(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061601
(43)【公開日】2023-05-02
(54)【発明の名称】鞍乗型車両のシート装置
(51)【国際特許分類】
B62J 1/12 20060101AFI20230425BHJP
【FI】
B62J1/12 A
B62J1/12 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021171616
(22)【出願日】2021-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000929
【氏名又は名称】KYB株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122323
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 憲
(72)【発明者】
【氏名】望月 隆久
(57)【要約】
【課題】鞍乗型車両における足付性を向上できる鞍乗型車両のシート装置を提供する。
【解決手段】本発明における鞍乗型車両Vのシート装置S1は、鞍乗型車両Vの車体Bに横方向に並べて設けられるとともに車体Bの前後方向に沿う一対のシートレール1,2と、車体Bの横方向で複数に分割されたシート分割体3a,3bを有してシートレール1,2上に配置される上昇ポジションとシートレール1,2間に収容される下降ポジションとに姿勢を切り換え可能なシート3と、シート分割体3a,3bを駆動可能であってシート3を上昇ポジションと下降ポジションとに切換駆動する駆動部4とを備えている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞍乗型車両の車体に横方向に並べて設けられるとともに前記車体の前後方向に沿う一対のシートレールと、
前記車体の横方向で複数に分割されたシート分割体を有して前記シートレール上に配置される上昇ポジションと、前記シートレール間に収容される下降ポジションとに姿勢を切り換え可能なシートと、
前記シート分割体を駆動可能であって、前記シートを前記上昇ポジションと前記下降ポジションとに切換駆動する駆動部とを備えた
鞍乗型車両のシート装置。
【請求項2】
前記シートは、前記車体の横方向で左右に2分割された一対のシート分割体を有し、
左側のシート分割体は、前記シートレールのうち左側のシートレールに対してシートレールの周りに回転可能であって、
右側のシート分割体は、前記シートレールのうち右側のシートレールに対してシートレールの周りに回転可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両のシート装置。
【請求項3】
前記シートは、前記車体の横方向で左右および中央の3分割された3つのシート分割体を有し、
左側のシート分割体は、前記シートレールのうち左側のシートレールに対してシートレールの周りに回転可能に装着され、
右側のシート分割体は、前記シートレールのうち右側のシートレールに対してシートレールの周りに回転可能に装着され、
中央のシート分割体は、上下方向に移動可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両のシート装置。
【請求項4】
前記シートは、前記車体の横方向で左右および中央の3分割された3つのシート分割体を有し、
左側のシート分割体と右側のシート分割体とは、互いに前記車体の横方向において遠近可能であるとともに上下方向に移動可能であって、
中央のシート分割体は、上下方向に移動可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両のシート装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗型車両のシート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鞍乗型車両は、車体のほぼ中央部の上方に搭乗者が跨って座るためのシートを備えている。シートは、一般的には、ボックス状とされていて、車体の左右に並べて設置されるとともに車体の前後方向に沿う一対のシートレールの上に載置されており、各シートレールによって固定的に支持された状態で車体に取り付けられている。
【0003】
鞍乗型車両の中には、悪路での走破性を向上させるべく最低地上高およびサスペンションストローク量を確保するため、旋回時のステップと地面との干渉を避けるため、或いは、搭乗者の視界を良好に保ち運転しやすさの向上のためにシート高を高くしている車両がある。このような鞍乗型車両では、シート高を高くして悪路走破性、旋回時の取り回しや運転しやすさを向上できる反面、搭乗者の足付性が悪くなる。
【0004】
鞍乗型車両は、停車中にスタンドを利用しないと自立できないため、鞍乗型車両に乗車している搭乗者は、鞍乗型車両の停車時には転倒しないように片足あるいは両足を地面につけて車体を支える必要があるが、足付性が悪いと停車時にバランスを保つことが難しくなる。
【0005】
そこで、鞍乗型車両の停車時における搭乗者の足付性の向上のためや、搭乗者の好みのドライビングポジションの調整のために、シート高を調整できるシート装置が提案されている。
【0006】
シート高を調整できる従来のシート装置は、シートをジャッキによって上下動させるもの、シートの前方を支点としてリンク機構によってシートの後端側を上下方向に揺動させるもの、或いは、シートを車体に平行リンクを介して取り付けてシートを上下動させるもの等が提案されるに至っている(たとえば、特許文献1、2、3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開昭63-7081号公報
【特許文献2】特開2008-81083号公報
【特許文献3】特開2019-38508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のシート装置は、前述したように、シートを車体に対して上下動或いは揺動させることでシート高を調整できるが、シートは、車体に設けられてシートを下支えするシートレールに支持されたポジションより下方へは移動できない。つまり、シート高の下限は、車体に設けられたシートレールによって決定されており、シート高をシートがシートレール上に載置されたポジション以下に調整することはできない。
【0009】
よって、シート装置に対し、足付性の更なる向上ため、シート高の調整時の下限をより一層低下させることが要望されている。
【0010】
そこで、本発明は、鞍乗型車両における足付性を向上できる鞍乗型車両のシート装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記した課題を解決するために、本発明の鞍乗型車両のシート装置は、鞍乗型車両の車体に横方向に並べて設けられるとともに車体の前後方向に沿う一対のシートレールと、車体の横方向で複数に分割されたシート分割体を有してシートレール上に配置される上昇ポジションとシートレール間に収容される下降ポジションとに姿勢を切り換え可能なシートと、シート分割体を駆動可能であってシートを上昇ポジションと下降ポジションとに切換駆動する駆動部とを備えている。このように構成された鞍乗型車両のシート装置によれば、シートが車体の横方向に分割された複数のシート分割体とを備えているので、シート分割体を接近させてシート分割体の幅をシートレール間の幅よりも狭めてシートレール間へ収容できる。
【0012】
また、鞍乗型車両のシート装置にあっては、シートが車体の横方向で左右に2分割された一対のシート分割体を有し、左側のシート分割体がシートレールのうち左側のシートレールに対してシートレールの周りに回転可能であって、右側のシート分割体がシートレールのうち右側のシートレールに対してシートレールの周りに回転可能であってもよい。このように構成された鞍乗型車両のシート装置によれば、シート分割体を回転駆動するだけで容易にシートをシートレール間に収容する下降ポジションに切り換えでき、シート分割体に複雑な動きをさせる必要がないので、駆動部に汎用される駆動源を利用できるとともに駆動源の設置数も少なくて済むのでコストを低減できる。
【0013】
さらに、鞍乗型車両のシート装置にあっては、シートが車体の横方向で左右および中央の3分割された3つのシート分割体を有し、左側のシート分割体がシートレールのうち左側のシートレールに対してシートレールの周りに回転可能に装着され、右側のシート分割体がシートレールのうち右側のシートレールに対してシートレールの周りに回転可能に装着され、中央のシート分割体が上下方向に移動可能であってもよい。このように構成された鞍乗型車両のシート装置によれば、左右のシート分割体を回転駆動させるとともに中央のシート分割体を上下方向に駆動するだけで容易にシートをシートレール間に収容する下降ポジションに切り換えでき、左右のシート分割体に複雑な動きをさせる必要がないので、駆動部汎用される駆動源を利用できるとともに駆動源の設置数も少なくて済むのでコストを低減できる。
【0014】
そして、鞍乗型車両のシート装置にあっては、シートが車体の横方向で左右および中央の3分割された3つのシート分割体を有し、左側のシート分割体と右側のシート分割体とが互いに車体の横方向において遠近可能であるとともに上下方向に移動可能であって、中央のシート分割体が上下方向に移動可能であってもよい。このように構成された鞍乗型車両のシート装置によれば、左右のシート分割体を接近させるとともに、中央のシート分割体とともに上下方向に駆動するだけで容易にシートをシートレール間に収容する下降ポジションに切り換えで、左右のシート分割体に複雑な動きをさせる必要がないので駆動部に汎用される駆動源を利用できるとともに駆動源の設置数も少なくて済むのでコストを低減できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の鞍乗型車両のシート装置によれば、シート高を従来のシート装置に比較してより低下させ得るので鞍乗型車両における搭乗者の足付性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1の実施の形態における鞍乗型車両のシート装置を搭載した鞍乗型車両の側面図である。
【
図2】第1の実施の形態における鞍乗型車両のシート装置の平面図である。
【
図3】(a)シートが上昇ポジションの姿勢を断った状態における第1の実施の形態における鞍乗型車両のシート装置の断面図である。(b)シートが下降ポジションの姿勢を断った状態における第1の実施の形態における鞍乗型車両のシート装置の断面図である。
【
図4】第2の実施の形態における鞍乗型車両のシート装置の平面図である。
【
図5】(a)シートが上昇ポジションの姿勢を断った状態における第2の実施の形態における鞍乗型車両のシート装置の断面図である。(b)シートが下降ポジションの姿勢を断った状態における第2の実施の形態における鞍乗型車両のシート装置の断面図である。
【
図6】第2の実施の形態における鞍乗型車両のシート装置の駆動源の第1変形例を示した図である。
【
図7】第2の実施の形態における鞍乗型車両のシート装置の駆動源の第2変形例を示した図である。
【
図8】(a)シートが上昇ポジションの姿勢を断った状態における第2の実施の形態の変形例における鞍乗型車両のシート装置の断面図である。(b)シートが下降ポジションの姿勢を断った状態における第2の実施の形態の変形例における鞍乗型車両のシート装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図に示した各実施の形態に基づき、本発明を説明する。各実施の形態の鞍乗型車両のシート装置において、共通の符号が付された部材、部品は、同一の構成を備えている。よって、説明の重複を避けるため、1つの実施の形態の鞍乗型車両のシート装置の説明中で詳細に説明した構成については、他の実施の形態の鞍乗型車両のシート装置の説明では詳しい説明を省略する。
【0018】
<第1の実施の形態>
第1の実施の形態における鞍乗型車両Vのシート装置S1は、
図1から
図3に示すように、一対のシートレール1,2と、シート3と、シート3を駆動する駆動部4とを備えて構成されている。
【0019】
鞍乗型車両Vのシート装置S1は、
図1に示すように、鞍乗型車両Vの車体Bに設置されている。鞍乗型車両Vは、
図1および
図2に示すように、車体Bと、車体Bに懸架された前輪Wfおよび後輪Wrとを備えている。また、鞍乗型車両Vには、
図1から
図3に示すように、車体Bの上方であって中央から後方に架けて、車体Bに横方向に並べて設けられるとともに車体Bの前後方向に沿う一対のシートレール1,2が設置されている。
【0020】
シートレール1,2は、本実施の形態では、それぞれ車体Bの前後方向に延びる長尺な断面円形のパイプ材で構成されており、車体Bを構成するフレームに左右方向で所定の間隔を開けて取り付けられている。なお、シートレール1,2は、車体Bを構成するフレームの一部をなしていてもよい。
【0021】
シートレール1,2は、本実施の形態の鞍乗型車両Vのシート装置S1では、互いに水平かつ平行に配置される以外にも、
図1に示すように、前方側が後方側よりも下側になるように傾斜姿勢で車体Bに設けられてもよく、また、鞍乗型車両Vを上方から見て前方同士の間隔と後方同士の間隔とのいずれかが狭くなる姿勢で車体Bに設けられている。つまり、シートレール1,2が車体Bの前後方向に沿うとの定義には、搭乗者が跨ることができる程度にシートレール1,2が車体Bの前後方向および左右方向に対して傾斜角度をもって設置される態様も含まれる。
【0022】
つづいて、シート3は、
図2および
図3に示すように、車体Bの左右に2分割された一対のシート分割体3a,3bを備えている。左側のシート分割体3aは、車体Bの左側のシートレール1にシートレール1の回りに回転できる態様で装着されており、右側のシート分割体3bは、車体Bの右側のシートレール2にシートレール2の回りに回転できる態様で装着されている。
【0023】
シート分割体3a,3bは、
図3(a)に示したように、それぞれ、上面を上方に下面を下方に向けて平行に配置されるプレート3a1,3b1と、プレート3a1,3b1の上面に取り付けられたクッション部3a2,3b2と、プレート3a1,3b1の下面に取り付けられてシートレール1,2の外周に回転可能に装着された筒状のブッシュ3a3,3b3と、プレート3a1,3b1の車体Bの中央側となる先端に下方へ向けて取り付けられたレバー3a4,3b4とを備えている。
【0024】
車体Bの横方向でシート分割体3a,3b間には、シート分割体3a,3bがシートレール1とシートレール2との間へ向けて回転する際に、互いに干渉しないように、隙間5が設けられている。つまり、隙間5の車体Bの横方向における長さである隙間5の幅は、シート分割体3a,3bの前記回転の際の干渉を避け得る長さに設定されているが、可能な限り狭くすると搭乗者がシート3に座った際に搭乗者の臀部の当接面積が広くなるので好ましい。
【0025】
よって、シート3は、
図3(a)に示したシート分割体3a,3bがシートレール1,2上に配置される上昇ポジションから、
図3(b)に示したシート分割体3a,3bが互いにシートレール1,2間側へ向けて回転してシートレール1,2間に収容される下降ポジションへと姿勢を切り換え得る。
【0026】
なお、シート分割体3a,3bをそれぞれ対応するシートレール1,2に回転可能とするには、前述したブッシュ3a3,3b3以外にもベアリングその他の回転を許容する機構によって行われてもよい。また、シートレール1,2の断面円形以外の形状である場合、シートレール1,2にシート分割体3a,3bを回転可能に取り付ける代わりに、別途、リンクや軸を設けてシート分割体3a,3bをそれぞれシートレール1,2の周方向に回転させ得るようにしてもよい。
【0027】
つづいて、駆動部4は、シート分割体3a,3bのレバー3a4,3b4の先端にそれぞれヒンジ結合された電動の直動シリンダとされている。駆動部4は、
図3(a)に示したシート3が上昇ポジションの姿勢を採っている状態では収縮しており、この状態から伸長作動を呈するとレバー3a4,3b4同士を離間させるため、シート分割体3a,3bがそれぞれ対応するシートレール1,2を中心にして互いにシートレール1,2間に向けて同時に回転する。シート分割体3a,3bの回転によって、
図3(b)に示すように、シート3がシートレール1,2間に収容されて下降ポジションの姿勢に切り換わる。反対に、駆動部4は、伸長してシート3が下降ポジションの姿勢を採る状態から収縮作動すると、シート分割体3a,3bのレバー3a4,3b4同士を引き寄せて接近させるため、シート分割体3a,3bがそれぞれ対応するシートレール1,2を中心にして互いにシートレール1,2間から上方に抜け出る方向へ同時に回転する。シート分割体3a,3bの回転によって、
図3(a)に示すように、シート3がシートレール1,2上に配置される上昇ポジションの姿勢に切り換わる。このように、駆動部4は、シート分割体3a,3bを駆動可能であって、シート3を上昇ポジションと下降ポジションとに切換駆動できる。
【0028】
なお、駆動部4は、伸縮によってレバー3a4,3b4を遠近させてシート分割体3a,3bをそれぞれ対応するシートレール1,2に対して回転駆動できればよいので、たとえば、レバー3a4,3b4のそれぞれに回転可能に取り付けた取付片と一方の取付片に回転可能に装着されるとともに他方の取付片に螺着される螺子軸とでなる送り螺子機構と、螺子軸を回転駆動するモータ等の駆動源とを備えて構成されてもよい。また、駆動部4は、シート分割体3a,3bのプレート3a1,3b1をモータ等の回転型の駆動源を用いて直接回転駆動させてもよいし、或いは、歯車機構やリンク機構、ベルトとプーリ或いはスプロケットを備えて回転型の駆動源の動力を各シート分割体3a,3bに伝達する構成を採用してもよい。なお、シート分割体3a,3bが駆動部4との関係でレバー3a4,3b4が不要である場合、レバー3a4,3b4を廃止してもよい。
【0029】
前述したところでは、シート分割体3a,3bがそれぞれ対応するシートレール1,2に対してシートレール1,2の周りに回転できるので、シート分割体3a,3bを回転させてシートレール1,2間に容易に収容できるが、シート分割体3a,3bが互いに車体Bの横方向で遠近可能であって、接近した状態で上下動可能であれば、シート3が上昇ポジションの姿勢を採った状態からシート分割体3a,3bを互いに接近させてシート分割体3a,3bの全体の幅をシートレール1,2間の幅よりも狭めた状態にしてシート分割体3a,3bを下降させればシート3をシートレール1,2間に収容できる。この場合、駆動部4は、シートレール1,2に対して上下動可能なベースと、ベースに対して車体Bの横方向に移動可能にシート分割体3a,3bを取り付けて、ベースを上下方向へ駆動させる駆動源とシート分割体3a,3bを横方向へ駆動させる駆動源とを備えていればよい。
【0030】
なお、シート3が上昇ポジションを採っても下降ポジションを採っても、シート分割体3a,3b間には隙間5が生じるため、シート3の全体を覆ってシート分割体3a,3bを収容するカバー体を設けて隙間5から車体B内に水や埃の侵入をするとよい。
【0031】
以上に説明した通り、第1の実施の形態の鞍乗型車両Vのシート装置S1は、鞍乗型車両Vの車体Bに横方向に並べて設けられるとともに車体Bの前後方向に沿う一対のシートレール1,2と、車体Bの横方向で複数に分割されたシート分割体3a,3bを有してシートレール1,2上に配置される上昇ポジションとシートレール1,2間に収容される下降ポジションとに姿勢を切り換え可能なシート3と、シート分割体3a,3bを駆動可能であってシート3を上昇ポジションと下降ポジションとに切換駆動する駆動部4とを備えている。このように構成された鞍乗型車両Vのシート装置S1によれば、シート3が車体Bの横方向に分割された複数のシート分割体3a,3bとを備えているので、シート分割体3a,3bを接近させてシート分割体3a,3bの幅をシートレール1,2間の幅よりも狭めてシートレール1,2間へ収容できる。
【0032】
よって、本実施の形態の鞍乗型車両Vのシート装置S1によれば、シート3をシートレール1,2間に収容できるので、シート高を従来のシート装置に比較してより低下させ得るので、鞍乗型車両Vにおける搭乗者の足付性を向上できる。なお、シート3が上昇ポジションの状態に対して下降ポジションを採った際にシート3の高さが低くなればよいので、シート3がシートレール1,2間に収容される態様には、下降ポジションを採ったシート3の全体が完全にシートレール1,2の上端よりも下方側に収容される態様のみならず、シート3が部分的にシートレール1,2間に収容される態様も含まれる。このことは、後述するシート装置S2,S3においても同様である。
【0033】
また、本実施の形態の鞍乗型車両Vのシート装置S1は、シート3が車体Bの横方向で左右に2分割された一対のシート分割体3a,3bを有し、左側のシート分割体3aがシートレール1,2のうち左側のシートレール1に対してシートレール1の周りに回転可能であって、右側のシート分割体3bがシートレール1,2のうち右側のシートレール2に対してシートレール2の周りに回転可能であるので、シート分割体3a,3bを回転駆動するだけで容易にシート3をシートレール1,2間に収容する下降ポジションに切り換えできる。また、シート分割体3a,3bに複雑な動きをさせる必要がないので、駆動部4に直動型シリンダやモータといった汎用される駆動源を利用できるとともに駆動源の設置数も少なくて済むのでコストを低減できる。
【0034】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態における鞍乗型車両Vのシート装置S2は、
図4および
図5に示すように、一対のシートレール1,2と、シート6と、シート6を駆動する駆動部7とを備えて構成されている。
【0035】
鞍乗型車両Vのシート装置S2は、第1の実施の形態のシート装置S1と同様に、鞍乗型車両Vの車体Bに設置されている。鞍乗型車両Vには、
図4および
図5に示すように、車体Bの上方であって中央から後方に架けて、車体Bに横方向に並べて設けられるとともに車体Bの前後方向に沿う一対のシートレール1,2が設置されている。
【0036】
つづいて、シート6は、
図4および
図5に示すように、車体Bの左右および中央の3分割された3つのシート分割体6a,6b,6cを備えている。左側のシート分割体6aは、車体Bの左側のシートレール1にシートレール1の回りに回転できる態様で装着されており、右側のシート分割体6cは、車体Bの右側のシートレール2にシートレール2の回りに回転できる態様で装着されている。また、中央のシート分割体6bは、上下方向に移動可能な態様で車体B或いはシートレール1,2に取り付けられている。
【0037】
左右のシート分割体6a,6cは、
図5(a)に示したように、それぞれ、シートレール1,2の上方からシートレール1,2間側へ張り出した強度部材6a1,6c1と、強度部材6a1,6c1の上面に取り付けられたクッション6a2,6c2と、強度部材6a1,6c1の下面に取り付けられてシートレール1,2の外周に回転可能に装着された筒状のブッシュ6a3,6c3とを備えている。車体Bの横方向でシート分割体6a,6c間には、シート分割体6a,6cがシートレール1とシートレール2との間へ向けて回転する際に、互いに干渉せず、また、中央のシート分割体6bに干渉しないように充分な幅の隙間が設けられている。他方、中央のシート分割体6bは、車体Bの横方向の両端が上方側へ折り曲げ成型されたプレート6b1と、プレート6b1の上面に取り付けられたクッション部6b2とを備えている。
【0038】
車体Bの横方向でシート分割体6a,6c間には、シート6が
図5(a)に示した上昇ポジションを採る際に、中央のシート分割体6bと干渉しないように隙間が設けられている。
【0039】
よって、シート6は、
図5(a)に示したシートレール1,2上に配置される上昇ポジションから、
図5(b)に示したシート分割体6a,6bが互いにシートレール1,2間側へ向けて回転してシートレール1,2間に収容されるとともにシート分割体6bが下方へ移動してシートレール1,2間に収容される下降ポジションへと姿勢を切り換え得る。
【0040】
なお、左右のシート分割体6a,6cをそれぞれ対応するシートレール1,2に回転可能とするには、前述したブッシュ6a3,6b3以外にもベアリングその他の回転を許容する機構によって行われてもよい。また、シートレール1,2の断面円形以外の形状である場合、シートレール1,2にシート分割体6a,6cを回転可能に取り付ける代わりに、別途、リンクや軸を設けてシート分割体6a,6cをそれぞれシートレール1,2の周方向に回転させ得るようにしてもよいのは、シート分割体3a,3bと同様である。
【0041】
つづいて、駆動部7は、左右のシート分割体6a,6cの車体Bの中央側となる先端にそれぞれヒンジ結合された電動の直動シリンダ7aと、一端が中央のシート分割体6bに連結されるとともに他端が車体Bに連結されてシート分割体6bを上下方向に駆動する電動の直動シリンダ7bとを備えている。
図5(a)に示したシート6が上昇ポジションの姿勢を採っている状態では、駆動部7における直動シリンダ7aは収縮しており、直動シリンダ7bは伸長している。
【0042】
この状態から直動シリンダ7aが伸長作動を呈するとともに直動シリンダ7bが収縮作動すると、左右のシート分割体6a,6cの先端同士が離間して、左右のシート分割体6a,6cがそれぞれ対応するシートレール1,2を中心にして互いにシートレール1,2間に向けて同時に回転するとともに、中央のシート分割体6bが下降する。この動作中では、左右のシート分割体6a,6cが回転して中央のシート分割体6a,6cの先端同士が離間するため、左右のシート分割体6a,6c間に中央のシート分割体6bが下降できるスペースが生まれて中央のシート分割体6bは、左右のシート分割体6a,6cに干渉することなく下降できる。
【0043】
そして、左右のシート分割体6a,6cの回転と中央のシート分割体6bの下降によって、
図5(b)に示すように、シート6がシートレール1,2間に収容されて下降ポジションの姿勢に切り換わる。反対に、直動シリンダ7aが伸長するとともに直動シリンダ7bが収縮してシート6が下降ポジションの姿勢を採る状態から、直動シリンダ7aが収縮するとともに直動シリンダ7bが伸長すると、
左右のシート分割体6a,6cの先端同士が引き寄せられて、左右のシート分割体6a,6cがそれぞれ対応するシートレール1,2を中心にして互いにシートレール1,2間から上方に抜け出る方向へ同時に回転するとともに、中央のシート分割体6bが上昇する。左右のシート分割体6a,6cの回転と中央のシート分割体6bの上昇によって、
図5(a)に示すように、シート6がシートレール1,2上に配置される上昇ポジションの姿勢に切り換わる。このように、駆動部7は、シート分割体6a,6b,6cを駆動可能であって、シート6を上昇ポジションと下降ポジションとに切換駆動できる。また、シート6が上昇ポジションを採る姿勢と下降ポジションを採る姿勢との間で駆動部7を停止させれば、シート6を上昇ポジションから下降ポジションまでの間の任意の姿勢で停止させてシート高を搭乗者の望む高さへ調整できる。
【0044】
なお、駆動部7は、
図6に示すように、左右のシート分割体6a,6bの回転駆動させるために、直動シリンダ7aの代わりに、一端が中央のシート分割体6bに取り付けられた直動シリンダ7cと、左右のシート分割体6a,6cの先端にヒンジ結合されるとともに直動シリンダ7cの他端にヒンジ結合される一対のアーム7d,7eとを備えてもよい。このように構成されても、直動シリンダ7cを伸長作動させると左右のシート分割体6a,6cをシートレール1,2間に収容する方向へ回転駆動できるので、駆動部7は、シート6を上昇ポジションと下降ポジションとに切り換え駆動できる。
【0045】
また、
図7に示すように、左右のシート分割体6a,6cの強度部材6a1,6c1の車体Bの中央側に部分的に歯車部6a11,6c11を設けるとともに、中央のシート分割体6bのプレート6b1の下端に左右側面にラック6b11,6b12を設ける場合、駆動部7は、歯車部6a11,6c11と、ラック6b11,6b12に歯合する歯車機構7fと、歯車機構7fを駆動する図外のモータとを備えて構成されてもよい。歯車機構7fは、
図7に示した例では、左右のシート分割体6a,6cをシートレール1,2間側へ回転させるとともに中央のシート分割体6bを下降させるために、左のシート分割体6aの歯車部6a11とラック6b11との間に歯合する4つの歯車7f1、7f2,7f3,7f4と、右のシート分割体6cの歯車部6c11とラック6b12との間に歯合する4つの歯車7f5,7f6,7f7,7f8とを備えている。
図7に示した駆動部7では、8つの歯車7f1、7f2,7f3,7f4,7f5,7f6,7f7,7f8のうち任意の1つの歯車を図外のモータで駆動すればよいが、複数のモータを同期させて複数の歯車を駆動するようにしてもよい。
【0046】
なお、シート6が上昇ポジションを採っても下降ポジションを採っても、シート分割体6a,6b,6c間には隙間が生じるため、シート6の全体を覆ってシート分割体6a,6b,6cを収容するカバー体を設けて隙間から車体B内に水や埃の侵入をするとよい。
【0047】
以上に説明した通り、第2の実施の形態の鞍乗型車両Vのシート装置S2は、鞍乗型車両Vの車体Bに横方向に並べて設けられるとともに車体Bの前後方向に沿う一対のシートレール1,2と、車体Bの横方向で複数に分割されたシート分割体6a,6b,6cを有してシートレール1,2上に配置される上昇ポジションとシートレール1,2間に収容される下降ポジションとに姿勢を切り換え可能なシート6と、シート分割体6a,6b,6cを駆動可能であってシート6を上昇ポジションと下降ポジションとに切換駆動する駆動部7とを備えている。このように構成された鞍乗型車両Vのシート装置S2によれば、シート6が車体Bの横方向に分割された複数のシート分割体6a,6b,6cとを備えているので、シート分割体6a,6b,6cの全体の幅をシートレール1,2間の幅よりも狭めてシートレール1,2間へ収容できる。
【0048】
よって、本実施の形態の鞍乗型車両Vのシート装置S2によれば、シート6をシートレール1,2間に収容できるので、シート高を従来のシート装置に比較してより低下させ得るので、鞍乗型車両Vにおける搭乗者の足付性を向上できる。
【0049】
また、本実施の形態の鞍乗型車両Vのシート装置S2は、シート6が車体Bの横方向で左右および中央の3分割された3つのシート分割体6a,6b,6cを有し、左側のシート分割体6aがシートレール1,2のうち左側のシートレール1に対してシートレール1の周りに回転可能に装着され、右側のシート分割体6cがシートレール1,2のうち右側のシートレール2に対してシートレール2の周りに回転可能に装着され、中央のシート分割体6bが上下方向に移動可能である。このように構成された鞍乗型車両Vのシート装置S2によれば、左右のシート分割体6a,6cを回転駆動させるとともに中央のシート分割体6bを上下方向に駆動するだけで容易にシート6をシートレール1,2間に収容する下降ポジションに切り換えできる。また、左右のシート分割体6a,6cに複雑な動きをさせる必要がないので、駆動部7に直動型シリンダやモータといった汎用される駆動源を利用できるとともに駆動源の設置数も少なくて済むのでコストを低減できる。
【0050】
なお、
図8に示した第2の実施の形態の変形例の鞍乗型車両Vのシート装置S3のように、シートレール1,2と、シート8が車体Bの横方向で左右および中央の3分割された3つのシート分割体8a,8b,8cを備え、シート分割体8a,8b,8cとを駆動する駆動部9とを備えていてもよい。
【0051】
そして、第2の実施の形態の変形例の鞍乗型車両Vのシート装置S3では、左側のシート分割体8aと右側のシート分割体8bとが互いに車体Bの横方向で遠近可能であるとともに上下方向に移動可能であって、中央のシート分割体8bが上下方向に移動可能とされている。
【0052】
具体的には、左右のシート分割体8a,8cは、
図8(a)に示したように、それぞれ、シートレール1,2の上方からシートレール1,2間側へ張り出した強度部材8a1,8c1と、強度部材8a1,8c1の上面に取り付けられたクッション8a2,8c2と、強度部材8a1,8c1の車体Bの中央側となる先端側に設けられたナット8a3,8c3とを備えている。他方、中央のシート分割体8bは、車体Bの横方向の両端が上方側へ折り曲げ成型されたプレート8b1と、プレート8b1の上面に取り付けられたクッション部8b2とを備えている。
【0053】
車体Bの横方向で左右のシート分割体8a,8c間には、左右のシート分割体8a,8cが車体Bの横方向で遠近でき、最接近した際に左右のシート分割体8a,8cの全体の車体Bの横方向の幅がシートレール1,2間の幅よりも狭くなるように充分な隙間が設けられている。また、左右のシート分割体8a,8cとが最接近した場合、中央のシート分割体8bのプレート8b1に左右のシート分割体8a,8cとがそれぞれ当接するようにしてもよい。
【0054】
そして、左右のシート分割体8a,8cとが最接近した状態で、中央のシート分割体8bと左右のシート分割体8a,8cとを同期させて下降させると、
図8(b)に示すように、シート8がシートレール1,2間に収容される。
【0055】
よって、シート8は、
図8(a)に示したように、シートレール1,2上に配置される上昇ポジションから、
図8(b)に示したように、左右のシート分割体8a,8cが最接近して中央のシート分割体8bとともにシートレール1,2間に収容される下降ポジションへと姿勢を切り換え得る。
【0056】
駆動部9は、左側のシート分割体8aのナット8a3と右側のシート分割体8cのナット8c3とに螺着される螺子軸9aと、螺子軸9aを回転駆動する図外のモータと、一端が螺子軸9aを軸支するガイド9dに連結されるとともに他端が車体Bに連結されてシート分割体8a,8cを共に上下方向に駆動する直動シリンダ9bと、一端が中央のシート分割体8bに連結されるとともに他端が車体Bに連結されて中央のシート分割体8bを上下方向に駆動する直動シリンダ9cとを備えている。駆動部9における螺子軸9aは、中央を境にして、右螺子と左螺子とを備えており、図外のモータで正転駆動されると左右のシート分割体8a,8c同士を引き寄せ、逆転駆動されると左右のシート分割体8a,8cを離間させる。
【0057】
図8(a)に示したシート8が上昇ポジションの姿勢を採っている状態では、左右のシート分割体8a,8cが車体Bの横方向に最も離間して対応するシートレール1,2にそれぞれ載置された状態となっており、駆動部9における直動シリンダ9b,9cは、伸長してシート8を上昇ポジションの姿勢に位置決める。
【0058】
この状態から螺子軸9aを図外のモータで正転させて、左右のシート分割体8a,8cを互いに最接近させてシート8の横方向の幅をシートレール1,2間の幅よりも狭めた後、直動シリンダ9b,9cを収縮作動させると、シート8が下降して、
図8(b)に示すように、シートレール1,2間に収容されて下降ポジションの姿勢に切り換わる。反対に、シート8が下降ポジションの姿勢を採る状態から、直動シリンダ9b,9cを伸長させてシート8をシートレール1,2よりも上方に配置した状態で、図外のモータで螺子軸9aを逆転駆動すると、左右のシート分割体8a,8cが離間してそれぞれ対応するシートレール1,2に載置された状態となり、シート8が
図8(a)に示した上昇ポジションの姿勢に切り換わる。このように、駆動部9は、シート分割体8a,8b,8cを駆動可能であって、シート8を上昇ポジションと下降ポジションとに切換駆動できる。また、シート8が上昇ポジションを採る姿勢と下降ポジションを採る姿勢との間で駆動部9を停止させれば、シート8を上昇ポジションから下降ポジションまでの間の任意の姿勢で停止させてシート高を搭乗者の望む高さへ調整できる。
【0059】
なお、駆動部9は、左右のシート分割体8a,8cを車体Bの横方向で遠近させることが可能であって、シート分割体8a,8b,8cを車体Bの上下方向に駆動できればよいので、この限りにおいて適宜設計変更可能である。
【0060】
なお、シート8が上昇ポジションを採っても下降ポジションを採っても、シート分割体8a,8b,8c間には隙間が生じるため、シート8の全体を覆ってシート分割体8a,8b,8cを収容するカバー体を設けて隙間から車体B内に水や埃の侵入をするとよい。
【0061】
以上に説明した通り、第2の実施の形態の変形例における鞍乗型車両Vのシート装置S3は、鞍乗型車両Vの車体Bに横方向に並べて設けられるとともに車体Bの前後方向に沿う一対のシートレール1,2と、車体Bの横方向で複数に分割されたシート分割体8a,8b,8cを有してシートレール1,2上に配置される上昇ポジションとシートレール1,2間に収容される下降ポジションとに姿勢を切り換え可能なシート8と、シート分割体8a,8b,8cを駆動可能であってシート8を上昇ポジションと下降ポジションとに切換駆動する駆動部9とを備えている。このように構成された鞍乗型車両Vのシート装置S3によれば、シート8が車体Bの横方向に分割された複数のシート分割体8a,8b,8cとを備えているので、シート分割体8a,8b,8cの全体の幅をシートレール1,2間の幅よりも狭めてシートレール1,2間へ収容できる。
【0062】
よって、本実施の形態の鞍乗型車両Vのシート装置S3によれば、シート8をシートレール1,2間に収容できるので、シート高を従来のシート装置に比較してより低下させ得るので、鞍乗型車両Vにおける搭乗者の足付性を向上できる。
【0063】
また、本実施の形態の鞍乗型車両Vのシート装置S3は、シート8が車体Bの横方向で左右および中央の3分割された3つのシート分割体8a,8b,8cを有し、左側のシート分割体8aと右側のシート分割体8aとが互いに車体Bの横方向で遠近可能であるとともに上下方向に移動可能であって、中央のシート分割体8bが上下方向に移動可能である。このように構成された鞍乗型車両Vのシート装置S3によれば、左右のシート分割体8a,8cを接近させるとともに、中央のシート分割体8bとともに上下方向に駆動するだけで容易にシート8をシートレール1,2間に収容する下降ポジションに切り換えできる。また、左右のシート分割体8a,8cに複雑な動きをさせる必要がないので、駆動部9に直動型シリンダやモータといった汎用される駆動源を利用できるとともに駆動源の設置数も少なくて済むのでコストを低減できる。
【0064】
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形、および変更が可能である。
【符号の説明】
【0065】
1,2・・・シートレール、3,6,8・・・シート、3a,3b,6a,6b,6c,8a,8b,8c・・・シート分割体、4,7,9・・・駆動部、B・・・車体、V・・・鞍乗型車両