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特開2023-62396ナットの取り外し方法及びナットの取り付け方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062396
(43)【公開日】2023-05-08
(54)【発明の名称】ナットの取り外し方法及びナットの取り付け方法
(51)【国際特許分類】
   F16B 39/12 20060101AFI20230426BHJP
【FI】
F16B39/12 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021172349
(22)【出願日】2021-10-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辻 桃馬
(57)【要約】
【課題】 雄ネジ部材を操作することなく、雄ネジ部材からナットを取り外すことができるナットの取り外し方法を提供する。
【解決手段】 ナットの取り外し方法は、雄ネジ部材に取り付けられるナットを取り外す、ナットの取り外し方法であって、第1治具ナット、第2治具ナットの順に、雄ネジ部材に、第1及び第2治具ナットを取り付ける工程と、第2治具ナットが第1治具ナットに加圧して接するように、第2治具ナットに締め方向への力を加えつつ、ナットに締め方向と反対の緩め方向への力を加える工程と、を含む。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雄ネジ部材に取り付けられるナットを取り外す、ナットの取り外し方法であって、
第1治具ナット、第2治具ナットの順に、前記雄ネジ部材に、前記第1及び第2治具ナットを取り付ける工程と、
前記第2治具ナットが前記第1治具ナットに加圧して接するように、前記第2治具ナットに締め方向への力を加えつつ、前記ナットに前記締め方向と反対の緩め方向への力を加える工程と、を含む、ナットの取り外し方法。
【請求項2】
前記第2治具ナットの外幅寸法は、前記第1治具ナットの外幅寸法よりも、大きい、請求項1に記載のナットの取り外し方法。
【請求項3】
前記第1及び第2治具ナットのそれぞれの厚み寸法は、前記ナットの厚み寸法よりも、小さい、請求項1又は2に記載のナットの取り外し方法。
【請求項4】
雄ネジ部材にナットを取り付ける、ナットの取り付け方法であって、
前記ナット、第2治具ナット、第1治具ナットの順に、前記雄ネジ部材に、前記ナットと前記第2及び第1治具ナットとを取り付ける工程と、
前記第2治具ナットが前記第1治具ナットに加圧して接するように、前記第2治具ナットに緩め方向への力を加えつつ、前記ナットに前記緩め方向と反対の締め方向への力を加える工程と、を含む、ナットの取り付け方法。
【請求項5】
前記第2治具ナットの外幅寸法は、前記第1治具ナットの外幅寸法よりも、大きい、請求項4に記載のナットの取り付け方法。
【請求項6】
前記第1及び第2治具ナットのそれぞれの厚み寸法は、前記ナットの厚み寸法よりも、小さい、請求項4又は5に記載のナットの取り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ナットの取り外し方法及びナットの取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、マンコンベヤの部品は、雄ネジ部材であるボルトと、雄ネジ部材に取り付けられるナットとによって、固定されている(例えば、特許文献1)。ところで、ボルトの頭部が埋められていたり、狭い空間に配置されていたりした場合には、ボルトの頭部を工具(例えば、スパナ、レンチ)で操作する(例えば、挟む)ことができない。斯かる場合には、ボルトからナットを取り外すことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-13884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、第1の課題は、雄ネジ部材を操作することなく、雄ネジ部材からナットを取り外すことができるナットの取り外し方法を提供することである。
【0005】
また、第2の課題は、雄ネジ部材を操作することなく、雄ネジ部材にナットを取り付けることができるナットの取り付け方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ナットの取り外し方法は、雄ネジ部材に取り付けられるナットを取り外す、ナットの取り外し方法であって、第1治具ナット、第2治具ナットの順に、前記雄ネジ部材に、前記第1及び第2治具ナットを取り付ける工程と、前記第2治具ナットが前記第1治具ナットに加圧して接するように、前記第2治具ナットに締め方向への力を加えつつ、前記ナットに前記締め方向と反対の緩め方向への力を加える工程と、を含む。
【0007】
また、ナットの取り外し方法においては、前記第2治具ナットの外幅寸法は、前記第1治具ナットの外幅寸法よりも、大きい、という方法でもよい。
【0008】
また、ナットの取り外し方法においては、前記第1及び第2治具ナットのそれぞれの厚み寸法は、前記ナットの厚み寸法よりも、小さい、という方法でもよい。
【0009】
また、ナットの取り付け方法は、雄ネジ部材にナットを取り付ける、ナットの取り付け方法であって、前記ナット、第2治具ナット、第1治具ナットの順に、前記雄ネジ部材に、前記ナットと前記第2及び第1治具ナットとを取り付ける工程と、前記第2治具ナットが前記第1治具ナットに加圧して接するように、前記第2治具ナットに緩め方向への力を加えつつ、前記ナットに前記緩め方向と反対の締め方向への力を加える工程と、を含む。
【0010】
また、ナットの取り付け方法においては、前記第2治具ナットの外幅寸法は、前記第1治具ナットの外幅寸法よりも、大きい、という方法でもよい。
【0011】
また、ナットの取り付け方法においては、前記第1及び第2治具ナットのそれぞれの厚み寸法は、前記ナットの厚み寸法よりも、小さい、という方法でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、一実施形態に係るナットの取り外し方法を説明する図である。
図2図2は、図1のII-II線の拡大断面図である。
図3図3は、図1のIII-III線の拡大断面図である。
図4図4は、同実施形態に係るナットの取り付け方法を説明する図である。
図5図5は、図4のV-V線の拡大断面図である。
図6図6は、図4のVI-VI線の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、ナットの取り外し方法及びナットの取り付け方法における一実施形態について、図1図6を参照しながら説明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0014】
まず、本実施形態に係るナットの取り外し方法及び取り付け方法を説明するのに先立って、対象となるナットを備える装置について、図1を参照しながら説明する。なお、ナットを備える装置は、以下の構成に限定されない。
【0015】
図1に示すように、ナット11を備える装置10は、例えば、マンコンベヤ10としてもよい。マンコンベヤ10は、例えば、本実施形態のように、乗降場の床を構成する床プレート12と、床プレート12の周囲に配置される構造体13とを備えていてもよい。
【0016】
構造体13は、例えば、本実施形態のように、第1及び第2枠材14,15と、第1及び第2枠材14,15を上下方向D3で挟んで締結するために、互いに螺合する雄ネジ部材16及びナット11とを備えていてもよい。特に限定されないが、雄ネジ部材16は、例えば、本実施形態のように、ネジ16aと頭部16bとを有するボルト16としてもよい。
【0017】
ところで、雄ネジ部材16は、例えば、工具(例えば、スパナ、レンチ)で操作できないように、装置10に取り付けられている場合がある。例えば、本実施形態のように、ボルト16の頭部16bは、床を構成する躯体(例えば、コンクリート)17に埋められている場合がある。
【0018】
ここで、本実施形態に係るナット11の取り外し方法について、図1図3を参照しながら説明する。なお、ナット11の取り外し方法は、以下の方法に限定されない。
【0019】
まず、図1に示すように、ナット11が取り付けられている雄ネジ部材16に対して、第1治具ナット1が、雄ネジ部材16のネジ16aに取り付けられ、その後、第2治具ナット2が、雄ネジ部材16のネジ16aに取り付けられる。これにより、第1治具ナット1が、ナット11と第2治具ナット2との間に配置されている。なお、特に限定されないが、第1及び第2治具ナット1,2の外縁形状は、例えば、本実施形態のように、六角形状としてもよい。
【0020】
そして、第1及び第2治具ナット1,2のそれぞれの厚み寸法H1,H2は、例えば、本実施形態のように、ナット11の厚み寸法H3よりも、小さくなっていてもよい。これにより、雄ネジ部材16のネジ16aのうち、第1及び第2治具ナット1,2を取り付けるために必要となる長さは、短くなる。したがって、例えば、雄ネジ部材16aのネジ16aの長さが短い場合でも、雄ネジ部材16のネジ16aに第1及び第2治具ナット1,2を確実に取り付けることができる。
【0021】
なお、特に限定されないが、第2治具ナット2の厚み寸法H2は、例えば、本実施形態のように、第1治具ナット1の厚み寸法H1と、同じでもよい。また、例えば、第2治具ナット2を操作し易くするために、第2治具ナット2の厚み寸法H2は、第1治具ナット1の厚み寸法H1よりも、大きくてもよい。
【0022】
その後、図1図3に示すように、ナット11は、第1の工具(例えば、スパナ、レンチ)3に挟まれ、第2治具ナット2は、第2の工具(例えば、スパナ、レンチ)4に挟まれる。そして、第2治具ナット2の外幅寸法W2は、例えば、本実施形態のように、第1治具ナット1の外幅寸法W1よりも、大きくてもよい。
【0023】
これにより、第2の工具4が第1及び第2治具ナット1,2の両方に亘って配置された場合でも、第2治具ナット2のみが第2の工具4に挟まって回される。したがって、第1治具ナット1を回すことなく、第2治具ナット2のみを容易に回すことができる。
【0024】
特に限定されないが、第2治具ナット2の外幅寸法W2の最小値は、例えば、本実施形態のように、第1治具ナット1の外幅寸法W1の最大値よりも、大きくてもよい。これにより、第2治具ナット2に対する第1治具ナット1の位置に関わらず、第1治具ナット1を回すことなく、第2治具ナット2のみを容易に回すことができる。なお、各治具ナット1,2の外幅寸法W1,W2とは、各治具ナット1,2のネジ1a,2a(図6も参照)の中心を通る外幅寸法のことである。
【0025】
そして、第2治具ナット2に締め方向D4への力が加えられ、ナット11に緩め方向D5への力が加えられる。なお、締め方向D4とは、雄ネジ部材16に取り付けられるときに回される方向のことであり、緩め方向D5とは、締め方向D4と反対方向であって、雄ネジ部材16から取り外されるときに回される方向のことである。
【0026】
これにより、第2治具ナット2が第1治具ナット1側へ移動しようとするため、第2治具ナット2は、第1治具ナット1に加圧して接する。即ち、ダブルナットの原理によって、第2治具ナット2は、雄ネジ部材16に固定される。そして、第2治具ナット2に、締め方向D4への力が加えられつつ、ナット11に緩め方向D5への力が加えられることによって、ナット11を雄ネジ部材16に対して回すことができる。
【0027】
これにより、ナット11による締結状態を解除することができる。その後、第2治具ナット2、第1治具ナット1、ナット11が、それぞれ緩め方向D5に回されることによって、第2治具ナット2、第1治具ナット1、ナット11を雄ネジ部材16から取り外すことができる。したがって、例えば、工具3,4で操作できない雄ネジ部材16に対して、雄ネジ部材16を操作することなく、雄ネジ部材16からナット11を取り外すことができる。
【0028】
次に、本実施形態に係るナット11の取り付け方法について、図4図6を参照しながら説明する。なお、ナット11の取り付け方法は、以下の方法に限定されない。
【0029】
例えば、図4に示すように、マンコンベヤ10の部品18を取り付けるために、ナット11が雄ネジ部材16に取り付けられてもよい。特に限定されないが、部品18は、例えば、本実施形態のように、床プレート12を支持する支持具18としてもよい。支持具18は、例えば、本実施形態のように、床プレート12を支持する支持部18aと、雄ネジ部材16及びナット11に固定される固定部18bとを備えていてもよい。
【0030】
まず、図4に示すように、例えば、固定部18bの貫通穴(図示していない)に雄ネジ部材16のネジ16aが挿入され、ナット11が雄ネジ部材16のネジ16aに取り付けられ、第2治具ナット2が、雄ネジ部材16のネジ16aに取り付けられ、その後、第1治具ナット1が、雄ネジ部材16のネジ16aに取り付けられる。これにより、第2治具ナット2が、ナット11と第1治具ナット1との間に配置されている。
【0031】
なお、固定部18bによって、雄ネジ部材16のネジ16aのうち、第1及び第2治具ナット1,2を取り付けできる長さは、短くなっている。それに対して、本実施形態においては、第1及び第2治具ナット1,2のそれぞれの厚み寸法H1,H2(図1参照)が、ナット11の厚み寸法H3(図1参照)よりも、小さくなっているため、雄ネジ部材16のネジ16aに第1及び第2治具ナット1,2を確実に取り付けることができる。
【0032】
そして、図4図6に示すように、ナット11は、第1の工具3に挟まれ、第2治具ナット2は、第2の工具4に挟まれる。その後、第2治具ナット2に緩め方向D5への力が加えられ、ナット11に締め方向D4への力が加えられる。このとき、本実施形態においては、第2治具ナット2の外幅寸法W2(図3参照)が、第1治具ナット1の外幅寸法W1(図3参照)よりも、大きくなっているため、第1治具ナット1を回すことなく、第2治具ナット2のみを容易に回すことができる。
【0033】
これにより、第2治具ナット2が第1治具ナット1側へ移動しようとするため、第2治具ナット2は、第1治具ナット1に加圧して接する。即ち、ダブルナットの原理によって、第2治具ナット2は、雄ネジ部材16に固定される。そして、第2治具ナット2に、緩め方向D5への力が加えられつつ、ナット11に締め方向D4への力が加えられることによって、ナット11を雄ネジ部材16に対して回すことができる。
【0034】
これにより、ナット11が締結状態となり、雄ネジ部材16及びナット11が第1枠材14、第2枠材15及び支持具18を上下方向D3で挟んで締結するため、支持具18は、固定される。したがって、例えば、工具3,4で操作できない雄ネジ部材16に対して、雄ネジ部材16を操作することなく、雄ネジ部材16にナット11を取り付けることができる。
【0035】
以上より、本実施形態のように、ナット11の取り外し方法は、雄ネジ部材16に取り付けられるナット11を取り外す、ナット11の取り外し方法であって、第1治具ナット1、第2治具ナット2の順に、前記雄ネジ部材16に、前記第1及び第2治具ナット1,2を取り付ける工程と、前記第2治具ナット2が前記第1治具ナット1に加圧して接するように、前記第2治具ナット2に締め方向D4への力を加えつつ、前記ナット11に前記締め方向D4と反対の緩め方向D5への力を加える工程と、を含む、という方法が好ましい。
【0036】
斯かる方法によれば、第2治具ナット2が締め方向D4に回されて第1治具ナット1に加圧して接するため、第2治具ナット2は、雄ネジ部材16に固定される。そして、第2治具ナット2に締め方向D4への力が加えられつつ、ナット11に緩め方向D5への力が加えられることによって、雄ネジ部材16を操作することなく、雄ネジ部材16からナット11を取り外すことができる。
【0037】
また、本実施形態のように、ナット11の取り外し方法においては、前記第2治具ナット2の外幅寸法W2は、前記第1治具ナット1の外幅寸法W1よりも、大きい、という方法が好ましい。
【0038】
斯かる方法によれば、工具4が第1及び第2治具ナット1,2の両方に亘って配置された場合でも、第2治具ナット2のみが工具4に挟まって回される。これにより、第1治具ナット1を回すことなく、第2治具ナット2のみを容易に回すことができる。
【0039】
また、本実施形態のように、ナット11の取り外し方法においては、前記第1及び第2治具ナット1,2のそれぞれの厚み寸法H1,H2は、前記ナット11の厚み寸法H3よりも、小さい、という方法が好ましい。
【0040】
斯かる方法によれば、第1及び第2治具ナット1,2を取り付けるために必要となる雄ネジ部材16のネジ16aの長さは、短くなる。これにより、雄ネジ部材16のネジ16aに第1及び第2治具ナット1,2を確実に取り付けることができる。
【0041】
また、本実施形態のように、ナット11の取り付け方法は、雄ネジ部材16にナット11を取り付ける、ナット11の取り付け方法であって、前記ナット11、第2治具ナット2、第1治具ナット1の順に、前記雄ネジ部材16に、前記ナット11と前記第2及び第1治具ナット2,1とを取り付ける工程と、前記第2治具ナット2が前記第1治具ナット1に加圧して接するように、前記第2治具ナット2に緩め方向D5への力を加えつつ、前記ナット11に前記緩め方向D5と反対の締め方向D4への力を加える工程と、を含む、という方法が好ましい。
【0042】
斯かる方法によれば、第2治具ナット2が緩め方向D5に回されて第1治具ナット1に加圧して接するため、第2治具ナット2は、雄ネジ部材16に固定される。そして、第2治具ナット2に緩め方向D5への力が加えられつつ、ナット11に締め方向D4への力が加えられることによって、雄ネジ部材16を操作することなく、雄ネジ部材16にナット11を取り付けることができる。
【0043】
また、本実施形態のように、ナット11の取り付け方法においては、前記第2治具ナット2の外幅寸法W2は、前記第1治具ナット1の外幅寸法W1よりも、大きい、という方法が好ましい。
【0044】
斯かる方法によれば、工具4が第1及び第2治具ナット1,2の両方に亘って配置された場合でも、第2治具ナット2のみが工具4に挟まって回される。これにより、第1治具ナット1を回すことなく、第2治具ナット2のみを容易に回すことができる。
【0045】
また、本実施形態のように、ナット11の取り付け方法においては、前記第1及び第2治具ナット1,2のそれぞれの厚み寸法H1,H2は、前記ナット11の厚み寸法H3よりも、小さい、という方法が好ましい。
【0046】
斯かる方法によれば、第1及び第2治具ナット1,2を取り付けるために必要となる雄ネジ部材16のネジ16aの長さは、短くなる。これにより、雄ネジ部材16のネジ16aに第1及び第2治具ナット1,2を確実に取り付けることができる。
【0047】
なお、ナット11の取り外し方法及び取り付け方法は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、ナット11の取り外し方法及び取り付け方法は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0048】
(1)上記実施形態に係るナット11の取り外し方法及び取り付け方法においては、第2治具ナット2の外幅寸法W2は、第1治具ナット1の外幅寸法W1よりも、大きい、という方法である。しかしながら、ナット11の取り外し方法及び取り付け方法は、斯かる方法に限られない。第2治具ナット2の外幅寸法W2は、例えば、第1治具ナット1の外幅寸法W1と、同じ、という方法でもよく、また、例えば、第1治具ナット1の外幅寸法W1よりも、小さい、という方法でもよい。
【0049】
(2)また、上記実施形態に係るナット11の取り外し方法及び取り付け方法においては、第1及び第2治具ナット1,2のそれぞれの厚み寸法H1,H2は、ナット11の厚み寸法H3よりも、小さい、という方法である。しかしながら、ナット11の取り外し方法及び取り付け方法は、斯かる方法に限られない。第1及び第2治具ナット1,2の厚み寸法H1,H2の少なくとも一方は、例えば、ナット11の厚み寸法H3と、同じ、という方法でもよく、また、例えば、ナット11の厚み寸法H3よりも、大きい、という方法でもよい。
【0050】
(3)また、上記実施形態に係るナット11の取り外し方法及び取り付け方法においては、第1治具ナット1の外縁形状は、六角形状である、という方法である。しかしながら、ナット11の取り外し方法及び取り付け方法は、斯かる方法に限られない。第1治具ナット1の外縁形状は、例えば、六角形以外の多角形状である、という方法でもよく、また、例えば、円形状である、という方法でもよい。
【0051】
(4)また、上記実施形態に係るナット11の取り外し方法及び取り付け方法においては、第2治具ナット2の外縁形状は、六角形状である、という方法である。しかしながら、ナット11の取り外し方法及び取り付け方法は、斯かる方法に限られない。
【0052】
例えば、第2治具ナット2は、雄ネジ部材16のネジ16aと螺合するネジ部と、ネジ部に固定され、把持される把持部とを備える、という方法でもよい。斯かる方法によれば、工具を用いることなく、把持部が把持されて、ネジ部が回されることによって、ナット11を取り外したり取り付けたりすることができる。
【符号の説明】
【0053】
1…第1治具ナット、1a…ネジ、2…第2治具ナット、2a…ネジ、3…工具、4…工具、10…マンコンベヤ(装置)、11…ナット、12…床プレート、13…構造体、14…第1枠材、15…第2枠材、16…雄ネジ部材(ボルト)、16a…ネジ、16b…頭部、17…躯体、18…支持具(部品)、18a…支持部、18b…固定部、D3…上下方向、D4…締め方向、D5…緩め方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-08-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雄ネジ部材のネジの取付位置締結状態で取り付けられるナットを、前記雄ネジ部材の前記ネジから取り外す、ナットの取り外し方法であって、
前記雄ネジ部材の前記ネジは、前記取付位置から先端まで、同じ外径であり、
前記方法は、
第1治具ナット、第2治具ナットの順に、前記雄ネジ部材の前記ネジの先端から、前記雄ネジ部材の前記ネジに、前記第1及び第2治具ナットを取り付ける工程と、
前記第2治具ナットが前記第1治具ナットに加圧して接するように、前記第2治具ナットに締め方向への力を加えつつ、前記ナットに前記締め方向と反対の緩め方向への力を加える工程と、を含む、ナットの取り外し方法。
【請求項2】
前記第2治具ナットの外幅寸法は、前記第1治具ナットの外幅寸法よりも、大きい、請求項1に記載のナットの取り外し方法。
【請求項3】
前記第1及び第2治具ナットのそれぞれの厚み寸法は、前記ナットの厚み寸法よりも、小さい、請求項1又は2に記載のナットの取り外し方法。
【請求項4】
雄ネジ部材のネジの取付位置締結状態でナットを取り付ける、ナットの取り付け方法であって、
前記雄ネジ部材の前記ネジは、前記取付位置から先端まで、同じ外径であり、
前記方法は、
前記ナット、第2治具ナット、第1治具ナットの順に、前記雄ネジ部材の前記ネジの先端から、前記雄ネジ部材の前記ネジに、前記ナットと前記第2及び第1治具ナットとを取り付ける工程と、
前記第2治具ナットが前記第1治具ナットに加圧して接するように、前記第2治具ナットに緩め方向への力を加えつつ、前記ナットに前記緩め方向と反対の締め方向への力を加える工程と、を含む、ナットの取り付け方法。
【請求項5】
前記第2治具ナットの外幅寸法は、前記第1治具ナットの外幅寸法よりも、大きい、請求項4に記載のナットの取り付け方法。
【請求項6】
前記第1及び第2治具ナットのそれぞれの厚み寸法は、前記ナットの厚み寸法よりも、小さい、請求項4又は5に記載のナットの取り付け方法。