(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062287
(43)【公開日】2023-05-08
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/109 20230101AFI20230426BHJP
G06F 40/279 20200101ALI20230426BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230426BHJP
【FI】
G06Q10/10 340
G06F40/279
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021172165
(22)【出願日】2021-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】598123334
【氏名又は名称】ダットジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205084
【弁理士】
【氏名又は名称】吉浦 洋一
(72)【発明者】
【氏名】羽田 典久
(72)【発明者】
【氏名】小山 一人
(72)【発明者】
【氏名】香川 明慧
【テーマコード(参考)】
5B091
5L049
【Fターム(参考)】
5B091AA15
5B091CA01
5B091CC01
5L049AA13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】要支援者と,要支援者に対する支援を行う支援者との間の支援に関する日程を調整するための情報処理システム及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システムにおいて,管理端末2は,要支援者が利用する要支援者端末から入力を受け付けた問い合わせの内容に基づいて,問い合わせに対する支援を行うのに必要な支援者のスキルを判定して,支援者候補を検索する支援者候補処理部と,検索した支援者候補の日程情報を抽出して要支援者端末に表示させ,日程情報のうち要支援者の希望日程の情報を受け付ける日程候補処理部と,支援者候補の日程情報と要支援者の希望日程の情報とを用いて,支援の日程を決定する決定処理部と,要支援者に対する支援の日程を通知する通知処理部と,を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
要支援者に対する支援者による支援の日程を調整するための情報処理システムであって,
前記情報処理システムは,
前記要支援者が利用する要支援者端末から入力を受け付けた問い合わせの内容に基づいて,前記問い合わせに対する支援を行うのに必要な支援者のスキルを判定して,支援者候補を検索する支援者候補処理部と,
前記検索した支援者候補の日程情報を抽出して前記要支援者端末に表示させ,前記日程情報のうち前記要支援者の希望日程の情報を受け付ける日程候補処理部と,
前記支援者候補の日程情報と前記要支援者の希望日程の情報とを用いて,前記支援の日程を決定する決定処理部と,
前記要支援者に対する前記支援の日程を通知する通知処理部と,
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記支援者候補処理部は,
前記問い合わせの内容に対して自然言語解析処理を行うことでキーワードを抽出し,
前記キーワードを用いて前記支援を行うのに必要な支援者のスキルを判定する,
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記支援者候補処理部は,
前記問い合わせの内容から,スキルに関連付けた辞書に記憶したキーワードを抽出することで,前記キーワードを用いて前記支援を行うのに必要な支援者のスキルを判定する,
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記支援者候補処理部は,
前記問い合わせの内容から,緊急度に関連付けた辞書に記憶したキーワードを抽出し,
前記キーワードを用いて前記問い合わせの緊急度を判定する,
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記情報処理システムは,
スキルに関連付けた辞書にキーワードと緊急度を示す緊急度指標値とを対応づけており,
前記支援者候補処理部は,
前記問い合わせの内容から,前記スキルに関連付けた辞書に記憶したキーワードを抽出し,
前記抽出したキーワードの緊急度指標値を用いて,前記問い合わせの緊急度を判定する,
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記情報処理システムは,
緊急度に関連付けた辞書にキーワードと前記緊急度指標値とを対応づけており,
前記支援者候補処理部は,
前記問い合わせの内容から,前記緊急度に関連付けた辞書に記憶したキーワードを抽出し,
前記抽出したキーワードの緊急度指標値を用いて,前記問い合わせの緊急度を判定する,
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記日程候補処理部は,
前記支援者候補の日程情報の表示を,緊急度に応じて変更させる,
ことを特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記日程候補処理部は,
前記検索した支援者候補について,他の要支援者の希望日程が登録されている場合には,前記要支援者の緊急度と前記他の要支援者の緊急度とを比較して,前記要支援者に表示させる支援者候補の日程情報を変更する,
ことを特徴とする請求項4から請求項7のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記日程候補処理部は,
前記検索した支援者候補について,他の要支援者の希望日程が登録されている場合には,前記要支援者の緊急度と前記他の要支援者の緊急度とを比較し,
前記要支援者の緊急度が前記他の要支援者の緊急度よりも高ければ,前記支援者候補の日程情報をそのまま表示させ,
前記要支援者の緊急度が前記他の要支援者の緊急度よりも低ければ,前記支援者候補の日程情報のうち前記他の要支援者の希望日程を選択できないように変更して表示させる,
ことを特徴とする請求項4から請求項8のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項10】
コンピュータを,
要支援者が利用する要支援者端末から入力を受け付けた問い合わせの内容に基づいて,前記問い合わせに対する支援を行うのに必要な支援者のスキルを判定して,支援者候補を検索する支援者候補処理部,
前記検索した支援者候補の日程情報を抽出して前記要支援者端末に表示させ,前記日程情報のうち前記要支援者の希望日程の情報を受け付ける日程候補処理部,
前記支援者候補の日程情報と前記要支援者の希望日程の情報とを用いて,前記支援の日程を決定する決定処理部,
前記要支援者に対する前記支援の日程を通知する通知処理部,
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,要支援者と,要支援者に対する支援を行う支援者との間の支援に関する日程を調整するための情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
家電やコンピュータなどの保有者(要支援者)が,それらの操作が分からない,故障などの問題が発生しているなど場合には,サポートサービスを受けることがある。この場合,要支援者は,コールセンターへの架電や,ウェブサイトなどへのアクセスなどにより,支援者による支援を要請する場合がある。
【0003】
要支援者に対して支援者による支援を行う場合,その場で行うほか,日時を調整して,支援者を要支援者の元に派遣したり,あるいは支援者が要支援者に対して遠隔支援を行う。このような日程調整の場合,電話でやりとりをしたり,あるいは下記特許文献1のように,過去の情報から自動で入力を行うシステムなどを用いて日程調整を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし,家電やコンピュータなどの支援については,適切なスキルを保有する支援者が支援を行わなければ,要支援者に発生している問題を解決することはできない。そして,特許文献1の発明を用いたとしても,過去の情報に基づいて日程調整の支援を行うことはできるが,要支援者に対して発生している問題を解決できる,適切なスキルを保有する支援者との日程を調整できるわけではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは,上記課題に鑑み,要支援者に対して,適切なスキルを保有する支援者による支援が可能なように日程調整を行える情報処理システムを発明した。
【0007】
第1の発明は,要支援者に対する支援者による支援の日程を調整するための情報処理システムであって,前記情報処理システムは,前記要支援者が利用する要支援者端末から入力を受け付けた問い合わせの内容に基づいて,前記問い合わせに対する支援を行うのに必要な支援者のスキルを判定して,支援者候補を検索する支援者候補処理部と,前記検索した支援者候補の日程情報を抽出して前記要支援者端末に表示させ,前記日程情報のうち前記要支援者の希望日程の情報を受け付ける日程候補処理部と,前記支援者候補の日程情報と前記要支援者の希望日程の情報とを用いて,前記支援の日程を決定する決定処理部と,前記要支援者に対する前記支援の日程を通知する通知処理部と,を有する情報処理システムである。
【0008】
本発明のように構成することで,要支援者に対して,適切なスキルを保有する支援者による支援を可能とするように日程調整を行うことができる。
【0009】
上述の発明において,前記支援者候補処理部は,前記問い合わせの内容に対して自然言語解析処理を行うことでキーワードを抽出し,前記キーワードを用いて前記支援を行うのに必要な支援者のスキルを判定する,情報処理システムのように構成することができる。
【0010】
上述の発明において,前記支援者候補処理部は,前記問い合わせの内容から,スキルに関連付けた辞書に記憶したキーワードを抽出することで,前記キーワードを用いて前記支援を行うのに必要な支援者のスキルを判定する,情報処理システムのように構成することができる。
【0011】
これらの発明のように構成することで,要支援者に対する支援を行うのに必要な支援者のスキルを判定することができる。
【0012】
上述の発明において,前記支援者候補処理部は,前記問い合わせの内容から,緊急度に関連付けた辞書に記憶したキーワードを抽出し,前記キーワードを用いて前記問い合わせの緊急度を判定する,情報処理システムのように構成することができる。
【0013】
上述の発明において,前記情報処理システムは,スキルに関連付けた辞書にキーワードと緊急度を示す緊急度指標値とを対応づけており,前記支援者候補処理部は,前記問い合わせの内容から,前記スキルに関連付けた辞書に記憶したキーワードを抽出し,前記抽出したキーワードの緊急度指標値を用いて,前記問い合わせの緊急度を判定する,情報処理システムのように構成することができる。
【0014】
上述の発明において,前記情報処理システムは,緊急度に関連付けた辞書にキーワードと前記緊急度指標値とを対応づけており,前記支援者候補処理部は,前記問い合わせの内容から,前記緊急度に関連付けた辞書に記憶したキーワードを抽出し,前記抽出したキーワードの緊急度指標値を用いて,前記問い合わせの緊急度を判定する,情報処理システムのように構成することができる。
【0015】
これらの発明のように構成することで,要支援者からの支援の緊急度を判定することができる。
【0016】
上述の発明において,前記日程候補処理部は,前記支援者候補の日程情報の表示を,緊急度に応じて変更させる,情報処理システムのように構成することができる。
【0017】
上述の発明において,前記日程候補処理部は,前記検索した支援者候補について,他の要支援者の希望日程が登録されている場合には,前記要支援者の緊急度と前記他の要支援者の緊急度とを比較して,前記要支援者に表示させる支援者候補の日程情報を変更する,情報処理システムのように構成することができる。
【0018】
上述の発明において,前記日程候補処理部は,前記検索した支援者候補について,他の要支援者の希望日程が登録されている場合には,前記要支援者の緊急度と前記他の要支援者の緊急度とを比較し,前記要支援者の緊急度が前記他の要支援者の緊急度よりも高ければ,前記支援者候補の日程情報をそのまま表示させ,前記要支援者の緊急度が前記他の要支援者の緊急度よりも低ければ,前記支援者候補の日程情報のうち前記他の要支援者の希望日程を選択できないように変更して表示させる,情報処理システムのように構成することができる。
【0019】
検索した支援者候補の日程情報の中から,要支援者の希望日程を受け付ける場合,すでに他の要支援者による別の希望日程が登録されている場合がある。その場合,要支援者同士で日程が重複してしまう場合がある。これに対処するためには,一般的に,先に希望日程を登録した要支援者の希望を優先することが多い。しかしこの場合では,要支援者同士の緊急度の相違を考慮することができない。つまり,緊急度が低い要支援者の希望日程が,緊急度が高い要支援者の希望日程よりも優先される場合も生じてしまう。そこでこれらの発明のように構成することで,要支援者の緊急度に応じた日程調整が可能となる。
【0020】
第1の発明は,本発明のプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することで,実現することができる。すなわち,コンピュータを,要支援者が利用する要支援者端末から入力を受け付けた問い合わせの内容に基づいて,前記問い合わせに対する支援を行うのに必要な支援者のスキルを判定して,支援者候補を検索する支援者候補処理部,前記検索した支援者候補の日程情報を抽出して前記要支援者端末に表示させ,前記日程情報のうち前記要支援者の希望日程の情報を受け付ける日程候補処理部,前記支援者候補の日程情報と前記要支援者の希望日程の情報とを用いて,前記支援の日程を決定する決定処理部,前記要支援者に対する前記支援の日程を通知する通知処理部,として機能させる情報処理プログラムのように構成することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の情報処理システムを用いることで,要支援者に対して,適切なスキルを保有する支援者による支援が可能なように日程調整を行える。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の情報処理システムの全体の構成の一例を模式的に示す図である。
【
図2】本発明の情報処理システムで用いるコンピュータのハードウェア構成の一例を模式的に示す図である。
【
図3】本発明の情報処理システムにおける処理プロセスの一例を示すフローチャートである。
【
図4】キーワードと緊急度を示す指標値との対応漬けを模式的に示す図である。
【
図5】支援者候補の日程情報を表示した状態の一例を模式的に示す図である。
【
図6】要支援者が希望日程の情報を入力した状態の一例を模式的に示す図である。
【
図7】選択された支援者候補の日程のみを表示した状態の一例を模式的に示す図である。
【
図8】実施例2における支援者候補の日程情報を表示した状態の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の情報処理システム1の全体のシステム構成の一例を
図1に,情報処理システム1で用いるコンピュータのハードウェア構成の一例を
図2に示す。
【0024】
情報処理システム1は管理端末2を有している。管理端末2はコンピュータであって,各種の情報処理の機能を実現する。
【0025】
コンピュータは,プログラムの演算処理を実行するCPUなどの演算装置70と,情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置71と,ディスプレイなどの表示装置72と,情報の入力を行う入力装置73と,演算装置70の処理結果や記憶装置71に記憶する情報を通信する通信装置74とを有している。なお,コンピュータがタッチパネルディスプレイを備えている場合には表示装置72と入力装置73とが一体的に構成されていてもよい。タッチパネルディスプレイは,たとえばタブレット型コンピュータやスマートフォンなどの可搬型通信端末などで利用されることが多いが,それに限定するものではない。
【0026】
タッチパネルディスプレイは,そのディスプレイ上で,直接,所定の入力デバイス(タッチパネル用のペンなど)や指などによって入力を行える点で,表示装置72と入力装置73の機能が一体化した装置である。
【0027】
管理端末2は,一台のコンピュータによって実現されていてもよいが,その一部または全部の機能が複数のコンピュータによって実現されていてもよい。この場合のコンピュータとして,たとえばクラウドサーバであってもよい。
【0028】
本発明の情報処理システム1における各手段は,その機能が論理的に区別されているのみであって,物理上あるいは事実上は同一の領域を為していてもよい。
【0029】
要支援者は自らが利用する要支援者端末3を利用して,情報処理システム1との間でネットワークを介して通信を行う。要支援者端末3は,スマートフォンやタブレット型コンピュータ,パーソナルコンピュータなどの各種のコンピュータを用いることができる。要支援者は,要支援者端末3を利用して所定のウェブページなどにアクセスを行い,所定の情報の入力を行い,支援者による支援の要求を行う。
【0030】
管理端末2は,支援者候補処理部20と日程候補処理部21と決定処理部22と通知処理部23と記憶部24とを有する。
【0031】
支援者候補処理部20は,要支援者端末3から入力を受け付けた支援の要求の内容,たとえば問い合わせ内容の入力を受け付ける。そして入力を受け付けた内容に対して,公知の自然言語解析処理などを実行し,支援に必要なスキル,緊急性を判定し,支援者候補を検索する。
【0032】
日程候補処理部21は,支援者候補処理部20で検索した支援者候補の日程を要支援者端末3に表示させ,要支援者端末3から,支援の希望日程の候補の入力を受け付ける。
【0033】
決定処理部22は,要支援者端末3から入力を受け付けた希望日程の候補と,支援者候補の日程と,緊急性とを用いて,要支援者に対する支援の日程を決定する。この場合,あらかじめ定めたタイミングにおいて,支援者候補の日程と,各要支援者の希望日程とを比較し,要支援者に対する支援の日程を決定する。
【0034】
通知処理部23は,決定処理部22で決定した支援の日程を要支援者に対して通知をする。
【0035】
記憶部24は,本発明の処理に必要な情報を記憶しており,要支援者端末3から入力を受け付けた支援要求の内容,要支援者に関する情報,たとえば要支援者の支援に必要なスキル,日程などの情報を記憶している。記憶部24は記憶装置71において機能する。
【実施例0036】
つぎに,本発明の情報処理システム1の処理プロセスの一例を
図3のフローチャートを用いて説明する。なお,以下の説明では,支援として,家電修理の遠隔サポートの場合を説明する。したがって,要支援者としては家電の利用者,支援者としては家電修理を行う作業員である。
【0037】
家電修理の遠隔サポートを受けたい要支援者は,要支援者端末3から所定のウェブページにアクセスをして,問い合わせ内容(支援要求の内容)を入力する。たとえば,「○月○日に,△△社のエアコンが急に動かなくなってしまった。明後日にはどうしても使いたいので,どうにかしてほしい。」のような問い合わせ内容を入力する。
【0038】
このように入力した問い合わせ内容は,要支援者端末3から管理端末2に送られ,管理端末2での記憶部24に記憶される。
【0039】
支援者候補処理部20は,問い合わせ内容に対して自然言語解析処理を行い,対応するために必要なスキル,緊急性を判定する(S100)。
【0040】
問い合わせ内容から,必要なスキル,緊急性を判定するための処理プロセスは,たとえば以下のように行える。
【0041】
まず,スキルに関連付けた辞書,緊急性に関連付けた辞書を用意しておき,問い合わせ内容からキーワード抽出を行う。この辞書は,キーワードと緊急度を示す指標値(緊急度指標値)とを対応づけている。
【0042】
抽出するキーワードは,たとえば3つのカテゴリに区別しており,キーワード群1は専門領域のキーワードをまとめた辞書(スキルに関連付けた辞書)に基づいて,対応するために必要なスキルに関するキーワードを抽出する。キーワード群2は,対象物の症状,状態の用語をまとめた辞書(スキルに関連付けた辞書)に基づいて,対応するために必要なスキルに関するキーワードを抽出する。キーワード群3は,緊急度をまとめた辞書(緊急性に関連付けた辞書)に基づいて,緊急度に関するキーワードを抽出する。
【0043】
たとえば上述の問い合わせ内容の場合,「△△社」,「エアコン」はキーワード群1,「動かなくなって」はキーワード群2,「急に」,「明後日」,「どうしても」はキーワード群3としてそれぞれの用語を,キーワードとして抽出する。
【0044】
そして,抽出したキーワードについて,それぞれ対応づけた緊急度を示す指標値を抽出する。これを模式的に示すのが
図4である。また,抽出したキーワードが,キーワード群で複数ある場合には,もっとも緊急度指標値が大きいものを用いるとよい。
図4の場合,キーワード群1については緊急度指標値として「2」,キーワード群2については緊急度指標値として「3」,キーワード群3については「2」を抽出する。そして,キーワード群ごとの緊急度指標値を用いて所定の演算を行うことで,緊急度を算出する。この場合,所定の重み付け係数を算出してもよい。重み付け係数はキーワード群ごとに設けてもよく,たとえば,下記の数1で算出してもよい。
(数1)
緊急度=キーワード群1の緊急度指標値×重み付け係数a+キーワード群2の緊急度指標値×重み付け係数b+キーワード群3の緊急度指標値×重み付け係数c
【0045】
また,支援者候補処理部20は,要支援者の問合せ内容に対応する必要なスキルを判定する。この際に,専門領域に関するキーワード群1で抽出したキーワード,対象物の症状,状態に関するキーワード群2で抽出したキーワードを用いて,必要なスキルを判定する。上述の場合では,キーワード群1で抽出したキーワード「△△社」,「エアコン」,キーワード群2で抽出したキーワード「動かなくなって」を抽出し,△△社のエアコンが動かなくなったことに対するスキルを保有する支援者を,記憶部24から特定する。
【0046】
この処理としては,専門分野を大分類(メーカ,家電の種類),詳細分類(修理内容)のように区別しておき,あらかじめ定めた人数以下に絞り込むようにしてもよい。
【0047】
一方,必要なスキルのある支援者がいない場合には(S110),支援者候補処理部20は,関連するスキルのある支援者を特定する(S120)。たとえば,専門領域に関するキーワード群1に該当する支援者がいるが,対象物の症状,状態に関するキーワード群2に該当する支援者がいない場合には,キーワード群1に該当する支援者を,関連するスキルのある支援者候補として特定する。
【0048】
また,キーワード群1に該当する支援者候補もいない場合には,所定の通知を,管理者に通知し,管理者により,関連するスキルのある支援者候補の特定がなされてもよい。なお,この場合に,通知を行うほか,キーワード群1から抽出したキーワードの類似語を検索し,その類似語に対応するキーワード群1に該当する支援者を,関連するスキルのある支援者候補として特定するなど,他の方法により関連するスキルのある支援者候補を特定してもよい。
【0049】
以上のように,スキルのある支援者候補を特定すると,日程候補処理部21は,特定した支援者候補の日程情報を記憶部24から抽出し(S130),要支援者端末3に表示させる。そして,要支援者端末3から,支援の希望日程の候補の入力を受け付ける(S140)。
【0050】
たとえば,支援者候補の抽出した日程情報を,支援者ごとに色分けして表示を行い,この日程情報を参照した要支援者により,希望日程の候補の入力を複数受け付ける。たとえば,支援者候補の抽出した日程情報が
図5であった場合,
図6に示すように,要支援者は要支援者端末3から,支援の希望日程を,入力する。この際に,たとえば,第1希望から第3希望のように,複数の希望日程の候補を入力可能とするとよい。
【0051】
日程候補処理部21は,特定した支援者候補の日程情報のほか,当該支援者候補に関する情報を表示させてもよく,要支援者が特定の支援者候補を選択してもよい。この場合には,
図7に示すように,当該選択された支援者候補の日程のみを表示可能としてもよい。
【0052】
以上のようにして,要支援者端末3から支援の候補日程の情報を受け取ると,あらかじめ定められタイミング,たとえば毎日深夜0時のタイミングにおいて,決定処理部22は,要支援者ごとに支援の日程を決定し,記憶部24に記憶する(S150)。要支援者ごとの支援の日程を決定する方法としては,各種の方法を採用することができる。たとえば,緊急度ごとに要支援者をソートし,緊急度が高い要支援者の希望日時の順に,支援者および日程を決定する。緊急度が同じ場合には,先に希望日程を登録した要支援者を優先してもよい。
【0053】
以上のようにして支援者および日程を決定すると,通知処理部23は,決定した支援者および日程を通知する(S160)。この際に,日程のみを通知してもよい。
【0054】
以上のような処理を実行することで,要支援者に対して,必要なスキルを保有する支援者による支援を決定することができる。
これによって,要支援者が希望日程の入力を行う際に,自らよりも緊急度が高い要支援者の希望日程が入っている場合には,そもそも希望日程が入力できないので,決定処理部22における日程の決定処理を簡略化できる。また,自らよりも緊急度が低い要支援者の希望日程が先に入っている場合には,その希望日程を含めて希望日程を入力可能とでき,要支援者の緊急性の高い要望に応じることができる。
本発明の情報処理システム1における構成,処理は,本発明の技術的思想の範囲内で適宜,設計変更をすることが可能であり,本明細書に記載した実施例に限定するものではない。