(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061929
(43)【公開日】2023-05-02
(54)【発明の名称】鶏卵容器輸送台車の棚開放装置および鶏卵パック自動載置システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/06 20060101AFI20230425BHJP
B62B 3/00 20060101ALI20230425BHJP
B25J 13/00 20060101ALI20230425BHJP
B65G 57/00 20060101ALI20230425BHJP
B62B 5/00 20060101ALI20230425BHJP
B62B 3/02 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
B65G1/06 Z
B62B3/00 Z
B62B3/00 E
B25J13/00 Z
B65G57/00 A
B62B5/00 B
B62B3/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004445
(22)【出願日】2023-01-16
(62)【分割の表示】P 2020190084の分割
【原出願日】2020-11-16
(31)【優先権主張番号】P 2020046239
(32)【優先日】2020-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000162238
【氏名又は名称】共和機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中谷 公一
(72)【発明者】
【氏名】明石 直樹
(57)【要約】
【課題】折畳棚を自動で開放する(折畳状態を元の状態(棚状態)に戻す)ことができる、棚開放装置を提供する。
【解決手段】棚開放装置1は、鶏卵容器輸送台車の折畳棚を元に戻すための棚開放装置であって、吸着手段または係止手段を備える移送手段によって、載置レールに対して後方に傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある折畳棚を前方にむかって折畳み状態を元に戻すための開放制御部とを備える。
【選択図】
図2C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鶏卵容器輸送台車の折畳棚を元に戻すための棚開放装置であって、
吸着手段または係止手段を備える移送手段によって、載置レールに対して後方に傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある折畳棚を前方にむかって折畳み状態を元に戻すための開放制御部と、
を備える、
棚開放装置。
【請求項2】
前記棚開放装置は、
鶏卵容器輸送台車の載置レールの一方端にある折畳状態位置で中折れ状態にある折畳棚を、当該載置レールに対して後方に傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にする傾斜形成部を備える、
請求項1に記載の棚開放装置。
【請求項3】
前記移送手段は、
鶏卵パックを移送する鶏卵パック移送手段である、請求項1または2に記載の棚開放装置。
【請求項4】
鶏卵容器輸送台車へ鶏卵パックを載置する鶏卵パック移送手段と、
載置レールに対して後方に傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある折畳棚を前方にむかって折畳み状態を、前記鶏卵パック移送手段が備える吸着手段または係止手段で開放するための開放制御部と、
を備える、鶏卵パック自動載置システム。
【請求項5】
前記折畳棚を後方に傾斜させるあるいは片持ち状態にする傾斜形成部を備える、請求項4に記載の鶏卵パック自動載置システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鶏卵容器輸送台車の棚開放装置および鶏卵パック自動載置システムに関する。
【背景技術】
【0002】
鶏卵を詰めたパックをスーパーなどの小売り事業者へ輸送するために、搬送用ラックが使用されている。例えば、ヨシダエルシス株式会社製の鶏卵パック専用輸送ロールボックスや、株式会社三栄製作所製の原卵台車(ロールラック)がある。また、特許文献1は、鶏卵を収容するケースを搬送する搬送用ラックを記載している。
上記搬送用ラックは、複数段の棚が折り畳み可能となっており、奥行方向でコンパクトに収納可能な設計である。
【0003】
特許文献1の輸送用ラックは、背部フレームと側部フレームとがヒンジを介して連結されており、すべての棚板をその中央で中折れさせて背面フレーム側に折りたたむことで、側部フレームを背部フレーム側に折り畳んでコンパクトになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記輸送用ラックに鶏卵パックを積み込む作業は、輸送用ラックの折り曲げられていた棚板を元に戻してから(開放してから)行われていた。
しかし、全ての棚板を元に戻すと、積み込みしていくに従い直上の棚板が邪魔となり、積み込み作業に必要な程度の間隔が必要となるため、パックの積み込み充填率が低下することがある。この充填率を高くするために、直上の棚板を元に戻さずに折り畳まれた状態で行えばよいが、人手作業の場合には、直上の棚板を戻す作業を忘れる可能性もある。
また、ロボットアームで鶏卵パックを輸送用ラックに自動で積み込むことも考えられるが、複数段の棚板が折り畳まれておらず元に戻っている場合には、ロボットアームの作業スペースとして直上の棚板が邪魔になる。上記と同様に、直上の棚板を元に戻さずに折り畳まれた状態で積み込み作業を行えばよいが、人手で棚板を元に戻すことは、作業を一時中断することになるため、作業効率が低下する。
そして、発明者等の知る限り、輸送用ラックの棚板を自動的に元に戻す装置は存在していない。
【0006】
そこで、本発明の目的は、折畳棚を自動で開放する(折畳状態を元の状態(棚状態)に戻す)ことができる、棚開放装置を提供する。
また、パック載置用のロボットアームの動作に連動して、折畳棚を自動開放することができる、棚開放装置を提供する。
また、鶏卵容器輸送台車を自動で棚開放装置へ導入し、パック載置後に棚開放装置から導出する送込装置と、棚開放装置と(およびロボットアームと)を有する鶏卵パック自動載置システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の棚開放装置は、
背面と前面と両側面を形成しているフレーム本体と、
前記フレーム本体の背面側で、上下方向に可動する棚開放ユニット(14)と、
前記棚開放ユニット(14)を上下に駆動する棚開放ユニット駆動部(13、131)と、
前記棚開放ユニット(14)に設けられる傾斜形成部(15、151)(例えば、吸引手段)であって、鶏卵容器輸送台車の載置レール(例えば、互いに対向する一対のレール)の一方端(手前と対向する奥側)にある折畳状態位置(P1)で中折れ状態にある折畳棚を(例えば、上方向にヒンジを中折れの頂部として2つに折り畳まれた状態の棚)、当該載置レールに対して傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にする、傾斜形成部(15、151)と、
前記傾斜形成部(15、151)で傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある折畳棚の中折れで形成される鋭角の開き状態を大きくする(初期の0度から、例えば10度から30度に広げる)ために、当該中折れの隙間に挿入される第一予備開放部(17)と、
前記第一予備開放部(17)で中折れの開きが大きくなった状態で、前記折畳棚のヒンジを挟んで前方側(ヒンジ位置よりも前方側)の底面(前方棚板部)に接する位置または底面に接する近傍(例えば、底面より下方でかつ底面からの隙間が2cm以内)に挿入される、第二予備開放部(27)と、
前記第一、第二予備開放部(17、27)で中折れの開き状態を保持して、前記傾斜形成部(15、151)による傾斜作用を解除した後(吸引開放後)、前方へ前記折畳棚を押し出し、前記載置レールに当該折畳棚を載置させる押出部(16)と、
を備える。
【0008】
前記棚開放装置は、前記棚開放ユニット(14)に設けられる少なくとも1つの矯正クランプ(28)であって、鶏卵容器輸送台車の少なくとも1つの側面フレームに当接あるいは把持して、鶏卵容器輸送台車の背面フレームに対して一対の側面フレームが所定位置関係(背面フレームに対し一対の側面フレームが垂直となる位置関係)となるように矯正する、矯正クランプ(28)を備えていてもよい。
前記矯正クランプ(28)を駆動する矯正クランプ用駆動部282(例えばエアシリンダー、電動シリンダーなど)を備えていてもよい。
矯正クランプ(28)は、鶏卵容器輸送台車の側面フレームの外側から、側面フレームに向かって伸縮する構成でもよい。矯正クランプ(28)は、横長の矩形状の当接部を備えていてもよい。前記当接部は、その一部または全部が弾性体で構成されていてもよい。
【0009】
前記第二予備開放部(27)は、前記棚開放ユニット(14)に設けられる棒状のピン(271)と、前記折畳棚のヒンジを挟んで前方側(ヒンジ位置よりも前方側)の底面(前方棚板部)に接する位置または底面に接する近傍(例えば、底面より下方でかつ底面からの隙間が2cm以内)に挿入するように、前記ピン(271)を駆動するピン用駆動部(例えばエアシリンダー、電動シリンダーなど)を備えていてもよい。
前記第二予備開放部(27)は、前記矯正クランプ(28)に対し、上または下方向に設けられていてもよい。
前記第二予備開放部(27)および/または前記矯正クランプ(28)は、前記第一予備開放部(17)よりも、前方に設けられていてもよい。
【0010】
前記棚開放装置は、制御部を有し、
前記制御部は、
前記棚開放ユニット駆動部(13、131)に指令し、前記棚開放ユニット(14)の上下移動を制御し、
前記傾斜形成部(15、151)に指令し、折畳状態位置(P1)で中折れ状態にある折畳棚を、載置レールに対して傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にするように制御し、
前記第一予備開放部(17)に指令し、中折れの隙間に(棒状を)挿入することで、傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある折畳棚の中折れで形成される鋭角の開き状態を大きくするように制御し、
前記第二予備開放部(27)に指令し、前記第一予備開放部(17)によって中折れの鋭角の開き状態が大きくなった状態で、前記折畳棚のヒンジを挟んで前方側(ヒンジ位置よりも前方側)の底面(前方棚板部)に接する位置または底面に接する近傍(例えば、底面より下方でかつ底面からの隙間が2cm以内)に(棒状を)挿入することで、前記鋭角の開き状態が維持されるように制御し
前記押出部(16)に指令し、前方へ前記折畳棚を押し出し、前記載置レールに当該折畳棚を載置させる(開放するあるいは展開する)ように制御してもよい。
前記制御部は、前記傾斜形成部に指令し、傾斜状態あるいは片持ち状態を解除するように制御し、次いで、前記第一予備開放部(17)に指令し、中折れの隙間に挿入した状態を解除し(棒状を原点位置へ戻し)、次いで、前記第二予備開放部(27)に指令し、鋭角の開き状態が維持を解除し(棒状を原点位置へ戻し)、前記鋭角の開きが大きい状態で折畳棚の前方端が載置レールに載置されるように制御してもよい。
【0011】
前記制御部は、
鶏卵パック移送手段(ロボットアーム)で、前記折畳棚および/または鶏卵パック(EP)の上に、鶏卵パック(EP)を積み上げる際に(例えば、最上段の鶏卵パック(EP)を積み上げる際に)、前記傾斜形成部(15、151)に指令し、折畳状態位置(P1)で中折れ状態にある折畳棚を、載置レールに対して傾斜状態あるいは片持ち上げ状態(折畳棚を後方に傾斜させた状態)にするように制御してもよい。
例えば、最上段となる鶏卵パック(EP)を積み上げる際に、折畳棚を後方に傾斜させた状態とすることで、折畳棚とそれより下方の鶏卵パックとの間にスペースを確保でき、ロボットアームおよび吸着ハンド部の動作干渉を低減できる。
【0012】
前記制御部は、前記矯正クランプ用駆動部に指令し、前記矯正クランプ(28)が、鶏卵容器輸送台車の少なくとも1つの側面フレームに当接あるいは把持することで、鶏卵容器輸送台車の背面フレームに対して一対の側面フレームが所定位置関係(背面フレームに対し一対の側面フレームが垂直となる位置関係)となるように制御してもよい。
【0013】
前記押出部(16)は、1つでもよく、複数であってもよい。前記押出部(16)の先端(161)は弾性部材を有していてもよい。
前記第一予備開放部(17)は、棚開放ユニット(14)から前方へ延設される第一支柱(171)と、第一支柱(171)の柱軸方向の回転にしたがって回転する第二支柱(172)とを有していてもよい。
前記第二支柱(172)は棒状で、弾性部材が周囲に設けられていてもよい。
前記第二支柱(172)の先端が垂直下方を向き、前記吸引部(15、151)で傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある折畳棚の中折れ状態(ヒンジ方向)に向かって、第二支柱(172)の先端が、回転軸周りに90度回転して中折れ状態の折畳棚に挿入し、中折れの鋭角の開き状態を広げる。
【0014】
前記棚開放装置は、鶏卵容器輸送台車のフレームまたは一部に当接あるいは把持して、鶏卵容器輸送台車の動きを抑制するストッパあるいはクランプを有していてもよい。前記ストッパは、前記棚開放装置の背面フレーム、側面フレーム、前面フレームおよび/または棚開放ユニットに設けられていてもよい。前記ストッパあるいはクランプは、その先端が弾性部材で構成されていてもよい。前記ストッパあるいはクランプを駆動する駆動部(例えばエアシリンダー、電動シリンダーなど)を有していてもよい。
前記棚開放装置は、搬送されている鶏卵容器輸送台車を構成する一部を検知する停止位置検知部(S2)を1つ以上有していてもよい。前記停止位置検知部が鶏卵容器輸送台車を検知した場合に、前記制御部が前記ストッパあるいはクランプに指令し、鶏卵容器輸送台車を停止させるように駆動されてもよい。
【0015】
前記棚開放装置は、前記棚開放ユニット(14)の所定位置を検出する検出部を1つ以上有していてもよい。前記検出部が前記棚開放ユニット(14)の上下位置を検出した場合に、前記制御部が前記棚開放ユニット駆動部(13、131)に指令し、駆動を開始あるいは停止してもよい。
前記棚開放ユニット(14)は、前記折畳状態位置(P1)で中折れ状態にある折畳棚を検出する折畳棚検出部を1つ以上有していてもよい。前記折畳棚検出部が前記折畳棚を検出した場合に、前記制御部が前記棚開放ユニット駆動部(13、131)に指令し、駆動を開始あるいは停止してもよい。
【0016】
前記棚開放装置は、前記折畳棚が開放された状態であるか否か、および開放された状態の折畳棚の高さ方向位置を検出する棚開放検出部(S3)を1つ以上有していてもよい。
前記制御部は、前記押出部の作動後で、前記棚開放検出部(S3)が開放された状態の前記折畳棚(の位置)を検出しなかった場合に警報を出力する構成でもよい。
【0017】
他の発明の棚開放装置は、
背面と前面と両側面を形成しているフレーム本体と、
前記フレーム本体の背面側で、上下方向に可動する棚開放ユニット(14)と、
前記棚開放ユニット(14)を上下に駆動する棚開放ユニット駆動部(13、131)と、
前記棚開放ユニット(14)に設けられる傾斜形成部(15、151)(例えば、吸引手段)であって、鶏卵容器輸送台車の載置レール(例えば、互いに対向する一対のレール)の一方端(手前と対向する奥側)にある折畳状態位置(P1)で中折れ状態にある折畳棚を(例えば、上方向にヒンジを中折れの頂部として2つに折り畳まれた状態の棚)、当該載置レールに対して傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にする、傾斜形成部(15、151)と、
前記傾斜形成部(15、151)で傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある折畳棚を前方にむかって折畳み状態を、吸着手段または係止手段で開放するための開放制御部(不図示)と、を備える。
前記開放制御部は、
前記吸着手段を備える移送手段に指令し、前記傾斜形成部(15、151)で傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある折畳棚の平面部を吸着手段で吸着させ、
前記傾斜形成部(15、151)の前記折畳棚への作用を停止し、
前記吸着手段を備える移送手段に指令し、前記吸着手段で吸着している状態の前記折畳棚を前方へ移動し、載置レールの上に置くように各要素(傾斜形成部、吸着手段、移送手段)を制御してもよい。
吸着手段は、例えば、負圧吸着、磁石吸着が可能な手段で構成される。
前記開放制御部は、
前記係止手段を備える移送手段に指令し、前記傾斜形成部(15、151)で傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある折畳棚の被係止部(前方側のフレームの一部、被係止物、棒状フレームなど)を前記係止手段で係止し(例えば、フックで引掛け、チャックで掴み)、
前記傾斜形成部(15、151)の前記折畳棚への作用を停止し、
前記係止手段を備える移送手段に指令し、前記係止手段で係止している状態の前記折畳棚を前方へ移動し、載置レールの上に置くように各要素(傾斜形成部、係止手段、移送手段)を制御してもよい。
前記棚開放装置は、吸着手段を備える移送手段および/または係止手段を備える移送手段を備えていてもよく、別システムの移送手段へ指令をして利用する構成であってもよい。
前記棚開放装置は、鶏卵パック(EP)を鶏卵容器輸送台車の折畳棚に載置するためのロボットアームおよびそのハンドを備えていてもよく、ロボットアームおよびそのハンドが前記移送手段を兼ねていてもよい。
吸着手段または係止手段の動作の前に、傾斜形成部で折畳棚を傾斜状態あるいは片持ち上げ状態したことで、吸着手段または係止手段の動作範囲を広く確保でき、鶏卵パックとの接触を抑制できる。
傾斜形成部により折畳棚を定位置に固定することで、折畳棚の変形による初期位置のずれ(折畳棚が移動手段側へ前のめりになるなど)を解消し、より安定して吸着または係止を行える。
【0018】
他の発明の鶏卵パック自動載置システムは、
鶏卵容器輸送台車(3)を自動で棚開放装置(1)へ導入し、鶏卵パック(EP)を載置後に棚開放装置(1)から導出する送込装置(2)と、棚開放装置(1)と、ロボットアームとを有する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】鶏卵パック自動載置システムの全体構成を示す模式図である。
【
図2A】棚開放装置の構成および動作の一例である。
【
図2B】棚開放装置の構成および動作の一例である。
【
図2C】棚開放装置の構成および動作の一例である。
【
図2D】棚開放装置の構成および動作の一例である。
【
図2E】棚開放装置の構成および動作の一例である。
【
図2F】実施形態1の棚開放ユニットの構成の一例である。
【
図2G】実施形態2の棚開放ユニットの構成の一例である。
【
図3A】鶏卵パック自動載置システムの動作フローの一例である。
【
図4A】実施形態3の棚開放装置の構成および動作の一例である。
【
図4B】実施形態3の棚開放装置の構成および動作の一例である。
【
図4C】実施形態3の棚開放装置の構成および動作の一例である。
【
図5A】実施形態4の棚開放装置の構成および動作の一例である。
【
図5B】実施形態4の棚開放装置の構成および動作の一例である。
【
図5C】実施形態4の棚開放装置の構成および動作の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(実施形態1)
実施形態1に係る鶏卵パック自動載置システムについて説明する。
図1は、鶏卵パック自動載置システムの全体構成を示す。
送込装置2は、第二、第三、第四折畳棚322、323、324が中折れ状態になっており、一番下の第一折畳棚321が開放された状態の鶏卵容器輸送台車3を自動搬送して棚開放装置1へ導入し、所定数の鶏卵パックEPが積載された後に棚開放装置1から導出する。送込装置2は、台車を乗せて移動させるレール式コンベアなどの搬送手段(不図示)と、棚開放装置1へ送り込む前に設けたられた待機位置を検知する待機検知部S1とを有する。鶏卵容器輸送台車3が待機検知部S1で検知される位置までにくると、搬送手段が停止し、鶏卵容器輸送台車3を待機位置で停止させる。棚開放装置1に鶏卵容器輸送台車3がない状態となれば、待機位置で待っている(あるいは待機せずにそのまま)鶏卵容器輸送台車3が送り込まれる。棚開放装置1で、鶏卵容器輸送台車3に鶏卵パックEPが所定個数積まれたら、棚開放装置1から搬送方向下流へ鶏卵容器輸送台車3が排出される。
棚開放装置1は、第一折畳棚321にロボットアーム(不図示)で所定数の鶏卵パックEPを積載した後で、第二折畳棚322を自動開放する。次いで、棚開放装置1は、第二折畳棚322にロボットアーム(不図示)で所定数の鶏卵パックEPを積載した後で、第三折畳棚323を自動開放する。第四折畳棚324の自動開放も同様である。詳細は後述する。
ロボットアーム(不図示)は、アーム先端に吸着部を備える。吸着部(不図示)は、ベルトコンベア(不図示)で搬送されてきた、複数の鶏卵パックEPの上面を吸着保持し、鶏卵容器輸送台車3の第一、第二、第三、第四折畳棚の上に移送して積んでいく。
【0021】
(鶏卵容器輸送台車)
次いで、鶏卵容器輸送台車3について説明する。一般的に流通されている鶏卵容器輸送台車は、例えば、従来技術で示したヨシダエルシス株式会社製の鶏卵パック専用輸送ロールボックス、株式会社三栄製作所製の原卵台車(ロールラック)、特許文献1の搬送する搬送用ラックである。これらに共通する構成は、底面フレームと背面フレームと両側面フレームと中折れ式の折畳棚(棚板と称することもある。)を有する。
図2Aに示す、鶏卵容器輸送台車3は、底面フレーム33と、側面視でL字状に底面フレーム33と固定される背面フレーム34と、折り畳み可能なように、背面フレーム33とヒンジ(不図示)で連結される第一側面フレーム31と第二側面フレーム(不図示)を有する。底面フレーム33は、その4角にそれぞれ自由回転する車輪が設けられている。
【0022】
第一側面フレーム31には、その下から順に所定間隔を設けて第一側板311、第二側板312、第三側板313、第四側板314がフレームの幅方向(垂直方向と直交する背面から前面へ向かう方向)に設けられる。
第一側板311、第二側板312、第三側板313、第四側板314は、そのそれぞれの底辺から鶏卵容器輸送台車3の内部に向かって直角(略直角)に延設される第一載置レール3111、第二載置レール3121、第三載置レール3131、第四載置レール3141が設けられる。第一側板311、第二側板312、第三側板313、第四側板314のそれぞれに対向する第二側面フレーム(不図示)にも同様の対向する側板および載置レールが設けられる。
【0023】
対向する一対の載置レールの背面側の端部(背面フレーム34の側)に、折畳棚の一方端が軸支されて回転可能に連結されており、折畳棚はその中央部のヒンジ(例えば、第四折畳棚324の第四ヒンジ3241)で中折れ可能に構成されている。
図2Aでは、第一折畳棚321が第一載置レール3111に開放された状態であり、鶏卵パックEPがすでに所定数積まれた状態である。第二折畳棚322、第三折畳棚323、第四折畳棚324は、それぞれ中折れ状態であり、折畳状態位置P1に置かれている。
各折畳棚の前面先端と背面先端は、斜め上方向に延設されている。これにより、鶏卵パックEPの背面方向、前面方向への動きを規制できる。また、後述する第一予備開放部の第二支柱の挿入時の進行方向ガイドとしても機能可能である。
【0024】
(棚開放装置)
棚開放装置1は、背面部12と前面部11と両側面(不図示)を形成しているフレーム本体10と、フレーム本体10の背面部12側で、上下方向に可動する棚開放ユニット14と、棚開放ユニット14を上下に駆動する棚開放ユニット駆動部13と駆動ベルト131(歯付ベルト、チェーンでもよい)と、棚開放ユニット14に設けられる吸引駆動部15とその先端に設けられる吸引パット151を備える。
棚開放ユニット14は、本体フレーム141と、本体フレーム141から前方に設けられた前方フレーム142とを備える。本体フレーム141には、吸引駆動部15と、第一予備開放部17が設けられている。また、背面固定用クランプ127を駆動するクランプ駆動部128が設けられている。
【0025】
吸引駆動部15で前方向へ駆動される吸引パット151は、折畳状態位置P1で中折れ状態にある折畳棚に当接して吸引し、後方に引くことで、載置レールに対して傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にする。
図2Aにおいて、棚開放ユニット駆動部13は、第二折畳棚322に対向する位置で、停止され(不図示のセンサで停止位置を検知してもよい)、吸引駆動部15が斜め下方前方に伸び、吸引パッド151が第二折畳棚322(背面棚板部322r)に吸着し(不図示の真空ポンプで吸引してもよい)、吸引駆動部15が斜め上方背面に後退する(戻る)ことで、第二載置レール3121に対して傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にする。
【0026】
第一予備開放部17は、傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある折畳棚の中折れで形成される鋭角の開き状態を大きくする(初期の0度から、例えば10度から30度に広げる)ために、当該中折れの隙間に挿入される。
図2B、2Cにおいて、第一予備開放部17は、棚開放ユニット14から前方へ延設される第一支柱171と、第一支柱171の柱軸方向の回転にしたがって回転する第二支柱172とを有する。第二支柱172は棒状で、弾性部材が周囲に設けられていてもよい。第二支柱172の先端は原点位置では垂直下方を向いている。予備開放動作において、吸引パット151の動きで傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある第二折畳棚322の中折れ状態(第二ヒンジ3221の方向)に向かって、少なくとも第二支柱172の一部あるいは先端が、第一支柱171の回転に従って90度回転し中折れ状態の第二折畳棚322に挿入され、中折れの鋭角の開き角度が大きく広がる。このとき、第二折畳棚322の前面側先端3222の位置は、背面から前面へ移動し、かつ第二載置レール3121には接触せず、浮いている状態である。
第二支柱172の側面(第二折畳棚322の前方棚板部322fの底面に接する面)に傾斜面173が設けられている。この傾斜面の傾斜角の設定に対応して中折れの鋭角の開き角度が設定可能となっている。
【0027】
第二予備開放部27は、棚開放ユニット14の本体フレーム141から前方に設けられた前方フレーム142に、棒状のピン271と、ピン271を原点位置から進出するまたは原点位置へ戻す(後退させる)ピン用駆動部272と備える(
図2F参照)。
図2Bおよび
図2C(a)において、ピン271は、第二折畳棚322の第二ヒンジ3221を挟んで前方側の底面(前方棚板部322f)に接する位置に進出し挿入される。
【0028】
図2Cの状態遷移図(b)において、まず、吸引パッド151が第二折畳棚322(背面棚板部322r)から外れる。本実施形態では吸引を停止し、吸引パッド151が原点位置へ戻る、原点位置に戻った吸引パッド151を破線で示す。次いで、第一支柱171が逆回転し、第二支柱172を原点位置に戻す。原点位置に戻った第一支柱171、第二支柱172を破線で示す。状態遷移図(c)に示すように、第二折畳棚322の前方側の底面(前方棚板部322f)がピン271に沿って支持されながら滑り、前面側先端3222が浮いた状態から落ちて第二載置レール3121に接触した状態となる。
次いで、ピン271を後退させ、原点位置へ戻す。
【0029】
図2Dにおいて、押出部16は、第一、第二予備開放部17、27で中折れの開き状態が大きくなっている第二折畳棚322に対し、吸引パット151による傾斜作用を解除した後(吸引開放後)、棚開放ユニット14側から前方へ第二折畳棚322を押し出し、第二載置レール3121に第二折畳棚322を平らに載置させる。このとき、第二折畳棚322の前面側先端3222は、第二載置レール3121に接触しながら滑るように動くことが好ましい。
図2Eにおいて、第二折畳棚322は、第二載置レール3121に平らに置かれた状態を示す。
押出部16は、一つでもよく、複数であってもよい。押出部16の先端161は弾性部材を有する。押出部16は、例えばエアシリンダー、電動シリンダーなどで構成される。
【0030】
棚開放装置1は、折畳棚が開放された状態であるか否か、および開放された状態の折畳棚の高さ方向位置を検出する棚開放検出部S3を1つ以上有する(少なくとも1つ有する)。
図2Eにおいて、棚開放検出部S3は、背面部12の上端から前方向に向かって延設されて、下方の折畳棚の存在およびその距離を検知する。棚開放検出部S3は折畳棚が中折れ状態で、背面側に折りたたまれている状態のときは検知しないが、平らに開放されたときは検知するように構成されている。
【0031】
棚開放装置1は、送り込まれてくる鶏卵容器輸送台車3の停止と排出、予備開放動作、開放動作を制御する制御部(不図示)を有する。
制御部は、棚開放ユニット駆動部13に指令し、棚開放ユニット14の上下移動を制御する。また、制御部は、吸引駆動部15に指令し、折畳状態位置P1で中折れ状態にある折畳棚を、載置レールに対して傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にするように制御する。また、制御部は、第一予備開放部17に指令し、中折れの隙間に(棒状の第二支柱172を)挿入することで、傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある折畳棚の中折れで形成される鋭角の開き状態を大きくするように制御する。
また、制御部は、ピン用駆動部272に指令し、第二支柱172によって中折れの開きが大きくなった状態で、折畳棚のヒンジを挟んで前方側の底面(前方棚板部)に接する位置にピン271を挿入することで、鋭角の開き状態が維持されるように制御する。
また、制御部は、押出部16に指令し、背面側から前方へ折畳棚を押し出し、載置レールに折畳棚を載置させるように制御する。
制御部は、押出部16の作動後で、棚開放検出部S3が開放された状態の折畳棚(の位置)を検出しなかった場合に警報を出力してもよい。
【0032】
棚開放装置1は、鶏卵容器輸送台車3のフレームに当接あるいは把持して、鶏卵容器輸送台車3の動きを抑制するストッパあるいはクランプを有することが好ましい。
図1において、一対のクランプ121(第一ストッパともいう。)は、両側面に設けられており、
図2Aにおいて、第二ストッパ122は、前面部11に設けられており、第三ストッパ(不図示)は背面部12に設けられている。一対のクランプ121、第二ストッパ122、第三ストッパ(不図示)は、その先端が弾性部材で構成されており、鶏卵容器輸送台車3のフレームに当接される。一対のクランプ121、第二ストッパ122、第三ストッパ(不図示)を駆動する駆動部は、例えばエアシリンダー、電動シリンダーなどである。
図1において、棚開放装置1または送込装置2は、搬送されている鶏卵容器輸送台車3を構成する一部を検知する停止位置検知部S2を1つ以上有する。停止位置検知部S2が鶏卵容器輸送台車3を検知した場合に、制御部(不図示)が一対のクランプ121、第二ストッパ122、第三ストッパ(不図示)に指令し、各要素を突出させて鶏卵容器輸送台車3のフレームに当接させ、その動きを固定する。
【0033】
一対のクランプ121によって、棚開放ユニット14と鶏卵容器輸送台車3との相対的な動きを固定する。一対のクランプ121は、棚開放ユニット14に設けられていてもよく、フレーム本体10の両側面に設けられていてもよい。
【0034】
棚開放ユニット14は、各折畳棚の最上段奥側にロボットアームで鶏卵パックEPを置く際の荷崩れ防止用の可動式パックガイド181が設けられている。可動式パックガイド181は、エアシリンダーあるいは電動シリンダーで駆動され、鶏卵パック積上げの安定性向上に寄与する。
【0035】
棚開放装置1は、棚開放ユニット14の所定位置を検出する検出部を1つ以上有することが好ましい。検出部が棚開放ユニット14の上下位置を検出した場合に、制御部が棚開放ユニット駆動部13に指令し、駆動を開始あるいは停止する。別実施形態として、棚開放ユニット14は、折畳状態位置P1で中折れ状態にある折畳棚を検出する折畳棚検出部を1つ以上有していてもよい。折畳棚検出部が折畳棚を検出した場合に、制御部が棚開放ユニット駆動部13に指令し、駆動を開始あるいは停止してもよい。
【0036】
(動作フロー)
図3Aは、一連の動作を示す。
まず、送込装置2のコンベア運転を開始する(#1)。棚開放装置1に送り込まれて、鶏卵容器輸送台車3(台車3ともいう。)がセンサS2で検知される(#2)。次いで、ストッパ(不図示)を駆動する(#3)。コンベアを停止し、台車3をストッパ(不図示)で停止する(#4)。次いで、上方にある棚開放ユニット14を所定位置まで下降する(#5)。
台車3の背面フレームに対し側面から一対の背面固定用クランプ127(
図2F参照)で棚開放ユニット14と台車3との相対的動きを固定する(#6)。次いで、ロボットアームで第一折畳棚に、鶏卵パックEPをと積み付けする(#7)。第一折畳棚への所定数の積み付けが完了したら、棚開放動作が行われる(#8)。この動作は後述する。
折畳棚が開放されて、棚の高さを棚開放検知部S3で検知し、棚高さ異常の有無が判断される(#9)。異常がなければ、残折畳棚の有無が確認される(#10)。残折畳棚があれば、積み付けが継続される。折畳棚の全てに積み付けが完了したら(残棚がない状態であれば)、台車3を搬出する動作へ移る(#11)。
クランプとストッパが解除される(#12)。コンベアを駆動し、台車3を搬出する(#13)。次の待機している台車3の有無を確認する(#13)。台車3が待機していれば、棚開放装置1に送られて、上記の動作を繰り返し、台車3が無ければ終了する。
【0037】
図3Bは、棚開放動作を示す。
まず、吸引パッド151が、折畳棚へ向かって前進し(#801)、背面側の折畳棚を吸着する(#802)。吸引パッド151が、中間位置まで後退する(#803)。第一予備開放部17による動作を行いやすくする。
第一予備開放部17の動作(第二支柱172の回転進入)および第二予備開放部27の動作(ピン271の進出)が実行される(#804)。中折れの開き状態を大きくする。吸引パッド151の吸着が解除される(#805)。第一予備開放部17(第二支柱172)が原点復帰し、次いで第二予備開放部27(ピン271)が原点復帰する(#806)。次いで、押出部16が所定位置まで前進し(#807)、その後、後退する(#808)。背面固定用クランプ127を戻し(#809)、棚開放検出部S3で棚高さを確認する(#810)。
棚高さが正常であれば、2段目の積み込みが行われ(#811)、棚開放ユニット14を3段目の折畳棚の位置へ移動する(#812)。2段目と同様に3段目および4段目も実行され、4段目が終了したら、棚開放ユニット14を原点へ移動する。
棚高さが異常であれば、積み込みを停止し(#820)、折畳棚の開放を人で行うか否かを判断する(#821)。人で行うと判断したら人が、折畳棚の中折れ位置を修正したり、手動で開放したりして修正し(#822)、異常を解除し運転を再開する(#823)。
人で棚開放を行わないと判断した場合は、装置1から搬出するように動作させる(#824)。
【0038】
(実施形態2)
実施形態2に係る鶏卵パック自動載置システムについて説明する。実施形態2の棚開放装置は、実施形態1の構成に加えて、さらに、台車3の側面フレームを矯正するための矯正クランプ28を備える。
図2Gでは、一方の矯正クランプ28のみを示しているが、本実施形態では、対向する位置にもう一方の矯正クランプを有しており、一対の矯正クランプを構成している。
【0039】
一対の矯正クランプ28は、鶏卵容器輸送台車3の一対の左右側面フレームに両側から当接して、鶏卵容器輸送台車3の背面フレームに対して一対の左右側面フレームが、背面フレームに対し一対の左右側面フレームが垂直となる位置関係となるように矯正する。これにより前方へ行くほど、左右の側面フレームが広がらないようにできる。
一対の矯正クランプ28は、棚開放ユニット14の本体フレーム141から前方に設けられたフレーム142に、横長の矩形状の当接部281と、当接部281を原点位置から進出するまたは原点位置へ戻す(後退させる)矯正クランプ用駆動部282とを備える。
矯正クランプ28は、鶏卵容器輸送台車3の側面フレームの外側から、側面フレームに向かって当接部281が進出する構成である。当接部281は、その表面層が弾性体で構成され、側面フレームと接触することで側面フレームのゆがみを矯正する。
矯正クランプ28は、第二予備開放部27に対し上方向に設けられている。第二予備開放部27および矯正クランプ28は、第一予備開放部17よりも、前方に設けられている。
制御部は、矯正クランプ用駆動部282に指令し、矯正クランプ28の一対の当接部281が鶏卵容器輸送台車3の一対の側面フレームに当接することで、鶏卵容器輸送台車3の背面フレームに対して一対の側面フレームが、背面フレームに対して垂直(実質的な垂直関係も含む)となる位置関係となるように制御する。
【0040】
(動作フロー)
実施形態1と異なる動作を説明する。
まず、送込装置2のコンベア運転を開始する(#1)。棚開放装置1に送り込まれて、鶏卵容器輸送台車3(台車3ともいう。)がセンサS2で検知される(#2)。次いで、ストッパ(不図示)を駆動する(#3)。コンベアを停止し、台車3をストッパ(不図示)で停止する(#4)。次いで、上方にある棚開放ユニット14を所定位置まで下降する(#5)。
台車3の背面フレームに対し側面から一対の背面固定用クランプ127(
図2F参照)で棚開放ユニット14と台車3との相対的動きを固定する(#6)。
次いで、ロボットアームで第一折畳棚に、鶏卵パックEPを積み付けする(#7)。第一折畳棚への所定数の積み付けが完了したら、棚開放動作が行われる(#8)。
【0041】
次に、棚開放動作を示す。
実施形態と異なる点について説明する。
まず、一対の矯正クランプ28の当接部281を台車3の側面フレームに当てて左右側面フレームのゆがみを矯正する。次いで、吸引パッド151が、折畳棚へ向かって前進し(#801)、背面側の折畳棚を吸着する(#802)。吸引パッド151が、中間位置まで後退する(#803)。第一予備開放部17による動作を行いやすくする。
第一予備開放部17の動作(第二支柱172の回転進入)および第二予備開放部27の動作(ピン271の進出)が実行される(#804)。中折れの開き状態を大きくする。吸引パッド151の吸着が解除される(#805)。第一予備開放部17(第二支柱172)が原点復帰し、次いで第二予備開放部27(ピン271)が原点復帰する(#806)。次いで、押出部16が所定位置まで前進し(#807)、次いで、矯正クランプ28(当接部281)が原点復帰し、この原点復帰と一部重複したタイミングでまたはその前あるいはその後に押出部16が後退する(#808)。背面固定用クランプ127を戻し(#809)、棚開放検出部S3で棚高さを確認する(#810)。
【0042】
(実施形態3)
実施形態3に係る鶏卵パック自動載置システムについて説明する。実施形態3の棚開放装置は、実施形態2の棚開放装置1と同様の装置であるが、押出部16および第一予備開放部17、第二予備開放部27を備えていてもよく備えていなくてもよい。
ロボットアーム50は、その先端のハンドに吸着手段51を備える。ロボットアーム50は、鶏卵パックの天面を吸着手段51で吸着して、鶏卵パックを折畳棚および鶏卵パックの上に、鶏卵パックを積み上げるための鶏卵パック移送手段である。
【0043】
開放制御部(不図示)の指令に応じて、吸引駆動部15で前方向へ駆動される吸引パット151は、折畳状態位置で中折れ状態にある折畳棚に当接して吸引し、後方に引くことで、載置レールに対して傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にする。
図4Aにおいて、吸引駆動部15が斜め下方前方に伸び、吸引パッド151が第二折畳棚322(背面棚板部)に吸着し(不図示の真空ポンプで吸引してもよい)、吸引駆動部15が斜め上方背面に後退する(戻る)ことで、第二載置レール3121に対して傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にする。
次いで、開放制御部は、吸着手段51を備えるロボットアーム50に指令し、吸引駆動部15および吸引パット151によって傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある第二折畳棚322の平面部(前方棚板部322f)を吸着手段51で吸着させる。
次いで、開放制御部は、吸引パット151による第二折畳棚322に対する吸着固定を停止する。吸引パッド151は原位置に戻る。
次いで、
図4Bに示すように、開放制御部は、吸着手段51を備えるロボットアーム50に指令し、吸着手段51で吸着している状態の第二折畳棚322を前方へ移動させる。次いで、
図4Cに示すように、第二折畳棚322を載置レール3121の上に置く。次いで、ロボットアーム50は、第二折畳棚322から吸着手段51を外し、第二折畳棚322の上に、吸着手段51で鶏卵パックを積み込む。
【0044】
(実施形態4)
実施形態4に係る鶏卵パック自動載置システムについて説明する。実施形態4の棚開放装置は、実施形態2の棚開放装置1と同様の装置であるが、押出部16および第一予備開放部17、第二予備開放部27を備えていてもよく備えていなくてもよい。
ロボットアーム50は、その先端のハンドに吸着手段51とフック54を備える。ロボットアーム50は、鶏卵パックEPの天面を吸着手段51で吸着して、鶏卵パックを折畳棚および鶏卵パックの上に、鶏卵パックを積み上げるための鶏卵パック移送手段である。
【0045】
開放制御部(不図示)の指令に応じて、吸引駆動部15で前方向へ駆動される吸引パット151は、折畳状態位置で中折れ状態にある折畳棚に当接して吸引し、後方に引くことで、載置レールに対して傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にする。
図5Aにおいて、吸引駆動部15が斜め下方前方に伸び、吸引パッド151が第二折畳棚322(背面棚板部)に吸着し(不図示の真空ポンプで吸引してもよい)、吸引駆動部15が斜め上方背面に後退する(戻る)ことで、第二載置レール3121に対して傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にする。
次いで、開放制御部は、フック54を備えるロボットアーム50に指令し、吸引駆動部15および吸引パット151によって傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある第二折畳棚322の前方棚板部322fの先端の棒状フレーム3224をフック54で引掛ける。
次いで、開放制御部は、吸引パット151による第二折畳棚322に対する吸着固定を停止する。吸引パッド151は原位置に戻る。
次いで、
図5Bに示すように、ロボットアーム50に指令し、フック54で引掛けている状態の第二折畳棚322を前方へ移動し、
図5Cのように、第二折畳棚322を載置レール3121の上に置く。次いで、ロボットアーム50は、第二折畳棚322からフック54を外し、第二折畳棚322の上に、吸着手段51で鶏卵パックEPを積み込む。
【0046】
別実施形態として、フック54に替わり、ロボットアーム50はそのハンドに把持手段を備え、この把持手段で前方棚板部322fの先端の棒状フレーム3224を掴むように構成されていてもよい。
【0047】
上記実施形態1、2、3、4において、制御部および/または開放制御部は、プロセッサやメモリなどのハードウエアと、制御内容を記述するプログラムとの協働で実現されていてもよく、専用回路、ファームウエアの組み合わせで実現されていてもよく、クラウド型、オンプレミス型のサーバや、汎用コンピュータで実現されていてもよい。
制御部および/または開放制御部は、送込装置と、棚開放装置と、ロボットアームとの一連の動きを制御してもよく、別々コントローラがそれぞれを制御し、お互いに必要なデータや指令を通信していてもよい。
ロボットアームは、多軸ロボットでもよく、スカラーロボット、協働ロボットでもよい。
第一折畳棚に所定数の鶏卵パックが積まれたら、棚開放装置1によって第二折畳棚が自動的に開放される。ロボットアームが第二折畳棚に所定数の鶏卵パックを積み込んだら、棚開放装置1によって第三折畳棚が自動的に開放される。ロボットアームが第三折畳棚に所定数の鶏卵パックを積み込んだら、棚開放装置1によって第四折畳棚が自動的に開放される。このように一連の動きが制御される。
上記実施形態において、傾斜形成部(15、151)は、吸引駆動部15と吸引パット151とで構成されていたが、これらが一つでも良く複数でもよい。また、傾斜形成部は、この構成に限定されず、例えば、折畳棚の側面を挟持する手段で傾斜させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 棚開放装置
10 フレーム本体
11 前面部
12 背面部
121 クランプ(一対の側面クランプ)
122 第二ストッパ(第二クランプ)
127 背面固定用クランプ(一対のクランプ)
13 駆動部
131 駆動ベルト(あるいは歯付ベルト)
14 棚開放ユニット
15 吸引駆動部
151 吸引パッド
16 押出部
161 押出先端弾性部
17 第一予備開放部
27 第二予備開放部
28 矯正クランプ
2 送込装置
3 鶏卵容器輸送台車
31 第一側面フレーム(一対の側面フレーム)
311 第一側板
312 第二側板
313 第三側板
314 第四側板
3111 第一載置レール
3112 第二載置レール
3113 第三載置レール
3114 第四載置レール
321 第一折畳棚
322 第二折畳棚
3224 棒状フレーム
323 第三折畳棚
324 第四折畳棚
50 ロボットアーム
51 吸着手段
54 フック
S1 第一センサ
S2 第二センサ
S3 第三センサ
EP 鶏卵パック