(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062174
(43)【公開日】2023-05-02
(54)【発明の名称】改善された医療相互運用環境システム
(51)【国際特許分類】
G16H 50/00 20180101AFI20230425BHJP
G16H 10/00 20180101ALI20230425BHJP
【FI】
G16H50/00
G16H10/00
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026445
(22)【出願日】2023-02-22
(62)【分割の表示】P 2020537519の分割
【原出願日】2019-01-02
(31)【優先権主張番号】62/612,920
(32)【優先日】2018-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520240937
【氏名又は名称】タリス クリニカル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】TALIS CLINICAL LLC
【住所又は居所原語表記】650 Mondial Rd.,Streetsboro, Ohio 44241 USA
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】コリスター,ゲイリー
(72)【発明者】
【氏名】マグドラ,ビショイ
(72)【発明者】
【氏名】サラシノ,ジュゼッペ
(72)【発明者】
【氏名】マーフィ,ウイリアム
(72)【発明者】
【氏名】リカムワサム,ハリッシュ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ビクター
(72)【発明者】
【氏名】シューマッハ,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ギャラガ,ケビン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】医療相互運用環境を提供する。
【解決手段】広範囲な相互運用環境において、相互運用環境エンジンは、広範囲な環境で収集及び共有されているデータの様々なソースとターゲットと間で、適時かつ正確な通信を確実にするコア通信ツールである。相互運用環境はまた、ECOシステムからも構成され、ECOシステムは、様々なオペレーティングシステムを利用して、任意の数のハードウェアオプションで構成され、電子医療デバイス106を含むECOシステムと通信する電子デバイスに近接して存在する。ECOシステムは、医療デバイスとエンジンとの間の導管として利用され、電子データを収集し、翻訳し、エンジンに転送して、適切な記憶場所または特定のデータターゲットに対して処理する。相互運用環境はさらに、1つ以上のデータリポジトリからも構成されており、データをいずれかのターゲット場所に送信する前に収集された全てのデータを保存する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイスを含む複数の電子デバイスからの電子データを受信して格納し、受信した前記電子データを前記複数の電子デバイスから選択される第1の電子デバイスと適合する第1のフォーマットに翻訳するように構成されたエコシステムジュール、
データ管理モジュール、前記電子デバイスからデータを受信するように構成された通信モジュール、および前記電子デバイスにデータを送信するように構成されたモジュールを含むソフトウェアコアエンジン、
データをタイムスタンプし、かつ、少なくとも患者のバイタルサインと治療パラメータを含むパラメータの追加と削除をサポートすることで、ルールの追加と削除を行うルールモジュール、
(i)複数のプロトコルワークフローの要件を管理するように構成されたモジュール、(ii)少なくとも一つの治療エリアワークフローの要件を管理するように構成されたモジュール、ならびに(iii)(a)複数の臨床ガイダンスプロセス制御制限を含む管理要件の監視と前記管理要件への応答を管理し、(b)予定されたまたは必要な活動、必要な文書化、指示メッセージ、警告、通知、および通知の上申の少なくとも一つに応答するように構成されたモジュールを含むガイダンスエンジン、ならびに
前記電子デバイスの少なくとも二つに共有される前記パラメータから選択される第1のパラメータの値がいつ変更されたかを特定し、一旦変更されると、前記電子デバイスの少なくとも一つにおいて前記第1のパラメータを更新するように構成されたモジュール、および規定されたルールに基づいて前記第1のパラメータの前記更新を延期するように構成されたモジュールを含む真のソースルールエンジンを備える、相互運用環境遠距離通信ネットワーク。
【請求項2】
前記データ管理モジュールは、適切に機能するために必要な所定の文書化フォーマットまたはフィールド集団を持たない、請求項1に記載の相互運用環境遠距離通信ネットワーク。
【請求項3】
情報の正確性が、正式に認識された真のソースに基づいて示される、または前記真のソースとの一致に基づいて有効化される、請求項1に記載の相互運用環境遠距離通信ネットワーク。
【請求項4】
警告、通知、および通知の上申の一つが検知された時に、病院、規制機関、および認定機関の一つによって規定される高度臨床ガイダンスがほぼリアルタイムで入力されて患者情報の適時通知を確保する、請求項1に記載の相互運用環境遠距離通信ネットワーク。
【請求項5】
行動が監視および追跡され、適切な際には通知の上申が責任者に発行される、請求項1に記載の相互運用環境遠距離通信ネットワーク。
【請求項6】
患者ケア情報が、品質/プロセス制御データとは分離して格納される、請求項1に記載の相互運用環境遠距離通信ネットワーク。
【請求項7】
前記ネットワークは、病院のインフラストラクチャ、前記電子デバイス、薬剤調剤プラットフォーム、薬局管理システム、および購買システムの少なくとも一つの変更をもたらす措置をサポートする、請求項1に記載の相互運用環境遠距離通信ネットワーク。
【請求項8】
病院によって規定された条件に基づいて責任者の応答時間を早める警告を生成するように構成されたモジュールをさらに備える、請求項1に記載の相互運用環境遠距離通信ネットワーク。
【請求項9】
共通のパラメータ値を前記真のソースにリンクするように構成されたモジュールをさらに備える、請求項1に記載の相互運用環境遠距離通信ネットワーク。
【請求項10】
更新および/または指示を提供する前記相互運用環境との双方向通信をサポートして前記電子デバイスに接続するモジュールをさらに備える、請求項1に記載の相互運用環境遠距離通信ネットワーク。
【請求項11】
医療デバイスを含む複数の電子デバイスから電子データを受信して格納するように構成され、前記電子データについて指定された受信対象である、前記電子デバイスから選択される第1の電子デバイスと適合する第1のフォーマットに前記電子データを翻訳するように構成されたシステムモジュール、
データ管理モジュール、および前記電子デバイスからデータを受信し、前記電子デバイスへデータを送信するように構成された通信モジュールを含むソフトウェアコアエンジン、
データをタイムスタンプし、かつ、ルールおよび少なくとも患者のバイタルサインと治療パラメータを含むパラメータの追加と削除をサポートするように構成されたルールモジュール、
(i)複数のプロトコルワークフローの要件を管理するように構成されたモジュール、(ii)少なくとも一つの治療エリアワークフローの要件を管理するように構成されたモジュール、ならびに(iii)(a)複数の臨床ガイダンスプロセス制御制限を含む管理要件の監視と前記管理要件へ応答し、(b)予定されたまたは必要な活動、必要な文書化、指示メッセージ、警告、通知、および通知の上申の少なくとも一つに応答するように構成されたモジュールを含むガイダンスエンジン、ならびに
前記電子デバイスの少なくとも二つに共有される第1のパラメータの値がいつ変更されたか、および、前記第1のパラメータの変更がいつ特定されたかを特定することで、前記電子デバイスの少なくとも一つにおいて前記第1のパラメータを更新するように構成されたモジュールを含む真のソースルールエンジンを備え、前記真のソースルールエンジンは、既定済みのルールが命令した場合に前記第1のパラメータの前記更新を遅らせる、データ管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、患者ケア、医療クリニック、および病院などの相互運用環境の改善を見据えており、医療を誘導するパラメータは、真の構成エンジンによって更新され、これらパラメータについて正式に認識された真のソースを作成する。
【背景技術】
【0002】
病院や医療施設は、品質指標の確立に幅広く取り組んでおり、改善された患者ケアの転帰と規則遵守の継続的な連鎖を確立させるための決意を示している。こうした取り組みの動機は、ほぼ無限大である。この目標を推進するために利用できる現在のインフラストラクチャを以下に説明する。
【0003】
病院や医療施設では、複数のソフトウェアシステムを利用している。これらのサブシステムは、医療施設の特定の機能部門または治療エリアをサポートするために必要である。各種サブシステムまたは専門科集中型ソフトウェアシステム(SFSS)は、主にその特定の機能部門で使用されている。各SFSSおよびそのユーザは、SFSSが、そのソフトウェアツールで規定されたすべてのパラメータの真のソースであることを前提としている。SFSSの例としては、電子カルテ(EMR)、入院、退院、および転院(ADT)、麻酔情報管理システム(AIMS)、電子投薬管理記録(EMAR)、薬局、薬剤調剤、購買、請求、感染管理、検査室などが挙げられるが、これらに限定されることはない。これらのシステムは、一般的に、必要な文書化およびデータ収集に対する一般的に受け入れられるアプローチをサポートするように設計されている。そのため、SFSSでは、カスタマイズのサポートが限られており、ワークフロー要件はかなり厳格である。さらに、データ管理アプローチにより、初期起動後にSFSSの設定を変更することは制限されている。
【0004】
病院および医療施設は医療デバイスを使用し、これらの医療デバイスは、明確に規定されたバイタルサインを監視するか、ユーザがプログラムした医学療法を提供するか、または両者の組み合わせを提供する。過去25年以内に設計され、市場に導入されたほぼすべての電子医療デバイスは、アクセスポートまたは電子データを送信するためのいくつかの手段を有している。利用可能なデータとしては、ユーザプログラミングの詳細、基本的な操作データ、警告および警報状態に関連する詳細、提供される治療の詳細、および該当する場合には患者の監視されたバイタルサインなどの情報を含み得る。現在、患者の監視されたバイタルサインに関するデータは、EMRに転送されて、患者ケアの記録を入力することができる。しかしながら、データは利用可能であるものの、基本的なプロセス制御ツールをサポートして、事実に基づくプロセス改善を推進する方法では、データは日常的に送信されず、記憶場所に記憶されることはない。
【0005】
病院および医療施設は、上述のSFSSに加えて、医療デバイスからのデータを収集、翻訳し、所望の記憶ターゲットに転送することができる様々なハードウェアおよび/またはソフトウェアソリューションを使用する。また、特定のプロトコルワークフローをサポートするハードウェアおよび/またはソフトウェアソリューションも使用され、場合によっては、該ハードウェアおよび/またはソフトウェアソリューションは、ポイントオブケアワークステーション、遠隔ディスプレイ画面、遠隔アクセスワークステーション、およびモバイルデバイスへの通知を含む通知機能をサポートすることができる。これらのツールの焦点は、病院が規定したプロトコルおよび必要な文書化の遵守を改善することである。いくつかのリモートビュー画面は、有効なプロトコルおよび/または患者ケアを遠隔で監視するための監督またはプロセスツールとして意図されている。
【0006】
生理学に基づく閉ループ制御医療デバイスは、患者に治療を提供する医療デバイスと共に、様々な患者監視医療デバイス間の相互運用性に焦点を当てている。「バイタルサイン」という用語を使用して、ケアの時点で得られた基本的なバイタルサインと、より一般的な用語である生理学的パラメータとを区別することができ、該生理学的パラメータは、バイタルサインと、検査結果、患者固有の病歴(薬物アレルギーや睡眠時無呼吸症候群など、予防可能な合併症を引き起こす可能性のある既知の生理的状態を含む)、画像、敗血症やその他の患者リスク査定ツールなどの一般的に受け入れられているケアガイダンスのチェックリストに照らし合わせての査定などの最適な患者ケアに関連する任意の数の他の患者固有の詳細との両方を含んでいる。
【0007】
現在の生理学に基づく閉ループ制御医療デバイスは、患者監視医療デバイスに、患者治療を提供する医療デバイスと通信させて、提供される治療を適切に調整する手段を特定することに焦点を当てているように見える。したがって、現在のデバイスおよびシステムは、臨床的に証明されたアルゴリズムに、適切な意思決定を行って医療デバイスが提供する治療を調整するのに必要なすべての情報を提供するには、ケアの時点で収集されたバイタルサインのみが必要であることを想定しているように見える。このアプローチは、デバイスの相互運用インフラストラクチャの最大の可能性を制限する。システムの相互運用性機能が、最適な患者ケアの転帰を発展させて制御するのに利用可能な(医療デバイスに限定されない)すべての患者固有の詳細を含むように拡張されれば、生理学に基づく閉ループ制御医療デバイスの真の目標を、意味のある方式で前進させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、任意の特定の病院における高度なプロセス制御ツールの現在の知識ベースを認識し、病院が新しい知識を得るにつれて修正される機能を有する有意義なツールを提供する必要がある。そのためには、相互運用性の範囲を拡大することで、システムの機能を大幅に拡大することが必要になるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、少なくとも1つのハードウェアエコシステムを含む相互運用環境に関連しており、該システムは、LAN、シリアル、Wi-Fi、無線などを含むがこれらに限定されない通信方法を介して、電子データを収集、翻訳、記憶し、いずれかの電子ソースのコアソフトウェアエンジンに送信するルールエンジンを含んでおり、コアソフトウェアエンジンは、医療デバイス、臨床情報システム、病院情報システムを含む任意の数のソースから電子データを収集および転送する手段と、病院で承認されたプロトコル、標準およびガイダンスの遵守を改善するためのルールを適用するルールエンジンと、任意の所与のパラメータがそのパラメータの正式に認識された真のソースにおいて更新されたときに、該パラメータを使用してすべてのサブシステムを更新するルールを適用するルールエンジンと、必要なすべての患者情報をCISに入力するルールを適用するルールエンジンと、CISデータとは別に、高度な分析をサポートするフォーマットですべての品質およびプロセス制御データを維持するルールを適用するルールエンジンと、プラットフォームに制限されることなく、任意の数の遠隔電子デバイスに通知を通信する手段を提供するルールエンジンと、障害調査ならびにプロセス制御および機械学習ツールを含むデータ分析をサポートするルールエンジンと、医師が指示した患者ケアの遵守を改善する手段を提供するルールエンジンと、医療デバイスを含む電子デバイスとの双方向通信を提供するルールエンジンとを含む。
【0010】
本発明の上記および他の特徴、ならびに利点は、添付の図面を参照して以下の説明を読むことにより、本発明が関連する当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】様々な通信ソースおよびターゲットを示す相互運用環境の全体図のフロー図である。
【
図2】エンジンを修正することなくサポートされ得るサポートされた活動構成のモジュールと例を示す、相互運用環境エンジンと構成のフロー図である。
【
図3】システムが、ターゲットおよびソースの通信に対してアグノスティックであることを示す、本発明のシステムのフロー図である。
【
図4】本発明による意思決定支援アルゴリズムの流れを示す。
【
図5】本発明による更なる意思決定支援アルゴリズムの流れを示す。
【
図6】真のソース同期を提供する、本発明による更なる意思決定支持アルゴリズムの流れを示す。
【
図7】本発明の予測リスク管理ツールを含む、本発明によるさらなる意思決定支援アルゴリズムの流れを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、デバイスの相互運用性に現在関連付けられているパラダイムを変更する広範囲な相互運用環境を対象としており、遠距離通信ネットワークと、監視機器を含む少なくとも1つの監視ステーションであって、監視機器が、データ要素を検索し、監視されたデータ要素を任意の数のルールエンジンに送信するための命令を含み、ルールエンジンが、患者から監視されたデータ要素を受信し、患者の各々に関連付けられた病状を示す患者データ要素にアクセスするための命令を含む監視ステーションと、患者の各々の病状、病歴、および状態に関する情報を含む患者データベースと、1つ以上の電子システムによって共有されるデータ要素がいつ変更されたかを特定する手段を含み、変更されると、パラメータを使用して、各接続された電子システムのパラメータを新しい値で更新する手段を提供し、適用可能な場合、規定されたルールに基づいてパラメータの更新を延期させる手段を含む真の構成エンジンと、を含んでいる。本発明は、病院が新しい知識を得るにつれて修正される機能を有する、任意の特定の病院における高度なプロセス制御ツールの現在の知識ベースを認識する意味のあるツールを提供する。
【0013】
本発明は、遠距離通信ネットワークを使用して、医療現場でケアを受ける患者のルールに基づくケアを容易にする。医療現場は、病院、外科センター、遠隔診療所、医師のオフィス、野外病院、災害援助ステーション、患者輸送車、および同様の医療施設であってもよい。
【0014】
本発明は、少なくとも1つのハードウェアエコシステムを含む相互運用環境に関連しており、該システムは、LAN、シリアル、Wi-Fi、無線などを含むがこれらに限定されない通信方法を介して、電子データを収集、翻訳、記憶し、いずれかの電子ソースのコアソフトウェアエンジンに送信するルールエンジンを含んでおり、コアソフトウェアエンジンは、医療デバイス、臨床情報システム、病院情報システムを含む任意の数のソースから電子データを収集および転送する手段と、病院で承認されたプロトコル、標準およびガイダンスの遵守を改善するためのルールを適用するルールエンジンと、任意の所与のパラメータがそのパラメータの正式に認識された真のソースにおいて更新されたときに、該パラメータを使用してすべてのサブシステムを更新するルールを適用するルールエンジンと、必要なすべての患者情報をCISに入力するルールを適用するルールエンジンと、CISデータとは別に、高度な分析をサポートするフォーマットですべての品質およびプロセス制御データを維持するルールを適用するルールエンジンと、プラットフォームに制限されることなく、任意の数の遠隔電子デバイスに通知を通信する手段を提供するルールエンジンと、障害調査ならびにプロセス制御および機械学習ツールを含むデータ分析をサポートするルールエンジンと、医師が指示した患者ケアの遵守を改善する手段を提供するルールエンジンと、医療デバイスを含む電子デバイスとの双方向通信を提供するルールエンジンとを含む。
【0015】
ECOシステムハードウェアは、患者モニターを含む医療デバイスからデータ要素を取得し、データをネットワーク経由でデータ記憶装置、特定されたターゲット、通知を必要とする個人、遠隔ダッシュボード、遠隔モバイル通信デバイス、遠隔監視場所に送信する。収集されたデータは、生理学的データ要素、映像データ要素、音声データ要素、手動で入力された患者評価、薬物送達、切開時間および場所、血液製品送達、検査結果、入院時評価結果、術後査定、I/Oデータなどを含む。相互運用環境はまた、患者の状態に関連する他のデータにもアクセスする。例示であって、限定するものではないが、相互運用環境は、医療ITネットワークから入手できる範囲で、患者に関する個人情報、病歴(病気、怪我、手術、アレルギー、薬剤など)、入院情報(症状、生理学的データ、入院時間、入所介護者の観察)、治療、検査データ、検査報告書(例えば放射線学的報告書および微生物学的報告書)、医師のメモ、患者の診断、処方箋、病歴、状態、検査結果、およびその他の健康に関連するデータ(総称して「患者データ」)にアクセスする。ネットワーク上で収集されるデータ、すなわち、監視データおよび患者データを、総称して「査定データ」と呼ぶ。
【0016】
本発明は、専門科集中型ソフトウェアシステムおよび医療デバイスの相互運用性アプローチに現在関連付けられているパラダイムを変更する。第1のパラダイムシフトは、データソースとデータターゲットとの間の通信に対するアグノスティックなアプローチの利用である。本発明は、病院が、相互運用環境内の任意の数のサプライヤおよび/またはデバイスモデルを利用することを可能にする。これにより、相互運用性を実現するためだけに、新しい機器やソフトウェアを購入する必要がなくなる。次のパラダイムシフトは、患者ケアの時点での2つの医療デバイス間の相互運用性から、効果的な患者査定が、上で考察されたようにすべての適用可能なソースからすべて関連する患者データにアクセスする能力を必要とするという認識までの、拡張医療デバイス相互運用性である。このパラダイムシフトは、より高度なプロセスツールの使用およびワークフロー遵守の最適化を含む、個人の医師および医療施設/システムの能力を拡大し、患者ケアの転帰と規制遵守への継続的な改善の連鎖を推進する。これらのパラダイムが拡大すると、すべての適用可能なパラメータの真のソースが既知となり、適切なあらゆる場所で利用されるまで、改善の連鎖は止められなければ、緩慢になってしまうことに気づく。このパラダイムをシフトさせる可能性は、設計チームの経験の結果であり、新しい知識は時間と共に得られ、しばしば、想定される真のソース、適切なワークフロー、必要な活動を著しく変化させ、新しい知識をサポートするのに必要な文書化に変化をもたらす。いずれのデータシステムにも、(1)必要とされるすべての患者ケアと患者の反応/転帰データを正確かつ完全に文書化すること、(2)刻々と変化する環境下でプロセス制御データを収集する能力を提供すること、(3)組織の効率を最適化すること、(4)高度な分析ツールや人工知能ツールをサポートすること、(5)情報を必要とする個人に関連情報を迅速に伝達すること、という少なくとも5つの基本的な役割があるということが重要な認識となっている。これらの役割を効果的に満たすために、本発明は、患者ケアおよび患者の反応/転帰に関するすべての関連データを正確に、適時に、かつ完全に記憶する手段を提供する。同時に、本発明は、すべての適用可能なプロセスおよび品質データを、正確に、適時に、完全に別個の記憶装置に記憶させる。記憶フォーマットは、高度な解析および人工知能ツールと互換性がある。本発明は、プロセス制御データの収集に柔軟性があるので、有益でないか、または追加情報なしに有益でないかに気づくことができ、そのため、新しい意味のある知識を得るのに必要な任意の数の変更をサポートしつつ、患者ケアの転帰を改善する行程において、プロセス、規定されたプロトコル、ガイダンス基準、償還および規制要件についての現在の病院知識レベルに根本的に焦点を当てている。
【0017】
現在の生理学に基づく閉ループ制御医療デバイスは、患者に治療を提供する医療デバイスと共に、様々な患者監視医療デバイス間の相互運用性に焦点を当てている。バイタルサインという用語は、ケアの時点で得られた基本的なバイタルサインと、より一般的な用語である生理学的パラメータとを区別するのに使用され、該生理学的パラメータは、バイタルサインと、ならびに検査結果、患者固有の病歴、薬物アレルギーや睡眠時無呼吸症候群など、予防可能な合併症を引き起こす可能性のある既知の生理的状態を含む)、画像、敗血症やその他の患者リスク査定ツールなどの一般的に受け入れられているケアガイダンスのチェックリストに照らし合わせての査定などの最適な患者ケアに関連する任意の数の他の患者固有の詳細と、を両方含んでいる。
【0018】
本発明は、患者監視医療デバイスを、患者の治療を提供する医療デバイスと通信させて、提供される治療を適切に調整する手段を特定することに焦点を当てている。現在のシステムでは、臨床的に証明されたアルゴリズムに、適切な意思決定を下すのに必要なすべての情報を提供して、医療デバイスが提供する治療を調整するには、ケアの際に収集したバイタルサインのみが必要であると仮定しているが、これによって、デバイスの相互運用インフラストラクチャの最大の可能性が制限されてしまう。本発明は、限定されるわけではないが、最適な患者ケアの転帰の発展及び制御に適用できるすべての利用可能な医療デバイス、患者固有の詳細が含まれるように、システムの機能を拡張する。
【0019】
図1は、広範囲な相互運用環境のブロック図である。
図1の中央は、相互運用環境エンジン101であり、これはエンジンと呼ばれる。これは、広範囲な環境で収集および共有されているデータの様々なソースとターゲットと間で、適時かつ正確な通信を確実にするコア通信ツールであることを象徴するものである。両矢印で示されるように、本発明はまた、相互運用エンジンに接続された任意の数の場所間の通信もサポートする。
【0020】
相互運用環境はまた、ECOシステム102からも構成される。ECOシステムは、Linux(登録商標)、Windows(登録商標)、MacOS(登録商標)などの様々なオペレーティングシステムを利用して、任意の数のハードウェアオプションで構成される。ECOシステムは、電子医療デバイス(またはEMD)106を含む電子デバイスに近接して存在し、これらデバイスは、LAN、シリアル、Wi-Fi(登録商標)、無線などを含む任意の数の通信チャネルを介して、ECOシステムと通信する。ECOシステムは、医療デバイスとエンジンとの間の導管として利用され、電子データを収集し、翻訳し、エンジンに転送して、適切な記憶場所または特定のデータターゲットに対して処理する。
【0021】
相互運用環境はまた、1つ以上のデータリポジトリからも構成されており、データをいずれかのターゲット場所に送信する前に収集されたすべてのデータを保存する。例えば、データは、患者100、電子医療デバイス102、ワークステーション103、患者記録データ記憶装置106、遠隔ディスプレイ108、遠隔アクセスデバイス109、モバイルデバイス110、参考資料111、インターネットリンク112などから得ることができる。エンジンは、収集されているパラメータの開始日と終了日に基づいて、各データフィールドを追跡する。エンジンのタイムスタンプおよびデータ収集を組み合わせることで、相互運用環境は、個々のパラメータのデータ分析、ならびに他のパラメータとの相互作用をサポートすることができる。患者記録データ記憶装置103は、エンジンによって収集され、記憶されるすべての必要な患者ケアデータを収容している。必要に応じて、利用可能な分析ツール114および/または人工知能(AI)ツール115と対話してもよい。患者ケアデータとは別に記憶される品質/プロセス制御データ記憶装置104は、品質およびプロセス制御の取り組みをサポートするために収集されたすべてのデータを収容している。
【0022】
エンジンは、データ収集および記憶、病院が規定する適用規則の遵守、病院が規定するガイダンス基準及びルールの管理と追跡、様々なデータフォーマットの言語との通信、および報告書作成機能を管理するツールである。
図2は、相互運用環境エンジンモジュールと、機能別構成の例のブロック図である。エンジン内のモジュールの具体的な役割と責任の詳細については、以下で考察する。
【0023】
例えば、診療科集中型ソフトウェアシステム(SFSS 1)105は、「AB」と称される、パラメータの発信元であり、例えば、SFSS 1(発信元)、SFSS 4またはSFSS X、患者の敗血症チェックリスト、およびEMRによって使用される。パラメータABがSFSS 1(発信元)において更新されると、パラメータは、SFSS 1、SFSS 4およびSFSS X、患者の敗血症チェックリスト、およびEMRですぐに更新される。病院によって規定される場合、任意の数の場所に対して病院の規則ごとに規定したように、パラメータの更新を後回しにしてもよい。
【0024】
データ管理モジュール201は、無制限の拡張および変更をサポートする手段、データ監査証跡を提供する手段、データを収集した際に利用した報告書に収集したデータをリンクさせる手段、および旧EMRの下で収集したデータのコンテキストを失うことなく、あるEMRプラットフォームから別のEMRプラットフォームへの変換などの著しく大きな変更もサポートする手段を提供する。これにより、多くのフィールドが入力されなくなり、新しいフィールドが開始される。
【0025】
ルールモジュール202は、特定の明確に規定されたプロトコルおよびワークフローに関連付けられたルールの遵守を適用し、監視する手段を提供する。ルールモジュールは、データ管理ツールと併せて、相互運用環境全体で真のソースの制御を管理、適用、監視する手段を提供する。
【0026】
ガイダンスモジュール203は、任意の数のガイダンス基準または要求への遵守を適用し、監視する手段を提供し、データマッピングモジュール204は、受信および送信データが適切な場所に入力されることを確実にする手段を提供する。
【0027】
報告書作成モジュール205は、電子および印刷フォーマットの両方で報告書を生成する手段を提供する。報告書作成モジュールは、病院の規則、ガイダンス基準、ワークフロー、指示メッセージ、警告、通知などをサポートするカスタマイズされたユーザインターフェース画面を提供する手段を提供する。インターフェースドライバ206は、任意の数のソースまたはターゲット固有の通信ドライバを利用して、任意の数の認識された電子データフォーマットで通信する手段を提供する。
【0028】
エンジンはまた、任意の数の機能固有の構成も利用する。
図2は、これらの機能固有の構成の例を提供している。実施プロセスの一部として、機能固有の詳細を構成する必要がある。可能な機能固有の構成の例を、以下に説明する。
【0029】
プロトコル固有のワークフロー構成207は、プロトコル固有の対話型ワークフロー画面を提供して、プロトコルおよび文書化要件への遵守を改善する一方で、必要な活動が必要であるか、または完了していないときに指示メッセージおよび警告を提供する手段を提供する。治療エリアワークフロー構成208は、予定された活動を監視し、指示メッセージを提供して、点滴装置の交換などの時間に依存する病院プロトコルへの遵守を改善する手段を提供する。治療エリアワークフロー構成は、治療エリア中央デスクにおいて、対話型ワークフロー画面およびリモートビュー画面の両方を利用し得る。
【0030】
高度臨床ガイダンス(ACG)管理構成209は、ガイダンス固有の対話型ワークフロー画面およびリモートビュー画面を提供し、ガイダンスおよび文書化要件の遵守を改善する一方で、必要な活動が必要であるか、または完了していないときに指示メッセージ、警告、および通知を提供する手段を提供する。ACG構成プロセス制御は、個人に許諾された権限レベルに基づいて、病院または個人の医師によって規定される。これらのプロセス制限は、新たな知識が得られて、患者ケアプロトコル制限の変更が正当化されると、容易に変更されることもある。
【0031】
通知構成210は、病院ルールおよびガイダンス基準および/または認可された医師の要求に基づいて、特定された個人に通知を行う手段を提供する。リモートビュー構成211は、リモートビューの位置に対して適切であると判断された、任意の数の情報の変化を表示する手段を提供する。リモートビュー構成により、リモートビュー上の特定のアイコンのさらなる詳細を要求する能力が提供される。この機能は、情報ダイブダウン機能として説明してもよい。これらのビューでは、患者ID情報を表示されない。
【0032】
参考資料インターフェース構成213は、プロトコルに先立って、またはプロトコルの間に、有用な参考資料111にリンクする能力を提供し、ウェブインターフェース構成214は、プロトコルに先立って、またはプロトコルの間に、インターネットリンク112を利用して、有用なウェブ上の情報にアクセスする能力を提供することができる。ウェブインターフェース構成は、リモートビュー情報へのウェブアクセスを、または医師に権限がある場合は、さらなる患者固有の詳細を提供することができる。
【0033】
システム正常性監視212構成は、システム構成要素(ECOシステムの通信リンク、電源状態、最新のやり取り、設定など、医療デバイスを含む電気デバイス、ITネットワークなどを含むが、これらに限定されない)のリモートビューを利用して、病院が問題を検出する前に、潜在的な問題を迅速に査定するために、会社に相互運用環境をサポートさせる手段を提供する。システムはまた、サポートコールを受けた際にも利用されており、相互運用環境エンジンに接続された医療デバイスを含む、様々な電子デバイスの動作や状態に関するいくつもの詳細を、サポートチームが確認できるようになっている。このツールでは、患者ID情報は表示されない。
【0034】
真のソース構成215は、同じパラメータを利用して、任意の数の場所にわたって、パラメータ値を管理する手段を提供する。管理は、ここでは次のことを意味する。病院は認識された真のソースを特定し、特定のパラメータを使用する相互運用環境エンジンと相互作用するすべてのソフトウェアデータベースは、特定された真のソースのパラメータが変更されたときに更新される。更新は、各ソフトウェアデータベースに対して病院が特定したルールに基づいて、即時であってもよく、または先延ばしにしても良い。これらの構成は、新たな知識の獲得に応じて、修正または変更されることがある。
【0035】
プロセス制御構成216は、収集および記憶すべき病院が特定した必要なプロセス制御データを収集および管理する手段を提供する。一度記憶されると、危害分析重要管理点などのプロセス制御ツールでサポートされる高度解析的な分析を使用して、いずれかのプロセスに対して決定された重要ステップおよび制御要件を特定することができる。また、相互運用システムの構成アプローチのため、プロセス知識が得られると、病院の承認プロトコルに基づいて、変更を容易に実施することができる。
【0036】
図3は、本発明のシステムが、ターゲットおよびソースの通信要件に関してアグノスティックであることを示している。このシステムは、医療デバイスを含む各ソースまたはターゲット電子デバイスのために特別に構成された通信ドライバ構成を利用するように一意に構成されている。いずれかのソースが、複数のターゲットを更新してもよく、フローパスは、2方向であってもよい。さらに、1つのパラメータのターゲットは、他のパラメータのソースであってもよい。このアグノスティックなアプローチにより、標準化された通信プラットフォームが不要になる。別の言い方をすれば、アグノスティックなアプローチにより、顧客は医療デバイスを含む既存の電気デバイスを利用することが可能になるか、または別のデバイスとの互換性ではなく、その性能の特徴に基づいて、デバイスを選択することが可能になる。
【0037】
例えば、入退院および転院システム(ADT)を使用して、手術室での手術の予定を決める。患者が特定され、システムに記録されると、システムは、ADTにアクセスし、患者が予定されおり、ADTの記録に対応していることを確認する。患者が症例についての正しい患者であることを立証するために、ADTの記録と患者IDバンドとの間でいくつかの項目を比較する必要がある。これらには、患者名と患者番号が含まれる。さらに、ADTと患者IDからの情報は、麻酔記録に症例番号、患者名、患者番号、割り当てられた麻酔科医、主治医、プロトコルのタイプなどを追加するのに利用される。いくつかのSFSSは、これらのデータパラメータの多くを利用する。治療前に評価される患者が、計画した治療についての正しい患者であることを十分に保証するためには、様々なサブシステムが完全に一致していなければならない。矛盾が特定されると、矛盾が解消されるまで患者の治療が遅れる。
【0038】
電子カルテ(EMR)からの患者の病歴は、麻酔記録に記載する必要がある。したがって、システムはEMRから必要な情報を取得し、必要な情報を麻酔記録に追加する。麻酔記録に追加される、EMRから引き出された情報のより詳細なリストには、以下が含まれる。患者の名前と番号、処置を一層複雑にするか、または患者のケアに影響を及ぼす可能性のあるアレルギー、心臓の状態、既知の生理的状態などの関連する患者の病歴。これらの記録システム間で、正確で効果的な電子通信がなければ、複数の個人による同じ情報の重複エントリは、両方が電子記録であっても、サブシステム間の不一致の可能性を高めてしまう。手動記録の場合、不一致の可能性はさらに高くなり、不一致が検出される信頼性が薄れる。
【0039】
医療デバイスからのバイタルサインは、麻酔記録における指定された時間枠で記録する必要がある。システムは、医療デバイスからバイタルサインを取得し、必要な情報を患者記録に送信する。これは、麻酔記録であり、同時に電子カルテシステムである。麻酔記録に追加される、EMRから引き出された情報のより詳細なリストには、患者の名前と番号、処置を一層複雑にするか、または患者のケアに影響を及ぼす可能性のあるアレルギー、心臓の状態、既知の生理的状態などの関連する患者の病歴が含まれる。患者モニターからのバイタルサイン値を電子的に検索することなく、麻酔記録は手動エントリで更新される。これらのエントリの正確性を得ることは、患者モニター履歴が詳細に確認され、記録に手動で入力された数値と比較されているかどうかを確認することができなければ、難しくなることもある。これは、患者モニターの内部時計の記録が、手術室の時計と同期していない場合に、一層ひどくなる。
【0040】
処置中に収集した主要な患者データをEMRに送信して、適切な場所に入力し、その値が症例の一部として正確に記録されるようにしなければならない。例としては、主治医、症例中に特定の活動を行う責任のある特定の医師、有効な患者モニターから収集されたバイタルサイン、処置プロトコルで必要となる場合の値の手動入力が挙げられる。
【0041】
送達された薬剤、使い捨て医療デバイス、提供されたサービス、サービスに対して請求される医師のレベルなどを含む、麻酔記録からの情報は、請求システムに送られて、正確かつ適時に請求が生成される。また、この情報は、すべての必要な情報が正しい患者や症例などに確実に割り当てられるように、請求システムに正確に送信されなければならない。
【0042】
すべてのプロトコルおよび通知ルールは、医療施設によって規定される。システムは、規定された通りにこれらのルールを適用するように構成されている。
図4は、ガイダンスが再検討されるアルゴリズムを示している。例としては、抗生物質の送達が挙げられ、処置の開始前に抗生物質を投与する必要がある。ユーザは、処置を開始しようとする。しかし、抗生物質の送達は文書化されていない。ワークフロー画面には、抗生物質が投与されていない旨の通知が表示されている。別の実施例では、特定の薬物を、処置中に、30分毎に手動で送達する必要がある。送達は、手動で入力しなければならない。必要な情報が必要なときに入力されていない場合、システムは、必要な措置を実行して、その措置を文書記録するよう医師に指示する。手動入力されたバイタルサインが15分ごとに記録されなければならず、15分以上経過している場合、ワークフロー画面は、ユーザに対して、バイタルサインが入力されていない旨の通知を表示する。医療施設で規定したプロトコルのバイタルサイン制限を超えた場合、ワークフロー画面は、ユーザに対して、規定された制限を超え、患者の反応が許容範囲内にない旨の通知を表示する。
【0043】
図4に反映されるプロトコルは、
図5の予測リスク管理および対応ツールにも流れており、ここでは、医療施設によって上申が要求されており、割り当てられた時間内に必要な措置が実行されず、文書化もされていない場合には、別の責任者への通知を上申して、適切な措置を取るようシステムを設定することができる。上申プロセスは、必要な措置が取られ、文書化されるまで、または特定したすべての責任者が特定されるまで継続される。
【0044】
図6に示すように、特定された真のソースは、新しい情報が得られるにつれて、時間と共に変化し得る。特定のユーザルールは、特定のユーザシステムがパラメータ値で更新される時間を規定する条件を規定する。ルールは、特定のユーザシステムによって異なることもある。真のソースの例は、以下の実施例で特定される。
【0045】
薬剤費:
薬剤の実費は、病院内のいくつかのシステムで利用される重要なパラメータである。薬剤費を利用するシステムは、購買、薬局、調剤キャビネット、および請求を含む。購買システムでは、発注ごとに薬剤の実費が求められる。したがって、購買は特定された真のソースである。
【0046】
薬局では、ロット番号による正確な在庫管理を行う。したがって、アグノスティックな通信システムを利用することで、薬局システムが購買システムに新ロットの薬剤の価格を要求したときに、最も正確な薬剤費が決定されることになる。オプションの例としては、あるシステムにおいてロットが薬局で受け取られる場合、および別のシステムにおいてロットが最初に調剤される場合を挙げることができる。利用する薬局システムにもよるが、薬局システムが購買システムから薬剤費を取得する場合に、業務ルールが規定される。
【0047】
患者バイタルサインのペーパシステム:
手書きの記録が使用されている場合、患者のバイタルサインの正式なソースは、医師が記録したものである。しかし、到着時の最も正確な値は、医療デバイスが最初に表示する値である。アグノスティックな電子システムでは、これらの患者が各機械に接続されるとすぐに、患者の記録に、医療設計からバイタルサインが自動的に追加される。
【0048】
患者の薬物送達:
医師は、各薬剤を送達するために、輸液ポンプをプログラムしたものを記録する。この値は、輸液ポンプの実際のプログラミングには基づいていない。プログラミングが完了し、薬物送達が開始されると、最も正確なプログラミング記録が輸液ポンプから検索される。このアプローチではまた、すべてのユーザの輸液ポンプとの相互作用を、患者記録に確実に記録させるようにしている。
【0049】
図7は、本発明の予測リスク管理ツールで使用するルールエンジンを例示している。予測リスク管理ツールの一例は、敗血症監視ツールである。敗血症は、医療施設で最も重篤な患者の後天的合併症の一つである。敗血症警告に対する応答時間は、十分に規定されている。しかし、最短10分での対応が求められるすべての責任者への通知を確実に行うことは、最善の状態でも複雑になってしまう。いくつかの既存のシステムは、すべての通知の送受信を確実に行うことができるが、本発明は、システムが応答時間を追跡し、必要な場合には、さらなる安全策を提供する代わりの責任者への通知を上申して、必要な治療が必要な時間内に確実に行われるようにするという点で、既存のシステムを上回る改良となっている。敗血症警告に対する応答時間の重要な意義は、十分に文書化されている。応答時間の遅延は、患者の死亡確率を増加させる。
【0050】
医療施設は、何らかの形で敗血症の監視と応答システムを利用している。監視システムは、潜在的な敗血症予測因子とその値を規定する。いずれかの敗血症予測因子を特定の患者に適用できる場合、患者の敗血症監視記録が更新される。敗血症監視ツールは、医学的観察および/または査定がいつ必要になるかを規定する。活動を担当する医師には、速やかに通知が行われる。必要な活動が指定された時間内に完了せず、文書化もされていない場合、次の特定された個人に対して通知の上申が行われる。敗血症監視ツールは、敗血症警告チームがいつ措置を取らなければならないかを規定する。各チームメンバーには、指定された時間内に達成しなければならない特定の任務がある。敗血症警告が発動すると、システムは、各敗血症警告チームメンバーに、必要な任務を直ちに通知する。指定された時間内に必要な措置が完了しない場合。通知は、その措置について、次の特定された責任者に上申される。
【0051】
プロセス制御原則には、事実が必要である。事実は、一般に受け入れられている仮定と実質的に異なることが多い。すべての関連事実が特定されるまで、いずれかのプロセスの最適化は完了することはない。多くの場合、想定される真実が、知識獲得の最大の障害となる。当業者は、査定する任意の数の変数をすべて同時に収集することを必要とせずに、これらを収集することが可能なシステムの意義を理解するであろう。新たな知識が得られる例として、ER看護師が新しい患者のバイタルサインを記録する際、これらの記録されたバイタルサインを使用して、患者の治療コースを決定する。最初のバイタルサイン値が記録値と大きく異なっていた場合、その差を解消する必要がある。
【0052】
例えば、患者をSpO2モニターに接続したときに初期SpO2値が83%であり、手動で記録したときのSpO2値が97%である場合、その差は看護師の精度ではない。この違いは、記録の間の時間と、初期の機械値が、手動記録の約3分前に患者が100%酸素を吸入する前の値であったことによる。医師が心臓のストレス検査を指示した場合、患者は危険にさらされる。誰も責めを負わず、治療を行う看護師の主な役割は、直ぐに患者を治療して患者を安定させることである。ステップ1では酸素を用意し、ステップ2ではモニターに装着し、ステップで3はすべての治療が完了するまで脈拍数をチェックするなどするが、SpO2値を記録することは緊急を要する問題と見なされないことがある。この考察において、患者の症状が心臓ストレス検査で最も正確に査定されることを示す仮定事実が、患者記録により、医師に提示された。しかしながら、最初に患者に接続されたときのSpO2モニターのデータは、肺塞栓の可能性にもっと適切に焦点を当てて評価すべきであることを示していた。この例では、事実に基づく意思決定の意義を理解することができる。この場合、患者モニターは、SpO2値の真のソースであり、記録された値ではなかった。この場合、モニターからの自動データ収集は利用できなかった。この例では、正しい治療コースを決定する上で、正確な患者記録の重要性が指摘されている。これは、発明者の一人が実際に体験した出来事の一例である。当業者は、本明細書に記載されるインフラストラクチャをどのように利用して、医師が新たな知識を得ることを容易にし、そのプロセスを改善する手段を提供するインフラストラクチャを利用するかを理解するであろう。
【0053】
当業者は、本明細書に記載されるインフラストラクチャをどのように利用して、医師が新たな知識を得ることを容易にし、そのプロセスを改善する手段を提供するかを理解するであろう。当業者はまた、複数のSFSSまたは記録で使用されるいずれかのパラメータ(データ値)を利用する場合、値が使用されるすべての場所において一貫して同一でなければならない重要性も理解する。当業者はまた、どのように真のソースを特定するか、またはどのように真のソースを特定する計画を開発するかも理解するであろう。当業者はまた、この要件を達成するプロセスをどのように実施するかも理解するであろう。
【0054】
相互運用環境により、病院は認識された真のソースを特定することができ、病院はまた、そのパラメータ(データ値)がどこで使用されているかも特定する。この情報が伝達されると、相互運用環境は、その値を共有するすべての場所を同期する機能を有する。これは、複数のサブシステムの各パラメータに対して行われる。
【0055】
患者ケアに関連するすべての生理学的データにアクセスできる、事実に基づいて特定された真のソースを使用して、明確に規定され、制御されたプロセスが確立されると、生理学に基づく閉ループ制御医療デバイスをサポートする相互運用性を促進するというビジョンが真に始まる。臨床的に実証されたアルゴリズムを使用した生理学に基づく閉ループ制御医療デバイスは、行程の第一歩ではないことに注意することが重要である。これには、各アルゴリズムを認証するための広範な臨床試験が必要となる。有意な臨床試験が検討される前に、本特許で考察されているプロセスは、患者の転帰とそれらの転帰の予測因子を含むすべての関連データを収集し、分析するために、適合されなければならない。
【0056】
より適切な出発点は、それらの指示およびプロトコルを確実に遵守するために、高度な臨床ガイダンスによってサポートされる、介護者指導の患者ケア指示である。これらの指示は、開始時の治療、患者監視デバイスならび検査室及び医師の観察を含む特定の生理学的患者パラメータの監視頻度、治療パラメータを増減させるタイミングを決定する生理学的パラメータ値の上限値および下限値を規定する。介護者指導の患者ケア指示では、監視、検査および評価のスケジュールと必要な対応に対し、必要なスケジュール作成時間を確立するのに十分な具体的詳細を備えたワークフローを確立し、規定するのに必要なすべての情報が提供される。生理学的パラメータに基づく必要な制限と措置は、特定の患者に対して規定されている。患者のすべての生理反応は、各生理反応の真の発信ソースによって報告される。この介護者指導の患者ケア指示に関する、相互運用環境によって管理される情報の全体は、他のワークフロー状態と同等のものである。例外として、介護者提供の患者ケア指示が、患者の現状に基づいて、患者に対して具体的に定義されている。当業者は、広範囲な相互運用環境の機能を活用して、介護者指導の患者ケア指示で特定される適切なポイントで医療デバイスをプログラムするのに利用されている双方向通信により、介護者指導の患者ケア指示を完全に自動化されていないとしても、ほぼ自動的に提供する方法を、容易に理解することができる。当業者は、本発明が、介護者指導の患者ケア指示を使用して収集された証拠に基づいて、生理学に基づく閉ループシステム制御医療デバイスを完成させる手段を提供することを、理解することができる。
【0057】
実施例1:
入退院および転院システム(またはADT)を使用して、手術室での手術の予定を決める。患者が特定され、システムに記録されると、システムは、ADTにアクセスし、患者が予定されおり、ADTの記録に対応していることを確認する。
【0058】
患者が症例についての正しい患者であることを立証するために、ADTの記録と患者識別(ID)バンドとの間でいくつかの項目を比較する必要がある。これらには、患者名と患者番号が含まれる。さらに、ADTおよび患者IDからの情報を利用して、症例番号、患者名、患者番号、割り当てられた麻酔科医、主治医、プロトコルのタイプなどを含む麻酔記録に入力を行う。
【0059】
電子カルテ(EMR)からの患者の病歴は、麻酔記録に記載する必要がある。したがって、システムはEMRから必要な情報を取得し、必要な情報を麻酔記録に追加する。医療デバイスからのバイタルサインは、麻酔記録における指定された時間枠で記録する必要がある。システムは、医療デバイスからバイタルサインを取得し、必要な情報を患者記録に送信する。これは、麻酔記録であり、同時に電子カルテシステムである。
【0060】
麻酔記録に追加される、EMRから引き出された情報のより詳細なリストには、患者の名前と番号、処置を一層複雑にするか、または患者のケアに影響を及ぼす可能性のあるアレルギー、心臓の状態、既知の生理的状態などの関連する患者の病歴が含まれる。
【0061】
処置中に収集した主要な患者データをEMRに送信して、適切な場所に入力し、その値が症例の一部として正確に記録されるようにしなければならない。例としては、主治医、症例中に特定の活動を行う責任のある特定の医師、有効な患者モニターから収集されたバイタルサイン、処置プロトコルで必要となる場合の値の手動入力が挙げられる。
【0062】
送達された薬剤、使い捨て医療デバイス、提供されたサービス、サービスに対して請求される医師のレベルなどを含む、麻酔記録からの情報は、請求システムに送られて、正確かつ適時に請求が生成される。この情報は、すべての必要な情報が正しい患者や症例、ならびに他の適切なデバイスと記録に確実に割り当てられるように、請求システムに正確に送信されなければならない。
【0063】
したがって、すべての接続された医療デバイスは、医療デバイスデータシステム(MDDS)と相互作用し、医療デバイスの状態を遠隔で監視することができる。医師は、ワークフロー画面を作成し、計画した所望の患者治療を文書化して、伝達することができる。
【0064】
新規のまたは異なるセンサが特定および/または開発されると、ワークフロー画面は、新しい必要なデータの収集をサポートする。これは、本発明のシステムを使用し、採用されたアルゴリズムに従って達成される。任意の医療デバイスの状態を、遠隔監視することができる。
【0065】
さらに、医療デバイスの動作履歴を積極的に収集して、潜在的安全性事象の障害調査をサポートすることができる。監督による遠隔監視が、強化されている。医師は患者の状態を、遠隔から再検討することができる。本発明のシステムでは、医療デバイスは、医師が再検討で使用できる、特定されたすべてのセンサを介して、患者の状態を提供することができる。さらに、医師は、治療に対する患者の反応に応じて、指示を遠隔で調整してもよい。
【0066】
実施例2:
背景:
敗血症は、病院における患者ケアに関連する主な合併症である。家族への全体的な影響と患者ケアの総費用は、非常に大きい。問題は非常に大きいため、敗血症の早期発見に向けた米国および国際的なガイドラインと取り組みがある。早期発見は、通常、感染開始からゼロ時間にできる限り近い必要があると、理解されている。したがって、できるだけ早急に治療を開始する必要がある。さらに、敗血症に最も効果的に対処するために、一連の治療プロトコルと患者の評価を束ねていく必要がある。敗血症をできるだけ早く予測するために必要なデータを収集することは、肺炎や尿路感染症のような他の潜在的に攻撃性の低い感染症が、敗血症や他の原因の結果でありうるため、これらの早期発見にも役立つ。敗血症の管理に関する臨床実践ガイドラインは、International Guidelines for Management of Severe Sepsis and Septic Shock(2012年)により提供されている。
【0067】
潜在的な敗血症合併症を特定するために必要な情報は、様々な患者記録に日常的に入力され、医療デバイスによって生成される。しかし、さまざまな情報源を、敗血症スクリーニングチェックリストに簡単にまとめるツールはない。チェックリストは、敗血症ケアプロトコルがいつ開始されるかを特定するのに使用される。必要な情報の取得から敗血症ケアの開始までの遅れを減少させるツールにより、患者の負の転帰が少なくなる。また、敗血症ケアバンドルには、必要な活動の時間制限が定められている。
【0068】
本発明:
本発明は、エンジンを含むシステムを提供し、サポートツールは、有効な患者記録の再検討を活用し、敗血症症状に共通する適応症を有する患者を特定するプラットフォームを提供する。本発明は、必要なデータを収集し、敗血症査定チェックリストに入力を行い、上昇した患者評価のための病院のガイドラインを満たすいずれかのチェックリストを特定する機能を有する。
【0069】
すべての敗血症スクリーンチェックリストには、複数のソースからのデータの収集が必要である。遠隔での再検討は、患者の記録が更新されてから、更新された患者の状態を医療提供者が再検討するまでの時間を短縮する可能性がある。したがって、該製品を、病院が規定した基準に基づいて指示メッセージ/通知を使用することで、必要な応答の適時性を向上させるように設計された品質およびリソース管理ツールとして提供することができる。
【0070】
本発明は、以下のステップを使用する。
病院の敗血症スクリーニングチェックリストフォーマットは、特定したソースから情報を受け取ると、病院のフォーマットを使用して、入力が行われる。
【0071】
患者の初期評価は、敗血症スクリーニングチェックリストに入力される。
【0072】
敗血症チェックリストに記載されている患者ケアの転帰データは、利用できるようデータベースに取り込まれる。
【0073】
医療デバイスや検査報告書などで報告される患者の生理的状態は、敗血症スクリーニングチェックリストに取り込まれる。
【0074】
再検討を行い、敗血症スクリーニングチェックリストおよび対応する病院規定の基準指示メッセージに対して、患者記録を更新する。
【0075】
リモートビューの更新は、患者の敗血症スクリーニングチェックリストに対する最新の更新に基づいて行われる。
感染制御と遠隔サポート(検査室、薬局、医師など)が利用するダイナミックダッシュボード画面は、適宜更新される。
【0076】
患者の治療エリアで使用される静的ダッシュボード画面は、適宜更新される。
【0077】
いずれかの特定された通知が、開始される。
【0078】
リモートビューでは、患者固有の敗血症スクリーニングチェックリストへのアクセスを提供し、適切な措置を決定するために、医療提供者が必要とする情報への適時のアクセスをサポートすることができる。
【0079】
病院の敗血症バンドルプロトコルを利用すると、リモートビューによって指示メッセージが提供され、医療提供者にプロトコル固有の活動がいつ予定されているか知らせる。
規定された期間は、例えば、5分、15分、または60分であり得る。
【0080】
敗血症スクリーニングチェックリストは、データがそろい次第、入力が行われる。データソースには、従業員の医療記録(またはHER)、検査結果、および/または医療デバイスからの生理学的データが含まれるが、これらに限定されることはない。
【0081】
治療エリアのダッシュボードは、患者の敗血症スクリーニングチェックリストが更新されると、病院が規定した基準の再検討が必要であることを視覚的に表示することができる。ダッシュボードは、前回の再検討以降に新たな情報を受診したという通知を支援するためのサポートツールであるため、医療提供者の通常の再検討プロセスに取って代わることを意図していない。遠隔ダッシュボードは、敗血症対応チーム、感染制御、薬局検査室、および/または責任ある医師など、敗血症対応プロセスに参加する医療チームの様々なメンバーのために設置されることもあるが、ダッシュボードは病院が必要とする通知プロセスに代わるものではない。通知プロトコルは、本発明でサポートされてもよく、所望の通知は、病院規定の通知レベルに基づいて送信される。敗血症ケアプロトコルは、所定の活動および指定された時間の遵守を改善するための指示メッセージでサポートされてもよい。
【0082】
同様の品質、プロセス制御、およびリソース管理ツールは、本発明の付加的機能として採用されてもよい。敗血症リモートビューシステムの要素には、例えば、ECOシステムドライバが利用されている場合に言語翻訳ドライバを含むデータリポジトリ、報告書作成モジュール、ガイダンスエンジン、インターフェースモジュール、特定のタイプの受診をどのように扱い、データで何をするかについての特定のリモートビューツールの規定に対して構成された表を含む受診管理モジュール、どの患者がどのベッドにいるかなどの患者の関連付けと、どの医療提供者がどの受診(治療ユニット内や他の場所でなど)に関連付けられているかなどの医療提供者の関連付けと、を提供するモジュール、通知ツールを含み得る感染制御の管理を容易にする動的ダッシュボード、が含まれる。
【0083】
患者が病院に到着すると、到着時にいずれかの感染が特定されたこと、患者の病歴に記載されている新規感染や感染の疑いがあることなどの基本情報が記録される。SIRS 識別子はいずれも、指定された限界値を含む体温、心拍数、呼吸数、U/O、SBP、MAP、O2の増加、またはWBC、血糖値、SaO2などの必要な検査値の増加など、顧客が規定した指示メッセージに基づいて入力される。次に、システムは、敗血症警告の時刻、受診した時刻を含む敗血症の指令、医師への指示、検査室、検査描出時刻、乳酸値、WBC、血液培養、血糖値を含む検査結果を含む、敗血症情報のバンドルを生成し、流体ID、プログラムしたボーラス、いずれかの補充流体、発注した抗生物質および時間、必要に応じて薬局への通知、送達された抗生物質、SBP値、MAP値などの流体ボーラスに関する情報を生成する。
【0084】
収集および入力された情報に基づいて、必要な措置が生成されるが、これには、5分以内に敗血症対応チームに通知が送信され、有効敗血症警告が生成され、敗血症指令バンドルを開始するよう医師に通知が行われるなどが含まれる。10分以内に、指令が受信されていないと、指示メッセージが発せられる。15分以内に、検査室は、STAT乳酸濃度および血液培養X 2について描出を行い、抗生物質を取得するが、不可能であれば、STAT送達のために薬局に通知を行う。60分以内に、以下のプロトコルに従って、培養物を描出した後に、広域スペクトル抗生物質を静脈内投与する。
ステップA:SBP<90である場合、MAP<65、または前回の正常値OR乳酸値>4からのSBP>40ptsの低下、
ステップB:30ml/kgのRAPID輸液ボーラス(通常の生理食塩水または乳酸リンゲル)を与える。
ステップC:体重kg______X30=mlの液体を測定する(開始時間と停止時間の両方を図表にする)
初期乳酸値が>2の場合は、敗血症スクリーン陽性後4時間以内に、繰り返し乳酸濃度を描出する。(乳酸の指令は、自動的に反映される)
30ml/kgボーラスを投与しても低血圧が続く場合、または乳酸値≧4の場合=敗血症性ショック時間
ステップD:持続性低血圧に対しては、血管拡張剤の静脈内投与を開始する。
ステップE:医療提供者は、敗血症性ショック時から4時間以内に集中検査を実施する。
【0085】
本発明は、特定の実施例および実施形態を参照して詳細に説明してきたが、本明細書に含まれる実施例および実施形態は、単なる例示であり、網羅的なリストではない。本発明の変形および修正は、当業者にも容易に起こりうる。本発明は、すべてのそのような修正および同等物を含む。特許請求の範囲は、それだけでは、本発明の制限を示すことを目的としている。