(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061608
(43)【公開日】2023-05-02
(54)【発明の名称】超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置
(51)【国際特許分類】
B08B 5/02 20060101AFI20230425BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
B08B5/02 A
B08B3/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021171625
(22)【出願日】2021-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】521357711
【氏名又は名称】渡辺 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100080654
【弁理士】
【氏名又は名称】土橋 博司
(71)【出願人】
【識別番号】522289688
【氏名又は名称】近藤 潤
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 聡
【テーマコード(参考)】
3B116
3B201
【Fターム(参考)】
3B116AA31
3B116AB52
3B116BB21
3B116BB62
3B116BB71
3B116BB75
3B116BB77
3B116BB88
3B116CA01
3B116CD22
3B116CD42
3B116CD43
3B201AA31
3B201AB52
3B201BB21
3B201BB62
3B201BB71
3B201BB75
3B201BB77
3B201BB88
3B201BB93
3B201BB98
3B201CA01
3B201CB11
3B201CC15
3B201CD22
3B201CD42
3B201CD43
(57)【要約】
【課題】
作業員の洗浄作業において、物体表面の形状や設置環境に応じて、物体表面を十分に洗浄することができ、界面活性剤等の環境負荷の高い洗浄剤を使用しないため自然環境を損なうことのない超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置を提供しようとするものである。
【解決手段】
純水生成用フィルタと、超微細気泡水生成装置と、貯留用タンクと、先端ノズル部を備える伸縮ポール部と、送出ポンプ部と、エア排出装置と、前記先端ノズル部に取り付けられたカメラ部と、前記先端ノズル部の角度調整機能と、前記カメラ部が撮影した映像を直ちに表示する表示機能と、前記送出ポンプ部と前記エア排出装置の操作制御機能とを備えたコントロール部と、からなる超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置であって、対象の物体表面を効率よく洗浄することができるようにした超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水から不純物を取り除いて純水を生成する純水生成用フィルタと、
前記純水に超微細気泡を含有させて超微細気泡水を生成する超微細気泡水生成装置と、
前記超微細気泡水生成装置により生成された超微細気泡水を貯留する貯留用タンクと、
先端に角度調整機構を介して首振り可能に取り付けられた先端ノズル部を備える伸縮ポール部と、
前記貯留用タンクに貯留された超微細気泡水を前記伸縮ポール部に送出する送出ポンプ部と、
前記伸縮ポール部に所定の風力のエアを排出するエア排出装置と、
前記先端ノズル部に取り付けられたカメラ部と、
前記先端ノズル部の角度調整機能と、前記カメラ部が撮影した映像を直ちに表示する表示機能と、前記送出ポンプ部と前記エア排出装置の操作制御機能とを備えたコントロール部と、
からなる超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置であって、
前記コントロール部の前記操作制御機構を用いて、対象の物体表面に適宜前記先端ノズル部から、超微細気泡水を噴霧または放水し、または所定の風力のエアを排出するとともに、前記カメラ部が撮影した映像を前記コントロール部の表示機能を用いて対象の物体表面の状態を随時確認しながら洗浄することにより、
対象の物体表面を効率よく洗浄することができるようにしたことを特徴とする超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置。
【請求項2】
水から不純物を取り除いて純水を生成する純水生成用フィルタと、
前記純水に超微細気泡を含有させて超微細気泡水を生成する超微細気泡水生成装置と、
前記超微細気泡水生成装置により生成された超微細気泡水を貯留する貯留用タンクと、
先端に角度調整機構を介して首振り可能に取り付けられた先端ノズル部を備える伸縮ポール部と、
前記貯留用タンクに貯留された超微細気泡水を前記伸縮ポール部に送出する送出ポンプ部と、
前記伸縮ポール部の先端ノズル部から物体表面の残留物および水分を回収するバキューム装置と、
前記伸縮ポール部と前記バキューム装置との中間位置に設置された除去フィルタと、
前記先端ノズル部に取り付けられたカメラ部と、
前記先端ノズル部の角度調整機能と、前記カメラ部が撮影した映像を直ちに表示する表示機能と、前記送出ポンプ部と前記バキューム部の操作制御機能とを備えたコントロール部と、
からなる超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置であって、
前記コントロール部の前記操作制御機構を用いて、対象の物体表面に適宜前記先端ノズル部から超微細気泡水を噴霧または放水して、前記カメラ部が撮影した映像を前記コントロール部の映像表示機能を用いて対象の物体表面の状態を随時確認しながら洗浄するとともに、
前記バキューム装置により洗浄後の物体表面の微細な残留物と水分からなる残留水を先端ノズル部から回収し、前記残留水から前記除去フィルタにより不純物を取り除いて回収水を得たうえで、前記浄水フィルタに前記回収水を再導入することにより、
洗浄に使用する水を循環させて繰り返し再利用することができるようにすることで対象の物体表面を効率よく洗浄することができるようにしたことを特徴とする超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置。
【請求項3】
水から不純物を取り除いて純水を生成する純水生成用フィルタと、
前記純水に超微細気泡を含有させて超微細気泡水を生成する超微細気泡水生成装置と、
前記超微細気泡水生成装置により生成された超微細気泡水を貯留する貯留用タンクと、
先端に角度調整機構を介して首振り可能に取り付けられた先端ノズル部を備える伸縮ポール部と、
前記貯留用タンクに貯留された超微細気泡水を前記伸縮ポール部に送出する送出ポンプ部と、
前記伸縮ポール部に所定の風力のエアを排出するエア排出装置と、
前記伸縮ポール部の先端ノズル部から物体表面の残留物および水分を回収するバキューム装置と、
前記伸縮ポール部と前記バキューム装置との中間位置に設置された除去フィルタと、
前記先端ノズル部に取り付けられたカメラ部と、
前記先端ノズル部の角度調整機能と、前記カメラ部が撮影した映像を直ちに表示する表示機能と、前記送出ポンプ部、前記エア排出装置、前記バキューム部のそれぞれの操作制御機能とを備えたコントロール部と、
からなる超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置であって、
前記コントロール部の前記操作制御機構を用いて、対象の物体表面に適宜前記先端ノズル部から、超微細気泡水を噴霧または放水し、または所定の風力のエアを排出し、前記カメラ部が撮影した映像を前記コントロール部の映像表示機能を用いて対象の物体表面の状態を随時確認しながら洗浄するとともに、
前記バキューム装置により洗浄後の物体表面の微細な残留物と水分からなる残留水を先端ノズル部から回収し、前記残留水から前記除去フィルタにより不純物を取り除いて回収水を得たうえで、前記浄水フィルタに前記回収水を再導入することにより、
エア除去作業と、超微細気泡水を用いた洗浄作業と、洗浄水の循環と、を一本の伸縮ポールにより同時に行うことができるようにすることで、対象の物体表面を効率よく洗浄することができるようにしたことを特徴とする超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置。
【請求項4】
前記伸縮ポール部は、対象の物体表面に応じて、適宜伸縮可能な伸縮機能を備えるとともに、ポール内部に前記送出ポンプ部から送出される超微細気泡水の流路と、前記エア排出装置から排出されるエアの流路と、を備えてなることを特徴とする請求項1に記載の超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置。
【請求項5】
前記先端ノズル部は、アタッチメント取付け部を備え、スクレーパ、ブラシ、延長ノズル、幅広吸引口のいずれかからなるアタッチメントを着脱自在に取り付けることができるようにしてなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の超微細気泡水を用いた洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光パネル、屋根、壁面、路面その他洗浄が必要な物体の表面を、超微細気泡水を物体表面に噴霧または放水することにより洗浄する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
日本の住宅、産業用施設等のあらゆる構造物において、その構造物を含む物体表面を洗浄し、綺麗な状態を保つニーズは、物体の表面が自然環境に晒される限り、なくなることはない。しかし、その物体の表面の洗浄は、例えば界面活性剤のような洗浄剤を使用してしまうと、自然環境への負荷が高く、昨今の産業界の方向性と逆行してしまうものの、洗浄効果の高い薬液を使用しない場合、十分な洗浄能力を発揮することができず、物体の表面を十分に洗浄できないという問題も存在する。
【0003】
そこで、自然環境への負荷を抑えながら、物体表面を十分に洗浄することができる方法として、微細気泡を含有させた液体を用いる方法が提案されている。
例えば、特許第6780172号公報(特許文献1)には、水系洗浄剤として、(a)ジエチレングリコールモノアルキルエーテルと、(b)三級アミンと、(c)乳酸エステルと、(d)ヒドロキシカルボン酸と、(e)水とを含有することを特徴とし、かかる水系洗浄剤は、界面活性剤を実質的に含有していないにもかかわらず、高い洗浄性能を発揮できるため、界面活性剤の残留による悪影響を生じさせることなく、種々の汚れを好適に除去でき、また、この水系洗浄剤は、人体への影響が比較的に少ない乳酸エステルを使用しているため、取扱いや廃棄が容易という利点も有することを特徴とする水系洗浄剤を用いた洗浄方法が提案されている。
【0004】
また、超微細気泡を含有させた洗浄水および該洗浄水を用いた物体表面の洗浄方法として、特開2021-049490号公報(特許文献2参照)には、軟水Wsをバブリング処理してファインバブルが含まれる軟水Wpとする第1工程と、軟水を電気分解処理することにより軟水の中に1ppm以上の濃度を持つオゾンバブルとファインバブルとが混在する洗浄水Wmを得る第2工程とを含むトイレ内の設備Tに散布されてその清掃に利用される洗浄水Wmを製造する洗浄水の製造方法および洗浄水散布システムが提案されている。
【0005】
このように、界面活性剤等の環境負荷の高い洗浄剤を用いることなく、物体表面を十分に洗浄できる方法を用いれば、環境負荷を抑えながら物体表面の洗浄を行うことができるものではあるが、上述の特許文献1または特許文献2のように、洗浄に用いた液体を回収することなく廃棄してしまうと、使用済み洗浄液の廃棄による環境負荷、経済的負荷が生じてしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6780172号
【特許文献2】特開2021-049490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明が解決しようとする課題は、エア排出装置を用いて物体の表面の粗大ゴミを吹き飛ばし、さらに、超微細気泡水を噴霧または放水することで、物体の表面に強力に付着した微細ゴミ等を浮き上がらせて洗い流し、またはエア排出装置を用いて超微細気泡水とともに微細ゴミや水分を吹き飛ばすとともに、エア吸引装置により前記微細ゴミおよび水分を回収し、該回収された微細ゴミおよび水分からフィルタを介して純水を得たのち、該純水に超微細気泡を含有させて再利用することができるようにすることにより、界面活性剤等の環境負荷の大きい洗浄剤を使用せずに物体の表面を十分に洗浄することができ、界面活性剤等の環境負荷の大きい洗浄剤を使用しないため自然環境を損なうことがなく、さらに、超微細気泡水として噴霧または放水した水分を回収して再利用できるようにしたことにより、非常に安価かつ経済的で、取り扱いにも手間がかからない超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するための手段として、本発明の超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置は、水から不純物を取り除いて純水を生成する純水生成用フィルタと、前記純水に超微細気泡を含有させて超微細気泡水を生成する超微細気泡水生成装置と、前記超微細気泡水生成装置により生成された超微細気泡水を貯留する貯留用タンクと、先端に角度調整機構を介して首振り可能に取り付けられた先端ノズル部を備える伸縮ポール部と、前記貯留用タンクに貯留された超微細気泡水を前記伸縮ポール部に送出する送出ポンプ部と、前記伸縮ポール部に所定の風力のエアを排出するエア排出装置と、前記先端ノズル部に取り付けられたカメラ部と、前記先端ノズル部の角度調整機能と、前記カメラ部が撮影した映像を直ちに表示する表示機能と、前記送出ポンプ部と前記エア排出装置の操作制御機能とを備えたコントロール部と、からなる超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置であって、前記コントロール部の前記操作制御機構を用いて、対象の物体表面に適宜前記先端ノズル部から、超微細気泡水を噴霧または放水し、または所定の風力のエアを排出するとともに、前記カメラ部が撮影した映像を前記コントロール部の表示機能を用いて対象の物体表面の状態を随時確認しながら洗浄することにより、対象の物体表面を効率よく洗浄することができるようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置は、水から不純物を取り除いて純水を生成する純水生成用フィルタと、前記純水に超微細気泡を含有させて超微細気泡水を生成する超微細気泡水生成装置と、前記超微細気泡水生成装置により生成された超微細気泡水を貯留する貯留用タンクと、先端に角度調整機構を介して首振り可能に取り付けられた先端ノズル部を備える伸縮ポール部と、前記貯留用タンクに貯留された超微細気泡水を前記伸縮ポール部に送出する送出ポンプ部と、前記伸縮ポール部の先端ノズル部から物体表面の残留物および水分を回収するバキューム装置と、前記伸縮ポール部と前記バキューム装置との中間位置に設置された除去フィルタと、前記先端ノズル部に取り付けられたカメラ部と、前記先端ノズル部の角度調整機能と、前記カメラ部が撮影した映像を直ちに表示する表示機能と、前記送出ポンプ部と前記バキューム部の操作制御機能とを備えたコントロール部と、からなる超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置であって、前記コントロール部の前記操作制御機構を用いて、対象の物体表面に適宜前記先端ノズル部から超微細気泡水を噴霧または放水して、前記カメラ部が撮影した映像を前記コントロール部の映像表示機能を用いて対象の物体表面の状態を随時確認しながら洗浄するとともに、前記バキューム装置により洗浄後の物体表面の微細な残留物と水分からなる残留水を先端ノズル部から回収し、前記残留水から前記除去フィルタにより不純物を取り除いて回収水を得たうえで、前記浄水フィルタに前記回収水を再導入することにより、洗浄に使用する水を循環させて繰り返し再利用することができるようにすることで対象の物体表面を効率よく洗浄することができるようにしたことをも特徴とするものである。
【0010】
さらに、本発明の超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置は、水から不純物を取り除いて純水を生成する純水生成用フィルタと、前記純水に超微細気泡を含有させて超微細気泡水を生成する超微細気泡水生成装置と、前記超微細気泡水生成装置により生成された超微細気泡水を貯留する貯留用タンクと、先端に角度調整機構を介して首振り可能に取り付けられた先端ノズル部を備える伸縮ポール部と、前記貯留用タンクに貯留された超微細気泡水を前記伸縮ポール部に送出する送出ポンプ部と、前記伸縮ポール部に所定の風力のエアを排出するエア排出装置と、前記伸縮ポール部の先端ノズル部から物体表面の残留物および水分を回収するバキューム装置と、前記伸縮ポール部と前記バキューム装置との中間位置に設置された除去フィルタと、前記先端ノズル部に取り付けられたカメラ部と、前記先端ノズル部の角度調整機能と、前記カメラ部が撮影した映像を直ちに表示する表示機能と、前記送出ポンプ部、前記エア排出装置、前記バキューム部のそれぞれの操作制御機能とを備えたコントロール部と、からなる超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置であって、前記コントロール部の前記操作制御機構を用いて、対象の物体表面に適宜前記先端ノズル部から、超微細気泡水を噴霧または放水し、または所定の風力のエアを排出し、前記カメラ部が撮影した映像を前記コントロール部の映像表示機能を用いて対象の物体表面の状態を随時確認しながら洗浄するとともに、前記バキューム装置により洗浄後の物体表面の微細な残留物と水分からなる残留水を先端ノズル部から回収し、前記残留水から前記除去フィルタにより不純物を取り除いて回収水を得たうえで、前記浄水フィルタに前記回収水を再導入することにより、エア除去作業と、超微細気泡水を用いた洗浄作業と、洗浄水の循環と、を一本の伸縮ポールにより同時に行うことができるようにすることで、対象の物体表面を効率よく洗浄することができるようにしたことをも特徴とするものである。
【0011】
本発明の超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置において、前記伸縮ポール部は、対象の物体表面に応じて、適宜伸縮可能な伸縮機能を備えるとともに、ポール内部に前記送出ポンプ部から送出される超微細気泡水の流路と、前記エア排出装置から排出されるエアの流路と、を備えてなることをも特徴とするものである。
【0012】
本発明の超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置において、前記先端ノズル部は、アタッチメント取付け部を備え、スクレーパ、ブラシ、延長ノズル、幅広吸引口のいずれかからなるアタッチメントを着脱自在に取り付けることができるようにしてなることをも特徴とするものである。
【0013】
本発明の超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置の奏する作用効果としては、次のものが挙げられる。
(1)純水と超微細気泡からなる超微細気泡水を用いることで、超微細気泡の効果によって十分な洗浄力を発揮することができる
(2)純水と超微細気泡からなる超微細気泡水を用いることで、洗浄する対象物への物理的負荷がなく、界面活性剤や融雪剤等の環境負荷の大きい洗浄剤を使用せずに済み、環境に優しく、自然環境を損なうことがない
(3)超微細気泡水は、純水に超微細気泡を含有させて精製されるものであり、純水のほか、例えば水道水を用いる場合であれば所定のフィルタを通してカルキ等を除去して純水として用いることもでき、調達コストを非常に安く抑えることができる
(4)純水を用いることにより、物体表面の洗浄後の、洗浄に用いた水分による二次的な汚損、例えばカルキ汚れ等がない
(5)1本の伸縮ポール部において、その先端ノズル部から、適宜、所庭の風力のエア、超微細気泡水の噴霧または放水、バキューム装置による残留水の回収を行うことができるので、効率的に洗浄作業を行うことができる
(6)1本の伸縮ポール部において、その先端ノズル部から、適宜、所庭の風力のエアの排出、超微細気泡水の噴霧または放水、バキューム装置による残留水の回収を行うことができるので、駆動させる装置・機能ごとにポールを持ち替える必要がなく、非常に効率的に洗浄作業を行うことができる
(7)対象の物体表面に噴霧し、または放水した超微細気泡水と、対象の物体表面の残留物と、からなる残留水を随時回収して再利用することができるので、残留水を廃棄することがなく、水の使い過ぎ等の無駄もなく、環境に優しく、自然環境を損なうことがない
(8)伸縮ポール部を用いることにより、対象の物体が屋根等の高所にある場合であっても、足場が不要で、屋根に上ることなく、安心安全に洗浄作業を行うことができる
(9)市街地等の一部ドローンの飛行制限区域においても、ドローンを用いることなく作業者が効率的に洗浄作業を行うことができる
(10)伸縮ポール部の先端ノズル部にカメラ部を取り付け、コントロール部の映像表示機能により、随時対象の物体表面の洗浄状況を把握でき、かつ、対象の物体の所有者にも、安全な場所で、対象の物体表面の洗浄状況を確認させることができる
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置の第1実施例の概略構成図である。
【
図3】本発明の超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置の第2実施例の概略構成図である。
【
図5】本発明の超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置の第3実施例の概略構成図である。
【
図7】本発明の超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置を構成するコントロール部の概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置を、図面を用いて詳細に説明する。
図1ないし
図2は、本発明の超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置の第1実施例であり、超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置11を用いて、物体表面Sに超微細気泡水12を噴霧または放水して洗浄を行うことができるものである。
このとき、前記超微細気泡水12に含有された超微細気泡の高い洗浄能力により、前記物体表面Sの表面を容易にかつ十分に洗浄することができるのである。
【0016】
前記超微細気泡水12は、噴霧または放水の対象である前記物体表面Sへの物理的負荷、基本的に屋外環境であることによる環境負荷等を考慮して、不純物を含まないかほとんど含まず純度の高い水である純水に、前記純水に直径が極めて小さい超微細気泡を含有させることにより得られるものを用いる。
前記純水としては、蒸留水や脱イオン水等の不純物が十分に取り除かれたものであればよく、水道水であってもフィルタを介して純水として使用することもできる。
前記純水に含有される前記超微細気泡の直径は100μm未満とすることがよく、特に1μm未満の超微細気泡(いわゆるウルトラ超微細気泡)を好適に用いることができる。
加えて、洗浄する対象物の形状、構造、材質等に合わせて、最も効果的な前記超微細気泡の直径を適宜選択して用いれば、洗浄する対象物がどのような性質のものであっても、常に高い洗浄能力を発揮させることができるのである。
【0017】
本発明の超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置11は、
図1ないし
図2に示すように、水から不純物を取り除いて純水を生成する純水生成用フィルタ21と、前記純水に超微細気泡を含有させて超微細気泡水12を生成する超微細気泡水生成装置31と、前記超微細気泡水生成装置31により生成された超微細気泡水12を貯留する貯留用タンク41と、先端に角度調整機構52を介して首振り可能に取り付けられた先端ノズル部61を備える伸縮ポール部51と、前記貯留用タンク41に貯留された超微細気泡水12を前記伸縮ポール部51に送出する送出ポンプ部71と、前記伸縮ポール部51に所定の風力のエア82を排出するエア排出装置81と、前記先端ノズル部61に取り付けられたカメラ部91と、前記先端ノズル部61の角度調整機能101aと、前記カメラ部91が撮影した映像を直ちに表示する映像表示機能101bと、前記送出ポンプ部71と前記エア排出装置81の操作制御機能101cとを備えたコントロール部101と、から構成されている。
【0018】
より詳しくは、前記純水生成用フィルタ21には、洗浄の対象となる物体の周辺の、例えば水道水を導入して純水を得ることができる。前記純水生成用フィルタ21を介して得られた純水には前記超微細気泡水生成装置31を用いて超微細気泡を含有させて、前記超微細気泡水12を得ることができる。
このようにして得られた前記超微細気泡水12は、前記貯留用タンク41に貯留され、物体表面Sの洗浄作業に際して、前記貯留用タンク41から前記送出ポンプ部71を介して前記伸縮ポール部51に送出され、前記先端ノズル部61から、前記物体表面Sに噴霧または放水されるのである。
一方、前記エア排出装置81からは、所定の風力のエア82が前記伸縮ポール部51に排出され、前記先端ノズル部61から、前記物体表面Sにこの所定の風力のエア82が排出されるのである。
【0019】
なお、前記伸縮ポール部51は、適宜伸縮可能な伸縮機能を備えており、対象の物体表面Sの形状や設置環境に応じて、前記伸縮ポール部51の長さを調整することができ、作業者や作業場所を問わず、効率的に作業することができるようにしてある。
また、前記伸縮ポール部51は、ポール内部51aに前記送出ポンプ部71から送出される超微細気泡水12の流路51bと、前記エア排出装置81から排出される所定の風力のエア82の流路51cとを備えている。このように、前記伸縮ポール部51のポール内部51aに前記送出ポンプ部71から送出される超微細気泡水12と前記エア排出装置81により排出される所定の風力のエア82の流路を設けることで、1本の前記伸縮ポール部51で対象の物体表面Sへの超微細気泡水12の噴霧または放水と、所定の風力のエア82の排出とを行うことができ、作業者が都度ポールを持ち替える必要がなく、非常に効率的に洗浄作業を行うことができる。
【0020】
前記先端ノズル部61には対象の物体表面Sの状態を撮影することができるカメラ部91が取り付けられており、前記コントロール部101の映像表示機能101bを用いて、前記カメラ部91が撮影した物体表面Sの映像を直ちに表示することにより、洗浄作業を行う作業者が洗浄作業を行いながら随時物体表面Sの洗浄状態を確認しながら効率的に洗浄作業を行うことができるようにしてある。
また、前記コントロール部101には、前記先端ノズル部61の角度調整機能101aを備えており、対象の物体表面Sの形状や設置環境等に応じて、前記先端ノズル部61の前記伸縮ポール部51に対する角度を適宜調整することができるようにしてある。さらに、前記コントロール部101には、前記送出ポンプ部71と前記エア排出装置81とを操作制御することができる操作制御機能101cをも備えており、対象の物体表面Sの形状や設置環境に応じて、前記コントロール部101を用いて、正確に効率よく作業することができる。
なお、前記コントロール部101の操作に際しては、前記送出ポンプ部71と前記エア排出装置81とが同時に起動できないようにしたり、前記送出ポンプ部71と前記エア排出装置81とが同時に起動することができるようにしておくこともできるので、対象の物体表面Sの形状や設置環境等に応じて、最適な洗浄方法を採用することができる。
【0021】
本発明の超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置の第1実施例を用いて、作業者が洗浄作業を行う場合の作業工程の例をいくつか挙げる。
作業工程例1
(A)作業員が前記伸縮ポール部を手に持つとともに、前記コントロール部を操作して前記エア排出装置を起動させ、前記伸縮ポール部の前記先端ノズル部から排出される所定の風力のエアで物体表面の粗大ゴミまたは雪を吹き飛ばす工程
(B)作業員が前記伸縮ポール部を持ち替えることなく、前記コントロール部を操作して超微細気泡水を噴霧または放水して物体表面に付着した微細ゴミを浮かし、または物体表面に付着した雪を融かし、前記噴霧または放水された超微細気泡水とともに洗い流す工程
【0022】
作業工程例2
(A)作業員が前記伸縮ポール部を手に持つとともに、前記コントロール部を操作して前記エア排出装置を起動させ、前記伸縮ポール部の前記先端ノズル部から排出される所定の風力のエアで物体表面の粗大ゴミまたは雪を吹き飛ばす工程
(B)作業員が前記伸縮ポール部を持ち替えることなく、前記コントロール部を操作して超微細気泡水を噴霧または放水して物体表面に付着した微細ゴミを浮かし、または物体表面に付着した雪を融かす工程
(C)作業員が前記伸縮ポール部を持ち替えることなく、前記コントロール部を操作してエア排出装置から排出される所定の風力のエアで前記噴霧または放水された超微細気泡水とともに前記微細ゴミまたは水分を吹き飛ばす工程
【0023】
図3ないし
図4は、本発明の超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置の第2実施例であり、超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置111を用いて、物体表面Sに超微細気泡水112を噴霧または放水して洗浄を行うことができるものである。
このとき、前記超微細気泡水112に含有された超微細気泡の高い洗浄能力により、前記物体表面Sの表面を容易にかつ十分に洗浄することができるのである。
【0024】
前記超微細気泡水112は、噴霧または放水の対象である前記物体表面Sへの物理的負荷、基本的に屋外環境であることによる環境負荷等を考慮して、不純物を含まないかほとんど含まず純度の高い水である純水に、前記純水に直径が極めて小さい超微細気泡を含有させることにより得られるものを用いる。
前記純水としては、蒸留水や脱イオン水等の不純物が十分に取り除かれたものであればよく、水道水であってもフィルタを介して純水として使用することもできる。
前記純水に含有される前記超微細気泡の直径は100μm未満とすることがよく、特に1μm未満の超微細気泡(いわゆるウルトラ超微細気泡)を好適に用いることができる。
加えて、洗浄する対象物の形状、構造、材質等に合わせて、最も効果的な前記超微細気泡の直径を適宜選択して用いれば、洗浄する対象物がどのような性質のものであっても、常に高い洗浄能力を発揮させることができるのである。
【0025】
本発明の超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置111は、
図3に示すように、水から不純物を取り除いて純水を生成する純水生成用フィルタ121と、前記純水に超微細気泡を含有させて超微細気泡水112を生成する超微細気泡水生成装置131と、前記超微細気泡水生成装置131により生成された超微細気泡水112を貯留する貯留用タンク141と、先端に角度調整機構152を介して首振り可能に取り付けられた先端ノズル部161を備える伸縮ポール部151と、前記貯留用タンク141に貯留された超微細気泡水112を前記伸縮ポール部151に送出する送出ポンプ部171と、前記伸縮ポール部151の先端ノズル部161から物体表面Sの残留物および水分を回収するバキューム装置182と、前記伸縮ポール部51と前記バキューム装置182との中間位置に設置された除去フィルタ181と、前記先端ノズル部161に取り付けられたカメラ部191と、前記先端ノズル部161の角度調整機能201aと、前記カメラ部191が撮影した映像を直ちに表示する映像表示機能201bと、前記送出ポンプ部171と前記バキューム装置182の操作制御機能201cとを備えたコントロール部201と、から構成されている。
【0026】
より詳しくは、前記純水生成用フィルタ121には、洗浄の対象となる物体の周辺の、例えば水道水を導入して純水を得ることができる。前記純水生成用フィルタ121を介して得られた純水には前記超微細気泡水生成装置131を用いて超微細気泡を含有させて、前記超微細気泡水112を得ることができる。
このようにして得られた前記超微細気泡水112は、前記貯留用タンク141に貯留され、物体表面Sの洗浄作業に際して、前記貯留用タンク141から前記送出ポンプ部171を介して前記伸縮ポール部151に送出され、前記先端ノズル部161から、前記物体表面Sに噴霧または放水されるのである。
一方、前記先端ノズル部161からは前記バキューム装置182を用いて、物体表面Sの残留物および水分を回収することができるようにしてある。加えて、前記伸縮ポール部151と前記バキューム装置182との中間位置には前記除去フィルタ181を設置してあり、前記バキューム装置182を用いて回収された微細な残留物と水分からなる残留水は前記除去フィルタ181により不純物が除去されてろ過されるので、回収された水を廃棄する場合も環境負荷が少なく自然環境を損なうことがないばかりか、回収された水を更に純水等に生成して洗浄作業に再利用することもできるのである。
【0027】
なお、前記伸縮ポール部151は、適宜伸縮可能な伸縮機能を備えており、対象の物体表面Sの形状や設置環境に応じて、前記伸縮ポール部151の長さを調整することができ、作業者や作業場所を問わず、効率的に作業することができるようにしてある。
また、前記伸縮ポール部151は、ポール内部151aに前記送出ポンプ部171から送出される超微細気泡水112の流路151bと、前記バキューム装置182を用いて回収される物体表面Sの微細な残留物と水分からなる残留水の流路151cとを備えている。このように、前記伸縮ポール部151のポール内部151aに前記送出ポンプ部171から送出される超微細気泡水112と前記バキューム装置182により回収される物体表面Sの微細な残留物と水分からなる残留水の流路を設けることで、1本の前記伸縮ポール部151で対象の物体表面Sへの超微細気泡水112の噴霧または放水と、物体表面Sの微細な残留物と水分からなる残留水の回収とを行うことができ、作業者が都度ポールを持ち替える必要がなく、非常に効率的に洗浄作業を行うことができる。
【0028】
前記先端ノズル部161には対象の物体表面Sの状態を撮影することができるカメラ部191が取り付けられており、前記コントロール部201の映像表示機能201bを用いて、前記カメラ部191が撮影した物体表面Sの映像を直ちに表示することにより、洗浄作業を行う作業者が洗浄作業を行いながら随時物体表面Sの洗浄状態を確認しながら効率的に洗浄作業を行うことができるようにしてある。
また、前記コントロール部201には、前記先端ノズル部161の角度調整機能201aを備えており、対象の物体表面Sの形状や設置環境等に応じて、前記先端ノズル部161の前記伸縮ポール部151に対する角度を適宜調整することができるようにしてある。さらに、前記コントロール部201には、前記送出ポンプ部171と前記バキューム装置182とを操作制御することができる操作制御機能201cをも備えており、対象の物体表面Sの形状や設置環境に応じて、前記コントロール部201を用いて、正確に効率よく作業することができる。
なお、前記コントロール部201の操作に際しては、前記送出ポンプ部171と前記バキューム装置182とが同時に起動できないようにしたり、前記送出ポンプ部171と前記バキューム装置182とが同時に起動することができるようにしておくこともできるので、対象の物体表面Sの形状や設置環境等に応じて、最適な洗浄方法を採用することができる。
【0029】
本発明の超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置の第2実施例を用いて、作業者が洗浄作業を行う場合の作業工程の例をいくつか挙げる。
作業工程例3
(A)作業員が前記伸縮ポール部を手に持つとともに、前記コントロール部を操作して超微細気泡水を噴霧または放水して物体表面に付着した微細ゴミを浮かし、または物体表面に付着した雪を融かす工程
(B)作業員が前記伸縮ポール部を持ち替えることなく、前記コントロール部を操作して前記バキューム装置を起動させ、前記伸縮ポール部の前記先端ノズル部から物体表面の微細な残留物と水分からなる残留水を回収し、回収された残留水から前記除菌フィルタを用いて不純物を取り除いて廃棄する工程
【0030】
作業工程例4
(A)作業員が前記伸縮ポール部を手に持つとともに、前記コントロール部を操作して超微細気泡水を噴霧または放水して物体表面に付着した微細ゴミを浮かし、または物体表面に付着した雪を融かす工程
(B)作業員が前記伸縮ポール部を持ち替えることなく、前記コントロール部を操作して前記バキューム装置を起動させ、前記伸縮ポール部の前記先端ノズル部から物体表面の微細な残留物と水分からなる残留水を回収し、回収された残留水から前記除菌フィルタを用いて不純物を取り除いて洗浄作業に再利用する工程
【0031】
図5ないし
図6は、本発明の超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置の第3実施例であり、超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置211を用いて、物体表面Sに超微細気泡水212を噴霧または放水して洗浄を行うことができるものである。
このとき、前記超微細気泡水212に含有された超微細気泡の高い洗浄能力により、前記物体表面Sの表面を容易にかつ十分に洗浄することができるのである。
【0032】
前記超微細気泡水212は、噴霧または放水の対象である前記物体表面Sへの物理的負荷、基本的に屋外環境であることによる環境負荷等を考慮して、不純物を含まないかほとんど含まず純度の高い水である純水に、前記純水に直径が極めて小さい超微細気泡を含有させることにより得られるものを用いる。
前記純水としては、蒸留水や脱イオン水等の不純物が十分に取り除かれたものであればよく、水道水であってもフィルタを介して純水として使用することもできる。
前記純水に含有される前記超微細気泡の直径は100μm未満とすることがよく、特に1μm未満の超微細気泡(いわゆるウルトラ超微細気泡)を好適に用いることができる。
加えて、洗浄する対象物の形状、構造、材質等に合わせて、最も効果的な前記超微細気泡の直径を適宜選択して用いれば、洗浄する対象物がどのような性質のものであっても、常に高い洗浄能力を発揮させることができるのである。
【0033】
本発明の超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置211は、
図5に示すように、水から不純物を取り除いて純水を生成する純水生成用フィルタ221と、前記純水に超微細気泡を含有させて超微細気泡水212を生成する超微細気泡水生成装置231と、前記超微細気泡水生成装置231により生成された超微細気泡水112を貯留する貯留用タンク241と、先端に角度調整機構252を介して首振り可能に取り付けられた先端ノズル部261を備える伸縮ポール部251と、前記貯留用タンク241に貯留された超微細気泡水212を前記伸縮ポール部251に送出する送出ポンプ部271と、前記伸縮ポール部251に所定の風力のエア284を排出するエア排出装置283と、前記伸縮ポール部251の先端ノズル部261から物体表面Sの残留物および水分を回収するバキューム装置282と、前記伸縮ポール部251と前記バキューム装置282との中間位置に設置された除去フィルタ281と、前記先端ノズル部261に取り付けられたカメラ部291と、前記先端ノズル部261の角度調整機能301aと、前記カメラ部291が撮影した映像を直ちに表示する映像表示機能301bと、前記送出ポンプ部271、前記バキューム装置282、前記エア排出装置283のそれぞれの操作制御機能301cとを備えたコントロール部301と、から構成されている。
【0034】
より詳しくは、前記純水生成用フィルタ221には、洗浄の対象となる物体の周辺の、例えば水道水を導入して純水を得ることができる。前記純水生成用フィルタ221を介して得られた純水には前記超微細気泡水生成装置231を用いて超微細気泡を含有させて、前記超微細気泡水212を得ることができる。
このようにして得られた前記超微細気泡水212は、前記貯留用タンク241に貯留され、物体表面Sの洗浄作業に際して、前記貯留用タンク241から前記送出ポンプ部271を介して前記伸縮ポール部251に送出され、前記先端ノズル部261から、前記物体表面Sに噴霧または放水されるのである。
また、前記エア排出装置283からは、所定の風力のエア284が前記伸縮ポール部251に排出され、前記先端ノズル部261から、前記物体表面Sにこの所定の風力のエア284が排出されるのである。
【0035】
一方、前記先端ノズル部261からは前記バキューム装置282を用いて、物体表面Sの残留物および水分を回収することができるようにしてある。加えて、前記伸縮ポール部251と前記バキューム装置282との中間位置には前記除去フィルタ281を設置してあり、前記バキューム装置282を用いて回収された微細な残留物と水分からなる残留水は前記除去フィルタ281により不純物が除去された後、前記純水生成用フィルタ221に再導入されて再利用される。
このようにすることで、対象の物体表面Sの噴霧または放水された前記超微細気泡水212は、物体表面Sの洗浄後に洗浄後の物体表面の残留物と水分からなる残留水として回収された後、洗浄作業に用いる水として洗浄作業に再利用することができるので、残留水を廃棄することことがなく、環境負荷を軽減し、自然環境を損なうことなく、水道代等のコストをおさえて経済的に洗浄作業を行うことができるのである。
【0036】
なお、前記伸縮ポール部251は、適宜伸縮可能な伸縮機能を備えており、対象の物体表面Sの形状や設置環境に応じて、前記伸縮ポール部251の長さを調整することができ、作業者や作業場所を問わず、効率的に作業することができるようにしてある。
また、前記伸縮ポール部251は、ポール内部251aに前記送出ポンプ部271から送出される超微細気泡水212の流路251bと、前記バキューム装置282を用いて回収される物体表面Sの微細な残留物と水分からなる残留水の流路251cとを備えている。このように、前記伸縮ポール部251のポール内部251aに前記送出ポンプ部271から送出される超微細気泡水212と、前記バキューム装置182により回収される物体表面Sの微細な残留物と、前記エア排出装置283により排出される所定の風力のエア284のそれぞれの流路を設けることで、1本の前記伸縮ポール部251で対象の物体表面Sへの超微細気泡水212の噴霧または放水と、物体表面Sの微細な残留物と水分からなる残留水の回収と、物体表面Sへの所定の風力のエア284の排出とを行うことができ、作業者が都度ポールを持ち替える必要がなく、非常に効率的に洗浄作業を行うことができる。
【0037】
前記先端ノズル部261には対象の物体表面Sの状態を撮影することができるカメラ部291が取り付けられており、前記コントロール部301の映像表示機能301bを用いて、前記カメラ部291が撮影した物体表面Sの映像を直ちに表示することにより、洗浄作業を行う作業者が洗浄作業を行いながら随時物体表面Sの洗浄状態を確認しながら効率的に洗浄作業を行うことができるようにしてある。
また、前記コントロール部301には、前記先端ノズル部261の角度調整機能301aを備えており、対象の物体表面Sの形状や設置環境等に応じて、前記先端ノズル部261の前記伸縮ポール部251に対する角度を適宜調整することができるようにしてある。さらに、前記コントロール部301には、前記送出ポンプ部271、前記バキューム装置282、前記エア排出装置283とをそれぞれ操作制御することができる操作制御機能301cをも備えており、対象の物体表面Sの形状や設置環境に応じて、前記コントロール部301を用いて、正確に効率よく作業することができる。
なお、前記コントロール部301の操作に際しては、前記送出ポンプ部271と前記バキューム装置282と前記エア排出装置283とが同時に起動できないようにしたり、前記送出ポンプ部171と前記バキューム装置182と前記エア排出装置283とが同時に起動することができるようにしたり、前記送出ポンプ部171と前記バキューム装置182と前記エア排出装置283とから任意の組み合わせで起動できるようにしたりすることもできるので、対象の物体表面Sの形状や設置環境等に応じて、最適な洗浄方法を採用することができる。
【0038】
本発明の超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置の第3実施例を用いて、作業者が洗浄作業を行う場合の作業工程の例を挙げる。
作業工程例5
(A)作業員が前記伸縮ポール部を手に持つとともに、前記コントロール部を操作して前記エア排出装置を起動させ、前記伸縮ポール部の前記先端ノズル部から排出される所定の風力のエアで物体表面の粗大ゴミまたは雪を吹き飛ばす工程
(B)作業員が前記伸縮ポール部を持ち替えることなく、前記コントロール部を操作して超微細気泡水を噴霧または放水して物体表面に付着した微細ゴミを浮かし、または物体表面に付着した雪を融かし、前記噴霧または放水された超微細気泡水とともに洗い流す工程
(c)作業員が前記伸縮ポール部を持ち替えることなく、前記コントロール部を操作して前記バキューム装置により洗浄後の残留物と水分からなる残留水を回収して、洗浄作業に用いる水として再利用する工程
【0039】
このように、本発明の超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置においては、作業者が洗浄作業を行う場合であっても、純水と超微細気泡からなる超微細気泡水を用いることで、超微細気泡の効果によって十分な洗浄力を発揮することができるとともに、純水と超微細気泡からなる超微細気泡水を用いることで、洗浄する対象物への物理的負荷がなく、界面活性剤や融雪剤等の環境負荷の大きい洗浄剤を使用せずに済み、環境に優しく、自然環境を損なうことがないようにすることができる。
さらに、超微細気泡水は、純水に超微細気泡を含有させて生成されるものであり、水道水等を用い所定のフィルタを通してカルキ等を除去して純水として用いることもで、調達コストを非常に安く抑えることができ、純水を用いることにより、物体表面の洗浄後の、洗浄に用いた水分による二次的な汚損、例えばカルキ汚れ等を生じさせないようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置によれば、洗浄する対象物の形状や設置環境に応じて、作業員の洗浄作業において、対象の物体表面を容易にかつ安全に、そして十分に洗浄することができるので、ありとあらゆる物体表面の洗浄に適用することができることはいうまでもない。
また、洗浄に際して超微細気泡水を用いているので、界面活性剤等の設備への物理的負荷や周囲の自然環境への負荷の大きい洗浄剤を不要とすることもでき、あらゆる設備に対応することができるとともに、周囲の自然環境を損なうことのない洗浄方法となっている。
【符号の説明】
【0041】
11 超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置
12 超微細気泡水
21 純水生成用フィルタ
31 超微細気泡水生成装置
41 貯留用タンク
51 伸縮ポール部
52 角度調整機構
61 先端ノズル部
62 アタッチメント取付け部
71 送出ポンプ部
81 エア排出装置
82 所定の風力のエア
91 カメラ部
101 コントロール部
101a 角度調整機能
101b 映像表示機能
101c 操作制御機能
111 超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置
121 純水生成用フィルタ
131 超微細気泡水生成装置
141 貯留用タンク
151 伸縮ポール部
161 先端ノズル部
162 アタッチメント取付け部
171 送出ポンプ部
181 除去フィルタ
182 バキューム装置
191 カメラ部
201 コントロール部
201a 角度調整機能
201b 映像表示機能
201c 操作制御機能
211 超微細気泡水を用いた物体表面の洗浄装置
221 純水生成用フィルタ
231 超微細気泡水生成装置
241 貯留用タンク
251 伸縮ポール部
261 先端ノズル部
262 アタッチメント取付け部
271 送出ポンプ部
281 除去フィルタ
282 バキューム装置
283 エア排出装置
284 所定の風力のエア
291 カメラ部
301 コントロール部
301a 角度調整機能
301b 映像表示機能
301c 操作制御機能
S 物体表面