(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061868
(43)【公開日】2023-05-02
(54)【発明の名称】地盤掘削装置
(51)【国際特許分類】
E21B 6/04 20060101AFI20230425BHJP
E21B 7/20 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
E21B6/04
E21B7/20
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022005400
(22)【出願日】2022-01-18
(62)【分割の表示】P 2021171743の分割
【原出願日】2021-10-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】595101665
【氏名又は名称】株式会社オーク
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】樫本 孝彦
【テーマコード(参考)】
2D129
【Fターム(参考)】
2D129AB16
2D129BA03
2D129BB03
2D129DA23
2D129DB05
2D129EA02
2D129EA11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】岩盤層を掘削する作業期間を短縮することができる地盤掘削装置を提供する。
【解決手段】ケーシング2を全周回転装置1によって回転させながら圧入し、該ケーシング2内の地盤Gをハンマーグラブ3により掘削し、該地盤Gが備える岩盤層Gbに到達した際、該岩盤層Gbを掘削する地盤掘削装置であって、全周回転装置1の設置はそのままで、ケーシング2内よりハンマーグラブ3を引き抜き、ケーシング2の上部に設けられているメス型ジョイント部2aに対応するテーブルマシーン4の下部に設けられているオス型ジョイント部4aをメス型ジョイント部2aに嵌合させることで、ケーシング2の上部にテーブルマシーン4を設置し、ケーシング2内にダウンザホールハンマ7を挿入し、該ダウンザホールハンマ7を全周回転装置1ではなく、テーブルマシーン4によって回転させることによって、岩盤層Gbを該ダウンザホールハンマ7にて所定深度まで掘削する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングを全周回転装置によって回転させながら圧入し、該ケーシング内の地盤をハンマーグラブにより掘削し、該地盤が備える岩盤層に到達した際、該岩盤層を掘削する地盤掘削装置であって、
前記全周回転装置の設置はそのままで、前記ケーシング内より前記ハンマーグラブを引き抜き、前記ケーシングの上部に設けられている第1ジョイント部に対応するテーブルマシーンの下部に設けられている第2ジョイント部を前記第1ジョイント部に嵌合させることで、前記ケーシングの上部にテーブルマシーンを設置し、前記ケーシング内にダウンザホールハンマを挿入し、該ダウンザホールハンマを前記全周回転装置ではなく、前記テーブルマシーンによって回転させることによって、前記岩盤層を該ダウンザホールハンマにて所定深度まで掘削する地盤掘削装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤掘削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地盤を掘削する工法として、オールケーシング工法が知られている。このオールケーシング工法は、直径が1~3m程度のケーシング(あるいはケーシングチューブ)と呼ばれる鋼管パイプを、掘削機で回転させ、地盤に対して鉛直方向に押し込み、地盤を掘り下げていくとともに、クレーンに設けられたハンマ―グラブでケーシング内の地盤を掘削しつつ排土していく方法である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のようなオールケーシング工法を用いて地盤を掘削していった際、その地盤が備える岩盤層に到達すると、岩盤層の締め付けによる摩擦抵抗が大きくなることから、ケーシングを岩盤層に押し込んで掘り下げていくための負荷が大きくなる。そのため、上記のようなオールケーシング工法では、岩盤層を掘削する作業期間が非常に長くなるといった問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、岩盤層を掘削する作業期間を短縮することができる地盤掘削装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0007】
請求項1の発明によれば、ケーシング(2)を全周回転装置(1)によって回転させながら圧入し、該ケーシング(2)内の地盤(G)をハンマーグラブ(3)により掘削し(
図1(a)参照)、該地盤(G)が備える岩盤層(Gb)に到達した際、該岩盤層(Gb)を掘削する地盤掘削装置であって、
前記全周回転装置(1)の設置はそのままで、前記ケーシング(2)内より前記ハンマーグラブ(3)を引き抜き、前記ケーシング(2)の上部に設けられている第1ジョイント部(メス型ジョイント部2a)に対応するテーブルマシーン(4)の下部に設けられている第2ジョイント部(オス型ジョイント部4a)を前記第1ジョイント部(メス型ジョイント部2a)に嵌合させることで、前記ケーシング(2)の上部にテーブルマシーン(4)を設置し(
図1(b)参照)、前記ケーシング(2)内にダウンザホールハンマ(7,7A)を挿入し、該ダウンザホールハンマ(7,7A)を前記全周回転装置(1)ではなく、前記テーブルマシーン(4)によって回転させることによって、前記岩盤層(Gb)を該ダウンザホールハンマ(7,7A)にて所定深度まで掘削することを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0009】
請求項1に係る発明によれば、地盤(G)が備える岩盤層(Gb)に到達すると、全周回転装置(1)の設置はそのままで、ケーシング(2)内よりハンマーグラブ(3)を引き抜き、ケーシング(2)の上部に設けられている第1ジョイント部(メス型ジョイント部2a)に対応するテーブルマシーン(4)の下部に設けられている第2ジョイント部(オス型ジョイント部4a)を第1ジョイント部(メス型ジョイント部2a)に嵌合させることで、ケーシング(2)の上部にテーブルマシーン(4)を設置する。そして、ケーシング(2)内にダウンザホールハンマ(7,7A)を挿入し、該ダウンザホールハンマ(7,7A)を全周回転装置(1)ではなく、テーブルマシーン(4)によって回転させることによって、岩盤層(Gb)を該ダウンザホールハンマ(7,7A)にて所定深度まで掘削する。これにより、ダウンザホールハンマ(7,7A)を併用するオールケーシング工法にて、岩盤層(Gb)を備える地盤(G)を掘削することが可能となる。
【0010】
しかして、本発明によれば、ハンマーグラブ(3)のみを用いた従来のオールケーシング工法に比べ、ダウンザホールハンマ(7,7A)を併用することができることから、岩盤層(Gb)を掘削する作業期間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る地盤掘削装置を用いた地盤掘削工法を順に示す概略縦断面図であり、(a)は、岩盤層までハンマーグラブを用いて掘削している状態を示し、(b)は、ケーシングの上部にテーブルマシーンを設置しようしている状態を示し、(c)は、ダウンザホールハンマを用いて岩盤を掘削している状態を示す図である。
【
図2】同実施形態に係る地盤掘削装置を用いた地盤掘削工法を順に示す概略縦断面図であり、(a)は、ダウンザホールハンマを引き抜いた状態を示し、(b)は、ハンマーグラブを用いて岩砕を回収している状態を示し、(c)は、ケーシング内に鉄筋かごを挿入している状態を示し、(d)は、杭造成が完了した状態を示す図である。
【
図3】本発明の第2実施形態に係る地盤掘削装置を用いた地盤掘削工法を順に示す概略縦断面図であり、(a)は、ダウンザホールハンマを用いて岩盤を掘削している状態を示し、(b)は、ダウンザホールハンマを引き抜いた状態を示し、(c)は、チゼルハンマを用いて岩盤孔の周壁部を破砕している状態を示し、(d)は、(c)に示すケーシングの下面側を平面から見た図である。
【
図4】同実施形態に係る地盤掘削装置を用いた地盤掘削工法を順に示す概略縦断面図であり、(a)は、ハンマーグラブを用いて岩砕を回収している状態を示し、(b)は、ケーシング内に鉄筋かごを挿入している状態を示し、(c)は、杭造成が完了した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1実施形態の説明>
以下、本発明に係る地盤掘削装置を用いた地盤掘削工法の第1実施形態を、
図1~
図2を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0013】
図1に示すような、砂層、土泥層、転石層、礫層等からなる浅部層Gaと、深部側に岩盤層Gbとを備える地盤Gを掘削するにあたって、まず、
図1(a)に示すように、地盤G上に従来周知の構造からなる全周回転装置1を設置する。そして、この全周回転装置1に、
図1(a)に示す軸方向(上下長手方向)に長尺な略円筒状のケーシング2の外周面を掴持させて、全周回転させながらケーシング2を、
図1(a)に示すように、地盤G中に圧入する。この際、
図1(a)に示すように、ケーシング2内にハンマーグラブ3を挿入し、ケーシング2内の地盤G(浅部層Ga)を掘削する。なお、ハンマーグラブ3は、
図1(a)に示す、ブームBを備えたクローラクレーンMに昇降操作可能に吊持されている。より詳しく説明すると、
図1(a)に示すように、クローラクレーンMは、ブームBの先端に設けられたシーブSに巻上ロープRを掛け回し、巻上ロープRの先端にフックFを接続することによって、作業姿勢としている。そして、このクローラクレーンMのフックFに接続されている吊支ワイヤWによって、クラウンKが所定高さに保持され、このクラウンKを垂直方向に貫通する昇降操作用ワイヤW1によって、ハンマーグラブ3は、吊持されている。
【0014】
かくして、このようにして、ケーシング2内の地盤G(浅部層Ga)をハンマーグラブ3で掘削していき、
図1(a)に示すように、岩盤層Gbに到達するまで掘削する。
【0015】
次いで、岩盤層Gbに到達すると、ハンマーグラブ3をケーシング2内より引き抜き、
図1(b)に示すように、ケーシング2の上部にテーブルマシーン4を取り付け固定する。より詳しく説明すると、
図1(b)に示すように、ケーシング2の上部には、中空円筒状のメス型ジョイント部2aが設けられており、このメス型ジョイント部2aに対応する中空円筒状のオス型ジョイント部4aがテーブルマシーン4の下部に設けられている。これにより、メス型ジョイント部2aにオス型ジョイント部4aを嵌合させるようにすれば、ケーシング2の上部にテーブルマシーン4を取り付け固定できることとなる。なお、オス型ジョイント部4aは、テーブルマシーン4の反力架台の役割も担うものでもある。
【0016】
次いで、テーブルマシーン4の駆動用円環部材(図示せず)内に、
図1(c)に示すように、軸方向(上下長手方向)に長尺状に形成されたロッド5を挿入する。これにより、ロッド5の外周面に設けられている凸条部5aが、駆動用円環部材(図示せず)凹条部(図示せず)に係合される。そして、このロッド5の上部5bには、
図1(c)に示すように、スイベル機構6が図示しない連結ピン等を用いて連結され、このスイベル機構6は、フックFに接続されている吊支ワイヤWにて吊支される。そしてさらに、ロッド5の下部5cには、大口径(例えば、1000mm,1200mm,1500mm)式のダウンザホールハンマ7が設けられる。
【0017】
かくして、
図1(c)に示すように、ダウンザホールハンマ7がケーシング2内に挿入され、ロッド5をテーブルマシーン4の駆動用円環部材(図示せず)内に挿入し、ダウンザホールハンマ7の上部7aにロッド5の下部5cを取り付けるようにすれば、
図1(c)に示すような状態となる。この状態で、スイベル機構6の圧力エアによってダウンザホールハンマ7を上下動させて岩盤層Gbに打撃力を加え、さらに、図示しない油圧モータにより駆動用円環部材(図示しない)を回転させると、ロッド5も回転することとなり、もって、ダウンザホールハンマ7も回転することとなる。しかして、このダウンザホールハンマ7の打撃力と回転力によって、
図1(c)に示すように、岩盤層Gbを所定深度まで掘削できることとなる。
【0018】
次いで、岩盤層Gbを所定深度までダウンザホールハンマ7を用いて掘削した後、
図2(a)に示すように、ケーシング2内より、ダウンザホールハンマ7及びロッド5を引き抜くようにする。なお、
図2(a)に示すように、岩盤層Gbには、所定深度までダウンザホールハンマ7を用いて掘削したことによって、岩盤孔Gbaが形成されている。
【0019】
次いで、
図2(b)に示すように、ケーシング2の上部に取り付け固定されているテーブルマシーン4を取り外し、全周回転装置1にてケーシング2を全周回転させながら、岩盤孔Gbaに圧入する。この際、ケーシング2内にハンマーグラブ3を挿入し、ハンマーグラブ3を用いて、岩盤層Gbを掘削した際発生した岩砕を回収する。なお、ハンマーグラブ3は、
図2(b)に示すように、
図1(a)に示すものと同一の方法(図示では、同一の符号を付し、説明を省略する)で、吊持されている。
【0020】
次いで、
図2(c)に示すように、ケーシング2内に鉄筋かご8を挿入し、コンクリートCO(
図2(d)参照)を打設する。そして、コンクリートCO(
図2(d)参照)を打設した後、ケーシング2を、地盤G中より引き抜き、全周回転装置1を地盤Gより撤去する。これにより、
図2(d)に示すように、杭造成が完了することとなる。
【0021】
かくして、このようにして、地盤Gを掘削し、杭造成をすることができる。
【0022】
しかして、以上説明した本実施形態によれば、地盤Gが備える岩盤層Gbに到達すると、全周回転装置1の設置はそのままで、ケーシング2内よりハンマーグラブ3を引き抜き、ケーシング2の上部に設けられているメス型ジョイント部2aに対応するテーブルマシーン4の下部に設けられているオス型ジョイント部4aをメス型ジョイント部2aに嵌合させることで、ケーシング2の上部にテーブルマシーン4を設置する。そして、ケーシング2内にダウンザホールハンマ7を挿入し、そのダウンザホールハンマ7を全周回転装置1ではなく、テーブルマシーン4によって回転させることによって、岩盤層Gbをダウンザホールハンマ7にて所定深度まで掘削する。これにより、ダウンザホールハンマ7を併用するオールケーシング工法にて、岩盤層Gbを備える地盤Gを掘削することが可能となる。
【0023】
しかして、本実施形態によれば、ハンマーグラブ3のみを用いた従来のオールケーシング工法に比べ、ダウンザホールハンマ7を併用することができることから、岩盤層Gbを掘削する作業期間を短縮することができる。
【0024】
<第2実施形態の説明>
次に、本発明に係る地盤掘削装置を用いた地盤掘削工法の第2実施形態を、
図3~
図4を参照して具体的に説明する。なお、第1実施形態と同一の部材については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略することとする。
【0025】
第2実施形態に係る地盤掘削装置を用いた地盤掘削工法は、
図1(a)~(b)までは同一であるため、説明は省略する。
【0026】
次いで、テーブルマシーン4の駆動用円環部材(図示せず)内に、
図3(a)に示すように、軸方向(上下長手方向)に長尺状に形成されたロッド5Aを挿入する。これにより、ロッド5Aの外周面に設けられている凸条部5Aaが、駆動用円環部材(図示せず)凹条部(図示せず)に係合される。そして、このロッド5Aの上部5Abには、
図3(a)に示すように、スイベル機構6が図示しない連結ピン等を用いて連結され、このスイベル機構6は、フックFに接続されている吊支ワイヤWにて吊支される。そしてさらに、ロッド5Aの下部5Acには、ロッド5Aの内径と略同径のダウンザホールハンマ7Aが設けられている。
【0027】
かくして、ダウンザホールハンマ7Aが設けられているロッド5Aをテーブルマシーン4の駆動用円環部材(図示せず)内に挿入すると共に、ケーシング2内に挿入することにより、
図3(a)に示すような状態となる。この状態で、スイベル機構6の圧力エアによってダウンザホールハンマ7Aを上下動させて岩盤層Gbに打撃力を加え、さらに、図示しない油圧モータにより駆動用円環部材(図示しない)を回転させると、ロッド5Aも回転することとなり、もって、ダウンザホールハンマ7Aも回転することとなる。しかして、このダウンザホールハンマ7Aの打撃力と回転力によって、
図3(a)に示すように、岩盤層Gbを所定深度まで掘削できることとなる。
【0028】
次いで、岩盤層Gbを所定深度までダウンザホールハンマ7Aを用いて掘削した後、
図3(b)に示すように、ケーシング2内より、ダウンザホールハンマ7A及びロッド5Aを引き抜くようにする。なお、
図3(b)に示すように、岩盤層Gbには、所定深度までダウンザホールハンマ7Aを用いて掘削したことによって、岩盤孔GbAaが形成されている。
【0029】
ところで、この岩盤孔GbAaは、
図3(b)及び
図3(d)に示すように、ケーシング2の径よりも小径となっている。そのため、ケーシング2を岩盤孔GbAa内に圧入するのは困難である。
【0030】
そこで、本実施形態においては、
図3(c)に示すように、ケーシング2の上部に取り付け固定されているテーブルマシーン4を取り外し、チゼルハンマ9をケーシング2内に挿入し、岩盤孔GbAaにめがけて落下させるようにする。これにより、岩盤孔GbAaの周壁部GbAa1が破砕されることとなる。すなわち、
図3(d)に示すように、ケーシング2の下面に位置する岩盤層Gbには、中心位置に円形状の岩盤孔GbAaが刳り抜かれ、自由面が形成されることとなるから、チゼルハンマ9が
図3(c)に示すように、岩盤孔GbAaに向かって落下してくれば、簡単容易に、岩盤孔GbAaの周壁部GbAa1が破砕されることとなる。
【0031】
次いで、岩盤孔GbAaの周壁部GbAa1を破砕した後、ケーシング2内よりチゼルハンマ9を引き抜き、
図4(a)に示すように、全周回転装置1にてケーシング2を全周回転させながら、破砕した岩盤孔GbAaに圧入する。この際、ケーシング2内にハンマーグラブ3を挿入し、ハンマーグラブ3を用いて、岩盤層Gbを掘削及び岩盤孔GbAaの周壁部GbAa1を破砕した際発生した岩砕を回収する。なお、ハンマーグラブ3は、
図2(b)に示すものと同一の方法で、吊持されている。
【0032】
次いで、
図4(b)に示すように、ケーシング2内に鉄筋かご8を挿入し、コンクリートCO(
図4(c)参照)を打設する。そして、コンクリートCO(
図4(c)参照)を打設した後、ケーシング2を、地盤G中より引き抜き、全周回転装置1を地盤Gより撤去する。これにより、
図4(c)に示すように、杭造成が完了することとなる。
【0033】
かくして、ダウンザホールハンマ7Aが、第1実施形態に示すダウンザホールハンマ7のように大径でなくとも、地盤Gを掘削し、杭造成をすることができる。
【0034】
しかして、以上説明した本実施形態によれば、地盤Gが備える岩盤層Gbに到達すると、全周回転装置1の設置はそのままで、ケーシング2内よりハンマーグラブ3を引き抜き、ケーシング2の上部に設けられているメス型ジョイント部2aに対応するテーブルマシーン4の下部に設けられているオス型ジョイント部4aをメス型ジョイント部2aに嵌合させることで、ケーシング2の上部にテーブルマシーン4を設置する。そして、ケーシング2内にダウンザホールハンマ7Aを挿入し、そのダウンザホールハンマ7Aを全周回転装置1ではなく、テーブルマシーン4によって回転させることによって、岩盤層Gbをダウンザホールハンマ7Aにて所定深度まで掘削し、岩盤孔GbAaを形成する。これにより、ダウンザホールハンマ7Aを併用するオールケーシング工法にて、岩盤層Gbを備える地盤Gを掘削することが可能となる。
【0035】
しかして、本実施形態においても、ハンマーグラブ3のみを用いた従来のオールケーシング工法に比べ、ダウンザホールハンマ7Aを併用することができることから、岩盤層Gbを掘削する作業期間を短縮することができる。
【0036】
なお、本実施形態において示した地盤掘削装置を用いた地盤掘削工法はあくまで一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において種々の変形・変更が可能である。例えば、第1実施形態においては、岩盤孔Gbaを形成した後、ケーシング2を岩盤孔Gba内に圧入する例を示したが、それに限らず、ダウンザホールハンマ7を用いて岩盤層Gbを掘削しつつ、ケーシング2を圧入するようにしても良い。
【0037】
また、第2実施形態においては、岩盤孔GbAaの周壁部GbAa1を破砕した後、ケーシング2を圧入する例を示したが、それに限らず、岩盤孔GbAaの周壁部GbAa1を破砕しつつ、ケーシング2を圧入するようにしても良い。
【符号の説明】
【0038】
1 全周回転装置
2 ケーシング
3 ハンマーグラブ
4 テーブルマシーン
7,7A ダウンザホールハンマ
9 チゼルハンマ
G 地盤
Gb 岩盤層
GbAa 岩盤孔
GbAa1 周壁部