(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062284
(43)【公開日】2023-05-08
(54)【発明の名称】水栓を備えた足洗い器
(51)【国際特許分類】
E03B 9/04 20060101AFI20230426BHJP
E03C 1/20 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
E03B9/04 A
E03C1/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021172161
(22)【出願日】2021-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000144072
【氏名又は名称】SANEI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(74)【代理人】
【識別番号】100167966
【弁理士】
【氏名又は名称】扇谷 一
(72)【発明者】
【氏名】中島 一彰
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061CA10
2D061CB10
2D061CC05
2D061CC19
2D061CC20
2D061DE01
(57)【要約】
【課題】年中、足洗いすることができ、軒下などに設置しても美観を損なうことがない水栓を備えた足洗い器を提供すること。
【解決手段】この発明にかかる水栓を備えた足洗い器は、ベース体12と、中間プレート14と、格子マット16と、吐水ユニット18とを含み、前記中間プレート14は、前記ベース体12と前記格子マット16との間に配置され、 前記中間プレート14は、係合部38を有し、前記吐水ユニット18は、吐水レバー90を有し、前記係合部38は、前記吐水レバー90を開閉するよう、前記吐水レバー90と係合可能である、水栓80を備えた足洗い器である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水栓を備えた足洗い器であって、
ベース体と、中間プレートと、格子マットと、吐水ユニットとを含み、
前記中間プレートは、前記ベース体と前記格子マットとの間に配置され、
前記中間プレートは、係合部を有し、
前記吐水ユニットは、吐水レバーを有し、
前記係合部は、前記吐水レバーを開閉するよう、前記吐水レバーと係合可能である、
水栓を備えた足洗い器。
【請求項2】
前記ベース体は、係止部と排水部を含み、
前記中間プレートは、プレート排水部を含み、
前記中間プレートの係合部が前記吐水レバーを開とするよう前記吐水レバーと係合している際、前記係止部は前記プレート排水部を閉止するように構成されている、請求項1に記載の水栓を備えた足洗い器。
【請求項3】
前記係合部が前記吐水レバーを開とするよう前記吐水レバーと係合している際、前記ベース体の排水部から水を排出可能に構成されている、請求項1または2に記載の水栓を備えた足洗い器。
【請求項4】
前記ベース体の係止部は、前記ベース体の表面に略凸状に形成されており、
前記ベース体の排水部は開口部を有し、前記開口部は前記ベース体の表面と同一平面上に形成されている、請求項1~3のいずれかに記載の水栓を備えた足洗い器。
【請求項5】
前記ベース体は、平面視方形または円形の皿状体又は鉢状体であり、
前記ベース体の周縁を構成する囲繞縁は、前記中間プレート及び前記格子マットをその中に収めることができる広さと高さと備えており、
前記ベース体の底部は、前記ベース体より水を排出することができるように構成された排水部を備えている、請求項1ないし4のいずれかに記載の水栓を備えた足洗い器。
【請求項6】
前記ベース体の係止部は、前記ベース体の底部の上の面より前記中間プレート側に向けて突き出た栓体であり、前記中間プレートの排水穴を塞いで、前記中間プレート側から前記ベース体側に水が出ないように構成されている、請求項1ないし5のいずれかに記載の水栓を備えた足洗い器。
【請求項7】
前記中間プレートは、平面視方形又は円形の皿状体又は鉢状体であり、
前記中間プレートの周縁を構成する囲繞縁は、前記ベース体の中に収めることができる広さと高さとを備え、前記ベース体の中に収めたとき、側面側及び底面側において、前記中間プレートより溢れた水を前記ベース体の排水部に向けて流すことができる空間が設けられるように構成されており、
前記中間プレートは、その底部を囲繞する囲繞縁が水を溜めることができ且つ前記格子マットをその中に収めることができる広さと高さとを備えている、請求項1ないし6のいずれかに記載の水栓を備えた足洗い器。
【請求項8】
前記中間プレートは、その底部に、前記中間プレートより水を排出することができるように構成された前記中間プレート排水部を備え、
前記中間プレート排水部は、前記中間プレートの底部に穿ち設けられた排水穴から前記ベース体に水を排水することができるように構成され、
前記排水穴は、前記ベース体の係止部を嵌め込み、前記中間プレートから水が前記ベース体に向けて漏れないように構成されている、請求項2ないし7のいずれかに記載の水栓を備えた足洗い器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水栓を備えた足洗い器に関し、特に、例えば、足洗い機能を有した散水栓を備えた足洗い器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、散水栓は、散水、洗車、足洗いなどに使用されるが、その散水栓には、地中に埋め込み型がある。また、散水栓として、雪に埋もれ使用できなくなるのを避けるために柱状の水栓柱も商品化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、水栓柱を開示した特許文献1等のものは、散水や洗いの目的は果たすが、見栄えや住宅の美観において改善の余地があった。
現状、散水栓に足洗い機能を備えたものであって、玄関の軒下や庭の軒下に設置しても、雪に埋もれることなく、年中使用することができ、且つ見栄えの良い散水栓が求められている。
それゆえに、この発明の主たる目的は、年中、足洗いすることができ、軒下などに設置しても美観を損なうことがない水栓を備えた足洗い器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかる足洗い器は、水栓を備えた足洗い器であって、ベース体と、中間プレートと、格子マットと、吐水ユニットとを含み、前記中間プレートは、前記ベース体と前記格子マットとの間に配置され、前記中間プレートは、係合部を有し、前記吐水ユニットは、吐水レバーを有し、前記係合部は、前記吐水レバーを開閉するよう、前記吐水レバーと係合可能である、水栓を備えた足洗い器である。
本発明にかかる足洗い器は、前記ベース体が、係止部と排水部を含み、前記中間プレートは、プレート排水部を含み、前記中間プレートの係合部が前記吐水レバーを開とするよう前記吐水レバーと係合している際、前記係止部は前記プレート排水部を閉止するように構成されている、請求項1に記載の水栓を備えた足洗い器である。
本発明にかかる足洗い器は、前記係合部が前記吐水レバーを開とするよう前記吐水レバーと係合している際、前記ベース体の排水部から水を排出可能に構成されている、請求項1または2に記載の水栓を備えた足洗い器である。
本発明にかかる足洗い器は、前記ベース体の係止部が、前記ベース体の表面に略凸状に形成されており、前記ベース体の排水部は開口部を有し、前記開口部は前記ベース体の表面と同一平面上に形成されている、請求項1~3のいずれかに記載の水栓を備えた足洗い器である。
本発明にかかる足洗い器は、前記ベース体が、平面視方形または円形の皿状体又は鉢状体であり、前記ベース体の周縁を構成する囲繞縁は、前記中間プレート及び前記格子マットをその中に収めることができる広さと高さと備えており、前記ベース体の底部は、前記ベース体より水を排出することができるように構成された排水部を備えている、請求項1ないし4のいずれかに記載の水栓を備えた足洗い器である。
本発明にかかる足洗い器は、前記ベース体の係止部が、前記ベース体の底部の上の面より前記中間プレート側に向けて突き出た栓体であり、前記中間プレートの排水穴を塞いで、前記中間プレート側から前記ベース体側に水が出ないように構成されている、請求項1ないし5のいずれかに記載の水栓を備えた足洗い器である。
本発明にかかる足洗い器は、前記中間プレートが、平面視方形又は円形の皿状体又は鉢状体であり、前記中間プレートの周縁を構成する囲繞縁が、前記ベース体の中に収めることができる広さと高さとを備え、前記ベース体の中に収めたとき、側面側及び底面側において、前記中間プレートより溢れた水を前記ベース体の排水部に向けて流すことができる空間が設けられるように構成されており、前記中間プレートが、その底部を囲繞する囲繞縁が水を溜めることができ且つ前記格子マットをその中に収めることができる広さと高さとを備えている、請求項1ないし6のいずれかに記載の水栓を備えた足洗い器である。
本発明にかかる足洗い器は、前記中間プレートが、その底部に、前記中間プレートより水を排出することができるように構成された前記中間プレート排水部を備え、前記中間プレート排水部は、前記中間プレートの底部に穿ち設けられた排水穴から前記ベース体に水を排水することができるように構成され、前記排水穴は、前記ベース体の係止部を嵌め込み、前記中間プレートから水が前記ベース体に向けて漏れないように構成されている、請求項2ないし7のいずれかに記載の水栓を備えた足洗い器である。
【発明の効果】
【0006】
この発明にかかる足洗い器によれば、年中、足洗いすることができ、軒下などに設置しても美観を損なうことがない水栓を備えた足洗い器を得ることできる。
【0007】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴及び利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施の形態である水栓を備えた足洗い器の斜視図解図である。
【
図2】本発明の一実施の形態である水栓を備えた足洗い器の平面図解図である。
【
図3】
図1図示足洗い器のベース体の平面図解図である。
【
図4】
図1図示足洗い器の中間プレートの平面図解図である。
【
図5】
図1図示足洗い器の格子マットの平面図解図ある。
【
図6A】
図1図示足洗い器の作用を示す、
図2A-B-C線断面図解図であり、(A)は水栓を閉止とした状態の図解図であり、(B)は水栓を開とした状態の図解図 である。
【
図7】(A)及び(B)は
図6Aのa部分及びb部分を示す断面図解図であり、(C)は(B)のc-c断面図解図である。
【
図8】
図1図示足洗い器の変形例の斜視図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施の形態である水栓80を備えた足洗い器10は、
図1及び2において示すように、足洗い器の本体を構成するベース体12と、前記ベース体12に収められた中間プレート14と、前記中間プレート14に収められた格子マット16と、前記ベース体12にあるいはベース体12の近傍に配設された吐水ユニット18とを備えている。
【0010】
ベース体12は、
図1及び3において示すように、全体が略皿状であり、その底を土等の上に載地しないしは土等の中に少し埋めて、設置できるように構成されている。
中間プレート14は、
図1及び4において示すように、全体が略皿状であり、ベース体12の中に、弾力支持部50により支持された状態で、配設されている。中間プレート14は、負荷がかからないときは、ベース体12の底より若干浮いた状態で、弾力支持部50により保持されており、その時には、中間プレート14の周縁の上の縁がベース体12の周縁の上の縁と同等か若干低い位置において保持されている。
格子マット16は、
図1及び5において示すように、中間プレート14の周縁の上の縁より相当低い位置に、その上の面が位置する、比較的薄い網で構成されている。
【0011】
本発明の一実施の形態である水栓80を備えた足洗い器10は、
図2及び6において示すように、前記ベース体12、前記中間プレート14及び前記格子マット16が、最も上段の格子マット16の上に人が乗ることができる広さを有し、最も上段の格子マット16の上に人が乗ると、弾力支持部50の付勢力に抗して格子マット16および中間プレート14が少し沈み、ベース体12側に移動する。中間プレート14が少し沈み込んだときに、ベース体12に設けられた係止部28が中間プレート14に設けられた排水部34の排水穴36を塞ぎ、中間プレート14に一定水量が保たれ、足を洗うことができる。
そして、格子マット16及び中間プレート14の上から人が立ち退くと、ベース体12の係止部28が中間プレート14の排水部34の排水穴36から抜けて、排水穴36が開き、全ての水がベース体12側に排水され、ベース体12の排水部24より外部に排水される。
この発明の一実施の形態である足洗い器10は、この機能により足の汚れ除去能力を一定に保つことができるように構成されている。
【0012】
ベース体12は、
図3において示すように、平面視方形又は円形の皿状体又は鉢状体であり、プラスチックまたは金属で成形されている。
ベース体12の周縁を構成する囲繞縁20は、中間プレート14及び格子マット16をその中に収めることができる広さと高さとを備えている。
ベース体12は、底部22及び底部22を囲繞する囲繞縁20が水を溜めることができる広さと高さとを備えている。
そのベース体12の底部22は、その上面に中間プレート14を配設される広さと強度とを備えている。
【0013】
ベース体12の底部22は、ベース体12より水を排出することができるように構成された(ベース体の)排水部24を備えている。
(ベース体の)排水部24は、この実施の形態においては、底部22に穿設された開口部26aから土中あるいはベース体12の外側に水を排出するための排水パイプ26bが連結されている。
【0014】
ベース体12は、底部22に、後述する中間プレート14に配設された中間プレート排水部34を閉止するための係止部28を備えている。
係止部28は、ベース体12の底部22の上面より上方すなわち中間プレート14側に向けて突き出た栓体である。
係止部28は、この実施の形態においては、中間プレート14の排水穴36を塞ぐように構成された柱状体であり、水を中間プレート14側からベース体12側に流れ出ないように構成されている。
【0015】
中間プレート14は、
図4において示すように、平面視方形又は円形の皿状体又は鉢状体であり、プラスチックまたは金属で成形されている。
中間プレート14の周縁を構成する囲繞縁30は、ベース体12の中に収めることができる広さと高さと備えている。
中間プレート14は、全体的に、ベース体12とほぼ相似形であり、ベース体12の中に収めたとき、ベース体12との間に、側面側及び底面側において、中間プレート14より溢れ出た水をベース体12の排水部24に向けて流すことができる空間が設けられるように、一回り小さく構成されている。
中間プレート14は、その底部32を囲繞する囲繞縁30が、水を溜めることができ且つ格子マット16をその中に収めることができる広さと高さとを備えている。
その中間プレート14の底部32は、その上面に格子マット16を配設される広さと強度とを備えている。
【0016】
中間プレート14の底部32は、中間プレート14より水を排出することができるように構成された中間プレート排水部34を備えている。
中間プレート排水部34は、中間プレート14の底部32に穿設された排水穴36から、ベース体12に水を排水できるように構成されている。
中間プレート排水部34は、この実施の形態においては、前記ベース体12の係止部28を嵌め込み、中間プレート14から水がベース体12に向けて漏れないようにすることができるように、平面視円形の排水穴36で構成されている。
【0017】
中間プレート14は、吐水ユニット18の吐水レバー90を押して水栓80を開くように作用する係合部38を備えている。
係合部38は、この実施の形態においては、中間プレート14の囲繞縁30に形成された、吐水ユニット18側に向けて突き出た突起で構成されており、格子マット16の上に人が乗ったときに、その荷重により中間プレート14が若干押し下げられ、それに伴い下方に向けて下降して、吐水ユニット18の吐水レバー90を押し下げるように構成されている。
係合部38は、この実施の形態においては、(中間プレートの)囲繞縁30の上縁より上方に向けて突き出た、縦断面L字型の板状体である。
【0018】
格子マット16は、
図5において示すように、平面視方形又は円形の枠体60の中に、網状マット62が取り付けられたものである。
格子マット16を構成する枠体60は、プラスチック又は金属で形成されており、中間プレート14の中に収めることができる広さと高さと備えている。
格子マット16の枠体60は、全体的に、中間プレート14とほぼ相似形であり、中間プレート14の中に収めたとき、中間プレート14の縁部内において、中間プレート14の側部及び底部の間に、嵌め合わせることができるように、一回り小さく構成されている。
格子マット16は、網状マット62に人が乗ったときに、それに耐えることができる広さと高さと強度とを備えている。
その格子マット16の網上マット62は、その上面に、人が乗れる広さと強度とを備えている。
【0019】
格子マット16の網状マット62は、中間プレート14及びベース体12より水を排出することができるように、網状にプラスチック又は金属の線状体で形成されている。
格子マット16は、網状マット62に貫設された排水孔から、吐水ユニット18から格子マット16に放水された水が、中間プレート14及びベース体12にその水を排水できるように構成されている。
【0020】
ベース体12は、底部22に、後述する中間プレート14に配設された中間プレート排水部34を閉止するための係止部28を備えている。
係止部28は、ベース体12の底部22の上面より上方すなわち中間プレート14側に向けて突き出た略凸状の柱状体である。係止部28は、平面視円形の截頭円錐状であり、中間プレート排水部34に嵌まり込み易く形成されている。
【0021】
ベース体12の底部22に形成された(ベース体の)排水部24は、排水穴に通じる開口部26aを有しており、前記開口部26aは、前記ベース体12の底部22の表面と同一平面上に形成されている。
【0022】
ベース体12の底部22の上面に、中間プレート14を適宜な高さに指示するための、弾力支持部50が突き出し設けられている。
弾力支持部50は、この実施の形態においては、スプリングなどの付勢体で構成されている。
弾力支持部50は、ベース体12の底部22に形成された凹み52に取り付けられており、凹み52は、ベース体12の四隅に形成され、且つ係止部28の近傍に、係止部28を囲繞するように4個形成されている。
【0023】
ベース体12は、この実施の形態においては、全体が略皿状又は鉢状であり、その底(底部22)を囲む周縁(囲繞縁20)の高さは、(中間プレート14の)囲繞縁30が、(ベース体12の)囲繞縁20より上方に飛び出ない高さになるように設定されている。その周縁の縦及び横の長さは、例えば、周縁の高さの5~20倍であっても良い。周縁(囲繞縁20)が円筒形の場合には、その周縁の長さは、例えば、周縁の高さの5~20倍であっても良い。
底部22は、周縁(囲繞縁20)の下部に配設されており、水が漏れないように構成されている。
ベース体12の周縁(囲繞縁20)は、土等の上に載地しないしは土等の中に少し埋めて、設置できる高さに形成されている。
中間プレート14は、この実施の形態においては、全体が略皿状又は鉢状であり、その周縁(囲繞縁30)の高さは、大人の足首やくるぶしまで溜まった水に浸かる深さ、靴底程度の高さ、もしくは、犬が使用する時に足の肉球が浸る程度の深さになるように設定されている。その周縁の縦及び横の長さは、例えば、周縁の高さの5~20倍であっても良い。周縁が円筒形の場合には、周縁の長さは、例えば、周縁の高さの5~20倍であっても良い。
格子マット16及び中間プレート14の上に人が乗ったとき、水が溜まるように、中間プレート14の周縁(囲繞縁30)の高さ及び長さが、設定されている。
ベース体12の中に弾力支持部50により支持された状態で配設されている中間プレート14は、負荷がかからない時には、ベース体12の底より若干浮いた状態で、弾力支持部50により保持されており、その時には、中間プレート14の周縁の上の縁がベース体12の周縁の上の縁と同等か若干低い位置において保持されるように、ベース体12及び中間プレート14の周縁の高さ及び長さが設定されている。
格子マット16は、この実施の形態においては、中間プレート14の周縁の上の縁より相当低い位置に、その上の面が位置する、比較的薄い網56で構成されている。
【0024】
この実施の形態においては、ベース体12の囲繞縁20及び中間プレート14の囲繞縁30は、底部22及び底部32と直交するように構成されており、足洗い器10を土の上或いは土の中に載置したとき、垂直方向に伸びるように構成されている。
【0025】
吐水ユニット18は、
図6A及び7において示すように、水栓80を備えており、水栓80は、水道に繋がる供給口82と散水口92とを繋ぐホースないしは管などの管路86の中間に配設された吐水レバー90を備えており、吐水レバー90を作動させて水栓80を開閉するように構成されている。
この実施の形態においては、吐水レバー90は、吐水ユニット18を構成するケーシング体100より突き出ている。
この実施の形態においては、供給口82は、ベース体12の底面より下方に向けて凹んだ供給口設置部84に設けられている。
【0026】
水栓80は、吐水レバー90の作用によって、水栓80が開となることにより、水を格子マット16に向けて吐水する散水口92を、吐水ユニット18の前側に備えている。
この実施の形態においては、ベース体12、中間プレート14および格子マット16は、その向こう側において、吐水ユニット18を構成するケーシング体100を配設するように構成されている。
そして、吐水ユニット18を構成する散水口92は、ケーシング体100に設けられた散水口92より出た水が、確実に、ベース体12の囲繞縁20及び中間プレート14の囲繞縁30の中に、格子マット16の上から流れ込むように、ケーシング体100の手前側、即ち、ベース体12及び中間プレート14の中央側に向くように、ケーシング体100の手前側に形成されている。
【0027】
この実施の形態においては、ベース体12、中間プレート14及び格子マット16は、吐水ユニット18を構成する後述するケーシング体100の全部若しくは一部を嵌め込むように又は管路86を配設し得るように、凹み部70が、ベース体12、中間プレート14及び格子マット16の向こう側に形成されており、ケーシング体100に設けられた散水口92より出た水が、確実に、ベース体12、中間プレート14及び格子マット16の中に流れ込むように構成されている。
【0028】
吐水レバー90は、この実施の形態においては、ベース体12の囲繞縁20の向こう側の上縁の近傍において格子マット16側に突き出た断面L字型の板状体を備えており、水栓機能を備えたものであり、中間プレート14の係合部38により、押し下げられて、水栓80を開くように構成されている。吐水レバー90は、供給口82より吐水ユニット18の散水口92に至るパイプ又は管などの管路86に配設されている。
【0029】
吐水ユニット18は、
図6A及び
図6Bにおいて示すように、中空柱状のケーシング体100の中に、吐水レバー90に接続された水栓80を備えている。
ケーシング体100は、管路86を構成する、立ち上がり管110と給水管112とを、その内部に配設されている。
ケーシング体100は、上部に、散水口92が中間プレート14側に向けて配設されており、散水口92とは離れた位置に、分岐口96が配設されており、分岐口96に水を供給または停止するための分岐用開閉ハンドル94が配設されている。
【0030】
水栓80は、
図6Aにおいて示すように、地中埋設給水管より水を供給される給水口82に連結された給水立ち上がり管110と、散水口92に連結された給水管112との間に、配設されている。
【0031】
水栓80は、吐水レバー90に連結された作動弁120と、給水管112の内部に設けられたパッキン122と、作動弁120をパッキン122に接合したり離れさせたりするためのバネ等からなる付勢部材124とを備えている。
【0032】
作動弁120は、立ち上がり管110と給水管112との間に跨って配設される長さを備えた中空管で構成され、立ち上がり110及び給水管112の筒中の開口部に嵌入されている。
給水管112とパッキン122との間には、通水口114が、開口している。作動弁120と立ち上がり管110との間及び作動弁120と給水管112との間にはOリング126及びOリング128が嵌められている。
作動弁120は、その上端においてパッキン122と密に接するように構成され、吐水レバー90の下部において付勢部材124を取り付けるための付勢部材取付部を備えている。
付勢部材124は、コイルバネなどからなり、作動弁120の外周に嵌挿されている。
【0033】
したがって、中間プレート14及び格子マット16の上に人が乗ると、吐水レバー90が下方に下がり、それに伴い作動弁120が下方に下がり、パッキン122との間に空間が開いて立ち上がり管110から流れる込んだ水が通水口114を通過して散水口92に至る。
中間プレート14及び格子マット16から人が離れると、付勢部材124が作用して作動弁120を上方に押し上げ、(ベース体12の)囲繞縁20の上端がパッキン122の下面に密着して、作動弁120の内部に流れ込んだ水が外に溢れ出なくなる。したがって、散水口92から水が出なくなる。
【0034】
吐水ユニット18は、分岐用開閉ハンドル94及び分岐用開閉ハンドル94によって開閉される分岐口96を備えている。
この実施の形態においては、散水口92は、格子マット16側の前側に形成されており、分岐口96は、格子マット16側とは反対側の後ろ側に形成されている。
分岐用開閉ハンドル94は、吐水ユニット18の上側に、または左ないしは右側に、配設されている。
【0035】
以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
【0036】
ベース体12及び中間プレート14は、FRP(繊維強化プラスチック)で成形してもよく、また、金属板で形成してもよい。
吐水ユニット18は、前記実施の形態においては、外側のケーシング体100を、一定の高さの外側の本体としているが、
図8に示すように、前記実施の形態のケーシング体100より背の高いケーシング体100で構成されている。その他、ケーシング体100が、上下方向に伸縮するように、ケーシング体100を構成する上部ケーシング体と、下部ケーシング体とにより構成し、上部ケーシング体と下部ケーシング体とが上下に動かせるように構成されても良い。
【符号の説明】
【0037】
10 足洗い器、 12 ベース体、 14 中間プレート、16 格子マット、18 吐水ユニット
20 (ベース体の)囲繞縁、 22 (ベース体の)底部、
24 (ベース体の)排水部、 26a 開口部、 26b 排水パイプ、
28 係止部
30 (中間プレートの)囲繞縁、 32 (中間プレートの)底部、
34 中間プレート排水部、 36 排水穴、 38 係合部
50 弾力支持部、 52 凹み、 56 網
60 枠体、 62 網状マット
70 凹み部
80 水栓、 82 供給口、 84 供給口設置部、 86 管路
90 吐水レバー、 92 散水口、 94 分岐用開閉ハンドル、96 分岐口
100 ケーシング体、 110 立ち上がり管、 112 給水管、
114 通水口、 120 作動弁、 122 パッキン、 124 付勢部材
126、128 O リング