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特開2023-62129接線流用途での角度付き吸着フィルタ媒体の設計
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062129
(43)【公開日】2023-05-02
(54)【発明の名称】接線流用途での角度付き吸着フィルタ媒体の設計
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/04 20060101AFI20230425BHJP
   A61L 9/014 20060101ALI20230425BHJP
   B01D 46/00 20220101ALI20230425BHJP
   B01D 46/52 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
B01D53/04 110
A61L9/014
B01D46/00 F
B01D46/52 A
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024734
(22)【出願日】2023-02-20
(62)【分割の表示】P 2020524726の分割
【原出願日】2018-07-18
(31)【優先権主張番号】62/533,840
(32)【優先日】2017-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517178449
【氏名又は名称】エンヴァイロメンタル マネージメント コンフェデレーション,インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】ENVIRONMENTAL MANAGEMENT CONFEDERATION,INC.
【住所又は居所原語表記】330 Carter Road, Building #3, Princeton, NJ, USA
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】ワイザー,フォーウッド シー.
(72)【発明者】
【氏名】ナスケ,ケイトリン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】気相汚染物質を除去するための空気清浄システムまたはHVACシステムに使用する、フィルタ媒体モジュールを提供する。
【解決手段】フィルタ媒体モジュール200は、フィルタフレームと、フィルタフレーム内に取り外し可能に設けられ、フィルタフレームを通過する最短経路を規定するフィルタ媒体214とを含み、フィルタ媒体が、フィルタ媒体を通過するチャネル212,212aを含み、各チャネルは、最短経路より長いチャネル経路長を規定することを特徴とする。フィルタモジュールは、所定の用途に必要な滞留時間と圧力降下とを提供するために、気流に対して最適な角度に向けられたチャネルを含んでもよい。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染物質を濾過する流体フィルタに使用するためのフィルタ媒体モジュールであって、
フィルタフレームと、
フィルタフレーム内に取り外し可能に設けられ、フィルタフレームを通過する最短経路を規定するフィルタ媒体とを含み、
フィルタ媒体が、フィルタ媒体を通過するチャネルを含み、各チャネルは、最短経路より長いチャネル経路長を規定することを特徴とするフィルタ媒体モジュール。
【請求項2】
フィルタ媒体は、複数層のフィルタ媒体を含むことを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項3】
複数層のフィルタ媒体は、スペーサによって分離されていることを特徴とする、請求項2に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項4】
スペーサは、円形状を有することを特徴とする、請求項3に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項5】
スペーサは、細長い形状を有することを特徴とする、請求項3に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項6】
スペーサは、接着剤であることを特徴とする、請求項3に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項7】
接着剤は、複数層の媒体を接続することを特徴とする、請求項6に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項8】
接着剤は、VOCを発散させないことを特徴とする、請求項6に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項9】
複数層のフィルタ媒体間のスペーサは、チャネルを形成することを特徴とする、請求項3に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項10】
媒体は、活性炭材料を含むことを特徴とする、請求項2に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項11】
活性炭材料は、不織布媒体の間に設けられた炭素の顆粒または粉末を含むことを特徴とする、請求項10に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項12】
複数層のフィルタ媒体は、水平に積層されることを特徴とする、請求項2に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項13】
複数層のフィルタ媒体は、垂直に積層されることを特徴とする、請求項2に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項14】
角度は18~21度であることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項15】
フィルタ媒体は、プリーツフィルタ材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項16】
チャネル全体が、空気流に対して平行に向けられていることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項17】
チャネルは、フィルタ媒体モジュールの後端の前で終端するように向けられていることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項18】
チャネルは、部分的に、空気流に対して角度を付けて向けられていることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項19】
フィルタフレームと、
フィルタフレーム内に取り外し可能に設けられ、フィルタフレームを通過する最短経路を規定するフィルタ媒体とを含み、フィルタ媒体が、フィルタ媒体を通過するチャネルを含み、各チャネルは、最短経路よりも長いチャネル経路長を規定する、複数のフィルタ媒体モジュールを含み、
複数のフィルタ媒体モジュールは、互いに接続されていることを特徴とするエアフィルタ。
【請求項20】
フィルタフレームと、
フィルタフレーム内に取り外し可能に設けられ、フィルタフレームを通過する最短経路を規定するフィルタ媒体とを含み、
フィルタ媒体が、フィルタ媒体を通過するチャネルを含み、各チャネルは、最短経路よりも長いチャネル経路長を規定することを特徴とするエアフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
近年、室内空気の浄化が、建物の居住者の健康への影響があるがゆえに、より一般的になってきている。EPA(環境保護庁)は、室内空気品質(IAQ)を「特に建物の居住者の健康と快適性に関連する建物および構造物の内部および周囲の空気品質」と定義している。IAQの低下は、頭痛、疲労、集中力の低下、目、鼻、喉、肺の刺激などにつながり得る。空気品質はまた、建物内の各種製造工程および機器にとっても重要である。たとえば、データセンタには人がほとんどいないけれども、多くのサーバーは空気中の汚染物質に敏感である。これらの汚染物質は、粒子、生物、気相の3つの広いカテゴリに分類される。本明細書では気相汚染物質について詳細に説明するが、以下に説明するフィルタの用途はそれに限定されない。同様に、説明では「空気流」および「空気フィルタ」について言及しているが、本明細書で説明するフィルタを使用して他の流体を濾過してもよい。
【0002】
気相汚染物質は、無数の屋内および屋外の発生源に由来し、建物内の居住者および各種の運転にさまざまな有害な影響を与える可能性がある。たとえば、揮発性有機化合物(VOC)は、塗料、カーペット、コピー機/プリンター、ラミネート家具、木材防腐剤、シンナー、接着剤、永久マーカー、化粧品、および特定のエアロゾルやプラスチックから出て、室内空気中に見出され得る。VOCへの曝露は、吐き気や頭痛から、肝臓や肺の損傷までの各症状を引き起こす可能性がある。さらに、建物の居住者は、COを生成し、これもまた、希釈または除去する必要がある。
【0003】
広範囲の気相汚染物質は、外部源から、たとえば、排気、腐敗した植生、野焼き、工業製造、水処理、および化学プラントなどからの室内空気にも見出すことがあり得る。汚染物質は、パルプおよび製紙工場のHS、SOおよびその他の硫黄ベースの化合物から、エンジン排気中のSO、NO、および炭化水素に大きく変化する。
【0004】
さらに、建物内での製造工程または製品が、空気が屋外に排出される前に除去されねばならない臭気および気相汚染物質を生成し、たとえばマリファナ温室や栽培施設におけるテルペンなどを生成するような多くの用途がある。
【0005】
汚染物質を許容可能なレベルに維持するために、気相汚染物質を除去するか、比較的きれいな空気で希釈してもよい。どちらも建物に対しては、運転上の影響、およびエネルギー面での影響を及ぼす。屋外の空気を、希釈に使用するには、屋外の空気がきれいでなければならない。多くの都市部は、十分な品質の空気がなく、使用可能になる前に、清浄化する必要がある。さらにまた、たとえ空気が十分にきれいであっても、建物内に導入する前には、空気を調整(加熱、冷却、および/または湿度制御)する必要がある。気相汚染物質除去システムは、大きくて、高価で、設置が難しく、維持に費用がかかる。気相汚染物質の除去は、一般に、空気を、吸着剤、吸収剤、化学吸着剤、光触媒、触媒、または本明細書においてソルベと呼ばれる、除去特性を有する他の材料と接触させることにより達成されている。これらは、効果的なフィルタ媒体を形成するために、互いに組み合わせて、または他の材料と組み合わせて使用可能である。
【0006】
活性炭は、気相汚染物質の除去のためにIAQにおいて一般的に使用される吸着剤の1つであり、粉末、顆粒、ペレット、紙、およびハニカム構造体を含むいくつかの異なる物理的構造で存在する。活性炭は、石炭、ココナッツの殻、および木材を含む多種多様な材料から作られ得る。出発物質と活性化プロセスとは、最終活性炭製品における細孔構造と細孔容積に影響する。ほとんどの吸着はメソポアおよびミクロポア(直径50nm未満)で行われ、それゆえ、50nm未満のポア体積を最大にする活性炭を選択することが、これに限るわけではないが、媒体の全体的な性能における、考慮事項である。
【0007】
物質移動ゾーン(MTZ)
物質移動とは、吸着媒体を使用して気流から気相汚染物質を除去するときに使用される用語である。容量ではなく、むしろMTZの長さが、媒体の効率と寿命を決定するが、MTZの長さは業界では通常使用されない。というのも、これは測定が難しく、時間がかかるからである。
【0008】
最終容量および物質移動ゾーン(MTZ)の長さは、気相汚染物質を捕捉する吸着剤システムを設計する際の2つの関連する因子である。最終容量とは、吸着剤が吸着可能である特定の汚染物質の総重量を指し、吸着剤の重量の割合(汚染物質の重量/吸着剤の重量)である。最終容量は通常、適用濃度をはるかに超える高濃度で測定され、各汚染物質と吸着剤との組合せによって様々である。MTZは、吸着剤の、吸着が活発に行われる部分であり、MTZの長さは吸着剤(タイプ、量、構造など)および条件(面速度、汚染物質、濃度など)に依存する。
【0009】
ほとんどの用途において典型的または利用可能である、深さが比較的短い吸着媒体を使用する場合には、MTZの長さは、より重要な設計要素になる可能性がある。媒体の深さは、100%の効率を提供するためには、少なくとも、MTZに等しくあるべきである。図1Aに示されるように、MTZ21は、吸着剤カラムの流入口22から始まり、吸着剤が消費されるにつれて媒体の深さを通過して移動する。MTZ上方の吸着剤は、所定のチャレンジガス23で飽和されており、もはや活性な吸着はない。MTZの下方には、ガス汚染物質がまだ到達していない新しい吸着剤25がある。突破口は、MTZ21が吸着剤のカラム全体を移動し、MTZの前縁2Xが吸着剤の端部に到達し、もはやガス汚染物質を捕捉しなくなったときに発生する。容量というよりはむしろ、MTZの長さが、特定の深さの媒体の効率と寿命を決定するが、ほとんどのメーカーはいまだにまだ、設計目的のために、吸着剤の媒体容量値を報告している。別の言い方をすれば、大容量は必ずしも、すべての状況において、効率と同等ではないということである。
【0010】
さらなる空気濾過の背景
気相除去媒体の使用における別の因子として、空気流または圧力降下に対する抵抗がある。空気清浄は、しばしば、建物の暖房、冷房、換気(HVAC)システムで使用される。多くのHVACシステムには、追加の圧力降下に十分なほどの強力なファンがなく、既存のシステムにおいての空気清浄の適用が制限されている。ファンが十分に大きく、かつ/または元の設計で空気清浄の必要性が考慮されていた場合でも、大きな圧力低下は、エネルギーと運用コストを増加させる可能性がある。
【0011】
気相汚染物質を捕捉するために使用される収着材料は、ペレット形態でもよい。最も広く使用されている商用カーボン濾過システムは、カーボンペレットで満たされた、深さ13インチの、正方形または長方形の24×24インチの穴あき「トレイ」を使用する。ペレットトレイモジュールは、通気に対して高抵抗であり、これらのシステムには強力なファンが必要である。さらに、カーボンペレットシステムは、カーボンダストを排出し、下流の粒子フィルタが必要であるので、追加の圧力降下と追加のスペース要件とが発生する。ペレットトレイはランダムな空気流チャネルを提供し、移動する空気はそこを通る最短経路を探し出し、ペレットトレイの一部を、未使用または使用中にする。時間の経過とともに、ペレットは、日中および季節的な、温度および湿度の変動にさらされ、また粒状残留物の破壊につながる、繰り返される振動にさらされる。最終的には、残留物は、スクリーンの材料をふさぐか、モジュールから出て下流の空気の流れに入る。振動はまた、ルーズな充填媒体に、未処理の汚染物質を含んだ空気がモジュールを通過可能とするようなチャネルまたは間隙を作らせることにつながる可能性がある。これらの問題と不確かなMTZの長さとを克服するために、重要な用途のペレットシステムは非常に深くなければならず、さらに圧力損失が大きくなる。
【0012】
典型的な用途では、ペレットトレイは、角度の付いたアレイに配設されて、表面積を増加させ圧力を低下させる。空気はペレットベッドを通る最短の経路を通るので、媒体経路の長さは1~3インチにすぎず、MTZの獲得に必要な長さより短い場合がある。さらに、ペレットの直径は通常2~4mmであるので、特に一般的なシステムにおける空気の流れと接触時間で、ペレットの中心の吸着剤にアクセスするのが難しくなる場合がある。
【0013】
活性炭などの、顆粒状またはペレット化された吸着材料を適用する別の形態は、多層媒体の層としてのものであり、吸着材料は複数層の通気性媒体の間に挟まれるか、または固定される。この媒体は十分に閉じられ、および/または吸着剤は十分に結合されて、塵が気流に移動するのを防ぐ。通常、この多層アセンブリは、全体の厚さが1/8インチから1/4インチの間であり、プリーツが付けられ、さまざまな深さのアセンブリにされる。これは、合理的な量の吸着剤を気流に取り込む効果的な手段であるが、空気は最短経路で媒体を通るので、MTZを獲得するために必要な深さはめったに達成されず、効率は通常低くなる。
【0014】
VOCおよび他の気相汚染物質を捕捉するためのペレットに代わる1つの材料は、セラミック結合活性炭ハニカム構造体の使用である。通常、これらは正方形のグリッド断面を持ち、押出し、乾燥、高温焼成されて、定尺に切断され、モジュールに組み立てられる。これらのハニカム構造体には、以下の利点がある。
・ペレットトレイモジュールと比較して20~70%低い圧力損失。
・ペレットトレイシステムの推定された半分の重量。
・従来のペレット化されたカーボンベッドよりも、最大6倍の速度での、高速かつ効果的な媒体接触。
・吸着剤は完全にアクセス可能であり、より短いMTZの長さ、より高い効率、および媒体の完全利用を可能にする。
・後濾過の必要性を排除した、安定した構造を有するダストフリーの媒体。
【0015】
ハニカムモジュールは、いかなる深さでもよいが、典型的なHVAC用途では、スペースおよび圧力降下を考慮して、通常、公称2インチの深さの正方形または長方形のパネルに配列されて、システムのフラットなまたは角度が付けられたラックに設置される。2インチの媒体は、経路長が比較的短く、特定の汚染物質のMTZよりも短くなることも多い。これにより、一部の汚染物質や困難な環境で効率が低下したり、未使用の容量が生じたりする可能性がある。
【0016】
この構造の有効性は、他の因子の中でも特に、接触/滞留時間の関数である。滞留時間を増やすために、利用可能な断面積が制限される場合があるので、構造に、多くの場合、気流に関して角度を付けて「V」字を形成する。これにより、空気の流れが遅くなり、滞留時間が長くなり、効率が上がり、MTZの長さが短くなる。
【0017】
たとえば、ダクトは、カーボンハニカム構造の単一の平坦な24×24×2インチのパネルおよび2,000cfmの空気流を備えた24×24インチの断面を有することが可能である。媒体速度は~500fpmである。これらのパネルのうち2つが、気流内で「V」に形成されている場合、各パネルは、1,000cfmとみなされ、媒体速度は250fpmになる。これにより、各パネルの対気速度が遅くなり、結果としてMTZの長さが短くなり、媒体の効率が向上する。
【0018】
ハニカムチャネルは、通常、流れに対してその形状を維持する。したがって、空気は構造体を通過して、ダクトに続くためには、急な曲がりを2回曲がらねばならない。これは圧力損失を追加させ、経路長を最大化するためのスペースの効率的な使用ではない。
【0019】
これらのハニカムシステムは、現在の技術の最先端であるが、特に、空気経路長、効率、動作寿命、設計および吸着剤材料の柔軟性を高め、乱流を減らし、除去性能を改善するために改善することも可能である。少なくとも現在のところ、カーボンハニカムは他のフィルタシステムと比較して非常に高価であるので、特殊な用途以外では使用が制限されている。
【0020】
図1は、フィルタ媒体と共に使用するための、エアダクトまたは通路90内の1つの可能性のあるフィルタアセンブリ50を示している。図示されているように、左から右への空気の流れがある。左から右に流れる空気は、2つのフィルタモジュール60(図示されているように、より多くても、より少なくても可)を含むフィルタアセンブリ50を通過する。フィルタモジュール60は、取り付け端部62で、取り付け端部62を収容する大きさのチャネル82を有する取り付けスリーブまたはアセンブリ80と係合し、フィルタモジュール60および/またはチャネル82は、第2端部にシール84を含んでもよく、シール84は取り付けスリーブも含むことが可能である。シール84は、フィルタアセンブリ50周りの空気通過を防止する。各端部63に臨む各フィルタモジュール60は、フィルタアセンブリ50の周りの空気の通過をさらに防止するフィルタモジュールシール65で接する(実際のチャネルまたはジョイントを示すものではなく、むしろわかりやすく図示したものである)。
【0021】
フィルタモジュール60は、内部にフィルタ材料66を含むフレーム64を含んでもよい。フレームおよびフィルタ材料は、少なくとも、米国特許第3,209,074号;米国特許第4,620,691号;米国特許第4,628,386号;米国特許第4,671,126号;米国特許第4,790,259号;米国特許第4,908,634号;米国特許第5,184,706号;米国特許第6,574,123号;米国特許第7,686,869号;米国特許第7,691,186号;米国特許第7,708,813号;米国特許第8,070,861号;米国特許第8,252,095号;米国特許第8,252,097号;米国特許第8,795,601号;米国特許第8,814,994号;米国特許第9,764,331号;米国特許第9,789,494号;米国特許第9,861,990号、および米国特許出願公開第2016/0303499号に記載されているタイプのものであればよく、その内容は、本明細書に完全に記載されているかのように参照により組み込まれる。
【0022】
フィルタアセンブリとダクト70との間、および隣接するフィルタモジュール72間の取り付け点は、空気流の通過を防止する領域を作り得る。これにより、乱流、圧力損失の増加、およびフィルタアセンブリ50を通る不均一な空気の流れが生じる可能性がある。したがって、ハニカムモジュールを傾けると、フラットモジュールに比べて、表面積が増加し圧力降下が低下するが、その低下は、ブロックされた空気流、不均一な空気流、および方向の変化のために線形性に劣る。
【0023】
また、多くの用途においては、空気、液体、または気体は、構造体との接線方向の接触を通じて何らかの変化(たとえば、加熱、冷却、洗浄)をもたらすように設計された同様の角度の付いた構造体を流れる。これの例としては、HVACシステムのコイル、車のラジエーター、または気流のカーボンハニカムマトリックスがある。
【0024】
上記に基づいて、広範囲の用途においてフィルタを通過するフローに関連する多くの課題がある。
【発明の概要】
【0025】
気相汚染物質を除去するための空気清浄またはHVACシステムでのモジュール使用のための媒体設計。この設計では、可変媒体長、経路長、および接触時間を使用してガス汚染物除去を制御し、MTZの長さを抑えて圧力損失を低く抑えることが可能である。一実施形態では、本構成は、空気流に対してある角度が付けられたフィルタモジュールと、フィルタフレーム内に取り付けられたエアフィルタとを含む。フィルタモジュールは、所定の用途に必要な滞留時間と圧力降下とを提供するために、空気流に対して最適な角度に向けられたチャネルを含んでもよい。
【0026】
明瞭にするために、以下では、水平な、ダクト配設および空気流で説明する。ただし、実際のアプリケーションでは、ダクトは、垂直または斜めに走ってもよい。さらに、モジュール自体をダクト内で回転させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1A】物質移動ゾーンの適用例を示す。
図1B】従来技術のフィルタ構成を示す。
図2図2Aは、フィルタモジュールの側面等角図を示す。図2B図2C図2Dおよび図2Eは、それぞれ、図2Aの線2B-2B、2C-2C、2D-2Dおよび2E-2Eによる側面断面図を示す。
図3図3Aおよび図3Bは、使用中のフィルタモジュールのフィルタアセンブリの正面図を示す。
図4図4Aは、フィルタモジュールの代替正面図を示す。図4Bおよび図4Cは、それぞれ、図4Aの線4B-4Bおよび4C-4Cによる側面断面図を示す。図4Dは、図4Aの線4D-4Dを通る側面図を示す。
図5図5Aおよび図5Bは、図4Dの図の代替側面図を示す。
図6図6A図6B図6Cおよび図6Dは、代替のフィルタ媒体を示す。図6Eは、さらに別のフィルタ媒体配設を示す。
図7図7A図7B図7C図7Dおよび図7Eは、別の代替フィルタモジュールを示す。
図8図8Aおよび図8Bは、フィルタハウジングを示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
フィルタ媒体モジュール
図2A図2E図3Aおよび図3B図4A図4D図5A図5Bに示すように、エアフィルタモジュール200,400は、通過する空気を濾過する空気ダクトまたは通路90内に、それ自体取り外し可能に配設してもよいエアフィルタシステム300(本明細書では一般に「エアフィルタ」と呼ばれる)内に取り外し可能に配設されてもよい。濾過される空気流へのフィルタ媒体214,414の露出を最大にし、圧力降下を最小にするために、フィルタモジュール200,400を空気流に対して傾斜させてもよく、この場合、フィルタモジュールの前面(空気の流れに面する)からフィルタモジュールの背面までの空気流のための最短経路は、断面線2B,2C,2D,2E-2B,2C,2D,2Eとして示される線に沿って定義されることが理解され、この線によって、本出願全体で説明されている、チャネルを通過する空気流経路が、より長いチャネルと対比されている。
【0029】
たとえば、フィルタモジュール200,400を通るチャネル212,212a,412,412aは、フィルタモジュール200,400を通る圧力降下を最小限にし、空気流の経路長(および媒体214の気流への暴露)を増大させるために、空気流に平行に配向されてもよい。この平行なチャネル配設では、可能な経路長は、フィルタ媒体214にさらされるチャネル212内の領域内で定義され、図2Cではほぼ長方形であり、さらに、図2Bのビーズ217間に存在し、これによって、そこを通過するより曲がりくねった経路長が可能になる。図2D図2E図5A図5Bに示す実施形態では、しかしながら、経路長は、異なった形状に形成され、蛇行するチャネルを使用して、空気流に乱流を作ることによって、チャネルの長さおよびフィルタモジュール200内の継続時間のためにフィルタ媒体に露出されるさらに多くの空気流を作ってもよい。
【0030】
チャネルは、以下に定義される材料タイプのフィルタ媒体214,414の平行な層の間に規定される。図2A図2Cのフィルタモジュール200は、垂直に配設されたフィルタ媒体214を有するが、このフィルタモジュール200内では、スペーサ216が、チャネル212,212aの底部および上部を規定し、フィルタ媒体214の平行な層を離間させる。スペーサ216は、エアフィルタ300の設計要件を満たした大きさと高さを有することが可能であり、および組み立ての容易さを考えると、複数層のフィルタ媒体214の間に多少のスペースを有するフィルタを設計することは、スペーサの高さ/厚さを変更するという簡単な問題となる。さらに、フィルタ媒体214,414の層材は、様々な厚さおよび幅のものであってもよい。
【0031】
図2Bが示すように、スペーサ216は、チャネル212内および同じ列内のビーズ217間の化合物を濾過するために、フィルタ媒体214を横切る空気流を導く平行列に形成された略円形ビーズ217とすることが可能である。ビーズ217は、半球形状またはより扁平な円筒形状を有してもよく、隣接するフィルタ媒体層214との接合を防ぐために、塗布前に硬化する接着剤または他のポリマーから形成されてもよく(ただし、このような接合は状況によっては望ましい場合もある)、またはフィルタ媒体層の両側に係合するような方法で形成されてもよい。
【0032】
図2Cは、個々のビーズ217であるスペーサ216の代わりに、細長い形状を有するライン217aとして形成される実施形態を示す。これらの細長いライン217aは、チャネル212aをより良好に規定し、フィルタモジュール200を通る乱気流をより少なくすることを促すことが可能である。ライン217aは、半球状の断面を有する形状としてもよく、ビーズ217と同様に平坦化されてもよい。
【0033】
ビーズ217およびライン217a,217d,217eは、フィルタモジュール200に組み合わされてもよく、フィルタモジュール200を通過する効果的な濾過を促進する形状であれば、任意の形状でよく、涙滴または同様の空気力学的構造を有するもの、または四角形でもよい。種々の経路212が、複数層のフィルタ媒体214の間に形成されてもよく、またはフィルタ媒体214の2つの同じ平行なシートの間にでも形成され得る。
【0034】
ビーズ217またはライン217aは、接着剤の粘度が、形成されたビーズが、チャネルの所望の高さを保持することを可能にすれば、シリコーン、アクリル、エポキシ、ホットメルト、またはウレタン系のものであってもよい。接着剤は、ハンドガン、移動するウェブシート布上の固定ノズル、またはプログラムされた接着機を使用して塗布可能である。
【0035】
選択された接着剤は、ホットメルト接着剤であってもよく、これは迅速に硬化し、硬化後に空気中のVOCに追加されず、典型的なHVAC条件に耐える。このような接着剤の例としては、ヘンケルロックタイト接着剤(低VOCまたはゼロVOCとして挙げられている、種々のものが可能)、テクノメルト232ホットメルト接着剤(エチレンビニルアセテート、EVA)、3M100%固体ホットメルト(EVA)、またはVOCを削減したダウコーニングブランドのシリコーンホットメルト接着剤がある。
【0036】
接着剤はまた、ブロック(つまる)/ブラインド(塞ぐ)される吸着媒体の量を減らすために最小化されてもよい。また、形成されたチャネルは連続的である、または平行である必要はなく、接着剤は、吸着シートを分離した状態に保ち、媒体がたるむことを防ぐ方法として機能する。
【0037】
スペーサ216は、濾過を改善する、またはフィルタ媒体に含まれない特性を追加して濾過プロセスをさらに改善する添加剤を含んでもよく、したがって構造的目的だけでなく、濾過目的にも役立つ。
【0038】
図2Dおよび図2Eは、フィルタモジュール200の別の実施形態を示し、チャネル212d,212eは、空気流を、フィルタを通る最短経路に誘導せず、代わりに、空気流232に平行な部分とび空気流252に平行でない部分とを有する蛇行経路に空気流を誘導している。経路y,y’は、図示のように、y>xおよびy’>xであるので、それを通る直線経路上で、フィルタ媒体214への追加の露出を提供し、したがって追加の経路長を作る。図2Eでは、経路y’は、フィルタモジュール内で終了し、空気流がフィルタモジュール200に存在する前に、フィルタモジュール200内に乱流ゾーン252を提供し得る。蛇行チャネルyおよびy’は、空気流のフィルタ媒体への曝露を増加させ得る。つまり、空気流の経路長を増加させる。蛇行チャネルy,y’は、特定の増加した経路長と媒体の露出とを可能にし、フィルタ幅x(xは通常2インチ)のみを提供する既存の基本構造を維持しながら、濾過要件を満たすことが可能である。
【0039】
図4A図4Dのフィルタモジュール400は、図2A図2Cのものと同様であるが、ただし、フィルタ媒体層414が、チャネル412,412aの側面を規定しているスペーサ416であって、フィルタ媒体414の平行な層を離間させているスペーサ416間で水平に配向されている。図4Bが示すように、スペーサ416は、略円形ビーズ417であればよく、空気流をフィルタ媒体414を横切るように導く平行な列に形成されて、チャネル412内にあって、そして同じ列内のビーズ417間にある化合物を濾過する。
【0040】
図4Cは、個々のビーズ417であるスペーサ416の代わりに、細長い形状を有するライン417aとして形成される実施形態を示す。これらの細長いライン417aは、チャネル412aをより良好に規定し、フィルタモジュール400を通る乱気流がより少なくなることを促すことが可能である。
【0041】
フィルタモジュール200,400は、それらの長さを伸ばすために、並べて、または端と端とをつないで組み合わされてもよく、またはそのような媒体は、変形する傾向があるので、フィルタ媒体214,414のたるみを防ぐために、それらの中に中間支持体を含んでもよい。
【0042】
図5Aおよび図5Bは、組込みまたは限られたスペースにおいて必要になる場合がある例を示している。図5Aは、角度付きフィルタモジュール500であって、取り付け具80とともに使用可能であるビーズまたはラインによって規定されたチャネル512を備えた角度付きフィルタモジュール500を示す。これは、より大きな圧力降下をもたらし、フィルタモジュール500を通過する空気流572が少ない領域を導き得るが、いくつかのフィルタリング環境においては、有益であることが判明し得る。
【0043】
図5Bは、角度付きフィルタ媒体であって、互いにオフセットされず、長方形のフィルタモジュールを受け入れるように成形されたスリーブ80を含む、より一般的なフレームラックのいくつかで使用可能な角度付きフィルタ媒体を示す。そのような構成においては、チャネル512aは、スペーサ514b間で角度を付けることが可能である。媒体を垂直に、または水平に向けることが可能であるが、いずれにしても、チャネル512aの角度は経路長を長くし得るが、チャネル512aが均一な高さではない、より乱流の領域572bも作る可能性がある。
【0044】
空気流に対するフィルタ媒体214,414のより多くの表面積露出を達成するために、フィルタモジュールは、空気流に対して角度α傾斜させてもよく、その角度は、図3Aおよび図3Bに示されているように、12度、18~21度、30度、またはその他の角度であればよく、図3Aおよび図3Bにおいて、積層されたフィルタモジュール200は、空気通路90内にエアフィルタ300を備える。そのようなエアフィルタ300においては、縫い目330付近の流れの少ない領域372は、従来のフィルタにおける同様の領域70,72と比較すると最小化される。縫い目330は、溶接、接着、または密封して、そこを通る空気の流れを防止することができ、各フィルタ媒体は、空気流に向かう一方端と、空気流から離れる他端を有することが可能である。継ぎ目330は、フィルタフレーム810の三角形または他の適切な形状のチャネル818によって覆われてもよく(図8Aおよび図8B)、これらのチャネル818は、任意のフィルタ継ぎ目330にあってもよいが、どちらかといえば、フィルタが面している「点」にあればよい。図3Aおよび図3Bに示されたフィルタ媒体214は、垂直な構成で示されているが、図4A図4Dの水平な構成においても可能であることを理解されたい。
【0045】
したがって、図示されているのは、チャネルを形成するスペーサを備えた平坦なフィルタ媒体であるが、そのフィルタ媒体600は、図6A図6Cに示されているようにひだを付けることが可能である。そのようなフィルタ媒体600では、交互のプリーツの山620が、そこを通る空気通過のためのチャネル610を形成し、フィルタ媒体600は、そこを通るチャネル610を作るために、水平または垂直に向けられ得る。
【0046】
ひだ付きフィルタ媒体600は、図示のように、均等に切断された前縁(facing edge
)630および後縁(trailing edge)640を有して形成されてもよい。
【0047】
そのようなプリーツフィルタ600の別の形成は、ほぼ長方形のフィルタ媒体650を折り畳み、折り目660に沿って交互の方向に折り畳んで、図6Cに示すように角度付き媒体650をもたらすことを含み得る。プリーツフィルタ媒体600は、平行四辺形の平坦な素材から形成されて、異なる所望のチャネル構成を形成してもよい。
【0048】
図6Dは、プリーツフィルタ600がエアフィルタを形成することが可能である方法において、プリーツフィルタ600を積層することを示し、複数層のプリーツフィルタ媒体は、スペーサ640によって分離されて、それを通るチャネルを作っている。
【0049】
図6Eは、フィルタ媒体間のスペーサとして作用する折り目617fを使用して、フィルタ媒体614f内にチャネル612fを形成する代替方法を示す。図示されるように、折り目617fは、複数層の媒体614fを分離し、それ自体が濾過特性を有するスペーサ617fを追加する。
【0050】
別の構成では、活性炭紙が波形にされ、次いで、波形炭素媒体をある角度で積み重ね/接着して、波形チャネルを通る、同様の結果のチャネル構造が達成される。フィルタ媒体を介してチャネルを作るさらに別の構成は、ハニカム構造体を使用することが可能である。
【0051】
移動を最小限にして、媒体を保護するために、メッシュまたはスクリーンを使用して、フィルタ媒体を所定の位置に保持してもよい。
【0052】
複数層のフィルタ媒体の間の間隔を維持するために、歯付きスペーサ(歯付き櫛に類似)またはチャネルを備えた予備成形メッシュを使用して、層を分離し、それらの間の間隔を維持してもよく、また強度を加えてもよい。
【0053】
フィルタモジュール/媒体の、計算およびテスト
【0054】
モジュールフレーム220の幅が2インチであり、角度α=20度(24×24ダクト内の3つのモジュールの現在の構成のおよその角度)である場合、空気の水平経路長は、Hまたは5.85インチである(式1~4を参照)。これは、現在の媒体露出での経路長(2インチ)のほぼ3倍である。
【0055】
試験によって、媒体を通過する面速度の低下が、効率を向上させ、汚染物質濃度の同等の低下よりもはるかに大きな影響をMTZ長に与えることが示されている。たとえば、500フィート/分における1ppm HSでのMTZ長は、100フィート/分における2.8インチと比較して4.8インチである。対照的に、0.1ppm HSおよび500フィート/分で、すなわち濃度が10倍減少しても、MTZ長は4.6インチまでしか減少しない。120日後に、1ppmHSを含む特定のハニカム構造媒体の効率を調べると、効率は、500フィート/分で45%、250フィート/分で90%、100フィート/分で100%と測定された。
【0056】
追加の試験により、フィルタの面に対して垂直に向けられ、45度の角度で取り付けられたチャネルを備えたエアフィルタを通過する圧力降下が、同じ空気量の場合、垂直に取り付けられた同じフィルタの約2倍であることが実証された。同じ媒体を、空気流に平行なチャネルを持つ角度付きフィルタに組み立てると、圧力降下は元来の垂直圧力降下に戻った。
【0057】
フィルタ媒体材料
フィルタ媒体214,414は、本明細書に記載されるものを含む、任意の効果的な媒体であればよい。フィルタ媒体214,414は、50重量%のココナッツまたは木材活性炭で作られ得る活性炭紙媒体であってもよい(IAQ用途の場合、ハニカム構造体は3060重量%の炭素である)。ココナッツカーボンは、ハニカム構造体に使用され得る木材ベースのカーボンと比較して、微小孔の体積が大きいので、VOCの吸着に使用可能である。活性炭紙の製造方法により、ターゲット特異的チャレンジガスへの添加剤に対する、またはゼオライト、モレキュラーシーブ、MOFなどの代替吸着剤の追加についての柔軟性が得られる。対照的に、ハニカム構造体は多くの吸着剤を使用して作るのが難しく、バインダー系と互換性のある添加剤に制約される。
【0058】
炭素紙媒体は、容易な成形性および操作性を提供し、これは、ハニカム構造体および波形材料ではあまり利用できないものである。チャンネルの寸法は、容易に調整可能であって、層間の間隔と、経路長の角度またはチャンネルの角度とを変えることによって、MTZの長さまたは圧力低下を低下させることが可能である。対照的に、ハニカム構造体は各構成(壁の厚さとチャネルの寸法)に高価なダイを必要とする。さらにまた、異なる吸着剤または特性を有する紙を、同じモジュールに組み合わせることが可能である。
【0059】
本明細書に完全に記載されているかのように参照により組み込まれる米国特許第6,355,330号、米国特許第5,147,722号、および米国特許第5,792,513号に示されるような活性炭媒体の別の選択は、ポリプロピレン(PP)またはポリエチレン(PE)などのポリマーを使用し、活性炭の顆粒または粉末を結合して、薄い不織布媒体の間に挟む。そのような媒体では、中心媒体は、80重量%を超える活性炭であり、ポリマーバインダーは活性炭の孔を塞がない。
【0060】
支持フレーム部材を備えたフィルタ材料
図7Aおよび図7Bは、支持ビーム720を含むことが可能である構造上に支持されたフィルタ媒体710を有するフィルタモジュール700を示す。フィルタ媒体710は、ビーム720上に取り付けられた個々のシート部材710を含む。スペーサ730は、媒体710間に一貫した間隔を保証し、一貫した断面の空気チャネル740を形成するのに役立つ。
【0061】
図7Cおよび図7Dは、支持構造についての代替実施形態を示す。図7Cは、部材710の中心を通って取り付けられたビーム720およびスペーサ730を示す。図7Dは、部材710aの対向する縁部に取り付けられたビーム720aおよびスペーサ730aを示す。
【0062】
図7A図7Dの構成は、図7Eに示されるように、水平方向(図示のように)または垂直方向に媒体710を取り付けることが可能であり、図7Eは、フィルタ媒体710e、ビーム720e、スペーサ730eを示している。
【0063】
図8Aおよび図8Bは、本明細書で説明されるフィルタモジュール200,400と共に使用するためのフィルタフレーム800を示す。フィルタフレーム800は、取り外し可能な粒子フィルタ820と、既に説明したエアフィルタ300とを含む。粒子フィルタ820は、粒子を濾過して、炭素吸着剤フィルタ200,400が、粒子で詰まらないようにすることが可能である。チャネル818は、空気流に垂直に取り付けられた直立フレーム部材816に取り付けられて、縫い目330から空気流を導き、個々のモジュール200を一緒に保持して、エアフィルタ300全体の気相除去部を形成する。
【0064】
さらに、フィルタモジュール200,400のバンクは、気流内で直列に組み合わされ、および/または他のシステムまたは技術と組み合わされて、必要な空気品質を実現することが可能である。
【0065】
本発明を、上記の実施形態を参照して説明したが、当業者は、特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な変更または修正を加えることが可能であることを理解するであろう。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8A
図8B
【手続補正書】
【提出日】2023-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染物質を濾過するエアフィルタに使用するためのフィルタ媒体モジュールであって、
フィルタフレームと、
フィルタフレーム内に取り外し可能に設けられるフィルタ媒体であってフィルタ媒体の厚さを規定するフィルタ媒体とを含み、
フィルタ媒体が、フィルタ媒体を通過するチャネルを含み、
チャネルは、スペーサによって規定され、チャネルおよびスペーサは所定の配列に形成され、チャネルは、フィルタ媒体の厚さより長いチャネル経路長を規定し、チャネルはフィルタ媒体の厚さを貫通して延び、フィルタ媒体は、2より多いフィルタ媒体層を含み、2より多いフィルタ媒体層は、スペーサによって分離され、2より多いフィルタ媒体層は、互いに平行であることを特徴とするフィルタ媒体モジュール。
【請求項2】
スペーサは、円形状を有することを特徴とする、請求項に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項3】
スペーサは、細長い形状を有することを特徴とする、請求項に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項4】
スペーサは、接着剤であることを特徴とする、請求項に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項5】
接着剤は、2より多いフィルタ媒体を接続することを特徴とする、請求項に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項6】
接着剤は、VOCを発散させないことを特徴とする、請求項に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項7】
2より多いフィルタ媒体層間のスペーサは、チャネルを形成することを特徴とする、請求項に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項8】
フィルタ媒体は、活性炭材料を含むことを特徴とする、請求項に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項9】
活性炭材料は、不織布媒体の間に設けられた炭素の顆粒または粉末を含むことを特徴とする、請求項に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項10】
2より多いフィルタ媒体は、水平に積層されることを特徴とする、請求項に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項11】
2より多いフィルタ媒体は、垂直に積層されることを特徴とする、請求項に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項12】
フィルタ媒体は、空気流に対して18~21度の角度で傾斜していることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項13】
フィルタ媒体は、プリーツフィルタ材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項14】
チャネル全体が、空気流に対して平行に向けられていることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項15】
チャネルは、フィルタ媒体モジュールの後端の前で終端するように向けられていることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項16】
チャネルは、部分的に、空気流に対して角度を付けて向けられていることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項17】
スペーサは、チャネルの底部および上部を規定し、2より多いフィルタ媒体層それぞれを間隔をあけて離すことを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項18】
スペーサは、平行な列に形成される円形ビーズであることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ媒体モジュール。
【請求項19】
チャネルは、平行に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ媒体モジュール。