(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062263
(43)【公開日】2023-05-08
(54)【発明の名称】空温式蒸発装置
(51)【国際特許分類】
F17C 9/02 20060101AFI20230426BHJP
F17C 13/00 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
F17C9/02
F17C13/00 302A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021172133
(22)【出願日】2021-10-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森下 徹
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 裕策
(72)【発明者】
【氏名】坂口 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】都築 広宣
(72)【発明者】
【氏名】林山 周一
(72)【発明者】
【氏名】光永 正夫
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA03
3E172AA06
3E172AB01
3E172AB04
3E172BA06
3E172BB03
3E172EB03
3E172GA14
3E172GA15
3E172GA17
3E172GA24
3E172GA28
(57)【要約】
【課題】気化ガスの製造有無に拘わらず、熱交換器を解氷する。
【解決手段】空温式蒸発装置100は、液化ガスタンク110と、空温式熱交換器120と、液化ガスタンクと、供給開閉弁132A、132Bが設けられ、空温式熱交換器の入口とを接続する供給流路130と、送出開閉弁142A、142Bが設けられ、空温式熱交換器の出口と気化ガスの利用先とを接続する送出流路140と、供給流路における供給開閉弁と空温式熱交換器の入口との間と、送出流路における空温式熱交換器の出口と送出開閉弁との間とを接続するバイパス流路160と、バイパス流路に設けられたバイパス開閉弁162A~162Dと、送出流路に設けられ、気化ガスを加熱する加熱部150と、バイパス流路に設けられ、加熱部によって加熱された気化ガスを吸入して空温式熱交換器に吐出する、もしくは、空温式熱交換器内の気化ガスを吸入して加熱部に吐出するブロワー170と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
沸点が約-33℃以下の液化ガスを貯留する液化ガスタンクと、
前記液化ガスの入口、および、前記液化ガスが気化したことで生じる気化ガスの出口を有し、外気と前記液化ガスとを熱交換させる空温式熱交換器と、
前記液化ガスタンクと、前記空温式熱交換器の前記入口とを接続する供給流路と、
前記供給流路に設けられた供給開閉弁と、
前記空温式熱交換器の前記出口と、前記気化ガスの利用先とを接続する送出流路と、
前記送出流路に設けられた送出開閉弁と、
前記供給流路における前記供給開閉弁と前記空温式熱交換器の前記入口との間と、前記送出流路における前記空温式熱交換器の前記出口と前記送出開閉弁との間とを接続するバイパス流路と、
前記バイパス流路に設けられたバイパス開閉弁と、
前記送出流路に設けられ、前記気化ガスを加熱する加熱部と、
前記バイパス流路に設けられ、前記加熱部によって加熱された前記気化ガスを吸入して前記空温式熱交換器に吐出する、もしくは、前記空温式熱交換器内の前記気化ガスを吸入して前記加熱部に吐出するブロワーと、
を備える、空温式蒸発装置。
【請求項2】
前記供給開閉弁、前記送出開閉弁、前記バイパス開閉弁、前記加熱部、および、前記ブロワーを制御する中央制御部を備え、
前記中央制御部は、前記供給開閉弁および前記送出開閉弁を開弁し、前記バイパス開閉弁を閉弁し、前記ブロワーを停止する蒸発処理と、
前記供給開閉弁および前記送出開閉弁を閉弁し、前記バイパス開閉弁を開弁し、前記加熱部および前記ブロワーを駆動する解氷処理と、
を排他的に実行する、請求項1に記載の空温式蒸発装置。
【請求項3】
前記空温式熱交換器を複数備える請求項1に記載の空温式蒸発装置。
【請求項4】
前記供給開閉弁、前記送出開閉弁、前記バイパス開閉弁、前記加熱部、および、前記ブロワーを制御する中央制御部を備え、
前記中央制御部は、
前記供給開閉弁および前記送出開閉弁を開弁し、前記バイパス開閉弁を閉弁し、前記ブロワーを停止する蒸発処理と、
前記供給開閉弁および前記送出開閉弁を閉弁し、前記バイパス開閉弁を開弁し、前記加熱部および前記ブロワーを駆動する解氷処理と、
を実行し、
1の前記空温式熱交換器において前記解氷処理を実行している間、他の前記空温式熱交換器において前記蒸発処理を実行する、請求項3に記載の空温式蒸発装置。
【請求項5】
前記液化ガスは、液化燃料ガスである、請求項1から4のいずれか1項に記載の空温式蒸発装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外気の熱で液化ガスを気化させる空温式蒸発装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液化天然ガスを気化する場合、液化天然ガスを熱交換器で加熱して蒸発させる。液化天然ガスを加熱する熱交換器として、温水式蒸発器、または、空温式蒸発器が利用されている。
【0003】
温水式蒸発器は、温水を貯留する貯留プールと、貯留プール内に設けられた熱交換器とを備え、温水の熱で液化天然ガスを加熱する。しかし、温水式蒸発器は、温水を生成するために莫大なエネルギー、例えば、蒸発させる液化天然ガスの2%程度を消費してしまう。
【0004】
一方、空温式蒸発器は、外気と液化天然ガスとを熱交換する熱交換器を備える。空温式蒸発器は、外気の熱で液化天然ガスを加熱するため、液化天然ガスの加熱に要するエネルギーを最小限に抑えることができる。しかし、液化天然ガスの沸点は約-160℃程度とかなり低温であるため、長期間にわたって熱交換を行うと、熱交換器の表面に大気中の水分が氷結して蓄積し、液化天然ガスの蒸発効率が大幅に低下するという問題があった。
【0005】
そこで、複数の空温式蒸発器を備え、熱交換器の表面に着氷した場合、着氷した空温式蒸発器への液化天然ガスの供給を停止し、着氷されていない他の空温式蒸発器で蒸発された天然ガスを、着氷した空温式蒸発器に通過させて、解氷する技術が開発されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1の技術では、液化天然ガス等の液化ガスを気化させて気化ガスを製造している間しか解氷ができないという課題がある。
【0008】
本発明は、気化ガスの製造有無に拘わらず、熱交換器を解氷することが可能な空温式蒸発装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の空温式蒸発装置は、沸点が約-33℃以下の液化ガスを貯留する液化ガスタンクと、液化ガスの入口、および、液化ガスが気化したことで生じる気化ガスの出口を有し、外気と液化ガスとを熱交換させる空温式熱交換器と、液化ガスタンクと、空温式熱交換器の入口とを接続する供給流路と、供給流路に設けられた供給開閉弁と、空温式熱交換器の出口と、気化ガスの利用先とを接続する送出流路と、送出流路に設けられた送出開閉弁と、供給流路における供給開閉弁と空温式熱交換器の入口との間と、送出流路における空温式熱交換器の出口と送出開閉弁との間とを接続するバイパス流路と、バイパス流路に設けられたバイパス開閉弁と、送出流路に設けられ、気化ガスを加熱する加熱部と、バイパス流路に設けられ、加熱部によって加熱された気化ガスを吸入して空温式熱交換器に吐出する、もしくは、空温式熱交換器内の気化ガスを吸入して加熱部に吐出するブロワーと、を備える。
【0010】
また、上記空温式蒸発装置は、供給開閉弁、送出開閉弁、バイパス開閉弁、加熱部、および、ブロワーを制御する中央制御部を備え、中央制御部は、供給開閉弁および送出開閉弁を開弁し、バイパス開閉弁を閉弁し、ブロワーを停止する蒸発処理と、供給開閉弁および送出開閉弁を閉弁し、バイパス開閉弁を開弁し、加熱部およびブロワーを駆動する解氷処理と、を排他的に実行してもよい。
【0011】
また、上記空温式蒸発装置は、空温式熱交換器を複数備えてもよい。
【0012】
また、上記空温式蒸発装置は、供給開閉弁、送出開閉弁、バイパス開閉弁、加熱部、および、ブロワーを制御する中央制御部を備え、中央制御部は、供給開閉弁および送出開閉弁を開弁し、バイパス開閉弁を閉弁し、ブロワーを停止する蒸発処理と、供給開閉弁および送出開閉弁を閉弁し、バイパス開閉弁を開弁し、加熱部およびブロワーを駆動する解氷処理と、を実行し、1の空温式熱交換器において解氷処理を実行している間、他の空温式熱交換器において蒸発処理を実行してもよい。
また、液化ガスは、液化燃料ガスであってもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、気化ガスの製造有無に拘わらず、熱交換器を解氷することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態に係る空温式蒸発装置を説明する図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る蒸発処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図5】本発明の実施形態に係る解氷処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図8】変形例に係る空温式蒸発装置を説明する図である。
【
図9】変形例に係る蒸発処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図10】変形例に係る解氷処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図11】変形例に係る解氷処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0016】
[空温式蒸発装置100]
図1は、本発明の実施形態に係る空温式蒸発装置100を説明する図である。空温式蒸発装置100は、外気の熱で液化ガスを加熱して蒸発させる。液化ガスは、約-33℃以下の沸点(標準沸点)を有する物質が液化したものである。約-33℃以下の沸点を有する物質は、例えば、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、水素、アンモニア、窒素、および、酸素である。なお、メタンの沸点は、-161.6℃である。エタンの沸点は、-89℃である。エチレンの沸点は、-103.7℃である。プロパンの沸点は、-42℃である。プロピレンの沸点は、-47.6℃である。水素の沸点は、-252.87℃である。アンモニアの沸点は、-33.34℃である。窒素の沸点は、-195.79℃である。酸素の沸点は、-182.96℃である。液化ガスは、例えば、液化天然ガス(LNG)、液化メタン、液化エタン、液化エチレン、液化プロパン、液化プロピレン、液化水素、液化アンモニウム等の液化燃料ガス、液化窒素、ならびに、液化酸素のうちのいずれか1または複数である。
【0017】
図1に示すように、空温式蒸発装置100は、液化ガスタンク110と、空温式熱交換器120と、供給流路130と、供給開閉弁132A、132Bと、送出流路140と、送出開閉弁142A、142Bと、加熱部150と、バイパス流路160と、バイパス開閉弁162A~162Dと、ブロワー170と、切換機構180と、温度センサ190と、中央制御部200とを含む。
【0018】
液化ガスタンク110は、液化ガスを貯留する。
【0019】
空温式熱交換器120は、液化ガスタンク110から供給された液化ガスと外気とを熱交換させる。これにより、液化ガスは、外気の熱によって気化して、気化ガスとなる。本実施形態において、空温式蒸発装置100は、2台の空温式熱交換器120(
図1中、120A、120Bで示す)を備える。
【0020】
空温式熱交換器120は、熱交換器本体122と、入口124と、出口126とを有する。熱交換器本体122は、液化ガスと外気とを熱交換させる。入口124は、熱交換器本体122の下部に設けられる。出口126は、熱交換器本体122における入口124の上方に設けられる。したがって、液化ガスは、入口124を通じて空温式熱交換器120内に供給され、空温式熱交換器120内を下部から上部に向かって流れることになる。そして、液化ガスは、空温式熱交換器120を通過する過程で外気と熱交換され、気化する。こうして、液化ガスが気化することで生じた気化ガスは、出口126を通じて送出される。
【0021】
供給流路130は、液化ガスタンク110と、空温式熱交換器120A、120Bの入口124とを接続する。本実施形態において、供給流路130は、第1供給流路130aと、第2供給流路130bとを含む。
【0022】
第1供給流路130aは、液化ガスタンク110の底部と、空温式熱交換器120Aの入口124とを接続する。供給開閉弁132Aは、第1供給流路130aに設けられる。供給開閉弁132Aは、第1供給流路130aを開閉する。
【0023】
第2供給流路130bは、第1供給流路130aにおける、液化ガスタンク110の底部と、供給開閉弁132Aとの間から分岐され、空温式熱交換器120Bの入口124に接続される。供給開閉弁132Bは、第2供給流路130bに設けられる。供給開閉弁132Bは、第2供給流路130bを開閉する。
【0024】
送出流路140は、空温式熱交換器120A、120Bの出口126と、気化ガスの利用先102とを接続する。本実施形態において、送出流路140は、第1送出流路140aと、第2送出流路140bとを含む。
【0025】
第1送出流路140aは、空温式熱交換器120Aの出口126と利用先102とを接続する。送出開閉弁142Aは、第1送出流路140aに設けられる。送出開閉弁142Aは、第1送出流路140aを開閉する。
【0026】
第2送出流路140bは、空温式熱交換器120Bの出口126と利用先102とを接続する。送出開閉弁142Bは、第2送出流路140bに設けられる。送出開閉弁142Bは、第2送出流路140bを開閉する。
【0027】
加熱部(加熱器)150は、送出流路140に設けられる。本実施形態において、加熱部150は、第1送出流路140aにおける空温式熱交換器120Aの出口126と送出開閉弁142Aとの間、および、第2送出流路140bにおける空温式熱交換器120Bの出口126と送出開閉弁142Bとの間に設けられる。加熱部150は、空温式熱交換器120A、120Bから送出された気化ガスを加熱する。加熱部150は、気化ガスを例えば、約10℃に加熱する。加熱部150は、例えば、電気ヒータまたは温水ヒータである。
【0028】
バイパス流路160は、供給流路130における供給開閉弁132A、132Bと空温式熱交換器120A、120Bの入口124との間と、送出流路140における空温式熱交換器120A、120Bの出口126と送出開閉弁142A、142Bとの間とを接続する。バイパス流路160は、不図示の保温機構によって保温される。
【0029】
本実施形態において、バイパス流路160は、第1バイパス流路160aと、第2バイパス流路160bと、第3バイパス流路160cと、第4バイパス流路160dとを含む。
【0030】
第1バイパス流路160aは、第1供給流路130aにおける供給開閉弁132Aと空温式熱交換器120Aの入口124との間と、ブロワー170の吐出側とを接続する。バイパス開閉弁162Aは、第1バイパス流路160aに設けられる。バイパス開閉弁162Aは、第1バイパス流路160aを開閉する。
【0031】
第2バイパス流路160bは、第2供給流路130bにおける供給開閉弁132Bと空温式熱交換器120Bの入口124との間と、第1バイパス流路160aにおけるバイパス開閉弁162Aとブロワー170の吐出側との間とを接続する。バイパス開閉弁162Bは、第2バイパス流路160bに設けられる。バイパス開閉弁162Bは、第2バイパス流路160bを開閉する。
【0032】
第3バイパス流路160cは、第1送出流路140aにおける加熱部150と送出開閉弁142Aとの間と、ブロワー170の吸入側とを接続する。バイパス開閉弁162Cは、第3バイパス流路160cに設けられる。バイパス開閉弁162Cは、第3バイパス流路160cを開閉する。
【0033】
第4バイパス流路160dは、第2送出流路140bにおける加熱部150と送出開閉弁142Bとの間と、第3バイパス流路160cにおけるバイパス開閉弁162Cとブロワー170の吸入側との間とを接続する。バイパス開閉弁162Dは、第4バイパス流路160dに設けられる。バイパス開閉弁162Dは、第4バイパス流路160dを開閉する。
【0034】
なお、詳しくは後述するが、バイパス開閉弁162Aおよびバイパス開閉弁162Cは、同じタイミングで開閉される。また、バイパス開閉弁162Bおよびバイパス開閉弁162Dは、同じタイミングで開閉される。さらに、バイパス開閉弁162Aおよびバイパス開閉弁162Cと、バイパス開閉弁162Bおよびバイパス開閉弁162Dとは、排他的に開閉される。
【0035】
ブロワー170は、バイパス流路160に設けられる。ブロワー170は、加熱部150によって加熱された気化ガスを吸入して空温式熱交換器120A、120Bに吐出する、もしくは、空温式熱交換器120A、120B内の気化ガスを吸入して加熱部150に吐出する。
【0036】
切換機構180は、第1切換流路180aと、第2切換流路180bと、第3切換流路180cと、第4切換流路180dと、切換開閉弁182A~182Dとを含む。
【0037】
第1切換流路180aは、ブロワー170の吐出側と、第1バイパス流路160aとを接続する。第2切換流路180bは、ブロワー170の吐出側と、第3バイパス流路160cとを接続する。
【0038】
第3切換流路180cは、ブロワー170の吸入側と、第1バイパス流路160aとを接続する。第4切換流路180dは、ブロワー170の吸入側と、第3バイパス流路160cとを接続する。
【0039】
なお、第1切換流路180a、第2切換流路180b、第3切換流路180c、および、第4切換流路180dは、不図示の保温機構によって保温される。
【0040】
切換開閉弁182Aは、第1切換流路180aに設けられる。切換開閉弁182Aは、第1切換流路180aを開閉する。切換開閉弁182Bは、第2切換流路180bに設けられる。切換開閉弁182Bは、第2切換流路180bを開閉する。切換開閉弁182Cは、第3切換流路180cに設けられる。切換開閉弁182Cは、第3切換流路180cを開閉する。切換開閉弁182Dは、第4切換流路180dに設けられる。切換開閉弁182Dは、第4切換流路180dを開閉する。
【0041】
なお、詳しくは後述するが、切換開閉弁182Aおよび切換開閉弁182Dは、同じタイミングで開閉される。また、切換開閉弁182Bおよび切換開閉弁182Cは、同じタイミングで開閉される。さらに、切換開閉弁182Aおよび切換開閉弁182Dと、切換開閉弁182Bおよび切換開閉弁182Cとは、排他的に開閉される。
【0042】
温度センサ190は、空温式熱交換器120A、120B(熱交換器本体122)の外表面の温度を測定する。温度センサ190は、例えば、熱電対表面温度計である。
【0043】
中央制御部200は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成される。中央制御部200は、ROMからCPUを動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出す。中央制御部200は、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して空温式蒸発装置100全体を管理および制御する。
【0044】
本実施形態において、中央制御部200は、開閉制御部210、駆動制御部212として機能する。開閉制御部210は、供給開閉弁132A、132B、送出開閉弁142A、142B、バイパス開閉弁162A~162D、および、切換開閉弁182A~182Dを開閉する。駆動制御部212は、加熱部150、および、ブロワー170を駆動したり、停止したりする。開閉制御部210および駆動制御部212の詳細については、後に説明する。
【0045】
[気化ガス製造方法]
本実施形態に係る気化ガス製造方法において、中央制御部200は、空温式熱交換器120Aおよび空温式熱交換器120Bにおいて、液化ガスを気化させる蒸発処理を実行する。そして、蒸発処理を実行することによって、空温式熱交換器120Aまたは空温式熱交換器120Bの外表面に着氷が生じると、中央制御部200は、着氷が生じた空温式熱交換器120Aまたは空温式熱交換器120Bに対し、解氷処理を実行する。
【0046】
なお、本実施形態において、中央制御部200は、空温式熱交換器120Aにおいて蒸発処理を実行している間に、空温式熱交換器120Bにおいて解氷処理を実行する。同様に、中央制御部200は、空温式熱交換器120Bにおいて蒸発処理を実行している間に、空温式熱交換器120Aにおいて解氷処理を実行する。また、蒸発処理は、空温式熱交換器120Aと空温式熱交換器120Bとで交互に実行される。以下、蒸発処理および解氷処理について説明する。
【0047】
[蒸発処理]
図2は、本発明の実施形態に係る蒸発処理の流れを説明するフローチャートである。
図2に示すように、蒸発処理は、第1蒸発処理S110と、第1判定処理S120と、第2蒸発処理S130と、第2判定処理S140とを含む。以下、各処理について説明する。なお、初期状態において、供給開閉弁132A、132B、送出開閉弁142A、142B、バイパス開閉弁162A~162D、および、切換開閉弁182A~182Dは閉弁されているものとする。また、初期状態は、利用先102に気化ガスを供給する前の状態である。
【0048】
[第1蒸発処理S110]
図3は、第1蒸発処理S110を説明する図である。なお、
図3中、白色の弁は、開弁状態を示し、黒色の弁は、閉弁状態を示す。また、
図3中、実線の矢印は、液化ガスおよび気化ガスの流れを示す。
【0049】
図3に示すように、第1蒸発処理S110において、開閉制御部210は、供給開閉弁132Aおよび送出開閉弁142Aを開弁し、供給開閉弁132B、送出開閉弁142B、および、バイパス開閉弁162A、162Cを閉弁する。
【0050】
これにより、液化ガスタンク110に貯留された液化ガスは、第1供給流路130aを通じて、自重で空温式熱交換器120Aに移動する。そして、液化ガスは、空温式熱交換器120Aにおいて、外気と熱交換がなされ、蒸発して気化ガスとなる。こうして製造された気化ガスは、第1送出流路140aを通じて利用先102に供給される。
【0051】
[第1判定処理S120]
図2に戻って説明すると、第1判定処理S120において、開閉制御部210は、第1運転時間H1が経過した、もしくは、温度センサ190によって測定された空温式熱交換器120Aの温度Taが第1温度閾値Tmin未満であるか否かを判定する。
【0052】
第1運転時間H1は、第1蒸発処理S110を開始してからの経過時間である。第1運転時間H1は、後述する解氷処理を実行しない夏場等の期間において、蒸発処理を空温式熱交換器120Aから空温式熱交換器120Bへ切り換えるために設定される時間である。第1運転時間H1は、例えば、12時間である。また、第1温度閾値Tminは、空温式熱交換器120の外表面に着氷が生じているとみなすことができる温度である。第1温度閾値Tminは、例えば、-1℃である。
【0053】
その結果、第1運転時間H1が経過した、もしくは、空温式熱交換器120Aの温度Taが第1温度閾値Tmin未満であると判定した場合(S120におけるYES)、開閉制御部210は、第2蒸発処理S130に処理を移す。一方、第1運転時間H1が経過しておらず、かつ、空温式熱交換器120Aの温度Taが第1温度閾値Tmin未満ではない(第1温度閾値Tmin以上である)と判定した場合(S120におけるNO)、開閉制御部210は、第1判定処理S120を繰り返す。
【0054】
[第2蒸発処理S130]
図4は、第2蒸発処理S130を説明する図である。なお、
図4中、白色の弁は、開弁状態を示し、黒色の弁は、閉弁状態を示す。また、
図4中、実線の矢印は、液化ガスおよび気化ガスの流れを示す。
【0055】
図4に示すように、第2蒸発処理S130において、開閉制御部210は、供給開閉弁132Bおよび送出開閉弁142Bを開弁し、供給開閉弁132A、送出開閉弁142A、および、バイパス開閉弁162B、162Dを閉弁する。
【0056】
これにより、液化ガスタンク110に貯留された液化ガスは、第2供給流路130bを通じて、自重で空温式熱交換器120Bに移動する。そして、液化ガスは、空温式熱交換器120Bにおいて、外気と熱交換がなされ、蒸発して気化ガスとなる。こうして製造された気化ガスは、第2送出流路140bを通じて利用先102に供給される。
【0057】
[第2判定処理S140]
図2戻って説明すると、第2判定処理S140において、開閉制御部210は、第2運転時間H2が経過した、もしくは、温度センサ190によって測定された空温式熱交換器120Bの温度Tbが第1温度閾値Tmin未満であるか否かを判定する。
【0058】
第2運転時間H2は、第2蒸発処理S130を開始してからの経過時間である。第2運転時間H2は、上記第1運転時間H1と同様に、解氷処理を実行しない夏場等の期間において、蒸発処理を空温式熱交換器120Bから空温式熱交換器120Aへ切り換えるために設定される時間である。第2運転時間H2は、第1運転時間H1と等しくてもよいし、第1運転時間H1と異なっていてもよい。
【0059】
その結果、第2運転時間H2が経過した、もしくは、空温式熱交換器120Bの温度Tbが第1温度閾値Tmin未満であると判定した場合(S140におけるYES)、開閉制御部210は、第1蒸発処理S110からの処理を繰り返す。一方、第2運転時間H2が経過しておらず、かつ、空温式熱交換器120Bの温度Tbが第1温度閾値Tmin未満ではない(第1温度閾値Tmin以上である)と判定した場合(S140におけるNO)、開閉制御部210は、第2判定処理S140を繰り返す。
【0060】
なお、蒸発処理において、駆動制御部212は、加熱部150を駆動させてもよいし、停止させてもよい。例えば、蒸発処理において、駆動制御部212は、利用先102において要求される気化ガスの温度に応じて、加熱部150の駆動を制御する。
【0061】
[解氷処理]
続いて、本実施形態に係る解氷処理について説明する。なお、解氷処理は、温度センサ190によって測定された温度Ta、Tbが第1温度閾値Tmin未満となった場合に開始される。例えば、温度センサ190によって測定された温度Taが第1温度閾値Tmin未満となった場合(第1判定処理S120におけるYES)、空温式熱交換器120Aに対して解氷処理が実行される。また、温度センサ190によって測定された温度Tbが第1温度閾値Tmin未満となった場合(第2判定処理S140におけるYES)、空温式熱交換器120Bに対して解氷処理が実行される。したがって、上述した第1判定処理S120から第2蒸発処理S130へ処理が移行するタイミング、および、第2判定処理S140から第1蒸発処理S110へ処理が移行するタイミングで、解氷処理が実行されることとなる。
【0062】
図5は、本発明の実施形態に係る解氷処理の流れを説明するフローチャートである。
図5に示すように、解氷処理は、着氷位置判定処理S150と、第1解氷処理S160と、第2解氷処理S170と、終了判定処理S180と、停止処理S190とを含む。以下、各処理について説明する。
【0063】
[着氷位置判定処理S150]
着氷位置判定処理S150において、中央制御部200は、空温式熱交換器120において着氷が生じた位置(以下、「着氷位置」という)が上部であるか、下部であるかを判定する。なお、中央制御部200は、温度センサ190による測定によって、着氷位置を判定してもよいし、不図示の赤外線センサによって着氷位置を判定してもよい。
【0064】
その結果、着氷位置が上部であると判定した場合(S150におけるYES)、中央制御部200は、第1解氷処理S160に処理を移す。一方、着氷位置が下部であると判定した場合(S150におけるNO)、中央制御部200は、第2解氷処理S170に処理を移す。
【0065】
[第1解氷処理S160]
第1解氷処理S160は、空温式熱交換器120の上部から下部に向かって、高温の気化ガスを循環させる処理である。
【0066】
図6は、第1解氷処理S160を説明する図である。なお、
図6中、白色の弁は、開弁状態を示し、黒色の弁は、閉弁状態を示す。また、
図6中、実線の矢印は、バイパス流路160を流れる気化ガスの流れを示す。なお、ここでは、空温式熱交換器120Bにおいて第2蒸発処理S130が実行され、空温式熱交換器120Bの温度Tbが第1温度閾値Tmin未満となった場合(第2判定処理S140におけるYES)に、空温式熱交換器120Aおいて第1蒸発処理S110の実行が開始され、第1蒸発処理S110を実行している間に、空温式熱交換器120Bにおいて第1解氷処理S160を実行する場合を例に挙げる。
【0067】
図6に示すように、空温式熱交換器120Bに対する第1解氷処理S160において、開閉制御部210は、供給開閉弁132B、送出開閉弁142B、および、切換開閉弁182A、182Dを閉弁し、バイパス開閉弁162B、162D、および、切換開閉弁182B、182Cを開弁する。また、第1解氷処理S160において、駆動制御部212は、加熱部150およびブロワー170を駆動する。
【0068】
そうすると、第1解氷処理S160が実行される直前の蒸発処理において、空温式熱交換器120B内に残留した液化ガスおよび気化ガスのうちのいずれか一方または両方が、空温式熱交換器120Bの入口124、第2バイパス流路160b、第1バイパス流路160a、および、第3切換流路180cを通じてブロワー170に吸引される。そして、ブロワー170から吐出された気化ガスは、第2切換流路180b、第3バイパス流路160c、および、第4バイパス流路160dを通じて加熱部150に供給される。加熱部150において加熱された高温(例えば、10℃程度)の気化ガスは、空温式熱交換器120Bの出口126を通じて空温式熱交換器120B内に供給される。
【0069】
このように、高温の気化ガスは、空温式熱交換器120Bの出口126から入口124に向かって、つまり、空温式熱交換器120B内を上部から下部に向かって流れることになる。そうすると、空温式熱交換器120B内を通過する高温の気化ガスと、空温式熱交換器120Bの外表面に生じた着氷とで熱交換がなされ、着氷が融解(解氷)する。
【0070】
また、上記したように、第1解氷処理S160では、高温の気化ガスは、空温式熱交換器120B内を上部から下部に向かって流れる。これにより、空温式熱交換器120Bの上部に付着した着氷を効率よく融解することが可能となる。
【0071】
なお、空温式熱交換器120Aにおいて第1蒸発処理S110が実行され、空温式熱交換器120Aの温度Taが第1温度閾値Tmin未満となった場合(第1判定処理S120におけるYES)に、空温式熱交換器120Bおいて第2蒸発処理S130の実行が開始され、第2蒸発処理S130を実行している間に、空温式熱交換器120Aにおいて第1解氷処理S160を実行する場合、開閉制御部210は、供給開閉弁132A、送出開閉弁142A、および、切換開閉弁182A、182Dを閉弁し、バイパス開閉弁162A、162C、および、切換開閉弁182B、182Cを開弁する。また、駆動制御部212は、加熱部150およびブロワー170を駆動する。
【0072】
[第2解氷処理S170]
図5に戻って説明すると、第2解氷処理S170は、空温式熱交換器120の下部から上部に向かって気化ガスを循環させる処理である。
【0073】
図7は、第2解氷処理S170を説明する図である。なお、
図7中、白色の弁は、開弁状態を示し、黒色の弁は、閉弁状態を示す。また、
図7中、実線の矢印は、バイパス流路160を流れる気化ガスの流れを示す。なお、ここでは、空温式熱交換器120Bにおいて第2蒸発処理S130が実行され、空温式熱交換器120Bの温度Tbが第1温度閾値Tmin未満となった場合(第2判定処理S140におけるYES)に、空温式熱交換器120Aおいて第1蒸発処理S110の実行が開始され、第1蒸発処理S110を実行している間に、空温式熱交換器120Bにおいて第2解氷処理S170を実行する場合を例に挙げる。
【0074】
図7に示すように、空温式熱交換器120Bに対する第2解氷処理S170において、開閉制御部210は、供給開閉弁132B、送出開閉弁142B、および、切換開閉弁182B、182Cを閉弁し、バイパス開閉弁162B、162D、および、切換開閉弁182A、182Dを開弁する。また、第2解氷処理S170において、駆動制御部212は、加熱部150およびブロワー170を駆動する。
【0075】
そうすると、第2解氷処理S170が実行される直前の蒸発処理において、空温式熱交換器120B内に残留した液化ガスおよび気化ガスのうちのいずれか一方または両方が、空温式熱交換器120Bの出口126を通じて加熱部150に供給される。加熱部150において加熱された高温の気化ガスは、第4バイパス流路160d、第3バイパス流路160c、および、第4切換流路180dを通じてブロワー170に吸引される。そして、ブロワー170から吐出された高温の気化ガスは、第1切換流路180a、第1バイパス流路160a、第2バイパス流路160b、および、空温式熱交換器120Bの入口124を通じて空温式熱交換器120B内に供給される。
【0076】
このように、高温の気化ガスは、空温式熱交換器120Bの入口124から出口126に向かって、つまり、空温式熱交換器120B内を下部から上部に向かって流れることになる。そうすると、空温式熱交換器120B内を通過する高温の気化ガスと、空温式熱交換器120Bの外表面に生じた着氷とで熱交換がなされ、着氷が融解する。
【0077】
また、上記したように、第2解氷処理S170では、高温の気化ガスは、空温式熱交換器120B内を下部から上部に向かって流れる。これにより、空温式熱交換器120Bの下部に付着した着氷を効率よく融解することが可能となる。
【0078】
なお、空温式熱交換器120Aにおいて第1蒸発処理S110が実行され、空温式熱交換器120Aの温度Taが第1温度閾値Tmin未満となった場合(第1判定処理S120におけるYES)に、空温式熱交換器120Bおいて第2蒸発処理S130の実行が開始され、第2蒸発処理S130を実行している間に、空温式熱交換器120Aにおいて第2解氷処理S170を実行する場合、開閉制御部210は、供給開閉弁132A、送出開閉弁142A、および、切換開閉弁182B、182Cを閉弁し、バイパス開閉弁162A、162C、および、切換開閉弁182A、182Dを開弁する。また、駆動制御部212は、加熱部150およびブロワー170を駆動する。
【0079】
[終了判定処理S180]
図5に戻って説明すると、終了判定処理S180において、開閉制御部210は、温度センサ190によって測定された空温式熱交換器120(第1解氷処理S160または第2解氷処理S170を実行している空温式熱交換器120)の温度Tが第2温度閾値Tmax以上であるか否かを判定する。第2温度閾値Tmaxは、第1温度閾値Tmin超の
温度であり、空温式熱交換器120の外表面が解氷されたとみなすことができる温度である。第2温度閾値Tmaxは、例えば、5℃である。
【0080】
その結果、空温式熱交換器120の温度Tが第2温度閾値Tmax以上であると判定した場合(S180におけるYES)、開閉制御部210は、停止処理S190に処理を移す。一方、空温式熱交換器120の温度Tが第2温度閾値Tmax以上ではない、つまり、第2温度閾値Tmax未満であると判定した場合(S180におけるNO)、開閉制御部210は、終了判定処理S180を繰り返す。
【0081】
[停止処理S190]
停止処理S190において、開閉制御部210は、バイパス開閉弁162A~162D、および、切換開閉弁182A~182Dを閉弁する。
【0082】
また、停止処理S190において、駆動制御部212は、ブロワー170を停止する。なお、駆動制御部212は、当該解氷処理と並行して実行されている蒸発処理において、加熱部150の駆動が必要である場合、加熱部150の駆動を維持する。一方、駆動制御部212は、当該解氷処理と並行して実行されている蒸発処理において、加熱部150の駆動が不要である場合、加熱部150を停止する。
【0083】
以上説明したように、本実施形態に係る空温式蒸発装置100は、加熱部150、バイパス流路160、および、ブロワー170を備える。したがって、空温式蒸発装置100は、加温された気化ガスを空温式熱交換器120内に循環させることができる。このため、空温式蒸発装置100は、液化ガスタンク110から空温式熱交換器120内に液化ガスが供給されていなくても、つまり、気化ガスの製造有無に拘わらず、空温式熱交換器120を解氷することができる。
【0084】
また、空温式蒸発装置100は、高温の気化ガスによって、空温式熱交換器120の内側から加熱(解氷)する。このため、空温式熱交換器120の外表面と氷との間に、液体の水の層を生成することができる。したがって、水の層の形成によって、氷を自重で空温式熱交換器120から取り除くことが可能となる。つまり、空温式蒸発装置100は、空温式熱交換器120に形成された氷のうち、外表面に接触する箇所に形成された氷のみを融解させれば、空温式熱交換器120に形成された氷をすべて取り除くことができる。このため、空温式蒸発装置100は、空温式熱交換器120に形成された氷をすべて融解させる場合と比較して、氷の除去に要する加熱エネルギーを少なくすることが可能となる。
【0085】
また、上記したように、空温式蒸発装置100は、加温された気化ガスを、空温式熱交換器120およびバイパス流路160内に循環させる。このように、加温された気化ガスは、保温された閉回路を循環するため、氷の除去に要する加熱エネルギーをさらに抑えることができる。
【0086】
また、空温式蒸発装置100は、急速解氷が可能であるため、空温式熱交換器120自体を小型化できる。したがって、空温式蒸発装置100を、省スペース、および、省コストで建設することが可能となる。また、空温式熱交換器120自体を小型化できるため、空温式熱交換器120のメンテナンス性を向上させることができる。
【0087】
また、上記したように、空温式蒸発装置100は、空温式熱交換器120Aと空温式熱交換器120Bとで蒸発処理を交互に連続して実行する。これにより、空温式蒸発装置100は、気化ガスを連続して(途切れることなく)利用先102に供給することができる。
【0088】
また、上記したように、空温式蒸発装置100は、複数の空温式熱交換器120A、120Bを備える。これにより、一方の空温式熱交換器120が故障した場合やメンテナンスが実行される場合等において、他方の空温式熱交換器120のみで、蒸発処理と解氷処理とを交互に実行することができる。なお、この場合、利用先102において気化ガスが利用される期間において蒸発処理を実行し、利用先102において気化ガスが利用されない期間において、解氷処理を実行する。
【0089】
[変形例]
上記実施形態において、空温式蒸発装置100は、空温式熱交換器120の上部から下部に向かって、高温の気化ガスを循環させる第1解氷処理S160、および、空温式熱交換器120の下部から上部に向かって気化ガスを循環させる第2解氷処理S170を行う場合を例に挙げた。しかし、空温式蒸発装置は、第1解氷処理S160および第2解氷処理S170のうちのいずれか一方を行ってもよい。
【0090】
図8は、変形例に係る空温式蒸発装置300を説明する図である。
図8に示すように、空温式蒸発装置300は、液化ガスタンク110と、空温式熱交換器120と、供給流路130と、供給開閉弁132A、132Bと、送出流路140と、送出開閉弁142A、142Bと、加熱部150と、バイパス流路160と、バイパス開閉弁162A~162Dと、ブロワー170と、中央制御部200とを含む。つまり、空温式蒸発装置300は、空温式蒸発装置100と異なり、切換機構180、および、温度センサ190を備えない。なお、上記空温式蒸発装置100と実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0091】
変形例において、ブロワー170の吸入側は、第3バイパス流路160cに接続される。また、ブロワー170の吐出側は、第1バイパス流路160aに接続される。
【0092】
[蒸発処理]
続いて、空温式蒸発装置300を用いた蒸発処理について説明する。
図9は、変形例に係る蒸発処理の流れを説明するフローチャートである。
図9に示すように、蒸発処理は、第1蒸発処理S110と、第1判定処理S320と、第2蒸発処理S130と、第2判定処理S340とを含む。なお、上記実施形態における蒸発処理と実質的に等しい処理については、同一の符号を付して説明を省略し、ここでは、処理の異なる第1判定処理S320および第2判定処理S340について説明する。また、上記実施形態における蒸発処理と同様に、初期状態において、供給開閉弁132A、132B、送出開閉弁142A、142B、および、バイパス開閉弁162A~162Dは閉弁されているものとする。
【0093】
[第1判定処理S320]
第1判定処理S320において、開閉制御部210は、第1運転時間H1が経過したか否かを判定する。その結果、第1運転時間H1が経過したと判定した場合(S320におけるYES)、開閉制御部210は、第2蒸発処理S130に処理を移す。一方、第1運転時間H1が経過していないと判定した場合(S320におけるNO)、開閉制御部210は、第1判定処理S320を繰り返す。
【0094】
[第2判定処理S340]
第2判定処理S340において、開閉制御部210は、第2運転時間H2が経過したか否かを判定する。その結果、第2運転時間H2が経過したと判定した場合(S340におけるYES)、開閉制御部210は、第1蒸発処理S110からの処理を繰り返す。一方、第2運転時間H2が経過していないと判定した場合(S340におけるNO)、開閉制御部210は、第2判定処理S340を繰り返す。
【0095】
[解氷処理]
続いて、空温式蒸発装置300を用いた解氷処理について説明する。変形例の解氷処理は、空温式熱交換器120の下部から上部に向かって気化ガスを循環させる処理である。変形例において、解氷処理は、上述した第1判定処理S320から第2蒸発処理S130へ処理が移行するタイミング、および、第2判定処理S340から第1蒸発処理S110へ処理が移行するタイミングで実行される。
【0096】
図10は、変形例に係る解氷処理の流れを説明するフローチャートである。なお、ここでは、空温式熱交換器120Bにおいて第2蒸発処理S130が実行され、第2運転時間H2が経過した場合(第2判定処理S340におけるYES)に、空温式熱交換器120Aおいて第1蒸発処理S110の実行が開始され、第1蒸発処理S110を実行している間に、空温式熱交換器120Bにおいて解氷処理を実行する場合を例に挙げる。
【0097】
図10に示すように、変形例に係る解氷処理は、駆動処理S350と、経過時間判定処理S360と、停止処理S370とを含む。
【0098】
図11は、変形例に係る解氷処理を説明する図である。なお、
図11中、白色の弁は、開弁状態を示し、黒色の弁は、閉弁状態を示す。また、
図11中、実線の矢印は、バイパス流路160を流れる気化ガスの流れを示す。
【0099】
[駆動処理S350]
空温式熱交換器120Bに対する駆動処理S350において、開閉制御部210は、供給開閉弁132B、送出開閉弁142Bを閉弁し、バイパス開閉弁162B、162Dを開弁する。また、駆動処理S350において、駆動制御部212は、加熱部150およびブロワー170を駆動する。
【0100】
そうすると、駆動処理S350が実行される直前の蒸発処理において、空温式熱交換器120B内に残留した液化ガスおよび気化ガスのうちのいずれか一方または両方が、空温式熱交換器120Bの出口126を通じて加熱部150に供給される。加熱部150において加熱された高温の気化ガスは、第4バイパス流路160d、および、第3バイパス流路160cを通じてブロワー170に吸引される。そして、ブロワー170から吐出された高温の気化ガスは、第1バイパス流路160a、第2バイパス流路160b、および、空温式熱交換器120Bの入口124を通じて空温式熱交換器120B内に供給される。
【0101】
このように、高温の気化ガスは、空温式熱交換器120Bの入口124から出口126に向かって、つまり、空温式熱交換器120B内を下部から上部に向かって流れることになる。そうすると、空温式熱交換器120B内を通過する高温の気化ガスと、空温式熱交換器120Bの外表面に生じた着氷とで熱交換がなされ、着氷が融解する。
【0102】
なお、空温式熱交換器120Aにおいて第1蒸発処理S110が実行され、第1運転時間H1が経過した場合(第1判定処理S320におけるYES)に、空温式熱交換器120Bおいて第2蒸発処理S130の実行が開始され、第2蒸発処理S130を実行している間に、空温式熱交換器120Aにおいて駆動処理S350を実行する場合、開閉制御部210は、供給開閉弁132A、および、送出開閉弁142Aを閉弁し、バイパス開閉弁162A、162Cを開弁する。また、駆動制御部212は、加熱部150およびブロワー170を駆動する。
【0103】
[経過時間判定処理S360]
図10に戻って説明すると、開閉制御部210は、所定の解氷時間が経過したか否かを判定する。解氷時間は、空温式熱交換器120の外表面が解氷されたとみなすことができる、駆動処理S350を開始してからの経過時間である。経過時間は、例えば、1時間である。
【0104】
その結果、解氷時間が経過したと判定した場合(S360におけるYES)、開閉制御部210は、停止処理S370に処理を移す。一方、解氷時間が経過していないと判定した場合(S360におけるNO)、開閉制御部210は、経過時間判定処理S360を繰り返す。
【0105】
[停止処理S370]
停止処理S370において、開閉制御部210は、バイパス開閉弁162A~162Dを閉弁する。
【0106】
また、停止処理S370において、駆動制御部212は、ブロワー170を停止する。なお、駆動制御部212は、当該解氷処理と並行して実行されている蒸発処理において、加熱部150の駆動が必要である場合、加熱部150の駆動を維持する。一方、駆動制御部212は、当該解氷処理と並行して実行されている蒸発処理において、加熱部150の駆動が不要である場合、加熱部150を停止する。
【0107】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0108】
例えば、上述した実施形態および変形例において、空温式蒸発装置100、300が、2台の空温式熱交換器120A、120Bを備える場合を例に挙げた。しかし、空温式蒸発装置100、300は、3台以上の空温式熱交換器120を備えてもよい。この場合、1の空温式熱交換器120において解氷処理を実行している間、他の空温式熱交換器120において蒸発処理を実行する。これにより、気化ガスを連続して利用先102に供給することができる。
【0109】
また、上記実施形態および変形例において、空温式蒸発装置100、300は、一方の空温式熱交換器120において蒸発処理を実行している間、他方の空温式熱交換器120において解氷処理を実行する場合を例に挙げた。しかし、すべての空温式熱交換器120において蒸発処理を実行する期間と、すべての空温式熱交換器120において解氷処理を実行する期間があってもよい。例えば、季節、曜日、一日における時間等、気化ガスの需要がある時間帯にすべての空温式熱交換器120が蒸発処理を行い、気化ガスの需要がない時間帯にすべての空温式熱交換器120が解氷処理を行ってもよい。また、着氷しない程度に外気温が高い期間においては、すべての空温式熱交換器120において蒸発処理を実行してもよい。
【0110】
また、空温式蒸発装置100は、1台の空温式熱交換器120のみを備えていてもよい。この場合、空温式熱交換器120は、蒸発処理と、解氷処理とを排他的に実行する。
【0111】
また、上記実施形態において、空温式蒸発装置100が第1解氷処理S160および第2解氷処理S170を実行する場合を例に挙げた。しかし、空温式蒸発装置100は、第1解氷処理S160および第2解氷処理S170のうちのいずれか一方のみを実行してもよい。つまり、空温式蒸発装置100は、解氷処理において、空温式熱交換器120の上部から下部に向かって気化ガスを循環させてもよいし、空温式熱交換器120の下部から上部に向かって気化ガスを循環させてもよい。
【0112】
また、上記実施形態において、空温式蒸発装置100が温度センサ190を備える場合を例に挙げた。しかし、温度センサ190は、必須の構成ではない。温度センサ190を備えない場合、第1判定処理S120は、第1運転時間H1が経過した、もしくは、第1蒸発処理S110を開始してから第1着氷時間が経過したか否かを判定する。第1着氷時間は、第1蒸発処理S110を開始してから空温式熱交換器120Aの外表面に着氷が生じるまでの経過時間である。なお、第1着氷時間は、外気温に応じて決定される。第1着氷時間は、外気温が高い場合、長くなり、外気温が低い場合、短くなる。同様に、第2判定処理S140は、第2運転時間H2が経過した、もしくは、第2蒸発処理S130を開始してから第2着氷時間が経過したか否かを判定する。第2着氷時間は、第2蒸発処理S130を開始してから空温式熱交換器120Bの外表面に着氷が生じるまでの経過時間である。なお、第2着氷時間は、第1着氷時間と同様に、外気温に応じて決定される。第2着氷時間は、外気温が高い場合、長くなり、外気温が低い場合、短くなる。第1着氷時間と第2着氷時間とは、等しくてもよいし、異なっていてもよい。
【0113】
また、温度センサ190を備えない場合、終了判定処理S180は、第1解氷処理S160または第2解氷処理S170を開始してから解氷時間が経過したか否かを判定する。解氷時間は、第1解氷処理S160または第2解氷処理S170を開始してから空温式熱交換器120の外表面が解氷されるまでの経過時間である。
【0114】
また、上記実施形態および変形例において、空温式蒸発装置100、300が中央制御部200を備える場合を例に挙げた。しかし、中央制御部200は、必須の構成ではない。中央制御部200を備えない場合、ユーザによる操作入力に応じて(手動で)、供給開閉弁132A、132B、送出開閉弁142A、142B、バイパス開閉弁162A~162D、および、切換開閉弁182A~182Dが開閉される。また、ユーザによる操作入力に応じて、加熱部150、および、ブロワー170が駆動されたり、停止されたりする。
【0115】
また、上記変形例において、空温式蒸発装置300が、解氷処理において、空温式熱交換器120の下部から上部に向かって気化ガスを循環させる場合を例に挙げた。しかし、空温式蒸発装置300は、解氷処理において、空温式熱交換器120の上部から下部に向かって気化ガスを循環させてもよい。
【符号の説明】
【0116】
100 空温式蒸発装置
102 利用先
110 液化ガスタンク
120 空温式熱交換器
120A 空温式熱交換器
120B 空温式熱交換器
124 入口
126 出口
130 供給流路
132A 供給開閉弁
132B 供給開閉弁
140 送出流路
142A 送出開閉弁
142B 送出開閉弁
150 加熱部
160 バイパス流路
162A バイパス開閉弁
162B バイパス開閉弁
162C バイパス開閉弁
162D バイパス開閉弁
170 ブロワー
200 中央制御部
300 空温式蒸発装置
【手続補正書】
【提出日】2022-01-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
沸点が約-33℃以下の液化ガスを貯留する液化ガスタンクと、
前記液化ガスの入口、および、前記液化ガスが気化したことで生じる気化ガスの出口を有し、外気と前記液化ガスとを熱交換させる空温式熱交換器と、
前記液化ガスタンクと、前記空温式熱交換器の前記入口とを接続する供給流路と、
前記供給流路に設けられた供給開閉弁と、
前記空温式熱交換器の前記出口と、前記気化ガスの利用先とを接続する送出流路と、
前記送出流路に設けられた送出開閉弁と、
前記送出流路における、前記空温式熱交換器の前記出口と前記送出開閉弁との間に設けられ、前記気化ガスを加熱する加熱部と、
前記供給流路における前記供給開閉弁と前記空温式熱交換器の前記入口との間と、前記送出流路における前記加熱部と前記送出開閉弁との間とを接続するバイパス流路と、
前記バイパス流路に設けられたバイパス開閉弁と、
前記バイパス流路に設けられ、前記加熱部によって加熱された前記気化ガスを吸入して前記空温式熱交換器に吐出する、もしくは、前記空温式熱交換器内の前記気化ガスを吸入して前記加熱部に吐出するブロワーと、
前記供給開閉弁、前記送出開閉弁、前記バイパス開閉弁、前記加熱部、および、前記ブロワーを制御する中央制御部と、
を備え、
前記中央制御部は、
前記供給開閉弁および前記送出開閉弁を開弁し、前記バイパス開閉弁を閉弁し、前記ブロワーを停止する蒸発処理と、
前記供給開閉弁および前記送出開閉弁を閉弁し、前記バイパス開閉弁を開弁し、前記加熱部および前記ブロワーを駆動する解氷処理と、
を排他的に実行し、
前記解氷処理において、前記ブロワーは、前記空温式熱交換器、前記加熱部、および、前記バイパス流路を含む閉回路に、加熱された前記気化ガスを循環させる、空温式蒸発装置。
【請求項2】
沸点が約-33℃以下の液化ガスを貯留する液化ガスタンクと、
前記液化ガスの入口、および、前記液化ガスが気化したことで生じる気化ガスの出口を有し、外気と前記液化ガスとを熱交換させる、複数の空温式熱交換器と、
前記液化ガスタンクと、前記空温式熱交換器の前記入口とを接続する供給流路と、
前記供給流路に設けられた供給開閉弁と、
前記空温式熱交換器の前記出口と、前記気化ガスの利用先とを接続する送出流路と、
前記送出流路に設けられた送出開閉弁と、
前記送出流路における、前記空温式熱交換器の前記出口と前記送出開閉弁との間に設けられ、前記気化ガスを加熱する加熱部と、
前記供給流路における前記供給開閉弁と前記空温式熱交換器の前記入口との間と、前記送出流路における前記加熱部と前記送出開閉弁との間とを接続するバイパス流路と、
前記バイパス流路に設けられたバイパス開閉弁と、
前記バイパス流路に設けられ、前記加熱部によって加熱された前記気化ガスを吸入して前記空温式熱交換器に吐出する、もしくは、前記空温式熱交換器内の前記気化ガスを吸入して前記加熱部に吐出するブロワーと、
前記供給開閉弁、前記送出開閉弁、前記バイパス開閉弁、前記加熱部、および、前記ブロワーを制御する中央制御部と、
を備え、
前記中央制御部は、
前記供給開閉弁および前記送出開閉弁を開弁し、前記バイパス開閉弁を閉弁し、前記ブロワーを停止する蒸発処理と、
前記供給開閉弁および前記送出開閉弁を閉弁し、前記バイパス開閉弁を開弁し、前記加熱部および前記ブロワーを駆動する解氷処理と、
を実行し、
1の前記空温式熱交換器において前記解氷処理を実行している間、他の前記空温式熱交換器において前記蒸発処理を実行し、
前記解氷処理において、前記ブロワーは、前記空温式熱交換器、前記加熱部、および、前記バイパス流路を含む閉回路に、加熱された前記気化ガスを循環させる、空温式蒸発装置。
【請求項3】
前記液化ガスは、液化燃料ガスである、請求項1または2に記載の空温式蒸発装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の空温式蒸発装置は、沸点が約-33℃以下の液化ガスを貯留する液化ガスタンクと、液化ガスの入口、および、液化ガスが気化したことで生じる気化ガスの出口を有し、外気と液化ガスとを熱交換させる空温式熱交換器と、液化ガスタンクと、空温式熱交換器の入口とを接続する供給流路と、供給流路に設けられた供給開閉弁と、空温式熱交換器の出口と、気化ガスの利用先とを接続する送出流路と、送出流路に設けられた送出開閉弁と、送出流路における、空温式熱交換器の出口と送出開閉弁との間に設けられ、気化ガスを加熱する加熱部と、供給流路における供給開閉弁と空温式熱交換器の入口との間と、送出流路における加熱部と送出開閉弁との間とを接続するバイパス流路と、バイパス流路に設けられたバイパス開閉弁と、バイパス流路に設けられ、加熱部によって加熱された気化ガスを吸入して空温式熱交換器に吐出する、もしくは、空温式熱交換器内の気化ガスを吸入して加熱部に吐出するブロワーと、供給開閉弁、送出開閉弁、バイパス開閉弁、加熱部、および、ブロワーを制御する中央制御部と、を備え、中央制御部は、供給開閉弁および送出開閉弁を開弁し、バイパス開閉弁を閉弁し、ブロワーを停止する蒸発処理と、供給開閉弁および送出開閉弁を閉弁し、バイパス開閉弁を開弁し、加熱部およびブロワーを駆動する解氷処理と、を排他的に実行し、解氷処理において、ブロワーは、空温式熱交換器、加熱部、および、バイパス流路を含む閉回路に、加熱された気化ガスを循環させる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の他の空温式蒸発装置は、沸点が約-33℃以下の液化ガスを貯留する液化ガスタンクと、液化ガスの入口、および、液化ガスが気化したことで生じる気化ガスの出口を有し、外気と液化ガスとを熱交換させる、複数の空温式熱交換器と、液化ガスタンクと、空温式熱交換器の入口とを接続する供給流路と、供給流路に設けられた供給開閉弁と、空温式熱交換器の出口と、気化ガスの利用先とを接続する送出流路と、送出流路に設けられた送出開閉弁と、送出流路における、空温式熱交換器の出口と送出開閉弁との間に設けられ、気化ガスを加熱する加熱部と、供給流路における供給開閉弁と空温式熱交換器の入口との間と、送出流路における加熱部と送出開閉弁との間とを接続するバイパス流路と、バイパス流路に設けられたバイパス開閉弁と、バイパス流路に設けられ、加熱部によって加熱された気化ガスを吸入して空温式熱交換器に吐出する、もしくは、空温式熱交換器内の気化ガスを吸入して加熱部に吐出するブロワーと、供給開閉弁、送出開閉弁、バイパス開閉弁、加熱部、および、ブロワーを制御する中央制御部と、を備え、中央制御部は、供給開閉弁および送出開閉弁を開弁し、バイパス開閉弁を閉弁し、ブロワーを停止する蒸発処理と、供給開閉弁および送出開閉弁を閉弁し、バイパス開閉弁を開弁し、加熱部およびブロワーを駆動する解氷処理と、を実行し、1の空温式熱交換器において解氷処理を実行している間、他の空温式熱交換器において蒸発処理を実行し、解氷処理において、ブロワーは、空温式熱交換器、加熱部、および、バイパス流路を含む閉回路に、加熱された気化ガスを循環させる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
また、液化ガスは、液化燃料ガスであってもよい。