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特開2023-61857魚や物体を触らずにリリースし易くする釣り針
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  • 特開-魚や物体を触らずにリリースし易くする釣り針 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061857
(43)【公開日】2023-05-02
(54)【発明の名称】魚や物体を触らずにリリースし易くする釣り針
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/00 20060101AFI20230425BHJP
【FI】
A01K85/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021185235
(22)【出願日】2021-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】521496319
【氏名又は名称】石川 昇
(71)【出願人】
【識別番号】521496320
【氏名又は名称】石川 博敏
(72)【発明者】
【氏名】石川 昇
(72)【発明者】
【氏名】石川 博敏
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307AB01
2B307AB16
2B307AB21
(57)【要約】
【課題】釣り上げた魚は手や捕獲具などで固定して釣り針を外さなければならない。魚が釣り針を呑み込んでしまった時や水中の物体に釣り針が引っ掛かってしまった時は、針が簡単に外れなくなる。糸の強度以上の大きな魚が釣れた時には、糸が切れることがある。これらの課題を解決する釣り針を提供する。
【解決手段】釣り針と糸の締結位置を針根元部(1)と針先近傍部(3)の2箇所に設け、上記の課題が発生した時には、針根元部(1)と第1糸(4)を締結している第1締結具(5)を手動または自動で解除することにより、第1糸(4)の張力が針先近傍部(3)の1箇所に集中して作用する。このことで、第1糸(4)の張力は、針先の向きと逆方向となり、魚や物体から釣り針を外す方向に作用するようになり、上記の課題を解決する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1糸(4)を針根元部(1)と針先近傍部(3)の2箇所で締結し、針根元部(1)の締結は手動又は自動で解除できることを特徴とする釣り針。
【請求項2】
針根元部(1)から針先近傍部(3)に至る間の針の側面には、この間を連結する第1糸(4)を一時的に保持するガイド(6)を設けた。第1糸(4)は、針根元部(1)に締結されているときはガイド(6)の内側で保持され、針根元部(1)における締結が解除されると、針根元部(1)から針先近傍部(3)に向かってガイド(6)の外側に外れるようにした釣り針。
【請求項3】
針根元部(1)で第1糸(4)を一時的に固定するため、針根元部(1)には手動又は自動でこの固定を解除できる第1締結具(5)を取付けた。釣った魚を針から外すときや、針が魚以外の物体に引っ掛かったときは、針根元部(1)に固定された第1糸(4)を第1締結具(5)から解除することにより、針と糸の締結部は針先近傍部(3)の一箇所のみとなって針先部(2)と第1糸(4)が直線上に位置するようになる。このことによって、糸の張力が針先の向きと逆方向に作用するようになり、魚や物体が針から外れ易くなる釣り針。
【請求項4】
スプリング(8)は、スプリング上端部(8a)で第2糸(7)とともに第2締結具(9)に固定され、スプリング下端部(8b)で第1糸(4)に連結する。リリース索(10)は、リリース索下端部(10b)で第1締結具(5)に固定され、第2締結具(9)を貫通してリリース索上端部(10a)に至る。リリース索上端部(10a)は、第2締結具(9)を貫通できない大きさを有し、リリース索(10)の可動範囲を制限する。このことによって、リリース索上端部(10a)を手動で引くことにより、又はスプリング(8)が伸張し、スプリング上端部(8a)に固定された第2締結具(9)がリリース索上端部(10a)を引き上げることにより、針根元部(1)に固定された第1糸(4)を第1締結具(5)から手動又は自動で解除できるようにした釣り針。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
釣り上げた魚を手でおさえないで針から外し易くした釣り針に関する。
【0002】
糸が切れる前に針が外れ易くなる釣り針に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
釣り上げた魚を手や捕獲具などで固定して針を外さなければならない。その際、魚にダメージを与える。魚を固定した手や捕獲具などに臭いや汚れが付く。危険な魚を釣り上げた場合は、とげ、歯、毒針などで怪我をする。これらのことは釣りの初心者が嫌がる事でもある
【0004】
魚が針を呑み込むと、針が簡単に外れないことがある。無理に針を取ろうとすると、魚にダメージを与える。
【0005】
糸の強度以上の大きな魚が釣れた場合には、糸が切れることがある。糸が切れることで、魚に針や糸などの仕掛けが固着するので魚にダメージを与える。本発明の目的は、釣り上げた魚を手でおさえないで針から外し易くするとともに、糸が切れる前に針が外れ易くなる釣り針を提供することにある。
【0006】
水中にある物体に針が引っ掛かることがある。物体に針が引っ掛かり、無理に取れば、糸が切れて、糸や針などが釣り場の底や水中に残る。そのことで、環境に悪い影響を与える。
【課題を解決するための手段】
【0007】
魚を外す際には、リリース索上端部(10a)を手動で引くことによって、リリース索下端部(10b)で針根元部(1)と第1糸(4)を固定している第1締結具(5)を解除する。このことにより、針と糸の締結部は針先近傍部(3)の一箇所のみとなり、針先部(2)と第1糸(4)が直線上に位置するようになるため、第1糸(4)の張力は針先部(2)から魚を外す方向に作用するようになり、魚から針を外れ易くする。よって、課題〔0003〕〔0004〕を解決する。
【0008】
糸の強度以上の大きな魚が釣れたり水中の物体に針が引っ掛かったりして第1糸(4)と第2糸(7)に作用する張力が所定の大きさを超えると、スプリング(8)が伸張し、スプリング上端部(8a)に固定された第2締結具(9)がリリース索上端部(10a)を引き上げることによって第1締結具(5)が解除され、針と糸の締結部は針先近傍部(3)の一箇所のみとなり、針先部(2)と第1糸(4)が直線上に位置するようになるため、第1糸(4)の張力は針先部(2)が魚や物体から外れ易くなる方向に作用するようになる。よって、課題〔0005〕〔0006〕を解決する。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、釣り針から魚を外す場合、魚が針を呑み込んでしまった場合、糸の強度以上の大きな魚が釣れた場合、針が水中の物体に引っ掛かった場合などにおいて、魚や物体が針先部(2)から外れ易くなる。針が引っ掛かった場合には糸が切れる前に針が外れ易くなる。
【0010】
釣った魚は手で触らずに針が外れ易くなるため、釣り針による怪我を削減し、魚へのダメージも軽減できる。
【0011】
また、糸や針などが釣り場の底や水中に残ることが無くなるため、魚や環境への負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る釣り針の構成部品図である。
図2】リリース索を引いて、リリース機構を手動で作動させた直後の釣り針と糸の締結状況である。
図3】釣り糸に所定の大きさを超える張力が作用し、リリース機構が自動で作動した直後の釣り針と糸の締結状況である。
図4】リリース機構が作動完了した後の釣り針と糸の締結状況である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1図2図4は本発明に係る釣り針の実施例を示す。図1において釣った魚を針から外す際には、リリース索上端部(10a)を手動で引くことによって、図2に示すように、リリース索下端部(10b)に連結された第1締結具(5)が針根元部(1)と第1糸(4)の締結を解除する。このことにより、図4に示すように、針と糸の締結部は針先近傍部(3)の一箇所のみとなり、針先部(2)と第1糸(4)が直線上に位置するようになるため、第1糸(4)の張力は針先部(2)から魚を外す方向に作用するようになり、魚から針を外れ易くする。
【0014】
図3は、釣り針に大きな魚や物体がかかり、釣り糸に所定の大きさを超える張力が作用したときの本発明に係る釣り針の実施例を示す。図3において、第1糸(4)と第2糸(7)に作用する張力が所定の大きさを超えると、スプリング(8)が伸張し、スプリング上端部(8a)に固定された第2締結具(9)がリリース索上端部(10a)を引き上げることによって第1締結具(5)が解除される。このことにより、図4に示すように、針と糸の締結部は針先近傍部(3)の一箇所のみとなり、針先部(2)と第1糸(4)が直線上に位置するようになるため、第1糸(4)の張力は針先部(2)が魚や物体から外れ易くなる方向に作用するようになり、魚や物体を外れ易くする。
【符号の説明】
【0015】
1 針根元部
2 針先部
3 針先近傍部
4 第1糸
5 第1締結具
6 ガイド
7 第2糸
8 スプリング
8a スプリング上端部
8b スプリング下端部
9 第2締結具
10 リリース索
10a リリース索上端部
10b リリース索下端部
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-02-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
第1糸(4)は、針根元部(1)から針先近傍部(3)に至る間の針の側面に設けられたガイド(6)の溝に保持され、針根元部(1)では第1締結具(5)にて締結解除も可能とし、針先近傍部(3)では固定されており、針根元部(1)の締結を解除すると、第1糸(4)は針先近傍部(3)の1箇所で固定されるため、この1箇所に第1糸(4)の張力が集中して作用することによって、第1糸(4)はその張力によって針根元部(1)から針先近傍部(3)に向かってガイド(6)の溝から徐々に外れる時に魚や物体を針から外れ易くすることを特徴とする釣り針。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項2】
針根元部(1)における第1糸(4)の締結を解除すると、第1糸(4)は、針先近傍部(3)の1箇所で固定されるため、この1箇所に第1糸(4)の張力が集中して作用することによって、針根元部(1)から針先近傍部(3)に向かってガイド(6)の外側に外れて、最終的には糸の張力が針先の向きと逆方向に作用するようになり、魚や物体を針から外れ易くすることを特徴とする請求項1に記載の釣り針。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項3】
リリース索上端部(10a)を引くことによって、針根元部(1)で第1糸(4)を一時的に締結している第1締結具(5)を解除し、釣った魚を触らずに針から外れ易くすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の釣り針。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項4】
スプリング(8)は、スプリング上端部(8a)で第2糸(7)とともに第2締結具(9)に固定され、スプリング下端部(8b)で第1糸(4)に固定されており、リリース索(10)は、リリース索下端部(10b)で第1締結具(5)に固定され、第2締結具(9)を貫通してリリース索上端部(10a)に至り、リリース索上端部(10a)は、第2締結具(9)を貫通できない大きさを有し、リリース索(10)の可動範囲を制限することによって、糸の強度以上の大きな魚が釣れたり水中の物体に針が引っ掛かったりして第1糸(4)と第2(7)に作用する張力が許容限界に近 づくと、スプリング(8)が伸張し、スプリング上端部(8a)に固定された第2締結具(9)がリリース索上端部(10a)を引き上げる機構(スプリング機構)により、針根元部(1)に締結された第1糸(4)を第1締結具(5)から解除し、このことによって、魚や物体を針から外れ易くすることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の釣り針。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
魚を外す際には、リリース索上端部(10a)を引くことによって、リリース索下端部(10b)で針根元部(1)と第1糸(4)を締結している第1締結具(5)を解除する。このことにより、針と糸の固定は針先近傍部(3)の一箇所のみとなり、この1箇所に第1糸(4)の張力が集中して作用することによって、第1糸(4)は、その張力によって針根元部(1)から針先近傍部(3)に向かってガイド(6)の溝から徐々に外れる時に、先ずは針先部(2)を中心として針を回転させ、やがて針根元部(1)が魚口の内部や周辺部に接触すると、この接触部位を支点として針先部(2)を引く抜く力を発生させて魚から針を外れ易くさせ、最終的には第1糸(4)の張力を針先の向きと逆方向に作用させるようになり、魚から針を外れ易くする。よって、課題[0003][0004]を解決する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
糸の強度以上の大きな魚が釣れたり水中の物体に針が引っ掛かったりして第1糸(4)と第2糸(7)に作用する張力が許容限界に近づくと、スプリング(8)が伸張し、スプリング上端部(8a)に固定された第2締結具(9)がリリース索上端部(10a)を引き上げることによって、針根元部(1)で第1糸(4)を締結している第1締結具(5)解除する。このことにより、針と糸の固定は針先近傍部(3)の一箇所のみとなり、この1箇所に第1糸(4)の張力が集中して作用することによって、第1糸(4)は、その張力によって針根元部(1)から針先近傍部(3)に向かってガイド(6)の溝から徐々に外れる時に、先ずは針先部(2)を中心として針を回転させ、やがて針根元部(1)が魚口の内部や周辺部あるいは物体の表面に接触すると、この接触部位を支点として針先部(2)を引く抜く力を発生させて魚や物体から針を外れ易くさせ、最終的には第1糸(4)の張力を針先の向きと逆方向に作用させるようになり、魚や物体から針を外れ易くる。よって、課題[0005][0006]を解決する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
図1】本発明に係る釣り針の構成部品図である。
図2】リリース索上端部(10a)を引いて、リリース機を作動させた直後の釣り針と糸の締結状況である。
図3】釣り糸の張力が許容限界に近づくと、スプリング(8)が伸長し、第1締結具(5)と第2締結具(9)を連携させたスプリング機構によってリリース機が作動した直後の釣り針と糸の締結状況である。
図4】リリース機が作動完了した後の釣り針と糸の締結状況である。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
図1図2図4は本発明に係る釣り針の実施例を示す。図1において釣った魚を針から外す際には、リリース索上端部(10a)を引くことによって、図2に示すように、リリース索下端部(10b)に連結された第1締結具(5)が針根元部(1)と第1糸(4)の締結を解除する。このことにより、針と糸の固定は針先近傍部(3)の一箇所のみとなり、この1箇所に第1糸(4)の張力が集中して作用することによって、第1糸(4)は、その張力によって針根元部(1)から針先近傍部(3)に向かってガイド(6)の溝から徐々に外れる時に、先ずは針先部(2)を中心として針を回転させ、やがて針根元部(1)が魚口の内部や周辺部に接触すると、この接触部位を支点として針先部(2) を引く抜く力を発生させて魚から針を外れ易くさせ、最終的には図4に示すように、第1糸(4)の張力は針先部(2)かられ易くなる方向に作用するようになり、魚から針を外れ易くする。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
図3は、釣り針に大きな魚や物体がかかり、釣り糸の張力が許容限界に近づいたときの本発明に係る釣り針の実施例を示す。図3において、第1糸(4)と第2糸(7)に作用する張力が許容限界に近づくと、スプリング(8)が伸張し、スプリング上端部(8a)に固定された第2締結具(9)がリリース索上端部(10a)を引き上げることによって第1締結具(5)が解除される。このことにより、針と糸の固定は針先近傍部(3)の一箇所のみとなり、この1箇所に第1糸(4)の張力が集中して作用することによって、第1糸(4)は、その張力によって針根元部(1)から針先近傍部(3)に向かってガイド(6)の溝から徐々に外れる時に、先ずは針先部(2)を中心として針を回転させ、やがて針根元部(1)が魚口の内部や周辺部あるいは物体の表面に接触すると、この接触部位を支点として針先部(2)を引く抜く力を発生させて魚や物体から針を外れ易くさせ、最終的には図4に示すように、第1糸(4)の張力は針先部(2)が魚や物体から外れ易くなる方向に作用するようになり、魚や物体から針を外れ易くする。