(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062273
(43)【公開日】2023-05-08
(54)【発明の名称】情報処理システム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/04 20230101AFI20230426BHJP
【FI】
G06Q10/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021172147
(22)【出願日】2021-10-21
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】520376580
【氏名又は名称】株式会社datagusto
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】飯田 蔵土
(72)【発明者】
【氏名】パー 麻緒
(72)【発明者】
【氏名】中村 達哉
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】機械学習の専門知識のないユーザが、学習済みモデルを作成し、作成した学習済みモデルを活用することが可能な情報処理システムを提供すること。
【解決手段】情報処理装置及び複数のユーザ端末を備え、これらがネットワークを通じて通信可能な情報処理システムにおいて、情報処理装置は、制御部を備える。制御部は、機械学習のための学習用データセットをユーザから受け付ける受付部と。機械学習の手法に関する情報を含むテンプレートを読み出す読出部と、学習用データセットとテンプレートとに基づいて、学習済みモデルを生成する生成部と、生成した学習済みモデルに入力する入力データを取得する取得部と、入力データと学習済みモデルとに基づいて得られた出力結果と、この出力結果を変化させるための第1の視覚情報とを表示させる表示制御部と、を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、
第1の受付ステップでは、機械学習のための学習用データセットをユーザから受け付け、
読出ステップでは、前記機械学習の手法に関する情報を含むテンプレートを読み出し、
生成ステップでは、前記学習用データセットと前記テンプレートとに基づいて、学習済みモデルを生成し、
第1の取得ステップでは、生成された前記学習済みモデルに入力する入力データを取得し、
第1の表示制御ステップでは、前記入力データと前記学習済みモデルとに基づいて得られた出力結果と、この出力結果を変化させるための第1の視覚情報とを表示させる、もの。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1の受付ステップでは、前記ユーザからの前記テンプレートの選択をさらに受け付け、
ここで前記テンプレートは、前記学習用データセットにおけるデータ項目に関する情報を含む、もの。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、第2の受付ステップをさらに実行するように構成され、
前記第2の受付ステップでは、前記入力データに含まれる注目パラメータの選択を前記ユーザから受け付け、
前記第1の表示制御ステップでは、前記注目パラメータに対する前記第1の視覚情報を表示させる、もの。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理システムにおいて、
前記第2の受付ステップでは、前記注目パラメータの値の条件を、前記ユーザからさらに受け付け、
前記第1の視覚情報は、前記条件を満たす推奨値を、前記ユーザが認識可能な態様で示す、もの。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記第1の表示制御ステップでは、前記出力結果の変化の度合いを示す指標を、さらに表示させる、もの。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記第1の表示制御ステップでは、前記出力結果と前記学習済みモデルの精度とに基づいて、前記出力結果の誤差範囲をさらに表示させる、もの。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1の表示制御ステップでは、前記入力データと前記学習済みモデルとに基づいて得られた複数の出力結果と、前記複数の出力結果の合計値とを、さらに表示させ、
ここで、前記合計値は、前記誤差範囲に基づいた数値範囲として表示される、もの。
【請求項8】
請求項1~請求項7の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記第1の視覚情報は、前記出力結果の変化の度合いを最大化させるための情報である、もの。
【請求項9】
請求項1~請求項8の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、第2の表示制御ステップをさらに実行するように構成され、
前記第2の表示制御ステップでは、前記学習済みモデルに関する第2の視覚情報を表示させ、
ここで、前記第2の視覚情報には、前記学習済みモデルの精度を示す指標が含まれる、もの。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理システムにおいて、
前記第2の視覚情報は、1つの前記学習済みモデルのみに関する情報である、もの。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の情報処理システムにおいて、
前記第2の視覚情報には、前記学習済みモデルの精度を向上させるために、前記ユーザによって追加されることが推奨される、前記学習用データセットにおけるデータ項目に関する情報が含まれる、もの。
【請求項12】
請求項1~請求項11の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、第2の取得ステップをさらに実行するように構成され、
前記第2の取得ステップでは、前記学習用データセットと関係する追加データセットを、ネットワークを介して取得し、
ここで前記第2の取得ステップは、前記ユーザの入力なしに実行され、
前記生成ステップでは、少なくとも前記追加データセットと前記テンプレートとに基づいて、前記学習済みモデルを生成又は更新する、もの。
【請求項13】
請求項1~請求項12の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記生成ステップでは、前記ユーザによる前記機械学習の手法の選択なしに、前記学習用データセットと前記テンプレートとに基づいて、前記学習済みモデルを生成する、もの。
【請求項14】
方法であって、
請求項1~請求項13の何れか1つに記載の情報処理システムにおける各ステップを備える、方法。
【請求項15】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項13の何れか1つに記載の情報処理システムにおける各ステップを実行させる、もの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
将来の様々な事象を予測するため、機械学習技術が活用されている。例えば、特許文献1には、過去の販売実績データに基づいて学習させた学習済みモデルを使用し、需要予測を行うプログラム等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、機械学習の専門知識のないユーザにとっては、学習済みモデルを作成し、作成した学習済みモデルを活用することが、非常に困難であった。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、機械学習の専門知識のないユーザが、学習済みモデルを作成し、作成した学習済みモデルを活用することが可能な情報処理システムを提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。第1の受付ステップでは、機械学習のための学習用データセットをユーザから受け付ける。読出ステップでは、機械学習の手法に関する情報を含むテンプレートを読み出す。生成ステップでは、学習用データセットとテンプレートとに基づいて、学習済みモデルを生成する。第1の取得ステップでは、生成された学習済みモデルに入力する入力データを取得する。第1の表示制御ステップでは、入力データと学習済みモデルとに基づいて得られた出力結果と、この出力結果を変化させるための第1の視覚情報とを表示させる。
【0007】
このような態様によれば、機械学習の専門知識のないユーザが、学習済みモデルを作成し、作成した学習済みモデルを活用することが可能な情報処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】情報処理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】ユーザ端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】情報処理装置2における制御部23等によって実現される機能を示すブロック図である。
【
図5】情報処理システム1において実行される情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。
【
図6】ユーザに視認される表示部34の態様一例を示した画面例である。
【
図7】ユーザに視認される表示部34の態様一例を示した画面例である。
【
図8】ユーザに視認される表示部34の態様一例を示した画面例である。
【
図9】ユーザに視認される表示部34の態様一例を示した画面例である。
【
図10】ユーザに視認される表示部34の態様一例を示した画面例である。
【
図11】ユーザに視認される表示部34の態様一例を示した画面例である。
【
図12】情報処理システム1において実行される情報処理の流れの変形例を示すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、ハードウェア構成について説明する。
【0014】
<情報処理システム1>
図1は、情報処理システム1を表す構成図である。情報処理システム1は、情報処理装置2及びユーザ端末3を備え、これらが電気通信回線を通じて通信可能に構成されている。一実施形態において、情報処理システム1とは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。仮に例えば、情報処理装置2のみからなる場合であれば、情報処理システム1は、情報処理装置2となりうる。以下、これらの構成要素について説明する。
【0015】
<情報処理装置2>
図2は、情報処理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを備え、これらの構成要素が情報処理装置2の内部において通信バス20を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0016】
通信部21は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、情報処理装置2は、通信部21及びネットワークを介して、外部から種々の情報を通信してもよい。
【0017】
記憶部22は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部23によって実行される情報処理装置2に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部22は、制御部23によって実行される情報処理装置2に係る種々のプログラムや変数等を記憶している。
【0018】
制御部23は、情報処理装置2に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部23は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0019】
<ユーザ端末3>
図3は、ユーザ端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、表示部34と、入力部35とを備え、これらの構成要素がユーザ端末3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。通信部31、記憶部32及び制御部33の説明は、情報処理装置2における各部の説明と同様のため省略する。
【0020】
表示部34は、ユーザ端末3筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部34は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、ユーザ端末3の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。
【0021】
入力部35は、ユーザ端末3の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部35は、表示部34と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部35がユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バス30を介して制御部33に転送され、制御部33が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0022】
2.機能構成
本節では、情報処理装置2における制御部23の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部が実行されうる。
【0023】
図4は、情報処理装置2における制御部23等によって実現される機能を示すブロック図である。具体的には、制御部23は、受付部231と、読出部232と、生成部233と、取得部234と、表示制御部235とを備える。以下、各機能部について説明する。
【0024】
受付部231は、情報処理に必要な種々の情報を受け付けるように構成される。例えば、受付部231は、後述の読出部232を介して、予め記憶部22に記憶された種々の情報を受け付けてもよい。また、受付部231は、後述の取得部234を介して、外部の機器からネットワーク及び通信部21を経由して種々の情報を受け付けてもよい。
【0025】
読出部232は、記憶部22に記憶された種々の情報を読み出すように構成される。特に、読出部232は、記憶部22に記憶されたテンプレートを読み出す。
【0026】
生成部233は、受付部231が受け付けた情報と、読出部232が読み出したテンプレートとに基づいて、学習済みモデルを生成するように構成される。
【0027】
取得部234は、ネットワーク及び通信部21を介して、学習済みモデルの生成に使用する情報を取得するように構成される。特に、取得部234は、ユーザ端末3の入力部35及び情報処理装置2の通信部21を介して、入力データINを取得する。
【0028】
表示制御部235は、ユーザ端末3の表示部34に種々の情報を表示させるように構成される。特に、表示制御部235は、第1の視覚情報IF1及び第2の視覚情報IF2を表示させる。第1の視覚情報IF1及び第2の視覚情報IF2は、例えば、テキスト、数字、記号、図形、色彩、これらの組み合わせ等であってよい。表示制御部235は、画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ヒトが視認可能な態様で生成された情報そのものを第1の視覚情報IF1及び第2の視覚情報IF2として生成してもよいし、例えば表示部34等に画面、画像、アイコン、テキスト等を表示させるためのレンダリング情報を第1の視覚情報IF1及び第2の視覚情報IF2として生成し、これを送信するようにしてもよい。
【0029】
3.情報処理の詳細
本節では、アクティビティ図を参照しながら、前述した情報処理システム1において実行される情報処理について説明する。
図5は、情報処理システム1において実行される情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。具体的な例として、商品の販売数の予測をしたいユーザが、機械学習によって学習済みモデルを作成し、学習済みモデルを使用してシミュレーションを行う場面を用いて説明する。
【0030】
まず、受付部231は、第1の受付ステップとして、ユーザ端末3の入力部35を介して、ユーザからのテンプレートの選択を受け付ける(アクティビティA001)。
【0031】
テンプレートとは、機械学習に使用する学習用データセットDT1と、学習済みモデルを生成するためのデータの処理方法等とを予め定めた情報を指す。具体的には例えば、テンプレートは、学習用データセットDT1におけるデータ項目に関する情報、機械学習の手法に関する情報(例えば、データを処理するためのアルゴリズム等)、テンプレート説明情報、学習済みモデルに関する情報を表示するための図表の種類や構造等を特定する情報等を含んで良い。このような態様によれば、機械学習の手法や、機械学習に必要なデータについて知識がないユーザであっても、テンプレートに基づいてより容易に学習済みモデルを作成することができる。
【0032】
学習用データセットDT1とは、いわゆる教師データのことを指し、機械学習に使用する複数のデータの集合であってよい。学習用データセットDT1は、例えば、ユーザの過去の販売実績における複数の特徴量であってよい。データ項目に関する情報とは、学習済みモデルの生成にあたり、学習用データセットDT1として入力することが推奨されるデータの項目名、種類を示す情報等であってよい。データの種類とは、例えば、質的変数(カテゴリ変数)又は量的変数のどちらかであってよい。
【0033】
テンプレート説明情報とは、テンプレートの内容をユーザに説明するための情報であってよい。例えば、テンプレート説明情報は、そのテンプレートにしたがって学習済みモデルを生成した場合に、何を予測することができるか、つまり、目的変数は何かを示す情報を含んでよい。
【0034】
好ましくは、表示制御部235は、テンプレート説明情報及びデータ項目に関する情報を、ユーザが認識可能な態様で表示する。
図6は、ユーザに視認される表示部34の態様一例を示した画面例である。例えば、ユーザは、表示制御部235によって操作画面5に表示されるテンプレートの中から、任意のテンプレートを選択することができる。このような態様によれば、機械学習の専門知識がないユーザであっても、予測したい事象に応じてテンプレートを選択し、目的に沿った学習済みモデルを作成することができる。
【0035】
図6の例では、操作画面5は、メニュー表示エリア51とテンプレート選択エリア52とを含む。メニュー表示エリア51には、ユーザが実行可能な項目の一覧が表示されてよく、例えば、学習済みモデルを作成するための作成プルダウン510と、学習済みモデルを使用して事象の予測を行うための使用ボタン512とが含まれる。表示制御部235は、作成プルダウンメニュー511における「テンプレートから作る」の選択によって、テンプレート選択エリア52を表示させてよい。
【0036】
図6の例では、テンプレート選択エリア52には、複数のテンプレート表示エリア521が含まれる。テンプレート表示エリア521には、テンプレート名、テンプレート説明情報522、データ項目名523、詳細リンク524等が含まれる。例えば、「商品の販売数予測(店舗)」というテンプレートには、テンプレート説明情報522として、店舗における商品販売数を予測する学習済みモデルを作成するためのテンプレートであることが示されている。そして、データ項目名523として、ユーザが準備することが推奨されるデータとして「販売単価、販売数実績、天気、気温」等が表示されている。受付部231が詳細リンク524のクリック等による選択を受け付けることで、表示制御部235が、テンプレート説明情報522及びデータ項目に関する情報を示す詳細画面に遷移させてもよい。
【0037】
次に、読出部232は、読出ステップとして、ユーザによって選択されたテンプレートを、記憶部22から読み出す(アクティビティA002)。続いて、受付部231が、読み出されたテンプレートを受け付けてよい。
【0038】
次に、受付部231は、第1の受付ステップとして、機械学習のための学習用データセットDT1をユーザから受け付ける(アクティビティA003)。受付部231は、学習用データセットDT1を、例えばcsvやexcel形式等のデータとして受け付けてもよく、表示制御部235によって表示されたデータ入力用の表を介して受け付けてもよい。
【0039】
次に、生成部233は、生成ステップとして、学習用データセットDT1とテンプレートとに基づいて、学習済みモデルを生成する(アクティビティA004)。
【0040】
具体的には、生成部233は、テンプレートによって特定された機械学習の手法によって学習用データセットDT1を処理することで、学習済みモデルを生成する。機械学習の手法は特に限定されず、既知の機械学習のアルゴリズムが使用されてよい。具体的には例えば、線形回帰、サポートベクターマシン(SVM)、ロジスティック回帰、決定木、ランダムフォレスト、ブースティング、ニューラルネットワーク、異種混合学習、これらの組み合わせ等が適宜採用されればよい。
【0041】
好ましくは、生成部233は、ユーザによる機械学習の手法の選択なしに、学習用データセットDT1とテンプレートとに基づいて、学習済みモデルを生成する。このような態様により、機械学習の専門知識がなく、機械学習の手法を自身で選択することが困難なユーザであっても、より容易に学習済みモデルを作成することができる。
【0042】
次に、所定の条件に一致する場合、取得部234は、第2の取得ステップとして、学習用データセットDT1と関係する追加データセットDT2を、ネットワークを介して取得する(アクティビティA005)。所定の条件に一致しない場合には、アクティビティA005及びA006は省略され、次の処理へと進む。ここで、取得部234は、第2の取得ステップを、ユーザの入力なしに実行してよい。所定の条件とは、例えば、学習用データセットDT1に含まれるデータの数、又は生成された学習済みモデルの精度が所定の値に達していないこと等であってよい。
【0043】
追加データセットDT2は、インターネット上で公開された情報の中から取得されたものであってよい。ここで追加データセットDT2の取得の処理について、具体例を挙げて説明する。例えば、学習用データセットDT1の一項目である「店舗住所」の中に、「住所情報A,住所情報B,住所情報C・・・」というデータが含まれているとする。この場合、「店舗住所」に関連する情報として、「該住所の最寄り駅」、「該住所における過去のある1日の最高気温」等がインターネット上で公開されている。ここで取得部234は、例えば、主データセット「店舗住所」における「住所情報A,住所情報B,住所情報C・・・」に対応する追加データセットDT2として、「駅名E,駅名F,駅名G・・・」というデータを含む「店舗の最寄り駅」を取得することができる。
【0044】
次に、生成部233は、少なくとも追加データセットDT2とテンプレートとに基づいて、学習済みモデルを更新する(アクティビティA006)。具体的には、生成部233は、テンプレートによって特定された機械学習の手法によって追加データセットDT2をさらに処理することで、学習済みモデルを更新する。生成部233は、さらに学習用データセットDT1に基づいて、学習済みモデルを更新してもよい。このような態様により、ユーザは、学習用データセットDT1として使用するための手持ちのデータが少ない場合であっても、より多くのデータに基づいて機械学習をすることができる。すなわち、ユーザは、精度の高い学習済みモデルをより容易に作成することが可能となる。
【0045】
次に、表示制御部235は、第2の表示制御ステップとして、学習済みモデルに関する第2の視覚情報IF2を表示させる(アクティビティA007)。
図7は、ユーザに視認される表示部34の態様一例を示した画面例である。例えば、第2の視覚情報IF2は、
図7における学習済みモデル表示エリア53であってもよい。
【0046】
図7の例では、学習済みモデル表示エリア53は、予測精度531と、精度向上アドバイス532と、変数重要度533を含む。予測精度531は、学習済みモデルの精度を示す点数、パーセンテージ、ランク、5段階評価における評価等を示すものであってよい。すなわち、第2の視覚情報IF2には、学習済みモデルの精度を示す指標が含まれる。このような態様によれば、ユーザは、生成した学習済みモデルの精度を認識することができる。これにより、専門知識のないユーザであっても、生成した学習済みモデルの良し悪しを理解可能な態様を実現することができる。
【0047】
好ましくは、第2の視覚情報IF2は、1つの学習済みモデルのみに関する情報である。このような態様によれば、ユーザにとっての過剰な選択肢を減らし、より簡単に使用可能な情報処理システム1を提供することができる。これにより、学習済みモデルを生成し、活用することに対するユーザの心理的ハードルを低減することができる。
【0048】
好ましくは、第2の視覚情報IF2には、学習済みモデルの精度を向上させるために、ユーザによって追加されることが推奨される、学習用データセットDT1におけるデータ項目に関する情報が含まれる。例えば、
図7に示すように、変数重要度533として、各説明変数の重要度が棒グラフとして、重要度の高い順に表示されてよい。また、精度向上アドバイス532として、追加が推奨されるデータの項目名が表示されてよい。
【0049】
このような態様によれば、学習済みモデルの精度を向上させるために何をしたらよいかを、ユーザがより具体的に認識することができる。これにより、ユーザに、学習済みモデルの精度を向上させるために、適切なデータの追加を促すことができる。さらに、学習済みモデルの精度の向上によって実際の結果に近い予測結果を出力することが可能となり、情報処理システム1を使用するユーザの満足度をより高めることができる。
【0050】
次に、取得部234は、第1の取得ステップとして、生成された学習済みモデルに入力する入力データINを取得する(アクティビティA008)。入力データINは、入力部35を介して、ユーザによって入力されたものであってよい。入力データINは、例えば、未知の目的変数を出力するための、複数の説明変数の値であってよい。入力データINは、例えばcsvやexcel形式等のデータであってもよく、表示制御部235によって表示されたデータ入力用の表を介して入力されてもよい。
【0051】
図8は、ユーザに視認される表示部34の態様一例を示した画面例である。
図8の例では、学習済みモデル使用エリア54は、目的変数設定エリア540と、変数表示エリア542とを含む。受け付けられた入力データINは、例えば変数表示エリア542に、表としての態様で表示されてよい。
【0052】
次に、受付部231は、第2の受付ステップとして、入力データINに含まれる注目パラメータ545の選択をユーザから受け付ける(アクティビティA009)。好ましくは、注目パラメータ545は、複数の説明変数544の中から選択される、1以上の任意の説明変数である。受付部231は、例えば、学習済みモデル使用エリア54に含まれる説明変数設定ボタン543のクリック等によって、注目パラメータ545の選択を受け付けてもよい。
図8の例では、「販売単価」が、注目パラメータ545として選択された状態が示されている。
【0053】
好ましくは、受付部231は、出力結果、すなわち目的変数546の値の条件を、ユーザから受け付ける。例えば、目的変数546の値の条件は、予測結果を改善させる、目的変数546を最大化する、予測結果を改悪させる、目的変数546を最小化する等の条件であってよい。
図8の例では、目的変数設定エリア540における設定プルダウン541を介して、ユーザによって目的変数546である「販売数」を「最大化」するという選択がされた様子を示している。これにより、ユーザが学習済みモデルを活用したシミュレーションが可能な態様を実現することができる。
【0054】
次に、受付部231は、第2の受付ステップとして、注目パラメータ545の値の条件を、ユーザからさらに受け付ける(アクティビティA010)。
図9は、ユーザに視認される表示部34の態様一例を示した画面例である。設定ウィンドウ6は、一例として、「販売単価」の説明変数設定ボタン543がクリック等で選択されたことによって表示された画面を示している。
【0055】
注目パラメータ545の値の条件は、ユーザが手動で入力してもよく、表示制御部235が推奨値を表示してもよい。
図9の例では、ユーザが選択ラジオボタン60をクリック等で選択したことにより、推奨値が表示されている状態を示している。注目パラメータ545の値の条件は、最小値、最大値、値の間隔、他の説明変数544との関係等であってよい。ユーザが条件を手動で入力する場合、条件入力ボックス62にそれぞれの値が入力されてよい。操作ボタン63がクリック等でユーザに選択されることで、条件の設定がキャンセル又は適用されてよい。
【0056】
次に、受付部231は、学習済みモデルによる予測を実行させるための入力を、ユーザから受け付ける。受付部231は、具体的には例えば、ユーザから操作ボタン547のクリック等による入力を受け付ける。続いて、表示制御部235は、第1の表示制御ステップとして、入力データINと学習済みモデルとに基づいて得られた出力結果、すなわち目的変数546と、この目的変数546を変化させるための第1の視覚情報IF1とを表示させる(アクティビティA011)。好ましくは、表示制御部235は、第1の表示制御ステップとして、入力データINと前記学習済みモデルとに基づいて得られた複数の目的変数546と、この目的変数546それぞれを変化させるための第1の視覚情報IF1とを表示させる。
図10に示すように、行番号1~4におけるそれぞれの目的変数546と、第1の視覚情報IF1とが表示されてよい。
【0057】
図10は、ユーザに視認される表示部34の態様一例を示した画面例である。第1の視覚情報IF1は、例えば、推奨情報549として表示される文章であってもよく、注目パラメータ545としてユーザに選択された「販売単価」に対しての推奨値548であってよい。
図10の例では、行番号1の「販売単価」の推奨値548として「130」が表示されている。
【0058】
つまり、好ましくは、表示制御部235は、第1の表示制御ステップとして、注目パラメータ545に対する第1の視覚情報IF1を表示させる。このような態様によれば、ユーザは、目的変数546を変化させるための、注目パラメータ545に対する情報を得ることができる。より好ましくは、第1の視覚情報IF1は、条件を満たす推奨値548を、ユーザが認識可能な態様で示す。このような態様によれば、ユーザは、目的変数546を変化させるための、注目パラメータ545の推奨値548を認識することができる。これにより、目的変数546を変化させるために何をすればよいかを、ユーザが感覚的に理解しやすい態様を実現することができ、専門知識のないユーザであっても学習済みモデルをより容易に活用することができる。
【0059】
また、好ましくは、表示制御部235は、第1の表示制御ステップとして、出力結果、すなわち目的変数546の変化の度合いを示す指標を、さらに表示させる。以下、
図10の例を用いて、具体的に説明する。行番号1における当初の「販売単価」は「120」であり、「販売数」の予測結果は「230」である。そして、「販売単価」の推奨値548は、「130」であり、この推奨値548を採用した場合に予測される「販売数」は「250」である。ここで、目的変数546の変化の度合いを示す指標の一例として、(推奨値548を採用した「販売数」の値)-(当初の「販売数」の値)である「+20」が、変化量550として表示される。
【0060】
このような態様によれば、ユーザに、目的変数546の変化の度合いを認識させることができる。これにより、ユーザは、注目パラメータ545を変更することによる効果の大きさをより理解しやすくなり、ユーザにとっての利便性が向上する。
【0061】
より好ましくは、第1の視覚情報IF1は、出力結果、すなわち目的変数546の変化の度合いを最大化させるための情報である。このような態様によれば、目的変数546の変化量550を最も大きくするための情報をユーザに認識させることができる。これにより、ユーザは、目的変数546を変化させるために最も効果の大きい方法を知ることができる。
【0062】
また、好ましくは、表示制御部235は、第1の表示制御ステップとして、出力結果、すなわち目的変数72(
図11参照)と学習済みモデルの精度とに基づいて、目的変数72の誤差範囲をさらに表示させる。このような態様によれば、学習済みモデルの誤差範囲73を反映させた予測結果をユーザに認識させることができる。
【0063】
図11は、ユーザに視認される表示部34の態様一例を示した画面例である。効果表示ウィンドウ7は、例えば、「効果の詳細」と表示された操作ボタン547が、クリック等でユーザに選択されることによって別ウィンドウとして表示されてもよいし、操作画面5の一部として表示されてもよい。
図11の例では、効果表示ウィンドウ7は、効果表示エリア71及び操作ボタン77を含む。効果表示エリア71には、目的変数72、誤差範囲73、及び効果表示74が含まれてよい。誤差範囲73には、学習済みモデルの誤差として「±10」が表示されている。効果表示74には、誤差範囲73を考慮した変化量550の数値範囲が、推奨値548を採用した場合の効果として表示されている。
【0064】
つまり、好ましくは、表示制御部235は、学習済みモデルの誤差範囲73を反映させた、変化量550の数値範囲をさらに表示させる。このような態様によれば、推奨値548を採用することによって予測される効果の大きさを、学習済みモデルの誤差範囲73を踏まえた上で、ユーザに認識させることができる。これにより、ユーザは、学習済みモデルの誤差を加味した上で、推奨された通りに行動するかどうかを検討することができる。
【0065】
次に、表示制御部235は、第1の表示制御ステップとして、入力データINと学習済みモデルとに基づいて得られた複数の出力結果、すなわち複数の目的変数72と、前記複数の目的変数72の合計値とを、さらに表示させる(アクティビティA012)。ここで、合計値は、誤差範囲73に基づいた数値範囲として表示される。好ましくは、表示制御部235は、変化量550の合計値を、さらに表示させる。ここで、変化量550の合計値は、誤差範囲73に基づいた数値範囲として表示されてよい。このような態様によれば、推奨された通りに行動することで、どの程度の効果が得られるのかを、より具体的にユーザに認識させることができる。これにより、専門知識のないユーザであっても、推奨された通りに行動するかどうかの判断をより容易に行うことが可能となり、ユーザの利便性が向上する。
【0066】
例えば、
図11の例に示すように、効果表示エリア71は、集計行75を含んでよい。集計行75には、行番号1~4の目的変数72、誤差範囲73、効果表示74の合計値が表示される。
図11の例では、「誤差範囲を考慮した上で、合計販売数は650~750と予測され、最低+50、最高+130の販売数増加が見込まれます。」という文章が、効果表示76として表示されている。効果表示74(76)は、推奨値548を採用した場合の効果をユーザが認識可能な態様で表示するものであれば表示の態様に制限はなく、
図11に示すように数値であっても文章であってもよい。
【0067】
以上をまとめると、情報処理システム1は、制御部23を備える。制御部23は、受付部231と、読出部232と、生成部233と、取得部234と、表示制御部235とを備える。受付部231は、第1の受付ステップとして、機械学習のための学習用データセットDT1をユーザから受け付ける。読出部232は、機械学習の手法に関する情報を含むテンプレートを読み出す。生成部233は、学習用データセットDT1とテンプレートとに基づいて、学習済みモデルを生成する。取得部234は、第1の取得ステップとして、生成された学習済みモデルに入力する入力データINを取得する。表示制御部235は、第1の表示制御ステップとして、入力データINと学習済みモデルとに基づいて得られた出力結果、すなわち目的変数と、この目的変数を変化させるための第1の視覚情報IF1とを表示させる。
【0068】
このような態様によれば、機械学習の専門知識のないユーザが、学習済みモデルを作成し、作成した学習済みモデルを活用することが可能な情報処理システムを提供することができる。
【0069】
特に、このような態様によれば、学習済みモデルの作成から活用までの一連の工程を、情報処理システム1においてワンストップで実現することができる。一連の工程とは、具体例には、学習済みモデルを作成する工程、学習済みモデルを使用して未知の目的変数を予測する工程、目的変数を変化させるための改善提案を受ける工程であってよい。初めて機械学習を行うユーザにとっては、目的に合った適切な機械学習の手法を選択することや、作成した学習済みモデルを実際に活用することが困難であることが多い。このようなユーザであっても、途中で挫折することなく、学習済みモデルの作成から活用までを行える情報処理システム1を提供することができる。
【0070】
4.その他
前述の実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0071】
実施形態の一態様は、情報処理方法であってよい。情報処理方法は、上述の情報処理システム1における各ステップを備える。また、実施形態の一態様は、プログラムであってよい。プログラムは、コンピュータに、上述の情報処理システム1における各ステップを実行させる。このようなプログラムが、ネットワークとは切り離されたスタンドアロンのコンピュータにおいて、オフラインで実行可能に構成されてもよい。かかる場合、情報処理装置2と、ユーザ端末3とが同一の情報処理装置として実施されてもよい。
【0072】
実施形態の一態様において、生成部233は、ユーザからのテンプレートの選択なしに、学習済みモデルを生成してもよい。すなわち、受付部231が学習用データセットDT1をユーザから受け付け、読出部232が受け付けた学習用データセットDT1に基づいてテンプレートを読み出してもよい。これにより、手持ちのデータに基づいて簡易的な予測をしたいと考えるユーザであっても、容易に学習済みモデルを生成が可能な態様を実現することができる。
【0073】
実施形態の一態様において、受付部231は、第1の受け付けステップとして、ユーザから機械学習の手法の選択を、ユーザからさらに受け付けてもよい。例えば、受付部231は、テンプレートの選択を受け付けた後に、さらに機械学習の手法の選択を受け付けてもよい。これにより、ユーザの利便性がより向上する。
【0074】
実施形態の一態様において、表示制御部235は、アクティビティ006において生成部233が更新した学習済みモデル(以下、更新モデルという)ではなく、アクティビティ004において生成部233が生成した学習済みモデル(以下、生成モデルという)に関する第2の視覚情報IF2を表示させてもよい(アクティビティA007)。また、表示制御部235は、所定の条件に一致する場合には、更新モデルに関する第2の視覚情報IF2を表示し、所定の条件に一致しない場合には、生成モデルに関する第2の視覚情報IF2を表示してよい。所定の条件とは、例えば、更新モデルの精度が生成モデルの精度よりも高いこと、所定の時間以内に生成モデルの更新が完了したこと等であってよい。別の態様において、表示制御部235は、生成モデル及び更新モデルに関する第2の視覚情報IF2を表示させてよい。そして、受付部231は、ユーザによって生成モデル又は更新モデルのどちらかの選択を受け付けた後、入力データINの入力を受け付けてよい。
【0075】
実施形態の一態様において、表示制御部235は、出力結果、すなわち目的変数546と、第1の視覚情報IF1を別々に表示させてもよい。具体的には、表示制御部235は、目的変数546と第1の視覚情報IF1を別のウィンドウに表示させてもよく、異なる端末の表示部に表示させてもよい。
【0076】
前述の実施形態では、効果表示74(76)として、目的変数72(546)である販売数の合計値や変化量550が表示される例を挙げて説明したが、例えば、目的変数72(546)や説明変数544等に基づいて算出される別の値が、効果表示74(76)として表示されてもよい。一例として、販売単価と販売数の積である売上金額が表示されてもよい。
【0077】
前術の実施形態では、商品の販売数を予測する学習済みモデルを例に挙げて説明をしたが、予測の対象には、特に制限はない。例えば、確率、金額、数量等を予測するものであってもよく、物事の成否、有無等を予測するものであってもよい。
【0078】
図12は、情報処理システム1において実行される情報処理の流れの変形例を示すアクティビティ図である。
図12に示すように、受付部231がユーザから学習用データセットDT1を受け付けた後、取得部234が連続して追加データセットDT2を取得してもよい(アクティビティA104)。変形例において、生成部233は、生成部233は、学習用データセットDT1と追加データセットDT2とテンプレートとに基づいて、学習済みモデルを生成してよい(アクティビティA105)。
図9における各アクティビティは、
図5において説明した内容と略同様のため、説明を省略する。
【0079】
実施形態においては、第2の取得ステップが、ユーザの入力なしに実行されるものとして説明したが、受付部231が追加データセットDT2の取得を要求するユーザからの入力を受け付けた場合に、取得部234が追加データセットDT2を取得してもよい。
【0080】
情報処理装置2は、オンプレミス形態であってもよく、クラウド形態であってもよい。クラウド形態の情報処理装置2としては、例えば、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという形態で、上述の機能や処理を提供してもよい。
【0081】
以上の実施形態では、情報処理装置2が種々の記憶・制御を行ったが、情報処理装置2に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、ブロックチェーン技術等を用いて、学習用データセットDT1、テンプレート等を分散して複数の外部装置に記憶させてもよい。
【0082】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理システムにおいて、前記第1の受付ステップでは、前記ユーザからの前記テンプレートの選択をさらに受け付け、ここで前記テンプレートは、前記学習用データセットにおけるデータ項目に関する情報を含む、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、第2の受付ステップをさらに実行するように構成され、前記第2の受付ステップでは、前記入力データに含まれる注目パラメータの選択を前記ユーザから受け付け、前記第1の表示制御ステップでは、前記注目パラメータに対する前記第1の視覚情報を表示させる、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記第2の受付ステップでは、前記注目パラメータの値の条件を、前記ユーザからさらに受け付け、前記第1の視覚情報は、前記条件を満たす推奨値を、前記ユーザが認識可能な態様で示す、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記第1の表示制御ステップでは、前記出力結果の変化の度合いを示す指標を、さらに表示させる、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記第1の表示制御ステップでは、前記出力結果と前記学習済みモデルの精度とに基づいて、前記出力結果の誤差範囲をさらに表示させる、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記第1の表示制御ステップでは、前記入力データと前記学習済みモデルとに基づいて得られた複数の出力結果と、前記複数の出力結果の合計値とを、さらに表示させ、ここで、前記合計値は、前記誤差範囲に基づいた数値範囲として表示される、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記第1の視覚情報は、前記出力結果の変化の度合いを最大化させるための情報である、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、第2の表示制御ステップをさらに実行するように構成され、前記第2の表示制御ステップでは、前記学習済みモデルに関する第2の視覚情報を表示させ、ここで、前記第2の視覚情報には、前記学習済みモデルの精度を示す指標が含まれる、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記第2の視覚情報は、1つの前記学習済みモデルのみに関する情報である、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記第2の視覚情報には、前記学習済みモデルの精度を向上させるために、前記ユーザによって追加されることが推奨される、前記学習用データセットにおけるデータ項目に関する情報が含まれる、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、第2の取得ステップをさらに実行するように構成され、前記第2の取得ステップでは、前記学習用データセットと関係する追加データセットを、ネットワークを介して取得し、ここで前記第2の取得ステップは、前記ユーザの入力なしに実行され、前記生成ステップでは、少なくとも前記追加データセットと前記テンプレートとに基づいて、前記学習済みモデルを生成又は更新する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記生成ステップでは、前記ユーザによる前記機械学習の手法の選択なしに、前記学習用データセットと前記テンプレートとに基づいて、前記学習済みモデルを生成する、もの。
方法であって、前記情報処理システムにおける各ステップを備える、方法。
プログラムであって、コンピュータに、前記情報処理システムにおける各ステップを実行させる、もの。
もちろん、この限りではない。
【0083】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0084】
1 :情報処理システム
2 :情報処理装置
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
231 :受付部
232 :読出部
233 :生成部
234 :取得部
235 :表示制御部
3 :ユーザ端末
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
34 :表示部
35 :入力部
5 :操作画面
51 :メニュー表示エリア
510 :作成プルダウン
511 :作成プルダウンメニュー
512 :使用ボタン
52 :テンプレート選択エリア
521 :テンプレート表示エリア
522 :テンプレート説明情報
523 :データ項目名
524 :詳細リンク
53 :モデル表示エリア
531 :予測精度
532 :精度向上アドバイス
533 :変数重要度
54 :モデル使用エリア
540 :目的変数設定エリア
541 :設定プルダウン
542 :変数表示エリア
543 :説明変数設定ボタン
544 :説明変数
545 :注目パラメータ
546 :目的変数
547 :操作ボタン
548 :推奨値
549 :推奨情報
550 :変化量
6 :設定ウィンドウ
60 :選択ラジオボタン
62 :条件入力ボックス
63 :操作ボタン
7 :効果表示ウィンドウ
71 :効果表示エリア
72 :目的変数
73 :誤差範囲
74 :効果表示
75 :集計行
76 :効果表示
77 :操作ボタン
DT1 :学習用データセット
DT2 :追加データセット
IF1 :第1の視覚情報
IF2 :第2の視覚情報
IN :入力データ