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特開2023-61718レンタカー機能連動型自動車販売支援システム
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  • 特開-レンタカー機能連動型自動車販売支援システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061718
(43)【公開日】2023-05-02
(54)【発明の名称】レンタカー機能連動型自動車販売支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0283 20230101AFI20230425BHJP
   G06Q 30/0645 20230101ALI20230425BHJP
【FI】
G06Q30/02 490
G06Q30/06 350
G06Q30/02 492
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021171819
(22)【出願日】2021-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】592105583
【氏名又は名称】株式会社JCM
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】川邊 憲一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB55
5L049BB68
(57)【要約】
【課題】
中古車販売事業者が、中古車の仕入、レンタカー貸出、販売の一連の収支を管理でき、特に、中古車のレンタカー売上等を、その中古車の販売価格の決定や見積額の決定に反映することのできるレンタカー機能連動型自動車販売支援システムを提供せんとする。
【解決手段】
中古車のレンタカー情報(24)等が一画面に表示される管理システム(20)と、レンタカーの売上情報等を有するレンタルシステム(60)と、中古車販売の伝票情報等が一画面に表示される見積システム(80)とからなるシステムであって、中古車をレンタカーとして使用した場合には、レンタルシステム(60)において入力等されたレンタカー売上(61’)等が管理システム(20)のレンタカー情報(24)に反映され、レンタカー売上等を踏まえた販売価格(26)の決定等が行えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中古車販売事業者における中古車販売価格の決定を支援するシステムであって、
該システムは、中古車の仕入情報、車輌情報、仕入価格情報、レンタカー情報、販売価格情報が一画面に表示される管理システムと、レンタカーの予約管理情報、貸出情報、売上情報を有するレンタルシステムと、中古車販売の商談情報、伝票情報が一画面に表示される見積システムとからなり、
前記中古車をレンタカーとして使用した場合には、前記レンタルシステムにおいて入力及びCPUにより計算されたレンタカー売上がCPUにより前記管理システムのレンタカー情報に反映され、前記レンタルシステムにおいて入力した走行距離がCPUにより前記管理システムの車輌情報に反映され、さらに、前記管理システムの前記レンタカー情報には、前記仕入価格情報である仕入価格、手続代行原価等の原価情報、及び加修費等の経費情報からCPUにより計算された仕入合計額と、前記レンタカー情報の前記レンタカー売上とからCPUにより計算された合計期待収益が表示され、
レンタカーとしての使用歴のある前記中古車を販売する場合には、前記管理システムの一画面上で販売価格の入力を行い、次いで、前記販売価格及び前記走行距離がCPUにより前記見積システムの前記伝票情報に反映され、前記見積システムの一画面上で値引額の入力を行う
ことを特徴とするレンタカー機能連動型自動車販売支援システム。
【請求項2】
前記管理システムのレンタカー情報において、レンタカーの他に代車が選択可能であり、代車を選択した場合には、前記レンタルシステムが、代車の予約管理情報、貸出情報、売上情報を有する請求項1に記載のレンタカー機能連動型自動車販売支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンタカー機能連動型自動車販売支援システムに関わり、さらに詳しくは、中古車のレンタカー使用時におけるレンタカー売上を仕入原価に反映し、小売に転用する適切なタイミングを判断するレンタカー機能連動型自動車販売支援システムの提供にある。
【背景技術】
【0002】
中古車販売事業者の中には、別途の設備投資の必要が無く、既存顧客を中心に営業を行うことができる等の利点から、販売対象の車輌についてレンタルを行うレンタカー事業をも手掛ける事業者が存在する。
レンタカー使用歴のある車輌の販売に関し、中古車販売事業とレンタカー事業を連携させるシステムが提案されてきた。
【0003】
特許文献1では、中古車のレンタルを申し込む申請者に対し、そのレンタルによりレンタカーとして利用中の中古車を販売することができるシステムについて開示されている。
特許文献2では、車輌について自家用と他人へのレンタル使用の両方の用途を予定する車輌の購入予定者に対し、自家分価格の提示等をするシステムについて開示されている。
【0004】
レンタカー事業をも手掛ける中古車販売事業者が、ひとつの中古車について、仕入からレンタカー貸出を経て販売するという一連の業務を、利益の把握という観点から俯瞰できるシステムは存在しなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】大韓民国公開特許10-2015-0120602号公報
【特許文献2】特開2018-77592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、中古車販売事業者が、ひとつの中古車について、仕入、レンタカー貸出、販売までの一連の収支を管理でき、特に、中古車のレンタカー売上を仕入原価に反映できるため、小売に転用する適切なタイミングを判断できるレンタカー機能連動型自動車販売支援システムを提供せんとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、中古車販売事業者における中古車販売価格の決定を支援するシステムであって、
該システムは、中古車の仕入情報、車輌情報、仕入価格情報、レンタカー情報、販売価格情報が一画面に表示される管理システムと、レンタカーの予約管理情報、貸出情報、売上情報を有するレンタルシステムと、中古車販売の商談情報、伝票情報が一画面に表示される見積システムとからなり、
前記中古車をレンタカーとして使用した場合には、前記レンタルシステムにおいて入力・CPUにより計算されたレンタカー売上がCPUにより前記管理システムのレンタカー情報に反映され、前記レンタルシステムにおいて入力した走行距離がCPUにより前記管理システムの車輌情報に反映され、さらに、前記管理システムの前記レンタカー情報には、前記仕入価格情報である仕入価格、手続代行原価等の原価情報、及び加修費等の経費情報からCPUにより計算された仕入合計額と、前記レンタカー情報の前記レンタカー売上とからCPUにより計算された合計期待収益が表示され、
レンタカーとしての使用歴のある前記中古車を販売する場合には、前記管理システムの一画面上で販売価格の入力を行い、次いで、前記販売価格及び前記走行距離がCPUにより前記見積システムの前記伝票情報に反映され、前記見積システムの一画面上で値引額の入力を行う
ことを特徴とするレンタカー機能連動型自動車販売支援システムに関する。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記管理システムのレンタカー情報において、レンタカーの他に代車が選択可能であり、代車を選択した場合には、前記レンタルシステムが、代車の予約管理情報、貸出情報、売上情報を有する請求項1に記載のレンタカー機能連動型自動車販売支援システムに関する。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によれば、レンタカー事業をも手掛ける中古車販売事業者が、同事業者によるレンタカー貸出歴のある中古車を販売する際に、レンタルシステムにより入力やCPUにより計算がされたレンタカー売上及び走行距離が、管理システムの一画面上のレンタカー情報、車輌情報にCPUにより各々反映され、さらに、前記管理システムの前記レンタカー情報には、前記仕入価格情報である仕入価格、手続代行原価等の原価情報、及び加修費等の経費情報からCPUにより計算された仕入合計額及び前記レンタカー情報の前記レンタカー売上からCPUにより計算された合計期待収益が同じ一画面に表示される。
これにより、中古車販売事業者は、前記管理システムの一画面上で効率良く前記中古車の合計期待収益、走行距離、その他の諸情報を検討することができ、正確な利益を把握し、販売価格の決定を行うことができる。
【0010】
商談においては、中古車販売の商談情報、伝票情報が一画面に表示され見積を行う見積システムにおいて、前記管理システムにおいて決定した販売価格の他、走行距離、預り法定費用、手続代行費用等の諸情報が伝票情報として同じ一画面に表示される。
これにより、中古車販売事業者は、前記見積システムの一画面上で効率良く前記中古車の販売価格、走行距離、その他の諸情報を検討することができ、正確な利益を把握しつつ購入希望者と商談を行い、必要に応じ値引額の決定を行うことができる。
【0011】
上述の販売価格や値引額の決定を、レンタカー売上等が反映された一画面上で効率良く諸情報を検討し正確な利益を把握しつつ行うことができるということが、本発明の最大の特徴である。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、整備工場において販売対象の中古車を代車として貸し出す場合にも該システムを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るフローチャートである。
図2】本発明の管理システムにおいて表示される画面の概略図である。
図3】本発明のレンタルシステムの概略図である。
図4】本発明の見積システムにおいて表示される画面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について詳述するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
【0015】
中古車販売事業者が、仕入先(1)から車輌を仕入れる。
中古車販売事業者は、仕入(2)の管理システム(20)において、仕入情報(21)に、仕入れた車輌の仕入日、入庫日、仕入担当者、保管場所等の仕入に関する諸情報を登録し、また、車輌情報(22)に、仕入れた車輌のメーカー名、車名、年式、ミッション、エンジン、排気量、車種、走行距離(62)、車輌用途(29)、車検・点検費用等の車輌に関する諸情報を登録し、また、仕入価格情報(23)に、仕入価格、付属品原価、手続代行原価、預り法定原価、加修費、リサイクル料等の仕入価格に関する諸情報を登録し、また、レンタカー情報(24)に、仕入れた車輌がレンタカーとして使用された場合に係るレンタカー経費(修理費、オイル交換費用等)を登録する。
中古車販売事業者は、仕入れた前記車輌について、レンタカーとして一度も貸し出すことなく販売する場合(3)は、管理システム(20)において一画面に表示される仕入情報(21)、車輌情報(22)、仕入価格情報(23)の上記の様々な要素を効率良く参照しながら、販売価格情報(25)の欄において販売価格(26)の決定入力を行い、見積システム(80)に移行する。
【0016】
見積システム(80)では、顧客名、商談日、商談担当者等の商談に関する諸情報が登録される商談情報(81)と、管理システム(20)で決定入力した販売価格(26)、管理システム(20)で表示されていた走行距離(62)、整備費用、手続代行費用、預り法定費用等の伝票情報(82)が一画面に表示される。
別の形態として、例えば、顧客名等については、別途データベースの登録情報をCPUにより表示させる態様も可能である(図示せず)。
【0017】
中古車販売事業者は、購入希望者との商談(7)においては、一画面に表示される商談情報(81)、伝票情報(82)の上記の様々な要素を効率良く参照しながら、正確な利益を把握しつつ購入希望者と商談を行い、必要に応じた値引額(83)を決定入力し、見積(8)を行う。
【0018】
中古車販売事業者は、仕入れた前記車輌についてレンタカーとして貸し出す場合(3)は、管理システム(20)の車輌情報(22)において車輌用途(29)をレンタカーとした後、レンタルシステム(60)に移行する。
レンタルシステム(60)では、レンタカーの予約管理、貸出を行い(図示せず)、返却された場合に、走行距離(62’)及びレンタカー売上(61’)が確定される。
【0019】
前項を詳述する。
レンタカー売上(61’)については、貸出の段階でレンタルシステム(60)に入力及びCPUにより計算された金額が、返却時の実績により確定され、CPUにより、管理システム(20)のレンタカー情報(24)のレンタカー売上(61)に反映される。
走行距離(62’)については、貸出時距離を管理システム(20)の車輌情報(22)の走行距離(62)から、CPUによりレンタルシステム(60)に表示させ、返却された場合に、レンタルシステム(60)に返却時距離を入力し、その走行距離(62’)が、CPUにより管理システム(20)の車輌情報(22)の走行距離(62)に反映される。
【0020】
中古車販売事業者は、レンタカーとして貸し出した車輌について販売する場合は、仕入(2)の管理システム(20)において一画面に表示される仕入情報(21)、車輌情報(22)、仕入価格情報(23)、レンタカー情報(24)の上述の様々な要素を参照しながら販売価格情報(25)の欄において販売価格(26)の決定入力を行う。
【0021】
前項を詳述する。
このときの車輌情報(22)の走行距離(62)には、上述のとおり、レンタカーとして使用されたときの走行距離(62’)が反映されており、レンタカー情報(24)のレンタカー売上(61)にはレンタカーとして使用されたことによるレンタカー売上(61’)が反映されており、さらに、レンタカー情報(24)には、仕入価格情報(23)である仕入価格、手続代行原価等の原価情報、及び加修費等の経費情報からCPUにより計算された仕入合計額(27)、及び、この仕入合計額(27)と前記レンタカー売上(61)とからCPUにより計算された合計期待収益(28)が表示されている。
中古車販売事業者は、管理システム(20)に表示される、レンタカー売上(61)を踏まえてCPUにより計算された合計期待収益(28)をも一画面中で参照することで、効率良く正確な利益を把握しつつ、販売価格の決定を行うことができる。
【0022】
見積システム(80)に移行する。
見積システム(80)における実施するための形態については上述と同様である。
【0023】
管理システム(20)の車輌情報(22)で車輌用途(29)においては、レンタカーの他、代車を選択させる構成とすることができる。
整備工場における代車の用途についても、本発明のシステムを適用することができる。
【0024】
中古車に限らず、未使用車(登録済みであるが使用されていない車輌)についても、本発明のシステムを適用できることはもちろんのことである。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明のレンタカー機能連動型自動車販売支援システムは、レンタカー売上やレンタカーとしての走行距離を踏まえての中古車販売価格の決定及び値引額の決定が行えることから、レンタカー事業をも手掛ける中古車販売業界で利用価値が高い。また、自動車整備事業をも手掛ける中古車販売業界での利用価値が高い。
【符号の説明】
【0026】
20:管理システム
21:仕入情報
22:車輌情報
23:仕入価格情報
24:レンタカー情報
25:販売価格情報
26:販売価格
27:仕入合計額
28:合計期待収益
29:車輌用途
60:レンタルシステム
61、61’:レンタカー売上
62、62’:走行距離
80:見積システム
81:商談情報
82:伝票情報
83:値引額
図1
図2
図3
図4