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特開2023-62022ゴルフ練習場でのショットの移動経路特性のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062022
(43)【公開日】2023-05-02
(54)【発明の名称】ゴルフ練習場でのショットの移動経路特性のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/246 20170101AFI20230425BHJP
   A63B 69/36 20060101ALI20230425BHJP
   A63B 71/06 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
G06T7/246
A63B69/36 522Z
A63B71/06 R
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018061
(22)【出願日】2023-02-09
(62)【分割の表示】P 2021546699の分割
【原出願日】2020-02-19
(31)【優先権主張番号】62/809,083
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507002457
【氏名又は名称】トラックマン・アクティーゼルスカブ
【氏名又は名称原語表記】TRACKMAN A/S
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【弁理士】
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】フレドリク トゥクセン
(72)【発明者】
【氏名】チェン チェン
(72)【発明者】
【氏名】スタンゴー マチヤス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ゴルフ練習場におけるゴルフショットの移動経路特性を決定するシステムを提供する。
【解決手段】方法は、撮像装置が取得した画像データにおいて、第1発射エリアから発射されたゴルフショットのシグネチャに相関する画像特徴を識別するブロブ検出をすることであって、撮像装置の視野が、第1発射エリア及び第1発射エリアに隣接するエリアのうち1つを含むことと、画像データから第1ゴルフショット特性を決定し、第1ショット特性は第1発射位置及び第1発射時間を含み、第1発射位置及び第1発射時間が、別のセンサ装置によって取得されたセンサデータから決定された第2ゴルフショット特性の第2発射位置及び第2発射時間に対応するか否かを組み合わせて決定することと、第1、第2発射位置の間並びに第1、第2発射時間の間に対応が見出だされない場合は、第1ショット特性を第1発射位置のディスプレイに送信することと、を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフショットの特性を決定する方法であって、
撮像装置によって取得された画像データにおいて、ゴルフボールが発射される複数の発射エリアのうち第1発射エリアから発射されたゴルフショットのシグネチャを検出することであって、前記ゴルフショットの前記シグネチャを検出することは、ゴルフボールのシグネチャに相関する画像特徴を識別するブロブ検出を含み、前記撮像装置の視野は、前記第1発射エリア及び前記第1発射エリアに隣接するエリアのうち1つを含むことと、
前記画像データから前記ゴルフショットの第1ショット特性を決定することであって、前記第1ショット特性は、第1発射位置及び第1発射時間を含むことと、
前記第1発射位置及び前記第1発射時間が、別のセンサ装置によって取得されたセンサデータから決定された第2ショット特性の第2発射位置及び第2発射時間に対応するか否かを決定することと、
前記第1及び第2発射位置の間、並びに、前記第1及び第2発射時間の間に対応が見出されない場合、前記第1ショット特性を前記第1発射エリアのディスプレイに送信することと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1及び第2発射位置の間、並びに、前記第1及び第2発射時間の間に対応が見出される場合、前記第2ショット特性を前記第1発射エリアの前記ディスプレイに送信することを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記ゴルフボールのシグネチャが検出された一つの画像フレーム又は複数の隣接する画像フレームから運動画像を計算することであって、前記運動画像は、ゴルフボールのシグネチャに対応するブレを含むことと、
前記運動画像から前記ブレに対応する特徴を抽出することと、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、前記抽出される特徴は、前記ブレの長さ、幅、ブレのファクター、水平方向の角度、及び推定発射位置を含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
前記撮像装置の露光時間と比較した前記ブレの長さ又は前記ブレのファクターに基づいて、前記ゴルフボールの初期速度又は前記ゴルフボールの総移動距離のうち少なくとも一方を推定することを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項3に記載の方法であって、
前記撮像装置のフレームレートと比較した複数の隣接するフレーム間での前記ゴルフボールの位置変化に基づいて、前記ゴルフボールの初期速度又は前記ゴルフボールの総移動距離のうち少なくとも一方を推定することを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
複数の画像で検出されたブロブがすべて同じゴルフショットに対応しているか否かを、空間的及び時間的なチェックに基づいて決定することを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
複数の画像で検出されたブロブがすべて同じゴルフショットに対応するか否かを、整数計画最適化に基づいて決定することを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記別のセンサ装置は、レーダアレイ及び撮像装置のうち1つを含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、前記第1ショット特性は、前記ゴルフショットの初期速度、初期方向、及び推定移動距離を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
ゴルフショットの特性を決定するためのシステムであって、
画像データを取得する撮像装置であって、ゴルフショットが発射される複数の発射エリアのうち第1発射エリア、及び、前記第1発射エリアに隣接するエリアを含む視野を有する撮像装置と、
前記画像データから、前記第1発射エリアから発射されたゴルフショットのシグネチャを検出する処理装置であって、前記処理装置が前記ゴルフショットの前記シグネチャを検出することは、ゴルフボールのシグネチャに相関する画像特徴を識別するブロブ検出を含み、前記処理装置は、前記画像データから、前記ゴルフショットの第1ショット特性を決定し、前記第1ショット特性は、第1発射位置及び第1発射時間を含み、前記処理装置は、前記第1発射位置及び前記第1発射時間が、別のセンサ装置によって取得されたセンサデータから決定された第2ショット特性のための第2発射位置及び第2発射時間に対応するか否かを決定し、前記第1及び第2発射位置の間、並びに、前記第1及び第2発射時間の間に対応が見出されない場合、前記第1ショット特性を前記第1発射エリアのディスプレイに送信する処理装置と、を備えることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、前記第1及び第2発射位置の間、並びに、前記第1及び第2発射時間の間に対応が見出される場合、前記処理装置は、前記第2ショット特性を前記第1発射エリアのディスプレイに送信することを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項11に記載のシステムであって、前記処理装置は、ゴルフボールのシグネチャが検出された一つの画像フレーム又は複数の隣接する画像フレームから運動画像を計算し、前記運動画像は、ゴルフボールのシグネチャに対応するブレを含み、前記処理装置は、前記運動画像からブレに対応する特徴を抽出することを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであって、前記抽出される特徴は、前記ブレの長さ、幅、ブレのファクター、水平方向の角度、及び推定発射位置を含むことを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、前記処理装置は、前記撮像装置の露光時間と比較した前記ブレの長さ又は前記ブレのファクターに基づいて、前記ゴルフボールの初期速度又は前記ゴルフボールの総移動距離のうち少なくとも一方を推定することを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項14に記載のシステムであって、前記処理装置は、前記撮像装置のフレームレートと比較した複数の隣接するフレーム間での前記ゴルフボールの位置変化に基づいて、前記ゴルフボールの初期速度又は前記ゴルフボールの総移動距離のうち少なくとも一方を推定することを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、前記処理装置は、複数の画像で検出されたブロブが同じゴルフショットに対応しているか否かを、空間的及び時間的なチェックに基づいて決定することを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項16に記載のシステムであって、前記処理装置は、複数の画像で検出されたブロブが同じゴルフショットに対応するか否かを、整数計画最適化に基づいて決定することを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項11に記載のシステムであって、前記別のセンサ装置は、レーダアレイ及び撮像装置のうち1つを含むことを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項11に記載のシステムであって、前記第1ショット特性は、前記ゴルフショットの初期速度、初期方向、及び推定移動距離を含むことを特徴とするシステム。
【請求項21】
ゴルフ練習場の複数の打席にゴルフショット特性を提供するシステムであって、
ゴルフ練習場の打席から発射される複数のゴルフショットのそれぞれのショット特性に対応するデータを検出するプライマリセンサ装置と、
画像データを取得する撮像装置であって、前記打席のうち第1打席及び前記第1打席
に隣接する領域の何れかを含む視野を有する撮像装置と、
前記画像データにおいて、前記第1打席から発射されたゴルフショットのシグネチャを検出する処理装置であって、前記処理装置が前記ゴルフショットの前記シグネチャを検出することは、ゴルフボールのシグネチャに相関する画像特徴を識別するブロブ検出を含み、前記画像データから、前記ゴルフショットの第1ショット特性を決定し、前記第1ショット特性は、第1発射位置及び第1発射時間を含み、前記処理装置は、前記第1発射位置及び前記第1発射時間が、前記プライマリセンサ装置によって取得されたセンサデータから決定された第2ショット特性の第2発射位置及び第2発射時間に対応するか否かを判定し、前記第1及び第2発射位置の間、並びに、前記第1及び第2発射時間の間に対応が見出だされない場合、前記処理装置は、前記第1ショット特性を前記第1打席のディスプレイに送信する処理装置と、
を備えることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年2月22日に出願された米国仮特許出願番号62/809,083の優先権を主張するものである。上記の出願の明細書は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、ゴルフ練習場におけるゴルフショットの移動経路特性を決定するためのシステム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
ゴルフ練習場は、同時に飛行している比較的多数のゴルフボールを追跡するために、センサ(時には、比較的少数のセンサ)を導入することがある。例えば、ゴルフ練習場の周囲に配置された3つのレーダからなるシステムは、複数の階層に分散した数百の打席から発生して同時に飛行する数十以上のゴルフボールを追跡するのに十分な場合がある。ショットのデータは、レーダによって取得され、ショットの追跡及び他の特性の決定のために処理装置によって処理されて、ショットが発せられた打席に提供される。これにより、各ゴルファーは自分のショットに関連するショット特性を得ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
センサとその配置によるが、そのようなシステムは、ある程度の速度と高さを少なくとも有して空中に発射されたゴルフボールを、より良く追跡することができる。例えば、ある種のレーダシステムでは、秒速15m未満で移動するボールや、秒速15m以上で移動しても飛行時間が短いボール、即ち低い発射角度で発射されたショットを、確実に検出することができない。これらのタイプのショットは、打ち損じ、又は、チップショット若しくはパット等の意図的な短いショットである可能性がある。このような場合、センサからのデータを受信したコンピュータは、そのような動きの遅いショットや低角度のショットのシグネチャ(特徴)を、他の物体の動きやデータのノイズから識別できないことがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、ゴルフショットの特性を決定するための方法に関するものである。本方法は、撮像装置によって取得された画像データにおいて、ゴルフボールが発射される複数の発射エリアのうち第1発射エリアから発射されたゴルフショットのシグネチャを検出することであって、前記撮像装置の視野は、前記第1発射エリア及び前記第1発射エリアに隣接するエリアのうち1つを含むことと;前記画像データから前記ゴルフショットの第1ショット特性を決定することであって、前記第1ショット特性は、第1発射位置及び第1発射時間を含むことと;前記第1発射位置及び前記第1発射時間が、別のセンサ装置によって取得されたセンサデータから決定された第2ショット特性の第2発射位置及び第2発射時間に対応するか否かを決定することと;前記第1及び第2発射位置の間、並びに、前記第1及び第2発射時間の間に対応が見出されない場合、前記第1ショット特性を前記第1発射エリアのディスプレイに送信することと、を含む。
【0006】
一実施形態において、本方法は、前記第1及び第2発射位置の間、並びに、前記第1及び第2発射時間の間に対応が見出されるときに、前記第2ショット特性を前記第1発射エリアの前記ディスプレイに送信することを更に含む。
【0007】
一実施形態では、前記ゴルフショットのシグネチャを検出することは、ゴルフボールのシグネチャに相関する画像特徴を識別するブロブ検出を含む。
【0008】
一実施形態では、本方法は、ゴルフボールのシグネチャが検出された複数の隣接する画像フレームから運動画像を計算することであって、前記運動画像は、ゴルフのシグネチャに対応するブレを含むことと;運動画像からブレに対応する特徴を抽出することと、を更に含む。
【0009】
一実施形態では、前記抽出される特徴は、前記ブレの長さ、幅、ブレのファクター、水平方向の角度、及び推定発射位置を含む。
【0010】
一実施形態では、本方法は、複数の画像で検出されたブロブがすべて同じゴルフショットに対応するか否かを、空間的及び時間的なチェックに基づいて決定することを更に含む。
【0011】
一実施形態では、本方法は、複数の画像で検出されたブロブがすべて同じゴルフショットに対応するか否かを、整数計画最適化に基づいて決定することを更に含む。
【0012】
一実施形態では、本方法は、前記撮像装置を前記第1発射エリアにキャリブレーションすることを更に含む。
【0013】
一実施形態では、前記別のセンサ装置は、レーダアレイ及び撮像装置のうち1つを含む。
【0014】
一実施形態では、第1ショット特性は、初期速度、初期方向、及びゴルフショットの推定移動距離を含む。
【0015】
本開示はまた、ゴルフショットの特性を決定するためのシステムにも関する。このシステムは、画像データを取得する撮像装置であって、ゴルフショットが発射される複数の発射エリアのうち第1発射エリア、及び、前記第1発射エリアに隣接するエリアを含む視野を有する撮像装置を含む。更に、システムは、前記画像データから、前記第1発射エリアから発射されたゴルフショットのシグネチャを検出する処理装置を含み、前記処理装置は、前記画像データから、前記ゴルフショットの第1ショット特性を決定し、前記第1ショット特性は、第1発射位置及び第1発射時間を含み、前記処理装置は、前記第1発射位置及び前記第1発射時間が、別のセンサ装置によって取得されたセンサデータから決定された第2ショット特性の第2発射位置及び第2発射時間に対応するか否かを決定し、前記処理装置は、前記第1及び第2発射位置の間、及び、前記第1及び第2発射時間の間に対応が見出されない場合、前記第1ショット特性を前記第1発射エリアのディスプレイに送信する。
【0016】
一実施形態では、第1及び第2発射位置の間、並びに、第1及び第2発射時間の間に対応が見出される場合、前記処理装置は、第2ショット特性を第1発射エリアのディスプレイに送信する。
【0017】
一実施形態では、前記処理装置は、前記ゴルフショットのシグネチャを検出する際に、ゴルフボールのシグネチャに相関する画像特徴を識別するために、ブロブ検出を使用する。
【0018】
一実施形態において、前記処理装置は、ゴルフボールシグネチャが検出された複数の隣接する画像フレームから運動画像を計算し、前記運動画像は、ゴルフのシグネチャに対応するブレを含み、前記運動画像からブレに対応する特徴を抽出する。
【0019】
一実施形態では、前記抽出される特徴は、ブレの長さ、幅、ブレのファクター、水平方向の角度、及び推定発射位置を含む。
【0020】
一実施形態では、前記処理装置は、複数の画像で検出されたブロブが同じゴルフショットに対応するか否かを、空間的及び時間的なチェックに基づいて決定する。
【0021】
一実施形態では、前記処理装置は、複数の画像で検出されたブロブが同じゴルフショットに対応するか否かを、整数計画最適化に基づいて決定する。
【0022】
一実施形態では、前記撮像装置は、前記第1発射エリアにキャリブレーションされる。
【0023】
一実施形態では、前記別のセンサ装置は、レーダアレイ及び撮像装置のうち1つを含む。
【0024】
一実施形態では、前記第1ショット特性は、前記ゴルフショットの初期速度、初期方向、及び推定移動距離を含む。
【0025】
更に、本開示は、ゴルフ練習場の複数の打席にゴルフショットの特性を提供するためのシステムに関するものである。このシステムは、ゴルフ練習場の打席から発射される複数のゴルフショットのそれぞれのショット特性に対応するデータを検出するプライマリセンサ装置と;画像データを取得し、前記打席のうち第1打席と前記第1打席に隣接する領域の1つの何れかを含む視野を有する撮像装置と;処理装置と、を含む。前記処理装置は、前記画像データにおいて、前記第1打席から発射されたゴルフショットのシグネチャを検出し、前記処理装置は、前記画像データから、前記ゴルフショットの第1ショット特性を決定し、前記第1ショット特性は、第1発射位置及び第1発射時間を含む。前記処理装置は、前記第1発射位置及び前記第1発射時間が、前記プライマリセンサ装置によって取得されたセンサデータから決定された第2ショット特性の第2発射位置及び第2発射時間に対応するか否かを判定し、前記第1及び第2発射位置の間、並びに、前記第1及び第2発射時間の間に対応が見出されない場合、前記処理装置は、前記第1ショット特性を前記第1打席のディスプレイに送信する。
【0026】
一実施形態では、前記プライマリセンサ装置は、第1閾値レベル以下の速度及び第2閾値レベル以下の飛行時間のうち1つを有するゴルフショットを信頼的に追跡できないレーダ装置を含み、前記処理装置は、前記第1打席から発射された、第1閾値以下の速度及び第2閾値以下の飛行時間のうち1つを有するショットの前記画像データに基づくデータを前記第1打席に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、ショットデータを取得するための複数のセンサを含むゴルフ練習場を示す図である。
図2図2は、第1の例示的な実施形態によるショット特性を決定するためのシステムを示す。
図3a図3aは、打席内の発射領域と、打席に隣接するターゲットエリアの領域とを含む、図2の撮像装置によって提供される例示的なフレームを示す。
図3b図3bは、ボールシグネチャに対応するブロブが取得及び検出された例示的なフレームを示す。
図3c図3cは、閾値処理と輪郭抽出の後の図3bの画像を示す。
図3d図3dは、より短い露光時間で撮影されたフレームの経過を示す例示的な図である。
図3e図3eは、より長い露光時間で撮影されたフレームの経過を示す例示的な図である。
図4図4は、画像データ内の動くボールのシグネチャを検出して情報を抽出するために、図2のシステムで実施される方法を示す。
図5図5は、図1のゴルフ練習場で、ボールが他のレンジセンサで追跡できない場合にショットのフィードバックを提供するために実装されたシステムを示す。
図6図6は、図5のシステムの複数のセンサによって取得されたショットのデータを調和させる方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
例示的な実施形態では、ゴルフショットの移動経路特性を提供するためのシステム及び方法を説明する。より詳細には、本システムは、現在のシステムを使用して正確に追跡することがさもなくば困難又は不可能な可能性があるゴルフショットの特性を決定するために、ゴルフ練習場で実施される。本実施形態は、ショットのデータを取得して処理するための代替的な装置を提供することによって、そのような低速及び/又は低発射角のショットの正確な追跡を可能にする。例示的な実施形態は、複数の打席を有するゴルフ練習場に関連して説明されるが、本明細書に記載されるデータ取得及び処理技術は、単一の打席のみを有するゴルフ練習場、オープンな発射エリアを有するゴルフ練習場(例えば、個々の打席を定義する構造物がない)、ショットがスクリーンに発射される屋内環境、又は発射物を追跡することが望まれる他の状況に適用されても良い。
【0029】
一実施形態によれば、撮像装置は、ゴルフ練習場の各打席に、又はそれに隣接して配置され、その打席から発せられるゴルフショットの画像を取得する。ショットの特性は、撮像装置のデータに基づいて各ショットについて決定され、他のレンジセンサによって追跡されたショットと照合されて、ショットが進行する間の包括的な追跡をもたらす。一致が見出されない場合は、各打席の撮像装置からの画像データのみに基づいて決定されたショット特性が、ゴルファーに、例えば、発射速度、発射角度、推定移動距離などのショット特性が表示されることでフィードバックされる。一致が見出される場合は、各打席の撮像装置からの画像に基づいて決定されたショット特性を破棄して、他のレンジセンサによって取得されたデータから決定されたショット特性を使用することができる。
【0030】
図1は、ショットのデータを捕捉するための複数のセンサを含むゴルフ練習場100を示す。ゴルフ練習場100は、ユーザがゴルフボールをターゲットエリア110に打ち込むことができる発射エリア120を含む。発射エリア120は、複数の階層にわたって配置されることが可能な複数の打席130を有する。本実施形態では、発射エリア120は、13個の打席130(1)~130(13)を有する単一の階層のみを有するものとして示されているが、発射エリアは、任意のサイズであってもよく、任意の数の打席130を有していても良い。例えば、発射エリア120は、数百個の打席130を有していても良い。あるいは、発射エリア120は、打席を規定する構造上の制限がなく、比較的にオープンであっても良い。また、発射エリア120は、各打席130からの最適な発射方向が同一方向となるように、直線状であっても良いし、小さい曲率を有していても良い。
【0031】
本実施形態では、ゴルフ練習場100は、3つのレンジレーダ、即ち、ターゲットエリア110の側面に配置された第1視野(FOV)150を有する第1レーダ140と、第2視野151を有する第2レーダ141と、発射エリア120の上方に配置された第3視野152を有する第3レーダ142とを有する。しかしながら、当業者は、任意の数のセンサ(レーダ、撮像装置等)を使用するシステムが、本明細書に記載されている同じ原理を使用して操作され得る。第1及び第2レーダ140,141は発射エリア120に向けられてもよく、一方、第3レーダ142は発射エリア120の上方からターゲットエリア110の後方に向けられる。
【0032】
この配置により、第3レーダ142は、その視野152内のターゲットエリア110の大部分、特に発射エリア120から更に離れたターゲットエリア110の深い部分をカバーし、第1及び第2レーダ140,141は、一緒に、その視野150,151内の、発射エリア120に隣接するターゲットエリア110の部分をカバーする。これら3つのレーダ140~142は、同時に飛行している比較的多数のゴルフボール、例えば数十個以上のゴルフボールを追跡することができる。この例示的なレーダシステムからの生データは、1つ以上のコンピュータ、例えば、以下に更に記載される中央処理装置505に提供され、発射されたボールが打席130のうち何れの打席から発せられたかを決定し、発射されたボールの飛行の詳細を適切な打席のディスプレイに提供する。
【0033】
あるショットは、3つのレーダのうち1つだけによって検出されるかもしれないが、他のショットは、様々な独立した及び/又は重複する瞬間に、2つ又は3つすべてのレーダによって検出されるかもしれない。それぞれの追跡がつなぎ合わされ、平均化され、又は他の方法で結合されて、ボールの飛行の完全な追跡及び他の特性を決定する。マルチレーダアレイを使用したゴルフ練習場でのボール追跡は、例えば、米国出願公開番号2018/0011183に記載されており、その全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。上述のレーダアレイは、例示的な目的のためにのみ記載されている。発射エリア120から発射されたショットの大半を追跡するために、撮像装置、LIDAR等の他のセンサが使用されても良い。
【0034】
例えば、レンジセンサシステムは、カメラに基づいたものであっても良い。複数のカメラが発射エリア120の上方に配備され、ターゲットエリア110に向けられても良い。カメラは、所定の距離、例えば、10~20メートルだけの間隔を互いに空けることができ、発射エリア120から発射されたショットの特性(例えば、3次元軌道データ)を決定するために、ステレオビジョン技術又は同様の技術が実装されても良い。しかしながら、このようなシステムは、いくつかのショット、例えば、飛行軌道が20~25メートル(即ち、発射位置から地面に最初に衝突するまでの距離が20~25メートル)よりも短いショットを検出することも困難な場合がある。以下に説明するシステムは、他のレンジセンサによって提供されるデータを補完する手段として提供される。
【0035】
図2は、第1の例示的な実施形態によるショット特性を決定するためのシステム200を示す。システム200は、ゴルフ練習場から独立して実装することができる。しかし、システム200の主な目的は、上述した3つのレーダのシステムのような、低い又は緩やかな打球を追跡することが困難なプライマリ追跡システムを補完するための代替的な追跡システムを提供することである。従って、本実施形態では、システム200は、ゴルフ練習場100の打席130で実施することができ、それに関して説明する。システム200の実体は、打席130(1)~130(13)のそれぞれで個別に提供されても良いし、複数の打席130の一部のそれぞれで提供されても良いし、1つの打席130で提供されても良い。
【0036】
システム200は、画像データ(即ち、ゴルフボールの発射位置及び発射位置のすぐ前のエリアを含むシーンのフレーム)又は意図された発射方向において発射位置に隣接するエリアを撮影するように構成された撮像装置205を含む。本実施形態の撮像装置205は、打席130の上方に配置され、例えば、打席130内の構造物に取り付けられている。撮像装置205は、撮像装置205の視野が上述の領域を包含する限り、様々な高さ、例えば3~5メートルの高さに取り付けられて良いし、真下に向けられても、斜めに向けられても良い。図3aは、打席130内の発射領域301(即ち、ボールが発射されると予想されるエリア、例えば打球マット)と、打席130から打たれたボールが移動すると予想される方向に打席130に隣接するターゲットエリア110のエリア302とを含む、撮像装置205によって提供される例示的なフレーム300を示している。
【0037】
撮像装置205は、発射領域301に対するカメラの位置及び向きを決定するためにキャリブレーションされる。これは、いくつかの方法で行われても良い。第1の例では、既知の寸法のチェッカーボードを打球領域に配置して、チェッカーボードの既知の寸法及び位置を撮像装置からの画像のピクセル位置に相関させることによって、当業者が理解しているようにキャリブレーションを行うことができる。第2の例では、打球マットの所定の寸法を、ピクセルの位置と相関させることができる。第3の例では、撮像装置205の既知の視野が、撮像装置205から打球マットまでの所定の距離と関連付けられる。
【0038】
第4の例では、撮像装置205と他のレンジセンサの両方で発射領域301からのショットを追跡し、キャリブレーションが、撮像装置205のパラメータを調整して、両システムが同一のデータを提供するようにすることを含んでも良い。上述したキャリブレーションの組合せ又は変更が、例えば発射領域301の性質を含む様々な要因に応じて使用されても良い。例えば、上述したように、発射エリア120は、予め定義された打席のないオープンエリアであっても良い。そのような場合、撮像装置205は、例えば上で提供された第4の例を用いて、定義されていない発射領域にキャリブレーションされても良い。
【0039】
当業者が理解するように、撮像装置205は、ボールが撮像装置205の視野を横切る際に、飛行中のボールの複数の画像を取得するのに十分な高いフレームレートを有するように選択される。例えば、撮像装置205のフレームレートは、60から120fpsの間とすることができる。日中にはより高いフレームレート、例えば120fpsを使用し、夜間にはより低いフレームレート、例えば60/90fpsを使用して、ボールのより良い信号品質を得ても良い。撮像装置205がローリングシャッターを備えても良い、即ち、撮像装置205の撮像素子(例えば、感光性チップ)を順次移動するパターンで、一度に1つのライン(ピクセル)の画像データを取得しても良い。このような場合、撮像装置205は、ローリングシャッターを介して画素が露光される撮像素子を横切る方向(即ち、露光される画素の最初のラインから露光される画素の次のラインへの方向等)が、撮像装置205の視野を横切るボールの予想される移動方向と同じになるように配向されることが好ましい。
【0040】
言い換えれば、図3aに示すフレーム300に関して、撮像装置205は、画像データが視野の上部(発射領域301を含む)から始まり、視野の下部(エリア302を含む)まで推移して、フレームを横切って撮影されたボールの移動経路の長さを各フレームで最大化するように方向付けられている。他の実施形態では、撮像装置205は、撮像装置205の視野を拡張し、その結果、その視野を通るボールの移動経路の長さを拡張するために、広角レンズを有しても良い。当業者が理解するように、撮像装置205の視野の照明は、例えば、1つ又は複数の光源によって、画像の所望のシャープネス/鮮明さを達成するために必要に応じて強化されてもよく、これは、屋内又は夜間の条件において特に当てはまる可能性がある。撮像装置205は、様々な波長で動作するように構成されても良い。例えば、カメラは、視覚スペクトル又は赤外(若しくは近赤外)スペクトルで動作しても良い。
【0041】
撮像装置205は、画像のピクセル強度ヒストグラムが最適な露光条件を反映するように、露光及びゲインを調整するための露光制御を実装しても良い。本実施形態では、「正しく露光」している画像、即ち、画像の過剰露光を回避しつつ可能な限り多くの光を集めるために増加した露光時間を使用して撮影された画像が、人間が見ることを意図した典型的な画像に対する理想的な露光よりも好ましい。撮像装置205の露出を制御するための1つの手順を以下に説明するが、当技術分野で知られている他の露出制御技術を使用しても良い。例えば、自動露出の技術は、以前に米国出願公開番号2011/0293259及び米国特許第9,871,972号に記載されており、これらの開示内容全体が参照によりここに組み込まれる。自動露出の一般的な原理は、彩度を最小限に抑えながら画像の最大輝度を達成することである。
【0042】
追加露出の問題は、シーンの反射、又は、様々な困難な照明条件によって引き起こされる同様の状況によって生じる可能性がある。カメラのレンズの前に偏光フィルタを使用して反射を防ぎ、光量を減らして露光時間を長くすることで、これらの問題を回避することができる。
【0043】
高速で動く物体、例えば発射されたゴルフボールは、撮像装置205が長い露光時間、即ち1つのフレームの露光中にボールが視野のかなりの部分を横断する結果となる露光時間を有する場合には特に、線状のブレとして撮像装置205によって撮影され得る。露光時間は、照明条件に応じて、約34μsから15msの範囲になることがある。光量の多い状況での短い露光時間では、ボールの実質的に丸い画像を示す鮮明な画像が得られる可能性があるが、長い露光時間のフレームでは、ボールは端が丸くなった線状のブレとして表示される。本実施形態では、カメラは、ボールが通過した距離を表すブレの長さを測定し、これを露光時間と比較することによって速度を決定することができる。また、ボールの水平方向は、ブレの方向から明確に導き出すことができ、ボールの水平方向の速度は、ブレの長さを計測し、その長さを既知の露光時間で除算することで求めることができる。背景ノイズを最小限に抑えるためには、上述のように長い露光時間が好ましいが、以下に説明する検出アルゴリズムは、短時間の露光の場合でも良好に機能するように十分なロバスト性を備えている。
【0044】
図3dは、短い露光時間で撮影されたフレームの推移を示す例示的な図315であり、図3eは、長い露光時間で撮影されたフレームの進行を示す例示的な図320である。ゴルフクラブ316が、tn-2、tn-1、tnの3つの時点で示されており、tnはゴルフボール317が打たれる瞬間を表している。図3dでは、フレームレートが高くなり、露光時間が短くなり、その結果、ボール317が撮像装置205の視野から離れる前の時間tn+1、tn+2、tn+3で、動きのあるゴルフボール317の3つの画像が撮影される。ボール317は、ターゲットライン350に対する角度352で、経路351に沿って移動する。短い露光時間は、わずかな伸び318を有するかもしれない、ボール317の実質的に丸い画像を示す、より鮮明な画像を提供する。例示的な図315において、ボールの水平方向の動きは、フレーム間のボール317の位置の変化を計算し(符号319として示す)、既知のカメラフレームレートに基づいて速度を計算することによって決定されても良い。また、角度352は、経路351を発射位置に戻すように延長し、経路351の方向を目標線350と比較することで決定しても良い。しかし、図3eでは、フレームレートが低く、露光時間が長く、その結果、ボール317が撮像装置205の視野から離れる前の時間tn+1に、動きのあるゴルフボール317の画像が1つだけ撮影されることになる。ボール317を表す線状のブレ317’の長さは、上述したように、水平方向の角度352と同様に測定され、そこからボールの水平方向の速度が決定されても良い。
【0045】
システム200は、撮像装置205によって撮影された画像を受信して処理するように構成されたコンピュータ210を更に含む。コンピュータ210は、プロセッサ215と、例えば画像及びプロセッサ215による実行のためのアルゴリズム命令を格納するメモリ220とを備える。コンピュータ210は、独立して、即ち、単一の打席310からのショットを処理するための別個のコンピュータ210として提供されてもよく、あるいは、ゴルフ練習場100全体のためのより広範な処理装置の一部であっても良い。例えば、以下で更に詳細に説明するように、撮像装置205によって取得された画像データから決定されたショット特性は、レーダ140~142によって取り込まれたレーダデータから決定されたショット特性と比較されてもよく、レーダによってショットの軌跡が検出され、それからの追跡が決定された場合には、画像データから決定されたショット特性は破棄されるか、又は、ゴルファーに提供されなくても良い。
【0046】
画像から、コンピュータ210は、例えば、発射されたボールの初期の速度及び方向を含むショット特性を決定しても良い。撮像装置205のボール検出を時間的に一致させ、1つ以上のレンジレーダからのボール検出と比較することができるように、ボールが打たれた時間等を含む、更なる特性が決定されても良い。これらの決定については、以下で更に詳細に説明する。ショット特性が決定されると、ショット特性に基づくフィードバックが、ショットが発せられた打席130に配置されたディスプレイ225に提供されても良い。ディスプレイ225は、決定されたショット特性を表示しても良く、また、初速度を与えられたボールが移動するであろう推定距離や、初期の速度及び方向に基づく打席に対する最終的な静止位置等、予測された飛行経路の詳細を表示しても良い。
【0047】
図4は、画像データにおいて動くボールのシグネチャを検出し、そこから情報を抽出するために、システム200で実施される方法400を示している。405では、撮像装置205によって撮影された画像がリングバッファに送られる。リングバッファは、画像を格納するためのメモリ225の一部であり、リングバッファの容量が一杯になった後、古い画像が継続的に上書きされる。例えば、リングバッファが同時に1000枚の画像を保持する場合、1001番目に撮影された画像は、1番目に撮影された画像を置換し、1002番目に撮影された画像は、2番目に撮影された画像を置換する、といったようにである。撮像装置205のフレームレートが90fpsの場合、1000枚の画像リングバッファの各画像は、約11秒で上書きされる。リングバッファのサイズは、画像の解像度や、カメラからCPUメモリに画像データを移動させるのに必要な時間に応じて変化することがある。画像の解像度は、ボールに対応する最小の画素数と最小の視野に基づいて決定される。ただし、解像度が高すぎてCPUのリソースを消費し、フレーム落ちになることは避けなければならない。
【0048】
410では、ボールに相関する可能性のある候補の画像特徴を検出するために、画像のそれぞれに対してブロブ(画素の塊)の検出が実行される。検出ステップは、例えば、エリア302を構成する画像の部分、即ち、発射時にボールを検出するためのトリガーエリアと考えられる打席130に隣接するターゲットエリアの部分のみに対して実行されても良い。あるいは、使用するコンピュータが十分に高速であれば、画像全体が使用されても良い。ゴルフボールの既知のサイズと形状、及び撮像装置205とボールとの間のおよその距離が与えられると、コンピュータ210は、トリガーエリアを移動するボールのシグネチャに対応する候補を識別する。閾値条件を満たすブロブが画像内に検出されない場合、本方法は終了する。ゴルファーが典型的にショットを行う頻度と、打たれたボールが典型的にエリア302を通過するのに掛かる短い時間とを考慮すると、撮像装置205によって撮影された画像の大部分において、ブロブが検出されない可能性が高いと考えられる。
【0049】
他の様々な物体のシグネチャ、例えば、カメラが取り付けられている打席からのクラブ又は身体の一部、他の打席から発射されたボール、鳥等が、同様に可能性のある候補として検出されることがあるが、これらは後の分析段階で破棄される。ブロブの検出は、例えば、クラブによって部分的に隠されている等、識別が困難なボールを見逃す可能性が低くなるように、関心のある画像に関する粗いフィルタとして機能する。ブロブの検出は、撮像装置205によって画像が取得されるときに連続的に実行される。図3bは、ボールシグネチャに対応するブロブ303が取得され、検出されたフレーム305を示している。
【0050】
415では、候補フレーム、即ち、ボールの形状/サイズに相関するブロブが検出されたフレームを更に分析して、その特徴を抽出する。特徴を抽出する分析は、複数のサブステップからなる。まず、任意の照明条件に対応できるように、画像を、最も情報量の多い別の色空間に投影する。投影マトリクスは、元の色空間(RGB等)に対して主成分分析(PCA)を行うことで算出され、主成分によって定義される空間となる。従って、元のRGB画像は、元の情報の最大の分散が最大の主成分に対応する空間に保持される別の空間に変換され、これは単一チャネル画像に保持される最も多くの情報を表現する。CPUの能力に応じて、最も精細な単一チャネル画像を、色空間変換後の異なる画像チャネルの合成により計算することができる。隣接する全てのフレームから単一チャネル画像を抽出し、動画像が算出される。
【0051】
次に、動画像に対して平滑化、閾値処理、及びフィルタリングが行われる。閾値処理後の結果の画像は、例えば、図3cに示すフレーム310のような2値画像である。2値画像においてブロブの輪郭が抽出され、これにより、輪郭解析に基づくブロブのフィルタリングが実行可能になる。最後に、フィルタされずに残ったブロブの特徴がエッジの輪郭から抽出される。具体的には、長さ、幅、ブレのファクター(長さ/幅)、撮影角度(水平方向)、及び推定発射位置(例えば、ティーの位置)が、エッジの輪郭から決定される。ブロブの支配的な軸は、ボールの移動方向に相関し、ブロブの支配的でない軸は、ボールの幅に相関する。ボールの方向に基づいて、軸が発射領域301へ戻るように延長されても良く、これにより推定発射位置が決定される。
【0052】
主成分分析は、最適な色空間を見つけるために415で使用されても良い。撮像装置205が異なる信号周波数を感知しているので、視野内の光のスペクトルは、昼間と夜間で異なる可能性がある。従って、異なる時間帯に異なる色空間が参照されても良い。例えば、赤と緑は、日中にはスキップされるかもしれないが、夜間には、局所的な照明がこれらの帯域に対応する可能性があるため、使用される余地がある。この問題を解決するために、画像データの色空間に対してPCAを実行することができる。対応する最も強い主ベクトルは、RGBを、情報の大部分が保持される単一の色空間に投影することができる。この投影により、より高いS/N比が得られる可能性がある。
【0053】
420では、複数の画像からのブロブがボールの軌跡を形成しているか否か、即ち、視野内を移動するボールに対応しているか否かを判断する。まず、教師なしの機械学習法、例えば階層クラスタリングを用いて、ブロブの輪郭をクラスタリングし、特徴空間の記述に基づいてブロブのクラスタリングを行う。次に、特徴ベクトルが互いに相関しているか否かを判断するために、空間的及び時間的なチェックを行う。空間的チェックでは、検出されたすべてのボールの図心を非常に小さな偏差で一致させるためにラインモデルを使用し、時間的チェックでは、検出されたボールが時間単位で所定の方向に連続的に移動していることを確認する。具体的には、ブロブ集合の最初のブロブについて415で抽出した特徴ベクトルのそれぞれを、集合の別のブロブの対応する特徴ベクトルと比較する。特徴量が実質的に一致した場合、そのブロブは同じボールの軌跡に対応していると判断される。クラスタ内のメンバーが十分でないか、空間的及び時間的チェックに失敗するかの何れかにより、ボール軌道を表すブロブ集合が見つからない場合は、方法は425に進む。
【0054】
425では、緩やかなマッチング条件に基づいて第2のマッチングが実行される。具体的には、別の教師なしクラスタリングが、減少した特徴空間上で、増加したクラスタリング条件で実行される。例えば、特に高速で移動したボールは、420を満たすのに十分な実質的なブロブ集合を形成するのに十分な画像、例えば3つの画像に現れないかもしれない。特徴空間が減少しても、クラスタリング要件が増加する(クラス内分散が小さくなる)と、候補のブロブは、ブロブが同じボールの軌跡に対応していると判断するのに十分な程度に、残りの特徴マッチング条件を満たすことができる。
【0055】
430では、420又は425の何れかで、ボール軌道が識別されたと判定された場合、識別された特徴からショット特性が決定され、ゴルファーへのフィードバックがディスプレイ225で提供される。
【0056】
別の実施形態では、ステップ420~425は、ボール軌道を構成するブロブのエッジの輪郭をより効率的に選択するために、以下に説明する単一の整数計画法による最適化によって置き換えられる。特徴量X1,X2,X3のセットが与えられたとき、Nが{0,1}の何れかであるN1,N2,N3を、ペアワイズ距離(X1*N1,X2*N2,X3*N3, ...)が最小になるように、Variance(Speed12,Speed23,...) < [小さな値] を対象として見つける。
【0057】
混合整数計画(MIP)モデルは、少なくとも1つの変数が離散的である最適化モデルである。「純粋な」整数計画とは、すべての変数が離散的である場合である。MIP問題の定式化は、最適化モデルと、不等式や方程式形式の制約条件で構成される。MIPは、画像(u,v)平面のフィッティングラインに許容範囲内で近づくボールオブジェクトの軌跡(インライア)を求めたり、他の2値画像オブジェクトの中から、オブジェクトの位置に基づいて、更に、オブジェクトの幅、長さ、向き等の特徴に基づいてアウトライアを検出するために使用される。以下では,最適化問題を,データ点が一連の制約条件に従うときにインライアの数を最大化することとして定式化する。N個のデータポイントに対して、最適化モデルは次のように表される。
【数1】
ここで、yijkに関して、点kがインライアであり,点iと点jを通る(u,v)平面上のフィッティングラインがある場合はyijk=1,そうでない場合は0となる。このモデルにはいくつかの制約がある。yijkに加えて、別の2値変数zijが定義されている。フィッティングラインが点iとjを通る場合、zij=1となり、そうでない場合は0となる。更に、次のような制約が導入されている。
【数2】
更に、RANSACと同様に、(u,v)面内のインライアはフィッティングラインから距離閾値ε以内に存在しなければならないという距離制約が課せられる。即ち、距離制約は以下のように定義される。
【数3】
ここで、dijkは、点kから点iとjを通る直線までの距離である。また、yijkがiとjで1にしかならず、zij=1になることを保証するために、次のような制約が導入されている。
【数4】
ここまでは、N個のデータポイントとフィッティングラインとの関係のみを扱ってきたが、ここではiとjを平面上の座標uとvに関連付けている。各データ点に、物体の長さや幅等の特徴が追加で対応付けられている場合は、データ点から2点iとjまでの特徴空間上の距離に関する制約が追加される。具体的には、次のように定義される。
【数5】
ここで、σは特徴量のしきい値である。特徴空間での距離Dijkは、次のように選ばれる。
【数6】
ここで、dist()は、ユークリッド距離である。従って、Dijkは、点kから(u,v)空間のフィッティングラインが通る点i、jまでの特徴空間における平均距離である。N個のデータポイントが与えられたときの距離dijkとDijkは、最適化を実行する直前に計算することができるため、定数テンソルとして機能する。最適化の実行には、COIN-OR Branch-and-Cutソルバー(CBC)を使用することができる。
【0058】
方法400は、水平方向の発射パラメータのみを決定するものとして記述されていることに留意すべきである。従って、ゴルファーに提供されるフィードバックの種類は、先に説明した実施形態における水平方向の速度、角度、ショット後のボールの最終的な静止位置等に限定され得る。単一のオーバーヘッドカメラのみを使用して垂直方向の動きを決定することは困難な場合がある。例えば、動きの速いボールは、撮影されたフレームの中でブレて見えることがある。ブレたボール画像は、水平方向の距離/方向の決定には実質的に影響しないが、垂直方向の位置を決定する場合には、例えば、連続するフレーム間のブレたボール画像の幅(進行方向に垂直な方向におけるブレたボール画像の範囲)の変化が小さいために信頼性が低い可能性がある。しかし、ボールの大きさに関連する追加の特徴を415の画像から抽出し、様々な信頼性の垂直発射角特性を決定するために使用しても良い。別の実施形態では、おおよその垂直発射角が特定の範囲内にあると決定されても良い。ショット特性が、この変動性を包含するようにディスプレイ225に提供されても良い。例えば、垂直発射角が信頼性を持って決定できない場合、ショットのおおよその距離の範囲がショットのフィードバックとして提供されても良い。
【0059】
あるいは、特徴抽出ステップの前に深層学習に基づく物体検出を導入したり、特徴抽出ステップの後に深層学習に基づくブロブの分類を導入したりすることができる。この結果、410で検出されたブロブのサイズに対する要件を緩和できるので、カメラからの異なる距離にあるボールを確実に検出してボールまでの距離を推定し、垂直発射角のより正確な決定を提供することができる。
【0060】
前述のシステム200は、ゴルフ練習場100のいかなる中央処理装置からも切り離されたスタンドアロン型のシステムとして説明されている。しかし、前述したように、説明した各打席の画像処理システムは、以下に説明する方法で、レンジ追跡システムと調和しても良い。
【0061】
図5は、ボールが他のレンジセンサによって追跡できない場合において、ショットのフィードバックを提供するために、ゴルフ練習場100で実施されるシステム500を示す。本実施形態では、レンジセンサは、レンジレーダ140~142を含む。前述したように、ゴルフ練習場100は、13個の打席130(即ち、打席130(1)~130(13))を有している。これらの打席130のそれぞれには、ショットの特性を決定するための上述の撮像装置205(即ち、撮像装置205(1)~205(13))と、打席130にいるゴルファーにフィードバックを提供するための上述のディスプレイ225(即ち、ディスプレイ225(1)~225(13))とが設けられている。
【0062】
システム500は、プロセッサ510とメモリ515とを備える中央処理装置505を含む。中央処理装置505は、任意の数のコンピュータを含んでも良い。例えば、各打席130は、それぞれの打席130から発せられたショットに対して画像解析を行うための上述のコンピュータ210を含んでいても良い。しかしながら、本実施形態では、これらのコンピュータ210は、上述したように、レーダ140~142によって提供されるレーダデータからショットの追跡を決定する更なる処理装置(同一又は別個のコンピューティングデバイス上で実行されても良い)と通信している。あるいは、各打席130からの画像データは、中央処理装置505に直接送られ、中央処理装置505で分析される。後述する方法600に従ってショット特性が決定されると、中央処理装置505から、ショットが発生したと決定された打席130のディスプレイ225にフィードバックが提供される。
【0063】
他のレンジセンサ、例えばレンジレーダ140~142の仕様が、各打席のカメラ205の仕様に影響を与える可能性がある。例えば、15m/s以上の速度で打ち出されたボールがゴルフ練習場の他のセンサ、例えばレーダによって検出されると仮定した場合、カメラの特性は、15m/s以下の速度で打ち出されたボールのデータを取得するように選択されなければならない(恐らく、ショットを逃さないようにわずかにオーバーラップさせて)。
【0064】
レーダ装置140~142は、例えば、Xバンド周波数(9~11GHz)のマイクロ波を最大500ミリワットEIRP(Equivalent Isotropic Radiated Power)の電力で放射する連続波ドップラーレーダであってもよく、従って、短距離国際放射体に関するFCC及びCEの規制に準拠している。しかし、他の管轄区域では、地域の規制に準拠して他の電力レベルを使用することができる。例示的な実施形態では、マイクロ波は、例えば、10-125GHzの間のより高い周波数で放出される。物体速度がより低い場合でも正確に測定するために、20GHz以上の周波数を使用しても良い。
【0065】
ドップラーレーダの送信周波数が高いほど、同じ観測時間での速度分解能が高くなることを、当業者は理解できるだろう。低速度のショットを追跡し、ボールをフィールド内の他の物体、即ちゴルフクラブ及びゴルファーから分離するために、高い速度分解能が望まれる場合がある。例示すると、速度分解能は0.25m/s以下が好ましい。高い速度分解能は、短い観察時間(例えば、0.100秒以下)でも、ボールの飛行状態、跳ね状態、滑り状態、及び/又は転がり状態の間の遷移を識別するための速度ジャンプの正確な追跡を可能にするために有用であり、観察時間はそれぞれのタイムスパンである。
【0066】
図6は、システム500の複数のセンサによって取得されたショットデータを調和させるための方法600を示す。605では、上述したように、レーダ140~142のうち1つ以上のレーダからのデータに基づいて、レーダに基づくショットの追跡を特定する。610では、レーダに基づくショットの追跡が発せられた打席130が特定される。ショットのシグネチャが発射後しばらくするまでレーダによってピックアップされない場合であっても、追跡が、それが発せられた場所に時間的に遡るように延長することができる。
【0067】
ステップ605~610と実質的に同時に、615では、上述の方法400に従って、打席130の1つのカメラ205によってショットが検出され、ショットの特性が決定される。ショットが発せられた打席130は、ショットを検出したカメラ205の識別情報によりわかる。例えば、カメラ205(5)がショットを検出した場合、ショットが発生した打席130は打席130(5)であることがわかる。検出、特徴抽出等は、打席130内の独立したコンピュータで行われても良いし、中央処理装置505で行われても良い。画像解析ステップが打席130で実行される場合、その特性はその後、中央処理装置505に送られる。画像データから決定されたショット特性は、打席130と、検出された時間と、に関連付けられる。注目すべきは、ショット特性は、打席130のディスプレイ225にまだ表示されていないことである。
【0068】
620では、各打席の画像データから決定されたショット特性が、レーダデータから特定された追跡と比較され、ショット特性に対応するショットがレーダシステムによって追跡されたか否かが判断される。一致するものが見つかった場合、その一致は、同じ打席と同じ発射時間(いくつかの所定のしきい値内)からなるものであり、625において、画像データから決定されたショット特性は破棄される。レーダ追跡は、画像データよりも大幅に包括的なショット追跡を提供し、利用可能であれば好ましい。630では、レーダシステムによるショット追跡が完了すると、レーダデータから決定されたショット特性が、ショットの発生元である各打席のディスプレイ225に送られる。一致しない場合には、635において、画像データによって決定されたショット特性が各打席のディスプレイ225に送られる。
【0069】
このように、前述の方法600は、ショットが発信された打席130に利用可能な最良のショット追跡データを提供するものである。ショットのシグネチャがレーダによって拾われなかったために包括的なショット追跡が利用できない場合、各打席のカメラによって提供される画像データから決定されるショット特性は、より限定的であるが、依然として価値のあるフィードバックの形態をゴルファーに提供することができる。
【0070】
別の実施形態では、カメラ205が各打席130に配置されるのではなく、カメラ205が2つの打席130の間の1つおきの仕切りに配置される。これらのカメラ205は、上述したものと実質的に同様の方法でフレームを取得する。ただし、この場合、各画像を半分に分割して別々に解析し、隣接する打席でのショットを区別しても良い。発射位置の実質的な上方ではなく、発射位置に対して水平な角度でカメラを配置することにより、第1の例示的な実施形態よりも信頼性の高い垂直飛行経路データを提供することができる場合がある。しかし、この配置によって、第1の例示的な実施形態よりも信頼性の低い水平飛行経路データを提供しても良い。更に、この実施形態は、ゴルファーの右利き又は左利きに応じて、ゴルフスイング中にゴルファー及びゴルフクラブによって閉塞される、又は閉塞される可能性がある、発射されたボールの有利な点を提供することができる。勿論、このコンセプトは、2つを上回る打席130をカバーするように拡張される余地がある。
【0071】
更に別の実施形態では、カメラ205は、2つの打席130の間のすべての仕切り、及び打席の各列の外側の端部に配置される。言い換えれば、各打席の両側にカメラが配置されている。このような例示的なカメラの配置は、単一の打席に専念するカメラよりも多くの情報を提供することができる。例えば、2台のカメラで1つのショットを撮影すると、移動経路データが生成され、ステレオビジョン方式で飛行経路を解析することができる。従来のステレオ解析では、2台のカメラで実質的に同時にフレームを撮影する必要がある。
【0072】
しかし、本実施形態では、各カメラは、速度と方向が決定される画像平面内で別々の追跡を提供する余地がある。異なる視点からの2つの画像平面からの速度と方向を組み合わせることで、3次元の速度と3次元の発射方向を決定することができる。更に、複数のカメラによる検出アプローチは、よりロバストで高精度なショット検出を実現する。このようにして、信頼性の高い水平方向及び垂直方向の飛行経路情報を生成することができる。また、2台のカメラで各打席を観測しているため、発射地点でデータが得られない状況に陥りにくくなっている。また、2台のカメラのうち1台の視野が遮られた場合でも、残りのカメラは鮮明な視野を持ち、先に述べた飛行経路データを生成するための技術を実行するのに十分な画像データを生成することができる。
【0073】
更に別の実施形態によれば、システムは、カメラの代わりに1つ以上のLIDARスキャナを備える。LIDARスキャナは、高い角度分解能で発射エリア120の3D点群を提供し、この角度分解能は、例えば、直径42.1mmのゴルフボールの発射を検出するのに十分である。スキャンレートは、LIDARスキャナの視野内に入った状態で移動するボールを少なくとも2回スキャンするために、20Hz等の十分に高い速度が必要である。LIDARスキャナは、打席の長手方向の両端のうち一方、即ちレンジの片側に配置されても良いし、打席の両端に配置されても良い。LIDARは、打席のわずかに前方にあり、レンジの表面を横切るように向けられていても良い。あるいは、LIDARは、打席の更に前方にあり、打席に向けられても良い。
【0074】
LIDARから受信した点群は、動いている3D点のみを提供するためにフィルタリングされ、ここでは背景が除外される。フィルタリングされた点群は、打席の1つから発射されたボールに由来する可能性の高い点のみを表すために、打席130の位置と点を比較することによって更にフィルタリングされる。フィルタリングで残った3D点は、ボールの実質的に直線的な動きと一致する点を見つけるために、画像で検出された位置と同様の方法で分析される。見出された点は発射方向と発射速度を生成するために使用される。LIDARは、例えばVelodyne LiDAR(登録商標)を使用することができる。
【0075】
本開示の精神又は範囲から逸脱することなく、本開示に様々な変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。従って、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその等価物の範囲内に入ることを条件に、本開示の修正及び変形をカバーすることが意図されている。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図4
図5
図6