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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062267
(43)【公開日】2023-05-08
(54)【発明の名称】制御装置、表示装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20230426BHJP
   G09G 3/3233 20160101ALI20230426BHJP
   H04N 5/70 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
G09G3/20 641E
G09G3/3233
H04N5/70 A
G09G3/20 611E
G09G3/20 631V
G09G3/20 631B
G09G3/20 650J
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021172137
(22)【出願日】2021-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】514188173
【氏名又は名称】株式会社JOLED
(74)【代理人】
【識別番号】100189430
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100190805
【弁理士】
【氏名又は名称】傍島 正朗
(72)【発明者】
【氏名】石井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】加藤 敏行
【テーマコード(参考)】
5C058
5C080
5C380
【Fターム(参考)】
5C058AA12
5C058BA05
5C058BA25
5C058BA26
5C080AA06
5C080AA10
5C080BB05
5C080DD06
5C080DD26
5C080FF11
5C080HH09
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080JJ07
5C080KK02
5C080KK42
5C080KK50
5C380AA01
5C380AA02
5C380AA03
5C380AB06
5C380AB22
5C380AB23
5C380BA01
5C380BB09
5C380BE14
5C380CB17
5C380CC26
5C380CC33
5C380CC37
5C380CC65
5C380CD025
5C380CF02
5C380CF56
5C380CF57
5C380DA09
5C380FA24
5C380HA11
(57)【要約】
【課題】消費電力を低減可能な制御装置等を提供する。
【解決手段】制御装置20は、同一の画像が表示され続ける期間であるフレーム期間が、フレームごとに一定の範囲で変動又は一時的に安定するが、正確なフレーム期間が予めわからない場合の表示パネル10の制御装置であって、入力されるフレーム期間によらず、n(nは2以上の整数)個のサブフレーム期間でフレーム期間を再構成するようにサブフレーム期間の個数を変更し、画像を表示させる制御を行う。制御装置20は、入力された第1入力映像信号に基づく出力映像信号を、サブフレーム期間の単位で出力する信号処理部50と、信号処理部50から出力された出力映像信号と、表示パネル10の動作を制御する制御信号とを表示パネル10に供給する制御部60とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の画像が表示され続ける期間であるフレーム期間が、フレームごとに一定の範囲で変動又は一時的に安定するが、正確なフレーム期間が予めわからない場合の表示パネルの制御装置であって、
前記制御装置は、入力されるフレーム期間によらず、n(nは2以上の整数)個のサブフレーム期間でフレーム期間を再構成するように前記サブフレーム期間の個数を変更し、画像を表示させる制御を行い、
入力された第1入力映像信号に基づく出力映像信号を、前記サブフレーム期間の単位で出力する信号処理部と、
前記信号処理部から出力された前記出力映像信号と、前記表示パネルの動作を制御する制御信号とを前記表示パネルに供給する制御部とを備える
制御装置。
【請求項2】
前記信号処理部は、1画面分より多く、かつ、前記1画面分、及び、前記サブフレーム期間分以下の、前記第1入力映像信号を記憶可能な記憶容量を有するメモリを有し、前記メモリに記憶された前記第1入力映像信号に基づく前記出力映像信号を、前記サブフレーム期間の単位で出力する
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記信号処理部は、前記第1入力映像信号の読み出しタイミングが前記メモリへの前記第1入力映像信号の書き込みから1フレーム期間以上遅れた場合、前記第1入力映像信号を読み出すことなく前記第1入力映像信号の次の第2入力映像信号を前記第1入力映像信号に上書きする
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記信号処理部及び前記制御部のうち、前記信号処理部のみが前記第1入力映像信号を記憶するための前記メモリを有する
請求項2又は3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記信号処理部は、前記表示パネルの前記サブフレーム期間における表示ライン数を示す情報を前記制御部から取得し、前記情報に基づいて前記出力映像信号を生成する
請求項1~4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記信号処理部は、前記表示パネルの前記サブフレーム期間における表示ライン数であって、予め設定された表示ライン数を示す情報を読み出し、読み出した前記情報に基づいて前記出力映像信号を生成する
請求項1~4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記信号処理部と前記制御部とは、1チップで構成されている
請求項1~6のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、n個の前記サブフレーム期間のそれぞれを、予め定められた同一の長さとなる期間で構成する
請求項1~7のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項9】
n個の前記サブフレーム期間のそれぞれは、発光期間及び消光期間を有し、
前記制御部は、前記発光期間及び前記消光期間の割合であるデューティ比を、予め定められた同一の比となるように制御する
請求項1~8のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記表示パネルを構成する画素は、有機EL素子を含む電流駆動で発光する発光素子からなる
請求項1~9のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項11】
前記メモリは、1画面分、及び、前記サブフレーム期間分の前記第1入力映像信号を記憶可能な記憶容量を有する
請求項2~4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の制御装置と、
前記制御装置からの前記制御信号が入力されるゲート駆動回路、及び、前記制御装置からの前記出力映像信号が入力されるソース駆動回路を有する前記表示パネルとを備える
表示装置。
【請求項13】
同一の画像が表示され続ける期間であるフレーム期間が、フレームごとに一定の範囲で変動又は一時的に安定するが、正確なフレーム期間が予めわからない場合の表示パネルの制御方法であって、
前記制御方法は、入力されるフレーム期間によらず、n(nは2以上の整数)個のサブフレーム期間でフレーム期間を再構成するように前記サブフレーム期間の個数を変更し、画像を表示させることを含み、
さらに、
入力された入力映像信号に基づく出力映像信号を、前記サブフレーム期間の単位で出力し、
前記出力映像信号と、前記表示パネルの動作を制御する制御信号とを前記表示パネルに供給することを含む
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、表示装置及び制御方法に関し、特にディスプレイの表示輝度を制御する制御装置、表示装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示装置において、フリッカ(ちらつき)が視認されることを抑制する技術が検討されている。例えば、輝度情報に対応して設定されるデューティ比に応じて1フレーム期間を構成するサブフレーム数を変化させ、サブフレーム内のデューティ比を1フレーム期間のデューティ比と同じにする技術が検討されている。これにより、輝度調整等により発光期間を変化させた場合においても、表示画面に発生するフリッカを抑制することができる。
【0003】
また、近年、パーソナルコンピュータ、モバイルデバイス等のディスプレイにおける映像描画は、GPU(Graphics Processing Unit)と呼ばれる映像処理装置によって行われつつある。そして、ディスプレイの表示速度は、GPUの性能により決定されるようになりつつある。換言すると、近年では、GPUが処理する内容次第でフレーム期間(フレームレート)が変動するようになっている。
【0004】
そこで、特許文献1には、フレーム期間が変動してもフリッカの発生を抑制することができる制御装置等が開示されている。具体的には、特許文献1には、入力されるフレーム期間によらず、n(nは2以上の整数)個のサブフレームでフレーム期間を再構成するようにサブフレームの個数を変更し、画像を表示する制御装置等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-076828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、パネルTCON(Timing Controller)において、サブフレームレート単位になるようにフレームレートを変換するためのメモリが必要となり、消費電力に課題がある。
【0007】
そこで、本開示は、消費電力を低減可能な制御装置、表示装置及び制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る制御装置は、同一の画像が表示され続ける期間であるフレーム期間が、フレームごとに一定の範囲で変動又は一時的に安定するが、正確なフレーム期間が予めわからない場合の表示パネルの制御装置であって、前記制御装置は、入力されるフレーム期間によらず、n(nは2以上の整数)個のサブフレーム期間でフレーム期間を再構成するように前記サブフレーム期間の個数を変更し、画像を表示させる制御を行い、入力された第1入力映像信号に基づく出力映像信号を、前記サブフレーム期間の単位で出力する信号処理部と、前記信号処理部から出力された前記出力映像信号と、前記表示パネルの動作を制御する制御信号とを前記表示パネルに供給する制御部とを備える。
【0009】
本開示の一態様に係る表示装置は、上記の制御装置と、前記制御装置からの前記制御信号が入力されるゲート駆動回路、及び、前記制御装置からの前記出力映像信号が入力されるソース駆動回路を有する前記表示パネルとを備える。
【0010】
本開示の一態様に係る制御方法は、同一の画像が表示され続ける期間であるフレーム期間が、フレームごとに一定の範囲で変動又は一時的に安定するが、正確なフレーム期間が予めわからない場合の表示パネルの制御方法であって、前記制御方法は、入力されるフレーム期間によらず、n(nは2以上の整数)個のサブフレーム期間でフレーム期間を再構成するように前記サブフレーム期間の個数を変更し、画像を表示させることを含み、さらに、入力された入力映像信号に基づく出力映像信号を、前記サブフレーム期間の単位で出力し、前記出力映像信号と、前記表示パネルの動作を制御する制御信号とを前記表示パネルに供給することを含む。
【発明の効果】
【0011】
本開示の一態様によれば、消費電力を低減可能な制御装置等を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施の形態に係る表示装置の構成例を示す概略図である。
図2図2は、実施の形態に係る画素回路の構成を模式的に示す回路図である。
図3図3は、実施の形態に係る表示装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、実施の形態に係る制御部が行うデューティ制御の概要を示す図である。
図5図5は、実施の形態に係る表示装置の機能構成の他の一例を示すブロック図である。
図6図6は、実施の形態に係る制御装置の動作を示すシーケンス図である。
図7図7は、実施の形態に係る信号処理部が有するフレームメモリへの映像信号の書き込み及び読み出しタイミングを説明するための模式図である。
図8図8は、実施の形態に係る制御装置のフレーム期間の発光期間と消光期間とを制御する動作の概要を示すフローチャートである。
図9A図9Aは、図8に示すステップS22の詳細動作を示すフローチャートである。
図9B図9Bは、図8に示すステップS23の詳細動作を示すフローチャートである。
図10図10は、実施の形態に係る制御装置が行うフレーム期間の発光期間と消光期間とを制御する動作の詳細の一例を示す図である。
図11図11は、実施の形態の変形例に係る信号処理部が有するフレームメモリへの映像信号の書き込み及び読み出しタイミングを説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0014】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。例えば、同一などの要素間の関係性を示す用語、並びに、数値、及び、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度(例えば、5%程度)の差異をも含むことを意味する表現である。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0015】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0016】
(実施の形態)
以下、本実施の形態に係る制御装置等について、図1図10を参照しながら説明する。本実施の形態では、表示装置に有機エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence:EL)素子を用いた場合を例に挙げて説明する。
【0017】
[1.表示装置の構成]
まず、本開示の一態様に係る制御装置を備える表示装置の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態に係る表示装置1の構成例を示す概略図である。
【0018】
図1に示すように、表示装置1は、表示パネル10と、制御装置20とで構成されている。表示装置1は、例えば有機EL発光パネルのプログレッシブ駆動方式により駆動される。
【0019】
[1-1.表示パネルの構成]
表示パネル10は、複数の画素回路30を有する表示部12を備え、また、表示部12の周辺回路として、ゲート駆動回路14と、ソース駆動回路16とを備える。なお、表示部12と、ゲート駆動回路14と、ソース駆動回路16と、走査線40と、信号線42とは、例えば、ガラス又はアクリル等の樹脂により形成されているパネル基板(不図示)に実装されている。
【0020】
表示部12は、外部から表示装置1に入力された映像信号(映像信号R、G、B)に基づいて映像を表示する。表示部12は、図1に示すように、行列状に配置された複数の画素回路30を備え、行状の走査線40と、列状の信号線42とが配線されている。表示部12では、初期化動作、書き込み動作、及び、発光動作を複数の画素回路30の行順次に実行される。
【0021】
複数の画素回路30は、表示パネル10に有され、行列状に配置される。より具体的には、複数の画素回路30のそれぞれは、走査線40と信号線42とが交差する位置に配置される。詳細は後述する。
【0022】
走査線40は、複数の画素回路30の行ごとに配されている。走査線40の一端は、画素回路30に接続され、走査線40の他端は、ゲート駆動回路14に接続されている。
【0023】
信号線42は、複数の画素回路30の列ごとに配されている。信号線42の一端は、画素回路30に接続され、信号線42の他端は、ソース駆動回路16に接続されている。
【0024】
ゲート駆動回路14は、走査線駆動回路とも呼ばれ、例えばシフトレジスタ等によって構成される。ゲート駆動回路14は、走査線40に接続されており、走査線40にゲート制御信号を出力することで、画素回路30が有する各トランジスタのオン及びオフを制御する。本実施の形態では、ゲート駆動回路14は、画素回路30が有する各トランジスタのオン及びオフを制御するゲート制御信号として、例えば制御信号WS、制御信号REF、制御信号INI及び消光信号ENを、画素回路30が有する各トランジスタのゲート(ゲート電極)に出力する。制御信号WS、制御信号REF、制御信号INI及び消光信号ENは、制御信号の一例である。
【0025】
ソース駆動回路16は、信号線駆動回路とも呼ばれる。ソース駆動回路16は、信号線42に接続されており、制御装置20からフレーム単位で供給される映像信号を、信号線42に出力することで、当該映像信号を各画素回路30に供給する。ソース駆動回路16は、信号線42を通して、画素回路30の各々に対して映像信号に基づく輝度情報を電流値又は電圧値の形で書き込む。なお、ソース駆動回路16に入力される映像信号は、例えば、RGB三原色の色毎のデジタルシリアルデータ(映像信号R、G、B)である。ソース駆動回路16に入力された映像信号R、G、Bは、ソース駆動回路16の内部で行単位のパラレルデータに変換される。さらに、行単位のパラレルデータは、ソース駆動回路16の内部で行単位のアナログデータに変換され、映像信号として信号線42に出力される。
【0026】
[1-2.画素回路の構成]
複数の画素回路30は、例えばN行M列に配置されている。N、Mは、表示画面のサイズ及び解像度により異なる。例えば、HD(High Definition)と呼ばれる解像度で、行内にRGB3原色に対応する画素回路30が隣接する場合、Nは少なくとも1080行であり、Mは少なくとも1920×3列である。本実施の形態では、各画素回路30は、有機EL素子を発光素子として有する。
【0027】
画素回路30の構成について、さらに図2を参照しながら説明する。図2は、本実施の形態に係る画素回路30の構成を模式的に示す回路図である。
【0028】
図2に示すように、画素回路30は、発光素子32と、駆動トランジスタ33と、スイッチトランジスタ34、36及び37と、選択トランジスタ35と、画素容量38とを備える。なお、図2において、画素容量38はCsとも表記されている。
【0029】
発光素子32は、カソードが電源Vcath(負電源線)に接続されており、アノードが駆動トランジスタ33のソースに接続されている。発光素子32は、駆動トランジスタ33から供給される、映像信号の信号電圧に対応した電流が流れることにより、当該信号電圧に応じた輝度で発光する。発光素子32は、例えばOLED(Organic Light Emitting Diode)などの有機EL素子である。例えば、画像を表示する表示パネル10を構成する画素回路30(画素)は、有機EL素子を含む電流駆動で発光する発光素子32から構成される。なお、発光素子32は、有機EL素子に限らず、無機EL素子又はQLED(Quantum-dot Light Emitting Diode)などの自発光素子でもよいし、電流駆動で制御する素子であれば自発光素子でなくてもよい。
【0030】
駆動トランジスタ33は、ゲートが画素容量38の一方の電極等に接続され、ドレインがスイッチトランジスタ34のソースに接続され、ソースが発光素子32のアノードに接続されている。図2では、さらにソースが画素容量38の他方の電極等に接続されている。駆動トランジスタ33は、ゲート-ソース間に印加された信号電圧から、当該信号電圧に対応した電流(ドレイン-ソース間の電流とも記載する)に変換する。そして、駆動トランジスタ33は、オン状態となることで、ドレイン-ソース間の電流を発光素子32に供給することで発光素子32を発光させる。駆動トランジスタ33は、例えば、n型の薄膜トランジスタ(n型TFT)で構成される。
【0031】
スイッチトランジスタ34は、ゲートが走査線40に接続され、ソース及びドレインの一方が電源Vccに接続され、ソース及びドレインの他方が駆動トランジスタ33のドレインに接続されている。スイッチトランジスタ34は、走査線40から供給される消光信号ENに応じてオン状態又はオフ状態となる。スイッチトランジスタ34は、オン状態となることで駆動トランジスタ33を電源Vccに接続し、駆動トランジスタ33のドレイン-ソース間の電流を発光素子32に供給させる。本実施の形態では、スイッチトランジスタ34がオン状態となり、かつ、スイッチトランジスタ37がオフ状態となることで駆動トランジスタ33を電源Vccに接続し、駆動トランジスタ33のドレイン-ソース間の電流を発光素子32に供給させる。スイッチトランジスタ34は、例えば、p型の薄膜トランジスタ(p型TFT)で構成される。
【0032】
選択トランジスタ35は、ゲートが走査線40に接続され、ソース及びドレインの一方が信号線42に接続され、ソース及びドレインの他方が画素容量38の一方の電極に接続されている。選択トランジスタ35は、走査線40から供給される制御信号WSに応じてオン状態又はオフ状態となる。選択トランジスタ35は、オン状態となることで、信号線42から供給される映像信号の信号電圧を画素容量38の電極に印加し、当該信号電圧に応じた電荷を画素容量38に蓄積させる。選択トランジスタ35は、例えば、n型の薄膜トランジスタ(n型TFT)で構成される。
【0033】
スイッチトランジスタ36は、ゲートが走査線40に接続され、ソース及びドレインの一方が電源Vrefに接続され、ソース及びドレインの他方が画素容量38の一方の電極等に接続されている。スイッチトランジスタ36は、走査線40から供給される制御信号REFに応じてオン状態又はオフ状態となる。スイッチトランジスタ36は、オン状態となることで、画素容量38の電極を電源Vrefの電圧(基準電圧)に設定する。スイッチトランジスタ36は、例えば、n型の薄膜トランジスタ(n型TFT)で構成される。
【0034】
スイッチトランジスタ37は、ゲートが走査線40に接続され、ソース及びドレインの一方がスイッチトランジスタ34のソース及び駆動トランジスタ33のドレインに接続され、ソース及びドレインの他方が電源Viniに接続されている。スイッチトランジスタ37は、走査線40から供給される制御信号INIに応じてオン状態又はオフ状態となる。スイッチトランジスタ37は、駆動トランジスタ33がオン状態であり、スイッチトランジスタ34がオン状態にあって電源Vccとの接続が遮断されている中で、オン状態となることで、発光素子32のアノードを電源Viniの電圧(基準電圧)に設定する。スイッチトランジスタ37は、例えば、n型の薄膜トランジスタ(n型TFT)で構成される。
【0035】
画素容量38は、一方の電極が、駆動トランジスタ33のゲート及び選択トランジスタ35のソース及びスイッチトランジスタ36のソースに接続され、他方の電極が駆動トランジスタ33のソースに接続されたコンデンサである。画素容量38は、信号線42から供給された信号電圧に対応した電荷を蓄積する。画素容量38は、例えば、選択トランジスタ35及びスイッチトランジスタ36がオフ状態となった後に、駆動トランジスタ33のゲート-ソース電極間の電圧を安定的に保持する。このように、画素容量38は、選択トランジスタ35及びスイッチトランジスタ36がオフ状態のときに、蓄積された電荷による信号電位に応じて、駆動トランジスタ33のゲート・ソース間に電圧を印加する。
【0036】
EL容量39は、EL素子に内在する寄生容量であり、この容量がチャージされて電極間の電圧が上昇した後に、EL素子側に電流が流れだし、EL素子が発光を開始する。
【0037】
なお、駆動トランジスタ33、選択トランジスタ35、スイッチトランジスタ36及びスイッチトランジスタ37の各トランジスタの導電型は、上述したものに限られず、n型とp型のTFTを適宜混在させてもよい。また、スイッチトランジスタ34の導電型は、上述したものに限られず、n型のTFTであってもよい。また、各トランジスタは、ポリシリコンTFTに限らず、アモルファスシリコンTFT等で構成されていてもよい。
【0038】
[1-3.制御装置の構成]
本開示の一態様に係る制御装置20は、同一の画像が表示され続ける期間であるフレーム期間が、フレームごとに一定の範囲で変動又は一時的に安定するものの、正確なフレーム期間が予めわからない場合の表示パネル10の制御装置である。制御装置20は、入力されるフレーム期間によらず、固定長のサブフレーム(サブフレーム期間)で表示フレーム期間を再構成して、画像を表示するための制御を行う。本実施の形態において、入力されるフレーム期間(入力フレーム長)によらず、サブフレーム期間(サブフレーム長)は固定されており、制御装置20は、入力フレーム長によって、サブフレーム数を変更する制御を行う。以下、本開示の一態様として、本実施の形態に係る制御装置20について、さらに図3を参照しながら説明する。図3は、実施の形態に係る表示装置1の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0039】
図1及び図3に示すように、制御装置20は、信号処理部50と、制御部60とを有する。なお、制御装置20は、表示パネル10の外部に配置される。制御装置20は、例えば、外部システム回路基板(不図示)上に形成される。また、制御装置20は、外部から供給される垂直同期信号VS、水平同期信号HS、映像期間信号DEに基づいて、各種制御信号を生成する。
【0040】
信号処理部50は、例えば、スケーラとしての機能を有し、表示装置1の外部の信号源70から供給される映像信号を、所定のタイミングごとに制御部60に出力する。信号処理部50は、信号源70から供給された映像信号をフレームメモリ51に記憶し、所定のタイミングごとにフレームメモリ51から映像信号を読み出し、読み出した映像信号を制御部60に出力する。フレームメモリ51に対する映像信号の読み出し及び読み書きについては、後述する(図7を参照)。なお、信号源70は、例えば、パーソナルコンピュータ、ゲーム機等の端末装置であるが、これに限定されない。
【0041】
所定のタイミングは、1フレーム期間に基づいて設定される。具体的には、所定のタイミングは、1フレーム期間に基づくサブフレーム期間に設定される。本実施の形態では、所定のタイミングは、サブフレーム期間の単位である。つまり、信号処理部50は、サブフレーム期間の単位でフレームメモリ51から映像信号を読み出し、読み出した映像信号を制御部60に出力する。サブフレーム期間は、予め通知されるライン数に基づいて規定される期間であり、各フレームはこのサブフレームのn倍で表現される。
【0042】
サブフレーム期間は、例えば、1フレーム期間が144Hzである場合、720Hz(1.39ms)であってもよい。この場合、各フレームはサブフレームの5倍で表現されるとも言える。なお、nは、5であることに限定されない。サブフレーム期間は、例えば、表示装置1に搭載されるGPUが変動可能であるフレーム期間のうち、最短のフレーム期間(1フレーム期間)に基づいて設定されていてもよい。
【0043】
なお、サブフレーム期間は、予め設定されており、信号処理部50が有するメモリに記憶されていてもよい。つまり、信号処理部50は、サブフレーム期間を決定してもよい。
【0044】
また、信号処理部50は、サブフレームあたりのライン数(表示ライン数)に関する情報を制御部60から取得し、取得した当該情報に基づいて、制御部60に出力する映像信号を生成してもよい。信号処理部50は、例えば、フレームメモリ51に記憶されている映像信号(信号源70から取得した映像信号であり、第1入力映像信号の一例)に対して、ライン数に応じた所定の信号処理を行った映像信号(出力映像信号の一例)を生成し、生成した映像信号を制御部60に出力してもよい。なお、第1入力映像信号と出力映像信号とは、同一の信号であってもよい。以下では、第1入力映像信号と出力映像信号とが同一の信号である例について説明し、単に映像信号とも記載する。
【0045】
サブフレームあたりのライン数は、例えば、ユーザにより表示部12の設定(例えば、解像度、表示画面における表示領域などの設定)が変更されることで、変化し得る。
【0046】
このように、信号処理部50は、画像を表示する表示パネル10のサブフレーム期間におけるライン数を示す情報を制御部60から取得し、当該情報に基づいて制御部60に出力するための映像信号を生成してもよい。信号処理部50は、例えば、当該情報に応じた映像信号を生成し制御部60に出力する。
【0047】
なお、サブフレーム期間におけるライン数は、予め設定され、メモリに記憶されていてもよい。そして、信号処理部50は、当該情報をメモリから読み出し、読み出した当該情報に基づいて制御部60に出力するための映像信号を生成してもよい。
【0048】
フレームメモリ51は、映像信号を記憶する記憶装置である。フレームメモリ51は、書き込みポート(W)の数と、読み出しポート(R)の数とがそれぞれ1である「1W1Rタイプ」のメモリである。つまり、フレームメモリ51は、書き込みと読み出しとを同時に行うことができる。フレームメモリ51は、半導体メモリなど、一般的な記憶機能を有するものであれば特に限定されない。フレームメモリ51は、メモリの一例である。
【0049】
フレームメモリ51は、少なくとも1画面分(1フレーム分)の映像信号を記憶可能な記憶容量を有する。本実施の形態では、フレームメモリ51は、1画面分の記憶容量に加えて、上記の所定のタイミングに応じた記憶容量を有する。フレームメモリ51の記憶容量については、後述する。
【0050】
制御部60は、例えば、TCON(Timing Controller)としての機能を有し、表示装置1の全体の動作を制御する。制御部60は、信号処理部50から出力された映像信号と、ゲート駆動回路14及びソース駆動回路16を制御する制御信号(表示パネル10の動作を制御する制御信号の一例)とを表示パネル10に供給する。具体的には、制御部60は、映像信号が所望のタイミングで表示部12に表示されるように、ゲート駆動回路14を制御するためのゲート制御信号を生成し、生成したゲート制御信号をゲート駆動回路14に出力する。制御部60は、例えば、垂直同期信号VS、水平同期信号HS、映像期間信号DEに基づいて生成したゲート制御信号を、ゲート駆動回路14に対して出力する。本実施の形態では、制御部60は、垂直同期信号VS又は映像期間信号DEの受信を検出する。
【0051】
本実施の形態では、制御部60は、発光期間及び消光期間を一定の時間間隔で繰り返す複数のサブフレーム期間を実行させるゲート制御信号を生成する。制御部60は、信号処理部50によりフレーム期間の開始を示す信号が検出されると、検出時に実行するサブフレーム期間の次のサブフレーム期間では、消光期間中に初期化期間を実行させるゲート制御信号を生成する。制御部60は、それ以外すなわちフレーム期間の開始を示す信号を検出しないときには、一定の時間間隔の発光期間及び消光期間からなるサブフレーム期間を繰り返し実行させるゲート制御信号を生成する。また、制御部60は、映像信号のデジタルシリアルデータをソース駆動回路16に対して供給する。
【0052】
制御部60は、信号処理部50から取得した映像信号を一時的に保持するフレームメモリを有していない。例えば、制御装置20は、信号処理部50及び制御部60のうち、信号処理部50のみが映像信号を記憶するためのフレームメモリを有している。つまり、制御部60は、映像信号R、G、Bのデジタルシリアルデータをソース駆動回路16に供給するタイミングの制御(フレームレートを変換する制御)を行っていない。本開示においては、当該タイミングの制御は、信号処理部50により行われる。換言すると、制御部60は、映像信号を遅延させて出力する処理を行わない。
【0053】
信号処理部50と制御部60との間の通信インターフェースの規格は、特に限定されないが、例えば、eDP(embedded DisplayPort)が用いられてもよい。また、信号処理部50と制御部60との間は、SPI(Serial Peripheral Interface)バスなどを介して通信可能に接続されていてもよい。
【0054】
また、信号処理部50と制御部60とは、互いに異なるIC(Integrated Circuit)チップにより構成されてもよい。信号処理部50と制御部60とは、例えば、同一の基板に実装された互いに異なるICチップであってもよい。
【0055】
また、上記のように、制御装置20は、例えば、制御装置20内のフレームメモリ(例えば、フレームメモリ51)への映像信号の書き込みを1回のみ行い、かつ、当該フレームメモリからの映像信号の読み出しを少なくとも1回行う。言い換えると、制御装置20は、信号源70から映像信号が供給されてから、当該映像信号のフレームメモリ(例えば、フレームメモリ51)への書き込みを1回のみ行い、かつ、当該フレームメモリからの当該映像信号の読み出しを少なくとも1回行うだけで、当該映像信号を表示パネル10に出力する。
【0056】
ここで、図4は、本実施の形態に係る制御部60が行うデューティ制御の概要を示す図である。なお、図4に示すゲート制御信号は、スイッチトランジスタ34のゲートに入力される信号である。
【0057】
制御部60は、フレーム期間の開始を示す信号を検出する。フレーム期間の開始を示す信号は、垂直同期信号VSであってもよいし、映像期間信号DEであってもよい。以下、フレーム期間は可変であるとして説明するが、固定であってもよい。
【0058】
制御部60は、ゲート駆動回路14に、図4に示すようなデューティ制御を行わせるためのゲート制御信号を生成する。より具体的には、制御部60は、当該信号を検出した場合、当該信号を検出した時点から所定時間後に、フレーム期間として、フレーム期間を構成するn(nは2以上の整数)個のサブフレーム期間を最初のサブフレーム期間から順次開始させるゲート制御信号を生成する。そして、このゲート制御信号により、複数のサブフレーム期間のすべては、予め定められた同一の長さの期間になり、かつ、複数のサブフレーム期間における発光期間及び消光期間の割合であるデューティ比が予め定められた同一の比となるように制御される。
【0059】
なお、複数のサブフレーム期間のそれぞれは、予め定められた同一の長さの期間に限定されず、同一の(完全同一に限らず一定の誤差を含み同一とみなせる範囲を含む)長さとなる期間で構成されていてもよい。制御部60は、n個の各サブフレーム期間が、予め定められた同一の長さとなる期間で構成されるように制御してもよい。同様に、発光期間及び消光期間の割合であるデューティ比は、予め定められた同一の比である場合に限定されず、同一の比(完全同一の比に限らず一定の誤差を含み同一の比とみなせる範囲)であればよい。
【0060】
また、制御部60は、n個のサブフレーム期間の最初のサブフレーム期間における消光期間(例えば、図4に示すゲート制御信号のハッチングされている期間)に、複数の画素回路30を初期化するための初期化期間を含むように制御するゲート制御信号を生成する。
【0061】
なお、当該所定時間は、n個のサブフレーム期間の最後のサブフレーム期間の実行中に、フレーム期間の次のフレーム期間の開始を示す信号が検出された場合、最後のサブフレーム期間中の当該信号の検出時点から当該最後のサブフレーム期間の終了時点までの期間となる。
【0062】
図4に示す例で説明すると、制御部60は、1フレーム期間をそれぞれ同一の長さの複数のサブフレーム期間で構成し、それぞれで同一の長さの消光期間となるように同一のデューティ比をそれぞれのサブフレーム期間に設定するゲート制御信号を生成する。制御部60は、発光期間及び消光期間の割合であるデューティ比を、予め定められた同一の比となるように制御するとも言える。
【0063】
ただし、制御部60は、1フレーム期間を構成する最初のサブフレーム期間の消光期間には初期化期間を含ませるゲート制御信号を生成する。図4では、1フレーム期間が144Hzであり、サブフレーム期間が720Hz(1.39ms)であり、1フレーム期間が5個のサブフレーム期間で構成される場合の例が示されている。図4に示すゲート制御信号がHighとなる期間が消光期間に対応し、ゲート制御信号がHighとなる期間のうちハッチングされている期間が初期化期間を含む消光期間に対応する。スイッチトランジスタ34は、p型のトランジスタであるので、ゲート制御信号がHighとなる期間ではオフ状態となり、ゲート制御信号がLowとなる期間ではオン状態となる。
【0064】
なお、制御装置20の構成は、図3に示す構成に限定されない。図5は、本実施の形態に係る表示装置1の機能構成の他の一例を示すブロック図である。
【0065】
図5に示すように、信号処理部50及び制御部60は、1チップ化されていてもよい。つまり、信号処理部50及び制御部60は、1つのICチップにより構成されてもよい。この場合、制御装置20内の記憶装置に記憶されているサブフレームあたりのライン数に関する情報が、制御装置20内において分配されることで、信号処理部50は、当該情報を取得する。
【0066】
上記のように、制御装置20は、例えば、TCONとしての機能を有し、さらに信号処理部50の機能が内蔵されていてもよい。
【0067】
[2.制御装置の動作]
続いて、上記のように構成される制御装置20の動作について、図6図10を参照しながら説明する。図6は、本実施の形態に係る制御装置20の動作を示すシーケンス図である。
【0068】
図6に示すように、信号処理部50は、表示装置1に電源が入力されることにより起動する(S11)と、制御部60にサブフレームのライン数を要求し(S12)、制御部60は、当該要求に基づいてサブフレームのライン数(サブフレーム期間)を信号処理部50に通知する(S13)。ステップS12及びS13において、信号処理部50は、制御部60からサブフレームあたりのライン数を読み出すとも言える。信号処理部50は、例えば、eDPのDPCD(DisplayPort Configuration Data)アドレスなどを用いることで、制御部60からサブフレームあたりのライン数を読み出すことができる。
【0069】
なお、ステップS12及びS13の処理は、初回の起動時に1度だけ行われてもよいし、表示装置1のライン数に関する設定が変更されるたびに行われてもよい。
【0070】
次に、信号処理部50は、フレーム期間の開始を示す信号を検出すると映像開始を検出し(S14)、フレームの先頭を制御部60に通知する(S15)。信号処理部50は、取得した映像信号の表示を開始するフレームを通知する。信号処理部50は、例えば、現在のサブフレームの次のサブフレームを、フレームの先頭として通知してもよい。信号処理部50は、ステップS15において、例えば、次のサブフレームで初期化する(初期化動作を行う)ことを通知する。信号処理部50は、フレーム期間の開始を示す信号を検出した場合、検出時に実行しているサブフレーム期間の次のサブフレーム期間では、消光期間に初期化期間を含めることを、制御部60に出力してもよい。
【0071】
次に、信号処理部50は、フレーム期間を調整する(S16)。信号処理部50は、ステップS14で信号を検出した時点から所定時間後に、消光期間に初期化期間を含めたサブフレーム期間(初期化)を実行するように、フレーム期間を調整する。そして、信号処理部50は、ステップS16でフレーム期間を調整した後、次のサブフレームの開始を制御部60に通知する。
【0072】
次に、制御部60は、画素回路30を初期化する初期化動作を行わせる(S17)。制御部60は、フレーム期間の開始を示す信号が検出された場合(次のサブフレームの開始の通知を取得した場合)、信号を検出した時点から所定時間後に、消光期間に初期化期間を含めたサブフレーム期間を実行するとも言える。初期化期間を含めたサブフレーム期間をサブフレーム期間(初期化)とも記載する。サブフレーム期間(初期化)は、フレーム期間として、フレーム期間を構成する複数のサブフレーム期間のうちの最初のサブフレーム期間である。
【0073】
なお、画素回路30の初期化とは、信号電圧に対応した電荷を画素容量38に蓄積する(書き込まれる)前に、発光素子32及びEL容量39に逆バイアスをかけて初期化、画素容量38の電極間電圧を駆動トランジスタ33の特性ズレに合わせて補正する(リセットする)ことである。画素回路30の初期化期間とは、発光素子32及びEL容量39に逆バイアスをかけて初期化、画素容量38の電極間電圧を駆動トランジスタ33の特性ズレにあわせて補正(リセット)しておくための期間である。なお、本実施の形態では、画素回路30の初期化期間中には、発光素子32が消光されている。換言すると、画素回路30の初期化期間は、消光期間(非発光期間とも呼ばれる)に含まれる。
【0074】
次に、信号処理部50は、タイミング調整して、書き込みタイミングに合わせて映像信号を制御部60に出力する(S18)。信号処理部50は、例えば、サブフレーム期間の時間間隔ごとに映像信号を制御部60に出力する。信号処理部50は、サブフレーム期間に応じたフレームレートの変換処理を行うとも言える。
【0075】
そして、制御部60は、ステップS17において画素回路30を初期化した後、信号処理部50からの映像信号の画素回路30への書き込みを開始する。
【0076】
ステップS14~S18の処理は、毎フレーム繰り返し行われる。
【0077】
ここで、信号処理部50における映像信号の入出力について、図7を参照しながら説明する。図7は、本実施の形態に係る信号処理部50が有するフレームメモリ51への映像信号の書き込み及び読み出しタイミングを説明するための模式図である。
【0078】
図7の横軸は、時間を示す。また、図7の縦軸の上側は、フレームメモリ51への映像信号の書き込みを示しており、信号源70からの映像信号の書き込みタイミングを示しているとも言える。また、縦軸の下側は、フレームメモリ51からの映像信号の読み出しを示しており、制御部60への映像信号の出力タイミングを示しているとも言える。また、図7は、映像信号I1~I6の6フレーム分の映像信号における、フレームメモリ51に対する入出力タイミングを示す。
【0079】
また、図7では、1フレーム期間が144Hzであり、サブフレーム期間が720Hzであり、かつ、サブフレーム期間が一定である場合について示している。時間t11、t12、t16、t20、t22及びt24のそれぞれは、映像信号I1、I2、I3、I4、I5及びI6のそれぞれの書き込み開始タイミングを示す。時間t13、t15、t17、t19、t23のそれぞれは、映像信号I2、I2、I3、I3及びI4のそれぞれの読み出し開始タイミングを示す。また、時間t17及びt18の間の期間は、1フレーム期間であり、本実施の形態では、6.94ms(144Hz)である。また、時間t14は映像信号I2の1回目の出力完了タイミングを示しており、時間t17は映像信号I2の2回目の出力完了タイミングを示しており、時間t18は映像信号I3の1回目の出力完了タイミングを示しており、時間t21は映像信号I3の2回目の出力完了タイミングを示している。時間t14及びt15の間の期間、時間t18及びt19の間の期間、並びに、時間t21及びt23の間の期間のそれぞれは、例えば、サブフレーム期間であり、本実施の形態では、1.39ms(720Hz)であるとする。
【0080】
図7に示すように、信号処理部50は、時間t11において映像信号I1のフレームメモリ51への書き込みを開始し、かつ、書き込み中に映像信号I1をフレームメモリ51から読み出す。これは、映像信号I1のフレームメモリ51への書き込み中に、前回の出力からサブフレーム期間(1.39ms(720Hz))が経過し、映像信号を出力するタイミング(所定のタイミング)となったためである。読み出された映像信号I1は、制御部60に出力される。映像信号I1は、フレームメモリ51への書き込みが開始されてからほぼ遅延なく読み出されている。
【0081】
次に、信号処理部50は、時間t12において映像信号I2のフレームメモリ51への書き込みを開始し、かつ、書き込み中である時間t13において映像信号I2をフレームメモリ51から読み出す。時間t13は、所定のタイミング(サブフレーム期間の単位ごとのタイミング)である。映像信号I1の読み出し完了後すぐにサブフレーム期間が経過したタイミングとなったため、映像信号I1の読み出し完了後すぐに映像信号I2の読み出しが開始されている。読み出された映像信号I2は、制御部60に出力される。映像信号I2は、フレームメモリ51への書き込みが開始されてからほぼ遅延なく読み出されている。
【0082】
時間t15は、時間t13の次に映像信号を出力するタイミングである。この時点で、フレームメモリ51には、映像信号I2の次のフレームである映像信号I3が記憶されていない。つまり、信号処理部50は、映像信号I3を取得していない。換言すると、フレームメモリ51には、映像信号I2が記憶されている。
【0083】
時間t16においてフレームメモリ51に映像信号I3の書き込みが開始される。映像信号I2のうち出力したデータ部分に、新たに取得した映像信号I3が上書きされる。映像信号I3の書き込み途中において、映像信号I2の読み出しが終了する。これは、フレームメモリ51から映像信号I3が読み出し可能となったことを意味する。そして、時間t17~t18においてフレームメモリ51から映像信号I3が読み出される。時間t17は、所定のタイミング(サブフレーム期間の単位ごとのタイミング)である。
【0084】
ここで、映像信号I3は、フレームメモリ51への書き込みが開始された時点で映像信号I2の読み出し中であるので、その分遅延して読み出されている。映像信号I3は、例えば、フレームメモリ51への書き込みが開始されてから1垂直期間の半分程度の期間、遅延して読み出されている。映像信号I3の読み出しの遅延は、映像信号I1及びI2より大きくなっている。なお、1垂直期間は、例えば、1フレーム期間に相当する。
【0085】
時間t23は、所定のタイミング(サブフレーム期間の単位ごとのタイミング)である。また、時間t21は、所定のタイミングではない。
【0086】
時間t20においてフレームメモリ51に映像信号I4の書き込みが開始される。映像信号I3のうち出力したデータ部分に、新たに取得した映像信号I4が上書きされる。映像信号I4の書き込み途中において、映像信号I3の読み出しが終了する。これは、フレームメモリ51から映像信号I4が読み出し可能となったことを意味する。
【0087】
次に、信号処理部50は、時間t23から映像信号I4の読み出しを開始する。信号処理部50は、制御部60に出力する映像信号I4のタイミングを制御する。
【0088】
ここで、映像信号I4は、フレームメモリ51への書き込みが開始された時点で映像信号I3の読み出し中であるので、その分遅延して読み出されている。映像信号I4は、例えば、フレームメモリ51への書き込みが開始されてから1垂直期間+1サブフレーム期間(例えば、1.39ms)程度の期間、遅延して読み出されている。映像信号I4の読み出しの遅延は、映像信号I3より大きくなっている。このように、映像信号に対する処理遅延が積みあがって、結果として映像信号I4は、1垂直期間+1サブフレーム期間程度ずれて読み出されることになる。
【0089】
また、図7では、時間t22においてフレームメモリ51に映像信号I5の書き込みが開始される。映像信号I4はまだ出力されていないので、映像信号I4に映像信号I5を上書きできない。そのため、フレームメモリ51は、映像信号I4を記憶する記憶容量(1画面分の記憶容量)と、時間t22~t23の間に書き込まれる映像信号I5を記憶する記憶容量とを有するとよい。時間t22~t23の間の最大期間は、サブフレーム期間である。つまり、信号処理部50は、映像信号I5の受信中において、最大でサブメモリ期間分、映像信号I4を遅延させて出力する。
【0090】
よって、フレームメモリ51は、1画面分の記憶容量に加え、サブフレーム期間に相当する記憶容量(遅延分に相当する記憶容量)を有する。フレームメモリ51は、例えば、1画面分、及び、サブフレーム期間分の映像信号を記憶可能な記憶容量を有するとよい。サブフレーム期間のフレームレート(例えば、720Hz)が1フレーム期間のフレームレート(例えば、144Hz)のn倍である場合、フレームメモリ51は、1画面分に加えて1/n画面分の記憶容量を有するとよい。本実施の形態では、サブフレーム期間が720Hz(1フレームの5倍)であるので、フレームメモリ51は、1画面分に加えて1/5画面分の記憶容量を有する。
【0091】
これにより、フレームメモリ51に書き込まれた映像信号のそれぞれを制御部60に出力することが求められる場合において、書き込まれた映像信号が削除される前に、サブフレーム期間ごとに映像信号を出力することが可能となる。
【0092】
例えば、制御部が映像信号をソース駆動回路16に出力するタイミングを制御する場合、当該制御部にはサブフレームレート単位になるようにフレームレートを変換するためのフレームメモリが必要である。このような制御装置では、信号処理部及び制御部のそれぞれにおいて、フレームメモリへの映像信号の書き込み及び読み出しが行われる。つまり、フレームメモリへの映像信号の書き込みが2回行われ、かつ、当該映像信号の読み出しが少なくとも2回行われる。
【0093】
一方、本実施の形態に係る制御装置20では、映像信号をソース駆動回路16に出力するタイミングの制御(フレームレートの変換)を、制御部60(例えば、TCON)ではなく信号処理部50(例えば、スケーラ)が行う。換言すると、制御装置20では、信号処理部50がサブフレームレート単位になるようにフレームレートを変換する処理を行う。これにより、制御部60において、サブフレームレート単位になるようにフレームレートを変換するためのフレームメモリが不要となる。このような制御装置20では、信号処理部50のフレームメモリ51への映像信号の書き込み及び読み出しのみが行われる。つまり、フレームメモリへの映像信号の書き込みが1回で済み、かつ、当該映像信号の読み出しが少なくとも1回で済む。フレームメモリへの映像信号の書き込み及び読み出しごとに消費電力が生じるので、制御装置20によれば、制御部が映像信号をソース駆動回路16に出力するタイミング(フレームレートの変換)を制御する場合に比べて、制御装置20で消費される消費電力を低減することができる。
【0094】
上記のように、信号処理部50は、1画面分、及び、サブフレーム期間分(1サブフレーム期間分)の映像信号を記憶可能な記憶容量を有するフレームメモリ51を有し、当該フレームメモリ51に記憶された映像信号(第1入力映像信号)に基づく映像信号(出力映像信号)を、サブフレーム期間の単位で出力する。
【0095】
なお、フレームメモリ51の記憶容量は、1画面分、及び、サブフレーム期間分(1サブフレーム期間分)の映像信号を記憶可能な記憶容量であることに限定されず、1画面分より多く、かつ、1画面分、及び、サブフレーム期間分(1サブフレーム期間分)以下の映像信号を記憶可能な記憶容量であってもよい。
【0096】
なお、上記のように動作することで、映像信号の書き込みは一定時間間隔では行われていない場合であっても、映像信号の読み出しを、一定時間間隔(サブフレーム期間の間隔)ごとに行うことができる。
【0097】
続いて、本実施の形態に係る制御装置20の詳細な動作について、図8図10を参照しながら説明する。図8は、本実施の形態に係る制御装置20のフレーム期間の発光期間と消光期間とを制御する動作の概要を示すフローチャートである。
【0098】
図8に示すように、まず、制御装置20は、フレーム期間の開始を示す信号を検出したかを、常時確認している(S21)。フレーム期間の開始を示す信号は、垂直同期信号VS又は映像期間信号DEである。例えば、信号処理部50が当該確認を行う。ステップS21は、図6に示すステップS14に対応する。
【0099】
ステップS21において、制御装置20は、フレーム期間の開始を示す信号を検出した場合(S21でYes)、信号を検出した時点から所定時間後に、消光期間に初期化期間を含めたサブフレーム期間(初期化)を実行する(S22)。サブフレーム期間(初期化)は、フレーム期間として、フレーム期間を構成する複数のサブフレーム期間のうちの最初のサブフレーム期間である。ステップS22は、図6に示すステップS17に対応する。
【0100】
次に、制御装置20は、サブフレーム期間(消光)を実行する(S23)。サブフレーム期間(消光)は、フレーム期間として、フレーム期間を構成する複数のサブフレーム期間のうちの最初のサブフレーム期間を除いたサブフレーム期間である。
【0101】
次に、制御装置20は、ステップS23のサブフレーム期間(消光)を実行中に、フレーム期間の開始を示す信号を検出した場合(S24でYes)、ステップS22に戻り、所定の時間後として、実行中のサブフレーム期間(消光)の終了後に、サブフレーム期間(初期化)を実行する。一方、制御装置20は、サブフレーム期間(消光)を実行中に、フレーム期間の開始を示す信号を検出しなかった場合(S24でNo)、ステップS23に戻り、実行中のサブフレーム期間(消光)の終了後に、サブフレーム期間(消光)を実行する。例えば、ステップS24の判定は、信号処理部50が行う。
【0102】
続いて、サブフレーム期間(初期化)、及び、サブフレーム期間(消光)を実行する際の詳細動作について、図9A図10を参照しながら説明する。図9Aは、図8に示すステップS22の詳細動作を示すフローチャートである。図9Bは、図8に示すステップS23の詳細動作を示すフローチャートである。図10は、本実施の形態に係る制御装置20が行うフレーム期間の発光期間と消光期間とを制御する動作の詳細の一例を示す図である。図10では、一例として、1フレーム期間が144Hzであり、サブフレーム期間が720Hz(1.39ms)であり、1フレーム期間が5個のサブフレーム期間で構成される場合の例が示されている。
【0103】
まず、図9Aに示すステップS22の詳細動作について説明する。すなわち、図9Aに示すように、ステップS22において、制御装置20の制御部60は、信号処理部50がフレーム期間の開始を示す信号を検出した時点から所定時間後に、サブフレーム期間(初期化)を開始する(S31)。本実施の形態では、制御部60は、制御装置20が有するラインカウンタ(図示しない)のカウント値を利用して、サブフレーム期間(初期化)を開始させる。図10に示す例では、制御部60は、信号処理部50が垂直同期信号VSを検出した時間から所定時間後にサブフレーム期間SF1(WS消光)を開始する。サブフレーム期間SF1(WS消光)は、サブフレーム期間(初期化)に相当する。なお、ラインカウンタは、例えばタイマーであり、1ラインごとに独立にカウントする。
【0104】
次に、制御部60は、サブフレーム期間SF1(WS消光)の開始からオフセット時間ot1が経過したかどうかを判定する(S32)。
【0105】
ステップS32において、制御部60は、ラインカウンタのカウント値から、サブフレーム期間(初期化)の開始からオフセット時間ot1が経過したことを判定すると(S32でYes)、初期化シーケンスを開始する(S33)。なお、制御部60は、オフセット時間ot1が経過していない場合には(S32でNo)、オフセット時間ot1が経過するまで待つことになる。
【0106】
本実施の形態では、制御部60は、制御装置20が有する初期化期間カウンタ(図示しない)のカウント値を利用して、初期化シーケンスを開始する。図10に示す例では、制御部60は、サブフレーム期間SF1(WS消光)において、オフセット時間ot1が経過した後、消光信号EN及び制御信号INIをハイレベルにしたゲート制御信号を生成し、ゲート駆動回路14に出力することで、初期化シーケンスを開始する。これにより、表示パネル10の画素回路30が有する発光素子32を消光させることができる。なお、初期化期間カウンタは、例えばタイマーであり、サブフレーム期間の初期化期間を含む消光期間の開始時点から終了時点までをカウントする。
【0107】
次に、制御部60は、初期化が完了したかどうかを判定する(S34)。本実施の形態では、制御部60は、初期化期間カウンタのカウント値を利用して、画素回路30の初期化が完了したことを判定する。図10に示す例では、制御部60は、サブフレーム期間SF1(WS消光)において、初期化期間カウンタのカウント値に従い、初期化を完了させることで、初期化が完了したことがわかる。なお、制御部60は、初期化シーケンスの開始後、消光信号EN及び制御信号INIをローレベルにさせ、制御信号REFをハイレベルに一定期間させた後にローレベルにさせたゲート制御信号を生成し、ゲート駆動回路14に出力することで、初期化を完了させる。
【0108】
ステップS34において、制御部60は、初期化期間カウンタのカウント値から、初期化が完了したことを判定すると(S34でYes)、画素回路30への書き込みを開始する(S35)。本実施の形態では、制御部60は、初期化期間カウンタのカウント値を利用して、画素回路30への書き込みを実行する。図10に示す例では、制御部60は、サブフレーム期間SF1(WS消光)において、初期化期間カウンタのカウント値に従い、制御信号REFをローレベルにさせた後に制御信号WSをハイレベルに一定期間させるゲート制御信号を生成する。そして、制御部60は、生成したゲート制御信号をゲート駆動回路14に出力することで、書き込みを開始する。
【0109】
次に、制御部60は、書き込みが完了したかどうかを判定する(S36)。本実施の形態では、制御部60は、初期化期間カウンタのカウント値を利用して、画素回路30への書き込みが完了したことを判定する。図10に示す例では、制御部60は、サブフレーム期間SF1(WS消光)において、初期化期間カウンタのカウント値に従い、画素回路30への書き込みを完了させることで、書き込みが完了したことがわかる。
【0110】
ステップS36において、制御部60は、初期化期間カウンタのカウント値から、書き込みが完了したことを判定すると(S36でYes)、書き込みの完了時点からオフセット時間ot2が経過したかどうかを判定する(S37)。
【0111】
ステップS37において、制御部60は、ラインカウンタのカウント値から、書き込みの完了時点からオフセット時間ot2が経過したことを判定すると(S37でYes)、サブフレーム期間(初期化)を終了する(S38)。つまり、制御部60は、図10に示すサブフレーム期間SF1(WS消光)を終了する。
【0112】
なお、制御部60は、オフセット時間ot2が経過していない場合には(S37でNo)、オフセット時間ot2が経過するまで待つことになる。本実施の形態では、制御部60は、ラインカウンタ及び初期化期間カウンタのカウント値を利用して、サブフレーム期間(初期化)を終了させる。図10に示す例では、制御部60は、書き込みの完了時点からオフセット時間ot2が経過した時点にサブフレーム期間SF1(WS消光)を終了させる。
【0113】
続いて、図9Bに示すステップS23の詳細動作について説明する。すなわち、図9Bに示すように、ステップS23において、制御部60は、サブフレーム期間(初期化)、又は、前のサブフレーム期間(消光)に続けて、サブフレーム期間(消光)を開始する(S41)。本実施の形態では、制御部60は、ラインカウンタのカウント値を利用して、サブフレーム期間(消光)を開始させる。図10に示す例では、制御部60は、サブフレーム期間SF1(WS消光)の終了時点からサブフレーム期間SF2(EN+INI消光)を開始する。サブフレーム期間SF2(EN+INI消光)は、サブフレーム期間(消光)に相当する。
【0114】
また、制御部60は、サブフレーム期間SF2(EN+INI消光)の終了時点からサブフレーム期間SF3(EN+INI消光)を開始する。サブフレーム期間SF4(EN+INI消光)、及び、サブフレーム期間SF5(EN+INI消光)も同様である。
【0115】
次に、制御部60は、サブフレーム期間(消光)の開始からオフセット時間ot1が経過したかどうかを判定する(S42)。なお、オフセット時間ot1は、ステップS32のオフセット時間ot1と同じ時間が設定されてもよいし異なる時間が設定されてもよい。
【0116】
ステップS42において、制御部60は、ラインカウンタのカウント値から、サブフレーム期間(消光)の開始からオフセット時間ot1が経過したことを判定すると(S42でYes)、消光動作を開始する(S43)。なお、制御部60は、オフセット時間ot1が経過していない場合には(S42でNo)、オフセット時間ot1が経過するまで待つことになる。本実施の形態では、制御部60は、消光期間カウンタのカウント値を利用して、画素回路30の消光動作を開始する。図10に示す例では、制御部60は、例えば、サブフレーム期間SF2(EN+INI消光)において、オフセット時間ot1が経過した後、消光信号EN及び制御信号INIをハイレベルにしたゲート制御信号を生成し、ゲート駆動回路14に出力することで、消光動作(消光期間)を開始させる。これにより、表示パネル10の画素回路30が有する発光素子32を消光させることができる。
【0117】
次に、制御部60は、消光期間が経過したかどうかを判定する(S44)。
【0118】
ステップS44において、制御部60は、消光期間カウンタのカウント値から、画素回路30の消光期間が完了したことを判定すると(S44でYes)、画素回路30が有する発光素子32を再発光させる(S45)。
【0119】
本実施の形態では、制御部60は、消光期間カウンタのカウント値を利用して、画素回路30の消光期間が経過したことを判定する。図10に示す例では、制御部60は、サブフレーム期間SF2(EN+INI消光)において、消光期間カウンタのカウント値に従い、画素回路30の消光期間を完了させることで、当該消光期間が完了したことがわかる。なお、制御部60は、消光期間の終了後、消光信号EN及び制御信号INIをローレベルにさせたゲート制御信号を生成し、ゲート駆動回路14に出力することで、消光期間を完了させる。これにより、制御部60は、画素回路30が有する発光素子32を再発光させることができる。図10に示す例では、制御部60は、サブフレーム期間SF2(EN+INI消光)において、消光期間カウンタのカウント値に従い、消光信号EN及び制御信号INIをローレベルにさせたゲート制御信号を生成し、ゲート駆動回路14に出力する。これにより、制御部60は、サブフレーム期間SF2(EN+INI消光)において、消光期間を完了させるとともに画素回路30が有する発光素子32を再発光させることができる。
【0120】
次に、制御部60は、消光期間が経過した時点からオフセット時間ot2が経過したかどうかを判定する(S46)。
【0121】
ステップS46において、制御部60は、ラインカウンタのカウント値から、消光期間が経過した時点からオフセット時間ot2が経過したことを判定すると(S46でYes)、サブフレーム期間(消光)を終了する(S47)。なお、制御部60は、オフセット時間ot2が経過していない場合には(S46でNo)、オフセット時間ot2が経過するまで待つことになる。本実施の形態では、制御部60は、ラインカウンタ、及び、消光期間カウンタのカウント値を利用して、サブフレーム期間(消光)を終了させる。図10に示す例では、制御部60は、消光期間の終了時点からオフセット時間ot2が経過した時点にサブフレーム期間SF2(EN+INI消光)を終了させる。
【0122】
なお、上記の図10では、フレーム期間の開始を示す信号として垂直同期信号VSを例にあげて説明したが、これに限らない。映像期間信号DEであってもよい。
【0123】
上記のように、制御装置20は、同一画像が表示され続ける期間であるフレーム期間の発光期間と消光期間とを少なくとも制御する。制御装置20は、フレーム期間それぞれを発光期間及び消光期間を一定の時間間隔で繰り返す複数のサブフレーム期間で構成することで、フレーム期間の消光期間を分散(分割)させる。これにより、制御装置20は、1フレーム期間を一定の長さの複数のサブフレーム期間に分割して実行することで、フレーム期間における消光期間を分散させ、かつ、発光期間及び消光期間を一定の時間間隔で繰り返させることができる。
【0124】
また、制御装置20は、垂直ライン数が予めわからなくて、さらに、フレーム期間が常に又は時に大きく変動する場合でも、予め定めた長さのオンデューティとオフデューティとをサブフレーム期間という一定周期で繰り返すことができる。これにより、フレーム期間が大きく変動しても、画像を表示する表示パネル10においてフリッカが視認されないようにすることができる。つまり、フレーム期間が変動してもフリッカ現象を抑制することができる。
【0125】
また、制御装置20は、フレーム期間を構成する最後のサブフレーム期間の実行中に、当該フレーム期間の次のフレーム期間の開始を示す信号を検出した場合、当該最後のサブフレーム期間に続けて次のフレーム期間の最初のサブフレーム期間を開始する。これにより、フレーム期間の変動に容易に追従することができるので、フレーム期間が変動してもフリッカ現象を抑制することができる。
【0126】
[3.効果など]
本開示の一態様に係る制御装置20は、同一の画像が表示され続ける期間であるフレーム期間が、フレームごとに一定の範囲で変動又は一時的に安定するが、正確なフレーム期間が予めわからない場合の表示パネル10の制御装置である。制御装置20は、入力されるフレーム期間によらず、n(nは2以上の整数)個のサブフレーム期間でフレーム期間を再構成するようにサブフレーム期間の個数を変更し、画像を表示させる制御を行い、入力された第1入力映像信号に基づく出力映像信号を、サブフレーム期間の単位で出力する信号処理部50と、信号処理部50から出力された出力映像信号と、表示パネル10の動作を制御する制御信号とを表示パネル10に供給する制御部60とを備える。
【0127】
これにより、制御部60において、サブフレームレート単位になるようにフレームレートを変換するためのフレームメモリが不要となり、信号処理部50のフレームメモリ51への映像信号の書き込み及び読み出しのみにより映像を表示可能となり得る。つまり、フレームメモリへの映像信号の書き込みが1回で済み、かつ、当該映像信号の読み出しが少なくとも1回で済む。よって、本実施の形態に係る制御装置20は、信号処理部50及び制御部60のそれぞれのフレームメモリにおいて映像信号の書き込み及び読み出しを行う場合に比べて、フレームメモリへの映像信号の書き込み及び読み出しに要する消費電力を低減可能である。
【0128】
また、信号処理部50は、1画面分より多く、かつ、当該1画面分、及び、サブフレーム期間分以下の、第1入力映像信号を記憶可能な記憶容量を有するフレームメモリ51(メモリの一例)を有し、当該フレームメモリ51に記憶された第1入力映像信号に基づく出力映像信号を、サブフレーム期間の単位で出力する。
【0129】
これにより、信号処理部50は、最大でサブフレーム期間分遅延させて映像信号を出力可能である。よって、信号処理部50において、取得した映像信号がスキップされることが抑制され、当該映像信号をより確実に出力することができる。
【0130】
また、信号処理部50及び制御部60のうち、信号処理部50のみが第1入力映像信号を記憶するためのフレームメモリ51を有する。
【0131】
これにより、制御部60のフレームメモリが不要となるので、制御装置20のコストを低減することができる。
【0132】
また、例えば、信号処理部50は、表示パネル10のサブフレーム期間におけるライン数(表示ライン数の一例)を示す情報を制御部60から取得し、当該情報に基づいて出力映像信号を生成してもよい。
【0133】
これにより、信号処理部50は、制御装置20の外部から情報を取得することなく、制御部60に出力する、つまり表示パネル10に出力する映像信号を生成することができる。
【0134】
また、例えば、信号処理部50は、表示パネル10のサブフレーム期間におけるライン数であって、予め設定されたライン数を示す情報を読み出し、読み出した情報に基づいて出力映像信号を生成してもよい。
【0135】
これにより、信号処理部50は、予め設定された表示ライン数を示す情報を読み出すだけで、制御部60に出力する、つまり表示パネル10に出力する映像信号を生成することができる。
【0136】
また、信号処理部50と制御部60とは、1チップで構成されている。
【0137】
これにより、信号処理部50と制御部60との間の通信を、基板に形成された配線を介することなく、容易に行うことができる。
【0138】
また、制御部60は、n個のサブフレーム期間のそれぞれを、予め定められた同一の長さとなる期間で構成する。
【0139】
これにより、複数のサブフレーム期間それぞれの長さが同一となるので、当該長さが異なる場合に比べて、フリッカが視認されないようにすることができる。つまり、フレーム期間が変動してもフリッカ現象を抑制することができる。
【0140】
また、n個のサブフレーム期間のそれぞれは、発光期間及び消光期間を有し、制御部60は、発光期間及び消光期間の割合であるデューティ比を、予め定められた同一の比となるように制御する。
【0141】
これにより、複数のサブフレーム期間を用いて発光期間及び消光期間を一定の時間間隔で繰り返すことができる。よって、フレーム期間が大きく変動しても、映像を表示する表示パネル10においてフリッカが視認されないようにすることができる。つまり、フレーム期間が変動してもフリッカ現象をより抑制することができる。
【0142】
また、表示パネル10を構成する画素は、有機EL素子を含む電流駆動で発光する発光素子からなる。
【0143】
これにより、GPUの処理能力等によりフレーム期間が大きく変動しても、OLEDを用いた表示パネル10においてフリッカが視認されないようにすることができる。つまり、フレーム期間が変動しても、OLEDを用いた表示パネル10のフリッカ現象を抑制することができる。
【0144】
また、フレームメモリ51は、1画面分、及び、サブフレーム期間分の第1入力映像信号を記憶可能な記憶容量を有する。
【0145】
これにより、信号処理部50は、サブフレーム期間分遅延させて映像信号を出力可能である。
【0146】
また、本開示の一態様に係る表示装置1は、上記の制御装置20と、制御装置20からの制御信号が入力されるゲート駆動回路14、及び、制御装置20からの出力映像信号が入力されるソース駆動回路16を有する表示パネル10とを備える。
【0147】
これにより、消費電力が低減可能な表示装置1を実現することができる。
【0148】
また、本開示の一態様に係る制御方法は、同一の画像が表示され続ける期間であるフレーム期間が、フレームごとに一定の範囲で変動又は一時的に安定するが、正確なフレーム期間が予めわからない場合の表示パネル10の制御方法である。制御方法は、入力されるフレーム期間によらず、n(nは2以上の整数)個のサブフレーム期間でフレーム期間を再構成するようにサブフレーム期間の個数を変更し、画像を表示させることを含み、さらに、入力された入力映像信号に基づく出力映像信号を、サブフレーム期間の単位で出力(S18)し、出力映像信号と、表示パネル10の動作を制御する制御信号とを表示パネル10に供給する(S22、S23)ことを含む。
【0149】
これにより、上記の制御装置20と同様の効果を奏する。
【0150】
(実施の形態の変形例)
以下では、本変形例に係る制御装置について、図11を参照しながら説明する。図11は、本変形例に係る信号処理部50が有するフレームメモリ51への映像信号の書き込み及び読み出しタイミングを説明するための模式図である。なお、以下では、実施の形態との相違点を中心に説明し、実施の形態と同一又は類似の内容については説明を省略又は簡略化する。制御装置の機能構成は、実施の形態と同様であり、説明を省略する。
【0151】
図11の横軸は、時間を示す。また、図11の縦軸の上側は、フレームメモリ51への映像信号の書き込みを示しており、信号源70からの映像信号の書き込みタイミングを示しているとも言える。また、縦軸の下側は、フレームメモリ51から映像信号の読み出しを示しており、制御部60への映像信号の出力タイミングを示しているとも言える。また、映像信号I11~I16の6フレーム分の映像信号における、フレームメモリ51に対する入出力タイミングを示す。
【0152】
また、図11では、1フレーム期間が144Hzであり、サブフレーム期間が720Hzでサブフレーム期間が一定である場合について示している。時間t31、t32、t33、t34、t35及びt36のそれぞれは、映像信号I11、I12、I13、I14、I15及びI16のそれぞれの書き込み開始タイミングを示す。なお、映像信号I11~I13に示す処理は、図7に示す映像信号I1~I3と同じであり説明を省略する。
【0153】
図11に示すように、時間t35において映像信号I14の書き込みが完了した後、映像信号I14が読み出される前に映像信号I5が書き込まれている。本実施の形態では、信号処理部50は、フレームメモリ51に記憶された映像信号I14に基づく映像信号を制御部60に出力する前に映像信号I14とは異なる映像信号I15が入力された場合、映像信号I14に映像信号I15を上書きすることでフレームメモリ51に映像信号I15を記憶する。信号処理部50は、映像信号I14の読み出し開始タイミングが時間t35から1サブフレーム期間程度遅れた場合、例えば、映像信号I14の書き込み開始タイミングから1垂直期間+1サブフレーム期間程度遅れた場合、映像信号I14を読み出すことなく映像信号I14に映像信号I15を上書きする。このように、信号処理部50は、例えば、映像信号I4の読み出しタイミングがフレームメモリ51への映像信号I4の書き込みから1フレーム期間以上遅れた場合、映像信号I4を読み出すことなく映像信号I4の次の映像信号I5を映像信号I4に上書きする。信号処理部50は、次の映像信号(例えば、映像信号I15)の受信の開始までに、現在記憶されている映像信号(例えば、映像信号I14)が読み出されていなくても、映像信号I14に映像信号I15を上書きする。信号処理部50は、映像信号I14(1フレーム分)をスキップさせるとも言える。フレームメモリ51は、例えば、1画面分の記憶容量を有していればよい。なお、映像信号I14は、第1入力映像信号の一例であり、映像信号I15は、第2入力映像信号の一例である。
【0154】
本開示の一態様に係る制御装置20の信号処理部50は、映像信号I4(第1入力映像信号の一例)の読み出しタイミングがフレームメモリ51(メモリの一例)への映像信号I4の書き込みから1フレーム期間以上遅れた場合、映像信号I4を読み出すことなく映像信号I4の次の映像信号I5(第2入力映像信号の一例)を映像信号I4に上書きする。
【0155】
これにより、信号処理部50のフレームメモリ51は、サブフレーム期間に相当する記憶容量を有していなくてもよい。よって、フレームメモリ51の記憶容量をより抑制することができる。
【0156】
(その他の実施の形態)
以上、一つ又は複数の態様に係る制御装置等について、各実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この各実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示に含まれてもよい。
【0157】
例えば、上記実施の形態等では、信号処理部が有するフレームメモリは、1W1Rタイプのメモリである例について説明したが、書き込み及び読み出しの2つのポートが共有化されている1WRタイプのメモリであってもよい。
【0158】
また、上記実施の形態等において、画像を表示する表示パネルを構成する画素は、有機EL素子である例について説明したが、液晶素子であってもよい。この場合、発光期間は、バックライトスキャンにおけるバックライトが点灯される期間であり、消光期間は、バックライトが消灯される期間であってもよい。
【0159】
これにより、バックライトスキャンのフレーム期間が大きく変動しても、液晶を用いた表示パネルにおいてフリッカが視認されないようにすることができる。つまり、バックライトスキャンのフレーム期間が変動しても、液晶を用いた表示パネルのフリッカ現象を抑制することができる。
【0160】
また、上記実施の形態等における制御部は、映像信号を遅延させるため以外の機能を実現するためのメモリを有していてもよい。
【0161】
また、上記実施の形態の変形例においては、後から取得された映像信号が優先して記憶される(上書きされる)例について説明したが、これに限定されず、先に記憶されており、かつ、まだ出力されていない映像信号が優先して記憶されてもよい。例えば、後から取得された映像信号は、先に取得され記憶されていた映像信号がまだ出力されていない場合、記憶されずに破棄されてもよい。
【0162】
また、上記実施の形態等において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0163】
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が他のステップと同時(並列)に実行されてもよいし、上記ステップの一部は実行されなくてもよい。
【0164】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0165】
また、上記実施の形態等に係る制御装置は、単一の装置として実現されてもよいし、複数の装置により実現されてもよい。制御装置が複数の装置(例えば、信号処理部及び制御部)で実現される場合、当該複数の装置間の通信方法は、特に限定されない。
【0166】
また、上記実施の形態等で説明した制御装置の各構成要素は、ソフトウェアとして実現されても良いし、典型的には、集積回路であるLSIとして実現されてもよい。これらは、個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)又は、LSI内部の回路セルの接続若しくは設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。更には、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて構成要素の集積化を行ってもよい。
【0167】
システムLSIは、複数の処理部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含んで構成されるコンピュータシステムである。ROMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0168】
また、本開示の一態様は、図6図8図9Bに示される制御方法に含まれる特徴的な各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであってもよい。
【0169】
また、例えば、プログラムは、コンピュータに実行させるためのプログラムであってもよい。また、本開示の一態様は、そのようなプログラムが記録された、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体であってもよい。例えば、そのようなプログラムを記録媒体に記録して頒布又は流通させてもよい。例えば、頒布されたプログラムを、他のプロセッサを有する装置にインストールして、そのプログラムをそのプロセッサに実行させることで、その装置に、上記各処理を行わせることが可能となる。
【0170】
また、これらの全般的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータで読み取り可能なCD-ROM等の非一時的記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。プログラムは、記録媒体に予め記憶されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0171】
本開示は、特に、高速及び高解像度の表示が要望されるテレビシステム、ゲーム機及びパーソナルコンピュータのディスプレイ等の技術分野に有用である。
【符号の説明】
【0172】
1 表示装置
10 表示パネル
12 表示部
14 ゲート駆動回路
16 ソース駆動回路
20 制御装置
30 画素回路
32 発光素子
33 駆動トランジスタ
34、36、37 スイッチトランジスタ
35 選択トランジスタ
38 画素容量
39 EL容量
40 走査線
42 信号線
50 信号処理部
51 フレームメモリ
60 制御部
70 信号源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11