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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062351
(43)【公開日】2023-05-08
(54)【発明の名称】光変調器、位相シフタ及び光通信装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/025 20060101AFI20230426BHJP
【FI】
G02F1/025
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021172266
(22)【出願日】2021-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】309015134
【氏名又は名称】富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 昌樹
【テーマコード(参考)】
2K102
【Fターム(参考)】
2K102AA28
2K102BA03
2K102BB01
2K102BB04
2K102BC10
2K102BD01
2K102CA00
2K102CA20
2K102DA04
2K102DB04
2K102DB05
2K102DB08
2K102DC08
2K102DD03
2K102EA02
2K102EB11
2K102EB12
(57)【要約】
【課題】光変調器の小型化を図りながら、光変調器内の各光導波路の導波路長を同一にできる光変調器等を提供することを目的とする。
【解決手段】光変調器は、信号光が通過する光導波路と、光導波路を通過する信号光を分岐する分岐部と、分岐部にて分岐された各信号光の位相をシフトする一対の位相シフタと、を有する。位相シフタは、信号光が通過するシフタ内導波路と、駆動電圧に応じてシフタ内導波路を加熱するヒータ電極と、を有する。シフタ内導波路は、分岐部からの信号光を入力する往路導波路と、信号光を出力する復路導波路と、往路導波路と復路導波路との間を接続する折り返し導波路と、を有する。往路導波路及び復路導波路の近傍にヒータ電極が配置される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号光が通過する光導波路と、前記光導波路を通過する前記信号光を分岐する分岐部と、前記分岐部にて分岐された各信号光の位相をシフトする一対の位相シフタと、を有する光変調器であって、
前記位相シフタは、
前記信号光が通過するシフタ内導波路と、駆動電圧に応じて前記シフタ内導波路を加熱するヒータ電極と、を有し、
前記シフタ内導波路は、
前記分岐部からの前記信号光を入力する往路導波路と、前記信号光を出力する復路導波路と、前記往路導波路と前記復路導波路との間を接続する折り返し導波路と、を有し、前記往路導波路及び前記復路導波路の近傍に前記ヒータ電極が配置されることを特徴とする光変調器。
【請求項2】
前記光変調器は、
前記一対の位相シフタの内、一方の位相シフタと直列に接続する一方の高周波側位相シフタと、他方の位相シフタと直列に接続する他方の高周波側位相シフタとを並列に配置し、
前記一方の位相シフタは、
前記一方の高周波側位相シフタの両側面の内、一方の側面側に並列に配置され、
前記他方の位相シフタは、
前記他方の高周波側位相シフタの両側面の内、前記一方の側面と異なる他方の側面側に並列に配置されることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
【請求項3】
前記光変調器は、
前記一対の位相シフタの内、一方の位相シフタと直列に接続する一方の高周波側位相シフタと、他方の位相シフタと直列に接続する他方の高周波側位相シフタとを並列に配置し、
前記一方の位相シフタは、
前記一方の高周波側位相シフタの両側面の内、一方の側面側に並列に配置され、
前記他方の位相シフタは、
前記他方の高周波側位相シフタの両側面の内、前記一方の側面側に並列に配置されることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
【請求項4】
前記光変調器は、
前記一対の位相シフタの内、一方の位相シフタと直列に接続する一方の高周波側位相シフタと、他方の位相シフタと直列に接続する他方の高周波側位相シフタとを並列に配置し、
前記一方の位相シフタは、
前記一方の高周波側位相シフタの両側面の内、一方の側面側に隣接して並列に配置され、
前記他方の位相シフタは、
前記他方の高周波側位相シフタの両側面の内、前記一方の側面側に隣接して並列に配置されることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
【請求項5】
前記光変調器は、
前記一対の位相シフタの内、一方の位相シフタと直列に接続する一方の高周波側位相シフタと、他方の位相シフタと直列に接続する他方の高周波側位相シフタとを並列に配置し、
前記一方の位相シフタは、
前記一方の高周波側位相シフタの両側面の内、一方の側面側に並列に配置され、
前記他方の位相シフタは、
前記一方の高周波側位相シフタの前記一方の側面側に並列に配置され、前記一方の位相シフタに直列に配置されることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
【請求項6】
信号光が通過する光導波路と、前記光導波路に前記信号光を入力する入力部と、前記光導波路を通過する前記信号光を分岐する分岐部と、前記分岐部にて分岐された各信号光を変調する一対の光変調器と、を有し、
前記光変調器内の位相シフタは、
前記信号光が通過するシフタ内導波路と、駆動電圧に応じて前記シフタ内導波路を加熱するヒータ電極と、を有し、前記シフタ内導波路は、前記分岐部からの前記信号光を入力する往路導波路と、前記信号光を出力する復路導波路と、前記往路導波路と前記復路導波路との間を接続する折り返し導波路と、を有し、前記往路導波路及び前記復路導波路の近傍に前記ヒータ電極が配置され、
前記入力部から一方の光変調器までの導波路長と前記入力部から他方の光変調器までの導波路長とが異なることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
【請求項7】
信号光が通過するシフタ内導波路と、駆動電圧に応じて前記シフタ内導波路を加熱するヒータ電極と、を有し、前記ヒータ電極の加熱に応じて前記シフタ内導波路を通過する前記信号光の位相をシフトする位相シフタであって、
前記シフタ内導波路は、
前記信号光を入力する往路導波路と、前記信号光を出力する復路導波路と、前記往路導波路と前記復路導波路との間を接続する折り返し導波路と、を有し、前記往路導波路及び前記復路導波路の近傍に前記ヒータ電極が配置されることを特徴とする位相シフタ。
【請求項8】
電気信号に対する信号処理を実行するプロセッサと、
光を発生させる光源と、
前記プロセッサから出力される電気信号を用いて、前記光源から発生する光を変調する光変調器と、を有する光通信装置であって、
前記光変調器内の位相シフタは、
前記光が通過するシフタ内導波路と、前記電気信号の駆動電圧に応じて前記シフタ内導波路を加熱するヒータ電極と、を有し、前記ヒータ電極の加熱に応じて前記シフタ内導波路を通過する前記光の位相をシフトし、
前記シフタ内導波路は、
前記光を入力する往路導波路と、前記光を出力する復路導波路と、前記往路導波路と前記復路導波路との間を接続する折り返し導波路と、を有し、前記往路導波路及び前記復路導波路の近傍に前記ヒータ電極が配置されることを特徴とする光通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光変調器、位相シフタ及び光通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光変調器は、4チャネルのマッハツェンダ変調器が集積されている。各マッハツェンダ干渉計(Mach-Zehnder Interferometer:MZI)には、RF位相シフタ(Radio Frequency Phase Shifter:RFPS)及びDC位相シフタ(Direct Current Phase Shifter:DCPS)がある。RFPSには、例えば、数10GHzの帯域をもつ高速信号を入力し、高速変調を行うMZIである。DCPSは、例えば、ヒータ電極で構成され、ヒータ電極に電流を流して光導波路を加熱することで光導波路の屈折率を変化させ、光の位相を調整するMZIである。光変調器は、RFPSに入力する電気信号のON/OFFが光信号のON/OFFに対応するように、DCPSのヒータ電極に流す電流を調整する。
【0003】
図15は、従来の光変調器の一例を示すブロック図である。図15に示す光変調器100は、光導波路111と、光入力部112と、第1の分岐部113と、X偏波MZM114A(114)と、Y偏波MZM114B(114)とを有する。光変調器100は、偏波回転部(PR:Polarization Rotator)115と、偏波ビームコンバイナ(PBC:Polarization Beam Combiner)116と、光出力部117とを有する。
【0004】
光導波路111は、光導波路111Aと、光導波路111Bと、光導波路111Cとを有する。光導波路111Aは、光入力部112と第1の分岐部113との間を接続する光導波路である。光導波路111Bは、X偏波MZM114A内の第2の合波部127A(127)と光出力部117との間、Y偏波MZM114B内の第2の合波部127B(127)と光出力部117との間を接続する光導波路である。光導波路111Cは、第1の分岐部113と第2の合波部127との間を接続する光導波路である。
【0005】
光入力部112は、図示せぬ光源からのレーザ光を入力する。第1の分岐部113は、光入力部112からのレーザ光を光分岐し、光分岐後のレーザ光をX偏波MZM114A及びY偏波MZM114Bに出力する。
【0006】
X偏波MZM114Aは、第1の分岐部113で分岐後のレーザ光をX偏波のデータ信号で直交位相変調し、X偏波のIQ成分の信号光をPBC116に出力する。Y偏波MZM114Bは、第1の分岐部113で分岐後のレーザ光をY偏波のデータ信号で直交位相変調し、Y偏波のIQ成分の信号光をPR115に出力する。PR115は、Y偏波MZM114BからのY偏波のIQ成分の信号光を偏波回転してX偏波のIQ成分の信号光に変換し、変換後のX偏波のIQ成分の信号光をPBC116に出力する。更に、PBC116は、X偏波MZM114AからのX偏波のIQ成分の信号光と、PR115からの変換後のX偏波のIQ成分の信号光とを合波して偏波多重信号光を光出力部117に出力する。
【0007】
X偏波MZM114Aは、第2の分岐部121A(121)と、2個の第3の分岐部122(122A)と、2個のRF側MZM123(123A,123B)と、2個のDC側子MZM124(124A,124B)とを有する。更に、X偏波MZM114Aは、2個の第1の合波部126(126A,126B)と、DC側親MZM125(125A)と、第2の合波部127(127A)とを有する。
【0008】
第3の分岐部122Aは、第2の分岐部121Aからのレーザ光をRF側MZM123A内の各RFPS141に分岐出力する。RF側MZM123Aは、2個のRF電極128と、2個のRFPS141とを有する。RF側MZM123A内の各RFPS141は、RF電極128からの高速信号に応じてレーザ光を高速変調し、高速変調後のレーザ光をDC側子MZM124A内の各子DCPS142に出力する。
【0009】
DC側子MZM124Aは、2個のDC電極130A(130)と、2個の子DCPS142とを有する。DC側子MZM124A内の各子DCPS142は、高速変調後のレーザ光をDC電極130Aからのデータ信号に応じて位相変調し、位相変調後のI成分の信号光を第1の合波部126Aに出力する。第1の合波部126Aは、各子DCPS142からのI成分の信号光を合波し、合波後のI成分の信号光をDC側親MZM125A内の一方の親DCPS143に出力する。
【0010】
DC側子MZM124Bは、2個のDC電極130Aと、2個の子DCPS142とを有する。DC側子MZM124B内の各子DCPS142は、高速変調後のレーザ光をDC電極からのデータ信号に応じて位相変調し、位相変調後のQ成分の信号光を第1の合波部126Bに出力する。第1の合波部126Bは、各子DCPS142からのQ成分の信号光を合波し、合波後のQ成分の信号光をDC側親MZM125A内の他方の親DCPS143に出力する。
【0011】
DC側親MZM125Aは、2個のDC電極130B(130)と、2個の親DCPS143とを有する。DC側親MZM125A内の一方の親DCPS143は、DC電極130Bからの駆動電圧信号に応じて位相変調後のI成分の信号光を直交変調し、直交変調後のX偏波のI成分の信号光を第2の合波部127Aに出力する。DC側親MZM125A内の他方の親DCPS143は、DC電極130Bからの駆動電圧信号に応じて位相変調後のQ成分の信号光を直交変調し、直交変調後のX偏波のQ成分の信号光を第2の合波部127Aに出力する。
【0012】
第2の合波部127Aは、DC側親MZM125A内の一方の親DCPS143からのX偏波のI成分の信号光と、一方のDC側親MZM125A内の他方の親DCPS143からのX偏波のQ成分の信号光とを合波する。そして、第2の合波部127Aは、合波後のX偏波のIQ成分の信号光をPBC116に出力する。
【0013】
Y偏波MZM114Bは、第2の分岐部121B(121)と、2個の第3の分岐部122B(122)と、2個のRF側MZM123(123C,123D)と、2個のDC側子MZM124(124C,124D)とを有する。Y偏波MZM114Bは、2個の第1の合波部126(126C,126D)と、DC側親MZM125(125B)と、第2の合波部127(127B)とを有する。
【0014】
第3の分岐部122Bは、第2の分岐部121Bからのレーザ光をRF側MZM123C内の各RFPS141に分岐出力する。RF側MZM123Cは、2個のRF電極128と、2個のRFPS141とを有する。RF側MZM123C内の各RFPS141は、RF電極128からの高速信号に応じてレーザ光を高速変調し、高速変調後のレーザ光をDC側子MZM124C内の各子DCPS142に出力する。
【0015】
DC側子MZM124Cは、2個のDC電極130A(130)と、2個の子DCPS142とを有する。DC側子MZM124C内の各子DCPS142は、高速変調後のレーザ光をDC電極130Aからのデータ信号に応じて位相変調し、位相変調後のI成分の信号光を第1の合波部126Cに出力する。第1の合波部126Cは、各子DCPS142からのI成分の信号光を合波し、合波後のI成分の信号光をDC側親MZM125B内の一方の親DCPS143に出力する。
【0016】
DC側子MZM124Dは、2個のDC電極130Aと、2個の子DCPS142とを有する。DC側子MZM124D内の各子DCPS142は、高速変調後のレーザ光をDC電極からのデータ信号に応じて位相変調し、位相変調後のQ成分の信号光を第1の合波部126Dに出力する。第1の合波部126Dは、各子DCPS142からのQ成分の信号光を合波し、合波後のQ成分の信号光をDC側親MZM125B内の他方の親DCPS143に出力する。
【0017】
DC側親MZM125Bは、2個のDC電極130B(130)と、2個の親DCPS143とを有する。DC側親MZM125B内の一方の親DCPS143は、DC電極130Bからの駆動電圧信号に応じて位相変調後のI成分の信号光を直交変調し、直交変調後のY偏波のI成分の信号光を第2の合波部127Bに出力する。DC側親MZM125B内の他方の親DCPS143は、DC電極130Bからの駆動電圧信号に応じて位相変調後のQ成分の信号光を直交変調し、直交変調後のY偏波のQ成分の信号光を第2の合波部127Bに出力する。
【0018】
第2の合波部127Bは、DC側親MZM125B内の一方の親DCPS143からのY偏波のI成分の信号光と、一方のDC側親MZM125B内の他方の親DCPS143からのY偏波のQ成分の信号光とを合波する。そして、第2の合波部127Bは、合波後のY偏波のIQ成分の信号光をPR115に出力する。PR115は、第2の合波部127BからのY偏波のIQ成分の信号光を偏波回転し、偏波回転後のX偏波のIQ成分の信号光をPBC116に出力する。PBC116は、第2の合波部127AからのX偏波のIQ成分の信号光と、PR115からのX偏波のIQ成分の信号光とを偏波多重し、偏波多重信号を光出力部117から出力する。
【0019】
しかしながら、図15に示す光変調器100では、例えば、X偏波MZM114A内の第2の分岐部121Aから第2の合波部127Aまでの各MZMの光導波路の導波路長と、Y偏波MZM114B内の第2の分岐部121Bから第2の合波部127Bまでの各MZMの光導波路の導波路長とが異なる。各MZMの光導波路の導波路長が異なる場合には、導波路長差に応じて各MZMの光学長差が生じる。各MZMの光学長差に応じて各MZMの光損失及び駆動電圧が異なる。そこで、X偏波MZM114A内の各MZMの光導波路の導波路長と、Y偏波MZM114B内の各MZMの光導波路の導波路長とを同一にするように導波路長を調整する調整部を配置したものが知られている。
【0020】
図16は、従来の光変調器100Aの構成の一例を示す平面模式図である。尚、図15に示す光変調器100と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。図16に示す光変調器100Aと図15に示す光変調器100とが異なるところは、子DCPS142と第1の合波部126との間の折り返し導波路の導波路長を調整する調整部140を有する点にある。調整部140は、子DCPS142と第1の合波部126との間の各光導波路の導波路長が同一になるように折り返し導波路の導波路長を調整する。
【0021】
調整部140は、X偏波MZM114A内の第2の分岐部121Aから第2の合波部127Aまでの各光導波路の導波路長と、Y偏波MZM114B内の第2の分岐部121Bから第2の合波部127Bまでの各光導波路の導波路長とを同一にする折り返し導波路である。同様に、調整部140は、X偏波MZM114A内の第2の分岐部121Aから第2の合波部127Aまでの各光導波路の導波路長を同一にする折り返し導波路である。同様に、調整部140は、Y偏波MZM114B内の第2の分岐部121Bから第2の合波部127Bまでの各光導波路の導波路長を同一にする折り返し導波路である。その結果、折り返し導波路を調整することで、子DCPS142と第1の合波部126との間の各光導波路の導波路長が同一になるため、例えば、波長依存性を回避した安定した光変調器100Aを提供できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開2013-3442号公報
【特許文献2】特開2000-235169号公報
【特許文献3】特開2019-152732号公報
【特許文献4】米国特許出願公開第2014/0212092号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
しかしながら、光変調器100Aでは、調整部140を配置するための配置スペースが必要となるため、光変調器100A全体のチップサイズが大きくなる。しかも、光導波路の全長が長くなるため光の損失が増え、しかも、チャネル数が多い場合には、ヒータ電極の消費電力が大きくなる。従って、光変調器の小型化を図りながら、光変調器内の各光導波路の導波路長を同一にできる光変調器が求められている。
【0024】
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、光変調器の小型化を図りながら、光変調器内の各光導波路の導波路長を同一にできる光変調器等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本願が開示する光変調器は、1つの態様において、信号光が通過する光導波路と、光導波路を通過する信号光を分岐する分岐部と、分岐部にて分岐された各信号光の位相をシフトする一対の位相シフタと、を有する。位相シフタは、信号光が通過するシフタ内導波路と、駆動電圧に応じてシフタ内導波路を加熱するヒータ電極と、を有する。シフタ内導波路は、分岐部からの信号光を入力する往路導波路と、信号光を出力する復路導波路と、往路導波路と復路導波路との間を接続する折り返し導波路と、を有する。往路導波路及び復路導波路の近傍にヒータ電極が配置される。
【発明の効果】
【0026】
本願が開示する光変調器等の1つの態様によれば、光変調器の小型化を図りながら、光変調器内の各光導波路の導波路長を同一にできる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、実施例1の光通信装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、光変調器の構成の一例を示す平面模式図である。
図3図3は、子DCPSの構成の一例を示す平面模式図である。
図4図4は、図3に示すA-A線断面の一例を示す略断面図である。
図5図5は、図3に示すB-B線断面の一例を示す略断面図である。
図6図6は、実施例2の光変調器の構成の一例を示す平面模式図である。
図7図7は、子DCPSの構成の一例を示す平面模式図である。
図8図8は、図7に示すC-C線断面の一例を示す略断面図である。
図9図9は、実施例3の光変調器の構成の一例を示す平面模式図である。
図10図10は、子DCPSの構成の一例を示す平面模式図である。
図11図11は、図10に示すD-D線断面の一例を示す略断面図である。
図12図12は、実施例4の光変調器の構成の一例を示す平面模式図である。
図13図13は、実施例5の光変調器の構成の一例を示す平面模式図である。
図14図14は、実施例6の光変調器の構成の一例を示す平面模式図である。
図15図15は、従来の光変調器の構成の一例を示す平面模式図である。
図16図16は、従来の光変調器の構成の一例を示す平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本願が開示する光通信装置等の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【実施例0029】
図1は、本実施例の光通信装置の構成の一例を示すブロック図である。図1に示す光通信装置1は、出力側の光ファイバ2A(2)及び入力側の光ファイバ2B(2)と接続する、例えば、光コヒーレント送受信機である。光通信装置1は、DSP(Digital Signal Processor)3と、光源4と、光変調器5と、光受信器6とを有する。DSP3は、デジタル信号処理を実行する電気部品である。DSP3は、例えば、送信データの符号化等の処理を実行し、実行後の送信データに相当するデータ信号を光変調器5に出力する。また、DSP3は、光受信器6から得たデータ信号に相当する受信データに対して復号化等の処理を実行する。
【0030】
光源4は、例えば、波長可変のレーザダイオード等を備え、所定の波長の光を発生させて光変調器5及び光受信器6へ供給する、例えば、ITLA(Integrated Tunable Laser Assembly)である。
【0031】
図2は、光変調器5の一例を示すブロック図である。図14に示す光変調器5は、光導波路11と、光入力部12と、第1の分岐部13と、X偏波MZM14A(14)と、Y偏波MZM14B(14)とを有する。光変調器5は、偏波回転部(PR:Polarization Rotator)15と、偏波ビームコンバイナ(PBC:Polarization Beam Combiner)16と、光出力部17とを有する。
【0032】
光導波路11は、光導波路11Aと、光導波路11Bと、光導波路11Cとを有する。光導波路11Aは、光入力部12と第1の分岐部13との間を接続する光導波路である。光導波路11Bは、X偏波MZM14A内の第2の合波部27A(27)と光出力部17との間、Y偏波MZM14B内の第2の合波部27B(27)と光出力部17との間を接続する光導波路である。光導波路11Cは、第1の分岐部13と第2の合波部27との間を接続する光導波路である。
【0033】
光入力部12は、光源4からのレーザ光を入力する。第1の分岐部13は、光入力部12からのレーザ光を光分岐し、光分岐後のレーザ光をX偏波MZM14A及びY偏波MZM14Bに出力する。
【0034】
X偏波MZM14Aは、第1の分岐部13で分岐後のレーザ光をX偏波のデータ信号で直交位相変調し、X偏波のIQ成分の信号光をPBC16に出力する。Y偏波MZM14Bは、第1の分岐部13で分岐後のレーザ光をY偏波のデータ信号で直交位相変調し、Y偏波のIQ成分の信号光をPR15に出力する。PR15は、Y偏波MZM14BからのY偏波のIQ成分の信号光を偏波回転してX偏波のIQ成分の信号光に変換し、変換後のX偏波のIQ成分の信号光をPBC16に出力する。更に、PBC16は、X偏波MZM14AからのX偏波のIQ成分の信号光と、PR15からの変換後のX偏波のIQ成分の信号光とを合波して偏波多重信号光を光出力部17に出力する。
【0035】
X偏波MZM14Aは、第2の分岐部21A(21)と、2個の第3の分岐部22(22A)と、2個のRF側MZM23(23A,23B)と、2個のDC側子MZM24(24A,24B)と、2個の第1の合波部26(26A,26B)とを有する。更に、X偏波MZM14Aは、DC側親MZM25(25A)と、第2の合波部27(27A)と、調整部32とを有する。
【0036】
調整部32は、X偏波MZM14A内の第2の分岐部21Aから第2の合波部27Aまでの各光導波路の導波路長を同一にする光導波路である。また、X偏波MZM14A内の調整部32は、Y偏波MZM14B内の第2の分岐部21Bから第2の合波部27Bまでの各光導波路の導波路長と、第2の分岐部21Aから第2の合波部27Aまでの各光導波路の導波路長とを同一にする光導波路である。
【0037】
第3の分岐部22Aは、第2の分岐部21Aからのレーザ光をRF側MZM23A内の各RFPS41に分岐出力する。RF側MZM23Aは、2個のRF電極28と、2個のRFPS41とを有する。RF側MZM23A内の各RFPS41は、RF電極28からの高速信号に応じてレーザ光を高速変調し、高速変調後のレーザ光をDC側子MZM24A内の各子DCPS42に出力する。
【0038】
DC側子MZM24Aは、2個のDC電極30A(30)と、2個の子DCPS42とを有する。DC側子MZM24Aは、調整部32上に配置されている。DC側子MZM24A内の各子DCPS42は、高速変調後のレーザ光をDC電極30Aからのデータ信号に応じて位相変調し、位相変調後のI成分の信号光を第1の合波部26Aに出力する。第1の合波部26Aは、各子DCPS42からのI成分の信号光を合波し、合波後のI成分の信号光をDC側親MZM25A内の一方の親DCPS43に出力する。
【0039】
DC側子MZM24Bは、2個のDC電極30Aと、2個の子DCPS42とを有する。DC側子MZM24Bは、調整部32上に配置されている。DC側子MZM24B内の各子DCPS42は、高速変調後のレーザ光をDC電極30Aからのデータ信号に応じて位相変調し、位相変調後のQ成分の信号光を第1の合波部26Bに出力する。第1の合波部26Bは、各子DCPS42からのQ成分の信号光を合波し、合波後のQ成分の信号光をDC側親MZM25A内の他方の親DCPS43に出力する。
【0040】
DC側親MZM25Aは、2個のDC電極30B(30)と、2個の親DCPS43とを有する。DC側親MZM25A内の一方の親DCPS43は、DC電極30Bからの駆動電圧信号に応じて位相変調後のI成分の信号光を直交変調し、直交変調後のX偏波のI成分の信号光を第2の合波部27Aに出力する。DC側親MZM25A内の他方の親DCPS43は、DC電極30Bからの駆動電圧信号に応じて位相変調後のQ成分の信号光を直交変調し、直交変調後のX偏波のQ成分の信号光を第2の合波部27Aに出力する。
【0041】
第2の合波部27Aは、DC側親MZM25A内の一方の親DCPS43からのX偏波のI成分の信号光と、一方のDC側親MZM25A内の他方の親DCPS43からのX偏波のQ成分の信号光とを合波する。そして、第2の合波部27Aは、合波後のX偏波のIQ成分の信号光をPBC16に出力する。
【0042】
Y偏波MZM14Bは、第2の分岐部21B(21)と、2個の第3の分岐部22B(22)と、2個のRF側MZM23(23C,23D)と、2個のDC側子MZM24(24C,24D)とを有する。更に、Y偏波MZM14Bは、2個の第1の合波部26(26C,26D)と、DC側親MZM25(25B)と、第2の合波部27(27B)と、調整部32とを有する。
【0043】
調整部32は、Y偏波MZM14B内の第2の分岐部21Bから第2の合波部27Bまでの各光導波路の導波路長を同一にする光導波路である。また、Y偏波MZM14B内の調整部32は、X偏波MZM14A内の第2の分岐部21Aから第2の合波部27Aまでの各光導波路の導波路長と、第2の分岐部21Bから第2の合波部27Bまでの各光導波路の導波路長とを同一にする光導波路である。
【0044】
第3の分岐部22Bは、第2の分岐部21Bからのレーザ光をRF側MZM23C内の各RFPS41に分岐出力する。RF側MZM23Cは、2個のRF電極28と、2個のRFPS41とを有する。RF側MZM23C内の各RFPS41は、RF電極28からの高速信号に応じてレーザ光を高速変調し、高速変調後のレーザ光をDC側子MZM24C内の各子DCPS42に出力する。
【0045】
DC側子MZM24Cは、2個のDC電極30A(30)と、2個の子DCPS42とを有する。DC側子MZM24Cは、調整部32上に配置されている。DC側子MZM24C内の各子DCPS42は、高速変調後のレーザ光をDC電極30Aからのデータ信号に応じて位相変調し、位相変調後のI成分の信号光を第1の合波部26Cに出力する。第1の合波部26Cは、各子DCPS42からのI成分の信号光を合波し、合波後のI成分の信号光をDC側親MZM25B内の一方の親DCPS43に出力する。
【0046】
DC側子MZM24Dは、2個のDC電極30Aと、2個の子DCPS42とを有する。DC側子MZM24Dは、調整部32上に配置されている。DC側子MZM24D内の各子DCPS42は、高速変調後のレーザ光をDC電極30Aからのデータ信号に応じて位相変調し、位相変調後のQ成分の信号光を第1の合波部26Dに出力する。第1の合波部26Dは、各子DCPS42からのQ成分の信号光を合波し、合波後のQ成分の信号光をDC側親MZM25B内の他方の親DCPS43に出力する。
【0047】
DC側親MZM25Bは、2個のDC電極30B(30)と、2個の親DCPS43とを有する。DC側親MZM25B内の一方の親DCPS43は、DC電極30Bからの駆動電圧信号に応じて位相変調後のI成分の信号光を直交変調し、直交変調後のY偏波のI成分の信号光を第2の合波部27Bに出力する。DC側親MZM25B内の他方の親DCPS43は、DC電極30Bからの駆動電圧信号に応じて位相変調後のQ成分の信号光を直交変調し、直交変調後のY偏波のQ成分の信号光を第2の合波部27Bに出力する。
【0048】
第2の合波部27Bは、DC側親MZM25B内の一方の親DCPS43からのY偏波のI成分の信号光と、一方のDC側親MZM25B内の他方の親DCPS43からのY偏波のQ成分の信号光とを合波する。そして、第2の合波部27Bは、合波後のY偏波のIQ成分の信号光をPR15に出力する。PR15は、第2の合波部27BからのY偏波のIQ成分の信号光を偏波回転し、偏波回転後のX偏波のIQ成分の信号光をPBC16に出力する。PBC16は、第2の合波部27AからのX偏波のIQ成分の信号光と、PR15からのX偏波のIQ成分の信号光とを偏波多重し、偏波多重信号を光出力部17から出力する。
【0049】
図3は、子DCPS42の構成の一例を示す平面模式図、図4は、図3に示すA-A線断面の一例を示す略断面図、図5は、図3に示すB-B線断面の一例を示す略断面図である。図3に示す子DCPS42は、信号光が通過するシフタ内導波路51と、駆動電圧に応じてシフタ内導波路51を加熱するヒータ電極52とを有する。DC電極30Aは、ビア53を通じてヒータ電極52と電気的に接続する。シフタ内導波路51は、信号光を入力する往路導波路51Aと、信号光を出力する復路導波路51Bと、往路導波路51Aと復路導波路51Bとの間を接続する折り返し導波路51Cとを有する。尚、折り返し導波路51Cは、調整部32と同じく、光変調器5内の各MZMの光導波路の導波路長が同一になるように調整する導波路である。つまり、各子DCPS42内の折り返し導波路51Cの導波路長を調整することで、例えば、第1の分岐部13→第2の分岐部21A→第3の分岐部22A→RFPS41→子DCPS42→第1の合波部26Aの導波路長と、第1の分岐部13→第2の分岐部21A→第3の分岐部22A→RFPS41→子DCPS42→第1の合波部26Bの導波路長と、第1の分岐部13→第2の分岐部21B→第3の分岐部22B→RFPS41→子DCPS42→第1の合波部26Cの導波路長と、第1の分岐部13→第2の分岐部21B→第3の分岐部22B→RFPS41→子DCPS42→第1の合波部26Dの導波路長とを同一にできる。尚、光変調器5の各MZMとは、例えば、RF側MZM23、DC側子MZM24及びDC側親MZM25である。
【0050】
各子DCPS42は、往路導波路51A及び復路導波路51Bの近傍である下部にヒータ電極52が配置される。つまり、1本のヒータ電極52で子DCPS42内の往路導波路51A及び復路導波路51Bを加熱する。
【0051】
図4及び図5に示す子DCPS42は、Si基板61と、Si基板61上に積層されたクラッド層62と、クラッド層62内のシフタ内導波路51の往路導波路51A及び復路導波路51Bとを有する。更に、子DCPS42は、クラッド層62内の往路導波路51A及び復路導波路51B上に配置されたヒータ電極52とを有する。ビア53は、ヒータ電極52とDC電極30Aとの間を電気的に接続する。
【0052】
実施例1の光変調器5内の子DCPS42は、並行に配列された往路導波路51A及び復路導波路51Bの近傍である上部にヒータ電極52が配置される。その結果、子DCPS42内の折り返し導波路51Cを導波路調整用に使用することで、光変調器5の小型化を図りながら、光変調器5内の各MZM内の導波路長を同一に調整できる。しかも、折り返し導波路51C前後の往路導波路51A及び復路導波路51Bを1本のヒータ電極52で加熱するため、小さい電流でレーザ光の位相を調整することで、ヒータ電極52の消費電力を大幅に低減できる。
【0053】
尚、実施例1の光変調器5では、RF側MZM23とDC側親MZM25との間の調整部32上にDC側子MZM24を配置する場合を例示した。しかしながら、調整部32を備えることなく、RF側MZM23とDC側親MZM25との間にDC側子MZM24を配置しても良い。この場合、DC側子MZM24内の各子DCPS42内の折り返し導波路51Cを調整することで、光変調器5内の各MZM内の導波路長を同一に調整できる。
【0054】
また、実施例1の光変調器5では、RFPS41と第1の合波部26との間の調整部32に子DCPS42を配置する場合を例示したが、これに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【実施例0055】
図6は、実施例2の光変調器5Aの構成の一例を示す平面模式図、図7は、子DCPS42の構成の一例を示す平面模式図、図8は、図7に示すC-C線断面の一例を示す略断面図である。尚、実施例1の光変調器5と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。図6に示す光変調器5Aと図2に示す光変調器5とが異なるところは、調整部32をなくし、DC側子MZM24内の一対の子DCPS42をDC側子MZM24と直列に接続するRF側MZM23内の一対のRFPS41間に並列に配置した点にある。
【0056】
更に、第3の分岐部22と第1の合波部26との間でDC側子MZM24及びRF側MZM23の順に配置した。第3の分岐部22は、DC側子MZM24内の各子DCPS42にレーザ光を分岐出力する。子DCPS42は、第3の分岐部22と往路導波路51Aとの間を光接続すると共に、復路導波路51BとRFPS41との間を光接続する。
【0057】
DC側子MZM24は、一対の子DCPS42の内、一方の子DCPS42と直列に接続する一方のRFPS41と、他方の子DCPS42と直列に接続する他方のRFPS41とを並列に配置する。一方の子DCPS42は、一方のRFPS41の両側面の内、一方の側面側、例えば、図中の左側に並列に配置される。他方の子DCPS42は、他方のRFPS41の両側面の内、一方の側面と異なる他方の側面側、例えば、図中の右側に並列に配置される。その結果、DC側子MZM24内の一対の子DCPS42をDC側子MZM24と直列に接続するRF側MZM23内の一対のRFPS41間に並列に配置できる。
【0058】
図6に示すX偏波MZM14A内のDC側子MZM24は、DC側子MZM24A1と、DC側子MZM24B1とを有する。更に、Y偏波MZM14B内のDC側子MZM24は、DC側子MZM24C1と、DC側子MZM24D1とを有する。
【0059】
図7及び図8に示すDC側子MZM24(24A1、24B1、24C1、24D1)は、一対の子DCPS42を有する。子DCPS42は、信号光が通過するシフタ内導波路51と、駆動電圧に応じてシフタ内導波路51を加熱するヒータ電極52とを有する。DC電極30Aは、ビア53を通じてヒータ電極52と電気的に接続する。シフタ内導波路51は、信号光を入力する往路導波路51Aと、信号光を出力する復路導波路51Bと、往路導波路51Aと復路導波路51Bとの間を接続する折り返し導波路51Cとを有する。
【0060】
第3の分岐部22と子DCPS42内の往路導波路51Aとの間の光導波路の導波路長と、RFPS41と子DCPS42内の復路導波路51Bとの間の光導波路の導波路長とを調整することで、光変調器5A内の各MZMの光導波路の導波路長が同一になる。つまり、子DCPS42内の往路導波路51A及び復路導波路51Bと光接続する光導波路の導波路長を調整することで、例えば、第1の分岐部13→第2の分岐部21A→第3の分岐部22A→子DCPS42→RFPS41→第1の合波部26Aの導波路長と、第1の分岐部13→第2の分岐部21A→第3の分岐部22A→子DCPS42→RFPS41→第1の合波部26Bの導波路長と、第1の分岐部13→第2の分岐部21B→第3の分岐部22B→子DCPS42→RFPS41→第1の合波部26Cの導波路長と、第1の分岐部13→第2の分岐部21B→第3の分岐部22B→子DCPS42→RFPS41→第1の合波部26Dの導波路長とを同一にする。
【0061】
子DCPS42は、往路導波路51A及び復路導波路51Bの近傍である下部にヒータ電極52が配置される。つまり、1本のヒータ電極52で子DCPS42内の往路導波路51A及び復路導波路51Bを加熱する。
【0062】
RF側MZM23は、一対のRFPS41を有する。RFPS41は、光導波路11Cと、2本のRF電極28と、ビア53と、Pドープ層54Aと、Nドープ層54Bとを有する。一方のビア53は、一方のRF電極28とNドープ層54Bとの間を電気的に接続する。他方のビア53は、他方のRF電極28とPドープ層54Aとの間を電気的に接続する。
【0063】
子DCPS42は、第3の分岐部22からのレーザ光を往路導波路51Aに入力し、往路導波路51A、折り返し導波路51C及び復路導波路51Bを経由して復路導波路51Bからレーザ光を出力する。子DCPS42は、ヒータ電極52への駆動電圧信号に応じて往路導波路51A及び復路導波路51Bを加熱してシフタ内導波路51を通過するレーザ光を位相変調し、位相変調後のレーザ光を後段のRFPS41に出力する。
【0064】
RFPS41も、RF電極28への高周波信号に応じて、子DCPS42からの位相変調後のレーザ光が通過する光導波路11Cを加熱して光導波路11Cを通過するレーザ光を高周波変調し、高周波変調後のレーザ光を第1の合波部26に出力する。
【0065】
RF側MZM23内の一対のRFPS41間にDC側子MZM24内の一対の子DCPS42を配置するので、実施例1に比較して配置スペースを削減することで光変調器5Aの小型化を図ることができる。しかも、折り返し導波路51C前後の往路導波路51A及び復路導波路51Bを1本のヒータ電極52で加熱するため、小さい電流でレーザ光の位相を調整することで、ヒータ電極52の消費電力を大幅に低減できる。
【0066】
尚、RF側MZM23内の一対のRFPS41間にDC側子MZM24内の一対の子DCPS42を配置した場合、子DCPS42同士が隣接するため、両者で発生する熱が互いに干渉し、動作が不安定になる場合も考えられる。そこで、このような事態に対処する実施の形態につき、実施例3として以下に説明する。
【実施例0067】
図9は、実施例3の光変調器5Bの構成の一例を示す平面模式図、図10は、子DCPS42の構成の一例を示す平面模式図、図11は、図10に示すD-D線断面の一例を示す略断面図である。尚、実施例1の光変調器5と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
【0068】
図9に示す光変調器5Bと図2に示す光変調器5とが異なるところは、調整部32をなくし、DC側子MZM24内の一対の子DCPS42の内、一方の子DCPS42をRF側MZM23内の一対のRFPS41の内、一方のRFPS41の右側面に並列に配置し、他方の子DCPS42を他方のRFPS41の右側面に並列に配置した点にある。
【0069】
DC側子MZM24内の一方の子DCPS42は、一方の子DCPS42に直列に接続するRFPS41の右側面に並列に配置する。更に、DC側子MZM24内の他方の子DCPS42は、他方の子DCPS42に直列に接続するRFPS41の右側面に並列に配置する。つまり、同一DC側子MZM24内の一対の子DCPS42がRFPS41を介して離間するため、同一DC側子MZM24内の子DCPS42同士の熱干渉を抑制できる。
【0070】
更に、第3の分岐部22と第1の合波部26との間でDC側子MZM24及びRF側MZM23の順に配置した。第3の分岐部22は、DC側子MZM24内の各子DCPS42にレーザ光を分岐出力する。子DCPS42は、第3の分岐部22と往路導波路51Aとの間を光接続し、復路導波路51BとRFPS41との間を光接続する。
【0071】
第1の合波部13Aは、図2に比較して、光入力部12からの光導波路11Aの導波路長を短くする位置に配置した。その結果、光導波路11Aでの光の伝搬損失を低減できる。
【0072】
DC側子MZM24は、一対の子DCPS42の内、一方の子DCPS42と直列に接続する一方のRFPS41と、他方の子DCPS42と直列に接続する他方のRFPS41とを並列に配置する。一方の子DCPS42は、一方のRFPS41の両側面の内、一方の側面側、例えば、図中の右側に並列に配置される。他方の子DCPS42は、他方のRFPS41の両側面の内、一方の側面側、例えば、図中の右側に並列に配置される。
【0073】
図9に示すX偏波MZM14A内のDC側子MZM24は、DC側子MZM24A2と、DC側子MZM24B2とを有する。更に、Y偏波MZM14B内のDC側子MZM24は、DC側子MZM24C2と、DC側子MZM24D2とを有する。
【0074】
図10及び図11に示すDC側子MZM24(24A2、24B2、24C2、24D2)は、一対の子DCPS42を有する。子DCPS42は、信号光が通過するシフタ内導波路51と、駆動電圧に応じてシフタ内導波路51を加熱するヒータ電極52とを有する。DC電極30Aは、ビア53を通じてヒータ電極52と電気的に接続する。シフタ内導波路51は、信号光を入力する往路導波路51Aと、信号光を出力する復路導波路51Bと、往路導波路51Aと復路導波路51Bとの間を接続する折り返し導波路51Cとを有する。
【0075】
第3の分岐部22と子DCPS42内の往路導波路51Aとの間の光導波路の導波路長と、RFPS41と子DCPS42内の復路導波路51Bとの間の光導波路の導波路長とを調整することで、光変調器5A内の各MZMの光導波路の導波路長が同一になる。つまり、子DCPS42内の往路導波路51A及び復路導波路51Bと光接続する光導波路の導波路長を調整することで、例えば、第1の分岐部13→第2の分岐部21A→第3の分岐部22A→子DCPS42→RFPS41→第1の合波部26Aの導波路長と、第1の分岐部13→第2の分岐部21A→第3の分岐部22A→子DCPS42→RFPS41→第1の合波部26Bの導波路長と、第1の分岐部13→第2の分岐部21B→第3の分岐部22B→子DCPS42→RFPS41→第1の合波部26Cの導波路長と、第1の分岐部13→第2の分岐部21B→第3の分岐部22B→子DCPS42→RFPS41→第1の合波部26Dの導波路長とを同一にする。
【0076】
各子DCPS42は、往路導波路51A及び復路導波路51Bの近傍である下部にヒータ電極52が配置される。つまり、1本のヒータ電極52で子DCPS42内の往路導波路51A及び復路導波路51Bを加熱する。
【0077】
RF側MZM23は、一対のRFPS41を有する。RFPS41は、光導波路11Cと、2本のRF電極28と、ビア53と、Pドープ層54Aと、Nドープ層54Bとを有する。一方のビア53は、一方のRF電極28とNドープ層54Bとの間を電気的に接続する。他方のビア53は、他方のRF電極28とPドープ層54Aとの間を電気的に接続する。
【0078】
子DCPS42は、第3の分岐部22からのレーザ光を往路導波路51Aに入力し、往路導波路51A、折り返し導波路51C及び復路導波路51Bを経由して復路導波路51Bからレーザ光を出力する。子DCPS42は、ヒータ電極52への駆動電圧信号に応じて往路導波路51A及び復路導波路51Bを加熱してシフタ内導波路51を通過するレーザ光を位相変調し、位相変調後のレーザ光を後段のRFPS41に出力する。
【0079】
RFPS41も、RF電極28への高周波信号に応じて、子DCPS42からの位相変調後のレーザ光が通過する光導波路11Cを加熱して光導波路11Cを通過するレーザ光を高周波変調し、高周波変調後のレーザ光を第1の合波部26に出力する。
【0080】
実施例3のDC側子MZM24内の一方の子DCPS42は、一方の子DCPS42に直列に接続するRFPS41の右側面に並列に配置する。更に、DC側子MZM24内の他方の子DCPS42は、他方の子DCPS42に直列に接続するRFPS41の右側面に並列に配置する。その結果、実施例1に比較して配置スペースを削減することで光変調器5Bの小型化を図ることができる。しかも、DC側子MZM24内の各子DCPS42がRFPS41を介して離間するため、同一DC側子MZM24内の子DCPS42同士の熱干渉を抑制できるため、動作の安定化を図ることができる。
【0081】
尚、実施例3の光変調器5Bでは、DC側子MZM24内の各子DCPS42がRFPS41を介して離間する場合を例示した。この際、DC側子MZM24内の一対の子DCPS42の内、一方の子DCPS42と直列に接続するRFPS41に当該一方の子DCPS42の熱が伝達するのは良い。しかしながら、一対の子DCPS42の内、他方の子DCPS42の熱が、一方の子DCPS42と直列に接続するRFPS41に伝達した場合にはノイズとなる。そこで、このような事態に対処する実施の形態につき、実施例4として以下に説明する。
【実施例0082】
図12は、実施例4の光変調器5Eの構成の一例を示す平面模式図である。尚、実施例3の光変調器5Bと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。図12に示す光変調器5Eと図9に示す光変調器5Bとが異なるところは、DC側子MZM24内の一対の子DCPS42の内、一方の子DCPS42をRF側MZM23内の一対のRFPS41の内、一方の子DCPS42と直列に接続する一方のRFPS41の右側面に隣接するように並列に配置し、他方の子DCPS42を、他方の子DCPS42と直列に接続する他方のRFPS41の右側面に隣接するように並列に配置した点にある。
【0083】
DC側子MZM24内の一方の子DCPS42は、一方の子DCPS42に直列に接続するRFPS41の右側面に隣接するように並列に配置する。更に、DC側子MZM24内の他方の子DCPS42は、他方の子DCPS42に直列に接続するRFPS41の右側面に隣接するように並列に配置する。
【0084】
つまり、実施例3の光変調器5Bでは、RFPS41間の中間部位に子DCPS42を配置するのに対し、実施例4の光変調器5Eでは、RFPS41間の一方のRFPS41の右側面に隣接する部位に子DCPS42を配置する。
【0085】
図12に示すX偏波MZM14A内のDC側子MZM24は、DC側子MZM24A3と、DC側子MZM24B3とを有する。更に、Y偏波MZM14B内のDC側子MZM24は、DC側子MZM24C3と、DC側子MZM24D3とを有する。
【0086】
実施例4のDC側子MZM24(24A3、24B3、24C3、24D3)内の一方の子DCPS42は、一方の子DCPS42に直列に接続するRFPS41の右側面に隣接するように並列に配置する。更に、DC側子MZM24(24A3、24B3、24C3、24D3)内の他方の子DCPS42は、他方の子DCPS42に直列に接続するRFPS41の右側面に隣接するように並列に配置する。その結果、RFPS41が一対の子DCPS42に等間隔で挟まれることはないため、一対の子DCPS42の熱が両側からRFPS41に干渉されるような事態を回避できる。一対の子DCPS42の内、他方の子DCPS42の熱が一方の子DCPS42と直列に接続するRFPS41に対してはノイズとなるような事態を回避できる。
【実施例0087】
図13は、実施例5の光変調器5Cの構成の一例を示す平面模式図である。尚、実施例1の光変調器5と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。図13に示す光変調器5Cと図2に示す光変調器5とが異なるところは、RF側MZM23内の一対のRFPS41の内、一方のRFPS41の一方の側面、例えば、右側面に、RF側MZM23と直列に接続するDC側子MZM24内の一対の子DCPS42を直列に配置した点にある。
【0088】
DC側子MZM24は、一対の子DCPS42の内、一方の子DCPS42と直列に接続する一方のRFPS41と、他方の子DCPS42と直列に接続する他方のRFPS41とを並列に配置した。DC側子MZM24内の一方の子DCPS42は、一方の子DCPS42に直列に接続する一方のRFPS41の右側面に並列に配置する。更に、DC側子MZM24内の他方の子DCPS42は、一方の子DCPS42の下側、かつ、一方のRFPS41の右側面に並列に配置する。
【0089】
更に、第3の分岐部22と第1の合波部26との間でDC側子MZM24及びRF側MZM23の順に配置した。第3の分岐部22は、DC側子MZM24内の各子DCPS42にレーザ光を分岐出力する。子DCPS42は、第3の分岐部22と往路導波路51Aとの間を光接続し、復路導波路51BとRFPS41との間を光接続する。
【0090】
図13に示すX偏波MZM14A内のDC側子MZM24は、DC側子MZM24A4と、DC側子MZM24B4とを有する。更に、Y偏波MZM14B内のDC側子MZM24は、DC側子MZM24C4と、DC側子MZM24D4とを有する。
【0091】
図13に示すDC側子MZM24(24A4,24B4,24C4、24D4)は、一対の子DCPS42を有する。子DCPS42は、信号光が通過するシフタ内導波路51と、駆動電圧に応じてシフタ内導波路51を加熱するヒータ電極52とを有する。DC電極30Aは、ビア53を通じてヒータ電極52と電気的に接続する。シフタ内導波路51は、信号光を入力する往路導波路51Aと、信号光を出力する復路導波路51Bと、往路導波路51Aと復路導波路51Bとの間を接続する折り返し導波路51Cとを有する。
【0092】
第3の分岐部22と子DCPS42内の往路導波路51Aとの間の光導波路の導波路長と、RFPS41と子DCPS42内の復路導波路51Bとの間の光導波路の導波路長とを調整することで、光変調器5A内の各MZMの光導波路の導波路長が同一になる。つまり、子DCPS42内の往路導波路51A及び復路導波路51Bと光接続する光導波路の導波路長を調整することで、例えば、第1の分岐部13→第2の分岐部21A→第3の分岐部22A→子DCPS42→RFPS41→第1の合波部26Aの導波路長と、第1の分岐部13→第2の分岐部21A→第3の分岐部22A→子DCPS42→RFPS41→第1の合波部26Bの導波路長と、第1の分岐部13→第2の分岐部21B→第3の分岐部22B→子DCPS42→RFPS41→第1の合波部26Cの導波路長と、第1の分岐部13→第2の分岐部21B→第3の分岐部22B→子DCPS42→RFPS41→第1の合波部26Dの導波路長とを同一にする。
【0093】
子DCPS42は、往路導波路51A及び復路導波路51Bの近傍である下部にヒータ電極52が配置される。つまり、1本のヒータ電極52で子DCPS42内の往路導波路51A及び復路導波路51Bを加熱する。
【0094】
RF側MZM23は、一対のRFPS41を有する。RFPS41は、光導波路11Cと、2本のRF電極28と、ビア53と、Pドープ層54Aと、Nドープ層54Bとを有する。一方のビア53は、一方のRF電極28とNドープ層54Bとの間を電気的に接続する。他方のビア53は、他方のRF電極28とPドープ層54Aとの間を電気的に接続する。
【0095】
子DCPS42は、第3の分岐部22からのレーザ光を往路導波路51Aに入力し、往路導波路51A、折り返し導波路51C及び復路導波路51Bを経由して復路導波路51Bからレーザ光を出力する。子DCPS42は、ヒータ電極52への駆動電圧信号に応じて往路導波路51A及び復路導波路51Bを加熱してシフタ内導波路51を通過するレーザ光を位相変調し、位相変調後のレーザ光を後段のRFPS41に出力する。
【0096】
RFPS41も、RF電極28への高周波信号に応じて、子DCPS42からの位相変調後のレーザ光が通過する光導波路11Cを加熱して光導波路11Cを通過するレーザ光を高周波変調し、高周波変調後のレーザ光を第1の合波部26に出力する。
【0097】
実施例5の光変調器5Cでは、RF側MZM23内の一対のRFPS41の右側面にRF側MZM23と直列に接続するDC側子MZM24内の一対の子DCPS42を直列に配置した。その結果、実施例1に比較して配置スペースを削減することで光変調器5Cの小型化を図ることができる。しかも、折り返し導波路51C前後の往路導波路51A及び復路導波路51Bを1本のヒータ電極52で加熱するため、小さい電流でレーザ光の位相を調整することで、ヒータ電極52の消費電力を大幅に低減できる。
【実施例0098】
図14は、実施例6の光変調器5Dの構成の一例を示す平面模式図である。尚、実施例1の光変調器5と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。図14に示す光変調器5Dと図2に示す光変調器5とが異なるところは、DC側子MZM24内の一対の子DCPS42の内、一方の子DCPS42を、DC側子MZM24と直列に接続するRF側MZM23内の一対のRFPS41の内、一方のRFPS41の右側面に並列に配置し、他方の子DCPS42を他方のRFPS41の右側面に並列に配置した点にある。更に、光入力部12と第2の分岐部21Aとの間の光導波路11Aの導波路長L1、光入力部12と第2の分岐部21Aとの間の光導波路11Aの導波路長L2とする。更に、光入力部12と第2の分岐部21Bとの間の光導波路11Aの導波路長L3、光入力部12と第2の分岐部21Bとの間の光導波路11Aの導波路長L4とする。そして、各導波路長は、L4<L3<L2<L1とする。つまり、RF側MZM23毎の光入力部12までの光導波路11の導波路長が異なる。図14に示す光変調器5Dでは、図2に示す光変調器5に比較して、光入力部12と第2の分岐部21との間の光導波路11Aの導波路長を短くできる。
【0099】
更に、第3の分岐部22と第1の合波部26との間でDC側子MZM24及びRF側MZM23の順に配置した。第3の分岐部22は、DC側子MZM24内の各子DCPS42にレーザ光を分岐出力する。子DCPS42は、第3の分岐部22と往路導波路51Aとの間を光接続し、復路導波路51BとRFPS41との間を光接続する。
【0100】
図14に示すX偏波MZM14A内のDC側子MZM24は、DC側子MZM24A2と、DC側子MZM24B2とを有する。更に、Y偏波MZM14B内のDC側子MZM24は、DC側子MZM24C2と、DC側子MZM24D2とを有する。
【0101】
図10及び図11に示すDC側子MZM24(24A2,24B2,24C2、24D2)は、一対の子DCPS42を有する。子DCPS42は、信号光が通過するシフタ内導波路51と、駆動電圧に応じてシフタ内導波路51を加熱するヒータ電極52とを有する。DC電極30Aは、ビア53を通じてヒータ電極52と電気的に接続する。シフタ内導波路51は、信号光を入力する往路導波路51Aと、信号光を出力する復路導波路51Bと、往路導波路51Aと復路導波路51Bとの間を接続する折り返し導波路51Cとを有する。
【0102】
第3の分岐部22と子DCPS42内の往路導波路51Aとの間の光導波路の導波路長と、RFPS41と子DCPS42内の復路導波路51Bとの間の光導波路の導波路長とを調整することで、光変調器5A内の各MZMの光導波路の導波路長が同一になる。つまり、子DCPS42内の往路導波路51A及び復路導波路51Bと光接続する光導波路の導波路長を調整することで、例えば、第1の分岐部13→第2の分岐部21A→第3の分岐部22A→子DCPS42→RFPS41→第1の合波部26Aの導波路長と、第1の分岐部13→第2の分岐部21A→第3の分岐部22A→子DCPS42→RFPS41→第1の合波部26Bの導波路長と、第1の分岐部13→第2の分岐部21B→第3の分岐部22B→子DCPS42→RFPS41→第1の合波部26Cの導波路長と、第1の分岐部13→第2の分岐部21B→第3の分岐部22B→子DCPS42→RFPS41→第1の合波部26Dの導波路長とを同一にする。
【0103】
子DCPS42は、往路導波路51A及び復路導波路51Bの近傍である下部にヒータ電極52が配置される。つまり、1本のヒータ電極52で子DCPS42内の往路導波路51A及び復路導波路51Bを加熱する。
【0104】
RF側MZM23は、一対のRFPS41を有する。RFPS41は、光導波路11Cと、2本のRF電極28と、ビア53と、Pドープ層54Aと、Nドープ層54Bとを有する。一方のビア53は、一方のRF電極28とNドープ層54Bとの間を電気的に接続する。他方のビア53は、他方のRF電極28とPドープ層54Aとの間を電気的に接続する。
【0105】
子DCPS42は、第3の分岐部22からのレーザ光を往路導波路51Aに入力し、往路導波路51A、折り返し導波路51C及び復路導波路51Bを経由して復路導波路51Bからレーザ光を出力する。子DCPS42は、ヒータ電極52への駆動電圧信号に応じて往路導波路51A及び復路導波路51Bを加熱してシフタ内導波路51を通過するレーザ光を位相変調し、位相変調後のレーザ光を後段のRFPS41に出力する。
【0106】
RFPS41も、RF電極28への高周波信号に応じて、子DCPS42からの位相変調後のレーザ光が通過する光導波路11Cを加熱して光導波路11Cを通過するレーザ光を高周波変調し、高周波変調後のレーザ光を第1の合波部26に出力する。
【0107】
実施例6のDC側子MZM24内の一対の子DCPS42の内、一方の子DCPS42をRF側MZM23内の一対のRFPS41の内、一方のRFPS41の右側面に並列に配置し、他方の子DCPS42を他方のRFPS41の右側面に並列に配置した。その結果、実施例1に比較して配置スペースを削減することで光変調器5Dの小型化を図ることができる。
【0108】
更に、光変調器5Dでは、RF側MZM23毎に、光入力部12から第2の分岐部21までの光導波路11Aの導波路長が異なる。光変調器5Dでは、例えば、RF側MZM23Aの光導波路11Aの導波路長L1に比較して、RF側MZM23Dの光導波路11Aの導波路長L4を短くしたので、光の伝搬損失を低減できる。
【0109】
尚、説明の便宜上、本実施例の位相シフタとして光変調器5内の子DCPS42に適用する場合を例示したが、光通信装置1内の光受信器6内のマッハツェンダ干渉計として本実施例の位相シフタを適用しても良く、適宜変更可能である。
【0110】
本実施例では、X偏波MZM14AからのX偏波の信号光と、Y偏波MZM14BからのY偏波の信号光とを偏波多重する偏波多重方式を例示したが、例えば、偏波多重しない方式の光変調器にも適用可能である。
【符号の説明】
【0111】
1 光通信装置
3 DSP
4 光源
5 光変調器
11,11A,11C 光導波路
14A(14) X偏波MZM
14B(14) Y偏波MZM
21 第2の分岐部
23 RF側MZM
24 DC側子MZM
41 RFPS
42 子DCPS
51 シフタ内導波路
51A 往路導波路
51B 復路導波路
51C 折り返し導波路
52 ヒータ電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16