(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061596
(43)【公開日】2023-05-02
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G11B 33/02 20060101AFI20230425BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20230425BHJP
H05K 7/14 20060101ALI20230425BHJP
G11B 33/14 20060101ALI20230425BHJP
G11B 33/12 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
G11B33/02 301F
H05K7/20 H
H05K7/14 N
H05K7/14 T
G11B33/14 503Z
G11B33/12 313
G11B33/12 302Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021171605
(22)【出願日】2021-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西願 裕一
【テーマコード(参考)】
5E322
5E348
【Fターム(参考)】
5E322BA01
5E322BA03
5E322BB03
5E348AA03
5E348AA08
5E348AA10
5E348DD10
5E348DG01
5E348DG03
5E348EE07
5E348EE09
5E348EE17
5E348EE28
5E348EE36
5E348EE37
5E348EF07
5E348EF12
5E348EF18
5E348EF24
5E348FF01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】情報処理装置を大きくすること無くミッドプレーン後面に左右方向に沿ってより多くのコントローラ用コネクタを備える構造を提供する。
【解決手段】前面に複数の記憶メディアドライブが接続されたミッドプレーン101の後面に、情報処理装置において、コントローラ105と直方体状の電源装置103R、103Lが接続される。コントローラ基板104の前端に左右方向に並んだ複数のインターフェースコネクタが備えられる。ミッドプレーンの後面が、それぞれコントローラのインターフェースコネクタが接続される左右方向に並んだ複数のコネクタである複数のコントローラ用コネクタ102と、水平にされた電源装置が接続されるコネクタである電源用コネクタとを有する。電源用コネクタに横向きに接続された電源装置の下方に、コントローラ用コネクタの行の一部がある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板であるミッドプレーンと、
前記ミッドプレーンの前面に接続された複数の記憶メディアドライブと、
前記ミッドプレーンの後面に接続されたコントローラ及び前後方向に最も長い直方体状の電源装置と
を備え、
前記コントローラは、
回路基板であるコントローラ基板と、
当該コントローラ基板に設けられた複数のコントローラ部品と
を有し、
前記複数のコントローラ部品が、前記コントローラ基板の前端に沿って左右方向に並んだ複数のインターフェースコネクタを含み、
前記ミッドプレーンの前面が、それぞれ記憶メディアドライブが接続されるコネクタである複数のドライブ用コネクタを有し、
前記ミッドプレーンの後面が、
それぞれ前記コントローラのインターフェースコネクタが接続される左右方向に並んだ複数のコネクタである複数のコントローラ用コネクタと、
横向きの前記電源装置が接続されるコネクタである電源用コネクタと
を有し、
前記電源用コネクタに横向きに接続された前記電源装置の下方に、コントローラ用コネクタの行の一部がある、
情報処理装置。
【請求項2】
前記コントローラ基板を覆うカバーを有し、
前記複数のコントローラ部品は、高さが異なる二つ以上のコントローラ部品を含み、
前記カバーは、
第1の高さにある第1の上面と、
前記第1の高さよりも低い第2の高さにある第2の上面と
を有し、
前記ミッドプレーンの後面に接続された前記電源装置が、前記第2の上面上にある、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記電源装置は、電源ユニットと、当該電源ユニットと直列にされ当該電源ユニットよりも前記ミッドプレーンに近いバッテリーユニットとで構成されている、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ミッドプレーンの後面に、同じ装置セットである第1の装置セット及び第2の装置セットが接続されており、
前記第1の装置セット及び第2の装置セットは上下方向に配列されており、
前記第1の装置セットは、前記コントローラ、前記電源装置及び前記カバーを含んだ装置セットであり、
前記第2の装置セットは、上下反転された装置セットであり、前記第1の装置セットの上に位置する装置セットである、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複数のコントローラ部品は、左右方向に配列されそれぞれ前方の空気を吸い後方へ排気する複数のファンを含み、
前記複数のファンは、第1のファンと、当該第1のファンよりも高さが低い第2のファンとを含み、
前記第1のファンが、前記第1の上面の下に存在し、
前記第2のファンが、前記第2の上面の下に存在し、
前記カバーは、前記第1の上面の一側縁から前記第2の上面の他側縁にかけた第1の側面と、前記第2の上面の一側縁から下方に延びた第2の側面とを有し、前記複数のファンによる冷却風をガイドする、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記複数のコントローラ部品は、左右方向に配列されそれぞれ前方の空気を吸い後方へ排気する複数のファンを含み、
前記複数のファンは、第1のファンと、当該第1のファンよりも高さが低い第2のファンとを含み、
前記コントローラ基板の水平視において、前記第1のファンは前記電源装置と異なる位置にあり、前記第2のファンは前記電源装置と重なる位置にある、
請求項1に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、情報処理装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
内部空間を前後方向に仕切るミッドプレーン(中継用基板)とミッドプレーンの両面に接続された複数の電子デバイスとを備える情報処理装置が知られている。このような情報処理装置では、ミッドプレーンの両面に複数のコネクタが備えられ、複数のコネクタに複数の装置が接続される。
【0003】
情報処理装置のサイズを所定サイズ(例えば1U或いは2U)に抑えつつ情報処理装置の高性能化又は大容量化を実現するためには、ミッドプレーンのサイズが大きくなることを避ける必要がある。
【0004】
特許文献1に開示の技術によれば、ミッドプレーンのサイズが大きくなることを避けるために、ミッドプレーンに電源接続用基板が接続され、当該基板に電源装置が接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以下、便宜上、ミッドプレーンの一方の面を「前面」と言い(「正面」又は「表面」と呼ばれてもよい)、ミッドプレーンの他方の面を「後面」と言う(「背面」又は「裏面」と呼ばれてもよい)。また、左右方向に沿った要素の並びを「行」と言い、上下方向に沿った要素の並びを「列」と言うことができる。
【0007】
複数の記憶メディアドライブを備えた情報処理装置がある。この種の情報処理装置の大容量化のためには、高密度に記憶メディアドライブをミッドプレーンの前面に配置し(つまりミッドプレーンの前面は実質的に記憶メディアドライブのための領域とし)、記憶メディアドライブ以外の装置をミッドプレーンの後面に配置することが考えられる。記憶メディアドライブ以外の装置は、コントローラと電源装置に大別される。コントローラは、典型的にはブレード状である。電源装置は、典型的には、前後方向に長い直方体状である。
【0008】
このような情報処理装置では、ミッドプレーンは、前面にドライブ用コネクタを有し、後面にコントローラ用コネクタ及び電源用コネクタを有する。
【0009】
ドライブ用コネクタは、記憶メディアドライブが接続されるコネクタである。
【0010】
コントローラはインターフェースコネクタを有しており、インターフェースコネクタがコントローラ用コネクタに接続される。電源装置は、コントローラ上に載置され、ミッドプレーンの後面における電源用コネクタに接続される。
【0011】
また、通常、ミッドプレーンの前面のコネクタと後面のコネクタは、コネクタ実装の容易のために、ミッドプレーンの前面視(平面視)において互いに重ならない位置に設けられる。
【0012】
高密度に記憶メディアドライブが配置されるとなると、コントローラの入出力対象が増えるということであり、故に、より多くの記憶メディアドライブとの通信のためにより多くのインターフェースコネクタがコントローラに必要になる。インターフェースコネクタはコントローラの左右方向に沿って並んでいるので、インターフェースコネクタを左右方向に増やすことが考えられ、故に、ミッドプレーンの後面においてコントローラ用コネクタも左右方向に沿って増やすことが考えられる。
【0013】
しかし、インターフェースコネクタ及びコントローラ用コネクタをそれぞれ左右方向に十分に増やすとインターフェースコネクタ及びコントローラ用コネクタの位置が電源装置の位置に干渉することになる。
【0014】
このような問題を回避する方法として、下記のいずれかの方法が考えられる。
(A)コントローラ用コネクタの位置をドライブ用コネクタの位置の真後とする(ミッドプレーンの正面視においてコントローラ用コネクタの位置をドライブ用コネクタの位置に重ねる)。
(B)一つのコントローラを複数のサブコントローラに分割しそれらのサブコントローラを上下方向に配列する。
(C)特許文献1に開示の技術に基づき、複数のコントローラ用コネクタが設けられた拡張基板をミッドプレーンに接続する。
【0015】
しかし、(A)乃至(C)のいずれの方法でも、実装が容易ではない。具体的には、(A)の方法では、コネクタの実装が容易でない。(B)の方法では、同時勘合の位置精度維持のため複雑な機構が必要となる。(C)の方法では、コントローラが拡張基板を介して記憶メディアドライブと通信する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
情報処理装置は、回路基板であるミッドプレーンと、ミッドプレーンの前面に接続された複数の記憶メディアドライブと、ミッドプレーンの後面に接続されたコントローラ及び直方体状の電源装置とを備える。コントローラは、回路基板であるコントローラ基板と、コントローラ基板に設けられた複数のコントローラ部品とを有する。複数のコントローラ部品が、コントローラ基板の前端に沿って左右方向に並んだ複数のインターフェースコネクタを有する。ミッドプレーンの前面が、それぞれ記憶メディアドライブが接続されるコネクタである複数のドライブ用コネクタを有する。ミッドプレーンの後面が、それぞれコントローラのインターフェースコネクタが接続される左右方向に並んだ複数のコネクタである複数のコントローラ用コネクタと、横向きにされた電源装置が接続されるコネクタである電源用コネクタとを有する。電源用コネクタに横向きに接続された電源装置の下方に、コントローラ用コネクタの行の一部がある。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、情報処理装置を大きくすること無しにミッドプレーン後面に左右方向に沿ってより多くのコントローラ用コネクタを備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】一比較例に係る情報処理装置内の一部の模式図である。
【
図2】一比較例に係る情報処理装置の課題の模式図である。
【
図3】実施形態に係る情報処理装置の前方斜視図である。
【
図4】ラック(及び凸型カバー)が除かれた情報処理装置の後方斜視図である。
【
図5】ミッドプレーンに接続された複数のSSD及び下側装置セットの前方斜視図である。
【
図6】ミッドプレーンに接続された複数のSSD及び下側装置セットの後方斜視図である。
【
図7】電源装置が除かれた下側装置セットの後方斜視図である。
【
図9】凸型カバーが半透明にされた下側装置セットの後方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明では、同種の要素を区別しないで説明する場合には、参照符号のうちの共通符号を使用し、同種の要素を区別して説明する場合には、参照符号を使用することがある。
【0020】
また、以下の説明において、便宜上、任意の位置を基準にした位置や方向を表す言葉として、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」及び「下」といった言葉を使用することとする。位置や方向は、三次元空間の直交座標系(x軸、y軸及びz軸)を利用して説明することもできる。左右方向は、x軸方向の一例、前後方向はy軸方向の一例、上下方向はz軸方向の一例とすることができる。
【0021】
また、以下に説明する種々の要素(例えば、コントローラ、ファン及びプロセッサ)について、要素の数は、図示の数に限られないでよい。
【0022】
以下、本発明の一実施形態を説明する。以下の実施形態は本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実行することが可能である。
【0023】
まず、
図1及び
図2を参照して、一比較例に係る情報処理装置を説明する。
【0024】
図1に示すように、ミッドプレーン101の後面下端(下縁)に、左右方向に沿って並んだ複数のコントローラ用コネクタ102が備えられている。
【0025】
ミッドプレーン101の後面に、コントローラ105が接続される。具体的には、コントローラ105の基板104がコントローラ用コネクタ102に接続される。
【0026】
ミッドプレーン101の後面に、縦向きにされた直方体状の電源装置103R及び103Lが接続される。具体的には、コントローラ基板104上の左右両端を含んだ前後方向に長い領域が、前後方向に最も長く縦向きにされた(幅よりも高さが長い)電源装置103R及び103Lが載置される領域である。
【0027】
ミッドプレーン101の前面に高密度に記憶メディアドライブ(コントローラ105によってデータが入出力される入出力装置の一例)が接続されるとなると、コントローラ105の入出力対象が増えるということであり、故に、より多くの記憶メディアドライブとの通信のためにより多くのインターフェースコネクタ(図示せず)がコントローラ105に必要になる。インターフェースコネクタはコントローラ105の左右方向に沿って並んでいるので、インターフェースコネクタを左右方向に増やすことが考えられる。故に、
図2に示すように、ミッドプレーン101の後面においてコントローラ用コネクタ102も左右方向に沿って増やすことが考えられる。
【0028】
しかし、コントローラ用コネクタ102を左右方向に十分に増やすとコントローラ用コネクタ102の位置が電源装置103の位置に干渉することになる。具体的には、例えば、
図2に破線枠で表すように、電源装置103の位置に干渉する位置にコントローラ用コネクタ102を備えることはできない。
【0029】
そこで、本実施形態では、以下に説明する構成が情報処理装置に採用される。なお、以下の実施形態では、記憶メディアドライブとしてSSD(Solid State Drive)303が採用される。
【0030】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の前方斜視図である。
図4は、ラック(及び後述の凸型カバー)が除かれた情報処理装置の後方斜視図である。
【0031】
情報処理装置300は、装置300の部品が収容される直方体状のラック302を有する。ラック302は、所定の規格に従う所定のサイズでよい。例えば、ラック302は、EIA(Electronic Industries Alliance)で規格化されている19インチラック(4U)でよい。ラック302は、上面、下面(底面)、右側面及び左側面を有している。ラック302の前面及び後面は空いている。
【0032】
ラック302の空いている前面からSSD303が挿入され、内部のミッドプレーン420の前面に接続される。
【0033】
図示しないが、ラック302の空いている後面から、上下二段の同じ装置セット400が挿入され(上側の装置セット400Uは上下反転された装置セット)、内部のミッドプレーン420の後面に接続される。装置セット400の各々は、ラック302の半分程の高さを有する直方体状の装置セットである。例えば、ラック302は4Uでよく、各装置セットは2Uでよい。上側装置セット400U(上下反転された装置セット)と下側装置セット400Lとの間には隙間が実質的に無いか或いは隙間があっても僅かでよい。
【0034】
図5及び
図6は、それぞれ、ミッドプレーン420に接続された複数のSSD303及び下側装置セット400Lの斜視図である。
図5及び
図6のいずれも、ラック302及び上側装置セット400Uが除かれた情報処理装置300の斜視図に相当する。
【0035】
ミッドプレーン420の前面に複数のSSD303が接続されている。言い換えれば、ミッドプレーン420の前面には上下二段のSSD行が存在する。各SSD行は、左右方向に並んだ二つ以上のSSDで構成されている。SSD行において、各SSD303は、縦向きである(すなわち、各SSD303は、前後方向に最も長く、幅よりも高さが長い)。ミッドプレーン420の前面には高密度にSSDが配置される。
【0036】
ミッドプレーン420の後面に下側装置セット400Lが接続されている。下側装置セット400Lは、コントローラ430L、凸型カバー450L、電源装置410LR及び410LLを有する。
【0037】
電源装置410LR及び410LLは、例えば冗長化された電源装置である。電源装置410LR及び410LLの一方が無くてもよい。電源装置410Lは、前後方向に最も長く、ミッドプレーン420の後面に対して横向きに(最も面積の広い面が水平となるように)接続されている。電源装置410Lは、電源ユニット411Lと、当該電源ユニット411Lと直列にされ(前後方向に沿って並び)当該電源ユニット411Lよりもミッドプレーン420に近いバッテリーユニット412Lとで構成されている。
【0038】
コントローラ430Lは凸型カバー450Lで覆われている。具体的には、例えば、
図7に示すように、凸型カバー450Lは、前後方向に最も長く、コントローラ430Lの上面視において、コントローラ430Lの実質的に全域が、凸型カバー450Lで覆われている。
【0039】
凸型カバー450Lは、左右上下方向に沿った切断面が凸型になる形状を有している。具体的には、凸型カバー450Lは、第1の高さにある第1の上面71Lと、第1の高さよりも低い第2の高さにある第2の上面72Lとを有する。また、凸型カバー450Lの右側半分(後方から見て左側半分)を例に取ると、凸型カバー450Lは、第1の上面71Lの右縁(一側縁の一例)から第2の上面72LRの左縁(他側縁の一例)にかけて垂直に下方に延びた第1の側面73LRと、第2の上面72LRの右縁(一側縁の一例)から下方に垂直に延びた(例えばコントローラ430Lの基板まで延びた)第2の側面74LRとを有する。面71L~74Lのいずれも、必ずしも連続した面でなくてもよく、例えば、一部が開口を形成していてもよい。横向きの電源装置410Lが、ミッドプレーン420の後面に接続され、第2の上面72Lに載置されてよい。その状態において、横向きの電源装置410Lの上面と凸型カバー450Lの第1の上面71Lとが実質的に面一でよい。凸型カバー450Lは、前面視において凸型形状になるよう折り曲げられた板金でよい。
【0040】
図8に示すように、コントローラ430Lが、コントローラ基板(回路基板)980と、当該コントローラ基板980に設けられた複数のコントローラ部品とを有する。複数のコントローラ部品は、コントローラ基板980の前端(前縁)に沿って左右方向に並んだ複数のインターフェースコネクタ901を含む。また、複数のコントローラ部品は、高さが異なる二つ以上のコントローラ部品を含む。当該二つ以上のコントローラ部品は、例えば、後から前にかけて、複数の入出力コネクタ990と、プロセッサ950及びDIMM(Dual Inline Memory Module)940と、複数のファン930とを含む。
【0041】
複数の入出力コネクタ990が、例えばコントローラ基板980の実質的最後尾において、左右方向に並んでいる。複数の入出力コネクタ990に、複数の入出力モジュール(例えば、NIC(Network Interface Card)のような通信インターフェースモジュール)510が接続される(例えば
図6及び
図7参照)。
【0042】
プロセッサ950の左右両側にDIMM(Dual Inline Memory Module)940が配置される。プロセッサ950及びDIMM940のセットが、左右方向に並ぶ。DIMM940はメモリモジュールの一例である。DIMM940はプロセッサ950により使用されるためプロセッサ950から近い位置(例えばプロセッサ950の左右の一方又は両方の隣)に設けられる。
【0043】
複数のファン930は、左右方向に配列され、それぞれが前方の空気を吸い後方へ排気するファン(典型的には軸流ファン)である。左右方向に配列された複数のファン930は、コントローラ基板980の中央側に、左右方向に並んだ複数の第1のファン930B(例えば大型ファン)を含み、コントローラ基板980の左右両側に、左右方向に並んだ複数(又は一つ)の第2のファン930S(例えば小型ファン)を含む。第2のファン930Sは、第1のファン930Bより高さが低い。第1のファン930Bは、例えば、低消費電力だがスペース効率が悪い要素(コントローラ430Lの高密度化が難しい要素)である。第2のファン930Sは、例えば、高消費電力だがスペース効率が良い要素である。
【0044】
図9は、凸型カバー450Lが半透明にされた下側装置セット400Lの後方斜視図である。
図7~
図9が示すように、凸型カバー450Lの第1の上面71L下に、複数のコントローラ部品のうち相対的に高さが高いコントローラ部品、例えば、第1のファン930B及びプロセッサ950が存在する。一方、凸型カバー450Lの第2の上面72L下に、複数のコントローラ部品のうち相対的に高さが低いコントローラ部品、例えば、DIMM940及び第2のファン930Sが存在する。
【0045】
図10は、ミッドプレーン420の後面視を示す図である。
【0046】
ミッドプレーン420の後面において、上端及び下端の各々に、コントローラ用コネクタの行(左右方向に並んだ複数のコントローラ用コネクタ)が設けられている。前述したように、電源装置410とコントローラ基板との間にはスペースが形成されるため、コントローラ用コネクタの行が、ミッドプレーン420の後面の左右両端にまで延ばすことができている。このような構成が採用されても、コントローラ用コネクタの行の位置が電源装置410の位置に干渉しない。各コントローラ用コネクタに、コントローラ基板980に設けられているインターフェースコネクタ901が接続される。なお、コントローラ用コネクタとして、コントローラ430に入出力される信号が経由するコントローラ信号用コネクタ1010と、コントローラ430に供給される電力が経由するコントローラ給電用コネクタ1011とがある。
【0047】
また、ミッドプレーン420の後面において、中央且つ左右両端に、電源用コネクタ10が設けられている。具体的には、上側装置セット400Uの左右の電源装置が接続される電源用コネクタ10UL及び10URと、下側装置セット400Lの左右の電源装置410LL及び410LRが接続される電源用コネクタ10LL及び10LRとがある。電源用コネクタ10に、電源装置410が横向きに接続される。
【0048】
また、ミッドプレーン420は、スリット1020の行(左右方向に並んだ複数のスリット1020)を形成している。スリット1020については後述する。
【0049】
図11は、ミッドプレーン420の前面視を示す図である。
【0050】
上下二段にSSDコネクタ1110の行(左右方向に並んだ複数のSSDコネクタ1110)が設けられている。SSDコネクタ1110にSSD303が接続される。
【0051】
SSDコネクタ1110毎に、SSDコネクタ1110の左右隣に、上下方向に長いスリット1020が設けられている。スリット1020は、通気孔の一例である。複数のファン930により、空気が、前方から吸い込まれ、SSD303間の隙間を流れ、スリット1020を通過し、コントローラ430内部を前方から後方へ流れる。これにより、SSD303やプロセッサ950等が冷却される。
【0052】
以上が、本実施形態の説明である。以上の説明を、例えば下記のように総括することができる。
【0053】
ミッドプレーン420の後面の電源用コネクタ10に横向きに電源装置410が接続される。電源装置410とコントローラ基板980との間にはスペースができる。故に、コントローラ用コネクタの行を、ミッドプレーン420の後面の左右両端にまで延ばすことができ(別の言い方をすれば、コントローラ用コネクタの実装可能な面積が拡大され)、結果として、情報処理装置300を大きくすること無しにミッドプレーン後面に左右方向に沿ってより多くのコントローラ用コネクタを備えることができる。例えば、ミッドプレーン420の表裏で(ミッドプレーン420の前面視において)SSDコネクタ1110とコントローラ用コネクタが重ならないので特殊な工法やバスバーなどが不要である。
【0054】
コントローラ基板980上に、プロセッサ950とDIMM940が配置されているが、プロセッサ950に比べてDIMM940は低く、故に、DIMM940上はいわゆるデッドスペースである。このデッドスペースに、横向きの電源装置410が配置される。
【0055】
前後方向に最も長い電源装置410が横向きで備えられると、相対的に高さが高いコントローラ部品を配置できる範囲が左右方向に狭まる。このため、例えば、第1のファン930Bの左右方向に沿った実装可能面積が狭まる。故に、冷却性能の低下が懸念される。
【0056】
そこで、上述の実施形態では、横向きの電源装置410とコントローラ基板980との間にスペースに(つまり電源装置410の下に)相対的に高さが低いコントローラ部品が配置される。例えば、第2のファン930Sが配置される。これにより、冷却性能を維持することが期待される。
【0057】
また、コントローラ基板980を凸型カバー450が覆う。凸型カバー450は、第1の上面71と、第1の高さよりも低い第2の高さにある第2の上面72とを有する。ミッドプレーン420の後面に接続された電源装置410が、第2の上面72上にある。電源装置410とコントローラ基板980間にスペースが生じるが、凸型カバー450の第2の上面72により、その電源装置410を支えることができる。
【0058】
第1の上面71下に、相対的に高さが高いコントローラ部品の一例として第1のファン930Bが存在する。第2の上面72下に、相対的に高さが低いコントローラ部品の一例として第2のファン930Sが存在する。凸型カバー450は、第1の上面71の一側縁から第2の上面72の他側縁にかけた第1の側面と、第2の上面72の一側縁から下方に延びた第2の側面とを有し、複数のファン930による冷却風をガイドする。これにより、冷却性能を維持することが期待される。特に、第2の上面72は、コントローラ基板980から上に離れた位置にある電源装置410の支えともなり冷却風のガイドにもなるフランジでよい。
【0059】
電源装置410は、電源ユニット411と、当該電源ユニット411と直列にされ当該電源ユニット411よりもミッドプレーン420に近いバッテリーユニット412とで構成されている。バッテリーユニット412Lの方が電源ユニット411Lと比べて給電先(コントローラ430やSSD303等の負荷)との論理的な距離が近い(電流経路が短い)ので、効率的な給電が期待される。
【0060】
また、上下二段の同じ装置セット400が備えられる。各装置セット400は所定サイズ(例えば2U)である。上側装置セット400Uは上下反転された装置セットである。装置セット400間には隙間が実質的に無いか或いは隙間があっても僅かでよい。これにより、情報処理装置300全体が所定のサイズに収まるように(所定の高さのラック302内に)上下二段に装置セット400(コントローラ430等)を搭載することができる。
【符号の説明】
【0061】
300…情報処理装置