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  • 特開-傘カバーと親骨の一体構造 図1
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  • 特開-傘カバーと親骨の一体構造 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061850
(43)【公開日】2023-05-02
(54)【発明の名称】傘カバーと親骨の一体構造
(51)【国際特許分類】
   A45B 25/18 20060101AFI20230425BHJP
【FI】
A45B25/18 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021172040
(22)【出願日】2021-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】504002388
【氏名又は名称】株式会社 東京丸惣
(74)【代理人】
【識別番号】100080595
【弁理士】
【氏名又は名称】西垣 康雄
(72)【発明者】
【氏名】相馬 和之
【テーマコード(参考)】
3B104
【Fターム(参考)】
3B104AA04
3B104UA03
3B104WB04
(57)【要約】
【課題】一般用傘の中綴じ工程に代えて適用できることはもちろんのこと、特に耳のない一枚張りの傘カバーと親骨の合体に適する傘カバーと親骨の一体構造を提供することを目的とする。
【解決手段】リングの一部が縫着されてなる平坦状貼布は傘生地裏側の親骨に
沿う傘生地個所に平面接合されるとともに、このリングと親骨が、親骨に設け
られた貫口を介して連結されることにより傘カバーと親骨との一体化を強化し
たものである。
【選択図】図1






【特許請求の範囲】
【請求項1】
リングの一部が縫着されてなる平坦状貼布は傘生地裏側の親骨に沿う傘生
地個所に平面接合されるとともに、このリングと親骨が、親骨に設けられた貫
口を介して連結されることにより傘カバーと親骨とを一体化させたことを特徴
とする傘カバーと親骨の一体構造。
【請求項2】
リングと親骨が親骨に設けられた貫口を介して縫い糸で縫着連結されることにより傘カバーと親骨とを一体化させたことを特徴とする請求項1記載の傘カバーと親骨の一体構造。
【請求項3】
リングの一部が縫着されてなる平坦状貼布は傘生地裏側の親骨に沿う傘生地個所に平面接合されるとともに、このリングと親骨が、親骨に設けられた貫口を介してボールロックで連結されることにより傘カバーと親骨とを一体化させたことを特徴とする請求項1記載の傘カバーと親骨の一体構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傘カバーと親骨の一体構造に係り、とくに三角コマ縫い合わせの耳がない一枚張りの傘に好適な傘カバーと親骨の一体構造に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従前の一般的な傘においては、図6に示されるように、傘用生地を三角状に裁断した三角コマ20を親骨21の数に応じて縫い合わせて傘カバー22を作り、ついで三角コマ10の縫い合わせで傘内部に出来る耳23を縫い代として親骨21を通常は2ヶ所あるいは3ヶ所でこの縫い代に縫い止め24する中綴じ工程により傘カバー22と親骨21を一体化し親骨21が浮かないようにしていた。
しかしながら、近時、柄などが継ぎ目無く表現される一枚張りの傘が消費者の人気を博するようになってきたが、一枚張りでは一枚の生地を傘に張り合わせるため縫い山を利用した中綴じ工程が不要となる。反面、縫い山を利用した骨と生地との接着がないと傘を閉じたときに生地が泳ぎぶかぶかとなる状態になり、とくに傘を閉じたときに生地が一緒に閉じなくてはならない折り畳み傘では閉じられる骨と接着していない生地は浮いてしまい、うまく傘をたたむことが出来ない問題があった。
そのことから、骨と生地を接着するために、たとえば特許文献1に示されるように親骨と傘生地をボンドで接着したり、あるいは図7に示すように、傘生地の末端部分だけを切り通常の傘の同じ耳25を作りこれを利用して縫い合わせたりするなどの手段が講じられてきた。
しかしながら、上記したような親骨と傘生地をボンドで接着する手段については、親骨の材質が樹脂あるいは金属なのに対して生地は繊維という異種の素材どうしに適した接着剤がないことから、短時間の使用ではがれてしまう欠点があり、また、傘生地の末端部分だけを縫い合わせる手段にあっては、末端部分の傘の柄がずれてしまい、柄などが継ぎ目無く表現される一枚張りの良さが失われるという問題が生じたものである。
【特許文献1】特開2018-183557号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記した実状に鑑みてなされたもので、リングの一部が縫着されてなる平坦状貼布は傘生地裏側の親骨に沿う傘生地個所に平面接合されるとともに、このリングと親骨が、親骨に設けられた貫口を介して連結されることにより傘カバーと親骨とを一体化を強固にした、傘カバーと親骨の一体構造を提供することを目的とするものである。
また本発明は、リングの一部が縫着されてなる平坦状貼布は傘生地裏側の親骨に沿う傘生地個所に平面接合されるとともに、このリングと親骨が、親骨に設けられた貫口を介して縫い糸で縫着連結されることにより傘カバーと親骨との一体化を強固にした、傘カバーと親骨の一体構造を提供することを目的とするものである。
さらにまた本発明は、リングの一部が縫着されてなる平坦状貼布は傘生地裏側の親骨に沿う傘生地個所に平面接合されるとともに、このリングと親骨が、親骨に設けられた貫口を介してボールロックで連結されることにより傘カバーと親骨とを一体化を強固にした、傘カバーと親骨の一体構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記した実状に鑑みてなされたもので、リングの一部が縫着されてなる平坦状貼布は傘生地裏側の親骨に沿う傘生地個所に平面接合されるとともに、このリングと親骨が、親骨に設けられた貫口を介して連結されることにより傘カバーと親骨とを一体化させたものである。
【0005】
リングと親骨とは親骨に設けられた貫口を介して縫い糸で縫着連結されるようにしてもよいし、またボールロックなどで連結されるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る傘カバーと親骨の一体構造によれば、リングの一部が縫着されてなる平坦状貼布は傘生地裏側の親骨に沿う傘生地個所に平面接合されるとともに、このリングと親骨に設けられた貫口とが連結されることにより傘カバーと親骨とを一体化を強固にでき、従前の技術手段に見受けられた傘カバーから親骨が浮いたり、縫い代が剥がれたりすることがなくなり、一枚張りの傘カバーと親骨の合体に適用できる顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る傘カバーと親骨の一体構造の実施の一例を示す要部概略平面図である。
図2】本発明に係る傘カバーと親骨の一体構造の実施の一例を示す要部概略斜視図である。
図3】本発明に係る傘カバーと親骨の一体構造の実施の一例を示す要部概略図である。
図4】本発明に係る傘カバーと親骨の一体構造の別の実施例を示す概略説明図である。
図5】本発明に係る傘カバーと親骨の一体構造の別の実施例を示す概略説明図である。
図6】従前の耳を利用した中綴じを示す概略説明図である。
図7】従前の傘カバー末端部のみに設けた耳を利用した中綴じを示す概略説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
リングの一部が縫着されてなる平坦状貼布は傘生地裏側の親骨に沿う傘生地個所に平面接合されるとともに、このリングと親骨に設けられた貫口を介して親骨に連結されることにより傘カバーと親骨との一体化を強固にしたものである。
【実施例0009】
以下、本発明の傘カバーと親骨の一体構造1を自動開閉折り畳み傘に適用した実施例について、図1図3に従って説明する。
図1において、2は平坦状貼布、3はリングであり、平坦状貼布2は傘カバー生地4と同素材の傘用生地によりなり、その半面は傘裏側の親骨5の中綴じ部6に沿う傘生地4aに平面接合熔着されている。またこの前記リング3と親骨5は、リング3と親骨5に設けられた貫口7,7を通り親骨外側からリング3に戻る縫い糸8が巻回縫着されている。図3に示されるように、別に親骨の任意な個所にも必要に応じて同様に設置する。
この場合において、上記平坦状貼布2は傘カバー生地4と同素材の傘用生地からなるので異種素材に比べて接着材がなじみやすく、また平面接合であることから強固に合体でき、親骨5と傘カバー生地4を一体化させる強度を十二分に備えるから、風圧や経年劣化による親骨と傘カバー生地が離れる不具合も解消できることとなる。
【実施例0010】
以下、本発明の傘カバーと親骨の一体構造10を適用した別の実施例について、図4および図5の概略説明図に従って説明する。
図4は本発明の構成要素を示し、11はボールロックピン、12はこのボールロックピンに取り付けられたリング、13は親骨、14,14は親骨の開口である。図5は本発明が適用された概略説明図であり、平坦状貼布15が親骨に沿った傘生地に平面接合熔着されこの平坦状貼布15にリング12の一部が縫着されていることは上記実施例1と同じである。ボールロックピン11を押しボタン(図示しない)を押しながら開口に挿入貫通させ押しボタンを放せばボール16が飛び出ることにより連結されることとなる。
【0011】
尚、上記実施例において示した平坦状貼布を傘用生地に取り付ける手段は実施例に限らず、どのような平面接合手段でもよい。リングの形状も実施例に限定されることなくリングを備える限りにおいて種々様々な形体のものが選択できる。リングを複数備える部品を用いてもよい。また平坦状貼布の素材は傘用生地として傘カバーと同じ傘生地を用いたが、これに限らないことは勿論である。さらにリングと親骨に設けられた貫口との連結手段については実施例では縫着手段と、ボールロックピンを用い手段を例示したが連結手段はこれらに限定されない。実施例1では親骨の両側に対で設けられたふたつの貫口を使用したが、ひとつの貫口だけでもよいし、親骨の同側にふたつの貫口を並べて使用してもよいなど貫口の数はリングと連結できる限り限定されない。さらにまた親骨に本発明を適用する個所も傘の種類、大小などにより任意な位置、数とすればよいのは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0012】
リングの一部が縫着されてなる平坦状貼布は傘生地裏側の親骨に沿う傘生地個所に平面接合されるとともに、このリングと親骨が、親骨に設けられた貫口を介して連結されることにより傘カバーと親骨とを一体化を強固にでき、傘カバーから親骨が浮いたり、縫い代が剥がれたりすることがなくなり、近時普及が進んでいる耳のない一枚張りの傘カバーと親骨の合体に適する顕著な効果が得られる。
【符号の説明】
【0013】
1 実施例1に示す傘カバーと親骨の一体構造
2 平坦状貼布
3 リング
4 傘カバー生地
5 親骨
6 中綴じ部
7 貫口
8 縫い糸
10 実施例2に示す傘カバーと親骨の一体構造
11 ボールロックピン
12 リング
13 親骨
14 貫口
15 平坦状貼布
16 ボール
17 縫い糸
18 傘カバー生地
21 三角コマ
22 親骨
23 耳
24 縫い止め部
25 耳










図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7