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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062222
(43)【公開日】2023-05-08
(54)【発明の名称】食器洗浄機
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/42 20060101AFI20230426BHJP
   A47L 15/08 20060101ALI20230426BHJP
   A47L 15/22 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
A47L15/42 J
A47L15/08
A47L15/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021172048
(22)【出願日】2021-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(72)【発明者】
【氏名】柴崎 豊
(57)【要約】
【課題】不要な時に上かごを支持する部材を移動させて上方への洗浄用水を遮らないようにした食器洗浄機を提供することを目的とする。
【解決手段】上面が開口し、上面開口から内部へ被洗浄物を出し入れ可能に収容する洗浄槽と、洗浄槽内に配置され、それぞれ被洗浄物を載置収容する上かご体及び下かご体と、洗浄槽の上面開口を閉塞可能に覆う蓋体と、被洗浄物の洗浄に供される洗浄用水を加圧し循環させる洗浄ポンプと、洗浄ポンプで加圧された洗浄用水を被洗浄物に噴射する回動可能な洗浄ノズルと、を備え、洗浄ノズルの中央部には、鉛直上方に突出して設けられたタワーノズルを有し、タワーノズルに被洗浄物が接触しないように保護するためのノズルガードが、タワーノズルの外周を囲むように下かご体に設けられ、ノズルガードは複数の部材で構成され、複数の部材の内、鉛直上方に移動可能な上部材は、鉛直上方に移動させたときに上かご体を支持するものである。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口し、該上面開口から内部へ被洗浄物を出し入れ可能に収容する洗浄槽と、
該洗浄槽内に配置され、それぞれ前記被洗浄物を載置収容する上かご体及び下かご体と、
前記洗浄槽の前記上面開口を閉塞可能に覆う蓋体と、
前記被洗浄物の洗浄に供される洗浄用水を加圧し循環させる洗浄ポンプと、
該洗浄ポンプで加圧された前記洗浄用水を前記被洗浄物に噴射する回動可能な洗浄ノズルと、を備え、
該洗浄ノズルの中央部には、鉛直上方に突出して設けられたタワーノズルを有し、
該タワーノズルに前記被洗浄物が接触しないように保護するためのノズルガードが、前記タワーノズルの外周を囲むように前記下かご体に設けられ、
前記ノズルガードは複数の部材で構成され、前記複数の部材の内、鉛直上方に移動可能な上部材は、鉛直方向上方に移動させたときに前記上かご体を支持する食器洗浄機。
【請求項2】
前記上部材は、独立して鉛直方向に移動可能な第1の上部材と第2の上部材で構成され、
前記上かご体は分割可能な第1の上かご体と第2の上かご体で構成され、前記第1の上部材は前記第1の上かご体を支持し、前記第2の上部材は前記第2の上かご体を支持する請求項1に記載の食器洗浄機。
【請求項3】
前記上部材は、鉛直方向に複数段階に位置を変更できる請求項1あるいは請求項2に記載の食器洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、食器の洗浄、乾燥を行う食器洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から食器の洗浄、乾燥を行う食器洗浄機は、食器かごに食器などの被洗浄物を載置し、洗浄ノズルから繰り返し被洗浄物に洗浄あるいはすすぎに使用する水を噴射して洗浄するタイプの物が1つの形態として知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-73400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された従来の食器洗浄機は、洗浄槽内に被洗浄物である食器類を収容する上かご体及び下かご体を備え、洗浄槽の中央付近に鉛直上方に伸びたタワー型のノズルが設けられている。また、そのタワー型のノズルの外側には、上かご体を支持する固定された指示部が設けられている。
【0005】
上かご体は可動可能で、下かご体に大きめの食器類を収容するときなどに、上かご体を使用せず跳ね上げて洗浄槽の側壁寄りに保持しておくことができる。コップなどの食器類を収容するときは、上かご体を食器類が載置できる位置に移動させることになるが、そのとき支持部が上かご体を受けて支持するようになっている。
【0006】
特許文献1に開示された従来の食器洗浄機では、支持部材は可動可能でも着脱自在でもなく固定された状態でタワー型のノズルの外側に形成されているので、上かご体を使用しないときにも決まった位置に指示部が存在している。そのため、噴射された洗浄あるいはすすぎに使用する水は支持部を構成する部材によって常に同じ位置で遮られることになるので、洗浄あるいはすすぎに使用する水の噴射の方向と食器類の配置の設定を困難にしている。
【0007】
本開示は、上述の課題を解決するものであり、不要な時に上かご体を支持する部材を移動させて上方への洗浄あるいはすすぎに使用する水を遮らないようにした食器洗浄機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る食器洗浄機は、上面が開口し、上面開口から内部へ被洗浄物を出し入れ可能に収容する洗浄槽と、洗浄槽内に配置され、それぞれ被洗浄物を載置収容する上かご体及び下かご体と、洗浄槽の上面開口を閉塞可能に覆う蓋体と、被洗浄物の洗浄に供される洗浄用水を加圧し循環させる洗浄ポンプと、洗浄ポンプで加圧された洗浄用水を被洗浄物に噴射する回動可能な洗浄ノズルと、を備え、洗浄ノズルの中央部には、鉛直上方に突出して設けられたタワーノズルを有し、タワーノズルに被洗浄物が接触しないように保護するためのノズルガードが、タワーノズルの外周を囲むように下かご体に設けられ、ノズルガードは複数の部材で構成され、複数の部材の内、鉛直上方に移動可能な上部材は、鉛直上方に移動させたときに上かご体を支持するものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る食器洗浄機によれば、タワーノズルの外周を囲むように設けられたノズルガードは複数の部材で構成され、複数の部材の内、鉛直上方に移動可能な上部材は、鉛直上方に移動させたときに上かご体を支持するようにしたので、上かご体を使用しないときはノズルガードの鉛直上方に移動可能な上部材を鉛直上方に移動させる必要がないことから、上かご体を使用せずに大きめの被洗浄物を収容して洗浄するときに、タワーノズルから斜め上方に噴射される洗浄あるいはすすぎに使用する水が遮られることがなく、大きめの被洗浄物の上方にも洗浄用水が放射でき洗浄性能が低下しない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る食器洗浄機の一例を示す食器洗浄機の筐体の外観斜視図である。
図2】実施の形態1に係る食器洗浄機の筐体から洗浄槽を引き出したときの一例を示す外観斜視図である。
図3】実施の形態1に係る食器洗浄機を前後方向で切断した側面方向からの断面を表した模式図である。
図4】実施の形態1に係る食器洗浄機の洗浄槽の壁面を一部切断して見たときの一例を示す斜視図である。
図5】実施の形態1に係る食器洗浄機の洗浄槽に下かご体を収容した状態を洗浄槽開口の上方から見たときの一例を示す平面図である。
図6】実施の形態1に係る食器洗浄機の洗浄槽に下かご体と上かご体を収容した状態を洗浄槽開口の上方から見たときの一例を示す平面図である。
図7】実施の形態1に係る食器洗浄機の下かご体と、下かご体に設けられたノズルガードの上部材を上方に移動させて上かご体を支持している状態と洗浄ノズルとの関係を簡易的に表した斜視図である。
図8図6から上かご体の1つを畳み、下かご体に設けられたノズルガードの上部材の1つを下方に移動させ、もう1つは上方に移動させたまま上かご体の1つを支持している状態と洗浄ノズルとの関係を簡易的に表した斜視図である。
図9図6から上かご体を外し、下かご体に設けられたノズルガードの上部材を下方に移動させて洗浄ノズルとの関係を簡易的に表した斜視図である。
図10】実施の形態1に係る食器洗浄機を前後方向で切断した側面方向からの断面においてノズルからの水の噴射のイメージを表した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
以下、本開示の実施の形態に係る食器洗浄機100について、図面を参照しながら説明する。なお、図1を含む以下の図面では、各構成部材の相対的な寸法の関係及び形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る食器洗浄機の一例を示す食器洗浄機の筐体の外観斜視図、図2は、実施の形態1に係る食器洗浄機の筐体から洗浄槽を引き出したときの一例を示す外観斜視図、図3は、実施の形態1に係る食器洗浄機を前後方向で切断した側面方向からの断面を表した模式図、図4は、実施の形態1に係る食器洗浄機の洗浄槽の壁面を一部切断して見たときの一例を示す斜視図、図5は、実施の形態1に係る食器洗浄機の洗浄槽に下かご体を収容した状態を洗浄槽開口の上方から見たときの一例を示す平面図、図6は、実施の形態1に係る食器洗浄機の洗浄槽に下かご体と上かご体を収容した状態を洗浄槽開口の上方から見たときの一例を示す平面図、図7は、実施の形態1に係る食器洗浄機の下かご体と、下かご体に設けられたノズルガードの上部材を上方に移動させて上かご体を支持している状態と洗浄ノズルとの関係を簡易的に表した斜視図、図8は、図6から上かご体の1つを畳み、下かご体に設けられたノズルガードの上部材の1つを下方に移動させ、もう1つは上方に移動させたまま上かご体の1つを支持している状態と洗浄ノズルとの関係を簡易的に表した斜視図、図9は、図6から上かご体を外し、下かご体に設けられたノズルガードの上部材を下方に移動させて洗浄ノズルとの関係を簡易的に表した斜視図、図10は、実施の形態1に係る食器洗浄機を前後方向で切断した側面方向からの断面においてノズルからの水の噴射のイメージを表した模式図である。図1から図10を参照して食器洗浄機100の各部の構成を説明する。なお、図7から図9は洗浄槽3内における食器かご16と洗浄ノズル5との関係を図示しているものであるが、説明の便宜上、洗浄槽3を省略した図となっていることを述べておく。
【0013】
なお、図1及び図2に示す前後、左右、上下を基本とし、以降の図面で前後、左右、上下を図示したときは、図1及び図2に示す基本の方向と同じ方向であることとする。
【0014】
[食器洗浄機100]
本発明の実施の形態1に係る食器洗浄機100は、例えば、図示しない厨房家具(システムキッチン)に組み込まれて使用される食器洗浄機である。図1及び図2に示すように、食器洗浄機100は、食器洗浄機100の外郭となる筐体1と、筐体1の内部に収容される洗浄槽3と、を有する。
【0015】
また、洗浄槽3の上面に設けられ、洗浄槽3の上面の洗浄槽開口3aを開閉する蓋体14と、洗浄槽3の前方に取り付けられており、筐体1の内部に収容された洗浄槽3を引き出す際に開閉する扉体2と、を備えている。さらに、食器洗浄機100は、洗浄槽3の前方と扉体2との間の空間に、食器洗浄機100の動作を制御する制御部ユニット15を備えている。
【0016】
(筐体)
筐体1は、箱状に形成されており、筐体1の前面側には筐体開口1aが形成されている。筐体1は、例えば金属板を曲げ加工などにより箱状に形成したものである。筐体開口1aは、筐体1の前面を貫通する開口であり、この筐体開口1aには、扉体2が配置されている。
【0017】
この筐体開口1aを介して洗浄槽3が、筐体1の内部に収容され、また、筐体1から外部に引き出される。筐体1と洗浄槽3は、図2に示すスライドレール4で摺動可能に連結されており、洗浄槽3の筐体1への収納、筐体1からの引出しがスライドレール4により円滑に行える。
【0018】
筐体1の内部には、給水弁11が設けられている。給水弁11は、筐体1の外部から洗浄あるいはすすぎに使用する水を、給水ホース12を介して洗浄槽3内に供給し、また、洗浄槽3内への洗浄あるいはすすぎに使用する水の供給を停止する弁である。
【0019】
また、筐体1の内部には、洗浄槽3の後方に、空気を加熱して温風にするための乾燥用ヒーター9と、その温風を洗浄槽3内に供給するための送風ファン10と、がそれぞれ取り付けられている。
【0020】
送風ファン10は、乾燥用ヒーター9により暖められた空気を洗浄槽3内に供給する。すなわち、送風ファン10は、洗浄槽3の内部に洗浄槽3の外部の空気を供給すると共に、供給した空気によって洗浄槽3の内部の空気を食器洗浄機100の外部に排出させる。
【0021】
(洗浄槽)
洗浄槽3は箱状に形成されており、洗浄槽3の上面には洗浄槽開口3aが形成されている。洗浄槽開口3aは、洗浄槽3の上面に形成された開口であり、使用者は、洗浄槽開口3aを介して、図3に示すように洗浄槽3の内部に配置された食器かご16にお皿、お茶碗などの食器類20を収納し、また、洗浄槽3の内部から食器類20を取り出すことができる。
【0022】
洗浄槽3には、洗浄槽3内に貯留される洗浄あるいはすすぎに使用する水の水位を検知する水位検知装置18と、洗浄あるいはすすぎに使用する水の温度を検知する水温検知装置19と、洗浄あるいはすすぎに使用する水を加熱するヒーター7がそれぞれ設けられている。また、洗浄あるいはすすぎに使用する水を加圧して洗浄ノズル5に供給する洗浄ポンプ6は、洗浄槽5の底部の外側に設けられている。
【0023】
前述のように洗浄ポンプ6によって加圧された洗浄あるいはすすぎに使用する水は、洗浄ノズル5に供給される。洗浄ノズル5は、食器かご16の下方、詳しくは食器かご16を構成する下かご体16bの下方に配置されている。
【0024】
また、洗浄ノズル5は、内部に洗浄あるいはすすぎに使用する水が通過する空間を有し、例えば樹脂材料で形成されている。さらに、洗浄ノズル5には複数の噴射孔5bが形成されており、洗浄ポンプ6から加圧されて供給された洗浄あるいはすすぎに使用する水が、噴射孔5bから噴射される。
【0025】
それから、洗浄ノズル5は軸構造50に回動可能に軸支されている。軸構造50は、その内部を洗浄ポンプ6から加圧されて送られた洗浄あるいはすすぎに使用する水が通過し洗浄ノズル5に到達すると、洗浄ノズル5は複数の噴射孔5bの内、側面方向に噴射する噴射孔5bから噴射される洗浄あるいはすすぎに使用する水の反力により、噴射される方向と逆の方向に回転する。そして、洗浄ノズル5が回転しながら食器類20に向けて洗浄あるいはすすぎに使用する水が噴射孔5bより噴射され、食器類20の洗浄あるいはすすぎが行われる。
【0026】
また、洗浄ポンプ6と同様に、洗浄槽5の底部の外側には排水ポンプ8が設けられている。排水ポンプ8は、洗浄槽3内に貯留されている洗浄あるいはすすぎに使用した水を、排水ホース13を介して洗浄槽3外へ排水するものである。
【0027】
筐体1には洗浄槽3が必要なとき以外は前方へ移動しないよう、図3に示すように洗浄槽3を筐体1の内部に保持するための保持機構30が設けられている。洗浄槽3を筐体1の前方向から後方向に向かって所定の保持位置まで押し込むと、洗浄槽3は保持機構30により所定の位置に保持される。このとき保持機構30は、例えばバネ等の弾性体31によって洗浄槽20が引き出される方向(前方向)とは反対の力で付勢されるようになり、洗浄槽20を筐体10内に保持することができる。
【0028】
(蓋体)
蓋体14は、洗浄槽3の上部に形成された洗浄槽開口3aを開閉可能に設けられ、閉塞状態において洗浄槽3の内部と外部とを区画する。蓋体14は、筐体1の内面上部に設けられている。蓋体14には、図示しないリンク機構の一端が取り付けられていて、リンク機構の他端は筐体1の内面上部に取り付けられている。
【0029】
そして、このリンク機構により、蓋体14は、洗浄槽3が筐体1から引き出される際に持ち上げられて洗浄槽3の洗浄槽開口3aを開放し、洗浄槽3が筐体1に収納される際に下降して洗浄槽3の洗浄槽開口3aを閉塞する。また、蓋体14は、リンク機構によって、洗浄槽3が筐体1から引き出される際に、洗浄槽3と一緒に筐体1から引き出されないように、言い換えると筐体1内に留まるように構成されている。
【0030】
(扉体)
図1から図3に示すように、食器洗浄機100の前側には扉体2が設けられている。扉体2は、洗浄槽3の前方に取り付けられ筐体1の筐体開口1aを覆う。扉体2の上部には、筐体1から前側に洗浄槽3を引き出す際に手を掛けるための図示しない手掛け部が設けられている。
【0031】
また、扉体2には、図示しない操作部が設けられている。操作部は、使用者による操作指示の入力を受け付け、これに対応した操作信号を制御部ユニット15に出力するものである。操作部には、食器洗浄機100の電源を入れるための電源スイッチと、食器洗浄機100の運転をスタートさせ、または、一時停止させる運転スイッチとが設けられている。
【0032】
(制御部ユニット)
制御部ユニット15は、図示しないが、例えば、専用のハードウェア、または記憶部に格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を搭載した基板をケースに収納した構成である。制御部ユニット15は、食器洗浄機100を構成する各機器の動作を制御するものである。
【0033】
制御部ユニット15は、水位検知装置18及び水温検知装置19によって検知された情報を受信する。制御部ユニット15は、給水弁11、洗浄ポンプ6、ヒーター7、排水ポンプ8、送風ファン10、乾燥用ヒーター9などを制御する。
【0034】
(食器かご)
食器かご16は、図3及び図10では模式的に簡便に表されているが、図4図7図8に示すように、食器かご16は下かご体16b、上かご体16aで構成される。下かご体16b、上かご体16aは、それぞれ独立して洗浄槽3への着脱が可能である。
【0035】
また、上かご体16aはさらに独立して可動可能な上かご体1(本開示の第1の上かご体)16a1、上かご体2(本開示の第2の上かご体)16a2で構成される。なお、今後の説明において、上かご体1(本開示の第1の上かご体)16a1と上かご体2(本開示の第2の上かご体)16a2をセットで説明するときに、まとめて上かご体16aと記述する場合がある。
【0036】
図5に示すように、まず、下かご体16bを洗浄槽3内に設置する。次に、図6に示すように上かご体16aを設置する。上かご体16aは一体であるが、図8に示すように、上かご回動軸16a3を軸として、上かご体1(本開示の第1の上かご体)16a1、上かご体2(本開示の第2の上かご体)16a2は独立して回動可能である。
【0037】
食器類20も、図3及び図10では模式的に簡便に表されているが、食器類20には、大皿、小皿、お茶碗、汁椀、湯飲み、コップ、箸などが含まれる。食器類20の詳細は図示しないが、大皿、小皿、お茶碗、汁椀、箸などは、下かご体16bに収容し、湯飲み、コップなどは上かご16aに収容する。
【0038】
前述のように図7から図9は洗浄槽3内における食器かご16と洗浄ノズル5との関係を図示しているもので、説明の便宜上、洗浄槽3を省略した図である。図4及び図7から図9に示すように、洗浄ノズル5中央部に鉛直方向上方にタワーノズル5aが設けられている。
【0039】
タワーノズル5aは、深さのある洗浄槽3において上かご体16aに収容された湯飲み、コップなど、あるいは下かご体16bに収容された大皿のような背の高い食器類20へ洗浄あるいはすすぎに使用する水が掛かりやすいようにするために設けられている。
【0040】
図7から図9に示すように、タワーノズル5aは洗浄ノズル5の中央部から鉛直方向上方に、下かご体16bを通過して突出している。そのため、下かご体16bのタワーノズル5aが通過している箇所には食器類20は収容しないようになっている。
【0041】
また、タワーノズル5aに下かご体16bに収容した食器類20が接触して、洗浄ノズル5の回転を阻害したり、洗浄あるいはすすぎに使用する水の噴射を阻害したりしないよう、タワーノズル5aの外周を囲むようにノズルガード17が下かご体16bに設けられている。ノズルガードは、例えば樹脂材料で形成されている。
【0042】
ノズルガード17は複数の部材で構成されており、下かご体16bに固定されているノズルガードベース部材17bと、鉛直方向に上下移動可能な上部材17aを有する。さらに、上部材17aは独立して個別に鉛直方向に上下移動可能な上部材1(本開示の第1の上部材)17a1と上部材2(本開示の第2の上部材)17a2から成っている。なお、今後の説明において、上部材1(本開示の第1の上部材)17a1と上部材2(本開示の第2の上部材)17a2をセットで説明するときに、まとめて上部材17aと記述する場合がある。
【0043】
上部材17aは図7に示すように、鉛直方向上方に移動させたとき、図示しない固定手段によりその位置に固定され、上かご体16aを受けて支持するようになっている。上かご体16aを受けて支持する必要があるため、上部材17aを上かご体16aが支持できる位置まで鉛直方向上方に移動させると、上かご体16aがタワーノズル5aに接触しないように、上かご16aを受ける部位がタワーノズル5aの最先端よりも高い位置まで移動することになる。
【0044】
そのため、図9に示すタワーノズル噴射孔5a1から噴射される洗浄あるいはすすぎに使用する水の内、斜め上方に噴射される分については、上部材17aによって一部遮られることがあるので、洗浄あるいはすすぎに使用する水が効率よく食器類20に当たるように配置を考慮する必要がある。
【0045】
前述のように、上かご体16aは上かご回動軸16a3を軸として、上かご体1(本開示の第1の上かご体)16a1と上かご体2(本開示の第2の上かご体)16a2がそれぞれ独立して回動可能であり、上部材17aは上部材1(本開示の第1の上部材)17a1と上部材2(本開示の第2の上部材)17a2がそれぞれ独立して鉛直方向に上下移動可能となっている。
【0046】
よって、図8に示すように、上かご体1(本開示の第1の上かご体)16a1を使用する必要がないときは、上かご回動軸16a3を軸として、上かご体1(本開示の第1の上かご体)16a1を上方向に回動させておくことができる。
【0047】
上かご体1(本開示の第1の上かご体)16a1を受けて支持する上部材1(本開示の第1の上部材)17a1は、上かご体1(本開示の第1の上かご体)16a1を受ける必要がないので、かご体1(本開示の第1の上かご体)16a1を受ける部位をタワーノズル5aの最先端よりも高い位置に維持しておかなくてもよいことから、図8に示すように、移動可能な範囲で、鉛直方向で最も下となる位置まで下方に移動させておくことができる。
【0048】
図9では、上かご体16aを使用せず取り付けていない状態を表している。図9に示すように上かご体16aを使用しないときには、ノズルガード17の上部材17aを鉛直方向で最も下となる位置まで下方に移動させておくことができる。このように、ノズルガード17の上部材17aは、移動可能な範囲で、少なくとも上かご体16aが支持できる位置と、鉛直方向で最も下となる位置に鉛直方向で固定できる位置の調整が可能になっている。
【0049】
上部材17aを移動可能な範囲で、鉛直方向で最も下となる位置まで移動させると、図9に示すようにタワーノズル5aの先端、さらにはタワーノズル5aに設けられたタワーノズル噴射孔5a1が上部材17aよりも上方に露出するようになる。
【0050】
つまり、上部材17aを移動可能な範囲で、鉛直方向で最も下となる位置まで移動させることにより、タワーノズル噴射孔5a1を上部材17aよりも上方に露出させて、タワーノズル噴射孔5a1から噴射される洗浄あるいはすすぎに使用する水を遮るものがない状態にすることができるということである。
【0051】
タワーノズル噴射孔5a1から噴射される洗浄あるいはすすぎに使用する水を遮るものがない状態であるので、図10に示すように、タワーノズル噴射孔5a1から噴射される洗浄あるいはすすぎに使用する水が、下かご体16bに収容した、例えば大皿のような背の高い食器類20に対しても、その上方にまで阻害されることなく噴射され、洗浄あるいはすすぎに使用する水を食器類20に豊富に当てることができる。
【0052】
以上のような本開示によれば、上かご体16aを受けて支持するノズルガード17の上部材17aを、上かご体16aを使用しないときに鉛直方向で最も下となる位置まで下方に移動させておくことができるので、タワーノズル5aに設けられたタワーノズル噴射孔5a1からの噴射される洗浄あるいはすすぎに使用する水が、背の高い食器類20に対して、その上方にまで阻害されることなく噴射され、洗浄あるいはすすぎに使用する水を食器類20に豊富に当てることができ、洗浄性の向上が図れる食器洗浄機を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0053】
1 筐体、1a 筐体開口、2 扉体、3 洗浄槽、3a 洗浄槽開口、4 スライドレール、5 洗浄ノズル、5a タワーノズル、5a1 タワーノズル噴射孔、5b 噴射孔、6 洗浄ポンプ、7 ヒーター、8 排水ポンプ、9 乾燥用ヒーター、10 送風ファン、11 給水弁、12 給水ホース、13 排水ホース、14 蓋体、15 制御部ユニット、16 食器かご、16a 上かご体、16a1 上かご体1(第1の上かご体)、16a2 上かご体2(第2の上かご体)、16a3 上かご回動軸、16b 下かご体、17 ノズルガード、17a 上部材、17a1 上部材1(第1の上部材)、17a2 上部材2(第2の上部材)、17b ノズルガードベース部材、18 水位検知装置、19 水温検知装置、20 食器類、30 保持機構、31 弾性体、50 軸構造、100 食器洗浄機。
図1
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図3
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図10