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特開2023-62375電力管理装置、プログラム、電力管理方法及び自己託送システム
<図1>
  • 特開-電力管理装置、プログラム、電力管理方法及び自己託送システム 図1
  • 特開-電力管理装置、プログラム、電力管理方法及び自己託送システム 図2
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  • 特開-電力管理装置、プログラム、電力管理方法及び自己託送システム 図10
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062375
(43)【公開日】2023-05-08
(54)【発明の名称】電力管理装置、プログラム、電力管理方法及び自己託送システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/00 20060101AFI20230426BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20230426BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20230426BHJP
   G06Q 50/06 20120101ALI20230426BHJP
【FI】
H02J3/00 170
H02J3/00 130
H02J3/38 130
H02J3/32
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021172309
(22)【出願日】2021-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】514105011
【氏名又は名称】株式会社東光高岳
(74)【代理人】
【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉
(72)【発明者】
【氏名】石渡 剛久
(72)【発明者】
【氏名】江口 智雄
(72)【発明者】
【氏名】モハマディラッド アミン
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 恵一
【テーマコード(参考)】
5G066
5L049
【Fターム(参考)】
5G066AA02
5G066AA03
5G066AE01
5G066AE09
5G066HA17
5G066HB06
5G066HB09
5G066JA12
5G066JB03
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】自己託送においては、二次電池を利用した発電量の調整と、電気エネルギーを熱エネルギーに変換可能な負荷設備とを併用して、なるべくインバランスが生じない技術を提供すること。
【解決手段】発電制御部は、一の単位時間において、発電設備による発電量の計画値と実績値とが一致するように、二次電池を制御可能であってよい。需要制御部は、一の単位時間において、負荷設備による需要量の計画値と実績値とが一致するように、特定負荷設備を制御可能であってよい。需要制御部は、一の単位時間において二次電池が制御されるときに、一の単位時間よりも後の複数の単位時間に渡って負荷設備による需要量を制御してよい。発電制御部は、複数の単位時間に渡って負荷設備による需要量が制御されるときに、複数の単位時間に渡って発電設備による発電量を制御してよい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力会社の電力系統を利用して、事業者の発電設備により発電した電気を別の場所にある前記事業者の負荷設備に送電する自己託送における電力を管理する電力管理装置であって、
二次電池を含む前記発電設備による発電量を制御する発電制御部と、
一の単位時間よりも長い時間をかけて所定量よりも大きい電気エネルギーを熱エネルギーに変換して引き出せる特定負荷設備を含む前記負荷設備による需要量を制御する需要制御部と、を備え、
前記発電制御部は、一の単位時間において、前記発電設備による発電量の計画値と実績値とが一致するように、前記二次電池を制御可能であり、
前記需要制御部は、
一の単位時間において、前記負荷設備による需要量の計画値と実績値とが一致するように、前記特定負荷設備を制御可能であり、
一の単位時間において前記二次電池が制御されるときに、該一の単位時間よりも後の複数の単位時間に渡って前記負荷設備による需要量を制御し、
前記発電制御部は、複数の単位時間に渡って前記負荷設備による需要量が制御されるときに、該複数の単位時間に渡って前記発電設備による発電量を制御する、電力管理装置。
【請求項2】
前記発電制御部は、一の単位時間において、前記二次電池と異なる他の発電設備による発電量の実績値が計画値よりも小さいときに、前記二次電池を放電させるべく制御し、
前記需要制御部は、一の単位時間において前記二次電池が放電されるときに、該一の単位時間よりも後の複数の単位時間に渡って前記特定負荷設備による需要量を減らすべく制御し、
前記発電制御部は、複数の単位時間に渡って前記特定負荷設備による需要量が減るときに、該複数の単位時間に渡って前記二次電池を充電させるべく制御する、請求項1に記載の電力管理装置。
【請求項3】
前記発電制御部は、一の単位時間において、前記二次電池と異なる他の発電設備による発電量の実績値が計画値よりも大きいときに、前記二次電池を充電させるべく制御し、
前記需要制御部は、一の単位時間において前記二次電池が充電されるときに、該一の単位時間よりも後の複数の単位時間に渡って前記特定負荷設備による需要量を増やすべく制御し、
前記発電制御部は、複数の単位時間に渡って前記特定負荷設備による需要量が増えるときに、該複数の単位時間に渡って前記二次電池を放電させるべく制御する、請求項1又は請求項2に記載の電力管理装置。
【請求項4】
一の単位時間における、前記発電設備による発電量の計画値を算出する発電計画部と、
一の単位時間における、前記負荷設備による需要量の計画値を算出する需要計画部と、を備え、
前記発電制御部は、一の単位時間において、前記発電計画部が算出した発電量の計画値と、発電量の実績値とが一致するように、前記二次電池を制御し、
前記需要制御部は、一の単位時間において、前記需要計画部が算出した需要量の計画値と、需要量の実績値とが一致するように、前記特定負荷設備を制御する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電力管理装置。
【請求項5】
前記需要計画部は、一の単位時間において前記二次電池が制御されるときに、該一の単位時間よりも後の複数の単位時間のそれぞれにおける需要量の計画値を算出し、
前記発電計画部は、複数の単位時間のそれぞれにおける需要量の計画値が算出されるときに、該複数の単位時間のそれぞれにおける発電量の計画値を算出する、請求項4に記載の電力管理装置。
【請求項6】
コンピュータを、電力会社の電力系統を利用して、事業者の発電設備により発電した電気を別の場所にある前記事業者の負荷設備に送電する自己託送における電力を管理する電力管理装置として機能させるプログラムであって、
二次電池を含む前記発電設備を制御する発電制御部、
一の単位時間よりも長い時間をかけて所定量よりも大きい電気エネルギーを熱エネルギーに変換して引き出せる特定負荷設備を含む前記負荷設備を制御する需要制御部、として前記コンピュータを機能させ、
前記発電制御部は、一の単位時間において、前記発電設備による発電量の計画値と実績値とが一致するように、前記二次電池を制御可能であり、
前記需要制御部は、
一の単位時間において、前記負荷設備による需要量の計画値と実績値とが一致するように、前記特定負荷設備を制御可能であり、
一の単位時間において前記二次電池が制御されるときに、該一の単位時間よりも後の複数の単位時間に渡って前記負荷設備による需要量を制御し、
前記発電制御部は、複数の単位時間に渡って前記負荷設備による需要量が制御されるときに、該複数の単位時間に渡って前記発電設備による発電量を制御する、プログラム。
【請求項7】
電力会社の電力系統を利用して、事業者の発電設備により発電した電気を別の場所にある前記事業者の負荷設備に送電する自己託送における電力を管理する電力管理方法であって、
二次電池を含む前記発電設備を制御することと、
一の単位時間よりも長い時間をかけて所定量よりも大きい電気エネルギーを熱エネルギーに変換して引き出せる特定負荷設備を含む前記負荷設備を制御することと、を含み、
一の単位時間において、前記発電設備による発電量の計画値と実績値とが一致するように、前記二次電池を制御可能であり、
一の単位時間において、前記負荷設備による需要量の計画値と実績値とが一致するように、前記特定負荷設備を制御可能であり、
一の単位時間において前記二次電池が制御されるときに、該一の単位時間よりも後の複数の単位時間に渡って前記負荷設備による需要量を制御し、
複数の単位時間に渡って前記負荷設備による需要量が制御されるときに、該複数の単位時間に渡って前記発電設備による発電量を制御する、電力管理方法。
【請求項8】
電力会社の電力系統を利用して、事業者の発電設備により発電した電気を別の場所にある前記事業者の負荷設備に送電する自己託送システムであって、
自己託送における電力を管理する電力管理装置を備え、
前記電力管理装置は、
二次電池を含む前記発電設備を制御する発電制御部と、
一の単位時間よりも長い時間をかけて所定量よりも大きい電気エネルギーを熱エネルギーに変換して引き出せる特定負荷設備を含む前記負荷設備を制御する需要制御部と、を備え、
前記発電制御部は、一の単位時間において、前記発電設備による発電量の計画値と実績値とが一致するように、前記二次電池を制御可能であり、
前記需要制御部は、
一の単位時間において、前記負荷設備による需要量の計画値と実績値とが一致するように、前記特定負荷設備を制御可能であり、
一の単位時間において前記二次電池が制御されるときに、該一の単位時間よりも後の複数の単位時間に渡って前記負荷設備による需要量を制御し、
前記発電制御部は、複数の単位時間に渡って前記負荷設備による需要量が制御されるときに、該複数の単位時間に渡って前記発電設備による発電量を制御する、自己託送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力管理装置、プログラム、電力管理方法及び自己託送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業の環境活動には、太陽光発電による自家消費が多く活用されている。自家消費の次なる手段としては、自己託送が注目されている。自己託送とは、電力会社が維持、運営、管理する電力系統を活用して、事業者の発電設備により発電した電気を別の場所にある事業者の負荷設備に送電する送電サービスである。特許文献1及び特許文献2には、自己託送に関連する技術が開示されている。
【0003】
自己託送においては、計画値同時同量のルールを守らなくてはならない。計画値同時同量とは、発電量の計画値と電力の需要量の計画値とを単位時間ごとに予測し、乖離がないように実需給と計画値とを一致させるというルールである。
【0004】
事業者は、事業者が設置する発電設備による発電量を管理する発電用の電力管理装置と、事業者の負荷設備による需要量を管理する需要用の電力管理装置とをそれぞれ用意して、自己託送における電力を管理している。しかし、事業者の負荷設備による需要量は、発電量と個別に管理する場合、調整することが容易ではなく、特に、複数の単位時間に渡って発電量に対応するように調整することには限界がある。
【0005】
需要量の調整には、例えばチラーやヒートポンプのような、電気エネルギーを熱エネルギーに変換可能な負荷設備が利用されることがある。しかし、チラーやヒートポンプのような負荷設備は、所定量よりも大きいエネルギーの変換に単位時間よりも長い時間を要する。したがって、チラーやヒートポンプのような負荷設備は、一の単位時間において計画値同時同量のルールを守って需要量を調整するための調整力としては不向きである。
【0006】
一方、発電量の調整には、二次電池が利用されることがある。二次電池を用いることで、一の単位時間において発電量を調整することが可能である。しかし、二次電池は、放電量が有限であり、発電量の調整のために十分な放電量を確保するとなると大容量の二次電池が必要となり、高額になってしまう。
【0007】
そこで、電気エネルギーをエネルギー変換装置に投入してから、エネルギーを引き出すまでの時間が異なる2以上の設備間の電気エネルギーを調整することで、設備全体のコスト減縮を行う。
【0008】
その調整は、エネルギーを引き出すまでの時間が異なる点を活用するのであり、それは必ずしもエネルギー変換装置を備えた設備に蓄えられるエネルギー量で比較をしない。しかし、設備の利用効率を上げるためには、一般的にはエネルギーを引き出すまでの時間が短いほど、蓄えられるエネルギー量は小さくなり得る傾向にある。
【0009】
設備間の電気エネルギーを調整するためには、例えば、エネルギーを引き出すまでの時間が短い設備と、エネルギーを引き出す前の時間が長い設備との間を考える。エネルギーを引き出すまでの時間が短い設備は、例えば、電気エネルギーを化学エネルギーに変換をして後に再び電気エネルギーに変換をして利用する二次電池である。エネルギーを引き出す前の時間が長い設備は、例えば、電気エネルギーを熱エネルギーに変換をしてそのまま熱エネルギーとして利用する特定負荷設備である。二次電池、特定負荷設備共に100kWhの電気エネルギーを投入できる設備であると仮定して、前者と後者との間で電気エネルギーの調整を行う。変換損失を無視するならば、前者が1時間以内で100kWhの電気エネルギーを投入して引き出し、後者が1時間で100kWhの電気エネルギーを投入して1時間後に12時間をかけて熱エネルギーとして引き出す。
【0010】
後者が12時間をかけて引き出す目的の1つは、ランニングコストとしてのエネルギーコストを抑制するものである。例えば、昼間の高い電気エネルギーコストで熱エネルギーを利用するのではなく、夜間の短時間で安い電気エネルギーコストによって熱エネルギーを蓄熱しておき、蓄えた熱エネルギーを昼間に利用する。
【0011】
事業者は、自己託送を行うにあたり、計画値同時同量のルールを守ることができない場合、実需給と計画値とのズレであるインバランスの量に応じてペナルティを受けることになる。インバランスの量を減らすことは、更なるランニングコストの抑制を可能とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2019-97627号公報
【特許文献2】特開2021-87278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
自己託送においては、二次電池を利用した発電量の調整と、電気エネルギーを熱エネルギーに変換可能な負荷設備とを併用して、なるべくインバランスが生じない技術を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の態様によれば、電力管理装置が提供される。電力管理装置は、電力会社の電力系統を利用して、事業者の発電設備により発電した電気を別の場所にある事業者の負荷設備に送電する自己託送における電力を管理してよい。電力管理装置は、二次電池を含む発電設備による発電量を制御する発電制御部を備えてよい。電力管理装置は、一の単位時間よりも長い時間をかけて所定量よりも大きい電気エネルギーを熱エネルギーに変換して引き出せる特定負荷設備を含む負荷設備による需要量を制御する需要制御部を備えてよい。発電制御部は、一の単位時間において、発電設備による発電量の計画値と実績値とが一致するように、二次電池を制御可能であってよい。需要制御部は、一の単位時間において、負荷設備による需要量の計画値と実績値とが一致するように、特定負荷設備を制御可能であってよい。需要制御部は、一の単位時間において二次電池が制御されるときに、一の単位時間よりも後の複数の単位時間に渡って負荷設備による需要量を制御してよい。発電制御部は、複数の単位時間に渡って負荷設備による需要量が制御されるときに、複数の単位時間に渡って発電設備による発電量を制御してよい。
【0015】
本発明の第2の態様によれば、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、電力会社の電力系統を利用して、事業者の発電設備により発電した電気を別の場所にある事業者の負荷設備に送電する自己託送における電力を管理する電力管理装置として機能させてよい。プログラムは、二次電池を含む発電設備を制御する発電制御部としてコンピュータを機能させてよい。プログラムは、一の単位時間よりも長い時間をかけて所定量よりも大きい電気エネルギーを熱エネルギーに変換して引き出せる特定負荷設備を含む負荷設備を制御する需要制御部としてコンピュータを機能させてよい。発電制御部は、一の単位時間において、発電設備による発電量の計画値と実績値とが一致するように、二次電池を制御可能であってよい。需要制御部は、一の単位時間において、負荷設備による需要量の計画値と実績値とが一致するように、特定負荷設備を制御可能であってよい。需要制御部は、一の単位時間において二次電池が制御されるときに、一の単位時間よりも後の複数の単位時間に渡って特定負荷設備を制御してよい。発電制御部は、複数の単位時間に渡って負荷設備による需要量が制御されるときに、複数の単位時間に渡って発電設備による発電量を制御してよい。
【0016】
本発明の第3の態様によれば、電力管理方法が提供される。電力管理方法は、電力会社の電力系統を利用して、事業者の発電設備により発電した電気を別の場所にある事業者の負荷設備に送電する自己託送における電力を管理してよい。電力管理方法は、二次電池を含む発電設備を制御することを含んでよい。電力管理方法は、一の単位時間よりも長い時間をかけて所定量よりも大きい電気エネルギーを熱エネルギーに変換して引き出せる特定負荷設備を含む負荷設備を制御することを含んでよい。電力管理方法は、一の単位時間において、発電設備による発電量の計画値と実績値とが一致するように、二次電池を制御可能であってよい。電力管理方法は、一の単位時間において、負荷設備による需要量の計画値と実績値とが一致するように、特定負荷設備を制御可能であってよい。電力管理方法は、一の単位時間において二次電池が制御されるときに、一の単位時間よりも後の複数の単位時間に渡って特定負荷設備を制御してよい。電力管理方法は、複数の単位時間に渡って負荷設備による需要量が制御されるときに、複数の単位時間に渡って発電設備による発電量を制御してよい。
【0017】
本発明の第4の態様によれば、自己託送システムが提供される。自己託送システムは、電力会社の電力系統を利用して、事業者の発電設備により発電した電気を別の場所にある事業者の負荷設備に送電してよい。自己託送システムは、自己託送における電力を管理する電力管理装置を備えてよい。電力管理装置は、二次電池を含む発電設備を制御する発電制御部を備えてよい。電力管理装置は、一の単位時間よりも長い時間をかけて所定量よりも大きい電気エネルギーを熱エネルギーに変換して引き出せる特定負荷設備を含む負荷設備を制御する需要制御部を備えてよい。発電制御部は、一の単位時間において、発電設備による発電量の計画値と実績値とが一致するように、二次電池を制御可能であってよい。需要制御部は、一の単位時間において、負荷設備による需要量の計画値と実績値とが一致するように、特定負荷設備を制御可能であってよい。需要制御部は、一の単位時間において二次電池が制御されるときに、一の単位時間よりも後の複数の単位時間に渡って特定負荷設備を制御してよい。発電制御部は、複数の単位時間に渡って負荷設備による需要量が制御されるときに、複数の単位時間に渡って発電設備による発電量を制御してよい。
【0018】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】自己託送システム100の一例を概略的に示す。
図2】電力管理装置130の機能構成の一例を概略的に示す。
図3】データ格納部137に格納されるデータの一例を概略的に示す。
図4】電力管理装置130による処理の流れの一例を概略的に示す。
図5】一の単位時間において二次電池111Bを放電したときにデータ格納部137に格納される情報の一例を概略的に示す。
図6】一の単位時間において二次電池111Bを放電したことに対応して計画値を更新したときにデータ格納部137に格納される情報の一例を概略的に示す。
図7】チラー121Bによる電力の需要量を減らしたときにデータ格納部137に格納される情報の一例を概略的に示す。
図8】一の単位時間において二次電池111Bを充電したときにデータ格納部137に格納される情報の一例を概略的に示す。
図9】一の単位時間において二次電池111Bを充電したことに対応して計画値を更新したときにデータ格納部137に格納される情報の一例を概略的に示す。
図10】チラー121Bによる電力の需要量を増やしたときにデータ格納部137に格納される情報の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0021】
図1は、自己託送システム100の一例を概略的に示す。自己託送システム100は、電力会社が維持、運営、管理する電力系統200を利用して、事業者の発電設備により発電した電気を別の場所にある事業者の負荷設備に送電するシステムである。自己託送システム100は、事業者の発電場所110に設けられる各種の設備、事業者の需要場所120に設けられる各種の設備、電力管理装置130を備える。
【0022】
電力管理装置130は、コンピュータのハードウェア構成でも、クラウドコンピューティング技術を利用した通信ネットワーク上のサーバの構成でも実現可能である。
【0023】
事業者の発電場所110には、太陽光発電設備111A、二次電池111B、パワーコンディショナ112及び変圧器113が設けられる。太陽光発電設備111A及び二次電池111Bは、この発明における「事業者の発電設備」の一例である。また、太陽光発電設備111Aは、この発明における「二次電池と異なる他の発電設備」の一例である。
【0024】
太陽光発電設備111Aは、光起電力効果によって太陽エネルギーを電気エネルギーに変換し、負荷に適した電力を供給するために構成した装置である。太陽光発電設備111Aは、パワーコンディショナ112と電気的に接続される。太陽光発電設備111から出力される電気エネルギーは、パワーコンディショナ112へ送られる。
【0025】
二次電池111Bは、充電して繰り返し使用できる電池である。二次電池111Bは、パワーコンディショナ112と電気的に接続される。また、二次電池111Bは、パワーコンディショナ112と通信接続される。二次電池111Bは、パワーコンディショナ112から送信される制御信号にしたがって、充電モード、放電モード及び通常モードのうちのいずれかの動作モードにより動作する。充電モードは、二次電池111Bを充電させる動作モードである。充電とは、二次電池111Bに外部から電気エネルギーを与えて化学エネルギーの形で貯えることである。放電モードは、二次電池111Bを放電させる動作モードである。放電とは、二次電池111Bから外部回路に電流を流すことである。通常モードは、二次電池111Bを充電も放電もさせない動作モードである。
【0026】
パワーコンディショナ112は、太陽光発電設備111Aの出力を所定の電力に変換する機能を備えた装置である。パワーコンディショナ112は、主幹制御監視装置、直流コンディショナ、インバータ、直流-直流インタフェース、交流-交流インタフェース、交流系統インタフェース等の、一部又は全てで構成する。パワーコンディショナ112は、太陽光発電設備111A及び二次電池111Bと電気的に接続される。パワーコンディショナ112は、二次電池111Bが充電モードにより動作しないとき、太陽光発電設備111Aから出力される直流電力を入力して交流電力に変換し、変圧器113へ出力する。また、パワーコンディショナ112は、二次電池111Bが充電モードにより動作するとき、太陽光発電設備111から出力される直流電力を入力し、二次電池111Bへ出力する。また、パワーコンディショナ112は、二次電池111Bが放電モードにより動作するとき、二次電池111Bから放電される直流電力を入力して交流電力に変換し、変圧器113へ出力する。
【0027】
また、パワーコンディショナ112は、二次電池111Bと通信接続される。また、パワーコンディショナ112は、電力管理装置130とWAN(Wide Area Network)を介して通信接続される。WANは、地理的に離れた地点間を結ぶ通信ネットワークである。パワーコンディショナ112は、発電場所110における発電量の実績値を示す計測データを、電力管理装置130へ送信する。発電場所110における発電量の実績値は、太陽光発電設備111Aによる発電量の実績値と、二次電池111Bの充放電量の実績値とを含む。また、パワーコンディショナ112は、発電場所110における発電量を制御するための制御データを、電力管理装置130から受信する。また、パワーコンディショナ112は、二次電池111Bの動作モードを制御するための制御信号を、二次電池111Bへ送信する。
【0028】
変圧器113は、交流電力を変圧して電力系統200に連系する設備である。変圧器113は、パワーコンディショナ112、及び電力系統200と電気的に接続される。変圧器113は、パワーコンディショナ112から出力される交流電力を昇圧し、電力系統200へ送電する。
【0029】
事業者の需要場所120には、固有負荷設備121A、チラー121B、パワーコンディショナ122及び変圧器123が設けられる。固有負荷設備121A及びチラー121Bは、この発明における「事業者の負荷設備」の一例である。また、チラー121Bは、この発明における「特定負荷設備」の一例である。
【0030】
変圧器123は、交流電力を変圧して電力系統200に連系する設備である。変圧器123は、パワーコンディショナ122と電気的に接続される。変圧器123は、電力系統200を介して送電される電力を入力し、パワーコンディショナ122へ出力する。
【0031】
パワーコンディショナ122は、変圧器123の出力を所定の電力に変換する機能を備えた装置である。パワーコンディショナ122は、主幹制御監視装置、直流コンディショナ、インバータ、直流-直流インタフェース、交流-交流インタフェース、交流系統インタフェース等の、一部又は全てで構成する。パワーコンディショナ122は、変圧器123、固有負荷設備121A及びチラー121Bと電気的に接続される。パワーコンディショナ122は、変圧器123から出力される電力を入力し、固有負荷設備121A及びチラー121Bへ電力を出力する。
【0032】
また、パワーコンディショナ122は、電力管理装置130とWANを介して通信接続される。パワーコンディショナ122は、需要場所120における電力の需要量の実績値を示す計測データを、電力管理装置130へ送信する。需要場所120における電力の需要量の実績値は、固有負荷設備121Aによる電力の需要量の実績値と、チラー121Bによる電力の重要量の実績値とを含む。また、パワーコンディショナ122は、需要場所120における電力の需要量を制御するための制御データを、電力管理装置130から受信する。
【0033】
固有負荷設備121Aは、電気エネルギーを消費する負荷設備であり、事業者が事業活動を行うために必要な設備である。固有負荷設備121Aは、パワーコンディショナ122と電気的に接続される。固有負荷設備121Aは、パワーコンディショナ122から出力される電力によって動作する。
【0034】
チラー121Bは、一定温度に制御した水を循環させて、熱源を冷却又は温調する装置である。チラー121は、パワーコンディショナ122と電気的に接続される。チラー121Bは、パワーコンディショナ122から出力される電力によって動作する。チラー121Bは、需要場所120における需要量を調整するために利用される。ここで、自己託送を行う事業者は、計画値同時同量のルールを守らなくてはならない。計画値同時同量とは、発電量の計画値と電力の需要量の計画値とを単位時間ごとに予測し、乖離がないように実需給と計画値とを一致させるというルールである。チラー121Bは、一の単位時間よりも長い時間をかけて所定量よりも大きい電気エネルギーを熱エネルギーに変換して引き出すことができる。換言すれば、チラー121Bは、一の単位時間において所定量よりも大きい電気エネルギーを熱エネルギーに変換して引き出すことができない。したがって、チラー121Bは、所定量よりも大きい電力の需要量について、一の単位時間よりも長い時間をかけて調整することができる。換言すれば、チラー121Bは、所定量よりも大きい電力の需要量について、一の単位時間において調整することができない。
【0035】
電力管理装置130は、自己託送における電力を管理する装置である。電力管理装置130は、パワーコンディショナ112及びパワーコンディショナ122とWANを介して通信接続される。電力管理装置130は、発電場所110における発電量の実績値を示す計測データを、パワーコンディショナ112から受信する。また、電力管理装置130は、発電場所110における発電量を制御するための制御データを、パワーコンディショナ112へ送信する。また、電力管理装置130は、需要場所120における電力の需要量の実績値を示す計測データを、パワーコンディショナ122から受信する。また、電力管理装置130は、需要場所120における電力の需要量を制御するための制御データを、パワーコンディショナ122へ送信する。
【0036】
図2は、電力管理装置130の機能構成の一例を概略的に示す。電力管理装置130は、計測データ受信部131、発電計画部132、需要計画部133、発電制御部134、需要制御部135、制御データ送信部136及びデータ格納部137を備える。
【0037】
計測データ受信部131は、計測データを受信するソフトウェアモジュールである。計測データ受信部131は、発電場所110における発電量の実績値を示す計測データを、パワーコンディショナ112から受信する。また、計測データ受信部131は、需要場所120における電力の需要量の実績値を示す計測データを、パワーコンディショナ122から受信する。
【0038】
発電計画部132は、計画値同時同量の予測単位である一の単位時間における、太陽光発電設備111A及び二次電池111Bによる発電量の計画値を算出するソフトウェアモジュールである。発電計画部132は、複数の単位時間のそれぞれにおける需要量の計画値が算出されるときに、その複数の単位時間のそれぞれにおける発電量の計画値を算出する。
【0039】
需要計画部133は、計画値同時同量の予測単位である一の単位時間における、固有負荷設備121A及びチラー121Bによる需要量の計画値を算出するソフトウェアモジュールである。需要計画部133は、一の単位時間において二次電池111Bが制御されるときに、その一の単位時間よりも後の複数の単位時間のそれぞれにおける需要量の計画値を算出する。
【0040】
発電制御部134は、太陽光発電設備111A及び二次電池111Bによる発電量を制御するソフトウェアモジュールである。発電制御部134は、計画値同時同量の予測単位である一の単位時間において、太陽光発電設備111A及び二次電池111Bによる発電量の計画値と実績値とが一致するように、二次電池111Bを制御可能である。発電制御部134は、複数の単位時間に渡って固有負荷設備121A及びチラー121Bによる需要量が制御されるときに、複数の単位時間に渡って太陽光発電設備111A及び二次電池111Bによる発電量を制御する。また、発電制御部134は、一の単位時間において、太陽光発電設備111Aによる発電量の実績値が計画値よりも小さいときに、二次電池111Bを放電させるべく制御する。そして、発電制御部134は、複数の単位時間に渡ってチラー121Bによる需要量が減るときに、その複数の単位時間に渡って二次電池111Bを充電させるべく制御する。また、発電制御部134は、一の単位時間において、太陽光発電設備111Aによる発電量の実績値が計画値よりも大きいときに、二次電池111Bを充電させるべく制御する。そして、発電制御部134は、複数の単位時間に渡ってチラー121Bによる需要量が増えるときに、その複数の単位時間に渡って二次電池111Bを放電させるべく制御する。また、発電制御部134は、一の単位時間において、発電計画部132が算出した発電量の計画値と、発電量の実績値とが一致するように、二次電池111Bを制御する。
【0041】
発電制御部134は、複数の単位時間に渡って負荷設備による需要量が制御されるときに、複数の単位時間に渡って発電設備による発電量を制御する際には、フィードバック制御を行う。そこで、発電制御部134は、制御発散しないように、一の単位時間において制御される発電量が、その一の単位時間において制御される需要量を上回らないようにする。
【0042】
需要制御部135は、固有負荷設備121A及びチラー121Bによる需要量を制御するソフトウェアモジュールである。需要制御部135は、計画値同時同量の予測単位である一の単位時間において、固有負荷設備121A及びチラー121Bによる需要量の計画値と実績値とが一致するように、チラー121Bを制御可能である。そして、需要制御部135は、一の単位時間において二次電池111Bが制御されるときに、その一の単位時間よりも後の複数の単位時間に渡って固有負荷設備121A及びチラー121Bによる需要量を制御する。また、需要制御部135は、一の単位時間において二次電池111Bが放電されるときに、その一の単位時間よりも後の複数の単位時間に渡ってチラー121Bによる需要量を減らすべく制御する。また、需要制御部135は、一の単位時間において二次電池111Bが充電されるときに、その一の単位時間よりも後の複数の単位時間に渡ってチラー121Bによる需要量を増やすべく制御する。また、需要制御部135は、一の単位時間において、需要計画部133が算出した需要量の計画値と、需要量の実績値とが一致するように、チラー121Bを制御する。
【0043】
制御データ送信部136は、制御データを送信するソフトウェアモジュールである。制御データ送信部136は、発電場所110における発電量を制御するための制御データを、パワーコンディショナ112へ送信する。また、制御データ送信部136は、需要場所120における電力の需要量を制御するための制御データを、パワーコンディショナ122へ送信する。
【0044】
データ格納部137は、自己託送における電力を管理するための情報を格納するデータベースである。データ格納部137は、計測データ受信部131、発電計画部132、需要計画部133、発電制御部134及び需要制御部135で共有、利用しやすいように、一定の形式で作成、管理されたデータの集合である。また、データ格納部137は、用途に応じて加工、再利用がしやすいように、一定の形式で作成、管理されたデータの集合である。
【0045】
図3は、データ格納部137に格納されるデータの一例を概略的に示す。データ格納部137には、例えば、開始時刻、終了時刻、計画発電量(kWh)、実績発電量(kWh)、計画需要量(kWh)及び実績需要量(kWh)の情報が対応付けられたデータが格納される。
【0046】
開始時刻の情報は、計画値同時同量の予測単位である一の単位時間の開始時刻を示す情報である。終了時刻の情報は、開始時刻の情報によって示される開始時刻に開始される一の単位時間の終了時刻を示す情報である。図3に示す例においては、例えば、開始時刻「9:00」に開始される一の単位時間の終了時刻が「9:30」であることを示す。
【0047】
計画発電量(kWh)の情報は、計画値同時同量の予測単位である一の単位時間における発電量の計画値を示す情報である。図3に示す例においては、例えば、開始時刻「9:00」から終了時刻「9:30」までの一の単位時間における計画発電量が「100(kWh)」であることを示す。
【0048】
実績発電量(kWh)の情報は、計画値同時同量の予測単位である一の単位時間における発電量の実績値を示す情報である。実績発電量(kWh)の情報は、太陽光発電設備111Aによる発電量の実績値を示す情報と、二次電池111Bの充放電量の実績値を示す情報とを含む。図3に示す例においては、例えば、開始時刻「9:00」から終了時刻「9:30」までの一の単位時間における、太陽光発電設備111Aによる実績発電量が「100(kWh)」であることを示す。また、図3に示す例においては、例えば、開始時刻「9:00」から終了時刻「9:30」までの一の単位時間における、二次電池111Bの充放電量が「0(kWh)」であることを示す。
【0049】
計画需要量(kWh)の情報は、計画値同時同量の予測単位である一の単位時間における需要量の計画値を示す情報である。図3に示す例においては、例えば、開始時刻「9:00」から終了時刻「9:30」までの一の単位時間における計画需要量が「100(kWh)」であることを示す。
【0050】
実績需要量(kWh)の情報は、計画値同時同量の予測単位である一の単位時間における需要量の実績値を示す情報である。実績需要量(kWh)の情報は、固有負荷設備121Aによる需要量の実績値を示す情報と、チラー121Bによる需要量の実績値を示す情報とを含む。図3に示す例においては、例えば、開始時刻「9:00」から終了時刻「9:30」までの一の単位時間における、固有負荷設備121Aによる実績需要量が「50(kWh)」であることを示す。また、図3に示す例においては、例えば、開始時刻「9:00」から終了時刻「9:30」までの一の単位時間における、チラー121Bによる実績需要量が「50(kWh)」であることを示す。
【0051】
図4は、電力管理装置130による処理の流れの一例を概略的に示す。この例における開始状態は、開始時刻「9:00」から終了時刻「9:30」までの一の単位時間における自己託送を開始した状態と仮定する。また、この例における開始状態は、各単位時間における計画発電量及び計画需要量が「100(kWh)」とされた状態と仮定する。
【0052】
電力管理装置130の発電制御部134は、単位時間の開始時刻よりも前に、その単位時間において発電量を制御するための制御データを生成し、その制御データを制御データ送信部136へ送る。電力管理装置130の制御データ送信部136は、発電量を制御するための制御データを受け取ると、その制御データをパワーコンディショナ112へ送信する。パワーコンディショナ112は、その単位時間の開始時刻になると、発電量の実績値と制御データによって示される発電量の計画値とが一致するように、二次電池111Bによる充放電量を制御する。
【0053】
例えば、太陽光発電設備111Aによる発電量の実績値と計画値とが一致する場合、パワーコンディショナ112は、二次電池111Bを通常モードにより動作させるための制御信号を、二次電池111Bへ送信する。
【0054】
例えば、太陽光発電設備111Aによる発電量の実績値が計画値よりも小さい場合、パワーコンディショナ112は、二次電池111Bを放電モードにより動作させるための制御信号を、二次電池111Bへ送信する。このとき、パワーコンディショナ112は、二次電池111Bの放電量と、太陽光発電設備111Aによる発電量の実績値と計画値との差分とが一致するように、二次電池111Bを放電させる制御信号を送信する。
【0055】
例えば、太陽光発電設備111Aによる発電量の実績値が計画値よりも大きい場合、パワーコンディショナ112は、二次電池111Bを充電モードにより動作させるための制御信号を、二次電池111Bへ送信する。このとき、パワーコンディショナ112は、二次電池111Bへ出力する電力量と、太陽光発電設備111Aによる発電量の実績値と計画値との差分とが一致するように、二次電池111Bへ電力を出力する。そして、パワーコンディショナ112は、二次電池111Bへの電力の出力を終えると、二次電池111Bを通常モードにより動作させるための制御信号を、二次電池111Bへ送信する。
【0056】
そして、パワーコンディショナ112は、単位時間の終了時刻になると、発電場所110における単位時間あたりの発電量の実績値を示す計測データを、電力管理装置130へ送信する。
【0057】
電力管理装置130の計測データ受信部131は、発電量の実績値を示す計測データを受信すると、計測データによって示される情報を、データ格納部137に格納する。一の単位時間において二次電池111Bを放電した場合、データ格納部137には、図5に示すような情報が格納される。一の単位時間において二次電池111Bを充電した場合、データ格納部137には、図8に示すような情報が格納される。
【0058】
図5は、一の単位時間において二次電池111Bを放電したときにデータ格納部137に格納される情報の一例を概略的に示す。図5に示す例においては、開始時刻「9:00」から終了時刻「9:30」までの一の単位時間における、太陽光発電設備111Aによる実績発電量が「80(kWh)」となっている。また、図5に示す例においては、例えば、開始時刻「9:00」から終了時刻「9:30」までの一の単位時間における、二次電池111Bの実績発電量が「20(kWh)」となっている。二次電池111Bは、発電にも需要にも用いられる設備であり、正数であれば放電による発電として、負数であれば充電による需要として用いられることを示す。
【0059】
図8は、一の単位時間において二次電池111Bを充電したときにデータ格納部137に格納される情報の一例を概略的に示す。図8に示す例においては、開始時刻「9:00」から終了時刻「9:30」までの一の単位時間における、太陽光発電設備111Aによる実績発電量が「120(kWh)」となっている。また、図8に示す例においては、例えば、開始時刻「9:00」から終了時刻「9:30」までの一の単位時間における、二次電池111Bの発電量が「-20(kWh)」となっている。つまり、発電量が負数であり、二次電池111Bは充電されたことを示す。
【0060】
一方、電力管理装置130の需要制御部135は、単位時間の開始時刻よりも前に、その単位時間において需要量を制御するための制御データを生成し、その制御データを制御データ送信部136へ送る。電力管理装置130の制御データ送信部136は、需要量を制御するための制御データを受け取ると、その制御データをパワーコンディショナ122へ送信する。パワーコンディショナ122は、その単位時間の開始時刻になると、実績需要量と制御データによって示される計画需要量とが一致するように、チラー121Bによる需要量を制御する。
【0061】
例えば、制御データによって示される計画需要量と開始状態の計画需要量とが一致する場合、パワーコンディショナ122は、対象となる単位時間において、チラー121Bに対して出力する電力量を変化させない。
【0062】
例えば、制御データによって示される計画需要量が開始状態の計画需要量よりも小さい場合、パワーコンディショナ122は、対象となる単位時間において、チラー121Bに対して出力する電力量を減少させる。このとき、パワーコンディショナ122は、制御データによって示される計画需要量と開始状態の計画需要量との差分と一致する電力量だけ、チラー121Bに対して出力する電力量を減少させる。
【0063】
例えば、制御データによって示される計画需要量が開始状態の計画需要量よりも大きい場合、パワーコンディショナ122は、対象となる単位時間において、チラー121Bに対して出力する電力量を増加させる。このとき、パワーコンディショナ122は、制御データによって示される計画需要量と開始状態の計画需要量との差分と一致する電力量だけ、チラー121Bに対して出力する電力量を増加させる。
【0064】
そして、パワーコンディショナ122は、単位時間の終了時刻になると、需要場所120における単位時間あたりの需要量の実績値を示す計測データを、電力管理装置130へ送信する。
【0065】
計測データ受信部131は、需要量の実績値を示す計測データを受信すると、計測データによって示される情報を、データ格納部137に格納する。チラー121Bによる需要量が変化しない場合、データ格納部137には、図5及び図8に示すような情報が格納される。図5及び図8に示す例においては、開始時刻「9:00」から終了時刻「9:30」までの一の単位時間における、固有負荷設備121Aによる実績需要量が「50(kWh)」となっている。また、図5及び図8に示す例においては、開始時刻「9:00」から終了時刻「9:30」までの一の単位時間における、チラー121Bによる実績需要量が「50(kWh)」となっている。
【0066】
計測データ受信部131は、需要量の実績値を示す計測データを受信すると、計測データによって示される情報を、データ格納部137に格納する。
【0067】
データ格納部137に発電量の実績値の情報が格納されると、電力管理装置130の需要計画部133は、二次電池111Bを充放電したかを判定する(ステップS101)。例えば、需要計画部133は、計測データに含まれる二次電池111Bの充放電量の実績値がゼロでないときに、二次電池111Bを充放電したと判定する。
【0068】
二次電池111Bを充放電している場合(ステップS101;YES)、需要計画部133は、二次電池111Bを放電したかを判定する(ステップS102)。例えば、需要計画部133は、計測データに含まれる二次電池111Bの充放電量の実績値がゼロよりも大きいときに、二次電池111Bを放電したと判定する。
【0069】
二次電池111Bを放電している場合(ステップS102;YES)、需要計画部133は、チラー121Bによる需要量を減らすために必要な単位時間のコマ数を算出する(ステップS103)。ここで、一の単位時間において二次電池111Bを放電している場合、二次電池111Bの残容量は、放電量に相当する分だけ減少していることになる。二次電池111Bは、残容量が減少している場合、太陽光発電設備111Aによる発電量の実績値が計画値よりも小さいときに、必要な電力を放電できない可能性がある。そこで、電力管理装置130の発電計画部132は、放電を行った単位時間よりも後に二次電池111Bを充電させるべく、充電量の分だけ発電量の計画値を減少させる変更を行うことになる。一方、需要計画部133は、需要量の計画値を減少させる変更を行うことになる。前述のとおり、固有負荷設備121Aは、事業者が事業活動を行うために必要な設備である。したがって、固有負荷設備121Aによる需要量は、需要量の計画値を減少させるからといって、不必要に減少させることができない。そこで、需要場所120における需要量は、チラー121Bに対する電力の供給を減少させることにより、需要量の計画値の減少に伴う調整を行うことになる。前述のとおり、チラー121Bは、所定量よりも大きい電力の需要量について、一の単位時間よりも長い時間をかけて調整することができる。そこで、需要計画部133は、二次電池111Bの充電量に対応してチラー121Bによる需要量を減らすために必要な単位時間のコマ数を算出する。この例においては、需要計画部133は、20(kWh)の充電量に対応してチラー121Bによる需要量を20(kWh)減らすために必要な単位時間のコマ数を算出する。ここで、チラー121Bは、8(kWh)の電力の需要量について、1(時間)かけて調整することができると仮定する。その場合、需要計画部133は、チラー121Bによる需要量を20(kWh)減らすために必要な単位時間のコマ数について、20/8=5コマと算出する。
【0070】
次に、需要計画部133は、ステップS103において算出した必要なコマ数の単位時間において電力の需要量を減らす計画値を算出する(ステップS104)。例えば、需要計画部133は、二次電池111Bの放電を行った単位時間から2コマ後の単位時間から数えて必要なコマ数の各単位時間において減らすべき需要量を、各単位時間において平均的に減らす計画値を算出する。その場合、需要計画部133は、開始時刻「10:00」から終了時刻「10:30」までの単位時間から数えて5コマの単位時間を対象とする。そして、需要計画部133は、その5コマの各単位時間においてそれぞれ減らすべき需要量について、20/5=4(kWh)と算出する。そして、需要計画部133は、その5コマの各単位時間における計画需要量を、100-4=96(kWh)と算出する。
【0071】
そして、需要計画部133は、ステップS104において算出した計画需要量を以て、データ格納部137に格納されているデータを更新する(ステップS105)。一の単位時間において二次電池111Bを放電したことに対応して需要量の計画値が更新された場合、データ格納部137には、図6に示すような情報が格納される。
【0072】
図6は、一の単位時間において二次電池111Bを放電したことに対応して計画値を更新したときにデータ格納部137に格納される情報の一例を概略的に示す。図6に示す例においては、開始時刻「10:00」から終了時刻「10:30」までの単位時間から数えて5コマの単位時間における計画需要量が96(kWh)となっている。
【0073】
需要量の計画値が更新されると、電力管理装置130の発電計画部132は、需要量が減る各単位時間において、需要量に対応する発電量となる計画値を算出する(ステップS106)。例えば、発電計画部132は、需要量が減る各単位時間における計画発電量を、ステップS105において更新された各単位時間における計画需要量と同じ値とする。この例の場合、発電計画部132は、開始時刻「10:00」から終了時刻「10:30」までの単位時間から数えて5コマの各単位時間における計画発電量を96(kWh)とする。
【0074】
そして、発電計画部132は、ステップS106において算出した計画発電量を以て、データ格納部137に格納されているデータを更新し(ステップS107)、図4に示す処理を終了する。計画需要量が減ることに対応して計画発電量が更新された場合、データ格納部137には、図6に示すような情報が格納される。
【0075】
計画発電量が更新されると、発電制御部134は、更新された単位時間の開始時刻よりも前に、更新された計画発電量を示す制御データを生成し、その制御データを制御データ送信部136へ送る。制御データ送信部136は、更新された計画発電量を示す制御データを受け取ると、その制御データをパワーコンディショナ112へ送信する。パワーコンディショナ112は、計画発電量が更新された単位時間の開始時刻になると、発電量の実績値と制御データによって示される発電量の計画値とが一致するように、二次電池111Bの充電量を制御する。
【0076】
そして、パワーコンディショナ112は、単位時間の終了時刻になると、発電場所110における単位時間あたりの発電量の実績値を示す計測データを、電力管理装置130へ送信する。
【0077】
計測データ受信部131は、発電量の実績値を示す計測データを受信すると、計測データによって示される情報を、データ格納部137に格納する。複数の単位時間に渡って二次電池111Bを充電した場合、データ格納部137には、図7に示すような情報が格納される。
【0078】
図7は、複数の単位時間に渡って二次電池111Bを充電したときに、データ格納部137に格納される情報の一例を概略的に示す。図7に示す例においては、開始時刻「10:00」から終了時刻「10:30」までの単位時間から数えて5コマの各単位時間における二次電池111Bの充電量の実績値が「4(kWh)」となっている。
【0079】
一方、需要制御部135は、更新された単位時間の開始時刻よりも前に、更新された計画需要量を示す制御データを生成し、その制御データを制御データ送信部136へ送る。制御データ送信部136は、更新された計画需要量を示す制御データを受け取ると、その制御データをパワーコンディショナ122へ送信する。パワーコンディショナ122は、計画需要量が更新された単位時間の開始時刻になると、需要量の実績値と制御データによって示される需要量の計画値とが一致するように、チラー121Bによる需要量を制御する。この例の場合、パワーコンディショナ122は、チラー121Bによる需要量を減らすべく、チラー121Bへ出力する電力量を減らす。
【0080】
そして、パワーコンディショナ122は、単位時間の終了時刻になると、需要場所120における単位時間あたりの需要量の実績値を示す計測データを、電力管理装置130へ送信する。
【0081】
計測データ受信部131は、需要量の実績値を示す計測データを受信すると、計測データによって示される情報を、データ格納部137に格納する。複数の単位時間に渡ってチラー121Bによる需要量を減らした場合、データ格納部137には、図7に示すような情報が格納される。図7に示す例においては、開始時刻「10:00」から終了時刻「10:30」までの単位時間から数えて5コマの各単位時間におけるチラー121Bによる実績需要量が「46(kWh)」となっている。
【0082】
ステップS102において二次電池111Bを充電している場合(ステップS102;NO)、需要計画部133は、チラー121Bによる需要量を増やすために必要な単位時間のコマ数を算出する(ステップS108)。ここで、一の単位時間において二次電池111Bを充電している場合、二次電池111Bの残容量は、充電量に相当する分だけ増加していることになる。二次電池111Bは、残容量が増加している場合、太陽光発電設備111Aによる発電量の実績値が計画値よりも大きいときに、必要な電力を充電できない可能性がある。そこで、電力管理装置130の発電計画部132は、充電を行った単位時間よりも後に二次電池111Bを放電できるように、放電量の分だけ発電量の計画値を増加させる変更を行うことになる。一方、需要計画部133は、需要量の計画値を増加させる変更を行うことになる。前述のとおり、固有負荷設備121Aは、事業者が事業活動を行うために必要な設備である。したがって、固有負荷設備121Aによる需要量は、需要量の計画値を増加させるからといって、不必要に増加させることができない。そこで、需要場所120における需要量は、チラー121Bに対する電力の供給を増加させることにより、需要量の計画値の増加に伴う調整を行うことになる。前述のとおり、チラー121Bは、所定量よりも大きい電力の需要量について、一の単位時間よりも長い時間をかけて調整することができる。そこで、需要計画部133は、二次電池111Bの放電量に対応してチラー121Bによる需要量を増やすために必要な単位時間のコマ数を算出する。この例においては、需要計画部133は、20(kWh)の放電量に対応してチラー121Bによる需要量を20(kWh)増やすために必要な単位時間のコマ数を算出する。ここで、チラー121Bは、8(kWh)の電力の需要量について、1(時間)かけて調整することができると仮定する。その場合、需要計画部133は、チラー121Bによる需要量を20(kWh)増やすために必要な単位時間のコマ数について、20/8=5コマと算出する。
【0083】
次に、需要計画部133は、ステップS108において算出した必要なコマ数の単位時間において電力の需要量を増やす計画値を算出する(ステップS109)。例えば、需要計画部133は、二次電池111Bの充電を行った単位時間から2コマ後の単位時間から数えて必要なコマ数の各単位時間において増やすべき需要量を、各単位時間において平均的に増やす計画値を算出する。その場合、需要計画部133は、開始時刻「10:00」から終了時刻「10:30」までの単位時間から数えて5コマの単位時間を対象とする。そして、需要計画部133は、その5コマの各単位時間においてそれぞれ増やすべき需要量について、20/5=4(kWh)と算出する。そして、需要計画部133は、その5コマの各単位時間における計画需要量を、100+4=104(kWh)と算出する。
【0084】
そして、需要計画部133は、ステップS109において算出した計画需要量を以て、データ格納部137に格納されているデータを更新する(ステップS110)。一の単位時間において二次電池111Bを充電したことに対応して需要量の計画値が更新された場合、データ格納部137には、図9に示すような情報が格納される。
【0085】
図9は、一の単位時間において二次電池111Bを充電したことに対応して計画値を更新したときにデータ格納部137に格納される情報の一例を概略的に示す。図9に示す例においては、開始時刻「10:00」から終了時刻「10:30」までの単位時間から数えて5コマの単位時間における計画需要量が104(kWh)となっている。
【0086】
需要量の計画値が更新されると、電力管理装置130の発電計画部132は、需要量が増える各単位時間において、需要量に対応する発電量となる計画値を算出する(ステップS111)。例えば、発電計画部132は、需要量が増える各単位時間における計画発電量を、ステップS110において更新された各単位時間における計画需要量と同じ値とする。この例の場合、発電計画部132は、開始時刻「10:00」から終了時刻「10:30」までの単位時間から数えて5コマの各単位時間における計画発電量を104(kWh)とする。
【0087】
そして、発電計画部132は、ステップS111において算出した計画発電量を以て、データ格納部137に格納されているデータを更新し(ステップS112)、図4に示す処理を終了する。計画需要量が増えることに対応して計画発電量が更新された場合、データ格納部137には、図9に示すような情報が格納される。
【0088】
計画発電量が更新されると、発電制御部134は、更新された単位時間の開始時刻よりも前に、更新された計画発電量を示す制御データを生成し、その制御データを制御データ送信部136へ送る。制御データ送信部136は、更新された計画発電量を示す制御データを受け取ると、その制御データをパワーコンディショナ112へ送信する。パワーコンディショナ112は、計画発電量が更新された単位時間の開始時刻になると、発電量の実績値と制御データによって示される発電量の計画値とが一致するように、二次電池111Bの放電量を制御する。
【0089】
そして、パワーコンディショナ112は、単位時間の終了時刻になると、発電場所110における単位時間あたりの発電量の実績値を示す計測データを、電力管理装置130へ送信する。
【0090】
計測データ受信部131は、発電量の実績値を示す計測データを受信すると、計測データによって示される情報を、データ格納部137に格納する。複数の単位時間に渡って二次電池111Bを放電した場合、データ格納部137には、図10に示すような情報が格納される。
【0091】
図10は、複数の単位時間に渡って二次電池111Bを放電したときに、データ格納部137に格納される情報の一例を概略的に示す。図10に示す例においては、開始時刻「10:00」から終了時刻「10:30」までの単位時間から数えて5コマの各単位時間における二次電池111Bの放電量の実績値が「4(kWh)」となっている。
【0092】
一方、需要制御部135は、更新された単位時間の開始時刻よりも前に、更新された計画需要量を示す制御データを生成し、その制御データを制御データ送信部136へ送る。制御データ送信部136は、更新された計画需要量を示す制御データを受け取ると、その制御データをパワーコンディショナ122へ送信する。パワーコンディショナ122は、計画需要量が更新された単位時間の開始時刻になると、需要量の実績値と制御データによって示される需要量の計画値とが一致するように、チラー121Bによる需要量を制御する。この例の場合、パワーコンディショナ122は、チラー121Bによる需要量を増やすべく、チラー121Bへ出力する電力量を増やす。
【0093】
そして、パワーコンディショナ122は、単位時間の終了時刻になると、需要場所120における単位時間あたりの需要量の実績値を示す計測データを、電力管理装置130へ送信する。
【0094】
計測データ受信部131は、需要量の実績値を示す計測データを受信すると、計測データによって示される情報を、データ格納部137に格納する。複数の単位時間に渡ってチラー121Bによる需要量を増やした場合、データ格納部137には、図10に示すような情報が格納される。図10に示す例においては、開始時刻「10:00」から終了時刻「10:30」までの単位時間から数えて5コマの各単位時間におけるチラー121Bによる実績需要量が「54(kWh)」となっている。
【0095】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0096】
上記実施形態は、「二次電池と異なる他の発電設備」として太陽光発電設備111Aを例に挙げて説明した。しかし、「二次電池と異なる他の発電設備」は、太陽光発電設備111Aに限定されない。「二次電池と異なる他の発電設備」は、再生可能エネルギーを利用する発電設備であることが望ましい。例えば、上記実施形態は、太陽光発電設備111Aに代えて、又は太陽光発電設備111Aに加えて、風力発電設備やバイオマス発電設備、水力発電設備、地熱発電設備、太陽熱発電設備を採用可能である。
【0097】
上記実施形態は、「特定負荷設備」としてチラー121Bを例に挙げて説明した。しかし、「特定負荷設備」は、一の単位時間よりも長い時間をかけて所定量よりも大きい電気エネルギーを熱エネルギーに変換して引き出すことができればよく、チラー121Bに限定されない。例えば、上記実施形態は、チラー121Bに代えて、又はチラー121Bに加えて、ヒートポンプや水素生成設備、エタノール生成設備、アンモニア生成設備を採用可能である。
【0098】
上記実施形態は、パワーコンディショナ112と電力管理装置130とがWANを介して通信接続される構成を例に挙げて説明した。しかし、パワーコンディショナ112と電力管理装置130とを通信接続するための通信ネットワークは、WANに限定されない。例えば、パワーコンディショナ112と電力管理装置130とは、電力線通信を介して通信接続されてもよい。電力線通信は、電力線を通信回線として利用する技術である。また、例えば、パワーコンディショナ112と電力管理装置130とは、LAN(Local Area Network)を介して通信接続されてもよい。LANは、限られた範囲内にあるコンピュータや通信機器、情報機器などをケーブルや無線電波などで接続し、相互にデータ通信できるようにしたネットワークである。
【0099】
上記実施形態は、パワーコンディショナ122と電力管理装置130とがWANを介して通信接続される構成を例に挙げて説明した。しかし、パワーコンディショナ122と電力管理装置130とを通信接続するための通信ネットワークは、WANに限定されない。例えば、パワーコンディショナ122と電力管理装置130とは、電力線通信を介して通信接続されてもよい。また、例えば、パワーコンディショナ122と電力管理装置130とは、LANを介して通信接続されてもよい。
【0100】
上記実施形態は、発電場所110の中でパワーコンディショナ112が1つである構成を例に挙げて説明した。しかし、パワーコンディショナ112は1つに限定されない。例えば、太陽光発電設備111A用のパワーコンディショナ112と、二次電池111B用のパワーコンディショナ112とがあり、複数台のパワーコンディショナ112が変圧器113に接続されてもよい。あるいは、交流発電設備がパワーコンディショナ112に接続されることに代えて、交流発電設備が直接、交流のまま変圧器113に接続されてもよい。
【0101】
上記実施形態は、需要場所120の中でパワーコンディショナ122が1つである構成を例に挙げて説明した。しかし、パワーコンディショナ122は1つに限定されない。例えば、固有負荷設備121A用のパワーコンディショナ112と、チラー121B用のパワーコンディショナ112とがあり、複数台のパワーコンディショナ122が変圧器123に接続されてもよい。あるいは、交流需要設備がパワーコンディショナ122に接続されることに代えて、交流需要設備が直接、交流のまま変圧器123に接続されてもよい。
【0102】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム及び方法における動作、手順、ステップ及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示していない。各処理の実行順序は、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現し得ることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0103】
100 自己託送システム、110 発電場所、111A 太陽光発電設備、111B 二次電池、112 パワーコンディショナ、113 変圧器、120 需要場所、121A 固有負荷設備、121B チラー、122 パワーコンディショナ、123 変圧器、130 電力管理装置、131 計測データ受信部、132 発電計画部、133 需要計画部、134 発電制御部、135 需要制御部、136 制御データ送信部、137 管理情報格納部、200 電力系統
図1
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図10