(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062426
(43)【公開日】2023-05-08
(54)【発明の名称】接合用組成物、接合体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B22F 1/052 20220101AFI20230426BHJP
B22F 9/00 20060101ALI20230426BHJP
B22F 1/00 20220101ALI20230426BHJP
B22F 1/0545 20220101ALI20230426BHJP
B22F 1/054 20220101ALI20230426BHJP
B22F 7/08 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
B22F1/052
B22F9/00 B
B22F1/00 K
B22F1/0545
B22F1/054
B22F7/08 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021172399
(22)【出願日】2021-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000162434
【氏名又は名称】協立化学産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】川名 泰仁
【テーマコード(参考)】
4K017
4K018
【Fターム(参考)】
4K017AA03
4K017AA08
4K017BA02
4K017CA01
4K017CA07
4K017CA08
4K017DA01
4K017DA07
4K017DA09
4K018BA01
4K018BB03
4K018BB04
4K018BB05
4K018BC29
4K018BD04
4K018BD10
4K018CA44
4K018DA21
4K018DA22
4K018JA36
4K018KA32
(57)【要約】
【課題】孔の発生を抑制し、接合強度に優れた接合体を製造可能な接合用組成物、及び接合体の製造方法、並びに、粗大な孔が少なく、接合強度に優れた焼結体を有する接合体を提供する。
【解決手段】銀ナノ粒子(A)と、銀フィラー(B)とを含有し、前記銀ナノ粒子(A)の粒径は100nm未満であり、前記銀フィラー(B)が、粒径が100nm以上で比表面積が0.42~1.2m
2/gの球状フィラーであり、前記銀フィラー(B)に対する前記銀ナノ粒子(A)の質量比(A/B)が0.1~0.55である、接合用組成物。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
銀ナノ粒子(A)と、銀フィラー(B)とを含有し、
前記銀ナノ粒子(A)の粒径は100nm未満であり、
前記銀フィラー(B)が、粒径が100nm以上で比表面積が0.42~1.2m2/gの球状フィラーであり、
前記銀フィラー(B)に対する前記銀ナノ粒子(A)の質量比(A/B)が0.1~0.55である、
接合用組成物。
【請求項2】
前記銀フィラー(B)のタップ密度が5.5g/cm3以上である、請求項1に記載の接合用組成物。
【請求項3】
更に、溶媒(C)を含有し、前記溶媒(C)が流動パラフィンを含む、請求項1又は2に記載の接合用組成物。
【請求項4】
前記質量比(A/B)が0.1~0.3である、請求項1~3のいずれか一項に記載の接合用組成物。
【請求項5】
第1被接合部材と、第2被接合部材とが接合する接合体の製造方法であって、
前記第1被接合部材の接合面に、請求項1~4のいずれか一項に記載の接合用組成物の塗膜を形成し、
前記塗膜上に前記第2被接合部材を配置し、
前記塗膜を焼結する、
接合体の製造方法。
【請求項6】
前記塗膜を無加圧で焼結する、請求項5に記載の接合体の製造方法。
【請求項7】
前記塗膜を焼結する際の焼成条件が、200~300℃の焼成温度で10分以上加熱することである、請求項5又は6に記載の接合体の製造方法。
【請求項8】
前記焼成温度までの昇温レートが3~20℃/分である、請求項7に記載の接合体の製造方法。
【請求項9】
前記焼成温度まで前記昇温レートで連続的に昇温する、請求項8に記載の接合体の製造方法。
【請求項10】
接合面の面積が10mm2以上である、請求項5~9のいずれか一項に記載の接合体の製造方法。
【請求項11】
銀焼結体を介して、第1被接合部材と、第2被接合部材とが接合する接合体であって、
前記銀焼結体が請求項1~4のいずれか一項に記載の接合用組成物の焼結体であり、
接合面の面積が10mm2以上であり、
単位面積あたりの接合強度が15MPa以上である、接合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接合用組成物、接合体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子と基板との接合剤として、銀ペーストを用いることが検討されている。焼結後の銀ペーストは、耐熱性、熱伝導性(放熱性)、導電性などに優れている等のメリットがある。
【0003】
例えば特許文献1には、粒子径が1~20μmの銀粒子と、特定の保護剤で被覆された粒子径が1~300nmの銀粒子を含む銀ペーストが開示されている。
当該特許文献1では板状の銀粒子が用いられている。
【0004】
本発明者らは特許文献2において、接合強度に優れる接合用組成物として、金属粉と、特定の被覆族粒子と、流動パラフィンを含有する接合用組成物を開示している。
また、本発明者らは特許文献3において、接合強度に優れる接合用組成物として、金属粉と、特定の被覆族粒子と、沸点が160~300℃の脂肪族カルボン酸系溶媒又は脂肪族アルデヒド系溶媒を含有する接合用組成物を開示している。
特許文献2及び3の実施例では2mm角のSiチップを接合して接合強度などを評価している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-82385号公報
【特許文献2】特開2020-87765号公報
【特許文献3】特開2020-87766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は接合面の面積がより大きい部材の接合を検討している。接合面の大きい部材の接合において、従来の銀ペーストを用いて接合を行った場合、焼結体中に接合面の面積が小さい場合には問題とならなかった大きな孔(ボイド)が発生しやすいことや、単位面積あたりの接合強度が低下しやすいことがあった。焼結体中に生じたボイドは熱伝導率が低く、例えば被接合部材が半導体素子の場合などにおいては当該素子から発生する熱の排熱性能が低下する。また、接合後の素子にワイヤーボンディングなどの更なる加工を行う際に、ボンディング部の真下付近にボイドがあると素子の局所に力がかかりダメージを与えることがある。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するものであり、孔の発生を抑制し、接合強度に優れた焼結体を製造可能な接合用組成物、及び接合体の製造方法、並びに、粗大な孔が少なく、接合強度に優れた焼結体を有する接合体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る接合用組成物は、
銀ナノ粒子(A)と、銀フィラー(B)とを含有し、
前記銀ナノ粒子(A)の粒径は100nm未満であり、
前記銀フィラー(B)が、粒径が100nm以上で比表面積が0.42~1.2m2/gの球状フィラーであり、
前記銀フィラー(B)に対する前記銀ナノ粒子(A)の質量比(A/B)が0.1~0.55である。
【0009】
上記接合用組成物の一実施形態は、前記銀フィラー(B)のタップ密度が5.5g/cm3以上である。
【0010】
上記接合用組成物の一実施形態は、更に、溶媒(C)を含有し、前記溶媒(C)が流動パラフィンを含む。
【0011】
上記接合用組成物の一実施形態は、前記質量比(A/B)が0.1~0.3である。
【0012】
本発明に係る接合体の製造方法は、
第1被接合部材と、第2被接合部材とが接合する接合体の製造方法であって、
前記第1被接合部材の接合面に、上記本発明に係る接合用組成物の塗膜を形成し、
前記塗膜上に前記第2被接合部材を配置し、
前記塗膜を焼結する。
【0013】
上記接合体の製造方法の一実施形態は、前記塗膜を無加圧で焼結する。
【0014】
上記接合体の製造方法の一実施形態は、前記塗膜を焼結する際の焼成条件が、200~300℃の焼成温度で10分以上加熱することである。
【0015】
上記接合体の製造方法の一実施形態は、前記焼成温度までの昇温レートが3~20℃/分である。
【0016】
上記接合体の製造方法の一実施形態は、前記焼成温度まで前記昇温レートで連続的に昇温する。
【0017】
上記接合体の製造方法の一実施形態は、接合面の面積が10mm2以上である、請求項5~9のいずれか一項に記載の接合体の製造方法。
【0018】
本発明に係る接合体は、
銀焼結体を介して、第1被接合部材と、第2被接合部材とが接合する接合体であって、
前記銀焼結体が上記本発明に係る接合用組成物の焼結体であり、
接合面の面積が10mm2以上であり、
単位面積あたりの接合強度が15MPa以上である。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、孔の発生を抑制し、接合強度に優れた焼結体を製造可能な接合用組成物、及び接合体の製造方法、並びに、粗大な孔が少なく、接合強度に優れた焼結体を有する接合体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る接合用組成物、接合体及びその製造方法について説明する。
なお、本発明において数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
また、本発明において比表面積は単位質量あたりの表面積である。
【0022】
[接合用組成物]
本発明に係る接合用組成物(以下、本接合用組成物ということがある)は、銀ナノ粒子(A)と、銀フィラー(B)とを含有し、前記銀ナノ粒子(A)の粒径は100nm未満であり、前記銀フィラー(B)が、粒径が100nm以上で比表面積が0.42~1.2m2/gの球状フィラーであり、前記銀フィラー(B)に対する前記銀ナノ粒子(A)の質量比(A/B)が0.1~0.55である。
【0023】
本接合用組成物は、粒径が100nm未満の銀ナノ粒子(A)と、粒径が100nm以上で比表面積が0.42~1.2m2/gの球状の銀フィラー(B)とを組合せて用いる。
例えば銀フィラーとして板状のものを用いた場合には、理論上は隙間なく配置され得るが、塗膜形成時の操作で均一に配列することは困難であり、実際上は大きな隙間が形成され焼結時のボイドの原因となることがある。これに対し本接合用組成物における銀フィラー(B)は球状であるため、塗膜とした際に均一に充填されやすい。銀ナノ粒子(A)は塗膜中で、主に、銀フィラー(B)間の隙間に配置され焼結時に銀フィラー(B)同士の結着に寄与する。
ここで本接合用組成物は、前記銀フィラー(B)に対する前記銀ナノ粒子(A)の質量比(A/B)が0.1~0.55である。A/Bを0.1以上とすることで、接合強度が向上する。一方で、A/Bの上限は0.55であり、銀フィラー(B)の割合を比較的高くしている。銀ナノ粒子(A)の割合が高い組成物は塗膜とした際に、銀フィラー(B)間の隙間を銀ナノ粒子(A)が隙間なく充填する。そのため焼成時に気化した溶媒や被覆材などが塗膜外に流れにくくなって滞留し、当該溶媒に起因する粗大なボイドが形成されることがあった。このボイドは、塗膜の中心部から側面までの距離が大きいほど、即ち接合面の面積が大きいほど生じやすかった。
また、銀ナノ粒子(A)の割合が高い組成物は焼成時に体積収縮が生じやすい。体積収縮することで接合強度は高くなりやすい傾向があるが、体積収縮と上記溶媒などの滞留によりボイドが生じやすいものと推定される。本接合用組成物は、上記A/Bを0.55以下とすることで、塗膜中の銀フィラー(B)間に適度な隙間を残し気化した溶媒が側面に流れやすい状態が形成され、又体積収縮が抑制される。その結果ボイドの形成が抑制されると推定される。
また、金属粒子を加熱焼結して接合する場合、加熱後の冷却により、焼結膜、被接合部材含め各材料に収縮が生じ得る。このときに被接合部材に反りが生じ得る。銀ナノ粒子の割合が高い組成物を用いた場合には、銀ナノ粒子の体積収縮の影響により被接合部材に歪な反りを生じることがある。これに対し本接合用組成物を用いた接合体は被接合部材に反りが生じる場合であっても同心円状になり、被接合部材への影響が抑えられる。
【0024】
本接合用組成物は少なくとも、銀ナノ粒子(A)と、銀フィラー(B)とを含有するものであり、更に必要に応じて他の成分を含有してもよいものである。このような本接合用組成物の各成分について順に説明する。
【0025】
<銀ナノ粒子(A)>
本接合用組成物においては、粒径が100nm未満の銀ナノ粒子(A)を用いる。当該銀ナノ粒子(A)は低温焼結性を有し、銀フィラー(B)の結着を促進して接合強度を向上する。
【0026】
銀ナノ粒子(A)の粒径は、100nm未満であればよく、焼成条件などの観点から適宜調整すればよい。銀ナノ粒子(A)の粒径は、80nm以下が好ましく、70nm以下がより好ましい。また、銀ナノ粒子(A)の粒径は、通常、1nm以上であり、5nm以上が好ましく、20nm以上がより好ましい。当該銀ナノ粒子(A)の粒径は一次粒径であり、走査型電子顕微鏡(SEM)により得られた像から測定できる。
銀ナノ粒子(A)の形状は、球状、板状、棒状などいずれの形状であってもよいが、球状が好ましい。なお本発明において球状とは、粒子の長軸aと短軸bとの比(a/b)で表されるアスペクト比が1~2のものを表し、当該アスペクト比は1~1.5が好ましい。
【0027】
銀ナノ粒子(A)は、表面に被覆化合物が被覆していてもよい。被覆化合物を有することで、銀ナノ粒子(A)表面の酸化が抑制され、導電性に優れた接合層が得られる。なお、銀ナノ粒子(A)の粒径は被覆化合物を含めないものとする。
【0028】
前記被覆化合物は、100~300℃の加熱により分解又は揮発しやすいものを選択して用いることが好ましい。当該被覆化合物は、加熱時の脱離性の点から物理吸着又はイオン吸着していることが好ましく、極性基を有する有機化合物が好ましい。極性基としては、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、アルデヒド基、アミド基等が挙げられる。また銀ナノ粒子(A)の分散性やなどの点から直鎖の炭化水素基を有することが好ましい。更に銀ナノ粒子の表面酸化の抑制、銀ナノ粒子の凝集の抑制などの点から、脂肪族アミン、脂肪族アルコール、アミノアルコール、脂肪酸(脂肪族カルボン酸)、脂肪族アルデヒド、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸アミノアルキルエステルが好ましい。被覆化合物は1種類を単独で又は2種類以上を組合せて用いることができる。
【0029】
被覆化合物の具体例としては、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、オレイルアミン等の脂肪族アミン;
ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、オレイルアルコール等の脂肪族アルコール;
エタノールアミン、プロパノールアミン、オクタノールアミン、デカノールアミン、ドデカノールアミン、オレイルアルコールアミン等のアミノアルコール;
酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウンデカン酸、ステアリン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸;
ブタナール、ヘキサナール、オクチナール、ノナナール、デカナール、ウンデシルアルデヒド、オクタデシルアルデヒド、ヘキサデセニルアルデヒド等の脂肪族アルデヒド;
カプロン酸エタノールアミド、カプリル酸プロパノールアミド、ラウリン酸エタノールアミド、トリデシル酸プロパノールアミド、パルミチン酸プロパノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド;
カプロン酸アミノエチルエステル、カプリル酸アミノプロピルエステル、ラウリン酸アミノエチルエステル、ラウリン酸アミノプロピルエステル、パルミチン酸アミノプロピルエステル等の脂肪酸アミノアルキルエステルなどが挙げられる。
【0030】
上記被覆化合物を構成する直鎖の炭化水素基の炭素数は、酸化抑制や溶媒への分散性の点から、3以上が好ましく、5以上がより好ましく、7以上が更に好ましい。また、加熱時の脱離性の点から、当該脂肪族基の炭素数は24以下が好ましく、16以下がより好ましく、12以下が更に好ましい。
【0031】
被覆化合物は、銀ナノ粒子の表面酸化抑制や加熱時の脱離性の点から、銀粒子側に極性基が配置された単分子膜を形成していることが好ましい。また、被覆化合物が単分子膜を形成している場合において、銀ナノ粒子表面の被覆密度は、2.5~5.2分子/nm2であることが好ましい。
【0032】
更に、後述の方法により銀ナノ粒子(A)の粒径の分布を抑え、比較的粒径が均一な銀ナノ粒子を得やすい点から、被覆化合物は脂肪酸又は脂肪族アルデヒドが好ましい。また銀フィラー(B)が酸化皮膜を有する場合、脂肪酸又は脂肪族アルデヒドが当該酸化皮膜を除去する効果も有し、接合強度及び導電性の向上に寄与する。
【0033】
銀ナノ粒子(A)は、実質的に銀からなる粒子であるが、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化銀、水酸化銀や、不可避的に含まれる他の元素を含有してもよい。酸化銀及び水酸化銀の含有割合は、接合強度の点から、銀粒子全量に対して5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましい。また、接合強度の点から銀粒子の銀の純度は、95質量%以上が好ましく、97質量%以上がより好ましく、99質量%以上が更に好ましい。
【0034】
脂肪酸又は脂肪族アルデヒドが被覆した被覆銀ナノ粒子は、例えば、特開2017-179403号公報などを参考に製造できる。当該特開2017-179403号公報の方法によれば平均粒径が10~80nmで、粒径分布が平均粒径±10nm程度の球状の銀ナノ粒子(A)の表面に、脂肪酸又は脂肪族アルデヒドが配置され、単分子膜の被覆層が形成される。当該被覆層の被覆密度は2.5~5.2分子/nm2となり、表面酸化の抑制及び分散性に優れた銀ナノ粒子(A)が得られる。なお、被覆密度は、特開2017-179403号公報の方法を用いて算出できる。
また、銀ナノ粒子(A)に所望の被覆化合物が被覆した市販品を用いてもよい。
【0035】
<銀フィラー(B)>
本接合用組成物において銀フィラー(B)は、粒径が100nm以上で比表面積が0.42~1.2m2/gの球状フィラーを用いる。当該銀フィラーを用いることで、塗膜形成時に銀フィラー(B)が比較的均一に配置されやすく、球同士の充填であるため空間も比較的均一に確保される。
【0036】
銀フィラー(B)の粒径は100nm以上であればよく、上限は得られる焼結体の膜厚などを考慮して適宜調整すればよい。銀フィラー(B)の粒径は、例えば100μm以下とすることができ、50μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましい。また、銀フィラー(B)の粒径は、200nm以上が好ましく、500nm以上がより好ましい。銀フィラー(B)の粒径は一次粒径であり、粒径に応じてSEM又は光学顕微鏡により得られた像から測定できる。
【0037】
銀フィラー(B)は比表面積が0.42~1.2m2/gである。銀ナノ粒子(A)と作用する表面の比率が上記範囲であることで接合強度が向上する。比表面積は、接合強度の店から、中でも、0.6~1.0m2/gが好ましい。なお、銀フィラー(B)の比表面積は窒素ガス吸着法により測定できる。
【0038】
また銀フィラー(B)のタップ密度は、接合強度の点から、5.5g/cm3以上が好ましく、5.8g/cm3以上が好ましい。一方、焼結体のボイドを抑制する点からはタップ密度は7.7g/cm3以下が好ましく、6.7g/cm3以下がより好ましい。
【0039】
銀フィラー(B)は、実質的に銀からなる粒子であるが、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化銀、水酸化銀や、不可避的に含まれる他の元素を含有してもよい。酸化銀及び水酸化銀の含有割合は、接合強度の点から、銀フィラー全量に対して5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましい。また、接合強度の点から銀フィラーの銀の純度は、95質量%以上が好ましく、97質量%以上がより好ましく、99質量%以上が更に好ましい。
【0040】
また、銀フィラー(B)は、酸化などの腐食を抑制する点から、表面処理されていてもよい。表面処理は、例えば、前記銀ナノ粒子(A)における被覆化合物で被覆することや、酸化皮膜を形成することなどが挙げられる。
【0041】
銀フィラー(B)は、公知の方法により製造してもよく、市販品を用いてもよい。市販品としては、三井金属鉱業株式会社製、SL01等が挙げられる。
【0042】
本接合用組成物は、銀フィラー(B)に対する前記銀ナノ粒子(A)の質量比(A/B)が0.1~0.55である。A/Bを上記範囲とすることで、焼結体に粗大な孔の発生することを抑制し、接合強度に優れた接合体を得ることができる。
更に、歪な反りを抑制する点からは、上記質量比(A/B)が0.1~0.5であることが好ましい。
【0043】
<溶媒(C)>
本接合用組成物は、塗工の容易性などの観点から、溶媒(C)を含有することが好ましい。溶媒(C)は、銀ナノ粒子(A)及び銀フィラー(B)を分散可能な溶媒の中から塗膜形成方法(印刷方法)などに応じて適宜選択できる。溶媒は1種単独であっても2種以上を組み合わせた混合溶媒であってもよい。
【0044】
銀ナノ粒子(A)の分散性や、前記被覆化合物との相溶性などの点から、溶媒溶媒(C)は、中でも、脂肪族アミン系溶媒、脂肪族アルコール系溶媒、脂肪族アミノアルコール系溶媒、脂肪族カルボン酸系溶媒、脂肪族アルデヒド系溶媒、テルピンアセテート系溶媒、脂肪族アルカン系溶媒、カルビトール系溶媒を含むことが好ましい。
【0045】
溶媒(C)の具体例としては、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、オレイルアミン等の脂肪族アミン系溶媒;
ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、オレイルアルコール等の脂肪族アルコール系溶媒;
エタノールアミン、プロパノールアミン、オクタノールアミン、デカノールアミン、ドデカノールアミン、オレイルアルコールアミン等の脂肪族アミノアルコール系溶媒;
ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸等の脂肪族カルボン酸系溶媒;
オクタナール、デカナール、ドデカナール、トリデカナール等の脂肪族アルデヒド系溶媒;
1,8-テルピン-1-アセテート、1,8-テルピン-8-アセテート、1,8-テルピン-1,8-ジアセテート等のテルピンアセテート系溶媒;
オクタン、デカン、ドデカン、流動パラフィン等の脂肪族アルカン系溶媒;
ブチルカルビトール、ヘキシルカルビトール、デシルカルビトール等のカルビトール系溶媒、などが挙げられる。
また、銀ナノ粒子(A)の保存性などの点からは、溶媒(C)は、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレートを含むことが好ましい。
【0046】
焼成時等において、銀ナノ粒子(A)及び銀フィラー(B)の酸化を抑制する点からは、溶媒(C)が、脂肪族カルボン酸系溶媒又は脂肪族アルデヒド系溶媒を含むことが好ましく、中でも脂肪族アルデヒド系溶媒を含むことが好ましい。
【0047】
また、溶媒(C)は流動パラフィンを含むことが好ましい。流動パラフィンは、炭素数の異なる脂肪族炭化水素の混合物であって、気化する温度に幅がある。そのため、流動パラフィンは焼成時に徐々に揮発して、塗膜内に滞留しにくく、粗大なボイドを形成が抑制され、接合強度に優れた接合体が得られる。
流動パラフィンの市販品としては、例えば、ハイコールK(カネダ株式会社製)シリーズの流動パラフィンなどが挙げられる。
【0048】
流動パラフィンを用いる場合、その割合は、溶媒(C)全量100質量%に対して、10~80質量%が好ましく、20~70質量%がより好ましい。
また、脂肪族カルボン酸系溶媒又は脂肪族アルデヒド系溶媒を用いる場合、その合計の割合は、溶媒(C)全量100質量%に対して、0.5~20質量%が好ましく、1~10質量%がより好ましい。
【0049】
本接合用組成物中の溶媒(C)の割合は、被接合部材への塗工方法などに応じて適宜調整すればよい。例えば、溶媒(C)を含む本接合用組成物全量100質量%中、溶媒(C)は1~40質量%とすることができ、5~20質量%が好ましい。
また、本接合用組成物中の、銀ナノ粒子(A)と銀フィラー(B)の合計の含有割合は、本接合用組成物全量100質量%中、溶媒(C)は60~99質量%とすることができ、80~95質量%が好ましい。
【0050】
<任意成分>
本接合用組成物は、本発明の効果を奏する範囲で更に他の成分を含有してもよい。当該他の成分としては、酸化防止剤、分散剤、増粘剤、ゲル化剤等が挙げられる。
【0051】
溶媒(C)を用いる場合、本接合用組成物の調製方法は、当該溶媒(C)中に銀ナノ粒子(A)と銀フィラー(B)とを均一に分散できる方法であればよい。例えば、溶媒に銀ナノ粒子と銀フィラーと必要に応じて上記任意成分を添加し、公知の撹拌機や分散機を用いて分散することで接合用組成物が得られる。
【0052】
[接合体の製造方法]
本発明に係る接合体の製造方法(以下、本製造方法ともいう)は、
第1被接合部材と、第2被接合部材とが接合する接合体の製造方法であって、
前記第1被接合部材の接合面に、前記接合用組成物の塗膜を形成し、
前記塗膜上に前記第2被接合部材を配置し、
前記塗膜を焼結するものである。
【0053】
上記本接合方法によれば、粗大な孔が少なく、接合強度の優れた焼結体を有する接合体が得られる。以下、本製造方法ついて説明するが、接合用組成物については前述のとおりであるためここでの説明は省略する。
【0054】
まず、第1被接合部材の接合面に、前記接合用組成物の塗膜を形成する。塗膜の形成方法は、公知の塗布手段及び印刷手段の中から適宜選択できる。塗膜をパターン状に形成でき、厚膜化が可能な点から、ディスペンサー塗布、又はスクリーン印刷が好ましい。
【0055】
ディスペンサー塗布は、前記接合用組成物を定量吐出する装置を用いて塗布する方法である。吐出方式は、特に限定されず、例えば、エアパルス方式、メカニカル方式、非接触方式、プランジャー方式などの中から適宜選択できる。一例として、エアパルス方式のディスペンサーの場合、シリンジに前記接合用組成物を充填し、エアパルスをかけることで接合用組成物を一定量ずつ吐出させ、ドット状など所定のパターンに塗布する方法である。第2被接合部材を軽く押し付けることで、接合用組成物は接合面に濡れ広がる。
またスクリーン印刷は、所定の開口部を有するスクリーンに接合用組成物を塗布し、前記第1被接合部材上に前記スクリーンを配置し、スキージを用いて第1被接合部材にスクリーンを押し付けることで接合用組成物を所定パターンに転写する方法である。
接合用組成物の塗膜の膜厚は、例えば、1~100μmの範囲で適宜調整すればよく、2~80μmが好ましい。
なお第1被接合部材と第2被接合部材は、製造する接合体の用途に応じて適宜選択すればよい。被接合部材の接合面の材質は、焼結温度に対する耐熱性があればよく、例えば、金、銀、銅等の金属類、シリコン、ガラス、無機系セラミックスなどが挙げられる。本接合用組成物との接合性により優れる点からは、前記金属類が好ましい。
【0056】
次いで、接合対象である第2被接合部材の接合面を前記塗膜上に配置する。このとき第2被接合部材から第1被接合部材の方向に加圧して塗膜と密着させてもよい。また、塗膜形成後、第2被接合部材の配置前に塗膜を乾燥させてもよい。
【0057】
次いで、塗膜を焼結して、第1被接合部材と第2被接合部材とを接合する接合層とする。塗膜を焼結するための焼成条件は、銀ナノ粒子(A)の焼結性などを考慮して、適宜調整すればよい。
焼成条件としては、まず、焼成温度までの昇温レートが3~20℃/分とすることが好ましい。昇温レートを3℃/分以上とすることで、焼成温度までの時間を短縮することができ、生産性が向上する。また、本接合用組成物を用いることで、昇温レートが3℃/分以上であっても粗大なボイドの生成が抑制され、接合強度に優れている。まあ、昇温レートを20℃/分以下とすることで、粗大なボイドの生成が抑制される。溶媒の除去などのために焼成温度まで一度に昇温せず、中間温度で予備的に加熱する手法も知られているが、本製造方法においては、一定の昇温レートで焼成温度まで連続的に昇温してもよい。
焼成温度は、銀ナノ粒子(A)の焼結性や溶媒(C)等の有機物の除去性などを考慮して200~300℃とすることが好ましい。焼成温度での加熱時間は10分以上であればよく、15分~12時間、好ましくは20分~2時間の範囲で適宜調整すればよい。焼成時において、接合強度を向上するために加圧してもよいが、本製造方法では無加圧であっても十分な接合強度が得られる。
また焼成は、大気中など酸素存在下で実施してもよく、窒素置換などを行い酸素不存在下で実施してもよい。酸素存在下で焼成する場合、塗膜中の炭素分が除去されやすく接合強度が向上しやすい。一方、他の部材が加熱により酸化されやすい場合には酸素不存在下で焼成することが好ましい。
【0058】
上記本接合体製造方法によれば、例えば、接合面の面積が10mm2以上と比較的大面積のものであっても、粗大な孔が少なく、接合強度に優れた焼結体を得ることができ、第1被接合部材と、第2被接合部材とが高密度化された接合層を介して接合された接合体を得ることができる。
【0059】
このように本製造方法によれば、銀焼結体を介して、第1被接合部材と、第2被接合部材とが接合する接合体であって、前記本接合用組成物の焼結体であり、
接合面の面積が10mm2以上であり、
単位面積あたりの接合強度が15MPa以上である、接合体を得ることができる。
【実施例0060】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0061】
(製造例1:被覆銀ナノ粒子Ag1の製造)
特開2017-179403号公報を参考に、銀ナノ粒子(A)の表面に2.5~5.2nm2の被覆密度でウンデカン酸が被覆した被覆銀ナノ粒子Ag1を製造した。
被覆銀ナノ粒子Ag1の粒径は55nm±10nmであった。得られた被覆銀ナノ粒子Ag1は、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート(溶媒、KHネオケム株式会社製、キョーワノールM)中に分散させて分散液とした(被覆銀ナノ粒子85質量%、溶媒15質量%)。
【0062】
(実施例1)
<1.接合用組成物の調製>
前記被覆銀ナノ粒子Ag1の分散液7.00質量部、銀フィラー(三井金属鉱業株式会社製、SL01;比表面積0.69m2/gの球状粒子、タップ密度6.25g/cm3、粒径D50は1.25μm)11質量部、デカナール0.1質量部、流動パラフィン(カネダ株式会社製、ハイコールK-230)1質量部、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート(KHネオケム株式会社製、キョーワノールM)1.35質量部を混合し、接合用組成物1を得た。
【0063】
<2.接合体の製造>
上記接合用組成物1を用い、以下の4つの接合体を製造した。
(1)下記(1-1)、(1-2)に従って2種の積層体を2つずつ製造した。
(1-1)10mm角の金メッキされたシリコン基板上に上記接合用組成物を塗布し塗膜を形成した。次いで、当該塗膜上に、5mm角の金メッキされたシリコンチップを配置し、焼成前の膜厚が約50μmとなるように加圧して、積層体1を得た。
(1-2)5mm角の金メッキされたシリコン基板上に上記接合用組成物を塗布し塗膜を形成した。次いで、当該塗膜上に、2mm角の金メッキされたシリコンチップを配置し、焼結前の膜厚が約50μmとなるように加圧して、積層体2を得た。
(2)上記積層体1及び2を下記(2-1)、(2-2)の焼成条件で焼成し、計4種の積層体を製造した。
(2-1)窒素置換した雰囲気下で、昇温レート3℃/分で250℃まで昇温し、30分間焼成した。焼成時、電気炉内のN2フローを5L/分として窒素ガスを供給した。焼成後、炉内の温度が50℃を下回るまで窒素フローを続けた。冷却時間はおよそ2時間であった。
(2-2)大気雰囲気下で、昇温レート3℃/分で225℃まで昇温し、30分間焼成した。焼成後、炉内の温度が50℃を下回ったのを確認してから接合体を取り出した。冷却時間はおよそ10分であった。
【0064】
(実施例2~7及び比較例1~8)
実施例1の<1.接合用組成物の調製>において、各成分の種類及び配合量を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして各接合用組成物を得た。
【0065】
次いで、実施例1の<2.接合体の製造>と同様にし、各実施例および比較例の接合用組成物を用いて接合体を製造した。
なお比較例3~8については、上記(1-2)の積層体のみを製造した。
【0066】
[評価]
<接合強度>
上記実施例および比較例で得られた各接合体について、それぞれボンドテスター(Condor Sigma:オランダXYZTEC社製)を用いてダイシェアテストを行い、シェア強度[kgf]及びその単位面積あたりの換算値[MPa]を求めた。結果を表1に示す。
【0067】
【0068】
表1中の銀フィラーは以下の通りである。
・SL01:三井金属鉱業株式会社製、比表面積0.69m2/gの球状粒子、タップ密度6.25g/cm3、粒径D50は1.25μm。
・AG-2-8F:DOWAハイテック株式会社製、比表面積0.97m2/gの球状粒子、粒径D50は0.9μm。
・AG-3-8-FDI:DOWAハイテック株式会社製、比表面積0.49m2/gの球状粒子、粒径D50は1.7μm。
・AG-4-8F:DOWAハイテック株式会社製、比表面積0.44m2/gの球状粒子、タップ密度5.2g/cm3、粒径D50は1.9μm。
・SPQ03R:比表面積1.40m2/gの球状粒子、タップ密度4.6g/cm3、粒径D50は0.8μm。
・SPN10JS:比表面積0.40m2/gの球状粒子、タップ密度5.3g/cm3、粒径D50は2.0μm。
・SPH02J:比表面積1.66m2/gの凝集粉、タップ密度2.8g/cm3、粒径D50は1.8μm。
【0069】
<断面観察>
上記<2.接合体の製造>の(2-1)、(2-2)の焼成条件において、昇温レートをいずれも10℃/分に変更した以外は上記と同様にして積層体を製造した。
各接合体を、接合面の中央部付近を通るように切断し切断面を観察した。結果を表2に示す。また比較例1、実施例2及び実施例3の断面のSEM像を
図1~
図6に示す。なお
図1~6はいずれも上段が大気雰囲気下で焼成した接合体のSEM像であり、下段が窒素雰囲気下で焼成した接合体のSEM像である。
(評価基準)
〇(良):3μm以上のボイドが観察されなかった。
×(不可):3μm以上のボイド、又は剥離が観察された。
【0070】
【0071】
<体積抵抗率>
アセトンで洗浄したスライドガラスの両端に厚み50μmのカプトンテープを貼り付けた。当該スライドガラス上に前記実施例及び比較例の接合用組成物を各々塗布し、スキージして厚みが50μmの塗膜を形成した。カプトンテープを剥がし、窒素置換した雰囲気下で、昇温レート3℃/分で250℃まで昇温し30分間焼成した。焼成時、電気炉内のN2フローを5L/分として窒素ガスを供給した。
得られた短冊状の焼結体の厚みを3カ所測定し、4探針法で体積抵抗率を測定した(株式会社共和理研製抵抗率測定器MODELK-705RSを使用)。
別途、焼成条件を大気雰囲気下で、昇温レート3℃/分で225℃まで昇温し、30分間焼成に変更下以外は上記と同様の方法で製造した焼結体についても同様の測定を行った。結果を表3に示す。
【0072】
【0073】
[結果のまとめ]
図1に示されるように比較例1の接合用組成物であっても接合面が4mm
2程度の場合には粗大なボイドの発生は見られない。しかしながら
図2に示されるように接合面が25mm
2の場合には中央部付近のボイドの発生が目立つようになる。
これに対し、
図3~
図6に示されるように、銀ナノ粒子(A)と、銀フィラー(B)との質量比(A/B)を0.1~0.55の範囲に調整した実施例2及び実施例3の接合用組成物は接合面が25mm
2の場合であっても粗大なボイドの発生が見られなかった。
表1~3に示されるように、粒径100nm未満の銀ナノ粒子(A)と、粒径が100nm以上で比表面積が0.5~1.2m
2/gの球状フィラー(B)を質量比(A/B)0.1~0.88で組合せた本接合用組成物は、接合面の面積が10mm
2以上であっても、粗大なボイドがなく、接合強度が15MPa以上を達成可能であることが示された。