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特開2023-62178制御装置、検知器管理システム、制御方法、及びプログラム
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  • 特開-制御装置、検知器管理システム、制御方法、及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062178
(43)【公開日】2023-05-02
(54)【発明の名称】制御装置、検知器管理システム、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20230425BHJP
   G08B 23/00 20060101ALI20230425BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20230425BHJP
【FI】
G08B17/00 C
G08B23/00 520B
G08B25/10 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026979
(22)【出願日】2023-02-24
(62)【分割の表示】P 2018226057の分割
【原出願日】2018-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】珍坂 舞
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀晃
(72)【発明者】
【氏名】田中 敬一
(57)【要約】      (修正有)
【課題】防災の対象となる事象の発生場所に対する認識性の向上を図ることができる制御装置及び検知器管理システムを提供する。
【解決手段】検知システム100において、子機101である各検知器1B~1Eは、防災の対象となる事象が発生したことを検知する。親機102である検知器1Aは、検知器1から検知情報を取得する取得部(制御部10)と、取得した検知情報に基づいて、検知器1が設置される設置場所に関連する場所情報を保持する記憶部H1と、事象を検知した検知器1が設置される設置場所に関連する場所情報を表示する表示部41と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
防災の対象となる事象を検知する検知器から検知情報を取得する取得部と、
前記検知情報に基づいて、前記事象を検知した検知器が設置される設置場所に関連する場所情報を表示する表示部と、
を備える、
制御装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記検知器が設置される施設の地図情報と共に、前記設置場所が分かる態様で、前記場所情報を表示する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
防災の対象となる事象を検知する検知器から検知情報を取得する取得部と、
前記検知情報に基づいて、前記事象が検知した検知器が設置される設置場所に関連する場所情報を情報端末、又は外部サーバに通知する通知部と、
を備える、
制御装置。
【請求項4】
前記取得部は、情報端末から1又は複数の前記検知器についての1又は複数の場所情報を取得する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
登録部と、記憶部とを更に備え、
前記登録部は、前記取得部で取得した前記1又は複数の場所情報を、1又は複数の前記検知器の識別子とそれぞれ対応付けて、前記記憶部に登録する、
請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記登録部にて登録された情報を、1又は複数の前記検知器のうち、親機として機能する検知器に出力して、前記親機の記憶部に記憶させる、
請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の制御装置と、1又は複数の前記検知器と、を備える、
検知器管理システム。
【請求項8】
制御装置の制御方法であって、
防災の対象となる事象を検知する検知器から検知情報を取得する取得ステップと、
前記検知情報に基づいて、前記事象を検知した検知器が設置される設置場所に関連する場所情報を表示する表示ステップと、
を含む、
制御方法。
【請求項9】
制御装置の制御方法であって、
防災の対象となる事象を検知する検知器から検知情報を取得する取得ステップと、
前記検知情報に基づいて、前記事象が検知した検知器が設置される設置場所に関連する場所情報を情報端末、又は外部サーバに通知する通知ステップと、
を含む、
制御方法。
【請求項10】
コンピュータシステムに請求項8又は請求項9に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、制御装置、検知器管理システム、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として、特許文献1に記載の警報器(住警器:住宅用火災警報器)を例示する。この住警器は、火災等の連動信号を、無線により、他の住警器と相互に送受信する機能を備える、無線連動型のものである。連動元となった住警器は、警報動作として、例えば「ウーウー、火災警報器が作動しました、確認してください」といった連動元を示す警報音を出力する。一方、連動先の住警器は、「ウーウー、別の火災警報器が作動しました、確認してください」といった連動先を示す警報音を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-87883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、火災等の防災の対象となる事象が発生した場合に、例えば宅内のどこで当該事象が発生したか、具体的な場所を知りたいといった要望がある。特許文献1に記載の住警器から出力される警報音では、ユーザは、速やかに当該事象の発生場所を判断し難い可能性がある。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされ、防災の対象となる事象の発生場所に対する認識性の向上を図ることができる、制御装置、検知器管理システム、制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る制御装置は、防災の対象となる事象を検知する検知器から検知情報を取得する取得部と、前記検知情報に基づいて、前記事象を検知した検知器が設置される設置場所に関連する場所情報を表示する表示部と、を備える。
【0007】
本開示の別の一態様に係る制御装置は、防災の対象となる事象を検知する検知器から検知情報を取得する取得部と、前記検知情報に基づいて、前記事象が検知した検知器が設置される設置場所に関連する場所情報を情報端末、又は外部サーバに通知する通知部と、を備える。
【0008】
本開示の一態様に係る検知器管理システムは、上記のいずれかの制御装置と、1又は複数の前記検知器と、を備える。
【0009】
本開示の一態様に係る制御方法は、制御装置の制御方法である。前記制御方法は、防災の対象となる事象を検知する検知器から検知情報を取得する取得ステップと、前記検知情報に基づいて、前記事象を検知した検知器が設置される設置場所に関連する場所情報を表示する表示ステップと、を含む。
【0010】
本開示の別の一態様に係る制御方法は、制御装置の制御方法である。前記制御方法は、防災の対象となる事象を検知する検知器から検知情報を取得する取得ステップと、前記検知情報に基づいて、前記事象が検知した検知器が設置される設置場所に関連する場所情報を情報端末、又は外部サーバに通知する通知ステップと、を含む。
【0011】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに上記のいずれかの制御方法を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、防災の対象となる事象の発生場所に対する認識性の向上を図ることができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、一実施形態に係る検知器を複数と外部端末とを備えた検知器管理システムのブロック構成図である。
図2図2は、同上の検知器管理システムの一適用例を説明する図である。
図3図3は、同上の検知器管理システムにおける外部サーバ及び情報端末を説明する図である。
図4図4は、同上の複数の検知器のうち親機が火災の発生を検知した場合における、検知器管理システムの動作を説明する図である。
図5図5は、同上の複数の検知器のうち子機が火災の発生を検知した場合における、検知器管理システムの動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(1)概要
以下の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0015】
本実施形態に係る検知器1は、防災の対象となる事象が発生したことを検知する。また本実施形態に係る検知システム100は、図1に示すように、検知器1を、複数備えている。また本実施形態に係る検知器管理システム200は、図1に示すように、検知システム100と、複数の検知器1を管理する外部端末5と、を備えている。
【0016】
ここでは一例として、防災の対象となる事象とは、火災であることを想定する。つまり、検知器1は、火災検知器であることを想定する。特に、検知器1は、火災の発生を検知する検知機能と、火災の発生を検知した場合に報知する警報機能とを有した、住宅用火災警報器(以下、単に住警器と呼ぶこともある)であることを想定する。検知器1は、例えば、火災の発生時に警報音等の音を出力する。ただし、防災の対象となる事象は、火災に限定されず、水害、地震等でもよい。また防災の対象となる事象は、ガス漏れ、又は不完全燃焼によるCO(一酸化炭素)の発生等でもよい。
【0017】
検知器管理システム200は、例えば、施設7(図2参照)に適用される。具体的には、複数の検知器1は、施設7内の設置対象の空間にある天井、又は壁等に設置される。本実施形態では、複数の検知器1は、図2に示すように、施設7内の空間E1~E5にそれぞれ設置される。検知器管理システム200の外部端末5は、例えば、施設7内に設置されるHEMS(home energy management system)のコントローラである。
【0018】
上述の通り、検知器1は、一例として住警器であり、施設7は、戸建の住宅であることを想定する。しかしながら、施設7は、は集合住宅(マンション)であってもよい。更に、施設7は、住宅に限らず、非住宅、例えば、オフィスビル、劇場、映画館、公会堂、遊技場、複合施設、飲食店、百貨店、学校、ホテル、旅館、病院、老人ホーム、幼稚園、図書館、博物館、美術館、地下街、駅、空港等であってもよい。
【0019】
ここで本実施形態では、検知器1は、図1に示すように、少なくとも検知器1が設置される設置場所L1(図2参照)に関連する場所情報を保持する保持部H1を備えている。設置場所L1は、図2の例では、空間E1~E5のいずれかに相当する。保持部H1は、ここでは、場所情報を、データとして記憶する記憶部20に相当する。具体的には、保持部H1は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等から選択されるデバイスで構成される。ただし、保持部H1は、上記のデバイスで構成されることに限定されない。保持部H1は、例えばディップスイッチ又はロータリスイッチ等の接点のオン、オフ状態の切り換えによって、場所情報を保持してもよい。
【0020】
以下では一例として、検知器1が子機として機能する場合、保持部H1が保持する場所情報は、その検知器1自身(自機)の設置場所L1のみに関連する情報であるものとする。言い換えると、子機の保持部H1は、自機の設置場所L1に関連する場所情報のみを保持しており、他の検知器1(他機)の設置場所L1に関連する場所情報を保持していないものとする。一方、検知器1が親機として機能する場合、検知器1は、自機の設置場所L1に関連する場所情報に加えて、他機の設置場所L1に関連する場所情報も保持しているものとする。
【0021】
この構成によれば、保持部H1が場所情報を保持する。そのため、例えば、検知器1自身が場所情報に応じた報知を行うか、又は検知器1の場所情報に応じた報知を、他の機器に行わせることで、防災の対象となる事象(例えば火災)の発生場所に対する認識性の向上を図ることができる。
【0022】
(2)詳細
(2.1)全体構成
以下、本実施形態に係る検知器1、検知システム100、及び検知器管理システム200の全体構成について詳しく説明する。ここでは、検知器1は、一例として電池式の住警器である。ただし、検知器1は、外部電源(例えば商用の電力系統)に電気的に接続され、外部電源から供給される交流電力(例えば実効値100V)を直流電力に変換して駆動してもよい。
【0023】
検知システム100は、図1及び図2に示すように、複数(図示例では5つ)の検知器1を備えている。複数の検知器1は、いわゆる連動型の住警器であり、いずれの検知器1で火災を検出しても、他の検知器1と連動して(他の検知器1と共に)、警報音の発報を行うように構成されている。本実施形態では、複数の検知器1の間で、通信可能なネットワークが形成されている。ここでは、5つの検知器1のうち、検知器1Aが親機として機能し、他の検知器1B~1Eが子機として機能し、親機と子機との間で通信可能である(図2参照)。以下では、子機として機能する4つの検知器1B~1Eを、子機101(第1検知器)と呼び、親機として機能する検知器1Aを、親機102(第2検知器)と呼ぶこともある。
【0024】
以下では、図2の例の通り、複数の検知器1がいずれも、施設7(戸建の住宅)内における各部屋又は階段の天井面に設置されていることを想定する。具体的には、検知器1Aが空間E1に、検知器1Bが空間E2に、検知器1Cが空間E3に、検知器1Dが空間E4に、検知器1Eが空間E5に、それぞれ配置される。空間E1は、例えば、居間である。空間E2は、例えば、寝室である。空間E3は、例えば、階段である。空間E4は、例えば、子供部屋である。空間E5は、例えば、台所である。図2の例では、居間である空間E1で火災が発生している様子を示している。各検知器1の詳細については後の「(2.2)検知器」の欄で説明する。
【0025】
検知器管理システム200は、図1に示すように、検知システム100と、外部端末5とを備えている。検知器管理システム200は、情報端末6及び外部サーバ8(図3参照)を更に備えてもよい。外部端末5は、複数の検知器1を管理するように構成されている。図2の例では、外部端末5は、空間E3における1階の階段横に設置されている。外部端末5、情報端末6及び外部サーバ8の詳細については、後の「(2.3)外部端末」の欄で説明する。
【0026】
(2.2)検知器
(2.2.1)親機(第2検知器)
まず、複数の検知器1のうち、親機102(検知器1A)の構成について説明する。
【0027】
親機102は、防災の対象となる事象(ここでは、火災)が発生したことを検知するように構成されている。親機102は、施設7での火災の発生を検知する検知機能と、施設7で火災の発生を検知した場合に報知する警報機能を有している。親機102は、図1に示すように、制御部10、記憶部20、第1通信部21、第2通信部22、バッテリー23、検知部3、及び報知部4を備えている。この他にも、親機102は、音響回路及び点灯回路等の回路モジュールを更に備えている。バッテリー23は、例えば、リチウム電池であり、親機102は、バッテリー23から供給される電力によって動作する。
【0028】
また親機102は、少なくとも検知器1が設置される設置場所L1に関連する場所情報を保持する保持部H1を備えている。上述の通り、保持部H1は、一例として記憶部20に相当する。また親機102の保持部H1は、自機が設置される設置場所L1に関連する場所情報だけでなく、4つの子機101のそれぞれの設置場所L1に関連する場所情報も保持する。
【0029】
制御部10は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部10として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0030】
検知部3は、警報音の発報対象となる火災に関する情報を検知する機能(検知機能)を有している。ここでは検知部3は、一例として、煙を検知する光電式のセンサである。したがって、火災に関する上記情報とは、例えば、煙に関する情報を含む。ただし、検知部3は、光電式のセンサに限定されず、例えば熱を検知する定温式のセンサでもよい。検知部3は、図1に示すように、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の発光部31と、フォトダイオード等の受光部32とを有している。発光部31及び受光部32は、自機の筐体のラビリンス内において、受光部32の受光面が、発光部31の照射光の光軸上から外れるように配置されている。火災の発生時には、煙が筐体に設けられた孔を通じて、ラビリンス内に導入され得る。
【0031】
筐体のラビリンス内に煙が存在しない場合、発光部31の照射光は、受光部32の受光面にほとんど到達しない。一方、筐体のラビリンス内に煙が存在する場合、発光部31の照射光が煙によって散乱し、散乱した光の一部が受光部32の受光面に到達する。つまり、検知部3は、煙によって散乱された発光部31の照射光を受光部32で受光する。検知部3は、受光部32で受光された光量に応じた電圧レベルを示す電気信号(検知信号)を制御部10に出力する。
【0032】
報知部4は、図1に示すように、表示部41及び音響部42を有している。報知部4は、施設7での火災の発生を検知した場合に、火災の発生を報知する機能(報知機能)を有している。本実施形態では、報知部4は、光及び音で報知を行う。
【0033】
音響部42は、火災の発生を報知する機能を有している。音響部42は、音(音波)を出力する。音響部42は、施設7で火災が発生したと制御部10が判定したときに、火災の発生を報知するように警報音を出力する。
【0034】
音響部42は、電気信号を音に変換するスピーカにより構成される。スピーカは、振動板を有し、電気信号に従って振動板を機械的に振動させることにより警報音を発する。音響部42は、制御部10による制御下で、警報音(例えば「ピー」音)を出力する。音響部42は、警報音の大きさ(音圧レベル)を変化させて警報音を出力することが好ましい。警報音は、例えば、低音から高音にスイープさせたスイープ音を含んでもよい。
【0035】
ただし、本実施形態の警報音は、制御部10による制御下で、少なくとも火災を検知した検知器1の設置場所L1に関連する場所情報を、音声メッセージに含めて出力される。言い換えると、本実施形態の報知部4は、火災(事象)の発生を検知した場合に、検知した検知器1の場所情報に応じた報知を行う。設置場所L1に関連する「場所情報」とは、設置場所L1の名称を表す名称情報(「居間」、「階段」、「寝室」、「子供部屋」、及び「台所」等)、又は設置場所L1を識別するコード情報(「A1」、「A2」、「A3」等)である。ここでは警報音は、名称情報を音声メッセージに含めて出力される。警報音は、スイープ音と、スイープ音に連続する音声メッセージとから構成される。
【0036】
親機102の設置場所L1は、居間(空間E1)である。仮に火災の発生が親機102によって検知された場合、親機102の音響部42は、「居間で火事です。居間で火事です。」といった音声メッセージを出力する。この場合、複数の検知器1間における発報の連動動作に関して、発報の連動元(火元)は、親機102となる。連動先の他の検知器1も、「居間で火事です。居間で火事です。」といった音声メッセージを出力する。ただし、火元の検知器1は、「火事です。火事です。」といった音声メッセージを出力してもよい。言い換えると、火元の検知器1は、場所情報を省略した音声メッセージを出力してもよい。
【0037】
警報中(警報音を発報中)に検知器1が、外部から、押し釦式の操作部等にて操作入力(押し操作)を受け付けると、音響部42は、警報音の出力を停止する。
【0038】
表示部41は、火災の発生を報知する機能を有している。表示部41は、光源として赤色LED410を有している作動灯である。表示部41は、通常時(火災の監視時)には消灯しており、制御部10にて火災が発生したと判定したときに点滅(又は点灯)を開始する。この点滅は、警報音の発報が停止すると、制御部10の制御の下、停止する。
【0039】
記憶部20は、上述の通り、保持部H1に相当し、ROM、RAM、又はEEPROM等から選択されるデバイスで構成される。記憶部20は、自身(自機)に割り当てられた固有の識別子(識別情報)を記憶している。「識別子(識別情報)」とは、その検知器1のIPアドレス、Macアドレス、又は名称等である。また記憶部20は、警報音として出力する音声メッセージに係る警報メッセージデータを記憶している。記憶部20は、制御部10のメモリであってもよい。
【0040】
特に、親機102の記憶部20(保持部H1)は、上述の通り、自機が設置される設置場所L1に関連する場所情報と、他の検知器1が設置される設置場所L1に関連する場所情報と、を記憶している。ここでは記憶部20は、自機を含めた複数の検知器1の設置場所L1をそれぞれ識別する複数のコード情報を、場所情報として、対応する検知器1の識別子と対応付けて記憶している。場所情報は、例えば、5つのコード情報「A1」~「A5」のうちのいずれかである。
【0041】
記憶部20(保持部H1)は、対応関係情報を、更に保持する。「対応関係情報」とは、複数の設置場所L1の名称を表す名称情報と、当該複数の設置場所L1を識別する複数のコード情報とが、それぞれ対応付けされた情報である。具体的には、保持部H1は、例えば名称情報「居間」とコード「A1」とが対応付けされた情報を保持する。同様に保持部H1は、名称情報「寝室」とコード「A2」とが、名称情報「階段」とコード「A3」とが、名称情報「子供部屋」とコード「A4」とが、名称情報「台所」とコード「A5」とが、それぞれ対応付けされた情報を保持する。コード情報は、特に限定されないが、コード情報のデータ長が、名称情報のデータ長よりも小さいことが望ましい。
【0042】
第1通信部21は、第1周波数帯の電波を用いて他の検知器1と無線通信を行うための通信インタフェースを有している。第1周波数帯とは、一例として、420MHz帯である。第1通信部21は、他の検知器1から、検知情報を受信する。また第1通信部21は、1つの検知器1(例えば検知器1B)から検知情報を受信すると、他の検知器1(例えば、検知器1C~1E)へ発報指示を送信する。
【0043】
「検知情報」は、施設7で火災を検知したこと知らせる情報であり、例えば、場所情報(コード情報)、識別子、及び検知結果(火災の発生の有無)等を含み得る。
【0044】
第2通信部22は、第1周波数帯とは異なる第2周波数帯の電波を用いて外部端末5と無線通信を行うための通信インタフェースを有している。第2周波数帯とは、一例として、920MHz帯である。第2通信部22は、例えば、自機が火災を検知した場合には、自機の検知情報を、外部端末5に送信する。第2通信部22は、第1通信部21が、4つの子機101(検知器1B~1E)のいずれかの検知情報を受信した場合には、その検知情報を、外部端末5に送信する。
【0045】
制御部10は、検知部3が出力した検知信号に基づいて、火災の発生の有無を判断する。例えば、制御部10は、検知信号が示す電圧レベルが予め定められた閾値以上である場合には、火災が発生したと判断する。
【0046】
また制御部10は、図1に示すように、検知出力部11、設定出力部12、切替部13、及び設定部14を有している。言い換えると、制御部10は、検知出力部11としての機能、設定出力部12としての機能、切替部13としての機能、及び設定部14としての機能を有している。設定出力部12、切替部13、及び設定部14については、後の「(2.5)場所情報の設定」の欄で詳しく説明する。
【0047】
検知出力部11は、自機が火災(事象)の発生を検知した場合、出力先に自機の場所情報に応じた報知を行わせるように、少なくとも場所情報を、出力先に出力する。ここで言う出力先は、4つの子機101、及び外部端末5を含む。つまり、検知出力部11は、「居間で火事です。居間で火事です。」といった音声メッセージを、4つの子機101から出力させるように、自機のコード情報「A1」を含む検知情報を、4つの子機(検知器1B~1E)に出力する。また検知出力部11は、検知情報を、外部端末5にも出力する。
【0048】
具体的には、検知出力部11は、自機が火災の発生を検知した場合、火災検知を知らせる情報、言い換えると、自機の検知情報を、第2通信部22を介して、外部端末5に送信する。さらに、検知出力部11は、自機が火災の発生を検知した場合、連動元となって発報を連動させるために、自機の検知情報を、第1通信部21を介して、4つの子機101に送信する。
【0049】
制御部10は、自機が火災の発生を検知した場合、音響部42から警報音の出力を開始させる。例えば、制御部10は、音声メッセージを警報音として音響部42から出力させる場合には、記憶部20に記憶されているメッセージデータに基づいて、音声メッセージに対応した音声信号を生成する。音響部42は、制御部10が生成した音声信号に基づいた音声メッセージ(警報音)を出力する。また制御部10は、自機が火災の発生を検知した場合、表示部41を点滅させるように、表示部41を制御する。
【0050】
ここで制御部10は、自機が火災の発生を検知した場合、記憶部20内の対応関係情報を参照して、自機のコード情報である「A1」に対応する名称情報(ここでは「居間」)を検索する。そして、制御部10は、「居間」という名称情報を含めた音声信号を生成して、音響部42に報知させる。
【0051】
一方、制御部10は、第1通信部21を介して、施設7の火災を検知したことを知らせる情報を検知情報として、4つの子機101のいずれか(連動元)から取得すると、連動元の検知情報を、第2通信部22を介して、外部端末5に送信する。さらに、制御部10は、発報を連動させるために、第1通信部21を介して、他の子機101に、連動元の検知情報を送信する。また制御部10は、子機101から施設7の火災を検知したことを知らせる情報を検知情報として受け取ると、音響部42から警報音の出力を開始する。さらに、制御部10は、表示部41を点滅させるように、表示部41を制御する。
【0052】
ここで制御部10は、4つの子機101のいずれかから検知情報を取得した場合、検知情報に含まれているコード情報(例えば「A2」とする)を抽出する。制御部10は、記憶部20内の対応関係情報を参照して、連動元のコード情報である「A2」に対応する名称情報(ここでは「寝室」)を検索する。そして、制御部10は、「寝室」という名称情報を含めた音声信号を生成して、音響部42に報知させる。
【0053】
検知情報は、場所情報とは別に検知結果を更に含まなくてもよく、制御部10は、場所情報(コード情報)を受信したことをトリガーとして、他の検知器1で火災が検知されたと判断してもよい。また検知情報は、識別子を含まなくてもよい。要するに、検知情報は、少なくとも場所情報を含む情報である。
【0054】
またコード情報は、検知器1に固有の識別子(識別情報)とは異なるため、同じ1つのコード情報が、2つ以上の検知器1に対して割り振られてもよい。例えば、階段に検知器1が2つ設置されていれば、この2つの検知器1のコード情報は、いずれも「A3」となる。
【0055】
(2.2.2)子機(第1検知器)
次に複数の検知器1のうち、4つの子機101(検知器1B~1E)の構成について説明する。以下では、親機102(検知器1A)と同一の構成要素については、親機102と同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0056】
各子機101は、親機102と同様に、防災の対象となる事象(ここでは、火災)が発生したことを検知するように構成されている。各子機101は、施設7での火災の発生を検知する検知機能と、施設7で火災の発生を検知した場合に報知する警報機能を有している。
【0057】
各子機101は、親機102と同様に、制御部10、記憶部20(保持部H1)、第1通信部21、第2通信部22、バッテリー23、検知部3、及び報知部4を備えている(図1参照)。この他にも、子機101は、音響回路及び点灯回路等の回路モジュールを更に備えている。
【0058】
ただし、第2通信部22は、子機101にとって必須の構成ではなく、省略されてもよい。あるいは、例えば同一の構成を有した検知器1が、スイッチ等への切り替え操作に応じて子機101又は親機102のいずれかに設定可能である場合、子機101に設定された検知器1は、たとえ第2通信部22の機能を備えていても、不使用であってもよい。
【0059】
4つの子機101の設置場所L1は、それぞれ、寝室(空間E2)、階段(空間E3)、子供部屋(空間E4)、及び台所(空間E5)である。
【0060】
各子機101の記憶部20は、保持部H1に相当し、ROM、RAM、又はEEPROM等から選択されるデバイスで構成される。記憶部20は、自身(自機)に割り当てられた固有の識別子(識別情報)を記憶している。また記憶部20は、警報音として出力する音声メッセージに係る警報メッセージデータを記憶している。
【0061】
各子機101の記憶部20は、親機102の記憶部20と異なり、自機が設置される設置場所L1に関連する場所情報のみを記憶しており、他の検知器1が設置される設置場所L1に関連する場所情報を記憶していない。言い換えると、子機101の保持部H1が保持する場所情報は、自機の設置場所L1のみに関連する情報である。
【0062】
各子機101の制御部10は、検知出力部11、設定出力部12、切替部13、及び設定部14を有している。言い換えると、制御部10は、検知出力部11としての機能、設定出力部12としての機能、切替部13としての機能、及び設定部14としての機能を有している。設定出力部12、切替部13、及び設定部14については、後の「(2.5)場所情報の設定」の欄で詳しく説明する。
【0063】
検知出力部11は、自機が火災(事象)の発生を検知した場合、出力先に自機の場所情報に応じた報知を行わせるように、少なくとも場所情報を、出力先に出力する。ここで言う出力先は、親機102を含む。例えば、検知器1Bが火災の発生を検知した場合、検知器1Bの検知出力部11は、「寝室で火事です。寝室で火事です。」といった音声メッセージを、親機102から出力させるように、自機のコード情報「A2」を含む検知情報を、親機102に出力する。また検知出力部11は、他の3つの子機101にも「寝室で火事です。寝室で火事です。」といった音声メッセージを出力させるように、自機のコード情報「A2」を含む検知情報を、親機102を介して、他の3つの子機101に出力する。つまり、各子機101の検知出力部11は、自機が火災の発生を検知した場合、連動元となって発報を連動させるために、第1通信部21を介して、自機の検知情報を親機102に送信する。
【0064】
各子機101の制御部10は、自機が火災の発生を検知した場合、自機の音響部42から警報音の出力を開始させる。また各子機101の制御部10は、自機が火災の発生を検知した場合、自機の表示部41を点滅させるように、表示部41を制御する。
【0065】
ここで各子機101の制御部10は、自機が火災の発生を検知した場合、自機の記憶部20内の対応関係情報を参照して、自機のコード情報に対応する名称情報を検索する。そして、制御部10は、名称情報を含めた音声信号を生成して、自機の音響部42に報知させる。
【0066】
一方、各子機101の制御部10は、第1通信部21を介して、施設7の火災を検知したことを知らせる検知情報を、親機102から取得すると、自機の音響部42から警報音の出力を開始する。さらに、制御部10は、自機の表示部41を点滅させるように、表示部41を制御する。
【0067】
ここで各子機101の制御部10は、親機102から検知情報を取得した場合、検知情報に含まれているコード情報を抽出する。この場合、コード情報は、自機以外の4つの検知器1のいずれかのコード情報である。制御部10は、自機の記憶部20内の対応関係情報を参照して、連動元(火元)のコード情報に対応する名称情報を検索する。そして、制御部10は、名称情報を含めた音声信号を生成して、自機の音響部42に報知させる。
【0068】
(2.3)外部端末
外部端末5(制御装置)は、上述の通り、例えば、HEMS(home energy management system)のコントローラであり、施設7に設けられた複数の機器と通信可能である。複数の機器は、例えば、空調機器、給湯器等を含み得る。本実施形態では、外部端末5は、さらに、施設7に設けられた親機102(検知器1A)と通信可能である。また外部端末5は、親機102を介して、複数の子機101(検知器1B~1E)とも通信可能である。
【0069】
外部端末5は、図1に示すように、制御部50、通信部53、記憶部54、及び表示部55等を備えている。
【0070】
制御部50は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部50として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0071】
通信部53は、親機102等と通信を行うための第1(通信)インタフェース53Aを含んでいる。第1インタフェース53Aは、第2周波数帯(例えば、920MHz帯)の電波を利用した無線通信により、親機102等から種々の情報を受信する。また通信部53は、インターネット等のネットワークNT1(図3参照)を介して情報端末6及び外部サーバ8と通信を行うための第2(通信)インタフェース53Bを有している。第2インタフェース53Bは、外部サーバ8等の他の装置を介して、情報端末6と通信を行ってもよい。情報端末6は、施設7のユーザ(例えば、住人)が所有するスマートフォン、又はタブレット端末等である。本実施形態では、情報端末6は、スマートフォンを想定している。情報端末6には、外部端末5と無線通信可能とする専用のアプリケーションソフトがインストールされている。
【0072】
記憶部54は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等から選択されるデバイスで構成される。
【0073】
記憶部54は、複数の検知器1の各々の識別子(識別情報)等を記憶している。記憶部54は、複数の検知器1の各々と、対応する検知器1が設置されている設置場所L1(空間E1~E5のいずれか)とを対応付けて記憶する。具体的には、記憶部54は、例えば、検知器1Aの識別子と、検知器1Aの設置場所L1(空間E1)に関連する場所情報(コード情報)とを対応付けて記憶する。同様に記憶部54は、検知器1B~1Eの識別子と、検知器1B~1Eの設置場所L1(空間E2~E5)に関連する場所情報(コード情報)とを、それぞれ一対一で対応付けて記憶する。またこの他にも記憶部54は、各検知器1の記憶部20内で共通して記憶されている対応関係情報、及び、情報端末6に関する情報(例えば、電話番号)を記憶する。
【0074】
制御部50は、図1に示すように、取得部51、及び登録部52等を有している。言い換えると、制御部50は、取得部51としての機能、及び登録部52としての機能を有している。
【0075】
取得部51は、親機102から、複数の検知器1の検知情報を取得するように構成されている。具体的には、取得部51は、いずれかの検知器1が火災を検知した場合には、親機102より、第1インタフェース53Aを介して、検知情報を取得する。制御部50は、取得した検知情報に基づいて、火元となる検知器1の設置場所L1に関連する場所情報(名称情報)を、表示部55に表示させてもよい。外部端末5が、この施設7の地図情報(見取図等)を保有していれば、地図情報と共に、火元となる検知器1の設置場所L1が分かるように表示させてもよい。また外部サーバ8が、セキュリティ会社等が管理するサーバ装置であれば、外部端末5は、取得した検知情報に基づいて、火災が発生した旨を、外部サーバ8に通知してもよい。また外部端末5は、取得した検知情報に基づいて、火災が発生した旨を、情報端末6に通知してもよい。
【0076】
さらに取得部51は、情報端末6から場所情報を取得するように構成されている。取得部51は、情報端末6への操作入力に応じて、第2インタフェース53Bを介して、場所情報を取得する。登録部52は、情報端末6から受信した場所情報と、検知器1の識別子とを対応付けて記憶部54に登録する。
【0077】
具体的には、外部端末5は、情報端末6上で起動するアプリケーションソフトから受信する要求に応じて、現在設置中、又はこれから設置予定の検知器1の識別子等(設置中であれば「居間」等の名称情報でもよい)を、情報端末6に出力する。住人は、情報端末6の表示画面上に提示されている検知器1の識別子等の一覧を参照しながら、各検知器1に対応する場所情報の新規追加、変更、及び削除等に関する操作入力を行うことができてもよい。
【0078】
外部端末5は、この施設7の地図情報(見取図等)を保有していれば、検知器1の識別子と地図情報と対応付けした上で、情報端末6の表示画面上に提示させてもよい。住人は、検知器1を模したマークをタップ操作する等して、当該検知器1に対応する場所情報の新規追加、変更、及び削除等に関する操作入力が行えてもよい。
【0079】
登録部52は、情報端末6からの上記操作入力に応じて、場所情報と検知器1の識別子とを対応付けて記憶部54に登録(新規追加、変更、又は削除)する。外部端末5は、登録された情報を、親機102の記憶部20にも反映させるために、第1インタフェース53Aを介して、親機102に出力する。
【0080】
外部端末5が取得部51及び登録部52を有していることで、ユーザは、外部端末5に対する検知器1の場所情報の登録を、情報端末6から行うことができる。
【0081】
また外部端末5は、各検知器1の記憶部20内で共通して記憶されている対応関係情報を管理している。外部端末5は、情報端末6上で起動するアプリケーションソフトから受信する要求に応じて、対応関係情報を出力してもよい。住人は、情報端末6の表示画面上に提示されている対応関係情報を参照しながら、各コード情報に対応する名称情報の新規追加、変更、及び削除等に関する操作入力を行うことができてもよい。例えば、対応関係情報において、コード情報「A1」と名称情報「居間」とが対応付けされている場合、コード情報「A1」に対応する名称情報を、「居間」から「台所」に変更可能であってもよい。あるいは、コード情報「B1」と名称情報「玄関」という対応関係が、対応関係情報に対して新たに追加可能であってもよい。また名称情報を、「○○の部屋」(○○は住人の子供の名前等)へ、住人の好みに合わせて変更可能であってもよいし、言語を日本語から英語に変更可能であってもよい。
【0082】
外部端末5は、変更された対応関係情報を、親機102の記憶部20に反映させるために、第1インタフェース53Aを介して、親機102に出力する。また親機102は、変更された対応関係情報を、子機101の記憶部20に反映させるために、第1通信部21を介して、全ての子機101に出力する。
【0083】
上述した識別子、対応関係情報、地図情報、コード情報、及び名称情報等の情報は、全てが外部端末5の記憶部54のみで記憶されて管理されることに限定されない。これらの情報の一部、又は全部が、例えば、外部サーバ8の記憶部に記憶されてもよい。外部サーバ8は、施設7ごとに、これらの情報を管理してもよい。外部サーバ8を管理する管理者は、施設7を指定して、施設7の外部端末5に対して、上述した識別子、対応関係情報、地図情報、コード情報、及び名称情報等の情報の設定変更を行えてもよい。
【0084】
表示部55は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(electroluminescence)ディスプレイのような薄型のディスプレイ装置である。表示部55は、取得部51で取得した情報等を表示してもよい。
【0085】
外部端末5は、上述した、各検知器1に対応する場所情報の新規追加、変更、及び削除等、並びに、対応関係情報の変更等について、外部端末5の筐体に設けられた操作部への操作入力によって行われてもよい。表示部55が、タッチパネル式のディスプレイ装置であれば、上記操作部の機能を兼ね備えてもよい。
【0086】
(2.4)動作
以下、火災を検知した場合における検知器管理システム200の動作について簡単に説明する。
【0087】
[動作例1]
まず、親機102(検知器1A)が火災を検知した場合の検知器管理システム200の動作について、図4を用いて説明する。
【0088】
親機102は、火災を検知する(ステップST1)。親機102は、自機の場所情報に応じた報知を行う。すなわち、親機102は、自機の場所情報であるコード情報「A1」に応じて、対応関係情報を参照して、名称情報「居間」を含んだ音声メッセージ「居間で火事です。居間で火事です。」を、スイープ音に連続して出力する(ステップST2)。上述の通り、火元の親機102から出力される音声メッセージは、単に「火事です。火事です。」でもよい。
【0089】
また親機102は、第1周波数帯(例えば420MHz帯)の電波を用いた無線通信を行う第1通信部21より、検知情報を他の4つの子機101に送信する(ステップST3)。ただし、図4では、4つの子機101のうち1つだけを図示する。検知情報を受信した各子機101は、検知情報に含まれているコード情報「A1」を抽出し、自機の記憶部20内の対応関係情報を参照しながら、コード情報「A1」に対応する名称情報「居間」を決定する。そして、各子機101は、親機102の発報に連動して、音声メッセージ「居間で火事です。居間で火事です。」を、スイープ音に連続して出力する(ステップST4)。
【0090】
さらに親機102は、第2周波数帯(例えば920MHz帯)の電波を用いた無線通信を行う第2通信部22により、検知情報を外部端末5に送信する(ステップST5)。外部端末5は、受信した検知情報に基づき、施設7の居間(空間E1)で火災が発生した旨を、表示部55にて表示し、また情報端末6及び外部サーバ8等に通知する(ステップST6)。
【0091】
これによると、親機102は、検知情報の出力先である子機101に、自機の場所情報に応じた報知を行わせる。そのため、火災の発生場所に対する認識性をより向上することができる。つまり、ユーザが検知器1の発報内容から火元を速やかに認識できる可能性を高めることができる。
【0092】
[動作例2]
次に、4つの子機101(検知器1B~1E)のいずれかが火災を検知した場合の検知器管理システム200の動作について、図5を用いて説明する。ここでは一例として、台所に設置されている検知器1Eが火災を検知した場合を想定する。
【0093】
子機101である検知器1Eは、火災を検知する(ステップST11)。検知器1Eは、自機の場所情報に応じた報知を行う。すなわち、検知器1Eは、自機の場所情報であるコード情報「A5」に応じて、対応関係情報を参照して、名称情報「台所」を含んだ音声メッセージ「台所で火事です。台所で火事です。」を、スイープ音に連続して出力する(ステップST12)。上述の通り、火元の検知器1Eから出力される音声メッセージは、単に「火事です。火事です。」でもよい。
【0094】
また検知器1Eは、第1周波数帯(例えば420MHz帯)の電波を用いた無線通信を行う第1通信部21により、検知情報を親機102に送信する(ステップST13)。検知情報を受信した親機102は、検知情報に含まれているコード情報「A5」を抽出し、自機の記憶部20内の対応関係情報を参照しながら、コード情報「A5」に対応する名称情報「台所」を決定する。親機102は、検知器1Eの発報に連動して、音声メッセージ「台所で火事です。台所で火事です。」を、スイープ音に連続して出力する(ステップST14)。
【0095】
また親機102は、第1周波数帯(例えば420MHz帯)の電波を用いた無線通信を行う第1通信部21により、検知情報を他の3つの子機101(検知器1B~1D)に送信する(ステップST15)。3つの子機101(検知器1B~1D)は、受信した検知情報に基づき、音声メッセージ「台所で火事です。台所で火事です。」を、スイープ音に連続して出力する(ステップST16)。ただし、図5では、3つの子機101のうち1つだけを図示する。
【0096】
さらに親機102は、第2周波数帯(例えば920MHz帯)の電波を用いた無線通信を行う第2通信部22により、検知情報を外部端末5に送信する(ステップST17)。外部端末5は、受信した検知情報に基づき、施設7の台所(空間E5)で火災が発生した旨を、表示部55にて表示し、また情報端末6及び外部サーバ8等に通知する(ステップST18)。
【0097】
これによると、子機101は、検知情報の出力先である親機102及び他の子機101に、自機の場所情報に応じた報知を行わせる。そのため、火災の発生場所に対する認識性をより向上することができる。つまり、ユーザが検知器1の発報内容から火元を速やかに認識できる可能性を高めることができる。また親機102が、第1通信部21と第2通信部22の両方を備えているため、子機101側の情報を、外部端末5へ容易に送ることができる。特に無線通信で使用する周波数帯が異なる子機101(第1検知器)及び外部端末5間において、子機101が火災の発生を検知した場合に、子機101の場所情報を、外部端末5へ容易に送ることができる。
【0098】
ところで、本実施形態では、各子機101の記憶部20(保持部H1)は、自機の場所情報のみを記憶し、他機の場所情報を記憶していない。そのため、複数の検知器1を新設したり1又は複数の検知器1を増設したりする場合に、1つの子機101に対して全ての検知器1の場所情報を記憶させるといった手間が省け、場所情報の設定に関する作業の負荷を減らすことができる。言い換えると、各検知器1にとっては、他の検知器1が、どこに設置されていてどの識別子であるかを、火災の発生前から予め管理していなくてもよく、実際に火災が発生した時点で受け取った場所情報に応じた報知を行うだけでよい。
【0099】
(2.5)場所情報の設定
以下、各検知器1の制御部10における設定出力部12、切替部13、及び設定部14について、場所情報の設定に関する動作と合わせて説明する。
【0100】
まず、各検知器1に対する場所情報の設定について説明する。
【0101】
切替部13は、少なくとも、火災(事象)の発生を検知する検知モードと、記憶部20(保持部H1)に対する場所情報を設定する設定モードと、を含む複数の動作モードから、いずれか1つに切り替えるように構成されている。動作モードには、検知モード及び設定モード以外にも、例えば点検用の動作試験モードが含まれてもよい。切替部13は、例えば、各検知器1の筐体から露出する2つの押し釦式の操作部(ディップスイッチ等でもよい)への同時押し操作等に応じて、動作モードを、検知モードから設定モードに切り替える。
【0102】
各検知器1において、動作モードが検知モードに切り替えられた場合、制御部10は、火災発生の有無を監視する。火災を検知した場合には、検知器1は、上の「(2.4)動作」の欄で説明した動作を実行する。
【0103】
一方、各検知器1において、動作モードが設定モードに切り替えられた場合、設定部14は、記憶部20(保持部H1)に対する場所情報の設定を受け付ける。この場合、設定部14は、例えば、設置対象となる場所を表す所定の複数の候補情報から1つの候補情報を場所情報として設定を受け付ける。具体的には、居間、階段、玄関口、勝手口、台所、洗面所、トイレ、寝室、子供部屋等の複数の候補情報が、各検知器1の記憶部20に予め記憶されている。複数の候補情報は、それぞれ、複数のコード情報と一対一で対応付けされて記憶部20に記憶されている。要するに、各検知器1の記憶部20内で共通して記憶されている、上述した「対応関係情報」における複数の名称情報が、ここで言う複数の候補情報に相当する。
【0104】
例えば、ユーザが、各検知器1の2つの操作部の一方を1回押す度に、候補情報が、1番目の候補情報(上の例では居間)から9番目の候補情報(上の例では子供部屋)に向かって昇順に、音声メッセージで出力される。またユーザが、2つの操作部の他方を1回押す度に、候補情報が、降順に音声メッセージで出力される。言い換えると、設定部14は、ユーザからの操作部への押し操作に応じて、上述した「対応関係情報」における複数の名称情報を、音響部42により、順に音声メッセージで出力させる。
【0105】
ユーザが希望する候補情報の音声メッセージが出力された時点で、再び2つの操作部への同時押し操作を行うことで、その候補情報が、当該検知器1の場所情報として決定され、さらに動作モードが、設定モードから検知モードに切り替えられる。制御部10は、候補情報(名称情報)に対応するコード情報を、自機の場所情報として記憶部20に記憶させる。制御部10は、名称情報のままで、自機の場所情報として記憶させてもよい。
【0106】
本実施形態では、各検知器1が切替部13及び設定部14を備えていることで、各検知器1に対して、ユーザの要望又は検知器1の設置環境に応じて、場所情報を設定することができる。特に、設定部14が、所定の複数の候補情報から1つの候補情報を場所情報として設定を受け付けるため、ユーザは、場所情報を、複数の候補情報から選択可能である。その結果、各検知器1に場所情報を設定する作業に関する作業性を向上できる。
【0107】
次に、外部端末5に対する、各検知器1の場所情報の登録について説明する。
【0108】
設定出力部12は、自機の設定部14にて場所情報の設定を受け付けた場合に、外部端末5に自機の場所情報と自機の識別情報とを対応付けて登録させるように、自機の場所情報及び識別情報を出力する。ここで、各検知器1における場所情報及び識別情報の出力先は、自機が子機101か親機102かによって異なる。
【0109】
親機102(第2検知器)は、自機の設定部14にて場所情報の設定を受け付けた場合に、自機の場所情報及び識別情報を、自機の第2通信部22により、外部端末5に出力する。
【0110】
各子機101(第1検知器)は、自機の設定部14にて場所情報の設定を受け付けた場合に、自機の場所情報及び識別情報を、自機の第1通信部21により、親機102に出力する。そして、親機102は、子機101から受信した場所情報及び識別情報を、自機の第2通信部22により、外部端末5に出力する。また親機102は、自機の記憶部20に、子機101から受信した場所情報及び識別情報を登録する。
【0111】
一方、外部端末5は、第1インタフェース53Aを介して、親機102から検知器1の場所情報及び識別情報を受信すると、これらを対応付けて記憶部54に登録する。外部端末5は、外部サーバ8に、検知器1の場所情報及び識別情報を送信してもよい。
【0112】
要するに、ユーザが子機101の場所情報の設定を行った場合、子機101は、親機102を介して、外部端末5に自機の場所情報と自機の識別情報とを対応付けて登録させる。
【0113】
本実施形態では、各検知器1が設定出力部12を備えている。そのため、無線通信で使用する周波数帯が異なる子機101(第1検知器)及び外部端末5間において、子機101が場所情報の設定を受け付けた場合に、子機101の場所情報を、外部端末5へ容易に送ることができる。言い換えると、検知器1の場所情報を外部端末5に登録させる作業に関する作業性を向上できる。また外部端末5に対して、複数の検知器1の管理を行わせることができる。
【0114】
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、上記実施形態に係る検知器1と同様の機能は、検知器1の制御方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0115】
以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。以下では、上記実施形態を「基本例」と呼ぶこともある。
【0116】
本開示における検知器1の制御部10及び外部端末5の制御部50は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における検知器1の制御部10及び外部端末5の制御部50としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0117】
また、検知器1及び外部端末5の各々における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは検知器1及び外部端末5に必須の構成ではなく、検知器1及び外部端末5の各々の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、検知器1の少なくとも一部の機能、例えば、検知器1の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。同様に、外部端末5の少なくとも一部の機能、例えば、外部端末5の一部の機能がクラウド等によって実現されてもよい。反対に、基本例のように、検知器1の複数の機能が1つの筐体内に集約されて、外部端末5の複数の機能が1つの筐体内に集約されていてもよい。
【0118】
基本例では、各検知器1の記憶部20(保持部H1)は、対応関係情報を保持している。しかし、対応関係情報は、必須ではなく、各検知器1の記憶部20は、対応関係情報を保持しなくてもよい。具体的には、基本例では、火災の発生が検知された場合、子機101及び親機102間、並びに親機102及び外部端末5間において送受信される検知情報の場所情報は、コード情報を含む。しかし、コード情報が場所情報として送受信される代わりに、設置場所L1の名称を表す名称情報のまま、場所情報として送受信されてもよい。あるいは、検知情報は、実際に連動先の検知器1の音響部42より出力される「居間で火事です。居間で火事です。」といった音声メッセージに対応する音声信号を、場所情報として含んでもよい。ただし、基本例のように、各検知器1の記憶部20が対応関係情報を保持し、コード情報が場所情報として送受信される構成の方が、場所情報に関する情報量(データ長)を低減することができる。特に検知器1が電池式である場合に、データ長を抑えることで、バッテリー23の消費電力の削減を図ることができる。
【0119】
また複数の検知器1のうち一部の検知器1は、対応関係情報を保持し、残りの検知器1は、対応関係情報を保持していなくてもよい。この場合、対応関係情報を保持していない検知器1が、コード情報を含む検知情報を受信した場合、当該検知器1の制御部10は、「ほかの部屋で火事です。ほかの部屋で火事です。」といった音声メッセージを、音響部42より出力させてもよい。
【0120】
基本例では、各検知器1は、報知部4を備えており、警報音を出力することで火災の発生を報知する機能(報知機能)を有している住警器である。しかし、各検知器1にとって報知部4は、必須の構成要素ではない。複数の検知器1のうち少なくとも1つは、火災の発生を報知する機能を有していなくてもよい。複数の検知器1のうち少なくとも1つは、火災の発生を検知すると、検知情報を他の機器に送信するだけでもよい。
【0121】
基本例では、親機102の記憶部20(保持部H1)は、自機の場所情報だけでなく、他機(子機101)の場所情報も保持している。しかし、親機102の記憶部20も、自機の場所情報だけを保持し、他機(子機101)の場所情報を保持していなくてもよい。ただし、親機102は、少なくとも子機101の台数、及び各子機101の識別子を管理(記憶)していることが望ましい。
【0122】
(4)利点
以上説明したように、第1の態様に係る検知器(1)は、防災の対象となる事象が発生したことを検知する。検知器(1)は、少なくとも検知器(1)が設置される設置場所(L1)に関連する場所情報を保持する保持部(H1)を備える。第1の態様によれば、保持部(H1)が場所情報を保持する。そのため、例えば、検知器(1)自身が場所情報に応じた報知を行うか、又は検知器(1)の場所情報に応じた報知を、他の機器に行わせることで、防災の対象となる事象の発生場所に対する認識性の向上を図ることができる。
【0123】
第2の態様に係る検知器(1)は、第1の態様において、検知出力部(11)を、更に備えることが好ましい。検知出力部(11)は、事象の発生を検知した場合に、出力先に当該検知器(1)の場所情報に応じた報知を行わせるように、少なくとも場所情報を、出力先に出力することが好ましい。第2の態様によれば、出力先に検知器(1)の場所情報に応じた報知を行わせるため、防災の対象となる事象の発生場所に対する認識性をより向上することができる。
【0124】
第3の態様に係る検知器(1)に関して、第1又は第2の態様において、保持部(H1)が保持する場所情報は、当該検知器(1)の設置場所(L1)のみに関連する情報であることが好ましい。第3の態様によれば、例えば、保持部(H1)が、自身の設置場所(L1)に関連する場所情報以外に、他の検知器(1)の設置場所(L1)に関連する場所情報を保持する場合に比べて、検知器(1)に場所情報を設定する作業の負荷を減らすことができる。
【0125】
第4の態様に係る検知器(1)は、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、事象の発生を検知した場合に、当該検知器(1)の場所情報に応じた報知を行う報知部(4)を、更に備えることが好ましい。第4の態様によれば、報知部(4)が、自身の場所情報に応じた報知を行うため、防災の対象となる事象の発生場所に対する認識性をより向上することができる。
【0126】
第5の態様に係る検知器(1)は、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、切替部(13)と、設定部(14)と、を更に備えることが好ましい。切替部(13)は、少なくとも、事象の発生を検知する検知モードと、保持部(H1)に対する場所情報を設定する設定モードと、を含む複数の動作モードから、いずれか1つに切り替える。設定部(14)は、設定モードに切り替えられた場合に、場所情報の設定を受け付ける。第5の態様によれば、検知器(1)に対して、ユーザの要望又は検知器(1)の設置環境に応じて、場所情報を設定することができる。
【0127】
第6の態様に係る検知器(1)は、第5の態様において、設定出力部(12)を、更に備えることが好ましい。設定出力部(12)は、設定部(14)にて場所情報の設定を受け付けた場合に、外部端末(5)に場所情報と当該検知器(1)の識別情報とを対応付けて登録させるように、場所情報及び識別情報を出力する。第6の態様によれば、外部端末(5)に対して、自身の場所情報を登録することができる。言い換えると、外部端末(5)に対して、検知器(1)の管理を行わせることができる。
【0128】
第7の態様に係る検知器(1)に関して、第5又は第6の態様において、設定部(14)は、設定モードに切り替えられた場合に、設置対象となる場所を表す所定の複数の候補情報から1つの候補情報を場所情報として設定を受け付けることが好ましい。第7の態様によれば、場所情報を、複数の候補情報から選択可能であるため、検知器(1)に場所情報を設定する作業に関する作業性を向上できる。
【0129】
第8の態様に係る検知器(1)に関して、第1~第7の態様のいずれか1つにおいて、保持部(H1)は、対応関係情報を、更に保持することが好ましい。対応関係情報とは、複数の設置場所(L1)の名称を表す名称情報と、当該複数の設置場所(L1)を識別する複数のコード情報とが、それぞれ対応付けされた情報である。場所情報は、複数のコード情報のうちのいずれかである。第8の態様によれば、例えば、場所情報が、設置場所(L1)の名称を表す名称情報である場合に比べて、場所情報に関する情報量を低減することができる。
【0130】
第9の態様に係る検知システム(100)は、第1~第8の態様のいずれか1つにおける検知器(1)を、複数備える。第9の態様によれば、防災の対象となる事象の発生場所に対する認識性の向上を図ることが可能な検知システム(100)を提供できる。
【0131】
第10の態様に係る検知システム(100)に関して、第9の態様において、複数の検知器(1)は、第1検知器(子機101)と、第2検知器(親機102)とを含むことが好ましい。第1検知器(子機101)は、第1周波数帯の電波を用いて他の検知器(1)と無線通信を行う第1通信部(21)を更に備える。第2検知器(親機102)は、第1通信部(21)と、第1周波数帯とは異なる第2周波数帯の電波を用いて外部端末(5)と無線通信を行う第2通信部(22)とを更に備える。第10の態様によれば、使用する周波数帯が異なる第1検知器(子機101)及び外部端末(5)間における情報の通信を、第2検知器(親機102)を介することで、容易に実現することができる。
【0132】
第11の態様に係る検知システム(100)に関して、第10の態様において、第2検知器(親機102)は、自身の第1通信部(21)で第1検知器(子機101)から受信した情報を、第2通信部(22)より、外部端末(5)に出力することが好ましい。第11の態様によれば、第1検知器(子機101)側の情報を、外部端末(5)へ容易に送ることができる。
【0133】
第12の態様に係る検知システム(100)に関して、第10又は第11の態様において、第1検知器(子機101)は、事象の発生を検知した場合に、少なくとも場所情報を、自身の第1通信部(21)より第2検知器(親機102)に出力することが好ましい。第2検知器(親機102)は、自身の第1通信部(21)で第1検知器(子機101)から受信した少なくとも場所情報を、第2通信部(22)より、外部端末(5)に出力することが好ましい。第12の態様によれば、使用する周波数帯が異なる第1検知器(子機101)及び外部端末(5)間において、第1検知器(子機101)が事象の発生を検知した場合に、第1検知器(子機101)の場所情報を、外部端末(5)へ容易に送ることができる。
【0134】
第13の態様に係る検知システム(100)に関して、第10~第12の態様のいずれか1つにおいて、第1検知器(子機101)は、設定部(14)と、設定出力部(12)と、を更に備えることが好ましい。設定部(14)は、保持部(H1)に対する場所情報の設定を受け付ける。設定出力部(12)は、設定部(14)にて場所情報の設定を受け付けた場合に、外部端末(5)に場所情報と当該検知器(1)の識別情報とを対応付けて登録させるように、場所情報及び識別情報を出力する。第1検知器(子機101)の設定出力部(12)は、場所情報及び識別情報を、自身の第1通信部(21)により第2検知器(親機102)に出力することが好ましい。第2検知器(親機102)は、受信した場所情報及び識別情報を、第2通信部(22)により外部端末(5)に出力することが好ましい。第13の態様によれば、使用する周波数帯が異なる第1検知器(子機101)及び外部端末(5)間において、第1検知器(子機101)が場所情報の設定を受け付けた場合に、第1検知器(子機101)の場所情報を、外部端末(5)へ容易に送ることができる。言い換えると、検知器(1)の場所情報を外部端末(5)に登録させる作業に関する作業性を向上できる。
【0135】
第14の態様に係る検知器管理システム(200)は、第10~第13の態様のいずれか1つにおける検知システム(100)と、複数の検知器(1)を管理する外部端末(5)と、を備える。第14の態様によれば、防災の対象となる事象の発生場所に対する認識性の向上を図ることが可能な検知器管理システム(200)を提供できる。
【0136】
第15の態様に係る検知器管理システム(200)に関して、第14の態様において、外部端末(5)は、取得部(51)と、登録部(52)と、有することが好ましい。取得部(51)は、情報端末(6)から場所情報を取得する。登録部(52)は、情報端末(6)から受信した場所情報と、検知器(1)の識別情報とを対応付けて登録する。第15の態様によれば、外部端末(5)に対する検知器(1)の場所情報の登録を、情報端末(6)から行うことができる。
【0137】
第16の態様に係る制御方法は、検知器(1)の制御方法である。制御方法は、防災の対象となる事象が発生したことを検知する検知ステップと、少なくとも当該検知器が設置される設置場所に関連する場所情報を保持する保持ステップと、を有する。第16の態様によれば、防災の対象となる事象の発生場所に対する認識性の向上を図ることが可能な制御方法を提供できる。
【0138】
第17の態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに第16の態様における制御方法を実行させる。第17の態様によれば、防災の対象となる事象の発生場所に対する認識性の向上を図ることが可能な機能を提供できる。
【0139】
第2~8の態様に係る構成については、検知器(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。また第10~13の態様に係る構成については、検知システム(100)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。また第15の態様に係る構成については、検知器管理システム(200)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0140】
100 検知システム
200 検知器管理システム
1 検知器
101 子機(第1検知器)
102 親機(第2検知器)
11 検知出力部
12 設定出力部
13 切替部
14 設定部
21 第1通信部
22 第2通信部
4 報知部
5 外部端末
51 取得部
52 登録部
6 情報端末
H1 保持部
L1 設置場所
図1
図2
図3
図4
図5