IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社犬印本舗の特許一覧

<>
  • 特開-乳幼児の保護者用バッグ 図1
  • 特開-乳幼児の保護者用バッグ 図2
  • 特開-乳幼児の保護者用バッグ 図3
  • 特開-乳幼児の保護者用バッグ 図4
  • 特開-乳幼児の保護者用バッグ 図5
  • 特開-乳幼児の保護者用バッグ 図6
  • 特開-乳幼児の保護者用バッグ 図7
  • 特開-乳幼児の保護者用バッグ 図8
  • 特開-乳幼児の保護者用バッグ 図9
  • 特開-乳幼児の保護者用バッグ 図10
  • 特開-乳幼児の保護者用バッグ 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062389
(43)【公開日】2023-05-08
(54)【発明の名称】乳幼児の保護者用バッグ
(51)【国際特許分類】
   A45C 9/00 20060101AFI20230426BHJP
   A45C 11/00 20060101ALI20230426BHJP
   A47D 7/00 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
A45C9/00 C
A45C11/00 F
A47D7/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021172333
(22)【出願日】2021-10-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2021年 犬印 秋の商談会 大阪:令和3年9月 7日~10日 東京:令和3年9月14日~17日
(71)【出願人】
【識別番号】593196078
【氏名又は名称】株式会社犬印本舗
(74)【代理人】
【識別番号】100158780
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100121359
【弁理士】
【氏名又は名称】小沢 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】峯 浩一
(72)【発明者】
【氏名】島本 和也
(72)【発明者】
【氏名】池田 一彦
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA51
3B045CE10
3B045EA02
3B045EB11
3B045FA05
3B045GA01
3B045GB01
3B045GC02
3B045GD01
3B045LA10
3B045LB04
(57)【要約】
【課題】乳幼児を休憩させ、保護することが可能な乳幼児の保護者用バッグを提供する。
【解決手段】バッグは、乳幼児を横臥させることが可能な展開状態と、バッグとして利用可能な折り畳み状態とに変形可能である。バッグは、展開状態において乳幼児を横臥させることが可能な底面部と、折り畳み状態においてバッグに収容され、展開状態において乳幼児の身長方向に延びる底面部に連結された一対の第1側面部と、バッグの内側面を構成し、展開状態において乳幼児の肩幅方向に延びる底面部に連結された一対の第2側面部と、展開状態において底面部、第1側面部、及び、第2側面部によって形成される収容部の上部開口部を覆うカバー部とを備える。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳幼児を横臥させることが可能な展開状態と、バッグとして利用可能な折り畳み状態とに変形可能な乳幼児の保護者用バッグであって、
前記折り畳み状態において前記バッグに収容され、前記展開状態において前記乳幼児を横臥させることが可能な底面部と、
前記折り畳み状態において前記バッグに収容され、前記展開状態において前記乳幼児の身長方向に延びる、前記底面部に連結された一対の第1側面部と、
前記バッグの内側面を構成し、前記展開状態において前記乳幼児の肩幅方向に延びる、前記底面部に連結された一対の第2側面部と、
前記展開状態において前記底面部、前記第1側面部、及び、前記第2側面部によって形成される収容部の上部開口部を覆うカバー部とを備える、バッグ。
【請求項2】
前記カバー部は、メッシュ素材により構成される、請求項1に記載のバッグ。
【請求項3】
前記バッグ本体は、前記カバー部を固定するための第1固定部を有し、
前記カバー部は、前記バッグに固定するための第2固定部を有し、
前記カバー部は、前記第2固定部を前記第1固定部に接続することにより、前記バッグ本体に着脱自在に接続される、請求項1又は2に記載のバッグ。
【請求項4】
前記バッグ本体は、一対の前記第1固定部を有し、当該一対の前記第1固定部が互いに接続されることで、前記折り畳み状態となり、
前記第2固定部が前記一対の第1固定部のうちの少なくとも何れか一方に接続されることで、前記カバー部は、前記バッグ本体に固定される、請求項3に記載のバッグ。
【請求項5】
前記一対の第2側面部は、その端部に沿って延びる互いに接続可能な固定部を有し、
前記固定部は、前記第2側面部の周方向における略上半分に対応する前記第1固定部と、前記第2側面部の周方向における略下半分に対応する第3固定部とを有し、
前記一対の前記第2側面部における前記第1固定部が互いに接続されるとともに前記一対の前記第2側面部における前記第3固定部が互いに接続されることで、前記一対の第2側面部が互いに接続されて、前記バッグ本体が前記折り畳み状態となり、
前記第2固定部が前記一対の第1固定部のうちの少なくとも何れか一方に接続されることで、前記カバー部が前記バッグ本体に固定される、請求項4に記載のバッグ。
【請求項6】
前記第2側面部は、メッシュ素材により構成される、請求項1から5の何れかに記載のバッグ。
【請求項7】
前記底面部は、前記身長方向における略中央に、前記肩幅方向に延びる折り目を有する、請求項1から6の何れかに記載のバッグ。
【請求項8】
前記一対の第1側面部は、前記底面部から上方に延び、前記底面部から離れるほど互いに近づくように構成される、請求項1から7の何れかに記載のバッグ。
【請求項9】
前記底面部は、前記第1側面部よりもクッション性の高い素材により構成される、請求項1から8の何れかに記載のバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳幼児の保護者が使用するバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、折り畳んでバッグとして使用可能であり、展開して乳幼児を寝かせることが可能な携帯型ベビーベッドがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-213626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の携帯型ベビーベッドでは、乳幼児の保護に関し、改善の余地があった。
【0005】
それ故、本発明の目的は、乳幼児を横臥させ、保護することが可能な乳幼児の保護者用バッグを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。
【0007】
本発明の一例は、乳幼児を横臥させることが可能な展開状態と、バッグとして利用可能な折り畳み状態とに変形可能な乳幼児の保護者用バッグである。バッグは、底面部と、一対の第1側面部と、一対の第2側面部と、カバー部とを備える。底面部は、前記折り畳み状態において前記バッグに収容され、前記展開状態において前記乳幼児を横臥させることが可能である。一対の第1側面部は、前記折り畳み状態において前記バッグに収容され、前記展開状態において前記乳幼児の身長方向に延び、前記底面部に連結される。一対の第2側面部は、前記バッグの内側面を構成し、前記展開状態において前記乳幼児の肩幅方向に延び、前記底面部に連結される。カバー部は、前記展開状態において前記底面部、前記第1側面部、及び、前記第2側面部によって形成される収容部の上部開口部を覆う。
【0008】
上記によれば、折り畳み状態と展開状態とに変形可能な乳幼児の保護者用バッグを構成することができ、底面部、第1側面部、及び、第2側面部によって形成される収容部の上部開口部をカバー部によって覆うことができる。これにより、収容部内に乳幼児を横臥させることができ、収容部内に虫やごみ等が入り難くして、乳幼児を保護することができる。
【0009】
また、他の構成では、前記カバー部は、メッシュ素材により構成されてもよい。
【0010】
上記によれば、カバー部により上部開口部を覆っても通気性を確保することができ、収容部で横臥している乳幼児を外部から視認することができる。
【0011】
また、他の構成では、前記バッグ本体は、前記カバー部を固定するための第1固定部を有し、前記カバー部は、前記バッグに固定するための第2固定部を有し、前記カバー部は、前記第2固定部を前記第1固定部に接続することにより、前記バッグ本体に着脱自在に接続されてもよい。
【0012】
上記によれば、カバー部をバッグ本体に固定することができる。
【0013】
また、他の構成では、前記バッグ本体は、一対の前記第1固定部を有し、当該一対の前記第1固定部が互いに接続されることで、前記折り畳み状態となり、前記第2固定部が前記一対の第1固定部のうちの少なくとも何れか一方に接続されることで、前記カバー部は、前記バッグ本体に固定されてもよい。
【0014】
上記によれば、バッグ本体を折り畳み状態とするための第1固定部を用いて、カバー部をバッグ本体に固定することができる。
【0015】
また、他の構成では、前記一対の第2側面部は、その端部に沿って延びる互いに接続可能な固定部を有してもよい。前記固定部は、前記第2側面部の周方向における略上半分に対応する前記第1固定部と、前記第2側面部の周方向における略下半分に対応する第3固定部とを有してもよい。前記一対の前記第2側面部における前記第1固定部が互いに接続されるとともに前記一対の前記第2側面部における前記第3固定部が互いに接続されることで、前記一対の第2側面部が互いに接続されて、前記バッグ本体が前記折り畳み状態となる。前記第2固定部が前記一対の第1固定部のうちの少なくとも何れか一方に接続されることで、前記カバー部が前記バッグ本体に固定されてもよい。
【0016】
上記によれば、第2側面部の略上半分に対応する第1固定部と略下半分に対応する第3固定部とでバッグ本体を折り畳み状態にし、第2側面部の第1固定部とカバー部の第2固定部とを接続することで、カバー部をバッグ本体に固定することができる。
【0017】
また、他の構成では、前記第2側面部は、メッシュ素材により構成されてもよい。
【0018】
上記によれば、収容部内の通気性を確保することができるとともに、収容部内で横臥している乳幼児を側面方向から視認することができる。
【0019】
また、他の構成では、前記底面部は、前記身長方向における略中央に、前記肩幅方向に延びる折り目を有してもよい。
【0020】
上記によれば、バッグを折り畳む際に折り畳みやすくすることができる。
【0021】
また、他の構成では、前記一対の第1側面部は、前記底面部から上方に延び、前記底面部から離れるほど互いに近づくように構成されてもよい。
【0022】
上記によれば、一対の第1側面部は底面部から垂直よりも小さい角度で上方に延びるように形成される。このため、バッグを折り畳む際に第1側面部が内側に折れ曲がりやすくなり、バッグを折り畳みやすくすることができる。
【0023】
また、他の構成では、前記底面部は、前記第1側面部よりもクッション性の高い素材により構成されてもよい。
【0024】
上記によれば、底面部のクッション性を高めることができ、乳幼児が心地よく休憩することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、乳幼児を横臥させることができる乳幼児の保護者用バッグを構成することができ、収容部内の乳幼児を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本実施形態のバッグ1の外観図
図2】本実施形態のバッグ1の正面図
図3】本実施形態のバッグ1の側面図
図4】線ファスナー21を開放したときの第1収容部の一例を示す図
図5】展開状態のバッグ1の一例を示す図
図6】展開状態のバッグ1を斜め上方から見たときの一例を示す図
図7】展開状態のバッグ1の側面図の一例を示す図
図8】展開状態のバッグ1を折り畳むときの様子を示す図
図9】第2側面部32を正面から見たときの概略図
図10】第2収容部40の開口部を覆うためのカバー部50の一例を示す図
図11】カバー部50を取り付けた場合の展開状態のバッグ1の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、本実施形態の乳幼児の保護者用バッグの一例について説明する。図1は、本実施形態のバッグ1の外観図の一例である。図2は、本実施形態のバッグ1の正面図の一例である。図3は、本実施形態のバッグ1の側面図の一例である。
【0028】
バッグ1は、例えば、乳幼児の保護者が携帯するバッグである。バッグ1は、乳幼児を横臥させることが可能な展開状態と、バッグとして利用する折り畳み状態とに変形可能である。折り畳み状態のバッグ1は、オムツや哺乳瓶等、乳幼児用の様々な物品を収容し、保護者によって携帯可能である。また、展開状態のバッグ1は、外出先の屋外や屋内において、乳幼児を横臥させ、休憩させることが可能である。図1図3では、折り畳み状態のバッグ1が示されている。
【0029】
折り畳み状態のバッグ1は、乳幼児の保護者が持ち運びすることができる程度の大きさを有する。図1に示されるように、バッグ1は、持ち手11、12を有し、保護者が片手で持ち手11、12を把持して携帯することができる。
【0030】
バッグ1の前面には、左右の前ポケット13と、当該前ポケット13を開閉するためのスライダ14及び線ファスナー15とが設けられる。
【0031】
また、図1及び図3に示されるように、バッグ1の上面から側面にかけて、スライダ20を用いて開閉可能な線ファスナー21が設けられる。線ファスナー21の内部には第1収容部が設けられる。図4は、線ファスナー21を開放したときの第1収容部の一例を示す図である。図4に示されるように、第1収容部25には、内ポケット22、23が設けられる。また、第1収容部25には、例えば哺乳瓶を収容するためのボトルポケット24が設けられる。第1収容部25には、乳幼児のための様々な物品(例えば、哺乳瓶やオムツ等)を収容することができる。
【0032】
また、図1及び図3に示されるように、バッグ1の上面から側面、さらに底面にかけて、スライダ30を用いて開閉可能な線ファスナー31が設けられており、当該線ファスナー31を開放することで、バッグ1は、乳幼児を休憩させることが可能な展開状態となる。
【0033】
図5は、展開状態のバッグ1の一例を示す図である。図6は、展開状態のバッグ1を斜め上方から見たときの一例を示す図である。図7は、展開状態のバッグ1の側面図の一例を示す図である。図8は、展開状態のバッグ1を折り畳むときの様子を示す図である。
【0034】
図5に示されるように、バッグ1を展開状態にすると、乳幼児を一時的に休憩させるための第2収容部40が形成される。
【0035】
具体的には、図5及び図6に示されるように、バッグ1は、展開状態において、乳幼児を横臥させることが可能な底面部36と、底面部36に連結され、乳幼児の身長方向(マチ幅方向)に延びる一対の第1側面部34及び35とを備える。バッグ1は、展開状態において底面部36が床等の平面状の載置面に接するように置かれる。第1側面部34及び35は、展開状態において底面部36に対して略垂直な面であり、乳幼児が底面部36に横臥したときに乳幼児の左右方向に位置する面である。
【0036】
また、バッグ1は、当該バッグ1の内側面を構成する面であって、底面部36に連結され、乳幼児の肩幅方向(横方向)に延びる一対の第2側面部32及び33を備える。第2側面部32は、例えば、乳幼児が底面部36に横臥したときに乳幼児の頭部側に位置する面であり、第2側面部33は乳幼児の足側に位置する面である。
【0037】
第2側面部32及び33は、上底よりも下底が長い略台形状に形成される(図9参照)。第2側面部32及び33は、例えば底面部36よりも硬い硬質素材により形成される。第2側面部32には、例えば乳幼児の玩具を固定するための帯38が設けられる。
【0038】
第2側面部32及び33には、その端部に沿って延びる線ファスナー31が設けられる。線ファスナー31は、第2側面部32及び33の端部に沿って周回するように設けられる。第2側面部32の線ファスナー31と、第2側面部33の線ファスナー31とが互いに接続されることで、バッグ1は折り畳み状態となる。
【0039】
第2側面部32及び33の左右の端部には、線ファスナー31よりも内側に、第1側面部34及び35の端部が縫い付けられる。また、第2側面部32及び33の下端部分には、線ファスナー31よりも内側に、底面部36の端部が縫い付けられる。バッグ1が折り畳み状態のときには、底面部36、第1側面部34及び35、第2側面部32及び33は、バッグ1の内部に収納される。
【0040】
図9は、第2側面部32を正面から見たときの概略図である。図9に示されるように、線ファスナー31は、第2側面部32の端部に沿って設けられる。具体的には、第2側面部32の線ファスナー31は、第2側面部32の周方向における略上半分に対応する上ファスナー31aと、第2側面部32の周方向における略下半分に対応する下ファスナー31bとを有する。第2側面部33についても同様に、第2側面部33の線ファスナー31は、第2側面部33の周方向における略上半分に対応する上ファスナー31aと、第2側面部33の周方向における略下半分に対応する下ファスナー31bとを有する。
【0041】
第2側面部32の上ファスナー31aの始端と、第2側面部33の上ファスナー31aの始端とがスライダ30で接続され、当該スライダ30を始端から終端までスライドさせることで(すなわち、スライダ30を周方向に半周させることで)、第2側面部32及び33の上半分が互いに接続される。同様に、第2側面部32の下ファスナー31bの始端と、第2側面部33の下ファスナー31bの始端とが別のスライダで接続され、当該スライダを始端から終端までスライドさせることで、第2側面部32及び33の下半分が互いに接続される。
【0042】
底面部36は、クッション性の高い素材により構成される。底面部36は、略長方形の形状を有し、折り畳み可能に構成される。底面部36の長辺方向の長さは、平均的な乳幼児の身長に基づいて、乳幼児が横臥することが可能なように適宜設定される。また、底面部36の短辺方向は、乳幼児の肩幅方向に対応し、底面部36の短辺方向の長さは、乳幼児が横臥することが可能なように適宜設定される。底面部36は、例えば、通気性の高いメッシュ素材により構成される表地と、裏地との間にポリウレタン、綿、スポンジ等のクッション性の高い素材が挟み込まれることで構成されてもよい。図6に示されるように、底面部36のマチ幅方向の略中央には、マチ幅方向に垂直な折り目37が形成される。
【0043】
また、第1側面部34及び35は、第2側面部32及び33よりも柔らかい素材により構成され、折り畳み可能に構成される。第1側面部34及び35は、例えば軽量で薄いナイロン素材の布により構成されてもよい。第1側面部34及び35は、マチ幅方向を長辺とする略長方形の形状を有する。具体的には、第1側面部34は、支持棒39を収容するための支持棒収容部34aと、通気性及び透過性の高いメッシュ素材により構成されたメッシュ部34bとを有する。同様に、第1側面部35は、支持棒39を収容するための支持棒収容部35aと、通気性及び透過性の高いメッシュ素材により構成されたメッシュ部35bとを有する。
【0044】
支持棒39と第1側面部34及び35の長辺方向の長さとは略等しく形成される。支持棒39は、例えば、比較的短い複数の棒を長手方向に接続することにより構成される。折り畳み状態では、支持棒39は、短い複数の棒に分解されて、折り畳み状態のバッグ1の内部に収容される。第1側面部34及び35の長辺方向の長さは、底面部36の長辺方向の長さとほぼ等しい。支持棒収容部34a及び35aの長辺方向の一方端部には、支持棒39を挿入するための挿入口(図5の35c)が設けられる。当該挿入口に支持棒39が挿入される。これにより、第1側面部34及び35の形状が維持され、第1側面部34及び35は、第2収容部40の側壁として機能する。
【0045】
バッグ1を折り畳む際には、まず、支持棒収容部34a及び35aから支持棒39を抜き取る。次に、図8に示されるように、底面部36を、中央部分の折り目37に沿って折り畳むようにして底から持ち上げ、第2側面部32及び33を互いに近づけて、底面部36、第1側面部34及び35を折り畳む。底面部36、第1側面部34及び35が線ファスナー31の内側になるように折り畳み、線ファスナー31をスライダを用いて閉じることで、バッグ1が折り畳み状態となる。バッグ1を展開状態にする場合は、これとは逆の手順である。
【0046】
展開状態では、底面部36、第1側面部34及び35、第2側面部32及び33によって、上部が開口した略直方体の第2収容部40が形成される。第2収容部40の上部開口部から乳幼児を入れ、マチ幅方向が当該乳幼児の身長方向となるように、底面部36に乳幼児を横臥させる。これにより、乳幼児を第2収容部40内で一時的に休憩させることができる。
【0047】
第1側面部34及び35が、透過性のあるメッシュ部を有するため、保護者は、第2収容部40内で休憩している乳幼児の様子を側面方向から視認することができる。
【0048】
ここで、本実施形態のバッグ1は、第2収容部40の上部開口部を覆うためのカバー部を備える。図10は、第2収容部40の上部開口部を覆うためのカバー部50の一例を示す図である。図11は、カバー部50を取り付けた場合の展開状態のバッグ1の一例を示す図である。
【0049】
カバー部50は、第2側面部32及び33よりも柔らかい素材により構成され、例えば軽量で薄いナイロン素材の布により構成されてもよい。カバー部50は、例えば通気性及び透過性の高いメッシュ素材により構成されてもよい。図10に示されるように、カバー部50は、正面視で略長方形に形成される。カバー部50の長辺方向の長さは、第1側面部34及び35の長辺方向の長さと略等しい。また、カバー部50の短辺方向の長さは、例えば、第2側面部32及び32の周方向の長さの約1/2~3/4程度であってもよい。
【0050】
カバー部50の短辺には、線ファスナー51a及び51bが設けられる。また、線ファスナー51bには、スライダ52が取り付けられる。線ファスナー51a及び51bは、カバー部50をバッグ本体に取り付けるために用いられる。カバー部50がバッグ1に取り付けられた場合に、カバー部50の長辺方向は、展開状態のバッグ1のマチ幅方向と一致する。
【0051】
具体的には、カバー部50の線ファスナー51aの始端(図10)と、第2側面部32の上ファスナー31aの始端(図9)とを、上ファスナー31aに設けられたスライダ30で接続し、当該スライダ30を始端から終端までスライドさせることで、カバー部50の線ファスナー51aと、第2側面部32の上ファスナー31aとが接続される。また、カバー部50の線ファスナー51bの始端(図10)と、第2側面部33の上ファスナー31aの始端(図示せず)とを、カバー部50に設けられたスライダ52で接続し、当該スライダ52を始端から終端までスライドさせることで、カバー部50の線ファスナー51bと、第2側面部33の上ファスナー31aとが接続される。これにより、展開状態のバッグ本体にカバー部50が固定される。
【0052】
図11に示されるように、カバー部50は、第2収容部40の上部開口部を覆うようにバッグ本体に取り付けられる。カバー部50は、第2収容部40の上部開口部から第1側面部34及び35のメッシュ部34b及び35bを覆うように取り付けられる。このようにして、カバー部50によって第2収容部40の上部開口部を覆うことができる。
【0053】
なお、ここでは、カバー部50は、第1側面部34及び35のメッシュ部34b及び35bのほぼ全部を覆うように、短辺方向の長さ(バッグ本体に取り付けられた場合の横方向(肩幅方向)の長さ)が定められているが、カバー部50のサイズは、これに限らない。例えば、カバー部50は、バッグ本体に取り付けられた場合に、第2収容部40の上部開口部の全部を覆い、メッシュ部34b、35bの一部を覆うように構成されてもよい。また、カバー部50は、バッグ本体に取り付けられた場合に、第2収容部40の上部開口部の全部を覆い、メッシュ部34b、35bを覆わないように構成されてもよい。また、カバー部50は、バッグ本体に取り付けられた場合に、第2収容部40の上部開口部の一部を覆うように構成されてもよい。
【0054】
また、線ファスナー51a及び51bは、カバー部50の長辺に設けられてもよい。この場合、カバー部50がバッグ本体に取り付けられた場合に、カバー部50の短辺方向が、展開状態のバッグ1のマチ幅方向(身長方向)と一致する。
【0055】
また、カバー部50は、略正方形に形成されてもよい。この場合、対向する辺に線ファスナー51a及び51bが設けられ、線ファスナー51a及び51bが設けられない辺が、バッグ本体に取り付けられた場合に、展開状態のバッグ1のマチ幅方向と一致するようになる。
【0056】
なお、本実施形態では、カバー部50は透過性の高いメッシュ素材により構成されるものとしたが、カバー部50の少なくとも一部は透過性の低い素材により構成されてもよい。また、上記カバー50の一部又は全部を覆う透過性の低い別のカバーが、カバー50に着脱可能に取り付けられてもよい。例えば、カバー部50のうちの第2収容部40の上部に相当する部分(第2収容部40内の乳幼児から見て上方に相当する部分)が、透過性の低い素材により構成されてもよいし、カバー部50の当該部分に透過性の低い別のカバーが着脱可能に取り付けられてもよい。
【0057】
以上のように、本実施形態のバッグ1は、カバー部50によって第2収容部40の上部開口部を覆うことができる。これにより、例えば虫やごみ、その他の物から乳幼児を保護することができる。
【0058】
また、カバー部50は透過性のあるメッシュ素材により構成されているため、保護者は、収容部40内で休憩している乳幼児の様子を外部から視認することができる。また、カバー部50、第1側面部34及び35が通気性の高い素材により構成されるため、第2収容部40内の通気性を確保することができ、第2収容部40内に熱が籠ることを防止することができる。
【0059】
また、カバー部50は、展開状態のバッグ1から取り外し可能に構成されるため、必要に応じてカバー部50を取り付けたり、取り外したりすることができる。
【0060】
また、例えば、第2収容部40の上部開口部に単に布を被せる場合には、第2収容部40内にいる乳幼児によって当該布が外されたりして、当該布が第2収容部40内に入る可能性があるが、本実施形態では、バッグ本体にカバー部50を固定する構造を有するため、このようなことを防止することができる。
【0061】
また、本実施形態では、カバー部50は、バッグ1を折り畳み状態に維持するための線ファスナー31に接続される。このため、カバー部50をバッグ本体に固定するための固定部を別途設けなくても、折り畳み状態にするための線ファスナー31を用いて、カバー部50をバッグ本体に固定することができる。
【0062】
また、本実施形態では、第2側面部32及び33の略上半分が上ファスナー31aによって接続され、第2側面部32及び33の略下半分が下ファスナー31bによって接続され、バッグ1が折り畳み状態にされる。展開状態では、この上ファスナー31aに、カバー部50の線ファスナー51が接続される。これにより、展開状態におけるバッグ1の略上半分をカバー部50で覆うことができるとともに、バッグ1を折り畳み状態にするための上ファスナー31aを用いて、展開状態においてカバー部50をバッグ本体に固定することができる。
【0063】
また、本実施形態では、第2側面部32及び33の略下半分が下ファスナー31bによって接続されるため、第2側面部32及び33の下半分を接続した状態で、カバー部50や支持棒39を、折り畳んだ状態の底面部36、第1側面部34及び35とともに収容することができる。このため、例えば、第1収容部25にカバー部50や支持棒39を収容しなくてもよく、第1収容部25を有効に活用することができる。
【0064】
また、本実施形態では、底面部36のほぼ中央部分に、マチ幅方向に垂直な折り目37が形成される。これにより、底面部36を折り畳みやすくすることができる。
【0065】
また、本実施形態では、第2側面部32及び33が上底よりも下底が長い略台形状に形成され、第2側面部32及び33の左右の端部に沿って第1側面部34及び35の端部(短辺)が接続される。このため、展開状態において、第1側面部34及び35は、底面部36に対して90度より僅かに小さい角度を有する。すなわち、第1側面部34及び35は、底面部から離れるほど互いに近づくように構成される。これにより、バッグ1を折り畳む際に、底面部36を中央部分の折り目37に沿って折り畳みながら第2側面部32及び33を近づけると、第1側面部34及び35は内側に自然に倒れこむようになり、バッグ1を折り畳みやすくすることができる。
【0066】
(変形例)
以上、本実施形態のバッグ1について説明したが、上記実施形態は単なる一例であり、例えば以下のような変形が加えられてもよい。
【0067】
例えば、上記実施形態では、バッグ1は、第2側面部32及び33に設けられた線ファスナー31を用いて折り畳み状態にされた。他の実施形態では、線ファスナー31に代えて他の固定手段が用いられてもよい。例えば、固定手段として、面ファスナー、複数のボタン、ホック等が用いられてもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、カバー部50がバッグ本体に固定された場合、線ファスナー51a、51bが乳幼児の肩幅方向に延びるように構成されたが、カバー部50がバッグ本体に固定された場合、線ファスナー51a、51bが乳幼児の身長方向に延びるように構成されてもよい。この場合、例えば、第1側面部34及び35(あるいは底面部36でもよい)に、身長方向に延びる線ファスナーが設けられ、カバー部50の線ファスナー51a、51bと、第1側面部34及び35(あるいは底面部36)の線ファスナーとが接続されることで、カバー部50がバッグ本体に固定されてもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、カバー部50は、バッグ1を折り畳み状態とするための線ファスナー31に接続されることで、バッグ本体に接続された。他の実施形態では、カバー部50は、バッグ1を折り畳み状態とするための固定手段とは異なる固定手段を用いて、バッグ本体に接続されてもよい。例えば、バッグ本体には、折り畳み状態とするための線ファスナー31に加えて、カバー部50を固定するための面ファスナーや複数のボタンが設けられてもよい。
【0070】
また、底面部36の上にクッション性の高い着脱可能なマットが敷かれ、当該マットの上に乳幼児を横臥させてもよい。
【0071】
また、底面部36には複数の折り目37が横方向(肩幅方向)に平行に設けられてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、第1側面部34,35は透過性の高いメッシュ素材により構成されるものとしたが、第1側面部34,35は透過性の低い素材により構成されてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、折り畳み状態におけるマチ幅方向を、展開状態における乳幼児の身長方向になるように構成された。他の実施形態では、折り畳み状態におけるマチ幅方向を、展開状態における乳幼児の肩幅方向になるように構成されてもよい。
【0074】
また、上記実施形態において例示された素材は、他の素材に代替されてもよい。例えば、第1側面部34及び35はメッシュ素材ではなく透過性の低い素材により構成されてもよい。また、カバー部50は、メッシュ素材ではなく透過性の低い素材により構成されてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1 バッグ
11、12 持ち手
13 前ポケット
21 線ファスナー
22、23 内ポケット
24 ボトルポケット
25 第1収容部
31 線ファスナー
31a 上ファスナー
31b 下ファスナー
32、33 第2側面部
34 第1側面部
34a 支持棒収容部
34b メッシュ部
35 第1側面部
35a 支持棒収容部
35b メッシュ部
36 底面部
37 縫い目
39 支持棒
40 第2収容部
50 カバー部
51a 線ファスナー
51b 線ファスナー
52 スライダ
53 第2のカバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11