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特開2023-62001セキュリティを備えた診断検査アッセイおよび関連デバイス、ならびにそれらの使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062001
(43)【公開日】2023-05-02
(54)【発明の名称】セキュリティを備えた診断検査アッセイおよび関連デバイス、ならびにそれらの使用方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/543 20060101AFI20230425BHJP
   G01N 21/78 20060101ALI20230425BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
G01N33/543 521
G01N33/543 575
G01N21/78 A
G01N21/64 F
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014413
(22)【出願日】2023-02-02
(62)【分割の表示】P 2021014972の分割
【原出願日】2017-02-13
(31)【優先権主張番号】62/432,022
(32)【優先日】2016-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/430,698
(32)【優先日】2017-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518342467
【氏名又は名称】ナウダイアグノスティクス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ネベン・カルロバッツ
(72)【発明者】
【氏名】オヌール・ムダニアリ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】守秘義務およびセキュリティの目的を達成するために、エンドユーザまたはオペレータがテスト結果を視覚的に解釈することを難しくして専用読取機器が結果を検査施設または行政団体にセキュアに伝達することを必要とするアッセイデバイスを生成および利用する。
【解決手段】少なくとも1つの結果を提供するアッセイまたはテストデバイスであって、少なくとも1つの対象粒子、少なくとも1つのマーカ、またはそれらの組合せに応答して光学的変化を呈する少なくとも1つの表面と;アッセイ膜、アッセイデバイスまたはそれらの組合せを少なくとも部分的に覆う少なくとも1つの多層コーティングであって、光学的変化、少なくとも1つの結果、またはそれらの組合せのユーザ視覚化を遮断する、または減じる、多層コーティングとを備える、アッセイまたはテストデバイスを提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セキュアなアッセイデバイスであって、
少なくとも1つの結果を提供するアッセイまたはテストデバイスであって、少なくとも1つの対象粒子、少なくとも1つのマーカ、またはそれらの組合せに応答して光学的変化を呈する少なくとも1つの表面を備える、アッセイまたはテストデバイスと、
アッセイ膜、アッセイデバイス、またはそれらの組合せを少なくとも部分的に覆う少なくとも1つの多層コーティングであって、光学的変化、少なくとも1つの結果、またはそれらの組合せのユーザ視覚化を遮断する、または減じる、多層コーティングとを備えた、
セキュアなアッセイデバイス。
【請求項2】
少なくとも1つの対象粒子、少なくとも1つのマーカ、またはそれらの組合せは、検体、抗体、分子、ウィルス、細菌、細胞、またはそれらの組合せを含む、請求項1に記載のセキュアなアッセイデバイス。
【請求項3】
アッセイデバイスは、ラテラルフローおよび/またはバーティカルフローイムノアッセイである、請求項1に記載のセキュアなアッセイデバイス。
【請求項4】
アッセイデバイスは蛍光アッセイである、請求項1に記載のセキュアなアッセイデバイス。
【請求項5】
アッセイデバイスはマイクロ流体デバイスである、請求項1に記載のセキュアなアッセイデバイス。
【請求項6】
多層コーティングは調節可能な伝達を備える、請求項1に記載のセキュアなアッセイデバイス。
【請求項7】
多層コーティングは部分的に反射性である、請求項1に記載のセキュアなアッセイデバイス。
【請求項8】
多層コーティングは部分的に透明である、請求項1に記載のセキュアなアッセイデバイス。
【請求項9】
多層コーティングは、光偏向、波長、または強度に対してセンシティブな1つまたは複数の層をさらに備える、請求項1に記載のセキュアなアッセイデバイス。
【請求項10】
セキュアな読取装置であって、
制御電子装置のセットと、
デジタルカメラコンポーネントと、
照明コンポーネントと、
ハウジングコンポーネントと、
少なくとも1つの結果を提供するアッセイまたはテストデバイスであって、少なくとも1つの対象粒子、少なくとも1つのマーカ、またはそれらの組合せに応答して光学的変化を呈する少なくとも1つの表面を備える、アッセイまたはテストデバイスと、
アッセイ膜、アッセイデバイス、またはそれらの組合せを少なくとも部分的に覆う少なくとも1つの多層コーティングであって、光学的変化、少なくとも1つの結果、またはそれらの組合せのユーザ視覚化を遮断する、または減じる、多層コーティングとを備えた、セキュアな読取装置。
【請求項11】
デジタルカメラコンポーネントとは反対側からセキュアなアッセイデバイスを照明する照明コンポーネントを備えた、請求項10に記載のセキュアな読取装置。
【請求項12】
デジタルカメラコンポーネントと同じ側からセキュアなアッセイデバイスを照明する照明コンポーネントを備えた、請求項10に記載のセキュアな読取装置。
【請求項13】
セキュアなアッセイデバイス内の多層コーティングと適合する波長を用いて、セキュアなアッセイデバイスを照明する照明コンポーネントを備えた、請求項10に記載のセキュアな読取装置。
【請求項14】
蛍光およびアップコンバーティングフォスファベースのアッセイ内でフルオロフォアおよびアップコンバーティングフォスファを励起するために、デジタルカメラコンポーネントと同じ側からセキュアなアッセイデバイスを照明する照明コンポーネントを備えた、請求項10に記載のセキュアな読取装置。
【請求項15】
機密インビトロ診断テストを行う方法であって、
少なくとも1つの結果を提供するアッセイまたはテストデバイスを提供するステップであって、アッセイまたはテストデバイスは、少なくとも1つの対象粒子、少なくとも1つのマーカ、またはそれらの組合せに応答して光学的変化を呈する少なくとも1つの表面を備える、ステップと、
アッセイ膜、アッセイデバイス、またはそれらの組合せを少なくとも部分的に覆う少なくとも1つの多層コーティングを提供するステップであって、多層コーティングは、光学的変化、少なくとも1つの結果、またはそれらの組合せのユーザ視覚化を遮断する、または減じる、ステップと、
読取機器を利用して、ユーザに見えないテスト結果を得る、および、他のものにセキュアにおよび秘密裏に結果を提供するステップとを含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許協力条約出願は、2016年12月9日に出願された米国特許仮出願第62432022号の優先権を主張する、2017年2月13日に出願された米国特許出願第15430698号の優先権を請求し、両出願とも、共同所有され、その開示は、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本主題の分野は、診断検査アッセイおよび関連デバイスの、およびこれらからの結果を光学的に暗号化するように少なくとも部分的に機能する、診断検査アッセイ、層状材料およびコーティング材料である。
【背景技術】
【0003】
健康状態および疾病をテストするためのいくつかの方法があるが、一般的に、テストまたはアッセイは、医師および医療従事者によって行なわれる、および患者によって行なわれるものに分類することができる。妊娠テストの場合などの後者の場合、テスト結果は、患者によって直ぐに読み取られ、その解釈のためにオープンになる。自己検査および結果の自己評価は患者にとって便利であるが、患者の福祉または公共政策の視点から最良の方法ではないことがある。これは、癌および妊娠を含む主要な健康状態と共に、HIVおよび他のSTD(性感染症)などの感染性疾病に特に当てはまる。
【0004】
食品検査、作物検査、獣医学的用途、薬物乱用検査、IVD(インビトロ診断)技術を使用する生体防御用途およびイムノアッセイ(ラテラルフローテスト、フロースルーテスト、迅速診断テスト、マイクロアレイフォーマットなど)などの他のタイプのテストの場合、守秘義務の問題、誤解釈問題、または結果を隠すあるいは不正に報告するテスト対象から生じる問題により、第三者の会社または個人によって結果をレビューおよび解釈させることが有利であり得る。このような場合、テスト結果は、テスト結果の誤解または誤解釈を避けるために、第三者の個人(例えば、医療または研究室の専門家)および/または機械(例えば、読取装置)によって最初に分析および解釈される必要がある、および/または分析および解釈されることが好ましい。
【0005】
クロマトグラフィ、蛍光、アップコンバーティングフォスファおよび発光を含む、市場における光学的出力を備えた様々なタイプのアッセイが現在ある。金、銀、炭素、ラテックスおよび他の見える粒子を使用して典型的に開発されるクロマトグラフィアッセイ、およびラベルは、色、コントラストおよび/または視覚強度の変化の形でテスト結果を表示する。まさにその本質から、これらのテストの結果は、ユーザまたはオペレータに見えるものであり、テスト結果をユーザまたは権限のないオペレータから部分的にさえ隠すための利用可能な方法は現在ない。
【0006】
同時に、テスト結果の守秘義務およびセキュリティのこの問題に間接的に対処するためのいくつかの方法があるが、著しい欠点がある。1つのタイプのアッセイでは、ユーザは彼の/彼女の試料(例えば、血液、体液など)を使用してアッセイを活性化させ、その後、テスト結果が見えるようになる前に、活性化されたテストを医療施設(研究室、病院、医院など)または他の施設に返送する必要がある。一旦テスト結果が受け取られると、それは、視覚的に、またはその施設のデジタル機器を使用してのいずれかにより読み取られる。その後、書面による通信によって、患者または権限が与えられたユーザに結果が返される、または医療プロバイダへのフォローアップ訪問などのいくつかの他のアクションが続く。
【0007】
これらのタイプのテストに対するいくつかの欠点がある。最初に、エンドユーザ(すなわち、患者)によるテスト活性化または試料収集と、施設によるその受け取りおよび分析との間の時間は、典型的にはかなり長い(すなわち、最大数日)。イムノアッセイテストは、長期間安定せず、反応は数時間、数日間でさえ止まらない。したがって、これらのタイプのテスト(例えば、ラテラルフローアッセイ)は、典型的には15分未満で解釈されることになっており、そうでなければ、これらのテストは無効、不正確および非効果的となる。さらに、環境条件は、活性化されたテスト/アッセイの輸送中に正確に制御されず、アッセイ/テスト結果に潜在的に影響を与える。
【0008】
別の間接的方法は、テストが進展するとユーザに見えるようになるいくつかの異なる特徴またはパターンでアッセイを構成することである。しかし、このような見える特徴の意味はユーザから隠される。これらを解釈することは、アルゴリズムを使用する読取装置がテスト結果を導き出すことを必要とする;このテスト結果は、読取装置内に隠されたままであり、施設に秘密裏に伝達される。この方法は極めてよく働くが、アッセイ内に検体毎に2つ以上の検査の特徴を組み込む必要性が大きな不利益であり、より費用のかかる開発が必要であり、普通、テスト性能における妥協につながる。
【0009】
あるいは、セキュリティの目的で(また、より良い感度のために)、蛍光およびアップコンバーティングフォスファアッセイ技術が使用される。テスト結果は、裸眼には見えず、特別な光源(例えば、紫外線)を使用して特別な読取装置でのみ読み取ることができる。しかし、これらの蛍光ベースの技術は、限られた検査用途を提供することしかできず、蛍光ラベルは見えるマーカ(一般的に使用される金ナノ粒子など)よりかなり費用がかかる。加えて、研究開発および機器のかなり多額の先行投資が必要である。
【0010】
発光アッセイは、視覚的に読み取られるには一般的に弱すぎて、センシティブな読取装置を必要とする光学的結果を生成する。これらのアッセイは、守秘義務要件を満たすが;まさにその本質から、限られたニッチな用途でのみ利用可能である。
【0011】
迅速診断アッセイまたはテスト(RDT)は、世界的に一連の治療において重要および増大する役割を果たす。医院、病院、都会および遠隔クリニックでの治療地点で、または救急救命士によってのいずれかで投与され、即時の結果を提供し、これらの検査は、改良されたアクセス、より低い費用、およびより優れた品質の医療に貢献する。増加する数のRDTは、急性および慢性症状のテストのために、患者および一般人によって家庭での使用に利用可能である。RDTに使用される主要な技術は、ラテラルフローイムノクロマトグラフィ分析(LFI)であり、その後に、ラテラルフローイムノ蛍光分析が続く。LFIテストおよびサービスの世界的年間値は、BCC Researchによると180億ドルである。RDTは、フロースルーおよびディップスティックテストなどのイムノアッセイの他の変更形態と、他の化学または生化学方法でも利用可能である。実際、本明細書で説明される企図されている実施形態は、動作の機構として光学的特性の変化を使用していかなるRDTにも適用可能である。全てのRDTは、試料内の検体と相互作用する活性部分、および周囲の構造を、典型的には含み;共に、患者またはユーザによる処理に適切なアッセイデバイスを形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
この目的のため、および守秘義務およびセキュリティの目的を達成するために、エンドユーザまたはオペレータがテスト結果を視覚的に解釈することを難しく簡単でなくするが、専用読取機器が結果を検査施設または行政団体にセキュアに伝達することを必要とするアッセイデバイスを生成および利用することが望ましい。また、いかなるソリューションも、費用効果がよくおよび信頼性があること;最小の適合で既存のアッセイ技術の大部分に適用可能であることを保証することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0013】
セキュアなアッセイデバイスが本明細書に開示され、それは:少なくとも1つの結果を提供するアッセイまたはテストデバイスであって、少なくとも1つの対象粒子、少なくとも1つのマーカ、またはそれらの組合せに応答して光学的変化を呈する少なくとも1つの表面と;アッセイ膜、アッセイデバイスまたはそれらの組合せを少なくとも部分的に覆う少なくとも1つの多層コーティングであって、光学的変化、少なくとも1つの結果、またはそれらの組合せのユーザ視覚化を遮断する、または減じる、多層コーティングとを備える、アッセイまたはテストデバイスを提供する。
【0014】
セキュアな読取装置は:制御電子装置のセットと、デジタルカメラコンポーネントと、照明コンポーネントと、ハウジングコンポーネントと、少なくとも1つの結果を提供するアッセイまたはテストデバイスであって、少なくとも1つの対象粒子、少なくとも1つのマーカ、またはそれらの組合せに応答して光学的変化を呈する少なくとも1つの表面を備えるアッセイまたはテストデバイスと、アッセイ膜、アッセイデバイス、またはそれらの組合せを少なくとも部分的に覆う少なくとも1つの多層コーティングであって、光学的変化、少なくとも1つの結果、またはそれらの組合せのユーザ視覚化を遮断する、または減じる、多層コーティングとを備える。
【0015】
機密インビトロ診断テストを提供する方法は:少なくとも1つの結果を提供するアッセイまたはテストデバイスを提供するステップであって、アッセイまたはテストデバイスが、少なくとも1つの対象粒子、少なくとも1つのマーカ、またはそれらの組合せに応答して光学的変化を呈する少なくとも1つの表面を備える、ステップと;アッセイ膜、アッセイデバイス、またはそれらの組合せを少なくとも部分的に覆う少なくとも1つの多層コーティングを提供するステップであって、多層コーティングが、光学的変化、少なくとも1つの結果、またはそれらの組合せのユーザ視覚化を遮断する、または減じる、ステップと;読取機器を利用して、ユーザに見えないテスト結果を得る、および、他のものにセキュアにおよび秘密裏に結果を提供するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】企図されている実施形態のコーティング方式を示す。
図2】企図されている実施形態のアッセイデバイス方式を示す。
図3】企図されている実施形態の読取装置システムを示す。
図4】読取装置システムの実施形態を示す。
図5】企図されている方法を示す。
図6】従来のアッセイまたはテストと比較したセキュアなアッセイを示す。
図7】別の企図されている方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
インビトロ診断アッセイデバイスおよび報告機器でもありえる、アッセイデバイスが開発され、本明細書に説明されており、それは、迅速診断デバイス、アッセイ膜、および、テスト結果が第三者の医師、医療提供者またはレビューアーによってセキュアにおよび正確にレビューされるのを可能にするコーティング材料を有する。いくつかの実施形態では、企図されているテスト結果は加えて暗号化することができ、それによって、結果をレビューおよび解釈することができるまで、患者および一般人が保護される。本明細書に開示されたソリューションは、費用効率がよいのみならず信頼性もある。最後に、いくつかの例では、記録管理または書類作製のためにそのオプションが望ましい場合、結果は検査施設または行政団体に伝達されることができる、あるいは自動的に伝達されることができる。
【0018】
既存の技術およびプロトコルとは異なり、企図されている実施形態は、市販されている、または開発中であるいかなるアッセイにも容易に適用することができる。アッセイ製造者および開発者は、企図されている実施形態でその技術を改良することができる。プラスチック層が、汚染を防ぐために当業界で既に幅広く使用され、これらの層を企図されているコーティングまたは層、または多層状コーティング層に置き換えることができる。したがって、検査あたりの企図されている実施形態の費用は、ゼロではないとしても、アッセイ製造者、アッセイを使用する人、および読取装置設計にアッセイを組み込む人に対して極めて低い。
【0019】
特に、セキュアなアッセイデバイスが本明細書に開示され、それは:少なくとも1つの結果を提供するアッセイまたはテストデバイスであって、少なくとも1つの対象粒子、少なくとも1つのマーカ、またはそれらの組合せに応答して光学的変化を呈する少なくとも1つの表面と、アッセイ膜、アッセイデバイス、またはそれらの組合せを少なくとも部分的に覆う少なくとも1つの多層コーティングであって、光学的変化、少なくとも1つの結果、またはそれらの組合せのユーザ視覚化を遮断する、または減じる、多層コーティングとを備える、アッセイまたはテストデバイスを提供する。
【0020】
本明細書に使用されるように、「光学的変化」という表現は、物理的変化、光学的変化、またはそれらの組合せがあることを意味し、観察者、ユーザ、または結果を分析するために使用されるデバイスは、表面または表面の特性の変化を検出する。
【0021】
企図されている実施形態では、少なくとも1つの対象粒子、少なくとも1つのマーカ、またはそれらの組合せは、検体、抗体、分子、ウィルス、細菌、細胞、またはそれらの組合せを含む。
【0022】
セキュアな読取装置は:制御電子装置のセットと、デジタルカメラコンポーネントと、照明コンポーネントと、ハウジングコンポーネントと、少なくとも1つの結果を提供するアッセイまたはテストデバイスであって、少なくとも1つの対象粒子、少なくとも1つのマーカ、またはそれらの組合せに応答して光学的変化を呈する少なくとも1つの表面を備える、アッセイまたはテストデバイスと;アッセイ膜、アッセイデバイス、またはそれらの組合せを少なくとも部分的に覆う少なくとも1つの多層コーティングであって、光学的変化、少なくとも1つの結果、またはそれらの組合せのユーザ視覚化を遮断する、または減じる、多層コーティングとを備えている。
【0023】
機密インビトロ診断テストを行う方法は:少なくとも1つの結果を提供するアッセイまたはテストデバイスを提供するステップであって、アッセイまたはテストデバイスが、少なくとも1つの対象粒子、少なくとも1つのマーカ、またはそれらの組合せに応答して光学的変化を呈する少なくとも1つの表面を備える、ステップと;アッセイ膜、アッセイデバイス、またはそれらの組合せを少なくとも部分的に覆う少なくとも1つの多層コーティングを提供するステップであって、多層コーティングが、光学的変化、少なくとも1つの結果、またはそれらの組合せのユーザ視覚化を遮断する、または減じる、ステップと;読取機器を利用して、ユーザに見えないテスト結果を得る、および、他のものにセキュアにおよび秘密裏に結果を提供するステップとを含む。
【0024】
企図されている実施形態では、インビトロ診断技術を使用する安全な、セキュアな、および正確な診断のための新規の光学的技術が開発された。また、イムノアッセイを分析および解釈し、テスト結果を暗号化し、第三者と自動的に共有するために、デジタル読出システムを設計した。
【0025】
インビトロ診断またはIVD技術を使用して、安全な、センシティブな、および正確な診断を提供するために、テスト活性化(典型的には、5から20分)直後であるが、一方で同時にはエンドユーザに結果を提供しない、既定の時間間隔後に読み出しまたはレビューが完了され得るまたは伝達されるべきである。一体化された読出機器(例えば、特別な読取装置)は、テスト結果を暗号化し、医療施設(研究室、病院、医院など)で自動的に共有することができる。
【0026】
特に、インビトロ診断検査およびアッセイデバイス200が開発され、図1および2に示され、それは、アッセイ膜260、およびアッセイ膜260を少なくとも部分的に覆う多層コーティング140を備え、1つまたは複数の多層コーティング140は、読出側230などにおける、テスト、結果、またはそれらの組合せ(図示せず)のユーザ視覚化を遮断する。いくつかの任意選択の実施形態では、アッセイ膜260は、外側シェル250内に囲まれることができる。多層コーティング140は、アッセイ膜の上または外側シェル250の上部、および任意選択で、膜260またはシェル250の底部に、コーティングまたは別個の層のいずれかとして、アッセイ膜260上に直接配置することができる。テスト結果の守秘義務およびセキュリティを提供する、企図されているセキュアなアッセイデバイスは、商品名SECASSAY(商標)と称され得る。企図されている実施形態では、アッセイデバイスは、蛍光アッセイ、マイクロ流体アッセイ、またはそれらの組合せであってもよい。
【0027】
セキュアな読取装置300がまた、図3および図4に開示および図示されており、それは:制御電子装置のセット320、デジタルカメラコンポーネント330、照明コンポーネント350、360、ハウジングコンポーネント310、迅速診断テストトレイ(図3には図示せず)であって、SECASSAY(商標)などの少なくとも1つの迅速診断テストまたはセキュアなアッセイデバイス100を保持できる、トレイを備え、読取装置は2つ以上の異なる迅速診断テストに対応することができる。
【0028】
図1および図2に示される、企図されているセキュアなアッセイデバイス100は、テストトレイ(図示せず)に位置付けされたアッセイまたはテスト110、およびアッセイ110を少なくとも部分的に覆う多層コーティング140を含み、多層コーティングは、テスト、結果、またはそれらの組合せのユーザ視覚化を遮断する。関連するカメラレンズ、フィルタ、またはそれらの組合せ340、および制御電子装置320と共に、図3に330として示されるデジタルカメラ要素は、携帯電話、スマートフォン、デジタルカメラ、他の迅速テスト読取装置、または他の同様のデバイスの一部であってもよい。企図されている実施形態では、多層コーティング140は、部分的に反射性、部分的に透明、またはそれらの組合せであってもよい。いくつかの企図されている実施形態では、多層コーティング140は、光偏向、波長、強度、またはそれらの組合せに対してセンシティブな1つまたは複数の層をさらに備えることができる。
【0029】
企図されている手持ち式迅速診断読取装置は、共同所有され、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる、対応する米国特許出願第14/313,615号に開示されたものを含む、いかなる適切な読取機器であってもよい。読取装置が適切であるかどうかに関する重要な検討事項は、前のパラグラフに説明されたような、セキュアなアッセイデバイス100を読み取ることができるかどうかである。
【0030】
企図されている実施形態では、前に説明されたように、セキュアなアッセイデバイスは、底部側が伝達要素の上にまたは近くに配置されるように設計されている。上部側は、テストインディケーションを含む膜の活性部が読取装置要素の視野内にあるように設計されている。本明細書に開示されるように、アッセイ膜は、調節可能な伝達を有する少なくとも1つの多層コーティングで全体的または部分的のいずれかで覆われている。コーティングされたアッセイ膜の底部側には、発光ダイオードすなわちLEDなどの伝達要素がある。伝達要素は、任意選択の外側シェルに、およびこれを通して、またコーティングされたアッセイ膜を通して、光を伝達する。
【0031】
いくつかの実施形態では、企図されているアッセイ膜は、伝達要素に面した側、および、関心のある活性領域を有する他方側を備えている。伝達要素に面した側は、伝達要素からの光またはエネルギーに最初に接触するアッセイ膜の側である。これらの実施形態では、関心のある活性領域側は、結果を受けとり、およびレビューするために、読取装置内でデジタルカメラ要素(検出器)に面するコーティングされたアッセイ膜の側である。
【0032】
他の実施形態では、企図されているアッセイ膜は、活性側および不活性側を備え、これらは企図されているアッセイ膜の同じ表面側で互いに隣接することがある。これらの企図されているアッセイ膜の活性側は、反射または蛍光要素と相互作用し、同時に、結果を受け取る検出器に面する側である。これらの実施形態では、反射または蛍光要素は、1つの角度からまたはある期間、コーティングされたアッセイ分析膜で生じる光またはエネルギーを提供することができ、その後、検出器または読取装置は、別の角度から、または反射または蛍光要素が活性でなくなった場合に結果をレビューする。これらの実施形態では、第1の側は、反射または蛍光要素、および読取装置または検出器を含む、あるいはこれらと結合でき、第2の側は内側キャビティと接合するだけであってもよい。
【0033】
企図されている視覚的暗号化方法、実施形態およびデバイスは、図1に示すように、アッセイ膜またはテストパッケージ全体(例えば、ラテラルフローアッセイ、バーティカルフローイムノアッセイ、フロースルーアッセイ、または他のIVDテスト)を全体的に(4つ側全て)または部分的に(1つ以上の側)覆うために使用される、調節可能な伝達を備えた多層状コーティングに依存する。図1は、各側に任意選択の帯域通過フィルタおよび偏光層120を有するテストまたはアッセイ110を示しているが、それらは、1つの側にある、またはそこに全くないこともありうることを理解されたい。加えて、各側に部分的反射/部分的透明コーティング130があるが、それらは1つの側のみでありうることを理解されたい。企図されている反射または透明コーティングは、少なくとも1つの層、いくつかの例では、2つ以上の層を備えることができる。これらの企図されている反射または透明コーティング層自体は、多層コーティングでありうる。これらのコーティングまたは層状材料は、一方向または双方向ミラーと同様である。
【0034】
いくつかの実施形態では、任意選択の偏光器および/または「波長」帯域通過フィルタまたは層120が、コーティング層として、または、コーティング層と合わせて使用されることができ、それらは、より大きな範囲で、テストおよび結果のユーザ視覚化を遮断するために、アッセイ毎に最適化することができる。
【0035】
部分的に反射性、部分的に透明、またはそれらの組合せの層は、以下の原理を満たす限り、いかなる材料であってもよい。材料の一方の側が、照明される、またはエネルギーがその側に加えられ、他方の側は、比較的暗い、または空間に存在する明らかな光あるいはエネルギーがない場合、暗いまたは低エネルギー側から、個人による、または検出器からの観察が可能であるが、逆は当てはまらない。
【0036】
光学的特性(反射率および透過率)は、テストタイプ、デバイスタイプ、読取装置または検出器タイプ、あるいはそれらの組合せに応じて、材料厚さまたは材料の個別層、あるいはコーティング材料の組成または濃度を変更することによって調節することができる。これらの材料は、金属(例えば、銀または金)で覆うことができ、尋問室、セキュリティ監視デッキまたはセキュリティカメラなどで幅広く使用することができる。
【0037】
他の実施形態では、偏光器および帯域通過フィルタ層の追加の使用により、特別なレベルの守秘義務、セキュリティ、またはそれらの組合せを追加することができる。エンドユーザが強い環境光、太陽光、または他の市販の光源においてテストを読み取ろうと試みることがあるので、アッセイは、特別な偏光にセンシティブなフィルタ、帯域通過(狭いまたは広い)フィルタ、またはそれらの組合せでコーティング、または追加でコーティングされることができ、それによって、特定の偏光および波長を有する光、またはエネルギーのみがテストを通過することができる。
【0038】
前に開示した従来の読取装置などの企図されている読取装置300は、図3および図4に示すように、3つの照明および読出モード:蛍光360、反射360および伝達350を有し、これらの照明モードまたは方式の、1つまたは複数での画像の記録に基づいて働く。反射モードは、明らかに視覚的読み出しに対応し、実装するのが容易であり、比較可能な結果を提供するので、ほとんどの市販されている読取装置で使用される。各照明方式は、視覚的に符号化されるアッセイを読み取るために、照明角度、異なる偏光、波長、伝達効率および光強度にカスタマイズすることができる。このように最適化された読出システムは、復号器と同等である。カメラシステム330は、デジタル的に見えるようになるセキュアなアッセイ100の画像を記録し、信号を定量化するために画像を処理することができ、テスト結果を生成する。図4では、企図されているセキュアなアッセイ200が、参照番号370として示すように、伝達LED350の上部に配置される。
【0039】
企図されているセキュアなアッセイデバイスを照明する、企図されている照明コンポーネントは、読取装置、アッセイ、またはそれらの組合せの必要性および設計に応じて、デバイスの反対側から、デジタルカメラコンポーネントから、またはデジタルカメラコンポーネントと同じ側からデバイスを照明する。照明コンポーネントがデジタルカメラコンポーネントと同じ側からアッセイデバイスを照明する実施形態では、蛍光およびアップコンバーティングフォスファベースのアッセイ内でフルオロフォアおよびアップコンバーティングフォスファを励起するためにそのようにする。企図されている読取装置は、セキュアなアッセイデバイス内の多層コーティングと適合する波長を用いて、セキュアなアッセイデバイスを照明する照明コンポーネントを備えている。
【0040】
企図されている手法は蛍光アッセイにも適用されることができる、なぜなら、企図されている読取装置および読取装置ソリューションが軸外照明方式を利用し、(1つまたは複数の)コーティングによって反射された光がカメラに到達せず、一方で、膜は部分的に伝達された励起光で励起され、読取装置システムによって記録されることができる蛍光信号を発することができるからである。企図されている読出システム300の実施形態が、図3に示されている。
【0041】
図5に示すように、企図されている方法は、従来のテスト/アッセイ/デバイス110で開始するステップ510と、セキュアなアッセイ200を作り出すために少なくとも1つの多層コーティング140を使用して従来のテスト/アッセイ/デバイス110を少なくとも部分的に覆うステップ520と、セキュアなアッセイ200を読取装置システム300に挿入するステップ530と、セキュアなアッセイ200を分析するために読取装置システム300を使用するステップ540と、テスト/アッセイ/デバイス結果を権限のある人または場所に送るステップ(図示せず)とを含む。図6は、テスト結果が観察者610に明らかである従来のアッセイ、およびテスト結果が観察者620に隠されている企図されている実施形態のアッセイを示す。
【0042】
図7に示すように、また上で論じたように、機密インビトロ診断テストを提供する方法700は:少なくとも1つの結果を提供するアッセイまたはテストデバイスを提供するステップ710であって、アッセイまたはテストデバイスは少なくとも1つの対象粒子、少なくとも1つのマーカまたはそれらの組合せに応答して光学的変化を呈する少なくとも1つの表面を備える、ステップと;アッセイ膜、アッセイデバイス、またはそれらの組合せを少なくとも部分的に覆う少なくとも1つの多層コーティングを提供するステップ720であって、多層コーティングは光学的変化、少なくとも1つの結果、またはそれらの組合せのユーザ視覚化を遮断する、または減じる、ステップと;ユーザに見えないテスト結果を得るため、および、他のものに結果をセキュアにおよび秘密裏に提供するために読取機器を利用するステップ730とを含む。
【0043】
上で開示および論じるように、企図されている実施形態は、市販されているまたは開発中であるいかなるアッセイにも容易に適用することができる。アッセイ製造者および開発者は、企図されている実施形態で技術を改良することができる。プラスチック層は、汚染を防ぐために当業界で既に幅広く使われており、これらの層を企図されているコーティングまたは多層状コーティング層と置き換えることができる。したがって、検査毎の企図されている実施形態の費用は、ゼロではないとしても、アッセイ製造者、アッセイを使用する人、および読取装置設計にアッセイを組み込む人に対して極めて低い。
【0044】
このように、特定の実施形態、診断検査デバイスに対する層状およびコーティング材料の方法が開示されている。しかし、本明細書の発明概念から逸脱することなく、既に説明したもの以外の多くのさらなる変更が可能であることが当業者には自明である。したがって、発明の主題は、本明細書の開示の趣旨を除いて制約されるものではない。さらに、明細書および特許請求の範囲を解釈する際、全ての用語は内容と一貫性のある最も範囲が広い可能な様式で解釈されるべきである。特に、「備える」および「備えている」という用語は、非排他的な様式で要素、コンポーネント、またはステップに言及していると解釈され、参照された要素、コンポーネント、またはステップは明示的には参照されない他の要素、コンポーネント、またはステップで存在する、または利用される、または組み合わせられることができることを示すものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-03-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セキュアなアッセイデバイスであって、
少なくとも1つの結果を提供するアッセイ膜またはテストデバイスであって、アッセイ膜またはテストデバイスは、少なくとも1つの対象粒子、少なくとも1つのマーカ、またはそれらの組合せに応答して変化を呈する少なくとも1つの表面を備える、アッセイ膜またはテストデバイスと、
少なくとも1つの対象粒子に応答した変化を記録するカメラシステムと、
アッセイ膜、セキュアなアッセイデバイス、またはそれらの組合せを少なくとも部分的に覆う少なくとも1つの多層コーティングであって、多層コーティングは、特別な偏光にセンシティブなフィルタ、帯域通過(狭いまたは広い)フィルタ、またはそれらの組合せを備える、少なくとも1つの多層コーティングとを備えた、
セキュアなアッセイデバイス。
【請求項2】
少なくとも1つの対象粒子、少なくとも1つのマーカ、またはそれらの組合せは、検体、抗体、分子、ウィルス、細菌、細胞、またはそれらの組合せを含む、請求項1に記載のセキュアなアッセイデバイス。
【請求項3】
アッセイデバイスは、ラテラルフローおよび/またはバーティカルフローイムノアッセイである、請求項1に記載のセキュアなアッセイデバイス。
【請求項4】
アッセイデバイスは蛍光アッセイである、請求項1に記載のセキュアなアッセイデバイス。
【請求項5】
アッセイデバイスはマイクロ流体デバイスである、請求項1に記載のセキュアなアッセイデバイス。
【請求項6】
多層コーティングは調節可能な伝達を備える、請求項1に記載のセキュアなアッセイデバイス。
【請求項7】
多層コーティングは部分的に反射性である、請求項1に記載のセキュアなアッセイデバイス。
【請求項8】
多層コーティングは部分的に透明である、請求項1に記載のセキュアなアッセイデバイス。
【請求項9】
多層コーティングは、光偏向、波長、または強度に対してセンシティブな1つまたは複数の層をさらに備える、請求項1に記載のセキュアなアッセイデバイス。