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特開2023-61898プラスチック容器を製造するためのプリフォームの製造および取出のための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061898
(43)【公開日】2023-05-02
(54)【発明の名称】プラスチック容器を製造するためのプリフォームの製造および取出のための装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/64 20060101AFI20230425BHJP
   B29C 71/00 20060101ALI20230425BHJP
   B29B 11/08 20060101ALN20230425BHJP
【FI】
B29C49/64
B29C71/00
B29B11/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022159495
(22)【出願日】2022-10-03
(31)【優先権主張番号】102021000026723
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】516023722
【氏名又は名称】サクミ・イモラ・ソシエタ・コーペラティバ
【氏名又は名称原語表記】SACMI IMOLA S.C.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロッサーノ・モスカ
(72)【発明者】
【氏名】マヌエル・ジョルジ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】制御すべきプリフォームの取り扱いを最小限に抑えることを可能にする、プラスチック容器を製造するためのプリフォームの製造および取出のための装置を提供する。
【解決手段】装置は、複数のプリフォームの射出成形のためのデバイスと、成形デバイスからのプリフォームの冷却および抜取のためのデバイスとを備え、冷却および抜取デバイスは、複数の冷却レセプタクルを形成するグリップアセンブリを含み、まだ温かいプリフォームを成形デバイスからグリップアセンブリに移送するための手段が設けられ、冷却および抜取デバイスは、行列状に配置された複数のグリップ本体を支持する取出プレート20を含み、それぞれのレセプタクルから冷却されたプリフォームを抜き取ってプリフォームの取出面22上に取り出す。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック容器を製造するためのプリフォーム(10)の製造および取出のための装置(1)であって、前記装置は、複数のプリフォーム(10)の射出成形のためのデバイス(2)と、前記成形のためのデバイス(2)からの前記プリフォーム(10)の冷却および抜取のためのデバイス(3)とを備え、前記冷却および抜取のためのデバイス(3)は、それぞれのプリフォーム(10)のための複数の冷却レセプタクルを形成するグリップアセンブリ(4)を含み、まだ暖かい前記プリフォームを前記成形のためのデバイスから前記グリップアセンブリ(4)に移送するための手段が設けられ、前記冷却および抜取のためのデバイス(3)は、行列状に配置された複数のグリップ本体(21)を支持する取出プレート(20)を含み、前記取出プレート(20)を、命令に応じて移動させることで、前記グリップアセンブリ(4)と選択的に係合させることにより、それぞれのレセプタクルから冷却された前記プリフォーム(10)を抜き取って前記プリフォーム(10)の取出面(22)上に取り出すことを可能にし、
前記装置(1)は、前記取出プレート(20)により、少なくとも1つのピックアップ方向(201)に沿って規則的に支持されたプリフォーム(10)の予め定められたサブセット(31)を選択的に抜き取るためのデバイス(30)と、前記プリフォーム(10)の予め定められたサブセット(31)に対して少なくとも1つの制御を実行するように適合させた少なくとも1つの制御および検査デバイス(40)に、前記プリフォーム(10)の予め定められたサブセット(31)を規則的に移送するための手段とを含むことを特徴とする、装置(1)。
【請求項2】
前記取出プレート(20)は、複数の行(22a)と前記複数の行に対して実質的に垂直な複数の列(22b)とに沿う行列状に配置された複数のグリップ本体(21)を支持し、前記取出プレート(20)によって支持される前記プリフォーム(10)の予め定められたサブセット(31)は、前記グリップ本体(21)の少なくとも1つの行(22a)によって支持される前記プリフォーム(10)に、または前記グリップ本体(21)の少なくとも1つの列(22b)に対応することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記選択的に抜き取るためのデバイス(30)は、抜き取る前記プリフォーム(10)を支持するための手段を形成する細長い本体(32)を含み、前記選択的に抜き取るためのデバイス(30)は、前記グリップ本体(21)の異なる行(22a)からおよび/またはグリップ本体(21)の異なる列(22b)から、支持される前記プリフォーム(10)を選択的にピックアップするように構成される、先行する請求項の1項以上に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記制御および検査デバイス(40)は、前記細長い本体(32)を移動させるための手段と機能的に関連付けられ、前記手段は、前記細長い本体(32)を、ピックアップ位置と搬送位置との間で移動させるように適合させたものであり、前記ピックアップ位置は前記取出プレート(20)に近接し少なくとも1つのそれぞれの行(22a)および/またはそれぞれの列(22b)にそれぞれ面しており、前記搬送位置は実質的に取出領域にあり、前記取出領域は、前記制御および検査デバイス(40)において前記プリフォーム(10)を規則的に送るように適合させたコンベヤ(50)に近接して配置される、先行する請求項の1項以上に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記制御および検査デバイス(40)は、
-ビデオカメラ(41)を有する先端シール検査ユニット、
-ビデオカメラ(42)を有する底部検査ユニット、
-ビデオカメラ(43)を有する本体欠陥検査ユニット、
-偏光またはグリッドを用いるビデオカメラ(44)を有するPET本体応力検査ユニット、
-ビデオカメラ(45)を有するスレッド分断線検査ユニット、
-ビデオカメラ(46)を有するスレッドおよびボトルネック欠陥検査ユニット、
-ビデオカメラを有するプリフォーム色検査ユニット、
-キャビティ番号を検出するためのユニット(46)、
-厚さを含むビデオカメラによる本体およびスレッドの測定のためのユニット、
-高温計(47)を有する温度を測定するためのユニット、および
-重量制御ユニット(48)
を含む群より選択された少なくとも1つのユニットを含むことを特徴とする、先行する請求項の1項以上に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記制御および検査デバイス(40)はさらに、
-光学センサを用いて厚さを測定するためのユニット、
-分光計を用いた色制御のためのユニット、
-断層撮影による3D再構成のためのユニット、
-嗅覚センサによるアセトアルデヒド検出のためのユニット
を含む群より選択された少なくとも1つのユニットを含むことを特徴とする、先行する請求項の1項以上に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記コンベヤは、
-ベルトまたはチェーンコンベヤ、
-エアジェットコンベヤ、
-1対の逆回転ローラ
を含む群より選択されることを特徴とする、先行する請求項の1項以上に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記コンベヤ(50)の下流に蓄積システムを備えることを特徴とする、先行する請求項の1項以上に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記蓄積システムの下流にタイミングシステムを備えることを特徴とする、先行する請求項の1項以上に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記制御および検査デバイス(40)は、3つのステーションに移送するためのクランプ(52)を含み、第2のステーションは、前記重量制御ユニット(48)を含む計量モジュールを含む、先行する請求項の1項以上に記載の装置(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの高温計(47)は、前記少なくとも1つの高温計(47)と前記プリフォームとの間での相対的な移動を可能にするように適合させたそれぞれの移動軸に関連付けられ、前記プリフォーム(10)の延長軸に沿って前記プリフォーム(10)の少なくとも1つの温度プロファイルを検出する、先行する請求項の1項以上に記載の装置(1)。
【請求項12】
回転中に検査を実行するためおよび/または前記プリフォーム(10)の周囲の温度プロファイルを検出するために、前記少なくとも1つのユニットに対して前記プリフォーム(10)を回転軸を中心として移動させるための手段を備えることを特徴とする、先行する請求項の1項以上に記載の装置(1)。
【請求項13】
前記制御および検査デバイス(40)が配置される領域のアクセスは、前記成形のためのデバイスのアクセスに対して分離されていることを特徴とする、先行する請求項の1項以上に記載の装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック容器を製造するためのプリフォームの製造および取出のための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック材料からなるプリフォームを成形によって製造するためのデバイスと、製造されたプリフォームを取り出して保管するためのデバイスとで構成された装置が知られている。
【0003】
取り出しデバイスは、通常、複数のレセプタクルを形成する冷却プレートで構成され、複数のレセプタクルは、行列状に配置され、それぞれのまだ暖かいプリフォームを、少なくとも部分的に冷却するのに必要な時間、収容するように設計されている。
【0004】
典型的に、これらのプリフォームは、典型的には射出型のプレス機から冷却プレートに直接供給され、予め定められた時間、それぞれのレセプタクルに留まる。
【0005】
具体的には、射出成形プロセスが終了すると、金型が開き、冷却プレートは、2つの金型部品のうちの一方に部分的に収容されているプリフォームに向かって移動し、プリフォームを金型部品から抜き取り金型を閉じて新たな成形サイクルを可能にするために、レセプタクルは、この金型部品から出ているプリフォームのそれぞれの部分と係合する。
【0006】
プラスチック容器を製造するためのプリフォームを冷却し抜き取るためのデバイスは、本願と同一の出願人名義の国際出願第PCT/EP2021/052440号から周知であり、それぞれのプリフォームのための複数のレセプタクルを形成する少なくとも1つのグリップアセンブリと、まだ暖かいプリフォームを射出成形デバイスから上記グリップアセンブリに移送するための手段とを含み、このデバイスは、冷却プレートを含む冷却および抜取アセンブリを含み、冷却プレートは、上記グリップアセンブリに面するように配置され、命令に応じて、グリップアセンブリにより近い位置とグリップアセンブリから離れた位置との間で移動することができる。冷却プレートは複数の冷却チャネルを支持し、複数の冷却チャネルは、冷却プレートがより近い位置にある状態で、それぞれのレセプタクル内に収容されたそれぞれのプリフォーム内に至るように設計され、それにより、その冷却速度を高めるようにプリフォームの内部に空気の噴流を送る。冷却および抜取アセンブリは、取出プレートを含み、取出プレートは、冷却プレートに対してグリップアセンブリの反対側に配置され、複数のグリップ本体を支持し、複数のグリップ本体は、命令に応じて移動して冷却プレートを横断することができ、それにより、より近い位置にある冷却プレート、およびそれぞれのプリフォームと、選択的に係合することで、それぞれのレセプタクルからの抜取を可能にする。
【0007】
成形されたプリフォームの品質を制御するためのデバイスも知られている。
プリフォーム品質管理を実行するための第1の方法は、プレス機の下流に並べて配置され製造されるすべてのプリフォームを制御するように構成された品質管理ユニットで構成された、成形されたプリフォームの品質管理のためのデバイスを使用し、必要な制御をすべて実行し、任意で不適合のプリフォームを不合格にする。
【0008】
不適合のプリフォームが検出されると、このユニットのディスプレイ上で報告され、任意で不合格にされる。配向デバイスが、プレス機と制御ユニットとの間に配置され、配向されていないプリフォームを、プレス機の取出ベルトから受け、品質制御ユニットに送るために配向する。順序はランダムであり、したがって、このユニットは、制御される各プリフォームがどの金型キャビティから得られたものかを識別するために、キャビティ番号の読取専用のビデオカメラを備えていなければならない。
【0009】
プリフォーム品質管理を実行するための第2の方法は、プレス機と並んでいないユニットの使用を提供する。この場合、オペレータは、たとえば、少なくとも1つの成形品をプレス機から取り出して品質制御ユニットに送り、品質制御ユニットは、重量制御を含む必要な制御を行う。この場合も、このユニットは、各プリフォームが金型のどのキャビティから得られたものかを識別するために、キャビティ番号の読取専用のビデオカメラを備えていなければならない。
【0010】
使用される最終的な方法は、いわゆる部分的な統計的制御の実行を提供するために使用される。特に、(たとえばプリフォームの色を制御するために)冷却プレートにおいて、または、プリフォーム排出ベルト上で直接何らかの制御を実行することができるようにするために、ビデオカメラの設置を提供する解決策が開発されている。しかしながら、この制御方法では、ビデオカメラが有効な画像を取得できるようにするために、重なり合っていないまたは配向されていないいくつかのプリフォーム上のいくつかの欠陥しか識別することができない。
【0011】
上記解決策は広く使用されているがいくつかの欠点を有する。
最初の2つのケースでは、配向デバイスすなわち追加のマシンを提供する必要があり、これは、コスト、より多い消費量、機械のダウンタイムの可能性を伴うが、プリフォームの損傷のすべてのリスクのうちの大半は、機械的な配向システムに起因する。
【0012】
これらのケースにおいて、製品を汚染させる可能性があるプラスチックの粉末および/または残渣も発生する可能性がある。
【0013】
さらに、記載されているすべての解決策において、制御されるプリフォームのキャビティ番号を読み取るための専用のビデオカメラを提供する必要がある。
【0014】
さらに、既知の解決策は、プラスチック材料からなるプリフォームの成形による製造のためのデバイスと、取出および保管デバイスとの統合が困難であり、実際、品質管理デバイスを含む各デバイスは、コンピュータ、電気パネル、制御システム等に機能的に接続され、最適化可能な構成要素の冗長性を生じさせる。
【0015】
統計的制御がインラインで実行される場合、製造デバイス(プレス機)および品質管理デバイスに関して装置の生産性を一律に揃える必要があり、装置の全体としての動作を保証するために、品質管理デバイスに問題がある場合に介入可能なバイパスシステムを設ける必要がある。
【0016】
制御がオフラインで実行される場合、成形品の品質管理の実行を所望するのであれば、制御マシンに供給するオペレータの介入が必要である。
【0017】
この場合、さらに、イベントとその検出との間に一定ではない時間の遅延があるので、プロセスパラメータをフィードバックまたは調整するために実行される制御の結果として得られるいかなる情報も使用することができない。
【0018】
部分的な統計的制御を実行する解決策に関して、これらの解決策は、各成形においてプリフォームの非常に小さなサンプルを分析し、正確ではない一般的な情報をさらに提供するが、その理由は、キャビティ番号を読み取りその結果として欠陥の場所を求めることが常に可能な訳ではないことにある点に、注意されたい。
【0019】
さらに、先に検出された問題を解決しようとして介入が行われたキャビティによって製造されたプリフォームがその後のサイクルで確実に分析される訳ではないので、発生した問題が解決されたか否かを検証することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】国際出願第PCT/EP2021/052440号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目標は、上述の態様の1つ以上において背景技術を改善することが可能な、プラスチック容器を製造するためのプリフォームの製造および取出のための装置を提供することである。
【0022】
この目標の範囲の中で、本発明の目的は、制御すべきプリフォームの取り扱いを最小限に抑えることを可能にする、プラスチック容器を製造するためのプリフォームの製造および取出のための装置を提供することである。
【0023】
本発明の別の目的は、現在使用されているユニットの数を減じることを可能にする、プラスチック容器を製造するためのプリフォームの製造および取出のための装置を提供することであり、これは、たとえばキャビティ番号を検出するビデオカメラまたは供給および配向デバイスを使用する必要性をなくし、結果として経済的な観点および空間占有という点での節約を伴い、同時に粉塵の発生を回避する。
【0024】
本発明の別の目的は、信頼性が高く提供が比較的容易な、プラスチック容器を製造するためのプリフォームの製造および取出のための装置を、競争力のあるコストで提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
以下で一層明らかになるこの目標ならびにこれらのおよびその他の目的は、従属請求項の特徴の1つ以上を任意に含む、請求項1に係るプラスチック容器を製造するためのプリフォームの製造および取出のための装置によって達成される。
【0026】
本発明のさらに他の特徴および利点は、非限定的な例として添付の図面に示される、本発明に係るプラスチック容器を製造するためのプリフォームの製造および取出のための装置のいくつかの好ましいが排他的ではない実施形態の説明から、一層明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明に係るプリフォームの製造および取出のための装置の平面図である。
図2図1の装置の側面図である。
図3】冷却および抜取デバイスの一部の拡大平面図であり、選択的抜取デバイスが、ピックアップ位置において点線で示され搬送位置の近傍では実線で示される。
図4図3に示される部分の側面図である。
図5】選択的抜取デバイスの平面図である。
図6図5の選択的抜取デバイスの側面図である。
図7】第1の状態の制御および検査デバイスの平面図である。
図8図7に示される状態の制御および検査デバイスの正面図である。
図9図7および図8に示される状態の制御および検査デバイスの側面図である。
図10】第2の状態の制御および検査デバイスの平面図である。
図11図10に示される状態の制御および検査デバイスの正面図である。
図12図10および図11に示される状態の制御および検査デバイスの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図面を参照すると、一般的に参照番号1で示される、本発明に係るプラスチック容器を製造するためのプリフォームの製造および取出のための装置は、複数のプリフォーム10を(射出によって)成形するためのデバイス2と、成形デバイスからのプリフォーム10の冷却および抜取のためのデバイス3とを含む。
【0029】
冷却および抜取デバイス3は、それぞれのプリフォーム10のための複数の冷却レセプタクルを形成するグリップアセンブリ4と、まだ暖かいプリフォームを成形デバイス2からグリップアセンブリ4に移送するための手段とを含む。
【0030】
冷却および抜取デバイス3は、行列状に配置された複数のグリップ本体21を支持する取出プレート20をさらに含み、取出プレートを、命令に応じて移動させることで、グリップアセンブリ4と選択的に係合させることにより、それぞれのレセプタクルから冷却されたプリフォームを抜き取ってプリフォーム10の取出面22上に取り出すことを可能にする。
【0031】
本発明に従うと、装置1は、取出プレート20により、少なくとも1つのピックアップ方向201に沿って規則的に支持されたプリフォーム10の予め定められたサブセット31を選択的に抜き取るためのデバイス30と、プリフォーム10の予め定められたサブセット31に対して少なくとも1つの制御を実行するように適合させた少なくとも1つの制御および検査デバイス40に、プリフォーム10の予め定められたサブセット31を規則的に移送するための手段とを含む。
【0032】
取出プレート20は、複数の行22aと複数の行22aに対して実質的に垂直な複数の列22bとに沿う行列状に配置された複数のグリップ本体21を支持する。
【0033】
取出プレート20によって支持されるプリフォーム10の予め定められたサブセット31は、グリップ本体21の少なくとも1つの行22aによって支持されるプリフォーム10に、またはグリップ本体21の少なくとも1つの列22bに対応する。
【0034】
有利には、選択的に抜き取るためのデバイス30は、抜き取るプリフォームを支持するための手段を形成する細長い本体32を含む。
【0035】
選択的に抜き取るためのデバイス30は、グリップ本体の異なる行22aおよび/またはグリップ本体の異なる列22bによって支持されるプリフォーム10を選択的にピックアップするように構成される。
【0036】
好都合には、制御および検査デバイス40は、細長い本体32を移動させるための手段と機能的に関連付けられ、この手段は、細長い本体32を、ピックアップ位置(図3に破線および仮想線で示す)と搬送のための位置との間で移動させるように適合させたものであり、上記ピックアップ位置において、細長い本体は、取出プレート20に近接して配置され、少なくとも1つのそれぞれの行22aおよび/またはそれぞれの列22bにそれぞれ面しており、上記搬送のための位置は、実質的に取出領域にあり、取出領域は、制御および検査デバイス40においてプリフォーム10を規則的に送るように適合させたコンベヤ50に近接して配置されている。
【0037】
細長い本体32の移動のための手段は、たとえば、それぞれのアクチュエータに関連付けられたリニアガイドを含み、少なくともピックアップ位置から搬送位置への移動方向202に沿った移動を可能にし、任意で、実質的に鉛直方向203に沿った移動も可能にし、最適な移動軌道をプログラムすることを可能にする。
【0038】
図面に示される実際の実施形態を参照すると、移動方向は、ピックアップ方向201に対して実質的に直角をなして延びていてもよい。
【0039】
細長い本体32は、好都合には、その対面する長手方向の縁部32aでプリフォーム10を保持するクランプ構造を含む。
【0040】
好都合には、制御および検査デバイス40は、
-ビデオカメラ41を有する先端シール検査ユニット、
-ビデオカメラ42を有する底部検査ユニット、
-ビデオカメラ43を有する本体欠陥検査ユニット、
-偏光またはグリッドを用いるビデオカメラ44を有するPET本体応力検査ユニット、
-ビデオカメラ45を有するスレッド分断線検査ユニット、
-ビデオカメラ46を有するスレッドおよびボトルネック欠陥検査ユニット、
-ビデオカメラ43を有するプリフォーム色検査ユニット、
-キャビティ番号を検出するためのユニット46、
-厚さを含むビデオカメラ46による本体およびスレッドの測定のためのユニット、
-高温計47を有する温度を測定するためのユニット、および
-重量制御ユニット48
を含む群より選択された少なくとも1つのユニットを含む。
【0041】
制御および検査デバイス40はさらに、
-光学センサを用いて厚さを測定するためのユニット、
-分光計を用いた色制御のためのユニット、
-断層撮影による3D再構成のためのユニット、
-嗅覚センサによるアセトアルデヒド検出のためのユニット
を含む群より選択された少なくとも1つのユニットを含む。
【0042】
コンベヤ50は、たとえば、
-ベルトまたはチェーンコンベヤ、
-エアジェットコンベヤ、
-1対の逆回転ローラ、
を含む群より選択される。
【0043】
装置1は、コンベヤ50の下流において蓄積システムを含む。
蓄積システムの下流にタイミングシステムをさらに設けてもよい。
【0044】
本発明に係る装置1の動作は以下の通りである。
選択的抜取デバイス30と、制御および検査デバイス40とは、成形、冷却および抜取デバイスの占有空間内に配置することができる。
【0045】
プラスチックは押出機によって成形デバイスに注入されて加圧される。
グリップアセンブリ4は、成形デバイス2からプリフォームを抜き取り、既知の解決策により、プリフォーム10の冷却を制御する。
【0046】
取出プレート20は、プリフォーム10を、グリップアセンブリ4からピックアップし、プレス抜取ベルトで構成された取出面22上に移動させる役割を有する。プリフォーム10は、取出プレート20によって解放され、抜取ベルトによって出口に向かって搬送され、抜取ベルトはそれらをオクタビンに供給する。
【0047】
選択的抜取デバイス30は、たとえば、抜き取られたプリフォーム10を制御および検査デバイス40に搬送するために移動方向202に沿って移動することができる細長い本体32を含む。
【0048】
細長い本体32をさらに実質的に鉛直方向203に沿って移動させて、制御された態様でプリフォーム10を取出プレート20からピックアップして収容し、再び制御された態様でコンベヤ50に向けて解放するこができる。
【0049】
たとえば、方向202に沿った移動と方向203に沿った移動との組み合わせによって構成される異なる移動軌道に沿って細長い本体32を移動させる可能性を妨げるものは何もない。
【0050】
細長い本体32は、先に述べたように、金型の行列を再現した行列状にプリフォームが配置されている取出プレート20からプリフォームを直接ピックアップすることによって介入する。
【0051】
本発明は、取出プレート20の近くで細長い本体32を移動させることができるので、移送ステップ中にプリフォームに欠陥を生じさせるリスクを伴わずにプリフォーム10をピックアップすることができる。
【0052】
細長い本体32は、列22bおよび/または行22aおよび/またはこの行列全体をピックアップする。ピックアップは、成形ごとにまたは特定の時間間隔で行われる。システムは、1つの列22bまたは1つの行22aをピックアップする場合、i番目の行22aまたはj番目の列22bのいずれをピックアップするかを毎回判断することにより、この動作を実行することができる。
【0053】
したがって、金型の行列全体を再構築すること、または、自動システムによりもしくは制御システムによりもしくはオペレータの選択により報告可能なトリガによって、何らかの理由で潜在的に重要なものとして区別される、行列の1つの行22aもしくは列22bを、その母集団の増加を、したがってその統計値の増加を見込んで、予め定められた時間にピックアップすることしたがってこれらを制御することに集中することが、可能であることは、明らかである。
【0054】
これはグリップアセンブリによって実行される制御なので、金型の個々のキャビティに対する基準は、制御および検査デバイス40の内部まで維持され、個々の特定のキャビティに対するスポット制御を可能にする。
【0055】
予め定められたサブセット31のプリフォーム10は、細長い要素32からピックアップされ、その幾何学的形状に基づいて支持、たとえばネック部の下で支持されて、移動方向202に沿った移動により、制御および検査デバイス40に搬送される。
【0056】
制御および検査デバイス40は、プリフォーム10を、それらの順序および/または向きを維持するように構成されたコンベヤ50によって導入する。
【0057】
しかしながら、順序および/または向きを保証しない可能性があるシステムの使用を禁止するものは何もない。
【0058】
向きが維持されない場合、いずれの場合もプリフォーム10の大まかな検査を実施することは可能である。
【0059】
有利には、コンベヤ50は、たとえば、プリフォーム10の順序および向きは維持するがそれらの間隔を維持しない、2つの逆方向に回転するローラを含み得る。
【0060】
このタイプのローラコンベヤは、プリフォーム10に欠陥を生じさせることなく、プリフォーム10を制御および検査デバイス40に供給することを可能にする。この理由から、コンベヤ50を、固定することもできる角度で傾斜するように適合させ、プリフォーム10が待ち行列を形成しその流れを継続することを可能にする。
【0061】
ローラの下流には重力ガイドを有する蓄積システムがあり、この蓄積システムは、プリフォーム10が取り出されるとローラがピックアップ位置で水平に戻ることを可能にする。
【0062】
バッファの下流には、第1の検査追跡として使用できるまたはできないタイミングシステムがある。
【0063】
タイミングシステムは、たとえば、第1の追跡としても機能するフォーマットスターコンベヤ51を含むが、非限定的な例として、摩擦フィーダまたは一対のベルトもしくはチェーンであってもよい。
【0064】
プリフォーム10の先端シールおよび底部は、スターコンベヤ51に沿って検査される。
【0065】
スターコンベヤ51からの出口において、プリフォーム10は、シールおよび不正開封防止リングの下で、または移送クランプ52(空気圧または電気)による別の特徴的な幾何学的形状によって扱われる。移送クランプ52は、3つのステーションの役割を果たし、有利には、空気圧シリンダまたは電気アクチュエータによって構成される作動システムによって一度に2つのプリフォームを移送する。
【0066】
3つのステーションは、たとえば、スターコンベヤ抜取デバイス、重量制御ユニット48を含む計量モジュール、および第2の回転検査追跡で、構成することができる。
【0067】
ステーションは、2つだけであってもよく、重量制御ユニット48を含む計量モジュールは、第2の追跡の下流に配置することができる。
【0068】
重量制御ユニット48を含む計量モジュールは、プリフォームをボトルネックの下で支持する(または第2の追跡の後に配置される場合は本体の上もしくはネックの下方に置かれる)プレートを有する。
【0069】
計量は、重量制御ユニット48を含む計量モジュールを機械的または電子的にプレス機の振動から切り離すことによって行われる。
【0070】
計量の結果として、プリフォーム10は、第2の追跡に送られ、そこで真空によって(またはクランプによって)ピックアップされる。
【0071】
移動軸は、プリフォーム10を上向きに移動させることを可能にし、1つ以上の高温計47がプリフォーム10の外部本体上の1つ以上の温度プロファイルを検出することを可能にする。内部プロファイルを検出するために1つの高温計47をプリフォーム10内に配置することもできる。
【0072】
検査位置への移動後、専用回転軸によって許容される回転中に、プリフォーム10に対し、以下の制御すなわち
-ビデオカメラによる本体欠陥検査、
-偏光またはグリッドを用いるビデオカメラによるPET本体応力検査、
-ビデオカメラによるスレッド分断線および本体検査、
-ビデオカメラによるスレッドおよびネック欠陥検査、
-ビデオカメラによる色検査の実行、
-キャビティ番号の検出、
-厚さを含むビデオカメラによる本体およびスレッドの測定
が、実行される。
【0073】
キャビティ番号を検出することにより、制御および検査デバイス40におけるプリフォームの実際の到着順序を、金型の行列の配置と比較することで、搬送中に失われたプリフォームを識別し、起こり得る問題を自動システムに報告することができる。
【0074】
回転中、高温計47によって周囲温度プロファイルを検出することができる。
この時点で、プリフォーム10に対する制御が実行されており、個々のプリフォーム10についての品質報告が記録および/または公開され、プリフォームは真空グリップからベルト上に向けて解放され、ベルトは、抜取ベルトにおける流れをオクタビンに再接続する。それが欠陥として識別された場合、不合格とすることができる、または、プリフォームの流れで継続することができ、この区別は、当該技術では既に知られている、たとえばトラップドア、空気圧デバイスなどのような適切な分離手段によって行われる。
【0075】
オペレータが、たとえばトラップドアで構成された上記分離手段によって、プリフォームに対してさらなる制御(たとえば破壊制御)を行うことを所望する場合、オペレータは、サンプリングのためにプリフォームをピックアップすると決定することができる。
【0076】
制御および検査デバイス40が、機能的または外観上の欠陥を有する特定数の欠陥プリフォームを検出した場合、いくつかの条件において、これらのデータに基づいて、予め定められたオクタビンに収容されたプリフォームの全体的な品質が比較的低いという仮説を立て、結果として上記オクタビンを報告し任意の後続の介入を評価することが可能である。
【0077】
制御および検査デバイス40は、たとえば、装置1またはそのいくつかの部品の「傾向」を検証するように適合させた一連のパラメータを制御するように構成することができ、そうすることで、制御されたプリフォーム10の不合格を伴うことなく、オペレータへの信号を生成することができる。
【0078】
たとえば、予め定められたキャビティ内で製造されたプリフォーム10において、温度または1つの寸法がゆっくりと逸脱する傾向がある(適合範囲内には留まっている)ことを、制御および検査デバイス40が検出した場合、検査および検査デバイス40は、予防的/予測的なメンテナンスを予想して、機械のダウンタイムを伴った後続の介入中に、報告を行ってキャビティの検査を推奨してもよい。
【0079】
制御および検査デバイス40を、抜取を高速化し検査を排除してオペレータによる迅速な制御を汚染を伴うことなく可能にするインターフェースにおいて選択できる、専用サイクルによるプリフォームの迅速なサンプリングのためのシステムとして、使用することもできる。
【0080】
サンプリングを、ベンチテストによるデバイスの較正を検査するために使用することもできる。ここでもサンプリングは拒絶トラップドアを用いて行われ、これは、窓から抜き取ることができるボックスに流れを方向付ける。
【0081】
この用途は、製品に欠陥をもたらさないので、プロセス制御に特に有用である。これは、制御システムによって実行される欠陥および測定が、プレスのプロセスにのみ関連することを意味する。
【0082】
さらに、すべてが自動化されているので、オペレータ側での汚染たとえば汗は発生しない。
【0083】
さらに、高温計によって製品温度を数秒でかつ経時的に反復可能なやり方で検出することが可能であり、このことが、各キャビティの出口温度の実際の制御を可能にする。
【0084】
検査システムは、レトロフィットキットとして、すなわち、既に作動しているシステムに設置することが可能な追加のデバイスとして、設置することもできる。
【0085】
システムによって検出されるすべての値は個々の各キャビティに帰する可能性がある。そのため、プレス機に関するこの情報をフィードバックし、個々のキャビティごとに可能なドリフトを固定することができる。
【0086】
代わりに、この情報を特定のパラメータと相関させ、予測的介入もしくはメンテナンスを実行する、または特定のパラメータと相関する傾向を計算することが可能である。
【0087】
制御および検査デバイスが位置する領域のアクセスを、成形デバイスに対して分離させることができる。
【0088】
これは、2つのマシン間で並列した効率を可能にし、したがって制御および検査デバイスの効率はプレス機の効率に影響を及ぼさない。
【0089】
さらに、成形デバイスの電源が投入される間、制御および検査デバイスならびに取出プレートから抜き出すためのクランプの詰まり状況または問題を解決するように機能することが可能である。
【0090】
2つの領域間の分離は、アクセスを安全にする安全距離によって、または光電障壁による分離によって、または作動隔壁による分離によって、または当該技術では周知の他のシステムによって、行うことができる。
【0091】
実際、本発明が意図された目標および目的を達成することがわかった。
このように考案された本発明には数多くの修正および変形が可能であり、そのすべてが以下の請求項の範囲に含まれ、すべての詳細がさらに他の技術的に等価の要素で置き換えられてもよい。
【0092】
したがって、たとえば、取出プレート20が、調整デバイスを用いて、プリフォーム10の予め定められたサブセット31(たとえば1つ以上の行22aおよび/または1つ以上の列22b)を直接ピックアップして制御および検査デバイス40に送ることができるようにすることも、可能である。
【0093】
実際、使用される材料は、これらの材料が、特定の用途ならびに起こり得る形状および寸法に適合する限り、要件および技術水準に応じてどのようなものであってもよい。
図1
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【外国語明細書】