(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062163
(43)【公開日】2023-05-02
(54)【発明の名称】細胞培養システムおよび細胞培養装置
(51)【国際特許分類】
C12M 1/00 20060101AFI20230425BHJP
【FI】
C12M1/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025919
(22)【出願日】2023-02-22
(62)【分割の表示】P 2018248031の分割
【原出願日】2018-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002059
【氏名又は名称】シンフォニアテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 雅直
(72)【発明者】
【氏名】堀井 大地
(72)【発明者】
【氏名】逵 一弘
(72)【発明者】
【氏名】西川 慶彦
(72)【発明者】
【氏名】竹内 晴紀
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高いグレードのクリーン環境を必要とすることがなく、スペース的な制約の多いなかで多段棚型の細胞培養容器のハンドリングを適切に行うことのできる、従来にはない細胞培養システムを実現する。
【解決手段】細胞培養容器2と、細胞培養容器2に供給する培地や試薬等の液を保存する冷蔵庫1と、細胞培養容器2で培養された細胞を回収する細胞回収部3との間が、少なくとも細胞培養容器2に対する液の移送から培養された細胞の取り出しまでの間に空間的に閉じた閉鎖系のラインLとなるように構成されるものであり、細胞培養容器2を給排液ポートを有する多段棚型にしてインキュベータ4内に配置し、インキュベータ4内で、閉鎖ライン状態を保ったままで給排液ポートを通じて各棚に液を分配する姿勢と、給排液ポートを通じて各棚から液を集めて排液する姿勢とに姿勢変更可能な細胞培養システムCCSとした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞培養容器と、前記細胞培養容器に供給する培地や試薬等の液を保存する液貯留部と、前記細胞培養容器で培養された細胞を回収する細胞回収部との間が、少なくとも細胞培養容器に対する液の移送から培養された細胞の取り出しまでの間に空間的に閉じた閉鎖系のラインとなるように構成されるものであり、
前記細胞培養容器を給排液ポートを有する多段棚型にしてインキュベータ内に配置し、インキュベータ内で、前記閉鎖ライン状態を保ったままで給排液ポートを通じて各棚に液を分配する姿勢と、給排液ポートを通じて各棚から液を集めて排液する姿勢とに姿勢変更可能としたことを特徴とする、細胞培養システム。
【請求項2】
前記細胞培養容器をインキュベータ内に複数個配置するとともに、少なくとも細胞培養容器同士の間が閉鎖系のラインを介して培養細胞の継代が可能なように接続されている、請求項1に記載の細胞培養システム。
【請求項3】
インキュベータ内に配置されて給排液ポートを有する多段棚型の細胞培養容器と、この細胞培養容器を、給排液ポートを通じて各棚に液を分配する姿勢と、各棚の液を集めて給排液ポートを通じて排液する姿勢とに姿勢変更可能とする駆動機構と、当該駆動の間に前記給排液ポートに接続された状態を保つ給排液チューブとを備えたことを特徴とする、細胞培養装置。
【請求項4】
給排液ポートは、各棚への給液を行う給液ポート、および各棚からの液の排出を行う排液ポートの役割を兼ね、前記駆動機構は、給液時と排液時で姿勢が異なるように細胞培養容器を駆動する、請求項3に記載の細胞培養装置。
【請求項5】
前記細胞培養容器は、多段棚構造をなす各棚の一端縁側に各棚空間に対する連通部を有し、各棚空間の間は前記連通部以外の部分が相互に仕切られていて、前記一端縁には棚が水平なときに棚面に液を貯留可能な立壁を具備し、前記駆動機構は、前記連通部が下方に位置するように各棚面を起立させて各棚に均等に液を侵入させる給液姿勢と、その状態から連通部が上に位置するように前記細胞培養容器を回転させて各棚空間の液を分離する中間姿勢と、引き続き各棚の棚面が水平となるように回転させることで各棚面上に液を略均等に行き渡らせる培養姿勢とを、順次とらせる駆動を行うことを特徴とする、請求項4に記載の細胞培養装置。
【請求項6】
前記駆動機構は、第1軸の回りに前記細胞培養容器を回転駆動する第1駆動部と、前記第1軸と直交する第2軸の回りに前記細胞培養容器を回転駆動する第2駆動部と、これらの駆動部を制御する制御部とを備え、前記第1駆動部は前記第1軸に沿った方向に位置し、前記第2駆動部は前記第1駆動部の近傍に配置されて前記第2軸との間を前記第1軸に平行な方向に沿って動力を伝達する伝達部を介して接続されている、請求項3~6の何れかに記載の細胞培養装置。
【請求項7】
給排液チューブを接続した状態で姿勢変更する細胞培養容器に対して、前記給排液チューブに一定のテンションを掛けた状態で余長を巻き取る自動巻き取り機構を更に備える、請求項3~6の何れかに記載の細胞培養装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多量培養を簡易且つ適切に行う上で好適となる、細胞培養システムおよび細胞培養装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、細胞を多量に培養するために、培養液に播種した細胞を、複数のトレイを内蔵する多層構造の細胞培養容器を用いて培養する細胞培養技術が知られている。このような細胞培養技術において、作業者の負担を軽減するために、細胞を播種した培養液などを細胞培養容器に導入または細胞培養容器から回収するために、細胞培養容器を保持し回転させるなどのハンドリング操作を行う細胞培養装置が利用されている(特許文献1参照)
【0003】
このものは、複数のトレイを内蔵する多層型の細胞培養容器を搭載して移動可能な台車装置と、前記細胞培養容器を保持して回転させることが可能な操作装置と、を有する細胞培養システムであって、前記台車装置は、車輪を有する台車と、前記台車の上に前記台車と着脱自在に搭載され、前記細胞培養容器を前記台車に固定する固定部材と、を有し、前記操作装置は、前記固定部材ごと前記細胞培養容器を保持し、前記細胞培養容器を第1回転軸および/または第2回転軸で回転させる回転動作を行う回転部を備えて構成されている。
【0004】
細胞培養が終わったら細胞培養容器を装置から外して台車ごと他の場所に移送して細胞を回収し、次に培養が必要な細胞と培地の懸濁液を細胞培養容器に入れて、再び台車で移動し上記装置にセットするといった使い方がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような構成では、細胞培養容器がインキュベータ外に出されるため細胞の温度低下で細胞に刺激を与える問題がある。また、細胞培養容器をインキュベータ外に出し、運搬することで培地が揺れ、細胞に衝撃が加わり、細胞の剥離や刺激を与えるおそれがある。さらに、多層型の培養容器になると容器重量が重く、手技で行うと運搬が容易ではない。さらにまた、送液するチューブを繋ぎ変えるため、コンタミなどで細胞を破棄しなければいけないという問題がある。
【0007】
そこで、インキュベータ内で培地交換を行うべく、例えば特許文献1の構成を縮小したものをインキュベータ内に持ち込むように構成することも考えられる。しかしながら、たとえインキュベータ内であっても、チューブの繋ぎ変え等は菌の混入によるコンタミの原因になる。そのため、少なくともインキュベータ内をクリーンな雰囲気にする必要があり、さらにインキュベータの扉の開閉を考えると、結局のところ、インキュベータが設置された室内にも高いクリーン度が要求されることになる。
【0008】
インキュベータ内で細胞培養容器に対するチューブの着脱等を行うと、内部にはCO2ガス等も導入されているため、ガスが漏出して室内が加湿され、錆の原因になる。このため、湿度管理も必要になる。
【0009】
さらに、インキュベータという空間的に制約の多い場所にあって、多層型の細胞培養容器をハンドリングするためには、相応の工夫も必要になる。
【0010】
本発明は、このような課題に着目し、高いグレードのクリーン環境を必要とすることがなく、スペース的な制約の多いなかで多層型の細胞培養容器のハンドリングを適切に行うことのできる、従来にはない細胞培養システムおよび細胞培養装置を実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0012】
すなわち、本発明の細胞培養システムは、細胞培養容器と、前記細胞培養容器に供給する培地や試薬等の液を保存する液貯留部と、前記細胞培養容器で培養された細胞を回収する細胞回収部との間が、少なくとも細胞培養容器に対する液の移送から培養された細胞の取り出しまでの間に空間的に閉じた閉鎖系のラインとなるように構成されるものであり、前記細胞培養容器を給排液ポートを有する多層構造たる多段棚型にしてインキュベータ内に配置し、インキュベータ内で、前記閉鎖ライン状態を保ったままで給排液ポートを通じて各層の棚に液を万遍なく広げて分配する姿勢と、給排液ポートを通じて各棚から液を集めて排液する姿勢とに姿勢変更可能としたことを特徴とする。
【0013】
このようにすれば、多段棚型の細胞培養容器を使用することで多量培養に対応することができる。その際、細胞培養容器がインキュベータ外に持ち出されることがないため、温度変化や振動で細胞にダメージを与えることがなく、手技を必要としないため、労力の軽減にもなる。さらに、閉鎖系を保つため、菌の混入などによってコンタミが生じることも防ぐことができ、また、インキュベータひいては室内を高いグレードのクリーン度に保つ必要がなくなるため、作業者が装置を操作する際に過度なクリーン服を着るなどの手間も省ける。同様に、閉鎖系のラインであるがゆえにインキュベータ内にガスが漏出することもないため、インキュベータ内を湿度管理する必要もなくなる。さらにまた、各棚に対して給排液ポートからの液の分配、回収を行うことにより、給排液ポートの数を削減することができるので、インキュベータ内で可動する細胞培養容器の周辺構造の簡素化も図ることができる。
【0014】
この場合、前記細胞培養容器をインキュベータ内に複数個配置するとともに、少なくとも細胞培養容器同士の間が閉鎖系のラインを介して培養細胞の継代が可能なように接続されているようにすれば、本発明の基本的な作用効果を維持しつつ、培養率を大幅に高めることができる。
【0015】
また、本発明の細胞培養装置は、インキュベータ内に配置されて給排液ポートを有する多段棚型の細胞培養容器と、この細胞培養容器を、給排液ポートを通じて各棚に液を分配する姿勢と、各棚の液を集めて給排液ポートを通じて排液する姿勢とに姿勢変更可能とする駆動機構と、当該駆動の間に前記給排液ポートに接続された状態を保つ給排液チューブとを備えたことを特徴とする。
【0016】
このようにすれば、細胞培養容器に接続された状態で可動する給排液チューブの数を極力抑えつつ、細胞培養容器の適切なハンドリングを行うことができる。
【0017】
その際、給排液ポートを給液ポートと排液ポートから構成し、それぞれに給液チューブや排液チューブを接続することもできるが、給排液ポートが、各棚への給液を行う給液ポート、および各棚からの液の排出を行う排液ポートの役割を兼ね、前記駆動機構が、給液時と排液時で姿勢が異なるように細胞培養容器を駆動するものであれば、更にポートやチューブの数も減らすことができる。
【0018】
以上において、前記細胞培養容器は、多段棚構造をなす各棚の一端縁側に各棚空間に対する連通部を有し、各棚空間の間は前記連通部以外の部分が相互に仕切られていて、前記一端縁には棚が水平なときに棚面に液を貯留可能な立壁を具備し、前記駆動機構は、前記連通部が下方に位置するように各棚面を起立させて各棚に均等に液を侵入させる給液姿勢と、その状態から連通部が上に位置するように前記細胞培養容器を回転させて各棚空間の液を分離する中間姿勢と、引き続き各棚の棚面が水平となるように回転させることで各棚面上に液を略均等に行き渡らせる培養姿勢とを、順次とらせる駆動を行うように構成することが有効である。
【0019】
給液姿勢から直ぐに培養姿勢に移行すると、経過的に下の棚ほど液が入り易く、上の棚ほど液が入りにくい不均等な状態になるため、それを防ぐために細胞培養容器を急いで回転させなければならない。このため、細胞にダメージを与える恐れがあり、細胞が乾燥することも懸念される。一方、上記のような中間姿勢を介在させると、細胞培養容器を急いで回転させずとも給液姿勢から中間姿勢までは棚に上下関係を作らず、各棚空間に均一に液が分離されるので、その後の中間姿勢から培養姿勢までの回転も急いで回転させずとも、各棚空間に入った液がその分量のまま水平な棚面上に貯留した状態に移行することができる。この結果、細胞培養容器を適切な速度で姿勢変更することができ、細胞に与えるダメージを軽減し、細胞が乾燥することも防止することが可能となる。
【0020】
また、駆動機構としては、第1軸の回りに前記細胞培養容器を回転駆動する第1駆動部と、前記第1軸と直交する第2軸の回りに前記細胞培養容器を回転駆動する第2駆動部と、これらの駆動部を制御する制御部とを備え、前記第1駆動部は前記第1軸に沿った方向に位置し、前記第2駆動部は前記第1駆動部の近傍に配置されて前記第2軸との間を前記第1軸に平行な方向に沿って動力を伝達する伝達部を介して接続されていることが有効である。
【0021】
このようにすれば、少なくとも駆動機構は第2軸方向には嵩張らないので、空間的な制限の大きいインキュベータ内に適切に配置することができる。
【0022】
さらに、給排液チューブを接続した状態で姿勢変更する細胞培養容器に対して、前記給排液チューブに一定のテンションを掛けた状態で余長を巻き取る自動巻き取り機構を更に備えるものとすれば、給排液チューブを接続した状態で細胞培養容器を回転させても、給排液チューブが周囲に絡まることを有効に防止することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、以上説明した構成であるから、高いグレードのクリーン環境を必要とすることがなく、スペース的な制約の多いなかで多段棚型の細胞培養容器のハンドリングを適切に行うことのできる、新規有用な細胞培養システムおよび細胞培養装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態に係る細胞培養システムの概略的な構成図。
【
図2】同システムにおいて、細胞培養容器を収容したインキュベータを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0026】
図1は、この実施形態の細胞培養システムCCVを簡易的に示す系統図である。この細胞培養システムCCVは、細胞培養容器2と、細胞培養容器2に供給する培地や各種試薬等の液を保存する液貯留部たる冷蔵庫1と、細胞培養容器2で培養された細胞を回収する細胞回収部3とを備える。細胞培養容器2、冷蔵庫1、細胞回収部3の間は、適宜箇所が図示しない無菌コネクタで接続され、組み上げた後に一旦運転を始めた以後は、運転を終了するまで系統内は閉鎖系のラインLとされて、外部からの菌の侵入が防止される。
【0027】
冷蔵庫1は、内部を培地や各種試薬を保冷するために必要な温度、例えば5℃程度に保たれる。
【0028】
細胞培養容器2は、平面状に展開した培地の中で細胞を培養する棚構造のもので、細胞の分裂を促進すべく、約37℃の温度環境下に置かれる。
【0029】
細胞回収部3は、細胞培養容器2で培養を終えた後に取り出された液中の細胞が回収される。細胞培養容器2と細胞回収部3の間には、必要に応じて細胞の状態を分析する分析部や細胞を含む懸濁液の希釈度を調整する調整部等の中間処理部IPが介在される。この中間処理部IP中のラインも全て閉鎖系のラインLで構成される。
【0030】
このような閉鎖系のラインLのなかで、冷蔵庫1に培地や試薬等の液を準備した後、それらの液を冷蔵庫1から細胞培養容器2に移送する工程、細胞培養容器2内で細胞を培養する工程、培養した細胞を細胞培養容器2から取り出して細胞回収部3に回収する工程、回収前に細胞培養容器2から取り出した液に対して中間処理部IPで各種中間処理を行う工程等を、人手を介さずに全て自動で行うシステムが構築される。
【0031】
そのために、各ラインLに必要に応じてバルブVやポンプP(圧送ポンプP(a)や吸引ポンプP(b))等が接続され、これらバルブVやポンプPがコントローラCTからの制御指令SGによって制御される。
【0032】
そして本実施形態では、閉鎖系のラインLを崩さずに細胞培養容器2を所定温度に保持するために、細胞培養容器2および周辺要素部品を含む細胞培養装置CVを、閉鎖系のラインLの一部を構成する給排液チューブ61を接続したままで
図1、
図2に示すようにインキュベータ4内に配置する。
【0033】
これにより、細胞培養容器2は空間的制約を受ける。そのため、極力多量の培養を可能にするためには、細胞培養容器2における培養率を高める必要がある。
【0034】
そこで本実施形態は、細胞培養容器2を多段棚構造にして、棚21の数だけ培養面積を増やす構成を採用する。多段棚構造であるがゆえに、外部からの給液を各棚21に行き渡らせ、培養が終わった後は、各棚21から外部に排液を行うプロセスが必要である。その際、接続する閉鎖系のラインLを極力減らすために、給液ポートと排液ポートを兼ねた給排液ポート22を細胞培養容器2の筐体に設け、給排液ポート22は各棚21に共通のものとして、細胞培養容器2をインキュベータ4内で閉鎖ライン状態を保ったままで姿勢変更することで、各棚21への供液と、各棚21からの排液とを実現する。
【0035】
具体的に細胞培養容器2は、
図3に示すように、各棚21の一端縁21a側のコーナー部Cに各棚空間Sに均等に液が入り込むように棚面21bの一部を切り欠いて連通部21cを設け、棚空間S同士の間は、連通部21c以外の部分においては棚面21bや側面21dによって仕切られるように構成される。そして、連通部21cと棚面21bの境界部分に、棚面21bが水平状態にある時に液を貯留し、棚面21bが傾斜または倒置されたときにその液を排出可能なように、側面21dよりも高さの低い立壁21eを設けている。つまり、
図3(b)においてハッチングで示す部分は、水平時に液を貯留できる領域を示している。
【0036】
細胞培養装置CVは、
図4~
図6に示すように、細胞培養容器2の姿勢を変更するための駆動機構5を備える。
【0037】
駆動機構5は、ベース51と、このベース51に第1軸Xの回りに回転可能に取り付けた回転台52と、この回転台52に第2軸Yの回りに回転可能に取り付けた容器保持部材53と、第1軸Xの回りに回転台52を回転駆動する第1駆動部54と、第2軸Yの回りに容器保持部材53を回転駆動する第2駆動部55と、これらの駆動部54、55を制御する制御部たる前記コントローラCTとを備え、容器保持部材53に弾性力を利用した挟持部53aを介して細胞培養容器2を着脱可能に取り付け得るようにしている。
【0038】
第1駆動部54は細胞培養容器2から第1軸Xに沿った方向に位置し、第2駆動部55は第1駆動部54の近傍に配置されて第2軸Yとの間が第1軸Xに沿って動力を伝達するベルトやチェーン等を用いた伝達機構56(
図7参照)を介して接続されている、
【0039】
すなわち、第1駆動部54のみを駆動すれば、
図7に示すように回転台52、容器保持部材53、細胞培養容器2が第1軸Xの回りに回転し、第2駆動部55のみを駆動すれば、
図6に示すように回転台52は回転せずに容器保持部材53、細胞培養容器2が第2軸Yの回りに回転し、更に、第1駆動部54と第2駆動部55を同時に駆動すれば、回転台52、容器保持部材53、細胞培養容器2が
図7に示すように第1軸Xの回りに回転し、その回転台52に対して更に、容器保持部材53、容器2が
図6のように第2軸Yの回りに回転することが可能である。駆動機構5は、オープン制御で細胞培養容器2の姿勢を制御してもよいし、棚面21bの姿勢を検出するセンサ等を設けて細胞培養容器2の姿勢をフィードバック制御しても構わない。
【0040】
細胞培養容器2を旋回させる際は、培地が揺れて細胞に過剰な刺激を与えないような速度で回転させる必要があり、且つ、各棚21に均等に液を供給する必要がある。そのため、以下のような手順で姿勢制御を行う。
【0041】
先ず、前記駆動部54、55を駆動する
図1のコントローラCTは、
図7に示すように連通部21cが下方に位置するように第1駆動部54を駆動して細胞培養容器2を第1軸X回りに90°回転させ、各棚面21bを起立させて、給液姿勢にする。そして、水平方向を向いた給排液ポート22に対し
図7における紙面手前から奥に向かって液を供給して各棚空間Sに均等に液を侵入させる。この段階では、各棚空間Sの間で液は細胞培養容器2の姿勢が変わると行き来できる状態にある。
【0042】
その状態から第2駆動部55を駆動して細胞培養容器2を第2軸Y回りに90°回転させ(
図8参照)、更に第1駆動部54を駆動して細胞培養容器2を第1軸X回りに90°回転させて(
図9参照)、中間姿勢にする。これにより、連通部21cは上方に位置し、液は各棚空間Sに略均等に分割される。この段階で、各棚空間Sに入った液は細胞培養容器2の姿勢が変わっても行き来できない状態になる。
【0043】
さらに、第2駆動部55を駆動して細胞培養容器2を第2軸Y回りに90°回転させ、各棚面21bを水平な培養姿勢にして、各棚面21b上に液を略均等に行き渡らせる(
図10参照)。液は
図10(b)においてハッチングで示した領域に貯留され、この状態で培養が進められる。
【0044】
排液時には、
図11に示すように、給排液ポート22が下を向き、各棚空間Sの液が連通部21cに出て給排液ポート22に至るように、第1駆動部54を第1軸X回りに駆動して水平に対し角度θ1に、第2駆動部55を第2軸Y回りに駆動して水平に対し角度θ2に、それぞれ保持する(排液姿勢)。θ1、θ2は、例えば30°程度として、残液しないようにする。
【0045】
排液を終えたら、次の給液のために
図7の姿勢に戻る。
【0046】
図1に示すコントローラCT内には、このような一連の駆動部54、55による駆動、給排液のためのポンプP(P(a)、P(b))や各部位におけるバルブVの制御等に関するシーケンスが組み込まれている。
【0047】
なお、培養時は培地を所定頻度(例えば1日1回の割合)で交換する必要がある。また、
図1、
図2に示すようにインキュベータ4内に複数台(図示例では2台)の細胞培養容器2(A)、2(B)を設置し、それぞれに駆動機構5や給排液チューブ61を接続して、1台目で培養した細胞を2台目に移して更に増殖する、いわゆる継代を行う場合もある。このため、
図1に示すコントローラCTには、各細胞培養容器2(A)、2(B)ごとの培地の交換を行うためのシーケンスや、1台目の細胞培養容器2(A)で培養した細胞を剥離して給排液ポート22から排液し、これを2台目の細胞培養容器2(B)の給排液ポート22から導入するためのシーケンス等も組み込まれている。
【0048】
また、各図において符合23で示すものは給排気ポートであり、給排液ポート22を通じて給液するときには内部のガスを抜き、給排液ポート22を通じて排液するときには内部にガスを入れて、給排液をスムーズに行う。符合62で示すものは給排気チューブである。そして、給排液ポート22は細胞培養容器2の下から出し入れすることで、液中にガスの気泡が混入することが防止される。
【0049】
一連の動作においては、給排液チューブ61や給排気チューブ62が絡まないように、駆動部54、55による細胞培養容器2の駆動を、極力、X軸、Y軸回りに180°以上回転させないように制御される。
図中符合21c´で示すものは各棚面21bを切り欠いて設けられた、給排気ポート23に連通する連通部であり、図中符合21e´で示すものは各棚面21bに液を貯留するための立壁である。
【0050】
以上のように、本実施形態の細胞培養システムCCSは、細胞培養容器2と、細胞培養容器2に供給する培地や試薬等の液を保存する液貯留部たる冷蔵庫1と、前記細胞培養容器2で培養された細胞を回収する細胞回収部3との間が、少なくとも細胞培養容器2に対する液の移送から培養された細胞の取り出しまでの間に空間的に閉じた閉鎖系のラインLとなるように構成されるものであり、細胞培養容器2を給排液ポート22を有する多段棚型にしてインキュベータ4内に配置し、インキュベータ4内で、閉鎖ライン状態を保ったままで給排液ポート22を通じて各棚21に液を分配する姿勢と、給排液ポート22を通じて各棚21から液を集めて排液する姿勢とに姿勢変更可能としたことを特徴とする。
【0051】
このようにすれば、多段棚型の細胞培養容器2を使用することで多量培養に対応することができる。その際、細胞培養容器2がインキュベータ4外に持ち出されることがないため、温度変化や振動で細胞にダメージを与えることがなく、手技を必要としないため、労力の軽減にもなる。さらに、閉鎖系を保つため、菌の混入などによってコンタミが生じることも防ぐことができ、また、インキュベータ4内ひいては室内を高いグレードのクリーン度に保つ必要がなくなるため、作業者が装置を操作する際に過度なクリーン服を着るなどの手間も省ける。同様に、閉鎖系のラインLであるがゆえにインキュベータ4内にガスが漏出することもないため、インキュベータ4内を湿度管理する必要もなくなる。さらにまた、各棚21に対して給排液ポート22からの液の分配、回収を行うことにより、給排液ポート22の数を削減することができるので、インキュベータ4内で可動する細胞培養容器2の周辺構造の簡素化も図ることができる。
【0052】
また、細胞培養容器2をインキュベータ4内に複数個(2(A)、2(B))配置するとともに、少なくとも細胞培養容器2(A)、2(B)同士の間が閉鎖系のラインLを介して培養細胞の継代が可能なように接続されているので、本実施形態の基本的な作用効果を維持しつつ、培養率を大幅に高めることができる。
【0053】
一方、本実施形態の細胞培養装置CVは、インキュベータ4内に配置されて給排液ポート22を有する多段棚型の細胞培養容器2と、この細胞培養容器2を、給排液ポート22を通じて各棚21に液を分配する姿勢と、各棚21の液を集めて給排液ポート22を通じて排液する姿勢とに姿勢変更可能とする駆動機構5と、当該駆動の間に給排液ポート22に接続された状態を保つ給排液チューブ61とを備えているため、細胞培養容器2に接続された状態で可動する給排液チューブ61の数を極力抑えつつ、細胞培養容器2の適切なハンドリングを行うことができる。
【0054】
給排液ポート22を図示しない構成において給液ポートと排液ポートとし、それぞれに給液チューブや排液チューブを接続することもできるが、本実施形態において給排液ポート22は、各棚21への給液を行う給液ポート、および各棚21からの液の排出を行う排液ポートの役割を兼ね、駆動機構5は、給液時と排液時で姿勢が異なるように細胞培養容器2を駆動するように構成されているため、更にポートやチューブの数も減らすことができる。
【0055】
その際、細胞培養容器2は、多段棚構造をなす各棚の一端縁21a側に各棚空間Sに対する連通部21cを有し、各棚空間Sの間は連通部21c以外の部分が相互に仕切られていて、一端縁21aには棚21が水平なときに棚面21bに液を貯留可能な立壁21eを備えている。そして、駆動機構5に、連通部21cが下方に位置するように各棚21を起立させて各棚面21bに均等に液を侵入させる給液姿勢(
図7参照)と、その状態から連通部21cが上に位置するように細胞培養容器2を回転させて各棚空間Sの液を分離する中間姿勢(
図9参照)と、引き続き各棚21の棚面21bが水平となるように回転させることで各棚面21b上に液を略均等に行き渡らせる培養姿勢(
図10参照)とを、順次とらせる駆動を行わせるようにしている。
【0056】
すなわち、
図7に示す給液姿勢から直ぐに細胞培養容器2を第1軸X回りに回転して
図10に示す培養姿勢に移行すると、経過的に下の棚21ほど液が入り易く、上の棚21ほど液が入りにくい不均等な状態になるため、それを防ぐために細胞培養容器2を急いで回転させなければならない。このため、細胞にダメージを与える恐れがある。一方、上記のような中間姿勢を介在させると、細胞培養容器2を急いで回転させずとも
図7に示す給液姿勢から
図9に示す中間姿勢に至るまでは棚21に上下関係を作らず、各棚空間Sに均一に液が分離されるので、その後の中間姿勢から培養姿勢までの回転も急いで回転させずとも、各棚空間Sに入った液がその分量のまま水平な棚面21b上に貯留した状態に移行することができる。この結果、細胞培養容器2を適切な速度で姿勢変更することができ、細胞に与えるダメージを軽減することが可能となる。
【0057】
また、駆動機構5としては、第1軸Xの回りに細胞培養容器2を回転駆動する第1駆動部54と、第1軸Xと直交する第2軸Yの回りに細胞培養容器2を回転駆動する第2駆動部55と、これらの駆動部54、55を制御する制御部たるコントローラCTとを備え、第1駆動部54は第1軸Xに沿った方向に位置し、第2駆動部55は第1駆動部54の近傍に配置されて第2軸Yとの間を第1軸Xに平行な方向に沿って動力を伝達する伝達部56を介して接続されており、少なくとも駆動機構5は第2軸Y方向には嵩張らないので、空間的な制約の大きいインキュベータ4内に適切に配置することができる。
【0058】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0059】
例えば、給排液チューブ61を接続した状態で姿勢変更する細胞培養容器2に対して、
図12に示すように、給排液チューブ61に一定のテンションを掛けた状態で余長を巻き取る自動巻き取り機構7を更に備えることも有効である。
【0060】
これによれば、給排液チューブ61が垂れて、周囲に絡まることが無くなる。また、給排液チューブ61が垂れないため、給排液チューブ61の垂れた部分に残るような液を無くすことができる。自動巻き取り機構7としては、例えばアクチュエータを付けた回転機構に給排液チューブ61を巻き、細胞培養容器2を旋回させる角度に合わせて回転機構のアクチュエータを正逆転し給排液チューブを出し入れすることで細胞培養容器2がどの角度にいても一定のテンションを保てるようにしたものが挙げられる。
【0061】
また、給排液ポートや給排液チューブを、給液と排液に分けて構成することを妨げるものではない。
【0062】
さらに、駆動機構の構成や細胞培養容器を姿勢変更する手順も、中間姿勢を経由できれば、上記以外の構成や手順であってもよい。
【0063】
さらにまた、上記実施形態は、液貯留部たる冷蔵庫1を外部に配置し、この冷蔵庫1内の液をインキュベータ4内の細胞培養容器2(2(A)、2(B))に直接給液するように表しているが、
図13に示すように、インキュベータ4内に液貯留部たるバッグ101を吊り下げるなどして配置し、このバッグ101から細胞培養容器2(2(A)、2(B))に給液を行うように構成してもよい。
【0064】
この場合、
図13(a)に示すように、冷蔵庫1からの液を一旦バッグ101で蓄積し、その後に細胞培養容器2(2(A)、2(B))に供給する態様、あるいは、
図13(b)に示すように、外部の冷蔵庫1を持たず、バッグ101からの給液のみを行う態様の何れによっても実施可能である。
【0065】
このうち、
図13(a)の構成においては、インキュベータ4内に導入する手前で液を予熱する予熱部101aを設けることも有効である。予熱せずに低温の溶液を細部御培養容器2(2(A)、2(B))に入れると細胞に刺激を与えるおそれがあるが、予め予熱しておけば、インキュベータ4内の温度が変動することを防止することができ、インキュベータ4内の温度制御を適正に行うことが可能になる。
【0066】
このような予熱部101aは、
図1の構成に適用することも勿論有効であり、インキュベータ4に導入する手前の液を予熱することで、温度制御の適正化を図ることが可能になる。
【0067】
勿論、インキュベータ4内に導入した液をインキュベータ4内で加熱して細胞培養容器2(2(A)、2(B))に供給する構成も適宜採用することができる。
【0068】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0069】
1…液貯留部(冷蔵庫)
2、2(A)、2(B)…細胞培養容器
3…細胞回収部
4…インキュベータ
5…駆動機構
7…自動巻き取り機構
21…棚
21a…一端縁
21b…棚面
21c…連通部
21e…立壁
22…給排液ポート
54…第1駆動機構
55…第2駆動機構
101…液貯留部(バッグ)
CCS…細胞培養システム
CD…細胞培養装置
CT…制御部(コントローラ)
L…閉鎖系のライン
S…棚空間
X…第1軸
Y…第2軸
【手続補正書】
【提出日】2023-03-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多段棚型の細胞培養容器と、
前記細胞培養容器を内部に収容するインキュベータとを有し、
前記細胞培養容器は、細胞培養姿勢において上面に配置された給液ポートおよび排液ポートを有しており、
前記インキュベータ内で前記細胞培養容器の姿勢を変更することにより、前記細胞培養容器の各棚に液を分配する姿勢と、前記細胞培養容器の各棚から液を集めて排液する姿勢とに姿勢変更可能としたことを特徴とする細胞培養システム。
【請求項2】
前記細胞培養容器は、多段棚構造をなす各棚の一端縁側に各棚空間に対する連通部を有し、各棚空間の間は前記連通部以外の部分が相互に仕切られていて、前記連通部が下方に位置するように各棚面を起立させて各棚に均等に液を侵入させる給液姿勢と、その状態から連通部が上に位置するように前記細胞培養容器を回転させて各棚空間の液を分離する中間姿勢と、引き続き各棚の棚面が水平となるように回転させることで各棚面上に液を略均等に行き渡らせる培養姿勢とを取り得ることを特徴とする請求項1に記載の細胞培養システム。
【請求項3】
前記細胞培養容器は、前記給液ポートに給液チューブが接続され且つ前記排液ポートに排液チューブが接続された状態で、前記インキュベータ内で姿勢を変更可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の細胞培養システム。
【請求項4】
前記給液ポートと前記排液ポートとは、それらを兼ねた給排液ポートとして設けられることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の細胞培養システム。
【請求項5】
前記細胞培養容器は、第1軸の回りを移動して姿勢を変更可能であるとともに、前記第1軸と直交する第2軸の回りを移動して姿勢を変更可能であることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の細胞培養システム。
【請求項6】
前記第1軸は、前記細胞培養容器を通過する回転軸であり、且つ、前記第2軸は、前記細胞培養容器を通過する回転軸であることを特徴とする請求項5に記載の細胞培養システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
すなわち、本発明の細胞培養システムは、多段棚型の細胞培養容器と、前記細胞培養容器を内部に収容するインキュベータとを有し、前記細胞培養容器は、細胞培養姿勢において上面に配置された給液ポートおよび排液ポートを有しており、前記インキュベータ内で前記細胞培養容器の姿勢を変更することにより、前記細胞培養容器の各棚に液を分配する姿勢と、前記細胞培養容器の各棚から液を集めて排液する姿勢とに姿勢変更可能としたことを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
本発明の細胞培養システムにおいて、前記細胞培養容器は、多段棚構造をなす各棚の一端縁側に各棚空間に対する連通部を有し、各棚空間の間は前記連通部以外の部分が相互に仕切られていて、前記連通部が下方に位置するように各棚面を起立させて各棚に均等に液を侵入させる給液姿勢と、その状態から連通部が上に位置するように前記細胞培養容器を回転させて各棚空間の液を分離する中間姿勢と、引き続き各棚の棚面が水平となるように回転させることで各棚面上に液を略均等に行き渡らせる培養姿勢とを取り得ることが好適である。
給液姿勢から直ぐに培養姿勢に移行すると、経過的に下の棚ほど液が入り易く、上の棚ほど液が入りにくい不均等な状態になるため、それを防ぐために細胞培養容器を急いで回転させなければならない。このため、細胞にダメージを与える恐れがあり、細胞が乾燥することも懸念される。一方、上記のような中間姿勢を介在させると、細胞培養容器を急いで回転させずとも給液姿勢から中間姿勢までは棚に上下関係を作らず、各棚空間に均一に液が分離されるので、その後の中間姿勢から培養姿勢までの回転も急いで回転させずとも、各棚空間に入った液がその分量のまま水平な棚面上に貯留した状態に移行することができる。この結果、細胞培養容器を適切な速度で姿勢変更することができ、細胞に与えるダメージを軽減し、細胞が乾燥することも防止することが可能となる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
本発明の細胞培養システムにおいて、前記細胞培養容器は、前記給液ポートに給液チューブが接続され且つ前記排液ポートに排液チューブが接続された状態で、前記インキュベータ内で姿勢を変更可能であることが好適である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
本発明の細胞培養システムにおいて、前記給液ポートと前記排液ポートとは、それらを兼ねた給排液ポートとして設けられることが好適である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
本発明の細胞培養システムにおいて、前記細胞培養容器は、第1軸の回りを移動して姿勢を変更可能であるとともに、前記第1軸と直交する第2軸の回りを移動して姿勢を変更可能であることが好適である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
本発明の細胞培養システムにおいて、前記第1軸は、前記細胞培養容器を通過する回転軸であり、且つ、前記第2軸は、前記細胞培養容器を通過する回転軸であることが好適である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】削除
【補正の内容】