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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062221
(43)【公開日】2023-05-08
(54)【発明の名称】マッチング支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20230426BHJP
   G06Q 30/0203 20230101ALI20230426BHJP
   G06Q 30/015 20230101ALI20230426BHJP
【FI】
G06Q50/08
G06Q30/02 312
G06Q30/02 470
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021169580
(22)【出願日】2021-10-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1) 案件を提案した日:令和3年5月7日 案件を提案した場所:住友不動産株式会社本社(東京都新宿区西新宿8丁目15-1 住友不動産西新宿8丁目ビル) 公開者:株式会社アイアイビー (2) 案件を提案した日:令和3年5月10日 案件を提案した場所:オンライン開催(下記URL) https://zoom.us/j/91709303793?pwd=YWlnMXErNnJYVGJYU0t2Mm1FVHhMUT09 公開者:株式会社アイアイビー (3) 案件を提案した日:令和3年6月1日 案件を提案した場所:凸版印刷株式会社本社(東京都台東区台東1丁目5番1号) 公開者:株式会社アイアイビー (4) 案件を提案した日:令和3年7月6日 案件を提案した場所:オンライン開催(下記URL) https://us06web.zoom.us/j/84388013104 公開者:株式会社アイアイビー (5) 案件を提案した日:令和3年7月28日 案件を提案した場所:オンライン開催(下記URL) https://us06web.zoom.us/j/86378250955 公開者:株式会社アイアイビー (6) 案件を提案した日:令和3年9月21日 案件を提案した場所:住友不動産株式会社本社(東京都新宿区西新宿8丁目15-1 住友不動産西新宿8丁目ビル) 公開者:株式会社アイアイビー (7) 案件を提案した日:令和3年10月1日 案件を提案した場所:オンライン開催(下記URL) https://us06web.zoom.us/j/86977785655 公開者:株式会社アイアイビー
(71)【出願人】
【識別番号】305040558
【氏名又は名称】株式会社アイアイビー
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(74)【代理人】
【識別番号】100148910
【弁理士】
【氏名又は名称】宮澤 岳志
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼松 邦明
(72)【発明者】
【氏名】西尾 肇
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB02
5L049BB05
5L049BB08
5L049CC07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】営業担当者の経験等に依存せず、顧客が潜在的に重視するポイントを発見して成約率を高めるのに好適なマッチング支援システムを提供する。
【解決手段】住宅のリフォームを希望するか又は検討している顧客についての情報を聴取して蓄積するためのマッチング支援システムにおいて、コンピュータ1は、、顧客から情報を聴取しようとする聴取者による所定の質問に対する顧客の音声による回答データを取得する音声回答データ取得手段101と、音声回答データ取得手段101が取得した音声回答データをテキスト化しテキスト回答データを得るテキスト化手段102と、テキスト化手段102が得たテキスト回答データから各質問に対する回答に対応するキーワードを抽出するキーワード抽出手段103と、キーワード抽出手段103が抽出したキーワードを顧客を示す情報に関連付けて記憶するデータベースと104を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅のリフォームを希望しまたは検討している顧客についての情報を聴取して蓄積するためのシステムであって、
顧客から情報を聴取しようとする聴取者による所定の質問に対する顧客の音声による回答データを取得する音声回答データ取得手段と、
音声回答データ取得手段が取得した音声回答データをテキスト化しテキスト回答データを得るテキスト化手段と、
テキスト化手段が得たテキスト回答データから各質問に対する回答に対応するキーワードを抽出するキーワード抽出手段と、
キーワード抽出手段が抽出したキーワードを顧客を示す情報に関連付けて記憶するデータベースと
を具備するマッチング支援システム。
【請求項2】
前記データベースがリフォームプランを示す情報とキーワードとを関連付けて記憶しているとともに、
キーワード抽出手段が抽出したキーワードを検索キーとし、当該キーワードに関連付けられたリフォームの事例を示す情報をデータベース内から検索する検索手段と、
前記検索手段による検索結果を可視化表示する表示手段と
をさらに具備する請求項1記載のマッチング支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リフォーム業者と自宅等のリフォームを検討している顧客との間の成約率を高めるのに好適なマッチング支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リフォーム業者が顧客からリフォーム等の打診を受けて実際にリフォームに着手するためには、現地調査を行い、リフォームに関する顧客の意向等を聴取し、具体的なプランを作成した上で価格を決定するステップを経た上で、契約を成立させる必要がある(例えば、非特許文献1を参照)。
【0003】
ところで、顧客の意向等を聴取し具体的なプランを作成するにあたっては、聴取者が顧客に質問をし、顧客の返答からポイントとなる事項を抽出し、抽出された事項に基づきどの箇所をリフォームする必要があるのかを判定する必要がある。すなわち、成約率を高めるには、適切な質問を行い、ポイントとなる事項を適切に抽出する必要がある。
【0004】
ここで、適切な質問を行いポイントとなる事項を抽出することは営業担当者のスキルに依存していた。質問の内容については成約率が高い営業担当者が行う質問を参考にして標準化することは可能である。しかしながら、返答からポイントとなる事項を抽出する段階では営業担当者のスキルや経験等に依存する点が大きく、顧客が潜在的に重視するポイントが見逃されることも多い(課題1)。
【0005】
上述した課題は、現地調査の段階のみならず、複数のリフォーム業者や住宅設備会社の展示ブースを備えた、比較的大規模なイベントを開催し、又はショウルームを設営した際において顧客を現地調査に導くにあたっても、営業担当者が顧客から聞き取りを行うことから、同様に存在しており、現地調査に至る確率すなわち現地調査率を向上させることが要望されている。
【0006】
また、従来は、現地調査の結果や聴取者による質問の回答を踏まえてリフォームプランを作成し提示するが、現地調査からリフォームプランの提示までには少なくとも数日が必要であり、その期間を短縮することが要望されている(課題2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】“現地調査って何? どんなことをするの?|コラム|リフォームステーション”、[online]、リフォームステーション、[令和3年10月7日検索]、インターネット<url: https://www.reform-station.co.jp/column/reform-before/field_investigation/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、少なくとも上記課題1を解決すること、すなわち、営業担当者の経験等に依存せず、顧客が潜在的に重視するポイントを発見して成約率を高めるのに好適なマッチング支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するべく、本発明では以下に示すようなマッチング支援システムを構成した。すなわち本発明に係るマッチング支援システムは、住宅のリフォームを希望しまたは検討している顧客についての情報を聴取して蓄積するためのものであって、顧客から情報を聴取しようとする聴取者による所定の質問に対する顧客の音声による回答データを取得する音声回答データ取得手段と、音声回答データ取得手段が取得した音声回答データをテキスト化しテキスト回答データを得るテキスト化手段と、テキスト化手段が得たテキスト回答データから各質問に対する回答に対応するキーワードを抽出するキーワード抽出手段と、キーワード抽出手段が抽出したキーワードを顧客を示す情報に関連付けて記憶するデータベースとを具備するものである。
【0010】
その上で、前記データベースがリフォームプランを示す情報とキーワードとを関連付けて記憶しているとともに、当該キーワードに関連付けられたリフォームの事例を示す情報をリフォーム事例情報記憶手段内から検索する検索手段と、検索手段による検索結果を可視化表示する表示手段をさらに具備するものであれば、抽出されたキーワードが示す顧客が潜在的に重視するポイントに対応したリフォームの事例を聴取者を介して顧客に示すことができ、成約率を効果的に上昇させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のマッチング支援システムによれば、音声回答データ取得手段により音声回答データを取得し、テキスト化手段により音声回答データをテキスト化しテキスト回答データを得た上で、キーワード抽出手段によりテキスト回答データから各質問に対する回答に対応するキーワードを抽出して顧客を示す情報に関連付けて記憶することにより、営業担当者の経験等に依存せず、記憶したキーワードから顧客が潜在的に重視するポイントを特定し、成約率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第一実施形態に係るマッチング支援システムの概要を示す図。
図2】同実施形態に係るマッチング支援システムの要素であるコンピュータが備えるハードウェア資源を示す図。
図3】同実施形態に係るマッチング支援システムの機能ブロック図。
図4】同実施形態に係るマッチング支援システムが記憶保持する、キーワードを例示する図。
図5】同実施形態に係るマッチング支援システムが記憶保持する、顧客による回答の情報を例示する図。
図6】同実施形態に係るマッチング支援システムが記憶保持する、顧客を特定する情報を例示する図。
図7】同実施形態に係るマッチング支援システムが記憶保持する、リフォームプランを示す情報を例示する図。
図8】同実施形態に係るコンピュータが行う処理を示すフローチャート。
図9】本発明の第二実施形態に係るマッチング支援システムの概要を示す図。
図10】同実施形態に係るマッチング支援システムの要素であるクラウドサーバが備えるハードウェア資源を示す図。
図11】同実施形態に係るマッチング支援システムの機能ブロック図。
図12】同実施形態に係るコンピュータが行う処理を示すフローチャート。
図13】同実施形態に係るクラウドサーバが行う処理を示すフローチャート。
図14】同実施形態に係るコンピュータが行う処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の第一実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態のマッチング支援システムMは、例えばイベント会場やショウルームにおいて、その場を訪れた顧客Cと相対し当該顧客Cから事情や希望を聴取しようとする聴取者Iが使用するものである。図1に示すように、本マッチングシステムは、聴取者Iに対して所定数の質問項目Qを示すシートSと、聴取者Iが顧客Cに対して質問した質問項目Qに対する顧客Cの回答の入力を受け付けてその情報を記憶、集積するコンピュータ1とを要素とする。
【0014】
コンピュータ1は、例えば、既知の汎用的なパーソナルコンピュータ、ワークステーション、タブレット型コンピュータ1やスマートフォン等の携帯情報端末または携帯電話端末である。図2に示すように、コンピュータ1は、プロセッサ(Central Procesing Unit)1a、メインメモリ1b、補助記憶デバイス1c、ビデオコーデック1d、オーディオコーデック1e、ディスプレイ1f、マイク1g、通信インタフェース1h、操作入力デバイス1i等のハードウェア資源を備え、これらがシステムコントローラやI/Oコントローラ等1jにより制御されて連携動作するものである。
【0015】
補助記憶デバイス1cは、フラッシュメモリやハードディスクドライブ等である。ビデオコーデック1dは、プロセッサ1aより受けた描画指示をもとに表示させるべき画面を生成し、その映像信号を出力インタフェース1gを介してディスプレイ1fに向けて送出するGPU(Graphics Processing Unit)、画面や画像のデータを一時的に格納しておくビデオメモリ等を要素とする。オーディオコーデック1eは、マイク1gが集音した音声をディジタル化及び符号化して音声データとする。ビデオコーデック1d及びオーディオコーデック1eはそれぞれ、ハードウェアでなくソフトウェアとして実装することも可能である。通信インタフェース1hは、コンピュータ1が外部のコンピュータその他の機器類との間で有線及び/または無線で情報通信を行うためのデバイスであり、典型的には、PAN(Personal Area Network)、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等といった電気通信回線を通じてデータ信号を送受信するデバイスである。通信インタフェース1hには、無線LANや携帯電話網、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)網、Bluetooth(登録商標)等を介した無線通信を具現する無線トランシーバや、有線LAN等を介した有線通信を具現するNIC(Network Interface Controller)、USB(Universal Serial Bus)等が含まれる。操作入力デバイス1iは、ユーザが手指で操作する押下ボタン、キーボード、タッチパネルやマウス等のポインティングデバイス等である。
【0016】
コンピュータ1において、プロセッサ1aにより実行されるべきプログラムは補助記憶デバイス1cに格納されており、プログラムの実行の際には補助記憶デバイス1cからメインメモリ1bに読み込まれ、プロセッサ1aによって解読される。コンピュータ1は、プログラムに従って上掲のハードウェア資源を作動させ、少なくとも、図3に示す音声回答データ取得手段101、テキスト化手段102、キーワード抽出手段103、データベース104、検索手段105及び表示手段106としての機能を発揮する。
【0017】
ここで、聴取者Iは、顧客Cに対して所定の質問項目Qについての質問を行う。質問項目Qの具体例としては、
1.顧客Cがリフォームを計画したきっかけ
2.リフォームの要望(内容)及びその理由
3.上記の要望以外に困っていること、不満なこと
4.現時点での不安や聞きたいこと
5.顧客Cまたはその家族の暮らしで特に大切にしたい場所や時間
6.収納の量の不満、また特に困っている荷物
7.何時までにリフォームを完成させたいか
8.現時点で顧客Cが想定している予算
等を挙げることができる。なお、本実施形態では、質問項目QはシートSに記載されており、その記載内容に沿って聴取者Iが質問するようになっているが、聴取者側に備えた他の端末に表示させるなど、所定の質問項目Qについて質問を行い、顧客から音声による回答を得るものである限り、その態様は任意に選択してよい。
【0018】
コンピュータ1が具現する機能のうち、回答受付手段101は、聴取者Iが顧客Cに対してした各質問項目Qに対する顧客Cの回答の入力を受け付ける。本実施形態では、聴取者Iが肉声によって発した質問や、顧客Cが肉声によって発した回答の音声を、マイク1gを介して集音し、その音声回答データaを取得する。取得した音声回答データaを、テキスト化手段102に渡す。
【0019】
テキスト化手段102は、既知の音声認識手法(人工知能、ニューラルネットワークによるものであることがある)を用いて、各質問に対応する音声回答データaをそれぞれテキスト化しテキスト回答データbを得る。得られたテキスト回答データbを、キーワード抽出手段103に渡す。
【0020】
キーワード抽出手段103は、テキスト回答データbから顧客Cの潜在的な需要を示唆する特定の語句であるキーワードcを抽出し、データベース104に渡す。複数のキーワードcの組である辞書情報は、図4に示すような態様で予めメインメモリ1bまたは補助記憶デバイス1cに格納しておく。なお、キーワードcは、質問項目Qごとに予め設定されている。
【0021】
データベース104は、メインメモリ1bまたは補助記憶デバイス1cの所要の記憶領域を利用して、回答受付手段101で受け付けた顧客Cによる回答の情報、具体的には聴取者Iが発した質問のテキストデータ、及び顧客Cが発した質問項目Qごとの対応する回答に含まれるキーワードcを記憶する。このとき、顧客情報記憶手段104は、回答受付手段101で受け付けた顧客Cによる回答の情報を、当該顧客Cを特定する情報xと関連付けて記憶する。図5に顧客Cを特定する情報xの格納の態様を、図6に顧客Cによる回答に含まれるキーワードcの格納の態様を、それぞれ例示する。顧客Cを特定する情報xとは、例えば、顧客Cの氏名、性別、年齢、生年月日、住所、連絡先の電話番号、ファクシミリ番号、電子メールアドレス、家族構成、建物の種別、築年数、大きさまたは間取り、住居の名義、リフォーム歴等である。図5に示す回答に含まれるキーワードcと、図6に示す顧客Cを特定する情報xとは、顧客Cを識別する識別子(図中では顧客ID)により紐付けされている。顧客Cを特定する情報xは、聴取者Iによる顧客Cに対する質問に先んじて、操作入力デバイス1iを介して手入力したり、マイク1gを介して音声入力したりする。また、このデータベース104は、図7に示すように、リフォームプランを示す情報d(図7の例では、リフォームプランを示すWebサイトのhtmlファイル)と、このリフォームプランに対応するキーワードとを関連付けて別途記憶している。
【0022】
コンピュータ1が具現する機能のうちの検索手段105及び表示手段106は、顧客Cに対する各質問項目Qの聴取を終えた後、顧客Cの回答に含まれるキーワードに関連付けられたリフォームプランを示す情報dを抽出するために用いることができる。
【0023】
検索手段105は、顧客Cの回答に含まれるキーワードc、すなわちキーワード抽出手段103が抽出したキーワードcに関連付けられたリフォームプランを示す情報dをデータベース104内から検索し、検索結果であるリフォームプランを示す情報dを表示手段106に渡す。
【0024】
そして、表示手段106は、検索手段105から受け取ったリフォームプランを示す情報dをディスプレイ1fの画面に表示して出力する。あるいは、リフォームプランを示す情報dを、プリンタからハードコピー出力したり、特定の記録媒体に書き出したり、コンピュータ1と電気通信回線を介して接続している外部のコンピュータやファクシミリ等に向けて送信(電子メールの形をとることがある)したりする態様で出力する。
【0025】
本実施形態のコンピュータ1による処理の流れは、フローチャートである図8に示すようなものである。すなわち、回答受付手段101により、聴取者Iによる質問及び顧客Cの回答を含む音声回答データaを取得し(ステップS1)、テキスト化手段102により質問に対応する音声回答データaからテキスト回答データbを取得して(ステップS2)、キーワード抽出手段103によりテキスト回答データbからキーワードcを抽出し(ステップS3)、顧客を示す情報xに関連付けてデータベース104に記憶する(ステップS4)。それから、キーワード抽出手段103により抽出されたキーワードcを検索キーとして検索手段105によりリフォームプランを示す情報dをデータベース104内から検索し(ステップS5)、表示手段106により検索結果であるリフォームプランを示す情報dを出力する(ステップS6)。
【0026】
従って、本実施形態のシステムによれば、聴取者Iが所定の質問を行い、その質問項目Qに対する顧客Cの音声による音声回答データaをテキスト化手段102によりテキスト化してテキスト回答データbとし、キーワード抽出手段103によりテキスト回答データbからキーワードcを抽出し、抽出されたキーワードcをデータベース104に記憶するので、聴取者Iのスキルや経験に依存することなく顧客Cが潜在的に重視するポイントを発見しやすくできる。
【0027】
さらに、抽出したキーワードcを検索キーとして検索手段105により当該キーワードcに関連付けられたリフォームプランを示す情報dをデータベース104内から検索し、表示手段106により検索結果を可視化表示するので、顧客Cが潜在的に重視するポイントに基づきリフォームの提案を行い、成約率の上昇を図ることができる。
【0028】
次いで、本発明の第二実施形態について以下に述べる。
【0029】
本実施形態のマッチング支援システムMMは、以下に述べる点で第一実施形態のマッチング支援システムMと異なり、その他の点では第一実施形態同様の構成を有する。第一実施形態におけるものに対応する部位には同一の符号を付して説明を省略する。
【0030】
本実施形態は、図9に示すように、前述したコンピュータ1に加え、通信網Nを介してコンピュータ1に接続されたクラウドサーバ2を要素とする。
【0031】
コンピュータ1は、前述した第一実施形態におけるものと同様のハードウェア資源を備えており、補助記憶デバイス1cからメインメモリ1bに読み込まれ、プロセッサ1aによって解読されるプログラムに従ってハードウェア資源を作動させ、少なくとも、図11に示す音声回答データ取得手段101、テキスト化手段102、送信手段111、受信手段112及び表示手段107としての機能を発揮する。
【0032】
前述した音声回答データ取得手段101は、第一実施形態におけるものと同様に機能する。
【0033】
前述したテキスト化手段102も第一実施形態におけるものと略同様に機能するが、テキスト回答データbはキーワード抽出手段103ではなく送信手段111に渡す。
【0034】
送信手段111は、テキスト化手段102からテキスト回答データbを受け取り、通信インタフェース1hを介してクラウドサーバ2に送信する。
【0035】
受信手段112は、通信インタフェース1hを介してクラウドサーバ2からリフォームプランを示す情報dを受信し、表示手段107に渡す。
【0036】
表示手段107は、受信手段112から渡されたリフォームプランを示す情報dをディスプレイ1fの画面に表示して出力する。あるいは、リフォームプランを示す情報dを、プリンタからハードコピー出力したり、特定の記録媒体に書き出したり、コンピュータ1と電気通信回線を介して接続している外部のコンピュータやファクシミリ等に向けて送信(電子メールの形をとることがある)したりする態様で出力する。
【0037】
クラウドサーバ2は、一般的なサーバコンピュータとして周知のものと同様の構成を有する。すなわちこのクラウドサーバ2は、図10に示すように、プロセッサ(Central Procesing Unit)2a、メインメモリ2b、補助記憶デバイス2c、ディスプレイ2f、通信インタフェース2h、操作入力デバイス2i等のハードウェア資源を備え、これらがシステムコントローラやI/Oコントローラ等2jにより制御されて連携動作するものである。そしてこのクラウドサーバ2は、補助記憶デバイス2cからメインメモリ2bに読み込まれ、プロセッサ2aによって解読されるプログラムに従ってハードウェア資源を作動させ、図11に示すように、コンピュータ1からテキスト回答データを受信する受信手段201、受信手段201が受け取ったテキスト回答データからキーワードを抽出しテキスト回答データに関連付けるキーワード抽出手段202、キーワード抽出手段202により抽出されテキスト回答データに関連付けられたキーワードを記憶するデータベース203、抽出手段202により抽出されたキーワードを検索キーとしてデータベース203内から当該キーワードに対応づけられたリフォーム事例を検索する検索手段204、及び検索手段204による検索結果をコンピュータ1に送信する送信手段205としての機能を発揮する。
【0038】
受信手段201は、通信インタフェース1hを介してコンピュータ1からテキスト回答データbを受信し、キーワード抽出手段202に渡す。
【0039】
キーワード抽出手段202は、受信手段201からテキスト回答データbを受け取り、テキスト回答データから顧客Cの潜在的な需要を示唆する特定の語句であるキーワードcを抽出し、データベース203に記憶する。複数のキーワードの組である辞書情報は、予めメインメモリ2bまたは補助記憶デバイス2cに格納しておく。なお、キーワードcは、質問項目Qごとに予め設定されている。
【0040】
データベース203は、メインメモリ2bまたは補助記憶デバイス2cの所要の記憶領域を利用して、キーワード抽出手段202が抽出した質問項目Qごとの対応する回答に含まれるキーワードcを、顧客Cを特定する情報xと関連付けて記憶する。また、このデータベース203は、リフォームプランを示す情報dと、このリフォームプランに対応するキーワードcとを関連付けて別途記憶している。記憶の態様は、第一実施形態におけるデータベース104と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0041】
検索手段204は、顧客Cの回答に含まれるキーワードc、すなわちキーワード抽出手段202が抽出したキーワードcに関連付けられたリフォームプランを示す情報dをデータベース203内から検索し、検索結果であるリフォームプランを示す情報dを送信手段205に渡す。
【0042】
送信手段205は、検索手段204から顧客Cの回答に含まれるキーワードcに関連付けられたリフォームプランを示す情報dを受け取り、通信インタフェース1hを介してコンピュータ1に送信する。
【0043】
本実施形態の処理の流れは、以下の通りである。まず、コンピュータ1により、フローチャートである図12に示すような流れの処理を行う。すなわち、回答受付手段101により、聴取者Iによる質問及び顧客Cの回答を含む音声回答データaを取得し(ステップS101)、テキスト化手段102により質問に対応する音声回答データaからテキスト回答データbを取得して(ステップS102)、送信手段111によりクラウドサーバ2に送信する(ステップS103)。
【0044】
次いで、クラウドサーバ2によりフローチャートである図13に示すような流れの処理を行う。すなわち、受信手段201によりテキスト回答データbを受信し(ステップS201)、キーワード抽出手段202により受信したテキスト回答データbからキーワードcを抽出し(ステップS202)、顧客を示す情報xに関連付けてデータベース203に記憶する(ステップS203)。それから、キーワード抽出手段202により抽出されたキーワードcを検索キーとして検索手段204によりリフォームプランを示す情報dをデータベース103内から検索し(ステップS204)、送信手段205により検索結果であるリフォームプランを示す情報dをコンピュータ1に送信する(ステップS205)。
【0045】
そして、コンピュータ1は、フローチャートである図14に示すように、受信手段112によりクラウドサーバ2からリフォームプランを示す情報dを受信し(ステップS301)、表示手段106によりリフォームプランを示す情報dを出力する(ステップS302)。
【0046】
本実施形態のシステムにおいても、聴取者Iが所定の質問を行い、その質問項目Qに対する顧客Cの音声による音声回答データaをテキスト化手段102によりテキスト化してテキスト回答データbとし、キーワード抽出手段202によりテキスト回答データbからキーワードcを抽出し、抽出されたキーワードcを顧客を示す情報xに関連付けてデータベース203に記憶する。そのため、聴取者Iのスキルや経験に依存することなく顧客Cが潜在的に重視するポイントを発見しやすくできる。
【0047】
さらに、抽出したキーワードcを検索キーとして検索手段204により当該キーワードcに関連付けられたリフォームプランを示す情報dをデータベース203内から検索し、表示手段106により検索結果であるリフォームプランを示す情報dを可視化表示するので、顧客Cが潜在的に重視するポイントに基づきリフォームの提案を行い、成約率の上昇を図ることができる。
【0048】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
【0049】
例えば、聴取者が顧客に行う質問の項目は任意に選択してよい。
【0050】
また、上述した実施形態では、キーワードを顧客を示す情報に関連付けて記憶するとともに、キーワードを検索キーとしてリフォームプランを示す情報をデータベース内から検索し表示するようにしているが、例えば、キーワード及び顧客を示す情報を関連付けて外部の機関に向けて送信し、外部の機関がキーワードに基づきリフォームプランを示す情報を聴取者に向けて送信する態様も考えられる。しかしながら、上述した実施形態のようにキーワードを検索キーとしてリフォームプランを示す情報を検索し出力する機能をも備えたシステムであれば、キーワードに基づきリフォームプランを提示するステップも人手を介さず行うことができるので、リフォームプラン提示者の経験やスキルに左右されず成約率の安定した向上を図ることができるとともに、現地調査開始からリフォームプラン提示までの期日の短縮を図ることもできる。
【0051】
加えて、複数のリフォーム業者や住宅設備会社の展示ブースを備えた、比較的大規模なイベントを開催し、又はショウルームを設営した際においても、本発明のマッチング支援システムを利用し、好適なプランを提示して現地調査に導くことができる。
【0052】
その上、本発明のマッチング支援システムを特許第6762627号公報に示すような建物診断システムと併用してもよい。この場合、顧客の音声による回答データのみならず、建物診断の結果をも顧客を示す情報と関連付けてデータベースに記憶するとともに、建物の劣化箇所と当該劣化箇所への対策として適切なリフォームプランを示す情報とを関連付けてデータベースに記憶するとよく、キーワード及び建物の劣化箇所を検索キーとしてリフォームプランを示す情報をデータベースから検索するようにするとなおよい。
【0053】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
【符号の説明】
【0054】
M、MM…マッチング支援システム
101…音声回答データ取得手段
102…テキスト化手段
103、202…キーワード抽出手段
104、203…データベース
105、204…検索手段
106…表示手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2022-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅のリフォームを希望しまたは検討している顧客についての情報を聴取して蓄積するためのシステムであって、
顧客から情報を聴取しようとする聴取者による所定の質問に対する顧客の音声による回答データを取得する音声回答データ取得手段と、
音声回答データ取得手段が取得した音声回答データをテキスト化しテキスト回答データを得るテキスト化手段と、
テキスト化手段が得たテキスト回答データから各質問に対する回答に対応するキーワードを抽出するキーワード抽出手段と、
キーワード抽出手段が抽出したキーワードを顧客を示す情報に関連付けて記憶するデータベースと
を具備し、
前記キーワードが前記各質問の質問項目に対し予め設定されているマッチング支援システム。
【請求項2】
前記データベースがリフォームプランを示す情報とキーワードとを関連付けて記憶しているとともに、
キーワード抽出手段が抽出したキーワードを検索キーとし、当該キーワードに関連付けられたリフォームプランを示す情報をデータベース内から検索する検索手段と、
前記検索手段による検索結果を可視化表示する表示手段と
をさらに具備する請求項1記載のマッチング支援システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上述した課題を解決するべく、本発明では以下に示すようなマッチング支援システムを構成した。すなわち本発明に係るマッチング支援システムは、住宅のリフォームを希望しまたは検討している顧客についての情報を聴取して蓄積するためのものであって、顧客から情報を聴取しようとする聴取者による所定の質問に対する顧客の音声による回答データを取得する音声回答データ取得手段と、音声回答データ取得手段が取得した音声回答データをテキスト化しテキスト回答データを得るテキスト化手段と、テキスト化手段が得たテキスト回答データから各質問に対する回答に対応するキーワードを抽出するキーワード抽出手段と、キーワード抽出手段が抽出したキーワードを顧客を示す情報に関連付けて記憶するデータベースとを具備し、前記キーワードが前記各質問の質問項目に対し予め設定されているものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
その上で、前記データベースがリフォームプランを示す情報とキーワードとを関連付けて記憶しているとともに、当該キーワードに関連付けられたリフォームプランを示す情報をリフォーム事例情報記憶手段内から検索する検索手段と、検索手段による検索結果を可視化表示する表示手段をさらに具備するものであれば、抽出されたキーワードが示す顧客が潜在的に重視するポイントに対応したリフォームプランを聴取者を介して顧客に示すことができ、成約率を効果的に上昇させることができる。