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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061673
(43)【公開日】2023-05-02
(54)【発明の名称】ロータ、回転電機、およびポンプ
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/22 20060101AFI20230425BHJP
【FI】
H02K1/22 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021171748
(22)【出願日】2021-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】ニデックパワートレインシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】本間 和博
(72)【発明者】
【氏名】及川 竜之介
【テーマコード(参考)】
5H601
【Fターム(参考)】
5H601AA08
5H601AA09
5H601BB11
5H601CC01
5H601CC15
5H601DD01
5H601DD11
5H601GA23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シャフトの加工工数および製造コストを削減できる構造を有するロータ、回転電機、およびポンプを提供する。
【解決手段】中心軸Jを中心として回転可能なロータ10であって、軸方向に延びるシャフト20と、シャフト20が軸方向に通された中央孔14を有するロータコア12と、ロータコア12に固定された樹脂部材50と、を備える。シャフト20は、径方向外側を向く第1平面22と、軸方向を向く第1接触面27と、軸方向における第1接触面27が向く側と反対側を向く第2接触面28とを有する。第1平面22の少なくとも一部は、中央孔14の内部において、ロータコア12または樹脂部材50の少なくとも一方が有する第2平面51aと対向する。樹脂部材50は、第1接触面27および第2接触面28と接触する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸を中心として回転可能なロータであって、
軸方向に延びるシャフトと、
前記シャフトが軸方向に通された中央孔を有するロータコアと、
前記ロータコアに固定された樹脂部材と、
を備え、
前記シャフトは、
径方向外側を向く第1平面と、
軸方向を向く第1接触面と、
軸方向における前記第1接触面が向く側と反対側を向く第2接触面と、
を有し、
前記第1平面の少なくとも一部は、前記中央孔の内部において、前記ロータコアまたは前記樹脂部材の少なくとも一方が有する第2平面と対向し、
前記樹脂部材は、前記第1接触面および前記第2接触面と接触する、ロータ。
【請求項2】
前記第1接触面は、前記ロータコアよりも軸方向一方側に位置し、
前記第2接触面は、前記ロータコアよりも軸方向他方側に位置する、請求項1に記載のロータ。
【請求項3】
前記第1平面と前記第2平面とが互いに接触している、請求項1または2に記載のロータ。
【請求項4】
前記樹脂部材は、前記中央孔の内周面と前記第1平面との径方向の間に位置する対向部を有し、
前記対向部は、前記第2平面を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項5】
前記第1平面の軸方向一方側の端部は、前記ロータコアよりも軸方向一方側に位置し、
前記第1接触面は、前記第1平面の軸方向一方側の端部から径方向外側に延びる面であり、かつ、軸方向他方側を向き、
前記第1平面の軸方向他方側の端部は、前記ロータコアよりも軸方向他方側に位置し、
前記第2接触面は、前記第1平面の軸方向他方側の端部から径方向外側に延びる面であり、かつ、軸方向一方側を向き、
前記対向部は、前記第1接触面および前記第2接触面に接触する、請求項4に記載のロータ。
【請求項6】
前記樹脂部材は、
前記ロータコアの軸方向一方側に位置する第1板状部と、
前記ロータコアの軸方向他方側に位置する第2板状部と、
を有し、
前記対向部は、前記第1板状部と前記第2板状部とを接続する、請求項4または5に記載のロータ。
【請求項7】
前記ロータコアは、前記中央孔の内周面に前記第2平面を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項8】
前記シャフトは、径方向内側に窪む凹部を有し、
前記凹部が、前記第1接触面および前記第2接触面の少なくともいずれか一方を有する、請求項7に記載のロータ。
【請求項9】
前記凹部は、前記シャフトの周方向一周に亘って設けられる、請求項8に記載のロータ。
【請求項10】
前記第1平面の軸方向一方側の端部は、前記シャフトの軸方向一方側の面と接続され、
前記シャフトは、前記ロータコアよりも軸方向一方側に、前記凹部を有し、
前記第1接触面は、前記凹部の内面であって、軸方向他方側を向く面である、請求項8または9に記載のロータ。
【請求項11】
前記シャフトは、前記シャフトを径方向に貫通する貫通孔を有し、
前記貫通孔が、前記第1接触面および前記第2接触面の少なくともいずれか一方を有する、請求項7に記載のロータ。
【請求項12】
前記第1平面の軸方向一方側の端部は、前記シャフトの軸方向一方側の面と接続され、
前記シャフトは、前記ロータコアよりも軸方向一方側に、前記貫通孔を有し、
前記第1接触面は、前記貫通孔の内面であって、軸方向他方側を向く面である、請求項11に記載のロータ。
【請求項13】
前記第1平面の軸方向他方側の端部は、前記ロータコアよりも軸方向他方側に位置し、
前記第2接触面は、前記第1平面の軸方向他方側の端部から径方向外側に延びる面であり、かつ、軸方向一方側を向く、請求項8から12のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項14】
前記樹脂部材は、
前記ロータコアの軸方向一方側に位置する第1板状部と、
前記ロータコアの軸方向他方側に位置する第2板状部と、
を有し、
前記第1板状部は、前記第1接触面に接触し、前記第2板状部は、前記第2接触面に接触する、請求項8から13のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項15】
前記シャフトが、複数の前記第1平面を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載のロータと、
前記ロータと隙間を介して対向するステータと、
を備える、回転電機。
【請求項17】
請求項16に記載の回転電機と、
前記ロータに接続されたポンプ機構と、
を備える、ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータ、回転電機、およびポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
ロータコアとシャフトを備えるロータを有する電動のモータおよびポンプが知られている。例えば、特許文献1には、モータのロータコアとシャフトの締結構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4602784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなモータのロータコアとシャフトの締結構造においては、ロータコアにシャフトを圧入する際の圧力を低減するため、シャフトの外周面にローレット加工を施して、シャフトの外周面に凹凸部を設ける必要があった。そのため、シャフトの加工工数および製造コストの増加にし、モータの製造コストが増加することが問題であった。
【0005】
本発明の一つの態様は、上記事情に鑑みて、シャフトの加工工数および製造コストを削減できる構造を有するロータ、回転電機、およびポンプを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のロータの一つの態様は、中心軸を中心として回転可能なロータであって、軸方向に延びるシャフトと、前記シャフトが軸方向に通された中央孔を有するロータコアと、前記ロータコアに固定された樹脂部材と、を備える。前記シャフトは、径方向外側を向く第1平面と、軸方向を向く第1接触面と、軸方向における前記第1接触面が向く側と反対側を向く第2接触面とを有する。前記第1平面の少なくとも一部は、前記中央孔の内部において、前記ロータコアまたは前記樹脂部材の少なくとも一方が有する第2平面と対向する。前記樹脂部材は、前記第1接触面および前記第2接触面と接触する。
【0007】
本発明の回転電機の一つの態様は、上記のロータと、上記のロータと隙間を介して対向するステータと、を備える。
【0008】
本発明のポンプの一つの態様は、上記の回転電機と、上記のロータに接続されたポンプ機構と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一つの態様によれば、ロータ、回転電機、およびポンプにおいて、シャフトの加工工数および製造コストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1実施形態のポンプを模式的に示す断面図である。
図2図2は、第1実施形態のロータを示す斜視図である。
図3図3は、第1実施形態のロータを示す断面図である。
図4図4は、第1実施形態のロータを示す断面図であって、図2におけるIV-IV断面図である。
図5図5は、第1実施形態のシャフトを示す斜視図である。
図6図6は、第1実施形態のシャフトとロータコアを示す斜視図である。
図7図7は、第2実施形態のロータを示す断面図である。
図8図8は、第2実施形態のロータを示す断面図であって、図7におけるVIII-VIII断面図である。
図9図9は、第2実施形態のシャフトを示す斜視図である。
図10図10は、第3実施形態のロータを示す断面図である。
図11図11は、第3実施形態のシャフトを示す斜視図である。
図12図12は、第4実施形態のロータを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明において図には、適宜、Z軸を示す。Z軸は、以下に説明する実施形態のロータの中心軸Jが延びる方向を示している。各図に示す中心軸Jは、仮想軸線である。以下の説明においては、中心軸Jが延びる方向、つまりZ軸と平行な方向を「軸方向」と呼ぶ。中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ。中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。軸方向のうちZ軸の矢印が向く側(+Z側)を「軸方向一方側」と呼ぶ。軸方向のうちZ軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)を「軸方向他方側」と呼ぶ。
【0012】
周方向は、各図において矢印θで示されている。周方向のうち矢印θが向く側を「周方向一方側」と呼ぶ。周方向のうち矢印θが向く側と逆側を「周方向他方側」と呼ぶ。周方向一方側は、軸方向一方側から見て中心軸J回りに時計回りに進む側である。周方向他方側は、軸方向一方側から見て中心軸J回りに反時計回りに進む側である。
【0013】
<第1実施形態>
図1に示す本実施形態のポンプ90は、車両に搭載される機器に取り付けられる電動ポンプである。ポンプ90が取り付けられる機器は、自動変速機であってもよいし、車両の車軸を駆動する駆動装置であってもよい。ポンプ90は、例えば、車両に搭載される機器にオイルを供給する電動オイルポンプである。
【0014】
ポンプ90は、回転電機80と、ポンプ機構60と、オイルシール77と、を備える。本実施形態において回転電機80は、モータである。回転電機80は、ハウジング40と、ロータ10と、ステータ71と、第1ベアリング75と、第2ベアリング76と、を備える。
【0015】
ハウジング40は、ロータ10、ステータ71、第1ベアリング75、第2ベアリング76、オイルシール77、ポンプ機構60を内部に収容している。ハウジング40は、本体カバー41と、ポンプカバー42とを有する。本体カバー41とポンプカバー42とは、互いに別部材である。ポンプカバー42は、本体カバー41の軸方向他方側に固定されている。
【0016】
本体カバー41は、モータ収容部41aと、ポンプ収容部41bと、を有する。本実施形態において、モータ収容部41aと、ポンプ収容部41bとは、互いに同一の単一部材の一部である。モータ収容部41aは、ロータ10、ステータ71、第1ベアリング75、第2ベアリング76、およびオイルシール77を内部に収容している。本実施形態において、モータ収容部41aは、軸方向に延びる円筒状である。モータ収容部41aの軸方向一方側の端部は、本体カバー41の軸方向一方側の端部である。モータ収容部41aの軸方向他方側の端部は、軸方向他方側に開口する孔部41cを有する。孔部41cは、中心軸Jを中心とする円形状である。孔部41cの軸方向他方側の端部は、ポンプ収容部41bの内部と繋がっている。
【0017】
図1および図2に示すように、ロータ10は、軸方向に延びる中心軸Jを中心として回転可能である。ロータ10は、シャフト20と、ロータ本体11と、樹脂部材50と、を有する。シャフト20はロータ本体11に固定されている。ロータ10は、シャフト20を支持する第1ベアリング75と、第2ベアリング76とによって、中心軸Jを中心として回転可能に支持されている。
【0018】
図1に示すように、ステータ71は、ロータ10と隙間を介して対向している。ステータ71は、ロータ10の径方向外側に位置している。ステータ71は、ステータコア72と、インシュレータ73と、複数のコイル74と、を有する。ステータ71は、モータ収容部41aの内面に固定されている。
【0019】
孔部41cには、孔部41cの内周面とシャフト20の外周面との間をシールするオイルシール77が保持されている。また、孔部41cには、オイルシール77の軸方向一方側に第2ベアリング76が保持されている。モータ収容部41aの内部のうちロータ10およびステータ71よりも軸方向一方側の部分には、ベアリング保持部41eが設けられている。ベアリング保持部41eには、第1ベアリング75が保持されている。
【0020】
本実施形態において、第1ベアリング75および第2ベアリング76は、転がり軸受である。第1ベアリング75および第2ベアリング76は、ボールベアリングである。第1ベアリング75は、シャフト20のうちロータ本体11よりも軸方向一方側に位置する部分を回転可能に支持している。第2ベアリング76は、シャフト20のうちロータ本体11よりも軸方向他方側に位置する部分を回転可能に支持している。
【0021】
ポンプ収容部41bは、モータ収容部41aの軸方向他方側に繋がっている。ポンプ収容部41bは、ポンプ機構60を内部に収容している。ポンプ収容部41bは、軸方向他方側に開口している。ポンプ収容部41bの軸方向他方側の開口は、ポンプカバー42によって塞がれている。
【0022】
ポンプ機構60は、インナーロータ61と、アウターロータ62と、を有している。インナーロータ61は、シャフト20のうちポンプ収容部41bの内部に突出した部分と接続されている。これにより、ポンプ機構60は、ロータ10に接続されている。インナーロータ61は、シャフト20を囲む環状である。アウターロータ62は、インナーロータ61を囲む環状である。インナーロータ61とアウターロータ62とは、互いに噛み合っている。したがって、ロータ10によってインナーロータ61が回転させられることで、アウターロータ62も回転する。
【0023】
図3に示すように、ロータ本体11は、ロータコア12と、複数のマグネット13と、を有している。ロータコア12は、中心軸Jを中心として、軸方向に延びる略円筒状である。ロータコア12は、中心軸Jを中心とする略円環状の複数の板部材12aが軸方向に積層されて構成される。板部材12aは磁性体によって構成される。板部材12aを構成する磁性体は、特に限定されない。本実施形態の板部材12aは、電磁鋼板である。
【0024】
図4に示すように、ロータコア12は、中央孔14と、複数の連結孔15と、複数のマグネット収容孔16と、複数の外コア部17と、を有している。中央孔14は、ロータコア12を軸方向に貫通している。中央孔14は、中心軸Jを中心とする円形状の孔である。連結孔15は、ロータコア12を軸方向に貫通している。連結孔15は、円形状の孔である。連結孔15は、中央孔14よりも径方向外側、かつ、マグネット収容孔16よりも径方向内側に、周方向に沿って間隔をあけて等間隔に設けられている。本実施形態では、連結孔15は、8個設けられている。本実施形態では、内径が大きい連結孔15と内径が小さい連結孔15とが、周方向に沿って交互に設けられている。なお、全ての連結孔15の内径は同じであってもよい。
【0025】
マグネット収容孔16は、ロータコア12を軸方向に貫通している。マグネット収容孔16は、矩形状の孔である。マグネット収容孔16は、2つの内側面が径方向を向いている。本実施形態では、マグネット収容孔16は、径方向と直交する方向の寸法の方が、径方向の寸法よりも大きい。マグネット収容孔16は、ロータコア12の径方向外側の縁部に、周方向に沿って間隔をあけて等間隔に設けられている。本実施形態では、マグネット収容孔16は、8個設けられている。
【0026】
外コア部17は、各マグネット収容孔16の径方向外側にそれぞれ設けられている。外コア部17は、軸方向に見て、径方向外側に突出する円弧形状である。外コア部17は、周方向に沿って間隔をあけて等間隔に設けられている。本実施形態では、外コア部17は、8個設けられている。
【0027】
マグネット13は、各マグネット収容孔16内にそれぞれ収容されている。マグネット13は、軸方向に延びる板状である。マグネット13は、軸方向に見て矩形状である。マグネット13の軸方向一方側の端部は、ロータコア12の軸方向一方側の端部と、軸方向において同じ位置に配置されている。マグネット13の軸方向他方側の端部は、ロータコア12の軸方向他方側の端部と、軸方向において同じ位置に配置されている。マグネット13は、永久磁石である。
【0028】
図2図3、および図5に示すように、シャフト20は、中心軸Jを中心として軸方向に延びる円柱状である。シャフト20は、中央孔14に軸方向に通されている。シャフト20は、後述する、樹脂部材50の対向部51を介して、ロータコア12に固定されている。図1に示すように、シャフト20は、軸方向において、軸方向一方側の部分が、ロータコア12よりも軸方向一方側に延びている。シャフト20の軸方向一方側の部分は、第1ベアリング75に支持されている。シャフト20は、軸方向他方側の部分が、ロータコア12よりも軸方向一方側に延びており、モータ収容部41aの内部から、孔部41cを介して、ポンプ収容部41bの内部に突出している。シャフト20の軸方向他方側の部分は、第2ベアリング76に支持されている。シャフト20の軸方向他方側の部分は、オイルシール77と接触している。シャフト20の軸方向他方側の部分は、インナーロータ61と連結されている。
【0029】
図3および図5に示すように、シャフト20は、本体部21と、第1被支持部23と、第2被支持部24と、出力部25と、を有している。本実施形態において、本体部21と、第1被支持部23と、第2被支持部24と、出力部25とは、同一の単一部材の一部である。
【0030】
本体部21は、中心軸Jを中心として軸方向に延びる円柱状である。本体部21は、中央孔14に、ロータコア12の軸方向他方側から挿入され、後述する、樹脂部材50の対向部51を介して、ロータコア12に固定されている。本体部21の一部は、中央孔14の内部に位置している。本体部21の軸方向一方側の端部は、ロータコア12よりも軸方向一方側に位置している。本体部21の軸方向他方側の端部は、ロータコア12よりも軸方向他方側に位置している。本体部21は、第1平面22と、円周面21aと、第1接触面27と、第2接触面28を有している。
【0031】
第1平面22は、本体部21の外周面に設けられている。第1平面22は、径方向外側を向く平面である。つまり、シャフト20は、径方向外側を向く第1平面22を有する。第1平面22は、軸方向に延びている。第1平面22の一部は、中央孔14の内部に配置されている。中央孔14の内部において、第1平面22は、中央孔14の内周面から径方向内側に離れて配置されている。第1平面22の軸方向一方側の端部は、ロータコア12よりも軸方向一方側に位置し、かつ、本体部21の軸方向一方側の端部よりも軸方向他方側に位置している。第1平面22の軸方向他方側の端部は、ロータコア12よりも軸方向他方側に位置し、かつ、本体部21の軸方向他方側の端部よりも軸方向一方側に位置している。
【0032】
円周面21aは、本体部21の外周面のうち、第1平面22を除く部分である。円周面21aのうち、軸方向において、第1平面22よりも軸方向一方側に位置する部分は、本体部21の周方向一周に亘って設けられている。円周面21aのうち、軸方向において、第1平面22よりも軸方向他方側に位置する部分は、本体部21の周方向一周に亘って設けられている。軸方向に見て、第1平面22が設けられている部分における円周面21aの形状は、中心軸Jを中心とする円弧状である。本実施形態では、軸方向に見て、円周面21aの中心角は180°よりも大きい。円周面21aの中心角は、例えば、270°である。円周面21aのうち、軸方向において、第1平面22が設けられている部分における、円周面21aの周方向両端は、それぞれ第1平面22の端部と繋がっている。円周面21aのうち、中央孔14の内部に配置されている部分は、中央孔14の内周面と接触している。
【0033】
第1接触面27は、第1平面22の軸方向一方側の端部から、径方向外側に延びる面である。第1接触面27は、軸方向他方側を向いている。つまり、シャフト20は、軸方向を向く第1接触面27を有する。第1接触面27は、ロータコア12よりも軸方向一方側に位置している。第1接触面27の径方向外側の端部は、円周面21aと繋がっている。第1接触面27は、後述する、樹脂部材50が有する対向部51と接触している。
【0034】
第2接触面28は、第1平面22の軸方向他方側の端部から、径方向外側に延びる面である。第2接触面28は、軸方向一方側を向いている。つまり、シャフト20は、軸方向における第1接触面27が向く側と反対側を向く第2接触面28を有する。第2接触面28は、ロータコア12よりも軸方向他方側に位置している。第2接触面28の径方向外側の端部は、円周面21aと繋がっている。第2接触面28は、後述する、樹脂部材50が有する対向部51と接触している。なお、本実施形態において、第1平面22、第1接触面27、第2接触面28は、本体部21の外周面の一部に、切削加工を施すことによって設けられている。本実施形態では、第1接触面27および第2接触面28は、第1平面22を切削加工によって設ける際に第1平面22の軸方向両端部に構成される軸方向を向く段差面である。
【0035】
第1被支持部23は、本体部21の軸方向一方側に繋がっている。第1被支持部23は、中心軸Jを中心として軸方向に延びる円柱状である。第1被支持部23は、第1部分23aと、第2部分23bと、第3部分23cと、を有している。第1部分23aは、本体部21の軸方向一方側に繋がっている。第1部分23aの外径は、本体部21の外径よりも小さい。
【0036】
第2部分23bは、第1部分23aの軸方向一方側に繋がっている。第2部分23bの外径は、本体部21の外径よりも小さく、第1部分23aの外径よりも大きい。図示は省略するが、第2部分23bの外周面は、第1ベアリング75によって支持されている。これにより、第1ベアリング75は、シャフト20を回転可能に支持している。
【0037】
第3部分23cは、第2部分23bの軸方向一方側に繋がっている。第3部分23cの外径は、本体部21の外径および第1部分23aの外径よりも小さい。第3部分23cの軸方向一方側の端部は、シャフト20の軸方向一方側の端部である。
【0038】
第2被支持部24は、本体部21の軸方向他方側に繋がっている。第2被支持部24は、中心軸Jを中心として軸方向に延びる円柱状である。第2被支持部24は、第1部分24aと、第2部分24bとを有している。
【0039】
第1部分24aは、本体部21の軸方向他方側に繋がっている。第1部分24aの外径は、本体部21の外径よりも大きい。図示は省略するが、第1部分24aの外周面は、第2ベアリング76によって支持されている。これにより、第2ベアリング76は、シャフト20を回転可能に支持している。また、図示は省略するが、第1部分24aの外周面は、第2ベアリング76よりも軸方向他方側において、オイルシール77と接触している。これにより、オイルシール77は、孔部41cの内周面とシャフト20の外周面との間をシールしている。
【0040】
第2部分24bは、第1部分24aの軸方向他方側に繋がっている。第2部分24bの外径は、第1部分24aの外径よりも小さい。
【0041】
出力部25は、第2部分24bの軸方向他方側に繋がっている。出力部25の外径は、第2部分24bの外径よりも小さい。出力部25の軸方向他方側の端部は、シャフト20の軸方向他方側の端部である。出力部25の外周面には、スプライン溝が設けられている。出力部25は、インナーロータ61の内側に挿入されて、インナーロータ61に連結されている。これにより、シャフト20と、インナーロータ61とが連結されている。より詳細には、インナーロータ61の内周面に設けられたスプライン溝が、出力部25のスプライン溝に嵌め合わされることで、シャフト20と、インナーロータ61とが連結されている。インナーロータ61には、シャフト20を介してロータ10の駆動力が伝達される。これにより、回転電機80は、インナーロータ61およびアウターロータ62を中心軸J回りに回転させる。
【0042】
図2および図3に示すように、樹脂部材50は、ロータコア12に固定されている。樹脂部材50は、樹脂製である。樹脂部材50は、例えば、シャフト20をロータコア12の中央孔14に挿入した後に、シャフト20と、ロータ本体11と、をインサート部材とするインサート成形によって作られている。樹脂部材50は、対向部51、第1板状部52、第2板状部53、複数の連結部54、および複数の側面連結部55を有している。
【0043】
図3に示すように、対向部51は、軸方向に延びている。対向部51の一部は、中央孔14の内周面と第1平面22との径方向の間に位置している。対向部51の軸方向一方側の端部は、シャフト20が有する第1接触面27と接触している。対向部51の軸方向他方側の端部は、シャフト20が有する第2接触面28と接触している。つまり、樹脂部材50は、第1接触面27および第2接触面28と接触している。図4に示すように、対向部51は、軸方向に見て、径方向外側に凸となる略半円形状である。対向部51は、第2平面51aと、円弧面51bと、を有している。
【0044】
第2平面51aは、径方向内側を向く平面である。第2平面51aは、シャフト20が有する第1平面22と対向している。本実施形態では、第2平面51aと、第1平面22とは互いに接触している。軸方向において、第2平面51aの軸方向一方側の端部は、第1平面22の軸方向一方側の端部と同じ位置に配置されている。軸方向において、第2平面51aの軸方向他方側の端部は、第1平面22の軸方向他方側の端部と同じ位置に配置されている。
【0045】
円弧面51bは、径方向外側を向く曲面である。軸方向に見て、円弧面51bは、中心軸Jを中心とする円弧状である。軸方向に見て、円弧面51bの周方向両端は、それぞれ、第2平面51aの端部と繋がっている。本実施形態では、軸方向に見て、円弧面51bの中心角は180°よりも小さい。円弧面51bの中心角は、例えば、90°である。円弧面51bは、周方向および軸方向の全体に亘って、中央孔14の内周面と接触している。
【0046】
図2および図3に示すように、第1板状部52は、中心軸Jを中心とする円環板状である。第1板状部52の板面は、軸方向を向いている。第1板状部52は、ロータコア12の軸方向一方側を向く面上に設けられている。本実施形態では、第1板状部52の径方向外側の端部は、ロータコア12の径方向外側の端部と、径方向において同じ位置に配置されている。第1板状部52は、対向部51および本体部21を囲んでいる。周方向において、第1板状部52の径方向内縁の一部は、本体部21の外周面と接触している。周方向において、第1板状部52の径方向内縁の他の部分は、対向部51と繋がっている。なお、第1板状部52は、本体部21と接触していなくてもよい。
【0047】
第2板状部53は、中心軸Jを中心とする円環板状である。第2板状部53の板面は、軸方向を向いている。第2板状部53は、ロータコア12の軸方向他方側を向く面上に設けられている。本実施形態では、第2板状部53の径方向外側の端部は、ロータコア12の径方向外側の端部と、径方向において同じ位置に配置されている。第2板状部53は、対向部51および本体部21を囲んでいる。周方向において、第2板状部53の径方向内縁の一部は、本体部21の外周面と接触している。周方向において、第2板状部53の径方向内縁の他の部分は、対向部51と繋がっている。なお、第2板状部53は、本体部21と接触していなくてもよい。
【0048】
図3および図4に示すように、複数の連結部54は、それぞれ、連結孔15の内部に設けられている。各連結部54は、軸方向に延びる円柱形状である。各連結部54の外周面は、軸方向の全体に亘って、各連結孔15の内周面と接触している。各連結部54の軸方向一方側の端部は、第1板状部52の軸方向他方側を向く面と接続されている。各連結部54の軸方向他方側の端部は、第2板状部53の軸方向一方側を向く面と接続されている。本実施形態では、連結部54は、8個設けられている。また、本実施形態では、外径が大きい連結部54と外径が小さい連結部54とが、周方向に沿って交互に設けられている。
【0049】
図2および図4に示すように、複数の側面連結部55は、ロータコア12の外周面に沿って、軸方向に延びる略三角柱形状である。各側面連結部55は、軸方向に見て、略三角形状である。各側面連結部55は、ロータコア12の外周面に設けられている。各側面連結部55は、周方向に互いに隣り合う外コア部17同士の間に設けられている。各側面連結部55は、周方向に沿って間隔をあけて等間隔に設けられている。本実施形態では、側面連結部55は、8個設けられている。各側面連結部55の軸方向一方側の端部は、第1板状部52の径方向外側の端部と接続されている。各側面連結部55の軸方向他方側の端部は、第2板状部53の径方向外側の端部と接続されている。
【0050】
本実施形態によれば、シャフト20は径方向外側を向く第1平面22を有し、第1平面22の少なくとも一部は、中央孔14の内部において、ロータコア12と固定される樹脂部材50が有する第2平面と対向している。そのため、シャフト20がロータコア12に対して周方向に回転しようとしても、第1平面22が第2平面51aに引っ掛かるため、シャフト20がロータコア12に対して周方向に回転することを抑制できる。したがって、樹脂部材50を介して、周方向において、シャフト20をロータコア12に固定できる。また、シャフト20は、互いに軸方向反対側を向く第1接触面27と、第2接触面28と、を有し、ロータコア12と固定される樹脂部材50が第1接触面27および第2接触面28と接触している。そのため、シャフト20がロータコア12に対して軸方向に移動しようとしても、樹脂部材50が第1接触面27または第2接触面28に引っ掛かるため、シャフト20がロータコア12に対して軸方向に移動することを抑制できる。したがって、樹脂部材50を介して、軸方向において、シャフト20をロータコア12に固定できる。つまり、シャフト20をロータコア12圧入することなく、樹脂部材50を介して、シャフト20をロータコア12に固定できる。そのため、シャフト20の外周面に凹凸部を設ける必要がなく、シャフト20の外周面にローレット加工を施す必要がない。したがって、シャフト20の加工工数および製造コストを削減できる。また、回転電機80、およびポンプ90の製造工数および製造コストの増加を抑制できる。
【0051】
本実施形態によれば、シャフト20の第1平面22、第1接触面27、および第2接触面28は、本体部21の外周面の一部に切削加工を施すことによって設けられている。また、シャフト20は、樹脂部材50を介してロータコア12に固定されている。そのため、シャフト20と、ロータ本体11と、をインサート部材とするインサート成形によって樹脂部材50を設けることで、シャフト20をロータコア12に固定できる。つまり、本実施形態では、汎用的な加工手段および汎用的な樹脂成形手段を利用して、シャフト20をロータコア12に固定できる。したがって、ロータ10の製造工数および製造コストを削減できる。
【0052】
本実施形態によれば、第1接触面27は、ロータコア12よりも軸方向一方側に位置し、樹脂部材50と接触している。また、第2接触面は、ロータコア12よりも軸方向他方側に位置し、樹脂部材50と接触している。そのため、ロータコア12を挟んだ軸方向の両側において、樹脂部材50にロータコア12を軸方向に接触させることができる。これにより、軸方向において、ロータコア12に対するシャフト20のより好適な位置決めができる。
【0053】
本実施形態によれば、第1平面22と第2平面51aとが互いに接触している。そのため、樹脂部材50がシャフト20に対してより好適に周方向に引っ掛かり、シャフト20がロータコア12に対して周方向に相対回転することをより好適に抑制できる。したがって、周方向において、シャフト20をロータコア12により好適に固定できる。
【0054】
本実施形態によれば、樹脂部材50は、中央孔14の内周面と第1平面22との径方向の間に位置する対向部51を有し、対向部51は、第2平面51aを有している。そのため、上述のシャフト20と、ロータ本体11と、をインサート部材とするインサート成形によって樹脂部材50を設ける際に、第2平面51aを有する対向部51を設けることができる。つまり、樹脂部材50を設ける作業に加えて、別途、第2平面51aを設けるための作業を行う必要が無い。したがって、例えばロータコア12に第2平面51aを設ける場合などに比べて、ロータ10の製造工数および製造コストの増加を抑制できる。また、回転電機80、およびポンプ90の製造工数および製造コストの増加を抑制できる。
【0055】
本実施形態によれば、第1接触面27は、ロータコア12よりも軸方向一方側に位置する第1平面22の軸方向一方側の端部から径方向外側に延びる面である。また、第2接触面28は、ロータコア12よりも軸方向一方側に位置する第1平面22の軸方向他方側の端部から径方向外側に延びる面である。上述のように、シャフト20の第1平面22は、本体部21の外周面の一部に切削加工を施すことによって設けられている。本実施形態では、第1平面22を切削加工によって設ける際に構成される軸方向を向く段差面を、第1接触面27および第2接触面28として利用している。つまり、第1平面22を設ける加工作業に加えて、別途、第1接触面27および第2接触面28を設けるための加工作業を行う必要がない。そのため、シャフト20の加工工数および製造コストをより削減できる。また、ロータ10、回転電機80、およびポンプ90の製造工数および製造コストを削減できる。
【0056】
本実施形態によれば、ロータコア12の軸方向一方側を向く面に設けられる第1板状部52と、ロータコア12の軸方向他方側を向く面に設けられる第2板状部53とは、対向部51を介して接続されている。よって、樹脂部材50がロータコア12に対して軸方向に移動することを抑制できる。また、樹脂部材50がロータコア12に対して周方向に相対回転することを抑制できる。これにより、樹脂部材50をロータコア12に対してより好適に固定できる。そのため、樹脂部材50を介して、シャフト20をロータコアにより好適に固定できる。
【0057】
<第2実施形態>
図7および図8に示すように、本実施形態のロータ210において、ロータコア212は、中央孔214の内部に対向部218を有している。対向部218は、軸方向に延びている。対向部218は、軸方向に見て、径方向外側に凸となる略半円形状である。対向部218は、シャフト220が有する第1平面222の径方向外側に位置している。対向部218は、ロータコア212の一部である。軸方向において、対向部218の軸方向一方側の端部は、ロータコア212の軸方向一方側の端部と同じ位置に配置されている。軸方向において、対向部218の軸方向他方側の端部は、ロータコア212の軸方向他方側の端部と同じ位置に配置されている。対向部218は、第2平面218aを有している。中央孔214の内周面は、第2平面218aと円弧面218bとによって構成されている。
【0058】
第2平面218aは、中央孔214の内周面の一部であって、径方向内側を向く平面である。第2平面218aは、対向部218の径方向内側を向く平面である。つまり、ロータコア212は、中央孔214の内周面に第2平面218aを有している。第2平面218aは、第1平面222の一部と対向している。本実施形態では、第2平面218aと、第1平面222の一部とは、互いに接触している。第2平面218aは、軸方向に延びている。軸方向において、第2平面218aの軸方向一方側の端部は、ロータコア212の軸方向一方側の端部と同じ位置に配置されている。軸方向において、第2平面218aの軸方向他方側の端部は、ロータコア212の軸方向他方側の端部と同じ位置に配置されている。
【0059】
円弧面218bは、中央孔214の内周面のうち、第2平面218aを除く部分である。軸方向に見て、円弧面218bは、中心軸Jを中心とする円弧状である。軸方向に見て、円弧面218bの周方向両端は、それぞれ、第2平面218aの端部と繋がっている。本実施形態では、軸方向に見て、円弧面218bの中心角は180°よりも大きい。円弧面218bの中心角は、例えば、270°である。本実施形態のロータコア212のその他の構成は、第1実施形態のロータコア12のその他の構成と同様である。
【0060】
図7に示すように、本実施形態のロータ210において、シャフト220は、樹脂部材250を介して、ロータコア212に固定されている。図7および図9に示すように、シャフト220は、シャフト220の外周面に、第1平面222、および凹部229aを有している。
【0061】
第1平面222は、本体部221の外周面と第1被支持部223の外周面に跨って設けられている。第1平面222は、径方向外側を向く平面である。つまり、シャフト220は、径方向外側を向く第1平面222を有する。第1平面222は、軸方向に延びている。第1平面222の一部は、中央孔214の内部に配置されている。中央孔214の内部において、第1平面222の一部は、第2平面218aと対向している。本実施形態では、第1平面222の一部と、第2平面218aとは、互いに接触している。軸方向において、第1平面222の軸方向一方側の端部は、第2部分223bの軸方向一方側の端部と、同じ位置に設けられている。軸方向において、第1平面222の軸方向他方側の端部は、ロータコア212よりも軸方向他方側に位置し、かつ、本体部221の軸方向他方側の端部よりも軸方向一方側に位置している。
【0062】
円周面221aは、本体部221の外周面のうち、第1平面222を除く部分である。円周面221aのうち、軸方向において、第1平面222よりも軸方向他方側では、本体部221の周方向一周に亘って設けられている。円周面221aのうち、軸方向において、第1平面222が設けられている部分では、円周面221aの周方向両端は、それぞれ、第1平面222の端部と繋がっている。軸方向に見て、第1平面222が設けられている部分では、円周面221aの形状は、中心軸Jを中心とする円弧状である。本実施形態では、軸方向に見て、円周面221aの中心角は180°よりも大きい。円周面221aの中心角は、例えば、270°である。円周面221aのうち、中央孔214の内部に位置する部分は、中央孔214の内周面と接触している。
【0063】
第1被支持部223は、本体部221の軸方向一方側に繋がっている。第1被支持部223は、中心軸Jを中心として軸方向に延びる円柱状である。第1被支持部223は、第1部分223aと、第2部分223bと、第3部分23cと、を有している。第1部分223aは、本体部221の軸方向一方側に繋がっている。第1部分223aの外径は、本体部221の外径よりも小さい。第1部分223aの外周面の一部には、第1平面222が設けられている。
【0064】
第2部分223bは、第1部分223aの軸方向一方側に繋がっている。第2部分223bの外径は、本体部221の外径よりも小さく、第1部分223aの外径よりも大きい。第2部分223bの外周面の一部には、第1平面222が設けられている。第1平面222の軸方向一方側の端部は、第2部分223bの軸方向一方側を向く面と接続されている。つまり、第1平面222の軸方向一方側の端部は、シャフト220の軸方向一方側を向く面と接続されている。
【0065】
本実施形態のシャフト220は、上述のように、第1平面222が本体部221の外周面と第1被支持部223の外周面とに跨って設けられている。そのため、シャフト220は、ロータコア212の軸方向他方側から、中央孔214に挿入されている。より詳細には、シャフト220は、ロータコア212に対するシャフト220の周方向の向きを、第1平面222と第2平面218aとが対向する向きに保持しつつ、ロータコア212の軸方向他方側から、中央孔214に挿入されている。
【0066】
凹部229aは、シャフト220の本体部221の外周面に設けられている。凹部229aは、本体部221の外周面の周方向一周に亘って設けられている。凹部229aは、周方向において、第1平面222と円周面221aとに跨って設けられている。凹部229aは、ロータコア212よりも軸方向一方側に設けられている。つまり、シャフト220は、ロータコア212よりも軸方向一方側に凹部229aを有している。凹部229aは、底面229bと、第1接触面227と、を有している。
【0067】
底面229bは、凹部229aの径方向内側に位置している。底面229bは、径方向外側を向く円周面である。本実施例において、底面229bは、後述する樹脂部材250が有する第1板状部252と接触している。なお、底面229bは、第1板状部252と接触していなくてもよい。
【0068】
第1接触面227は、底面229bの軸方向一方側の端部から、径方向外側に延びる略円環状の面である。第1接触面227は、軸方向他方側を向いている。つまり、第1接触面227は、凹部229aの内面であって、軸方向他方側を向く面である。第1接触面227は、ロータコア212よりも軸方向一方側に位置している。第1接触面227の径方向外側の端部の一部分は、第1平面222と繋がっている。第1接触面227の径方向外側の端部の他の部分は、円周面221aと繋がっている。第1接触面227は、後述する樹脂部材250が有する第1板状部252と接触している。本実施形態のシャフト220のその他の構成は、第1実施形態のシャフト20のその他の構成と同様である。
【0069】
図7および図8に示すように、本実施形態のロータ210において、樹脂部材250は、第1板状部252、第2板状部253、複数の連結部54、および複数の側面連結部55を有している。
【0070】
第1板状部252は、中心軸Jを中心とする円環板状である。第1板状部252の板面は、軸方向を向いている。第1板状部252は、ロータコア212の軸方向一方側を向く面上に設けられている。本実施形態では、径方向において、第1板状部252の径方向外側の端部は、ロータコア212の径方向外側の端部と、同じ位置に配置されている。第1板状部252は、本体部221を囲んでいる。より詳細には、第1板状部252は、凹部229aの底面229bを囲んでいる。第1板状部252は、第1接触面227および底面229bと接触している。なお、第1板状部252は、底面229bと接触していなくてもよい。
【0071】
第2板状部253は、中心軸Jを中心とする円環板状である。第2板状部253の板面は、軸方向を向いている。第2板状部253は、ロータコア212の軸方向他方側を向く面上に設けられている。本実施形態では、径方向において、第2板状部253の径方向外側の端部は、ロータコア212の径方向外側の端部と、同じ位置に配置されている。第2板状部253は、本体部221を囲んでいる。周方向において、第2板状部253の径方向内縁の一部分は、第1平面222および第2接触面228と接触している。周方向において、第2板状部253の径方向内縁の他の部分は、円周面221aと接触している。なお、第2板状部253は、第1平面222および円周面221aと接触していなくてもよい。
【0072】
本実施形態によれば、ロータコア212は、中央孔214の内周面に第2平面218aを有している。また、第2平面218aは、シャフト220が有する第1平面222と、対向している。そのため、シャフト220がロータコア212に対して周方向に回転しようとしても、第1平面222が第2平面218aに引っ掛かるため、シャフト220がロータコア212に対して周方向に回転することを抑制できる。また、本実施形態では、第2平面218aは、ロータコア212の中央孔214の内周面の一部分である。したがって、周方向において、シャフト20をロータコア12により強固に固定できる。
【0073】
本実施形態によれば、シャフト220は、径方向内側に窪む凹部229aを有し、凹部229aが軸方向を向く第1接触面227を有している。また、シャフト20は、第1接触面227と軸方向反対側を向く第2接触面228を有している。また、ロータコア212と固定される樹脂部材250が第1接触面227および第2接触面228と接触している。そのため、シャフト220がロータコア212に対して軸方向に移動しようとしても、樹脂部材250が第1接触面227または第2接触面228に引っ掛かるため、シャフト220がロータコア212に対して軸方向に移動することを抑制できる。したがって、軸方向において、樹脂部材250を介して、シャフト220をロータコア212に固定できる。
【0074】
本実施形態によれば、凹部229aは、シャフト220の周方向一周に亘って設けられている。よって、樹脂部材250は、シャフト220の周方向一周に亘って、第1接触面227と接触できる。そのため、第1接触面227と樹脂部材250との接触面積をより広くできる。したがって、軸方向において、樹脂部材250を介して、シャフト220をロータコア212により強固に固定できる。
【0075】
本実施形態によれば、第1平面222の軸方向一方側の端部は、シャフト220の軸方向一方側の面と接続されている。そのため、シャフト220を、対向部218を有するロータコア212の中央孔214に、ロータコア212の軸方向他方側から容易に挿入できる。また、シャフト220は、ロータコア212よりも軸方向一方側に凹部229aを有し、第1接触面227は凹部229aの内面であって、軸方向他方側を向く面である。そのため、ロータコア212に固定される樹脂部材250が、軸方向他方側を向く第1接触面227と接触できる。したがって、軸方向において、樹脂部材250を介して、シャフト220をロータコア212に固定できる。また、第1平面222の軸方向一方側の端部が、シャフト220の軸方向一方側の面まで延びている。そのため、第1平面222が本体部221の途中までしか設けられない場合と比較して、より容易に、切削加工によって、第1平面222を設けることができる。したがって、シャフト220の加工工数および製造コストをより削減できる。
【0076】
本実施形態によれば、第1平面222の軸方向他方側の端部は、ロータコア212よりも軸方向他方側に位置し、第2接触面228は、第1平面222の軸方向他方側の端部から径方向外側に延びる面であり、かつ、軸方向一方側を向いている。また、シャフト220は、軸方向他方側を向く第1接触面227を有している。ロータコア212と固定される樹脂部材250は第1接触面227および第2接触面228と接触している。そのため、シャフト220がロータコア212に対して軸方向に移動しようとしても、樹脂部材250が第1接触面227または第2接触面228に引っ掛かるため、シャフト220がロータコア212に対して軸方向に移動することが抑制できる。したがって、軸方向において、樹脂部材250を介して、シャフト220をロータコア212に固定できる。
【0077】
本実施形態によれば、樹脂部材250は、ロータコア212の軸方向一方側を向く面に設けられる第1板状部252と、ロータコア212の軸方向他方側を向く面に設けられる第2板状部253と、を有している。第1板状部252は、第1接触面227と接触し、第2板状部253は、第2接触面228と接触している。そのため、シャフト220がロータコア212に対して軸方向に移動しようとしても、第1板状部252が第1接触面227に、または、第2板状部253が第2接触面228に、引っ掛かるため、シャフト220がロータコア212に対して軸方向に移動することが抑制できる。したがって、軸方向において、樹脂部材250を介して、シャフト220をロータコア212に固定できる。
【0078】
なお、本実施形態において、凹部229aの位置および形状などは、ロータコア212にシャフト220を固定できるならば、特に限定されない。例えば、第1接触面227がロータコア212の軸方向一方側の端部よりも、軸方向一方側に位置し、第1接触面227と第1板状部252とが接触するならば、凹部229aの軸方向他方側の端部は、ロータコア212の軸方向一方側の端部よりも軸方向他方側に位置していてもよい。また、凹部229aは、シャフト220の周方向一周に亘って設けられなくてもよい。
【0079】
<第3実施形態>
図10および図11に示すように、本実施形態のロータ310において、シャフト320は、貫通孔329bを有している。貫通孔329bは、シャフト320の本体部321に設けられている。貫通孔329bは、シャフト320を径方向に貫通する孔である。貫通孔329bの一方の開口は、第1平面322に設けられている。貫通孔329bの一方の開口は、円周面321aに設けられている。貫通孔329bは、ロータコア212よりも軸方向一方側に設けられている。つまり、シャフト320は、ロータコア212よりも軸方向一方側に貫通孔329bを有している。貫通孔329bは、矩形状の孔である。本実施形態において、貫通孔329bの4つの内面は、それぞれ、第1平面322と直交している。本実施形態において、貫通孔329bの4つの内面のうち2つの平面は、それぞれ、軸方向を向いている。本実施形態において、貫通孔329bの4つの内面のうち他の2つの平面は、それぞれ、径方向を向いている。貫通孔329bは、第1接触面327を有している。
【0080】
第1接触面327は、貫通孔329bの内部の4つの内面のうち、軸方向他方側を向く面である。第1接触面327は、ロータコア212よりも軸方向一方側に位置している。第1接触面327は、後述する樹脂部材350が有する第1板状部352と接触している。本実施形態のシャフト320のその他の構成は、第2実施形態のシャフト220のその他の構成と同様である。
【0081】
図10に示すように、本実施形態のロータ310において、樹脂部材350は、第1板状部352、第2板状部253、複数の連結部54、および複数の側面連結部55を有している。第1板状部352は、ロータコア212の軸方向一方側にしている。第1板状部352は、円環部352aと、接続部352bとを、有している。本実施形態において、円環部352aと、接続部352bとは、同一の単一部材の一部である。
【0082】
円環部352aは、中心軸Jを中心とする円環板状である。円環部352aの板面は、軸方向を向いている。円環部352aは、ロータコア212の軸方向一方側を向く面上に設けられている。本実施形態では、径方向において、円環部352aの径方向外側の端部は、ロータコア212の径方向外側の端部と、同じ位置に配置されている。円環部352aは、本体部321を囲んでいる。より詳細には、円環部352aは、貫通孔329b、第1平面322、および円周面321aを囲んでいる。円環部352aの径方向内縁の一部分は、後述する接続部352bと繋がっている。円環部352aの径方向内縁のその他の部分は、本体部321の第1平面322および円周面321aと接触している。なお、第1板状部352は、第1平面322および円周面321aと接触していなくてもよい。
【0083】
接続部352bは、貫通孔329bの内部に設けられている。接続部352bは、径方向に延びる四角柱状である。本実施形態では、接続部352bの外周面は、径方向の全体に亘って、貫通孔329bの内周面と接触している。つまり、接続部352bは、第1接触面327と接触している。したがって、第1板状部352は、第1接触面327に接触している。接続部352bの径方向外側の両端部は、それぞれ、円環部352aの径方向内縁と接続されている。本実施形態の樹脂部材350のその他の構成は、第2実施形態の樹脂部材250のその他の構成と同様である。
【0084】
本実施形態によれば、シャフト320は、シャフト320を径方向に貫通する貫通孔329bを有し、貫通孔329bが第1接触面327を有している。また、シャフト20は、第1接触面327と軸方向反対側を向く第2接触面28を有している。ロータコア212と固定される樹脂部材350が、第1接触面327および第2接触面28と接触している。そのため、シャフト320がロータコア212に対して軸方向に移動しようとしても、樹脂部材350が第1接触面327または第2接触面28に引っ掛かり、シャフト320がロータコア212に対して軸方向に移動することを抑制できる。したがって、軸方向において、樹脂部材350を介して、シャフト320をロータコア212に固定できる。また、貫通孔329bの内部に設けられる接続部352bの径方向外側の両端部は、それぞれ、円環部352aの径方向内縁と接続されている。そのためシャフト320が、ロータコア212に対して周方向に相対回転することをより抑制できる。したがって、周方向において、シャフト320をロータコア212により強固に固定できる。
【0085】
本実施形態によれば、第1平面322の軸方向一方側の端部は、シャフト320の軸方向一方側の面と接続されている。そのため、シャフト320を、対向部218を有するロータコア212の中央孔214に、ロータコア212の軸方向他方側から容易に挿入できる。また、シャフト320は、ロータコア212よりも軸方向一方側に貫通孔329bを有し、第1接触面327は貫通孔329bの内面であって、軸方向他方側を向く面である。そのため、ロータコア212に固定される樹脂部材350が、軸方向他方側を向く第1接触面327と接触できる。したがって、軸方向において、樹脂部材350を介して、シャフト320をロータコア212に固定できる。
【0086】
本実施形態によれば、第1平面322の軸方向他方側の端部は、ロータコア212よりも軸方向他方側に位置し、第2接触面28は、第1平面322の軸方向他方側の端部から径方向外側に延びる面であり、かつ、軸方向一方側を向いている。また、シャフト320は、軸方向他方側を向く第1接触面327を有している。ロータコア212と固定される樹脂部材350が第1接触面327および第2接触面28と接触している。そのため、シャフト320がロータコア212に対して軸方向に移動しようとしても、樹脂部材350が第1接触面327または第2接触面28に引っ掛かるため、シャフト320がロータコア212に対して軸方向に移動することを抑制できる。したがって、軸方向において、樹脂部材350を介して、シャフト320をロータコア212に固定できる。
【0087】
本実施形態によれば、樹脂部材350は、ロータコア212の軸方向一方側を向く面に設けられる第1板状部352と、ロータコア212の軸方向他方側を向く面に設けられる第2板状部253と、を有している。第1板状部352は、第1接触面327と接触し、第2板状部253は、第2接触面28と接触している。そのため、シャフト320がロータコア212に対して軸方向に移動しようとしても、第1板状部352が第1接触面327に、または、第2板状部253が第2接触面28に、引っ掛かるため、シャフト320がロータコア212に対して軸方向に移動することを抑制できる。したがって、軸方向において、樹脂部材350を介して、シャフト220をロータコア212に固定できる。
【0088】
なお、本実施形態において、貫通孔329bの位置および形状などは、ロータコア212にシャフト320を固定できるならば、特に限定されない。例えば、第1接触面327がロータコア212の軸方向一方側の端部よりも、軸方向一方側に位置し、第1接触面327と第1板状部352とが接触するならば、貫通孔329bの軸方向他方側の端部は、ロータコア212の軸方向一方側の端部よりも軸方向他方側に位置していてもよい。貫通孔329bの形状は矩形形状に限定されず、円形状、三角形状等のその他の形状であってもよい。また、シャフト320に2個以上の貫通孔を設けてもよい。
【0089】
<第4実施形態>
図12に示すように、本実施形態のロータ410において、シャフト420は、複数の第1平面を有している。本実施例では、2つの第1平面422a,422bを有している。第1平面422a,422bは、それぞれ、シャフト420が有する本体部421の外周面に設けられている。第1平面422a,422bは、それぞれ、径方向外側を向く平面である。第1平面422aと第1平面422bとは、互いに、径方向反対側を向いている。第1平面422a,422bは、それぞれ、軸方向に延びている。第1平面422a,422bの一部は、中央孔14の内部に配置されている。中央孔14の内部において、第1平面422a,422bは、それぞれ、中央孔14の内周面から径方向に離れて配置されている。第1平面422a,422bの軸方向一方側の端部は、それぞれ、ロータコア12よりも軸方向一方外側に位置し、かつ、本体部421の軸方向一方側の端部よりも軸方向他方側に位置している。第1平面422a,422bの軸方向他方側の端部は、それぞれ、ロータコア12よりも軸方向他方側に位置し、かつ、本体部421の軸方向他方側の端部よりも軸方向一方側に位置している。軸方向において、第1平面422a,422bの軸方向一方側の端部は、同じ位置に配置されている。軸方向において、第1平面422a,422bの軸方向他方側の端部は、同じ位置に配置されている。
【0090】
第1接触面427aは、第1平面422aの軸方向一方側の端部から、径方向外側に延びる面である。第1接触面427bは、第1平面422bの軸方向一方側の端部から、径方向外側に延びる面である。第1接触面427a,427bは、それぞれ、軸方向他方側を向いている。第1接触面427a,427bは、それぞれ、ロータコア12よりも軸方向一方側に位置している。軸方向において、第1接触面427a,427bは、互いに同じ位置に配置されている。第1接触面427aは、後述する樹脂部材450が有する対向部451aと接触している。第1接触面427bは、後述する樹脂部材450が有する対向部451bと接触している。
【0091】
第2接触面428aは、第1平面422aの軸方向他方側の端部から、径方向外側に延びる面である。第2接触面428bは、第1平面422bの軸方向他方側の端部から、径方向外側に延びる面である。第2接触面428a,428bは、それぞれ、軸方向一方側を向いている。第2接触面428a,428bは、それぞれ、ロータコア12よりも軸方向他方側に位置している。軸方向において、第2接触面428a,428bは、互いに同じ位置に配置されている。第2接触面428aは、後述する、樹脂部材450が有する対向部451aと接触している。第2接触面428bは、後述する、樹脂部材450が有する対向部451bと接触している。本実施形態のシャフト420のその他の構成は、第1実施形態のシャフト20のその他の構成と同様である。
【0092】
図12に示すように、本実施形態のロータ410において、樹脂部材450は、対向部451a,451b、第1板状部52、第2板状部53、複数の連結部54、および複数の側面連結部55を有している。
【0093】
対向部451a,451bは、それぞれ、軸方向に延びている。対向部451aの一部は、中央孔14の内周面と第1平面422aとの径方向の間に位置している。対向部451bの一部は、中央孔14の内周面と第1平面422bとの径方向の間に位置している。対向部451a,451bは、軸方向に見て、径方向外側に凸となる略半円形状である。対向部451aの軸方向一方側の端部は、第1接触面427aと接触している。対向部451aの軸方向他方側の端部は、第2接触面428aと接触している。対向部451bの軸方向一方側の端部は、第1接触面427bと接触している。対向部451bの軸方向他方側の端部は、第2接触面428bと接触している。対向部451aは、第2平面451cを有している。対向部451bは、第2平面451dを有している。
【0094】
第2平面451c,451dは、それぞれ、径方向内側を向く平面である。第2平面451cと第2平面451dは、互いに、径方向反対側を向いている。第2平面451cは、第1平面422aと対向している。本実施形態では、第2平面451cと、第1平面422aとは互いに接触している。第2平面451dは、第1平面422bと対向している。本実施形態では、第2平面451dと、第1平面422bとは互いに接触している。本実施形態の樹脂部材450のその他の構成は、第1実施形態の樹脂部材50のその他の構成と同様である。また、本実施形態のロータ410のその他の構成は、第1実施形態のロータ10のその他の構成と同様である。
【0095】
本実施形態によれば、シャフト420は、2つの第1平面422a,422bを有している。第1平面422a,422bは、それぞれ、中央孔14の内部において、ロータコア12と固定される樹脂部材450が有する第2平面451c,451dと対向している。つまり、周方向の2か所において、第1平面422a,422bは、それぞれ、第2平面451c,451dと対向している。そのため、周方向において、樹脂部材450を介して、シャフト420をロータコア12により強固に固定できる。シャフト420は、2つの第1接触面427a,427bと、2つの第2接触面428a,428bと、を有している。また、樹脂部材450は、2つの第1接触面427a,427b、および、2つの第2接触面428a,428bと接触している。そのため、軸方向において、樹脂部材450を介して、シャフト420をロータコア12により強固に固定できる。したがって、シャフト420をロータコア12に圧入することなく、樹脂部材450を介して、シャフト420をロータコア12により強固に固定できる。よって、シャフト420の外周面に凹凸部を設ける必要がなく、シャフト420の外周面にローレット加工を施す必要がない。したがって、シャフト420の加工工数および製造コストを削減できる。
【0096】
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成および他の方法を採用することもできる。例えば、ロータコアの外コア部は円環形状等であってもよい。また、ロータコアは外コア部を有しなくてもよい。また、連結部の軸方向両端が第1板状部および第2板状部と接続されるならば、全ての連結孔は同じ形状でもよいし、全ての連結孔は異なる形状であってもよい。
【0097】
シャフトがロータコアに固定されるならば、シャフトはどのような形状でもよい。例えば、シャフトが備える第1平面の個数は、1個または2個に限定されず、例えば、3個以上の第1平面を設けてもよい。シャフトが備える凹部の個数および配置は、どのような個数および配置であってもよい。例えば、シャフトのうちロータコアの中央孔の内部に位置する部分に凹部を設けてもよい。この場合、凹部の内部の面と樹脂部材の対向部とが接触することで、より好適にシャフトをロータコアに固定できる。また、シャフトのうちロータコアよりも軸方向他方側に位置する部分に凹部を設けてもよい。この場合、凹部の軸方向を向く内面と樹脂部材とが接触することで、シャフトをロータコアに固定できる。シャフトが備える貫通孔の個数および配置は、シャフトがロータコアに固定されるならば、どのような個数および配置であってもよい。例えば、シャフトの中央孔の内部に位置する部分に貫通孔を設けてもよい。この場合、貫通孔の内部の面と樹脂部材の対向部とが接触することで、より好適にシャフトをロータコアに固定できる。また、ロータコアよりも軸方向他方側に貫通孔を設けてもよい。この場合、貫通孔の内面と樹脂部材とが接触することで、シャフトをロータコアに固定できる。
【0098】
樹脂部材がロータコアに安定して固定されるならば、樹脂部材はどのような構成であってもよい。連結部の数および側面連結部の数は特に限定されない全ての連結部は同じ形状でもよいし、全ての連結部は異なる形状であってもよい。また、連結部および側面連結部は設けられなくてもよい。
【0099】
本発明が適用されるロータを備える回転電機の用途は、特に限定されない。回転電機は、ポンプ以外の機器に搭載されてもよい。回転電機は、モータに限られず、発電機であってもよい。回転電機を備えるポンプの用途は、特に限定されない。ポンプによって送られる流体の種類は、特に限定されず、水などであってもよい。回転電機およびポンプは、車両以外の機器に搭載されてもよい。なお、本明細書において説明した各構成および各方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0100】
10,210,310,410…ロータ、12,212…ロータコア、14,214…中央孔、20,220,320,420…シャフト、22,222,322,422a,422b…第1平面、27,227,327,427a,427b…第1接触面、28,428a,428b…第2接触面、50,250,350,450…樹脂部材、51,451a,451b…対向部、51a,218a,451c,451d…第2平面、52,252,352…第1板状部、53,253…第2板状部、60…ポンプ機構、80…回転電機、90…ポンプ、229a…凹部、329b…貫通孔、J…中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12