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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062288
(43)【公開日】2023-05-08
(54)【発明の名称】デジタルコンテンツ管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230426BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20230426BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20230426BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20230426BHJP
【FI】
G06Q50/10
G16Y20/20
G16Y40/20
G16Y40/30
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021172166
(22)【出願日】2021-10-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】518144986
【氏名又は名称】シンメトリー・ディメンションズ・インク
【日本における営業所】東京都渋谷区代々木3-45-2西参道Kハウス4F
(72)【発明者】
【氏名】瀬古 保次
(72)【発明者】
【氏名】沼倉 正吾
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】デジタルコンテンツに付帯する権利を保護し、その原本性を確保しながら、デジタルコンテンツを利用するシステムを提供する。
【解決手段】デジタルコンテンツに付帯する著作権、所有権、使用権などの権利をデジタルコンテンツ本体と紐づけて保管し、前記権利の取引をブロックチェーンで管理することにより、改竄されないように保護し、且つ前記権利において許諾される取引、又は許諾されるデジタルコンテンツへの操作のみを実行できるデジタルコンテンツの管理システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して通信可能な複数のコンピュータと、前記コンピュータにより送受信可能なデジタルコンテンツと、前記コンピュータに設置された管理部と、を備えたデジタルコンテンツ管理システムであって、
前記デジタルコンテンツは、前記デジタルコンテンツの本体及びタグ情報を有し、
前記タグ情報は、前記デジタルコンテンツの著作権、所有権、又は使用権の少なくともいずれか一つの権利の名称と、前記権利を持つ権利者の情報と、を備えており、
前記管理部は、前記権利の取引を行うことができ、
前記権利の取引は、前記タグ情報を含む取引データとして記憶されること、
を特徴とするデジタルコンテンツ管理システム。
【請求項2】
前記権利の取引に関する契約内容を、前記タグ情報に付帯させて、前記権利の取引を行うこと、
を特徴とする請求項1に記載のデジタルコンテンツ管理システム。
【請求項3】
前記管理部は、前記権利の取引が、前記権利又は前記契約内容、に違反する取引違反を検出する取引違反検出機能を有することを特徴とする請求項1乃至2に記載のデジタルコンテンツ管理システム。
【請求項4】
前記取引違反検出機能は、前記取引違反を検出した場合には、警告を発するか、又は前記取引を成立させないことを特徴とする請求項3に記載のデジタルコンテンツ管理システム。
【請求項5】
前記管理部は、前記デジタルコンテンツに対して実施された操作が、前記権利又は前記契約内容、に違反する操作違反を検出する操作違反検出機能を備えていることを特徴とする請求項1乃至4に記載のデジタルコンテンツ管理システム。
【請求項6】
前記操作違反検出機能は、前記操作違反を検出した場合には、警告を発するか、又は前記操作を成立させないことを特徴とする請求項5に記載のデジタルコンテンツ管理システム。
【請求項7】
前記コンピュータは、ブロックデータを時系列に連結したブロックチェーンで構成されるブロックチェーンシステムを有し、
前記ブロックデータは、前記取引データ、一つ前のブロックデータから算出したハッシュ値、及びナンス値、を有し、
前記取引データ、前記ハッシュ値、及び前記ナンス値、を用いて算出する新たなハッシュ値があるルールに従う場合に、前記ブロックデータが確定されることを特徴とする請求項1乃至6に記載のデジタルコンテンツ管理システム
【請求項8】
前記ブロックデータを確定した前記新たなハッシュ値の算出に対して、報酬が支払われることを特徴とする、請求項7に記載のデジタルコンテンツ管理システム。
【請求項9】
前記ブロックデータを確定した前記新たなハッシュ値の算出は、暗号資産を生成し、前記暗号資産が前記報酬として支払われることを特徴とする請求項8に記載のデジタルコンテンツ管理システム。
【請求項10】
前記暗号資産は前記デジタルコンテンツとして扱われ、前記暗号資産が前記報酬として支払われることが、前記権利の取引として扱われ、前記取引データとして記憶されることを特徴とする請求項9に記載のデジタルコンテンツ管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、デジタルコンテンツの著作権や所有権、ライセンスを管理するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルコンテンツはインターネットを経由したり、USBメモリやCDDVDなどの記録媒体を経由したりして、コンピュータにダウンロードされ、利用されてきた。デジタルコンテンツには、著作権や所有権やライセンス(使用許諾契約)などが付帯している場合があり、その場合には、その権利や契約を保護する必要がある。著作権は、デジタルコンテンツの作成者が有する権利であり、譲渡や放棄ができ、また時効により消滅する。所有権は、デジタルコンテンツを自由に処分、売買できる権利であり、譲渡や放棄ができる。ライセンスは使用許諾契約であり、デジタルコンテンツの著作権者や所有権者がデジタルコンテンツの使用者に対して、許諾する範囲を制限する契約である。
【0003】
このような著作権や所有権、ライセンスは本来きちんと保護されなければならないが、デジタルコンテンツは簡単に複製や変更、切り取りなどが出来るために、権利が侵害されたり、契約の違反行為が行われたりする問題が発生している。同時に、デジタルコンテンツの信頼性や価値は、著作者や所有者に依存することがあるので、誰の著作物であるか、誰が所有しているか、という情報は重要である。今後ますますデジタルコンテンツの流通量は増大することが予想されるので、これらの権利や契約の保護、及び権利者や所有者が誰であるかを明確にし、かつ改竄が行われないシステムを提供することが重要な課題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2020-521257
【特許文献2】特表2019-512778
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
デジタルコンテンツをインターネットや、USBメモリなどの記録媒体を経由して利用する際に、そのデジタルコンテンツの著作権は誰にあるのか、所有権は誰にあるのか、ライセンスは付帯しているのか、また、デジタルコンテンツが原本であるのか加工されたものであるのか、などを正確に把握することが容易ではないという問題がある。これらの問題を解決し、かつ改竄が行われない安全なシステムが要望されている。
【0006】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、利用するデジタルコンテンツの著作権、所有権、ライセンスなどを正確に把握し、それらが原本であるのかどうか、あるいは加工されたものであるのかどうか、などを理解しながら、それらに付帯する権利を侵害せず、またライセンスに違反する行為を行わずに、かつ、改竄が行われにくい安全な環境で、デジタルコンテンツを利用できるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、ネットワークを介して通信可能な複数のコンピュータと、前記コンピュータにより送受信可能なデジタルコンテンツと、前記コンピュータに設置された管理部と、を備えたデジタルコンテンツ管理システムであって、前記デジタルコンテンツは、前記デジタルコンテンツの本体及びタグ情報を有し、前記タグ情報は、前記デジタルコンテンツの著作権、所有権、又は使用権の少なくともいずれか一つの権利の名称と、前記権利を持つ権利者の情報と、を備えており、前記管理部は、前記権利の取引を行うことができ、前記権利の取引は、前記タグ情報を含む取引データとして記憶されること、を特徴とするデジタルコンテンツ管理システムである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、デジタルコンテンツの売買や利用などにおいて、デジタルコンテンツの著作権、所有権、使用権などの権利に関する、権利者の情報や契約内容(許諾事項)を簡易に閲覧することができ、デジタルコンテンツの原本性、加工履歴などを確認できると同時に、契約内容に違反する取引や操作を制限することにより、権利を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係るデジタルコンテンツ管理システムの構成例を示す図である。
図2】第1の実施形態に係るコンピュータとサーバのハードウェア構成例を示す図である。
図3】第1の実施形態に係るデジタルコンテンツとタグ情報の構成例を示す図である。
図4】第1の実施形態に係るデジタルコンテンツ管理ソフトの構成例を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る取引データリストと取引データの構成例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係るデジタルコンテンツ管理ソフト統括部の構成例を示す図である。
図7】第1の実施形態に係るデジタルコンテンツの取引の流れを示すフローチャートである。
図8】第1の実施形態に係るデジタルコンテンツの取引に記載されたタグ情報の例を示す図である。
図9】第2の実施形態に係るブロックチェーン機能を有するコンピュータの構成例を示す図である。
図10】第2の実施形態に係るブロックチェーンの時系列ブロックデータの構成例を示す図である。
図11】第2の実施形態に係る取引データの構成例を示す図である。
図12】第2の実施形態に係る暗号資産のタグ情報の例を示す図である。
図13】第2の実施形態に係るブロックチェーンと暗号資産の生成、及び報酬の支払い方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明は省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。尚、添付図面及び以下の説明は当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0011】
実施形態で示される1つの構成が有する機能が2つ以上の物理的構成により実現されても、又は2つ以上の構成の機能が例えば1つの物理的構成によって実現されていても構わない。
【0012】
<第1の実施形態>
以下、本願発明の第1の実施形態について説明する。
【0013】
<システムの構成の概略>
図1はデジタルコンテンツ管理システムの通信ネットワークの構成例を示す。
デジタルコンテンツ管理システム10では、複数のコンピュータ30とサーバ30-Sが、互いに通信可能な状態で通信ネットワーク20に接続されている。
【0014】
コンピュータが異なることを示す場合には、符号の後にコンピュータ番号「-m」(m=1、2、、、)を追加して、コンピュータ30-m、あるいはコンピュータ30-1やコンピュータ30-2などのように表記する。また、コンピュータ30-mが有するソフト、部位、機能、デジタルコンテンツ等を、コンピュータ毎に区別する場合には、ソフト、部位、機能、デジタルコンテンツ等の符号にコンピュータ番号「-m」を追加して、例えば、デジタルコンテンツ50をデジタルコンテンツ50-mのように表記する。但し、サーバが有するものについては、「-S」を追加して、40-Sのように表記し、区別する。
【0015】
コンピュータ30は、デジタルコンテンツ管理ソフト40を、サーバ30-Sが有するデジタルコンテンツ管理ソフト統括部60からダウンロードし、インストールすることができる。デジタルコンテンツ管理ソフト40は、デジタルコンテンツ50を管理する。但し、コンピュータ30-2のように、デジタルコンテンツ50を有さないコンピュータ30があってよい。
【0016】
コンピュータ30は、デジタルコンテンツ管理ソフト40を用いて、デジタルコンテンツ50を他のコンピュータ30と取引することができる。例えば、コンピュータ30-1は、デジタルコンテンツ50-1を他のコンピュータ30-2やコンピュータ30-3と取引することができる。
【0017】
サーバ30-Sは、デジタルコンテンツ管理ソフト統括部60を有しており、コンピュータ30がデジタルコンテンツ管理ソフト40をダウンロードするサイトの役割を果たしている。サーバ30-Sは、デジタルコンテンツ管理ソフト40がバージョンアップした場合に、これをコンピュータに通知し、バージョンアップすることができる。また、サーバ30-Sはデジタルコンテンツ管理ソフト40を有しており、デジタルコンテンツ50を他のコンピュータ30と取引することができる。
【0018】
通信ネットワーク20は有線、無線を問わず、また通信規格なども特に限定するものでない。通信ネットワーク20の例として、インターネット網、4G、5G、Wi-Fi(登録商標)等、又は、移動体通信網(例えばLTE(Long Term Evolution))等が挙げられる。
【0019】
<コンピュータとサーバのハードウェア構成>
図2は、コンピュータ30とサーバ30-Sのハードウェアの構成例を示す。
コンピュータ30とサーバ30-Sは、ハードウェアとして、入力操作部31、表示部32、メモリ部33、ストレージ部34、通信部35、プロセッサ部36、を備える。但し、サーバ30-Sは、入力操作部31と表示部32を、必ずしも備える必要はない。
【0020】
入力操作部31は、キーボード文字入力、マウス入力、マイク音声入力、タッチパネル入力、ボタン入力、等の入力操作を受け付ける。コンピュータ30の入力操作部31は、デジタルコンテンツ50の取引や、デジタルコンテンツ50の複製、加工などの操作の入力に用いる。
【0021】
表示部32は、ディスプレイ装置によって構成される。液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、CRT(ブラウン管)ディスプレイ等であってよい。コンピュータ30の表示部32は、例えば、マウスカーソル、デジタルコンテンツ50、デジタルコンテンツ管理ソフト40、デジタルコンテンツ管理ソフト統括部60等を表示する。
【0022】
メモリ部33は、揮発性記憶媒体、又は不揮発性記憶媒体を含んで構成される。メモリ33は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含んで構成されてよい。メモリ部33には、コンピュータ30又はサーバ30-Sが有する機能を実現するコンピュータプログラム及びデータが記憶されてよい。コンピュータ30のメモリ部33には、デジタルコンテンツ管理ソフト40やデジタルコンテンツ50が記憶されてよい。サーバ30-Sのメモリ部には、デジタルコンテンツ管理ソフト40やデジタルコンテンツ管理ソフト統括部60が記憶されてよい。
【0023】
ストレージ34は、不揮発性記憶媒体を含んで構成される。ストレージ34は、例えば、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)及びHDD(Hard Disk Drive)の少なくとも一つによって構成されてよい。ストレージ34には、コンピュータ30又はサーバ30-Sが有する機能を実現するコンピュータプログラム及びデータが格納されてよい。コンピュータ30のストレージ34には、デジタルコンテンツ管理ソフト40、デジタルコンテンツ50が格納されてよい。サーバ30-Sのストレージ34には、デジタルコンテンツ管理ソフト統括部60、デジタルコンテンツ管理ソフト40が格納されてよい。
【0024】
通信部35は、通信ネットワーク20を介してデータやプログラムの送受信を制御する。通信部35は、通信インターフェース、通信回路、又は、通信モジュールといった他の用語に読み替えられてもよい。
【0025】
プロセッサ部36は、各構成要素31~35と共同して、コンピュータ30又はサーバ30-Sが有する機能を実現する。例えば、プロセッサ部36は、メモリ部33又はストレージ部34からコンピュータプログラム又はサーバプログラムを読み出して実行することにより、コンピュータ30又はサーバ30-Sが有する機能を実現する。プロセッサ部36は、CPU(Central Processing Unit)、LSI(Large Scale
Integrated Circuit)、ASIC(Application Specific Integrated
Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、コントローラ、制御回路といった他の用語に読み替えてもよい。コンピュータ30のプロセッサ部36は、デジタルコンテンツ管理ソフト40を読み込んで実行してよい。サーバ30-Sのプロセッサ部36は、デジタルコンテンツ管理ソフト統括部60やデジタルコンテンツ管理ソフト40を読み込んで実行してよい。
【0026】
<デジタルコンテンツの構成>
図3(a)はデジタルコンテンツ50の構成要素の例を示す。図3(b)はデジタルコンテンツ50のタグ情報52の記載例を示す。図3(c)はタグ情報52の契約内容を別紙59に記載した例を示す。
【0027】
デジタルコンテンツ50は、図3(a)に示すように、デジタルコンテンツ本体51とタグ情報52を含んで構成される。
【0028】
デジタルコンテンツ本体51はデジタル形式の数値、データ、テキスト、画像等で構成される。例えば、数値データ、計測データ、点群データ、3次元データ、テキストデータ、画像データ、データベース、CAD(computer aided design)モデル、音楽ファイル、動画ファイル、ゲームソフト、プログラムソフト、ウェブサイト、デジタルアート、暗号資産、等であってよい。
【0029】
図3(b)は、タグ情報52の一例を示す。デジタルコンテンツ50のタグ情報52には、デジタルコンテンツ本体51の名称53と、デジタルコンテンツ本体51に付帯する、著作権、所有権又は使用権の少なくとも一つの権利に関する情報が権利名54の欄に記載される。各権利に対して、その権利が発生した日時55や、権利者56、契約内容57、価格58を含んでよい。さらに、備考欄等(不図示)を設けてもよい。
【0030】
権利者56は、個人や法人のことであり、権利者56の欄に、個人や法人の名前を記載してよい。また、個人や法人の、住所、連絡先、電話番号、メールアドレス、ホームページのURL等を記載してよい。
【0031】
権利名54として、著作権、所有権、使用権以外に、特許権、商標権、その他の権利を加えてよい。
【0032】
図3(b)の例では、権利名54が使用権の列において、日時55と権利者56は無記入となっているが、使用権は一般に、著作権者や所有権者が有するので、この場合では「AA」が使用権を有していることになる。
【0033】
契約内容57は、無記入、又は法律名を記載してよい。例えば、著作権の契約内容57の欄が無記入の場合、取引に際して契約内容が設定されないだけであり、法律で定められた著作権法が適用される。
【0034】
このデジタルコンテンツ50は、権利名54が著作権の列において、権利者56が「AA」と記載されており、現在の著作権者は「AA」であることが示されている。
【0035】
契約内容57は、現在の権利者が取引において提案する契約内容を記載することができる。例えば、著作権の契約内容57の欄に、「譲渡」と記載されている場合は、無料あるいは有料の取引において、著作権が譲渡される。譲渡された場合、元の権利者は著作権を有さず、新しい権利者が著作権を有する。
【0036】
有償で取引する場合は、価格58の欄に取引価格を記載してよい。例えば、著作権の契約内容57の欄に、「譲渡」と記載し、価格58の欄に価格〇〇円と記載すれば、著作権の譲渡価格は〇〇円、を意味する。
【0037】
例えば、権利名54の所有権の列において、契約内容57の欄に「売買」を記載し、価格58の欄に「XX円」を記載すれば、所有権をこの価格で購入できることを意味する。この場合、所有権の契約内容57に、著作権に関する記載がないので、著作権は移動しないことを意味する。
【0038】
契約内容57の記載が長くなる場合には、図3(c)が示すように、別紙59に契約内容57を記載してよい。例えば、権利名54の使用権の列において、契約内容57に「別紙ID1」と記載し、別紙59に、再配布禁止、複製・加工・変更禁止、使用料は無料、使用期間は3年間、等を記載してよい。別紙59として、一般に公開されているライセンス(LICENSE)等の内容を記載してよい。
【0039】
契約内容は、取引の前に決めておいてよい。また、取引において、当事者の間で交渉して、決めてよい。
【0040】
<デジタルコンテンツ管理ソフトの構成>
図4はデジタルコンテンツ管理ソフト40の構成例を示す。図5(a)はデジタルコンテンツ管理ソフト40の構成要素の一つである取引データリスト41の構造を示す。図5(b)は取引データリスト41を構成する取引データ47の構成例を示す。
【0041】
図4が示すように、デジタルコンテンツ管理ソフト40は、取引データリスト41と、取引データリスト41を通信ネットワーク20経由で他のコンピュータ30と通信する通信管理A部42と、デジタルコンテンツ50の取引を実行するデジタルコンテンツ取引部43と、デジタルコンテンツ取引部43が行う取引の違反を検出する取引違反検出部44と、デジタルコンテンツ50に対して複製や加工などの操作を行うデジタルコンテンツ操作部45と、デジタルコンテンツ操作部45が行う操作内容の違反を検出する操作違反検出部46と、を含めて構成される。
【0042】
デジタルコンテンツ取引部43は、デジタルコンテンツ50のタグ情報52に記載された権利を取引することができる。取引とは、デジタルコンテンツ50のタグ情報52に記載された著作権53、所有権54、又は使用権55の少なくとも一つの権利を売買、有料/無料の譲渡、有料/無料の貸出し、などを行うことである。
【0043】
デジタルコンテンツ取引部43は、デジタルコンテンツ50のタグ情報52に記載された著作権、所有権、又は使用権の少なくとも一つの権利を取引するに際して、権利に付帯する契約内容57を設定することができる。
【0044】
図5(a)が示すように、デジタルコンテンツ取引部43が取引した結果は、取引データ47として、取引データリスト41の中に記憶される。取引データリスト41には、デジタルコンテンツ取引部43が取引した過去の全ての取引データ47を記憶してよい。
【0045】
デジタルコンテンツ取引部43は、取引データ47に記載された権利や契約内容57に基づいて、デジタルコンテンツ50を送信、受信、ダウンロード、閲覧、等を行うことができる。
【0046】
デジタルコンテンツ取引部43は、取引に際して、相手と交渉する一般的な機能を備えている(不図示)。例えば、メール、チャット、電話、等の連絡や会話をする機能や、交渉内容を受諾する/受諾しない、などを選べる機能、等を備えており、相手と交渉して、取引を進めることができる。
【0047】
図5(b)に示すように、取引データ47は、取引が成立した取引日時47Aと、取引が誰と誰の間で実施されたかを示す取引者47Bと、取引した内容47Cと、デジタルコンテンツのタグ情報52を含んでよい。タグ情報52が別紙59を含む場合は、取引データ47は別紙59を含んでよい。
【0048】
取引した内容47Cは、例えば、「著作権の取引」等が記載される。これは、タグ情報52の権利名54の著作権が、契約内容57に記載された内容で、取引されたことを示す。また、「所有権の取引」と記載されれば、タグ情報52の権利名54の所有権が、契約内容57に記載された内容で、取引されたことを示す。また、「使用権の取引」と記載されれば、タグ情報52の権利名54の使用権が、契約内容57に記載された内容で、取引されたことを示す。
【0049】
デジタルコンテンツ取引部43は、デジタルコンテンツ50の登録において、タグ情報52から取引データ47を作成する。その場合には、取引はまだ成立していないので、取引日時47Aと、取引者47Bと、取引内容47Cは未記入となる。
【0050】
図4が示す通信管理A部42は、クライアント・サーバ方式の通信機能を用いて、サーバ30-Sとコンピュータ30の間で、データを通信することができる。この通信機能を用いて、コンピュータ30は、サーバ30-Sのデジタルコンテンツ管理ソフト統括部60からデジタルコンテンツ管理ソフトをダウンロードしてよい。また、サーバ30-Sのデジタルコンテンツ管理ソフト統括部60は、コンピュータ30の有するデジタルコンテンツ管理ソフト40のバージョンを更新してよい。
【0051】
通信管理A部42は、コンピュータ30が行った取引の結果である取引データ47を、サーバ30-Sに送信することができる。また、コンピュータ30はサーバ30-Sが有する取引データ47を受信し、取引データリスト41を更新することができる。
【0052】
取引違反検出部44は、デジタルコンテンツ取引部43が行う取引が、デジタルコンテンツ50のタグ情報52に記載された著作権、所有権、又は使用権に違反するかどうかを検出することができる。例えば、著作権を持たず、所有権を持つ売り手が、著作権を売る取引を行おうとすると、取引違反検出部44はこの取引は権利に違反することを検出する。
【0053】
取引違反検出部44は、デジタルコンテンツ取引部43が行う取引が、著作権、所有権、又は使用権、に付帯する契約内容57に違反するかどうかを検出することができる。違反の検出は、契約内容57と新たに行う取引の内容を照合することで検出する。例えば、所有権の契約内容57に、「〇年○月○日から3年間、所有権を有する」と記載があるデジタルコンテンツ50の所有者が、デジタルコンテンツ50の所有権を無期限で売る取引をしようとすると、取引違反検出部44は契約内容57に違反することを検出する。
【0054】
取引の違反を検出した場合には、違反であることを示す警告を出すことができる。また、取引の違反を検出した場合に、取引を停止することもできる。
【0055】
デジタルコンテンツ操作部45は、デジタルコンテンツ50に対して、複製(全部複製、部分複製)、加工、修正、切り取り、追加、削除、等の操作を実施することができる。
【0056】
操作違反検出部46は、デジタルコンテンツ操作部45が行った操作が、著作権、所有権、又は使用権に付帯する契約内容57に違反するかどうかを検出することができる。違反の検出は、デジタルコンテンツ操作部45が行う、例えば「複製」、「削除」、「可能」、
「追記」等の操作が、契約内容57に違反するかどうかをチェックすることで行う。
【0057】
操作の違反を検出した場合には、違反であることを示す警告を出すことができる。また、操作の違反を検出した場合に、操作を停止することもできる。
【0058】
<デジタルコンテンツ管理ソフト統括部の構成>
図6は、デジタルコンテンツ管理ソフト統括部60の構成例を示す。
【0059】
デジタルコンテンツ管理ソフト統括部60は、デジタルコンテンツ管理ソフトダウンロード部61と、デジタルコンテンツ管理ソフト40のユーザの情報を保存するユーザ情報保存部62と、取引されたデジタルコンテンツ50の取引データ履歴部63とを備える。
【0060】
デジタルコンテンツ管理ソフトダウンロード部61は、コンピュータ30が、デジタルコンテンツ管理ソフト40をダウンロードするための機能を有する。また、デジタルコンテンツ管理ソフト40のバージョンが更新された場合に、コンピュータ30にインストールされたデジタルコンテンツ管理ソフト40をバージョンアップすることが出来る。
【0061】
デジタルコンテンツ管理ソフトダウンロード部61は、コンピュータ30がデジタルコンテンツ管理ソフト40をダウンロードする際に、コンピュータ30のIPアドレスを取得し、それをユーザ情報保存部62に記憶する。ユーザ情報保存部62のユーザ名は、コンピュータ30のユーザがデジタルコンテンツ管理ソフト40をダウンロードする際に、ユーザに記入させて取得してよい。ユーザ情報保存部62のユーザ登録日時は、ユーザがデジタルコンテンツ管理ソフト40をダウンロードした年月日、時刻としてよい。
【0062】
取引データ履歴部63は、全てのコンピュータ30が、取引したデジタルコンテンツ50の取引データ47を保存する。
【0063】
<デジタルコンテンツの取引の例を示すフローチャート>
図7は、デジタルコンテンツ50をデジタルコンテンツ管理ソフト40に登録して、取引する流れを示したフローチャートである。
【0064】
図1に示した、コンピュータ30-1とコンピュータ30-2が、デジタルコンテンツ管理ソフト40-1とデジタルコンテンツ管理ソフト40-2を各々起動して、図7のフローチャートは開始する。
【0065】
ステップS100では、デジタルコンテンツ50-1のデジタルコンテンツ本体51-1「X市の街並み3D計測点群データ」の著作権者、兼所有権者であるコンピュータ30-1のユーザAAは、取引する権利の内容をタグ情報52-1(図8(a))を、デジタルコンテンツ管理ソフト40-1を用いて記入し、登録する。
【0066】
図8(a)では、名称に「X市全域の街並み3D計測点群データ」を、権利名に「著作権」、「所有権」、「使用権」を、日時に、各の権利が発生した日付と時刻「2020/7/1、15:22」を、各の権利者の欄に「AA」を記入している。権利者として「AA」と記載されれば、現在の権利者は「AA」であることを示す。
【0067】
図8(a)の各権利に関する契約内容には、各々「譲渡」、「売買」、「別紙No.1に記載」59-1が記載され、図8(b)に示される別紙59-1が添付される。「価格」の欄には、「○円」、「X円」、「無料」が記入されている。価格は、契約内容を実行する場合の金額であり、著作権を譲渡する場合は○円、所有権を売買する場合は&#9747;円が必要であり、使用権は無料で得られることを意味する。
【0068】
別紙59-1を含むタグ情報52-1は、図5(b)に示すように、取引データ47-1として、取引データリスト41-1に記憶される。ここではまだ取引は成立していないので、取引データ47-1の取引日時47Aと取引者47Bと取引内容47Cには記載がない。この取引データ47-1は、通信管理A部42の動作により、デジタルコンテンツ管理ソフト統括部60に送信され、登録される。
【0069】
ステップS101では、サーバ30-Sのデジタルコンテンツ管理ソフト統括部60は、取引データ47-1を受信し、取引データ履歴63に保存する。同時に、取引日時47Aと取引者47Bと取引内容47Cに記載が無いことから、取引前のデータであるとして、全てのコンピュータ30に配信する。コンピュータ30のユーザは、配信された取引データのタグ情報52-1と別紙59-1をデジタルコンテンツ取引部43-2で閲覧することができる。
【0070】
ステップS102では、コンピュータ30-2のユーザは、このデジタルコンテンツ本体51-1を、提示されている契約内容で取引するかどうかを判断する。そのまま取引する場合は、ステップS102「はい」に進み、取引は成立して、ステップS108に移行する。
【0071】
契約内容を変更して取引したい場合は、ステップS102「いいえ」を進み、S103に移行する。
【0072】
ステップS103では、希望する契約内容を権利者に連絡する。今回は、「使用権希望、但し、契約内容にある使用期間を5年に延長してほしい」を、デジタルコンテンツ取引部43-2が有するメール機能(不図示)を利用して、権利者であるコンピュータ30-1に送信する。
【0073】
ステップS104では、デジタルオブジェクト50-1の権利者は、契約内容の変更を承認する(ステップS104の「はい」)ことも、拒否する(ステップS104の「いいえ」)こともできる。
【0074】
契約内容の変更を承認すれば(ステップS104の「はい」)、取引は成立し、ステップS108に移行する。
【0075】
契約内容の変更を拒否する場合は(ステップS104の「いいえ」)、デジタルオブジェクト50-1の権利者は契約内容の変更の申し入れを再交渉する(ステップS105の「はい」)か、あるいは拒否する(ステップS105の「いいえ」)か、を選択することができる。
【0076】
再交渉する場合(ステップS105「はい」)、変更する内容をコンピュータ30-2のユーザに送り、再交渉する(ステップS106)。そして、再びステップS103のステップに入る。
【0077】
再交渉しない場合(ステップS105「いいえ」)、取引を中止することができる。
【0078】
ステップS108で、取引は成立する。契約内容が変更された場合には、タグ情報52が変更されて、取引データ47が作成される。取引データ47は、デジタルコンテンツ管理ソフト40の取引データリスト41に追加され、記憶される。
【0079】
ステップS109では、取引データ47はデジタルコンテンツ管理ソフト統括部60に送信され、取引データ履歴部63に追加されて、保存される。これで取引のフローは終了する。
【0080】
<権利と契約内容の違反検出>
コンピュータ30-2のユーザは、取引した権利と契約内容に応じて、デジタルコンテンツ50-1の権利を有する。図7のフローチャートが示す取引では、別紙59-1に記載された使用権が与えられ、デジタルコンテンツ本体51をダウンロードして、使用することができる。
【0081】
デジタルコンテンツ本体51をダウンロードしたコンピュータ30-2のユーザが、契約内容の別紙59-1に違反する行為を行おうとすると、取引違反検出部44が違反を検出し、警告することが出来る。また、取引違反検出部44が違反を検出し、違反行為を停止することが出来る。
【0082】
図8が示すように、使用権の契約内容の別紙59-1に、「再配布禁止」と記載されている場合、コンピュータ30-2のユーザが再配布につながる行為をとると、「その取引は契約内容に違反しています」と警告し、コンピュータ20の動作を停止する。例えば、デジタルコンテンツ本体51を、デジタルコンテンツ管理ソフト40のメール機能(不図示)を利用して、メール送信すると、「そのデジタルコンテンツをメール送信することは出来ません」と表示されて、メール送信は中止される。
【0083】
また、デジタルコンテンツ本体51をダウンロードしたコンピュータ30-2のユーザが、契約内容の別紙59-1に違反する操作を行おうとすると、デジタルコンテンツ管理ソフト40の操作違反検出部46が違反を検出し、警告し、違反行為を停止する。今回の契約内容では、「複製、加工、変更禁止」とされているので、コンピュータ30-2のユーザが、デジタルコンテンツ本体50-1を複製、加工、変更等の操作を行うと、「その操作は契約内容に違反しています」と警告し、コンピュータ20の動作を停止する。
【0084】
第1の実施形態では、サーバ30-Sをコンピュータ30とは別に設けているが、サーバ30の機能をコンピュータ30に追加して設け、サーバ30-Sを削除してよい。
【0085】
第1の実施形態では、デジタルコンテンツ管理ソフト40に登録された取引データ47は、デジタルコンテンツ管理ソフト統括部60によって、全てのコンピュータ30に配信する仕組みとしたが、コンピュータ30がデジタルコンテンツ管理ソフト統括部60にアクセスした場合のみ、タグ情報52を送信してもよい。
【0086】
<第2の実施形態>
以下、本願発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、ブロックチェーン機能を導入し、デジタルコンテンツ本体51、タグ情報52、取引データ47の改竄を防止する例を示す。
【0087】
<ブロックチェーン機能>
図9はブロックチェーン機能70をインストールしたコンピュータ30の構成を示す。図10はブロックチェーン71の構成例を示す。図11は取引データの構成例を示す。
【0088】
ブロックチェーン機能70は、ネットワーク20に接続されたコンピュータ30とサーバ30-Sに、デジタルコンテンツ管理ソフト40と共にインストールされる。図9では、コンピュータ30の中にデジタルコンテンツ50が存在する場合を示しているが、デジタルコンテンツ50が存在しないコンピュータ30があってもよい。
【0089】
図9が示すように、ブロックチェーン機能70は、ブロックチェーン71、ブロックチェーン作成部72、ハッシュ関数部73、ナンス値生成部74、通信管理B部75を含んで構成される。
【0090】
ブロックチェーン71はブロックチェーン作成部72により作成される。図10が示すように、ブロックチェーン71は、時系列のブロックデータ80、80_iが連続してつながった構造を有する。添字_iは時系列を示すインデックスで、i=1、2、・・・、n、n+1の値をとり、i=1は最初の取引、i=nは最新の取引を示す。
【0091】
ブロックデータ80は、ハッシュ値81と、取引データリスト41と、ナンス値82を含んで構成される。取引データリスト41は取引データ47で構成される。
【0092】
取引データリスト41に記入された取引データ47は、通信管理B部75を介して、ハッシュ値81の算出に参加しているコンピュータ30の取引データリスト41にも記入される。ハッシュ値81の算出に参加しているコンピュータ30の取引データリスト41_nは、取引データ47を一定時間集めて確定される。取引データリスト41_nが確定されると、その後の取引データ47は取引データリスト41_n+1に記入される。
【0093】
図11が示すように、取引データ47は、図5(b)で示したように、取引日時47Aと、取引者47Bと、取引内容47Cと、デジタルコンテンツのタグ情報52を有する。ここでは、さらにデジタルコンテンツ本体のハッシュ値83を含めている。デジタルコンテンツ本体のハッシュ値83は、ハッシュ関数部73がデジタルコンテンツ本体50-1から算出したハッシュ値である。
【0094】
通信管理B部75は、P2P(Peer
to Peer)方式の通信機能を用いて、他のコンピュータ30の、取引データリスト41とブロックデータ80が更新される度にそれを検出し、自身のコンピュータ30のブロックデータ80を更新することができる。
【0095】
<ブロックチェーンの生成過程>
図10に基づいて、ブロックチェーン71の生成過程を示す。符号の添字_iは、時系列のインデックスを示す。i=1は最初のブロックデータ80_1に対応し、i=nは最新の取引データリスト41_nを含むブロックデータ80_nに対応し、i=n+1はその次のブロックデータ80_n+1に対応する。
【0096】
ブロックチェーン71は、時系列のブロックデータ80_iが連続して連結された構造を有する。ブロックデータ80_nは、一つ前のブロックデータ80_n-1から作成したハッシュ値81_nと、最新の取引データリスト41_nと、ナンス値82_nとを含んで構成される。
【0097】
取引データリスト41_nは、一連の取引データ47を含み、一連の取引データ47は取引されたデジタルコンテンツ本体51のハッシュ値83を含む(図11)ので、デジタルコンテンツ本体51がどこかの時点で変更された場合、デジタルコンテンツ本体のハッシュ値83を比較することで、変更されたことを検出できる。
【0098】
例えば、取引データリスト41_nの中の取引データ47に記載された最新のデジタルコンテンツ本体のハッシュ値83を、過去の時系列の取引データ41_i(i=1~n-1)の取引データ47に記載されたデジタルコンテンツ本体のハッシュ値83と順次比較して異なった場合、デジタルコンテンツ本体51がどのブロックデータ80のどの取引データ47で異なったかを検出することができる。
【0099】
デジタルコンテンツ本体51がどの時点で変更されたかを検出しない場合には、デジタルコンテンツ本体51のハッシュ値を取引データ47に含めなくともよい。
【0100】
取引データ47には、図11が示すように、デジタルコンテンツのタグ情報52が含まれている。よって、タグ情報52の変遷をたどることで、最初の著作権者や所有権者などを知ることができる。
【0101】
図10が示すハッシュ値80_i(i=1~n+1)は、ハッシュ値81の算出に参加しているコンピュータ30において、そのブロックチェーン機能70のハッシュ関数部73により算出される。ハッシュ関数部73のハッシュ関数は、同じデジタルコンテンツからは同じハッシュ値を算出するが、少しでも異なるデジタルコンテンツからは全く異なるハッシュ値を算出する。ハッシュ関数部73のハッシュ関数としては、SHA-1(Secure Hash Algorithm 1)、SHA-256(Secure Hash
Algorithm 256)、又はRIPEMD-160(RACE Integrity Primitives
Evaluation Message Digest)などを利用してよい。SHA-1とRIPEMD-160は、任意の長さのデジタルコンテンツから、160ビットのハッシュ値を生成し、SHA-256は256ビットのハッシュ値を生成する。
【0102】
ハッシュ関数部73は、最新の取引データリスト41_nが確定すると、ハッシュ値81_n+1の算出を開始する。ハッシュ値81_n+1は、ブロックデータ80_n-1から算出されたハッシュ値80_nと、取引データリスト41_nと、ナンス値82_nを用いて算出され、ブロックデータ80_n+1に格納される。
【0103】
ハッシュ関数部73は、特定の桁数のハッシュ値を出力するが、どのような値が出力されるかは予測できない。そこで、例えば、先頭から5桁は0で占められるハッシュ値を、適正なハッシュ値81とする、などのルールを決めることで、適正なハッシュ値81が出力されるまで、ナンス値を変えて、ハッシュ値を算出し続けなければならない。これにより、計算量が増大し、適正なハッシュ値81の算出に時間を要することになる。
【0104】
適正なハッシュ値81_n+1が算出されると、その算出に使ったナンス値82_nは、ブロックデータ80_nに格納される。ナンス値82_nがブロックデータ80_nに格納されることで、ブロックデータ80_nを構成するハッシュ値81_nと取引データ47_nとナンス値82_nが全て確定し、ブロックデータ80_nが確定する。
【0105】
ハッシュ値81_n+1は、書き込まれることにより確定し、その後にはハッシュ値81_n+1を書き込む、または上書きすることは出来ない。
【0106】
ブロックデータ80_nが確定すると、通信管理B部75により、全てのコンピュータ30のブロックチェーン71は更新され、最新のブロックチェーン71が共有される。
【0107】
適正なハッシュ値81の算出に時間を要することにより、ブロックチェーン71の改竄は困難になる。何故ならば、時系列の一つのブロックデータ80_i(iは1~nのどれか一つ)を改竄すると、そのハッシュ値を含んで作成された、その後の全てのブロックデータ80_i’(i’=i+1~nの全ての値)のハッシュ値が異なってくるため、これら全てのハッシュ値を再計算しなければならないからである。
【0108】
ブロックデータ80_nが確定すると、全てのコンピュータ30の間で共有されるが、このハッシュ値81_nがコンピュータ30の間で異なった場合に、何が正しいかを決定する方法として、多数決を採用してよい。
【0109】
多数決を採用することで、一部のコンピュータ30でデータの改竄が行われて、ハッシュ値81_nが他のコンピュータ30と異なったとしても、多数派のコンピュータ30のハッシュ値81_nの値が正しいとして、改竄されたブロックチェーンを修正することが出来る。
【0110】
一般に、コンピュータ30の台数が多い場合には、多数のコンピュータ30に入り込んで、そのブロックチェーン71を改竄するのは、困難である。
【0111】
このようにブロックチェーン機能70を導入することで、ブロックチェーン71のブロックデータ80の改竄が困難になり、ブロックデータ80が有する取引データ47、即ち、取引日時47A、取引者47B、取引内容47C、デジタルコンテンツのタグ情報52、デジタルコンテンツ本体のハッシュ値83、等の改竄が困難になる。
【0112】
<暗号資産の生成と譲渡>
適正なハッシュ値81_n+1を算出し、ブロックデータ80_n+1に記入すること、即ち、ブロックデータ80_nを確定することが容易ではないことは、データの改竄を困難にする一方で、コンピュータ30のパワーを消費し、コストを必要とする。そこで、ブロックデータ80_nの確定に報酬を支払うことで、適正なハッシュ値81_n+1の算出に参加するコンピュータ30を増やすことができる。
【0113】
ブロックデータ80_nの確定する事の報酬として、暗号資産を与える。暗号資産はブロックデータ80_nの確定によってのみ生成されることとする。
【0114】
暗号資産は、適正なハッシュ値81_n+1を算出し、ハッシュ値81_n+1を書き込み、ブロックデータ80_nを確定したことに対する報酬として、その所有権を無料で譲渡する。
【0115】
暗号資産は、デジタルコンテンツとして捉えることができるので、本実施形態の取引の対象にすることが出来る。図12は、暗号資産の報酬支払いをデジタルコンテンツ50の取引と捉え、取引データ47が含む暗号資産のタグ情報52を記載した例である。
【0116】
名称53は「暗号資産○○」、著作権の権利者56は、暗号資産を発行した会社名「◎◎」が記載される。この記載は、取引をしても、著作権は移動せず、「◎◎」に属することを意味する。所有権の契約内容57は「1.0 譲渡」、価格58は「無料」となっており、無料で暗号資産1.0単位を譲渡することが記載される。このようなタグ情報47を持つ取引データ47を用いて取引をすることで、暗号資産を報酬として与えることができる。
【0117】
<デジタルコンテンツの取引と暗号資産の発行>
第2の実施形態では、デジタルコンテンツ50の取引にブロックチェーン機能70を導入して、データの改竄を困難にし、さらにブロックチェーン71の確定に貢献することで、報酬として暗号資産を与える仕組みを説明したが、その流れを図13のフローチャートで説明する。
【0118】
コンピュータ30-1とコンピュータ30-2において、ブロックチェーン機能70をインストールしたデジタルコンテンツ管理ソフト40を起動し、デジタルコンテンツ50の取引が可能な状態になり、フローチャートは開始する。
【0119】
ステップS200では、コンピュータ30-1とコンピュータ30-2の間で、あるデジタルコンテンツ50の取引が成立する。
【0120】
ステップS201では、取引の内容を示した取引データ47が、コンピュータ30-1とコンピュータ30-2の最新の取引データリスト41_nの中に生成される。
【0121】
ステップS202では、ハッシュ値の算出に参加しているコンピュータ30は、他の全てのコンピュータ30の取引データリスト41_nを共有しており、取引データリスト41_nに最新の取引データ47を追加する。
【0122】
取引データリスト41_nは、ブロックデータ80_nの中に生成されてから、ある一定の時間が経過すると、確定される仕組みとなっている。そのため、ステップS203では、一定時間が経過したかどうかがチェックされる。「はい」の場合はステップS204に進み、「いいえ」の場合はステップS200に戻り、次の取引が成立するのを待つ。
【0123】
ステップS204では、ハッシュ値の算出に参加しているコンピュータ30は、取引データリスト41が確定したことを検知する。確定された取引データリスト41_nには新しい取引データ47を追加出来なくなる。
【0124】
ステップS205では、ハッシュ値の算出に参加しているコンピュータ30は、取引データリスト41_nが確定したことを受けて、ブロックデータ80_nからハッシュ値81_n+1を算出し始める。
【0125】
ステップS206では、算出したハッシュ値が、事前に決められたルールに則った適正なハッシュ値であるかどうかをチェックする。「いいえ」であれば、ステップS207に進み、「はい」であれば、ステップS208に進む。
【0126】
ステップS207では、ナンス値82_nを変更して、再度ハッシュ値を算出し、ステップ206に戻る。
【0127】
ステップS208では、適正なハッシュ値が得られたので、ハッシュ値81_n+1を記入するために、ハッシュ値81_n+1がまだ未記入であるかどうかをチェックする。「いいえ」であれば、すでにハッシュ値81_n+1は記入されているので、ハッシュ値81_n+1を記入することは出来ず、ハッシュ値の算出は中止する(ステップS209)。「はい」であれば、次のステップ210に進む。
【0128】
ステップS210では、ハッシュ値81_n+1を記入する。ハッシュ値81_n+1は記入されることで、確定する。同時に、ナンス値82_nも確定し、ブロックデータ80_nが確定する。
【0129】
ステップS211では、ブロックデータ80_nを確定した報酬として、暗号資産が規定量支払われる。
【0130】
ステップS212では、暗号資産をデジタルコンテンツ50として取り扱い、暗号資産の支払いを、「所有権を無料で譲渡する」という取引によって行う。暗号資産をデジタルコンテンツ50とした取引が成立したので、ステップS201に戻り、取引データ47が生成され、最新の取引データリスト41_nに記載される。
【0131】
第2の実施形態では、ハッシュ値81_n+1の算出に参加するコンピュータ30がハッシュ値81_n+1を算出したが、ネットワーク20に接続されている全てのコンピュータ30がハッシュ値81_n+1を算出する仕組みとしてもよい。
【0132】
第2の実施形態では、生成された暗号資産は、他のデジタルコンテンツと同様にブロックチェーンの中に取引データとして記憶されたが、暗号資産だけを記憶するブロックチェーンを別に設けて記憶してもよい。
【0133】
第2の実施形態で説明したブロックチェーンの仕組み、暗号資産の生成方法、及び暗号資産の支払い方法は、一例であり、その他の方法や仕組みを用いて行うことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本開示は、デジタルコンテンツを通信ネットワーク経由して取引する際に、デジタルコンテンの著作権、所有権、使用権に関する情報と、それらの取引履歴を簡易に知ることができ、かつデジタルコンテンツや取引履歴の改竄を防止する点において有用である。
【符号の説明】
【0135】
10 デジタルコンテンツ管理システム
20 通信ネットワーク
30 コンピュータ
30-S サーバ
31 入力操作部
32 表示部
33 メモリ部
34 ストレージ部
35 通信部
36 プロセッサ部
40 デジタルコンテンツ管理ソフト
41 取引データリスト
42 通信管理A部
43 デジタルコンテンツ取引部
44 取引違反検出部
45 デジタルコンテンツ操作部
46 操作違反検出部
47 取引データ
47A 取引日時
47B 取引者
47C 取引内容
50 デジタルコンテンツ
51 デジタルコンテンツ本体
52 タグ情報
53 名称
54 権利名
55 日時
56 権利者
57 契約内容
58 価格
59 別紙
60 デジタルコンテンツ管理ソフト統括部
61 デジタルコンテンツ管理ソフトダウンロード部
62 ユーザ情報保存部
63 取引データ履歴部
70 ブロックチェーン機能
71 ブロックチェーン
72 ブロックチェーン作成部
73 ハッシュ関数部
74 ナンス値生成部
75 通信管理B部
80 ブロックデータ
81 ハッシュ値
82 ナンス値
83 デジタルコンテンツ本体のハッシュ値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2022-04-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して通信可能な複数のコンピュータと、前記コンピュータにより送受信可能なデジタルコンテンツと、前記コンピュータに設置された管理部と、を備えたデジタルコンテンツ管理システムであって、
前記デジタルコンテンツは、前記デジタルコンテンツの本体及びタグ情報を有し、
前記タグ情報は、前記デジタルコンテンツの著作権、所有権、又は使用権の少なくともいずれか一つの権利の名称と、前記権利を持つ権利者の情報と、を備えており、
前記管理部は、前記権利の取引に関する内容を登録し、前記権利の取引を成立させ、前記権利の取引に関する内容を、前記タグ情報を含む取引データとして記憶し、
前記コンピュータは、ブロックデータを時系列に連結したブロックチェーンで構成されるブロックチェーンシステムを有し、
前記ブロックデータは、前記取引データ、一つ前のブロックデータから算出したハッシュ値、及びナンス値、を有し、
前記取引データ、前記ハッシュ値、及び前記ナンス値、を用いて算出する新たなハッシュ値があるルールに従う場合に、前記ブロックデータが確定され、
前記ブロックデータを確定した前記新たなハッシュ値の算出に対して、報酬が支払われることを特徴とするデジタルコンテンツ管理システム。
【請求項2】
前記ブロックデータを確定した前記新たなハッシュ値の算出に対して、前記ブロックチェーンシステムは、数値を含むデータを暗号資産として生成し、前記暗号資産が前記報酬として支払われることを特徴とする請求項1に記載のデジタルコンテンツ管理システム。
【請求項3】
前記暗号資産は前記デジタルコンテンツとして扱われ、前記暗号資産が前記報酬として支払われることが、前記権利の取引として扱われ、前記取引データとして記憶されることを特徴とする請求項2に記載のデジタルコンテンツ管理システム。
【請求項4】
前記権利の取引に関する契約内容を、前記タグ情報に付帯させて、前記権利の取引を行うことを特徴とする請求項1乃至3に記載のデジタルコンテンツ管理システム。
【請求項5】
前記管理部は、前記権利の取引に関する内容を、前記権利又は前記契約内容と照合して、前記権利の取引が、前記権利又は前記契約内容に違反する取引違反に該当するか否か、を検出する取引違反検出機能を有することを特徴とする請求項4に記載のデジタルコンテンツ管理システム。
【請求項6】
前記取引違反検出機能は、前記取引違反を検出した場合には、警告を発するか、又は前記取引を成立させないことを特徴とする請求項5に記載のデジタルコンテンツ管理システム。
【請求項7】
前記管理部は、前記デジタルコンテンツを操作する機能を有し、前記操作する機能を介して、前記デジタルコンテンツに対して実施した操作を検出し、前記操作を前記権利又は前記契約内容と照合して、前記操作が、前記権利又は前記契約内容に違反する操作違反に該当するか否か、を検出する操作違反検出機能を備えていることを特徴とする請求項4乃至6に記載のデジタルコンテンツ管理システム。
【請求項8】
前記操作違反検出機能は、前記操作違反を検出した場合には、警告を発するか、又は前記操作を成立させないことを特徴とする請求項7に記載のデジタルコンテンツ管理システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
操作違反検出部46は、デジタルコンテンツ操作部45が行った操作が、著作権、所有権、又は使用権に付帯する契約内容57に違反するかどうかを検出することができる。違反の検出は、デジタルコンテンツ操作部45が行う、例えば「複製」、「削除」、「加工」、「追記」等の操作が、契約内容57に違反するかどうかをチェックすることで行う。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0065】
ステップS100では、デジタルコンテンツ50-1のデジタルコンテンツ本体51-1「X市の街並み3D計測点群データ」の著作権者、兼所有権者であるコンピュータ30-1のユーザAAは、取引する権利の内容をタグ情報52-1(図8(a))、デジタルコンテンツ管理ソフト40-1を用いて記入し、登録する。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して通信可能な複数のコンピュータと、前記コンピュータにより送受信可能なデジタルコンテンツと、前記コンピュータに設置された管理部と、を備えたデジタルコンテンツ管理システムであって、
前記デジタルコンテンツは、前記デジタルコンテンツの本体及びタグ情報を有し、
前記タグ情報は、前記デジタルコンテンツの著作権、所有権、又は使用権の少なくともいずれか一つの権利の名称と、前記権利を持つ権利者の情報と、を備えており、
前記管理部は、前記権利の取引に関する内容を登録し、前記権利の取引を成立させ、前記権利の取引に関する内容を、前記タグ情報を含む取引データとして記憶し、
前記コンピュータは、ブロックデータを時系列に連結したブロックチェーンで構成されるブロックチェーンシステムを有し、
前記ブロックデータは、前記取引データ、一つ前のブロックデータから算出したハッシュ値、及びナンス値、を有し、
前記取引データ、前記ハッシュ値、及び前記ナンス値、を用いて算出する新たなハッシュ値があるルールに従う場合に、前記ブロックデータが確定され、
前記ブロックデータを確定した前記新たなハッシュ値の算出に対して、前記デジタルコンテンツとなる暗号資産を生成して、報酬が支払われる
ことを特徴とするデジタルコンテンツ管理システム。
【請求項2】
前記権利の取引に関する契約内容を、前記タグ情報に付帯させて、前記権利の取引を行うことを特徴とする請求項に記載のデジタルコンテンツ管理システム。
【請求項3】
前記管理部は、前記権利の取引に関する内容を、前記権利又は前記契約内容と照合して、前記権利の取引が、前記権利又は前記契約内容に違反する取引違反に該当するか否か、を検出する取引違反検出機能を有することを特徴とする請求項に記載のデジタルコンテンツ管理システム。
【請求項4】
前記取引違反検出機能は、前記取引違反を検出した場合には、警告を発するか、又は前記取引を成立させないことを特徴とする請求項に記載のデジタルコンテンツ管理システム。
【請求項5】
前記管理部は、前記デジタルコンテンツを操作する機能を有し、前記操作する機能を介して、前記デジタルコンテンツに対して実施した操作を検出し、前記操作を前記権利又は前記契約内容と照合して、前記操作が、前記権利又は前記契約内容に違反する操作違反に該当するか否か、を検出する操作違反検出機能を備えていることを特徴とする請求項乃至に記載のデジタルコンテンツ管理システム。
【請求項6】
前記操作違反検出機能は、前記操作違反を検出した場合には、警告を発するか、又は前記操作を成立させないことを特徴とする請求項5に記載のデジタルコンテンツ管理システム。