傾斜角度が、複数の異なる角度で形成されている請求項1、2又は3に記載のアクチュエータの推力増幅器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の流れを制御するバルブの弁体を作動させるアクチュエータの推力増幅器に関し、特に推力増幅機構を備え、弁体の移動速度を開度の位置に応じて変動させることができるアクチュエータの推力増幅器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、流体が流れる流路を開閉するバルブは、弁座に当接離間する弁体を作動させるためにアクチュエータが使用される。半導体製造装置等で用いられるメタルダイヤフラム弁等は、一般に金属製ダイヤフラムと、金属製、または樹脂製の環状弁座とを有し、このダイヤフラムの上部側にアクチュエータが搭載されている。このアクチュエータは、ダイヤフラムの上部に配設されたダイヤフラム押圧体を直接押圧して上下動させるステムを有し、このステムによりダイヤフラム押圧体を介してダイヤフラムを弁座側に押圧又は押圧解除することで、ダイヤフラムと弁座との間の流路を開閉させる構造になっている。
【0003】
半導体の製造においては、ダイヤフラムバルブ等に高圧流体を流す場合があり、このような場合、高圧流体の圧力に抗するため、アクチュエータによるダイヤフラム押圧時の推力を高める必要が生じる。このような高圧用のバルブのアクチュエータでは、ピストンとシリンダの構造が良く用いられるが、流す流体が高圧になればなるほど、より大きな推力が必要となり、より大きなピストンとシリンダを用いる必要がある。さらに、ピストンとシリンダ構造を多段にして用いる必要がある。しかし、このような構造にすると、アクチュエータが大きくなってしまう。
【0004】
このような問題を解決するために、特許文献1に記載の発明では、ボールと当該ボールの側方に当接する先端がテーパ状のステムとボール上方との当接面がテーパ面の筒状部材とボールの下方と当接するダイヤフラム押さえを押圧する押圧部材とを有し、ステム先端を楔とし、筒状部材のテーパ面にボールを押し当てる。これにより、ボールは、ステムの移動距離よりも少ない移動距離であるものの増大された推進力で押圧部材をダイヤフラム押さえ側に押圧し、ダイヤフラムを押圧する力を増大させるように増圧機構を構成したものである。
【0005】
図6に従来のアクチュエータの推力増幅器を組込んだアクチュエータを使ったバルブを示す。このアクチュエータ101は、ボール102、略円錐状の傾斜面103を有する小径のニードル104、すり鉢状の傾斜面105を有する筒状部材106、ダイヤフラム押さえ107を押圧する押圧部材108を有している。このアクチュエータ101は、通常時にボディ部109内部に設けられたスプリング110の弾発力によってダイヤフラム弁111内のダイヤフラム112の閉状態を維持しようとする、いわゆるノーマルクローズ(NC)タイプになっている。アクチュエータ101のボディ部109内に圧縮エア(駆動流体、作動用流体ともいう)が流入すると、ボディ部109内に設けられたピストン部113が上昇し、このピストン113とともにニードル104も上昇する。ニードル104が上昇すると、このニードル外周の傾斜面103に沿ってボール102が縮径方向に移動し、このボール102が筒状部材106の傾斜面105にガイドされるように上方向にも移動して押圧部材108による押圧が解除され、ダイヤフラム弁体112の復元力によってダイヤフラム押さえ107が上昇して弁開状態になる。このとき、ニードル104が上下移動するときの図示しないストロークは、押圧部材108が上下動するときのストロークの5~6倍程度になっている。この弁開状態から圧縮エアの流入を止めると、再びスプリング110の弾発力によって弁座に着座する。この際、換言するとCv値が変動する間、スプリング110の弾発力と圧縮エアとのバランスから常に一定のスピードで移動する。
【0006】
また、いわゆるノーマルオープン(NO)タイプでは、スプリング110は、ダイヤフラム弁体112が弁座から離間する方向にピストン113を押圧し、圧縮エアはダイヤフラム弁体112が弁座に当接する方向にピストン113に作用する。ノーマルオープン(NO)タイプでも、ダイヤフラム弁体112が弁座に着座する直前のスピードは、作動用流体の圧力により一定のスピードとなる。
【0007】
この推力増幅器を組み込んだアクチュエータは、ダイヤフラムバルブに限らず、弁体がニードル形状のバルブの他、弁体を作動させる種々のアクチュエータに利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
通常エア駆動のアクチュエータでは、ピストンの動きは一定であり、開閉を素早く行う観点からその動作スピードは速くなることが多く、開弁状態から動作する際、弁体が弁座に着座するスピードを動作開始時よりも遅くしたい場合や、反対に着座直前からスピードを速くしたい場合でも、従来の推力増幅器ではそれに対応することができないという問題があった。
【0010】
本発明は、係る点に鑑みてなされたもので、アクチュエータが動作を開始したときのスピードと、弁体が弁座に着座する直前のスピードとを変動させることができるアクチュエータの推力増幅器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するためになされた本発明に係るアクチュエータの推力増幅器は、
流体流路を開閉する弁体を作動させるアクチュエータの出力端と前記弁体との間に備えられ、当該弁体を押圧する推力を伝達するディスクと、
該ディスクの上方に配置され、外方下方に向けて広がった円錐形状のテーパ面を有するボール押さえと、
該ボール押さえの中央部に形成された貫通孔を貫通し、前記アクチュエータの駆動機構から延設され、前記弁体側の先端が先細の傾斜面を有するステムと、
前記ディスクの上面と前記ボール押さえのテーパ面と前記ステムの傾斜面に当接して挟持され、前記ステムの下方への移動に伴って外方に移動するように配置された複数のボールとを有し、
前記ボール押さえの前記ボールと接触するテーパ面は、そのテーパ角度が複数の異なる角度で形成されている。
【0012】
前記テーパ角度は、中心側より外径側の角度が緩やか又は外側に凸の曲面の接線角度とすることができる。
【0013】
また前記テーパ角度は、中心側より外径側の角度が急又は内側に凸の曲面の接線角度とすることができる。
【0014】
本発明のアクチュエータの推力増幅器は、ボールと接触するテーパ面のテーパ角度が複数の異なる角度とすることで、アクチュエータが動作を開始したときのスピードと、弁体が弁座に着座する直前のスピードとを変動させることができり。テーパ角度を中心側より外径側の角度が緩やかとすることで、弁体の着座直前のスピードを緩めるこができる。テーパ角度は、外側に凸の曲面とすることで、ボールとの接点を通る接線角度がテーパ角度となり、テーパ角度は徐々に緩やかにすることができる。また、中心側より外径側の角度が急とすることで、弁体の着座直前のスピードを速めるこができる。同様にテーパ角度は、内側に凸の曲面とすることで、ボールとの接点を通る接線角度がテーパ角度となり、テーパ角度は徐々に急とすることができる。
【0015】
また、これらの場合において、ステムの傾斜面の傾斜角度が、複数の異なる角度で形成することができる。ボール押さえのテーパ面角度の変動と併せて複数段の速度変動を可能とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明のアクチュエータによれば、アクチュエータが動作を開始したときのスピードと、弁体が弁座に着座する直前のスピードとを変動させることができるアクチュエータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明のアクチュエータの推力増幅器を組込んだアクチュエータを使ったバルブの全閉状態を示す一部切り欠きの正面断面図である。
【
図2】同アクチュエータの推力増幅器を組込んだアクチュエータを使ったバルブの全開状態を示す一部切り欠きの正面断面図である。
【
図3】同アクチュエータの推力増幅器を説明する部分拡大図で、(a)は全開状態、(b)は全閉状態をそれぞれ示す。
【
図4】第2実施形態のアクチュエータの推力増幅器を説明する部分拡大図で、(a)は全開状態、(b)は全閉状態をそれぞれ示す。
【
図5】本発明のアクチュエータの推力増幅器のボール押さえの実施例を示す断面斜視図で、(a1)は第1実施形態、(b1)は第2実施形態、(a2)(b2)は変形例を示す。
【
図6】従来のアクチュエータの推力増幅器を組込んだアクチュエータを使ったバルブの全閉状態を示す一部切り欠きの正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るアクチュエータの推力増幅器の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。この実施例に記載されている構成部品の形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。また、便宜的に図面上での方向によって部材等の方向を上下左右と指称することがあるが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0019】
<実施形態1>
図1~
図3に、本発明の第1の実施形態を示す。
図1は、本発明のアクチュエータの推力増幅器1を備えたアクチュエータ2を取り付けたバルブVの全閉状態を示す一部切り欠きの正面断面図である。本発明のアクチュエータの推力増幅器1(以下、単に推力増幅器1という)は、流体の流れる流入流路71と流出流路72との連通遮断を行う、例えば、ダイヤフラムからなる弁体6を作動させるアクチュエータ2の出力端であるステム32と弁体6との間に備えられている。具体的には、弁体6を押圧する推力を伝達するディスク13と、このディスク13の上方に配置され、外方下方に向けて広がった円錐形状のテーパ面11aを有するボール押さえ11と、ボール押さえ11の中央部に形成された貫通孔11bを貫通し、アクチュエータ2の駆動機構、例えば、押圧手段33と駆動流体によって移動するピストン3から延設され、弁体6側の先端と、ディスク13の上面とボール押さえ11のテーパ面11aとステム32の先端に形成された傾斜面12に当接して挟持され、ステム32の下方への移動に伴って外方に移動するように配置された複数のボール10とから構成される。
【0020】
そして、本発明の推力増幅器1は、ボール押さえ11のボール10と接触するテーパ面11aは、そのテーパ角度が複数の異なる角度で形成されている。テーパ角度は複数であれば、特に限定するものではないが、本実施形態では、2種類の角度で構成するようにしている。
【0021】
[バルブ]
そして、本発明の推力増幅器1を組込んだアクチュエータ2を使ったバルブVは、流体の流れる流入流路71と流出流路72、流入流路71の内部開口端に周縁に配備された弁座70を備えたバルブ本体7と、弁座70に当接離間する金属製のダイヤフラム6と、ダイヤフラム6周縁部に当接し、バルブ本体7の凹所周縁との間でダイヤフラム6を挟持するとともに、内部にダイヤフラム押さえ14を配備する筒状のダイヤフラム固定部材4と、バルブ本体7の凹所外周面に形成した雄ねじに螺合し、ダイヤフラム固定部材4をバルブ本体7に固定するボンネット5と、ボンネット5に取り付けられるアクチュエータ2とから構成される。
【0022】
ボンネット5は内周面に段部を有する筒状体で、バルブ本体7と螺合する部分の上側に、上述した推力増幅器1のディスク13、ボール10及びボール押さえ11が配備され、ディスク13の下端面はダイヤフラム押さえ14の上端面と当接する。また、ボール押さえ11は、ボール押さえ11の貫通孔11bと同芯で略同径の蓋部材15をボンネット5に螺合等することによってボンネット5に固定されている。
【0023】
[アクチュエータ]
アクチュエータ2は、ボンネット5に固定される中空のアクチュエータボディ20、アクチュエータボディ20の上部内周面に形成されるシリンダ部20aに摺接するピストン本体30とピストン本体30に作用する作動用流体を内部に導入する流路31とピストン本体30と同芯上に延設されるステム32とを備えたピストン3、ピストン本体30に推力を付与する押圧手段33及びアクチュエータボディ20に固定され、押圧手段33をアクチュエ2内に保持するアクチュエータキャップ21とから構成され、上述したボンネット5のバルブ本体7と螺合する部分の上側に配備したディスク13、ボール10及びボール押さえ11を含み、ステム32の先端に形成された傾斜面12、ディスク13、ボール10及び円錐形状のテーパ面11aを有するボール押さえ11によって、推力増幅器1を構成する。
【0024】
[ボール押さえ]
ボール押さえ11のテーパ面11aは、
図3、
図5(a1)に示すように、弁体6が弁座70に対して、全開状態から全閉状態直前までボール10が当接する中心側のテーパ面11a1と、全閉状態直前から全閉状態まで当接する外側のテーパ面11a2とから構成される。それぞれの角度は、特に限定するものではないが、例えば、中心側のテーパ面11a1の角度θ1を45°、外側のテーパ面11a2の角度θ2を60°とすることができる。
【0025】
ボール押さえ11のテーパ面11aのテーパ角度を、中心側のテーパ面11a1角度θ1より外側のテーパ面11a2角度θ2の方が水平面に対して緩やかにすることで、全開状態から全閉状態直前までの弁体6の閉止速度より、全閉状態直前から全閉状態に至る速度を低速とすることができる。これにより、弁座70と弁体6との急激な衝突を抑えることができるから、開閉頻度の高く、弁座・弁体の摩耗を防止する必要がある開閉弁に好適に用いることができる。また、全閉状態から一定の開度までゆっくりと開くことになるため、急激な圧力の変動等を抑えながら流体を供給することが出来る。
【0026】
<実施形態2>
図4、
図5(b1)に、本発明の第2の実施形態のボール押さえ11の斜視図を示す。本発明の第2の実施形態は、ボール押さえ11のテーパ面11aの角度が第1実施形態と異なる以外、第1実施形態と同様であり、その説明を省略する。
【0027】
第2実施形態における、ボール押さえ11のテーパ面11aは、
図4、
図5(b1)に示すように、弁体6が弁座70に対して、第1実施形態と同様、全開状態から全閉状態直前までボール10が当接する中心側のテーパ面11a1と、全閉状態直前から全閉状態まで当接する外側のテーパ面11a2とから構成され、それぞれの角度は、中心側のテーパ面11a1角度θ3より外側のテーパ面11a2角度θ4の方が水平面に対して急となるように設定している。それぞれの角度は、特に限定するものではないが、例えば、中心側のテーパ面11a1の角度θ3を60°、外側のテーパ面11a2の角度θ4を45°とすることができる。
【0028】
これにより、弁座70と弁体6との急激に閉止することができるから、推力増幅器を使ってもスピーディーな開閉が必要な開閉弁に好適に用いることができる。
【0029】
<変形例1>
図5(a2)(b2)に、本発明の変形例を示す。この変形例は、ボール押さえ11のテーパ面11aの形状が第1実施形態と異なる以外、第1実施形態と同様であり、その説明を省略する。
【0030】
図5(a2)に示す、テーパ面11aは、中心側より外径側の角度が緩やか又は外側に凸の曲面とし、ボールとの接点を通る接線角度がテーパ角度となり、テーパ角度は徐々に緩やかにすることができる。その結果、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0031】
図5(b2)に示す、テーパ面11aは、中心側より外径側の角度が緩やか又は内側に凸の曲面とし、ボールとの接点を通る接線角度がテーパ角度となり、テーパ角度は徐々に急にすることができる。その結果、第2実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0032】
<変形例2>
変形例2は、上述した実施例に、ステム32の先端に形成された傾斜面12の傾斜角度が、複数の異なる角度で形成するようにしている。
【0033】
傾斜面12の傾斜角度は、ボール押さえ11のテーパ面11aの異なるテーパ角度のテーパ面11a1、11a2に合わせて異なる傾斜角度としても、一方の傾斜角度を異なるテーパ角度のテーパ面11a1、11a2の両方と合わせ、他方の傾斜角度はテーパ面11a1、11a2の何れか一方のみと合わせるようにすることもできる。後者の設定で傾斜角度の位置を決定すると、弁体6の移動速度を、簡単に3段階とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係るアクチュエータの推力増幅器は、推力増幅器を組込んだアクチュエータであっても弁体の移動速度を可変とすることができるから、弁体が弁座に着座する瞬間のスピードを緩やかにしたり、急速にしたりする用途の開閉弁に用いるアクチュエータの推力増幅器として好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0035】
1 推力増幅器
10 ボール
11 ボール押さえ
12 傾斜面
13 ディスク
2 アクチュエータ
3 ピストン(駆動機構)
32 ステム
4 ダイヤフラム固定部材
5 ボンネット
6 弁体(ダイヤフラム)
7 バルブ本体
V バルブ