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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061640
(43)【公開日】2023-05-02
(54)【発明の名称】型枠吊り治具
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/12 20060101AFI20230425BHJP
   B66F 9/18 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
B66F9/12 D
B66F9/18 T
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021171685
(22)【出願日】2021-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】594065227
【氏名又は名称】大貫木材工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129056
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 信雄
(72)【発明者】
【氏名】大貫 健治
【テーマコード(参考)】
3F333
【Fターム(参考)】
3F333AA02
3F333AE05
3F333AE35
3F333AE40
(57)【要約】
【課題】木製の型枠を吊り上げ移動する際に歪の発生を抑制し得る吊り治具を提供する。
【解決手段】側枠及び底枠から成る型枠を吊り上げる治具であって、型枠を吊り上げる吊り上げ部と、底枠を貫通する複数のシャフト部と、吊り上げ部とシャフト部を繋ぐロープ部と、から成り、吊り上げ部は、フレーム部と複数の腕部とから成り、腕部は、フレーム部の上部に設けられ、腕部の長手方向は、フレーム部の幅方向に平行であり、腕部の両端部には、複数の吊り部がある構成となっている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側枠及び底枠から成る型枠を吊り上げる治具であって、
型枠を吊り上げる吊り上げ部と、
底枠を貫通する複数のシャフト部と、吊り上げ部とシャフト部を繋ぐロープ部と、から成り、
吊り上げ部は、フレーム部と複数の腕部とから成り、
腕部は、フレーム部の上部に設けられ、
腕部の長手方向は、フレーム部の幅方向に平行であり、
腕部の両端部には、複数の吊り部があることを特徴とする型枠吊り治具。
【請求項2】
フレーム部の下部には、フォークリフトの爪を挿入する2つの筒部が設けられ、フォークリフトの爪が、少なくとも、腕部の長手方向の中点を超えて、挿入可能であることを特徴とする請求項1に記載の型枠吊り治具。
【請求項3】
筒部の一方には、フォークリフトの爪が抜けることを防ぐストッパが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の型枠吊り治具。
【請求項4】
フレーム部と腕部は、ボルトで固定され、
フレーム部は、複数の腕部のそれぞれに対して、複数の固定可能な位置を持つことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の型枠吊り治具。
【請求項5】
筒部は、四角筒型であり、筒型の一方の端部において、
上部端には、フォークリフトの爪の垂直部分を収容するのに十分な切り欠きがあり、
左右端の上部には、ストッパ用穴を持ち、左右端の下部には、斜めの切り欠きがあり、
下部端には、上部端の切り欠きよりも筒部の軸方向の長さが短い切り欠きがあることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の型枠吊り治具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、型枠吊り治具に関し、詳しくは、型枠吊り治具を用いることで、型枠を移動可能とする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンクリート部材を工場生産し、その部材を建設現場に運んでつなぎ合わせる工法として、プレキャスト工法があった。工場でコンクリート部材を生産するための型枠として、鋼製型枠と木製型枠が考えられる。1品種のコンクリート部材を多数生産する場合は、鋼製の型枠が使用され、数個のみのコンクリート部材を生産する際は、木製の型枠が使用されることが多い。通常、型枠は、型枠を製造する場所で作られ、コンクリート生産場所へ持ち込まれる。
【0003】
鋼性の型枠の場合は、剛性があることから、移動による歪は発生しにくい。それに対して、木製の型枠は、移動のため吊り上げた際に歪が発生しやすく、大型の型枠では移動が困難であった。そこで、木製の型枠を移動のため吊り上げた際に、歪の発生を抑制する技術が求められていた。
【0004】
このような問題に対して、従来からも様々な技術が提案されている。例えば、木製型枠を移動させる吊り上げ治具(特許文献1参照)が提案され、公知技術となっている。より詳しくは、一対のバーで木製型枠の一方を挟み、互いのバーの間隔をネジ構造で狭め、木製型枠を2つのバーで強圧保持し、バーに設けられたフック受けにフックを引っ掛けることで吊り上げる構造である。
【0005】
しかしながら、かかる特許文献1に記載の技術提案は、木製型枠の一方を保持して吊り下げることから、移動時に木製型枠に係る重力の方向が異なり、結局のところ木製型枠に歪が生じてしまうこととなるため、上記問題点の解決には至っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021―215056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、木製の型枠を吊り上げ移動する際に歪の発生を抑制し得る吊り治具を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る型枠吊り治具は、側枠及び底枠から成る型枠を吊り上げる治具であって、型枠を吊り上げる吊り上げ部と、底枠を貫通する複数のシャフト部と、吊り上げ部とシャフト部を繋ぐロープ部と、から成り、吊り上げ部は、フレーム部と複数の腕部とから成り、腕部は、フレーム部の上部に設けられ、腕部の長手方向は、フレーム部の幅方向に平行であり、腕部の両端部には、複数の吊り部がある手段を採用する。
【0009】
また、本発明は、前記フレーム部の下部に、フォークリフトの爪を挿入する2つの筒部が設けられ、フォークリフトの爪が、少なくとも、腕部の長手方向の中点を超えて、挿入可能である手段を採用する。
【0010】
さらに、本発明は、前記筒部の一方に、フォークリフトの爪が抜けることを防ぐストッパが設けられている手段を採用する。
【0011】
またさらに、本発明は、前記フレーム部と腕部は、ボルトで固定され、フレーム部は、複数の腕部のそれぞれに対して、複数の固定可能な位置を持つことを手段とする。
【0012】
さらにまた、本発明は、前記筒部が、四角筒型であり、筒部の一方の端部において、上部端には、フォークリフトの爪の垂直部分を収容するのに十分な切り欠きがあり、左右端の上部には、ストッパ用穴を持ち、左右端の下部には、斜めの切り欠きがあり、下部端には、上部端の切り欠きよりも筒部の軸方向の長さが短い切り欠きがあることを手段とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る型枠吊り治具によれば、木製の型枠を、クレーンやフォークリフトを使って、歪を発生させることなく吊り上げ移動することが可能であって、コンクリート部材の生産場所へ型枠の移動がスムーズに出来るため、コンクリート部材の生産性の向上に資するものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る型枠吊り治具の実施形態を示す全体斜視図である。
図2】本発明に係る型枠吊り治具の実施形態を示す3面図である。
図3】本発明に係る型枠吊り治具を使用した作業工程を示す説明図である。
図4】本発明に係る型枠吊り治具の実施形態における腕部の取付け態様を示す説明図である。
図5】本発明に係る型枠吊り治具の実施形態におけるフォーリフトの爪の挿入部分を示す説明図である。
図6】本発明に係る型枠吊り治具を使用した作業例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る型枠吊り治具は、木製の型枠を吊り上げ移動する際に、歪を発生させることなく移動可能であることを最大の特徴とする。
以下、本発明に係る型枠吊り治具の実施形態について、図面に基づき説明する。
なお、以下に示される型枠吊り治具の全体形状及び各部の形状は、下記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる形状や寸法、構造等の範囲内で適宜変更することができるものである。
【0016】
図1から図6に従って、本発明を説明する。
図1は、本発明の全体斜視図を示す。
図2は、同三面図を示し、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
図3は、本発明を使用した作業工程を示す説明図であり、(a)は型枠吊り治具を型枠の位置に移動する工程、(b)は型枠吊り治具で型枠を吊り上げる準備を行う工程、(c)は型枠吊り治具で型枠を移動する工程である。
図4は、本発明の腕部の取付け態様を示す説明図であり、(a)は同腕部の取付穴を示し、(b)は腕部の数を増やした態様を示す。
図5は、本発明のフォーリフトの爪の挿入部分を示す説明図であり、(a)は切欠き部等を示し、(b)はフォーリフトの爪を挿入した状態で爪の挿入位置とストッパの取付確認を切欠き部を通して目視で確認することを説明する図である。
図6は、本発明を使用した作業例を示す説明図である。
【0017】
型枠吊り治具1は、型枠70を、クレーンやフォークリフト80を用いて移動させる治具である。
型枠吊り治具1は、主に、吊上げ部10とシャフト50とロープ部60とから構成されている(図1)。
【0018】
吊上げ部10は、側枠72及び底枠71から成る型枠70を吊り上げるための構造物であって、型枠70を吊り上げるための十分な剛性強度を持つ。水平方向の大きさは、概ね、型枠70と同等である。
吊上げ部10は、フレーム部20と複数の腕部30と2つの筒部40とから成る。腕部30は、フレーム部20の上部に設けられ、腕部30の長手方向は、フレーム部20の幅方向に平行である。フレーム部20の下部には、フォークリフト80の爪部81を挿入する2つの筒部40が設けられている。(図1図2
【0019】
フレーム部20は、吊上げ部10の骨組みである。フレーム部20の長手方向に伸びた2つのU字鋼を複数の鋼材でつないだ梯子状の構造である。U字鋼の長手方向の中央付近で、型枠70等の重量を支えることになるので、それに耐え得る十分な強度を持つ。
【0020】
フレーム部20に対し、腕部30は、ボルト64で固定されている。フレーム部20は、複数の腕部30のそれぞれに対して、複数の固定可能な位置を持っている。言い換えれば、それぞれの腕部30の固定位置を微調整できるように複数の腕部固定用穴21を備えている。(図4(a))。型枠70の大きさ、重量、形状から、型枠70を吊り上げた際に、型枠70に歪が発生しないように、腕部30の位置と本数を調整できるようにするためである。使用する腕部30が6本になる場合の例を、図4(b)に示す。
【0021】
フレーム部20は、筒部40をボルト64で固定するための筒部固定用穴22を持つ。また、フレーム部20のU字鋼の中央、及び両端付近に、サブ吊り部23が配置されている。該サブ吊り部23は、補助的にクレーン等を用いて吊上げ部10を吊り上げる場合等に使用するものであって、例えば工場内に天井クレーンが設置されている場合などにおいては、該クレーンを使っての治具の吊り上げ移動を可能にする。
【0022】
腕部30は、ロープ部60等を介して、型枠70を吊り上げる腕である。H鋼材で形成され、腕部30の長手方向の中央付近で、フレーム部20にボルト64によって固定されている。
腕部30の両端には、それぞれ複数の吊り部31が配置されている。吊り部31は、リング状の吊り部分を持つ。吊り部31のリング部分に吊り金具61を通し、さらに、吊り金具61にフック62を通し、フック62にロープ部60を架ける構造である。吊り金具61を用いるのは、吊り部31に対して、ロープ部60で吊り上げる方向が、型枠70の形態によって異なる場合があるからである。フック62を用いるのは、ロープ部60へのダメージを軽減するためである。
【0023】
腕部30の両端には、それぞれ複数の吊り部31が備えられている。該吊り部31を複数持つことによって、型枠70の形状、大きさに対応して、最適の吊り部31を選択することができる。
【0024】
筒部40は、フォークリフト80の爪部81を収容する部分である。筒部40は、フレーム部20の長手方向の中央付近に、ボルト64で固定される。筒部40は、2つあり、いずれも、フレーム部20の下方に固定される。筒部40の内径は、爪部81を収容するのに十分な大きさであり、爪部81が、少なくとも、腕部30の長手方向の中点を超えて、挿入可能となっている。爪部81が、中点を超えて挿入されることによって、吊上げ部10全体をバランスよく保持することができる(図2(c))。また、爪部81の上部が筒部40に均等に接するように、筒部40は、四角筒であると好適である。
【0025】
筒部40の端部のうち、爪部81を挿入する側の端部の左右面の上部には、ストッパ用穴42が設けられ、ストッパピン45を固定することができる(図5(a))。筒部40に爪部81を収容後、ストッパピン45を固定することによって、筒部40の抜けを防止することができる(図5(b))。
【0026】
筒部40の端部のうち、爪部81を挿入する側の端部の上面部に上部切欠き41、左右面の下部に左右切欠き43、下面部に下部切欠き44が設けられている(図5(a))。上部切欠き41は、爪の起立部分82を収容するための切り欠きである。左右切欠き43、下部切欠き44は、筒部40の挿入状態やストッパピン45の状態を、目視で確認するための切り欠きである。
【0027】
筒部40に爪部81を収容する際や、型枠70を吊り上げる際に、爪部81の位置、ストッパピン45の状態を確認することは重要である。しかしながら、フォークリフト80で、ある程度、吊上げ部10が引き上げられた状態では、図5の線Aのように、目視は、下から行う必要がある。その際、爪部81の位置、ストッパピン45の状態を確認する作業者は、フォークリフト80に対して、斜め下から確認することになる。その際、左右切欠き43、下部切欠き44があることで、爪部81、ストッパピン45が斜め下から確認しやすくなる(図5(b))。
【0028】
シャフト50は、型枠70よりも長く、型枠70を持ち上げるのに十分な剛性を持つ。シャフト50は、底枠71に開けられた穴を貫通し、両端部が突出している。突出した両端部にロープ部60を架けることで、型枠70を吊り上げる。
【0029】
シャフト50の両端部には、ロープ抜け防止ピン63が設けられている。ロープ抜け防止ピン63は、シャフト50に対して、上から差し込み、シャフト50の下方から、十分な長さの突起部を設ける構造である。ロープ抜け防止ピン63の突起部によって、ロープ部60がシャフト50の端部から抜けてしまうことを防止するものである(図2(c))。
【0030】
ロープ部60は、主にポリエステルやナイロン製である。樹脂製のロープを用いることによって、吊り上げ時に、力を分散させることが出来、好適である。ロープ部60は、リング状でも、両端にリング形状を持つ形でも良い。フック62に掛かる部分、シャフト50に掛かる部分について、擦れ等による劣化に対応するため、補強されていると好適である。
【0031】
型枠70は、型枠吊り治具1によって吊り上げ、移動させる対象である。
型枠70は、コンクリート部材を作るための型である。同じ型で大量に生産する場合は、金属による型を用いるが、数個程度の生産であれば、木製の型を用いることが多い。
型枠70は、コンクリートを流し込む側枠72と、該側枠72を支える底枠71と、で構成されている。側枠72を安定して用いるために、該側枠72の下方に底枠71が形成される。側枠72の底面に凹凸がある場合、底枠71もそれに沿って凹凸をつけ、側枠72全体を均一に載置する態様となっている(図1)。側枠72と底枠71は、強度を向上させるために、強固に連結された同体構造でも良い
側枠72は、周囲を格子状に補強した構造であり、底枠71は、複数の起立した長板構造である。底枠71の長板には、シャフト50が貫通できる穴を、必要数開けている。
【0032】
図3に沿って、吊り上げ作業を説明する。
図3(a)は、作成完了した型枠70に対して、他の場所への移動の準備を行う工程である。吊上げ部10を、フォークリフト80の爪部81で保持し、型枠70のある場所に移動する。
吊上げ部10は、フレーム部20に対して、腕部30と筒部40をボルト64で固定して作る。腕部30の数、フレーム部20への固定位置は、型枠70、型枠載置部71の大きさ、強度により決定する。筒部40の端部には、ストッパピン45を固定し、筒部40から爪部81が抜けることを防止する。腕部30には、予め、吊り金具61、フック62を付けておいても良い。
【0033】
図3(b)は、型枠70の吊り上げの準備を行う工程である。吊上げ部10を、型枠70の上部に配置し、底枠71に複数のシャフト50を通す。フック62にロープ部60の一方を通し、ロープ部60の他方をシャフト50の端部に架ける。シャフト50の端部にロープ抜け防止ピン63を配置し、ロープ部60の抜けを防止する。
【0034】
図3(c)は、型枠70を移動する工程である。フォークリフト80の爪部81で支えられた型枠吊り治具1によって、型枠70が持ち上げられる。型枠70は、フォークリフト80によって、所定の場所に移動される。クレーン等での吊り上げではないので、屋内、屋外を問わず、フォークリフト80が通れる場所であれば、移動可能であり、極めて、効率よく移動することができる。本図では、トラック荷台83に積み込んでいる。積み込み完了後、型枠吊り治具1を分解し、トラックに積み込む。
トラックで、目的の場所に移動後、型枠吊り治具1を組み立て、フォークリフト80にて、型枠70をトラック荷台83から下ろし、所定の場所に配置することができる。
【0035】
図6は、トラック等で、型枠70を移動する場合の積み込み作業を示すものである。側枠72は、生成するコンクリート部材の形状によって、底面の形状が異なるので、側枠72のみを重ねると、安定せず、歪も発生しやすい。側枠72と底枠71を一体として移動することで、型枠70全体として直方体の形状となるので、重ねての移動が容易となる。そのため、1つの型枠70(側枠72と底枠71)をトラック荷台83に積み込み、他の型枠70(側枠72と底枠71)を重ねてトラック荷台83に積み込むことができる。
また、フォークリフト80での移動、積み込みに際し、型枠70等を4メートル程度まで持ち上げることが出来、トラック荷台83に対して、2乃至3段積みが可能であって、移動の効率を図ることができる。
【0036】
このように、本発明に係る型枠吊り治具1によれば、木製の型枠70の移動に際し、歪を発生させることなく吊り上げ移動することが可能であって、コンクリート部材の生産場所へ型枠70の移動がスムーズに出来、コンクリート部材の生産性の向上に資するものである。
【0037】
また、構造物の吊り上げでは、一般的には、複数の吊り部にワイヤを通しクレーン等で引き上げる手法を採るが、当該手法では、ワイヤを通す作業、解く作業に一定の時間がかかる。本発明に係る型枠吊り治具1によれば、クレーンとフォークリフト80のいずれの手法によっても、型枠70を吊り上げることが可能である。すなわち、サブ吊り部23を用いてクレーンで吊り上げる手法を採り得るのはもちろんのこと、フォークリフト80による吊り上げ移動も可能であって、例えばトラックから治具を下ろす際などクレーンが無い場所ではフォークリフト80を使って治具の吊り上げ移動を行い、工場内では天井クレーンを使って治具の吊り上げ移動を行う手法を採り得ることから、作業効率の向上に資する。
【0038】
さらに、本発明に係る型枠吊り治具1は、ボルト64を外すことで分解可能であるため、トラック等での移動時に、治具をコンパクトにして持ち運ぶことが出来、移動先での組立て使用も容易であって、利便性の向上に資する。
【0039】
そしてまた、本発明に係る型枠吊り治具1によれば、1つの治具で、腕部30の位置を変える等を行うことで、様々な型枠に対応できるので、汎用性を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明に係る型枠吊り治具は、木製の型枠を歪無く吊り上げ移動させるための方法として、産業上の利用可能性は大きいものと解する。
【符号の説明】
【0041】
1 型枠吊り治具
10 吊上げ部
20 フレーム部
21 腕部固定用穴
22 筒部固定用穴
23 サブ吊り部
30 腕部
31 吊り部
40 筒部
41 上部切欠き
42 ストッパ用穴
43 左右切欠き
44 下部切欠き
45 ストッパピン
50 シャフト
60 ロープ部
61 吊り金具
62 フック
63 ロープ抜け防止ピン
64 ボルト
70 型枠
71 底枠
72 側枠
80 フォークリフト
81 爪部
82 爪の起立部分
83 トラック荷台

図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-12-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
側枠及び底枠から成る型枠を吊り上げる治具であって、
型枠を吊り上げる吊り上げ部と、
底枠を貫通する複数のシャフト部と、吊り上げ部とシャフト部を繋ぐロープ部と、から成り、
吊り上げ部は、フレーム部と複数の腕部とから成り、
腕部は、フレーム部の上部に設けられ、
腕部の長手方向は、フレーム部の幅方向に平行であり、
腕部の両端部には、ロープ部を架けて該ロープ部を介してシャフト部を吊り上げるための複数の吊り部があり、
シャフト部の両端部には、下方へ突出するロープ抜け防止ピンが設けられて成ることを特徴とする型枠吊り治具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る型枠吊り治具は、側枠及び底枠から成る型枠を吊り上げる治具であって、型枠を吊り上げる吊り上げ部と、底枠を貫通する複数のシャフト部と、吊り上げ部とシャフト部を繋ぐロープ部と、から成り、吊り上げ部は、フレーム部と複数の腕部とから成り、腕部は、フレーム部の上部に設けられ、腕部の長手方向は、フレーム部の幅方向に平行であり、腕部の両端部には、ロープ部を架けて該ロープ部を介してシャフト部を吊り上げるための複数の吊り部があり、シャフト部の両端部には、下方へ突出するロープ抜け防止ピンが設けられて成る手段を採用する。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
側枠及び底枠から成る型枠を吊り上げる治具であって、
型枠を吊り上げる吊り上げ部と、
底枠を貫通する複数のシャフト部と、吊り上げ部とシャフト部を繋ぐロープ部と、から成り、
吊り上げ部は、フレーム部と複数の腕部とから成り、
腕部は、フレーム部の上部に設けられ、
腕部の長手方向は、フレーム部の幅方向に平行であり、
腕部の両端部には、ロープ部を架けて該ロープ部を介してシャフト部を吊り上げるための複数の吊り部があり、
シャフト部の両端部には、下方へ突出する着脱可能なロープ抜け防止ピンが設けられて成ることを特徴とする型枠吊り治具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る型枠吊り治具は、側枠及び底枠から成る型枠を吊り上げる治具であって、型枠を吊り上げる吊り上げ部と、底枠を貫通する複数のシャフト部と、吊り上げ部とシャフト部を繋ぐロープ部と、から成り、吊り上げ部は、フレーム部と複数の腕部とから成り、腕部は、フレーム部の上部に設けられ、腕部の長手方向は、フレーム部の幅方向に平行であり、腕部の両端部には、ロープ部を架けて該ロープ部を介してシャフト部を吊り上げるための複数の吊り部があり、シャフト部の両端部には、下方へ突出する着脱可能なロープ抜け防止ピンが設けられて成る手段を採用する。