IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クライムプロダクツ株式会社の特許一覧

特開2023-62530ワーク貼合装置、およびワーク貼合方法
<>
  • 特開-ワーク貼合装置、およびワーク貼合方法 図1
  • 特開-ワーク貼合装置、およびワーク貼合方法 図2
  • 特開-ワーク貼合装置、およびワーク貼合方法 図3
  • 特開-ワーク貼合装置、およびワーク貼合方法 図4
  • 特開-ワーク貼合装置、およびワーク貼合方法 図5
  • 特開-ワーク貼合装置、およびワーク貼合方法 図6
  • 特開-ワーク貼合装置、およびワーク貼合方法 図7
  • 特開-ワーク貼合装置、およびワーク貼合方法 図8
  • 特開-ワーク貼合装置、およびワーク貼合方法 図9
  • 特開-ワーク貼合装置、およびワーク貼合方法 図10
  • 特開-ワーク貼合装置、およびワーク貼合方法 図11
  • 特開-ワーク貼合装置、およびワーク貼合方法 図12
  • 特開-ワーク貼合装置、およびワーク貼合方法 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062530
(43)【公開日】2023-05-08
(54)【発明の名称】ワーク貼合装置、およびワーク貼合方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 63/02 20060101AFI20230426BHJP
   B29C 65/48 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
B29C63/02
B29C65/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021172561
(22)【出願日】2021-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】596149604
【氏名又は名称】クライムプロダクツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148138
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡
(72)【発明者】
【氏名】薦田 大介
【テーマコード(参考)】
4F211
【Fターム(参考)】
4F211AC03
4F211AD08
4F211AG03
4F211SA03
4F211SC06
4F211SD01
4F211SJ13
4F211SJ15
4F211SJ23
4F211SN01
4F211SP03
4F211TA03
4F211TC02
4F211TD11
4F211TJ13
4F211TJ15
4F211TJ23
4F211TN42
4F211TQ04
(57)【要約】
【課題】第1ワークと第2ワークの1回あたりの貼合処理に要する時間を短縮して、貼合処理の生産性を向上できるワーク貼合装置を提供する
【解決手段】本発明のワーク貼合装置は、シート供給機構2、ワーク載置台3、ワーク搬送機構4、回転貼合台5、および貼合機構6などで構成される。準備工程を含む初期貼合処理が終了したら、ワーク搬送機構4による第2ワークW2の移送と、貼合ローラー37による両ワークW1・W2の貼合と、台駆動機構30による回転貼合台5の反転駆動を記載順に繰返し連続して行って、回転貼合台5の貼合面31のそれぞれに、両ワークW1・W2の貼合体を積層状に形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続シート状の第1ワーク(W1)を繰出し供給するシート供給機構(2)と、
複数個の貼合面(31)を有し、水平軸の周りに回転駆動されて、第1ワーク(W1)を巻取りながら、貼合面(31)の一つを貼合姿勢に保持する回転貼合台(5)と、
回転貼合台(5)に隣接配置され、平板状の第2ワーク(W2)が積層載置されるワーク載置台(3)と、
ワーク載置台(3)上の第2ワーク(W2)を吸着保持して、貼合姿勢に保持された貼合面(31)上に移送するワーク搬送機構(4)と、
回転貼合台(5)に接続された第1ワーク(W1)を貼合ローラー(37)で第2ワーク(W2)に押付けて両ワーク(W1・W2)を貼合する貼合機構(6)と、
を備えており、
回転貼合台(5)は台駆動機構(30)で断続的に回転駆動されて、第1ワーク(W1)を巻取りながら、第1ワーク(W1)および第2ワーク(W2)の貼合体を貼合位置から退避させ、新たな貼合面(31)を貼合姿勢に保持しており、
ワーク搬送機構(4)による第2ワーク(W2)の新たな貼合面(31)上への移送と、貼合機構(6)による第1ワーク(W1)と第2ワーク(W2)の貼合と、台駆動機構(30)による回転貼合台(5)の回転駆動とを繰返し連続して行って、第1ワーク(W1)と第2ワーク(W2)の貼合体の一群を、回転貼合台(5)の貼合面(31)上に積層形成するように構成されていることを特徴とするワーク貼合装置。
【請求項2】
ワーク載置台(3)が前段載置台(3A)と後段載置台(3B)とで構成されて、後段載置台(3B)が回転貼合台(5)と前段載置台(3A)との間に配置されており、
ワーク搬送機構(4)は、前段載置台(3A)上の第2ワーク(W2)を吸着保持して後段載置台(3B)へ移送する前段搬送機構(4A)と、後段載置台(3B)上の第2ワーク(W2)を吸着保持して回転貼合台(5)の貼合面(31)上に移送する後段搬送機構(4B)とで構成されており、
前段搬送機構(4A)と後段搬送機構(4B)とが往復移動して、前段搬送機構(4A)が第2ワーク(W2)を前段載置台(3A)から後段載置台(3B)へ移送し、後段搬送機構(4B)が後段載置台(3B)上の第2ワーク(W2)を回転貼合台(5)の貼合面(31)上に移送する請求項1に記載のワーク貼合装置。
【請求項3】
第2ワーク(W2)に貼合された第1ワーク(W1)の貼合終端の外縁部を下層の第1ワーク(W1)に溶着固定する溶着機構(7)を備える請求項2に記載のワーク貼合装置。
【請求項4】
連続シート状の第1ワーク(W1)を繰出し供給するシート供給機構(2)と、複数個の貼合面(31)を有し、水平軸の周りに回転駆動されて、第1ワーク(W1)を巻取りながら、貼合面(31)の一つを貼合姿勢に保持する回転貼合台(5)と、回転貼合台(5)に隣接配置され、平板状の第2ワーク(W2)が積層載置されるワーク載置台(3)と、ワーク載置台(3)上の第2ワーク(W2)を吸着保持して、貼合姿勢に保持された貼合面(31)上に移送するワーク搬送機構(4)と、回転貼合台(5)に接続された第1ワーク(W1)を貼合ローラー(37)で第2ワーク(W2)に押付けて両ワーク(W1・W2)を貼合する貼合機構(6)と、を備えるワーク貼合装置を使ったワーク貼合方法であって、
シート供給機構(2)から繰出された連続シート状の第1ワーク(W1)の繰出し端を回転貼合台(5)のクランプ(26)に固定する準備工程と、
回転貼合台(5)に隣接配置したワーク載置台(3)上の第2ワーク(W2)を、ワーク搬送機構(4)で保持して回転貼合台(5)の貼合面(31)に移送するワーク移送工程と、
回転貼合台(5)に接続された第1ワーク(W1)を、貼合機構(6)の貼合ローラー(37)で第2ワーク(W2)に押付けて両ワーク(W1・W2)を貼合する貼合工程と、
回転貼合台(5)を断続的に回転駆動して、第1ワーク(W1)を巻取りながら、第1ワーク(W1)および第2ワーク(W2)の貼合体を貼合位置から退避させて、新たな貼合面(31)を貼合姿勢に保持する貼合台回転工程とからなり、
ワーク移送工程と貼合工程と貼合台回転工程を繰返し連続して行って、回転貼合台(5)の貼合面(31)上に第1ワーク(W1)と第2ワーク(W2)が貼合された一群の貼合体を積層形成することを特徴とするワーク貼合方法。
【請求項5】
第1ワーク(W1)の貼合終端の外縁部を貼合ローラー(37)で押さえつけた状態のままで、第1ワーク(W1)の貼合終端と貼合ローラー(37)との間の第1ワーク(W1)を下層の第1ワーク(W1)に溶着固定する溶着工程を含む請求項4に記載のワーク貼合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平板状のワークにシート状のワークを貼合するためのワーク貼合装置とワーク貼合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、この種のワーク貼合装置を先に提案している(特許文献1)。特許文献1のワーク貼合装置は、搬送ベルト上に吸着した第1ワークを貼合位置へ向かって間欠的に送給するコンベア装置と、複数の吸着台で吸着した第2ワークを間欠的に回転操作して、貼合位置に送給された第1ワークと正対させる回転台と、第1剥離装置および第2剥離装置と、回転台を間欠回転する過程で各ワークの位置ずれを矯正する位置決め装置と、位置決め後の第1ワークを貼合ローラーで第2ワークに押し付けて、両ワークを貼合する貼合装置などで構成される。なお、特許文献1のワーク貼合装置は、例えば液晶基板やプラズマディスプレイ基板などの平板状のワークに、偏光シート、反射防止フィルム、電磁波シールドフィルム、或いは紫外線シールドフィルムなどの機能性シートを貼合する際に使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-3037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のワーク貼合装置によれば、第1ワークおよび第2ワークの供給、保護紙の剥離、位置決め、および貼合ローラーによる貼合を連続して行うことができるので、各工程間の待機時間を短縮して、一連の貼合処理に要する時間を短縮し生産性を向上できる。しかし、回転台を90度ずつ270度まで回転させる間に、ワークの供給、保護紙の剥離、位置決め、および貼合ローラーによる貼合を順次行い、その後に回転台を270度逆回転させて初期状態に戻す必要があるので、各工程間の待機時間をある程度は短縮できるものの、一連の貼合処理に要する時間の短縮度合いに限界があった。
【0005】
本発明の目的は、第1ワークと第2ワークを連続的に貼合処理して両ワークの貼合体の一群を積層状に形成することにより、両ワークの1回あたりの貼合処理に要する時間を短縮して、貼合処理の生産性をさらに向上できるようにしたワーク貼合装置とワーク貼合方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るワーク貼合装置は、連続シート状の第1ワークW1を繰出し供給するシート供給機構2と、複数個の貼合面31を有し、水平軸の周りに回転駆動されて、第1ワークW1を巻取りながら、貼合面31の一つを貼合姿勢に保持する回転貼合台5と、回転貼合台5に隣接配置され、平板状の第2ワークW2が積層載置されるワーク載置台3と、ワーク載置台3上の第2ワークW2を吸着保持して、貼合姿勢に保持された貼合面31上に移送するワーク搬送機構4と、回転貼合台5に接続された第1ワークW1を貼合ローラー37で第2ワークW2に押付けて両ワークW1・W2を貼合する貼合機構6とを備える。回転貼合台5は台駆動機構30で断続的に回転駆動されて、第1ワークW1を巻取りながら、第1ワークW1および第2ワークW2の貼合体を貼合位置から退避させ、新たな貼合面31を貼合姿勢に保持している。ワーク搬送機構4による第2ワークW2の新たな貼合面31上への移送と、貼合機構6による第1ワークW1と第2ワークW2の貼合と、台駆動機構30による回転貼合台5の回転駆動を繰返し連続して行って、第1ワークW1と第2ワークW2の貼合体の一群を、回転貼合台5の貼合面31上に積層形成するように構成されていることを特徴とする。
【0007】
ワーク載置台3は前段載置台3Aと後段載置台3Bとで構成されて、後段載置台3Bは回転貼合台5と前段載置台3Aとの間に配置されている。ワーク搬送機構4は、前段載置台3A上の第2ワークW2を吸着保持して後段載置台3Bへ移送する前段搬送機構4Aと、後段載置台3B上の第2ワークW2を吸着保持して回転貼合台5の貼合面31上に移送する後段搬送機構4Bとで構成される。前段搬送機構4Aと後段搬送機構4Bとは往復移動して、前段搬送機構4Aが第2ワークW2を前段載置台3Aから後段載置台3Bへ移送し、後段搬送機構4Bが後段載置台3B上の第2ワークW2を回転貼合台5の貼合面31上に移送する。
【0008】
第2ワークW2に貼合された第1ワークW1の貼合終端の外縁部を下層の第1ワークW1に溶着固定する溶着機構7を備える。
【0009】
また、本発明は、連続シート状の第1ワークW1を繰出し供給するシート供給機構2と、複数個の貼合面31を有し、水平軸の周りに回転駆動されて、第1ワークW1を巻取りながら、貼合面31の一つを貼合姿勢に保持する回転貼合台5と、回転貼合台5に隣接配置され、平板状の第2ワークW2が積層載置されるワーク載置台3と、ワーク載置台3上の第2ワークW2を吸着保持して、貼合姿勢に保持された貼合面31上に移送するワーク搬送機構4と、回転貼合台5に接続された第1ワークW1を貼合ローラー37で第2ワークW2に押付けて両ワークW1・W2を貼合する貼合機構6と、を備えるワーク貼合装置を使ったワーク貼合方法を対象とする。シート供給機構2から繰出された連続シート状の第1ワークW1の繰出し端を回転貼合台5のクランプ26に固定する準備工程と、回転貼合台5に隣接配置したワーク載置台3上の第2ワークW2を、ワーク搬送機構4で保持して回転貼合台5の貼合面31に移送するワーク移送工程と、回転貼合台5に接続された第1ワークW1を、貼合機構6の貼合ローラー37で第2ワークW2に押付けて両ワークW1・W2を貼合する貼合工程と、回転貼合台5を断続的に回転駆動して、第1ワークW1を巻取りながら、第1ワークW1および第2ワークW2の貼合体を貼合位置から退避させて、新たな貼合面31を貼合姿勢に保持する貼合台回転工程とからなる。そして、ワーク移送工程と貼合工程と貼合台回転工程を繰返し連続して行って、回転貼合台5の貼合面31上に第1ワークW1と第2ワークW2が貼合された一群の貼合体を積層形成することを特徴とする。
【0010】
第1ワークW1の貼合終端の外縁部を貼合ローラー37で押さえつけた状態のままで、第1ワークW1の貼合終端と貼合ローラー37の間の第1ワークW1を下層の第1ワークW1に溶着固定する溶着工程を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るワーク貼合装置は、シート供給機構2、ワーク載置台3、ワーク搬送機構4、回転貼合台5、および貼合機構6などで構成し、貼合準備を含む初期貼合処理が終了したのちは、ワーク搬送機構4による第2ワークW2の移送と、貼合ローラー37による両ワークW1・W2の貼合と、台駆動機構30による回転貼合台5の回転駆動を繰返し連続して行うことで、回転貼合台5の貼合面31のそれぞれに、両ワークW1・W2の貼合体を積層形成できるようにした。こうした本発明のワーク貼合装置によれば、従来の貼合装置とは異なり、一連の貼合サイクルごとに回転貼合台を初期状態に戻す必要がないので、その分だけ第1ワークW1と第2ワークW2の1回あたりの貼合処理に要する時間を短縮して、貼合処理の生産性を向上できる。
【0012】
前段載置台3Aと後段載置台3Bとでワーク載置台3を構成し、前段搬送機構4Aと後段搬送機構4Bとでワーク搬送機構4を構成するようにした。こうしたワーク貼合装置によれば、ワーク移送時において、前段搬送機構4Aと後段搬送機構4Bが往復移動して、第2ワークW2を前段載置台3Aから後段載置台3Bへ移送し、後段載置台3B上の第2ワークW2を回転貼合台5の貼合面31上に移送できるので、ワーク移送に要する時間を短縮して、その分だけ1回あたりの貼合処理に要する時間を短縮できる。また、第2ワークW2の上面が保護紙で覆われているような場合には、後段載置台3B上の第2ワークW2を後段搬送機構4Bで回転貼合台5へ移送する間に、前段搬送機構4Aで移送される第2ワークW2の保護紙を剥離装置で剥離できるので、一連の貼合処理に要する処理時間をさらに短縮できる。
【0013】
第2ワークW2に貼合された第1ワークW1の貼合終端の外縁部を下層の第1ワークW1に溶着固定する溶着機構7を備えるものとした。これによれば、第1ワークW1の貼合終端と貼合ローラー37との間の第1ワークW1を下層の第1ワークW1に一体に固定することができるので、回転貼合台5を台駆動機構30で回転駆動する際に、両ワークW1・W2の貼合面に第1ワークW1の張力が作用して、第1ワークW1が第2ワークW2から剥離するのを確実に防止できる。したがって、第2ワークW2に対する第1ワークW1の貼合に連続する、回転貼合台5による第1ワークW1の巻取りを常に安定した状態で行うことができる。
【0014】
本発明に係るワーク貼合方法においては、準備工程と、ワーク移送工程と、貼合工程と、貼合台反転工程とを順次行って、第2ワークW2に第1ワークW1を連続して貼合できるようにした。とくに、準備工程を含む初期貼合処理が終了したのちの連続貼合工程においては、ワーク移送工程と貼合工程と溶着工程と貼合台反転工程とを繰返し連続して行って、回転貼合台5の複数の貼合面31上に第1ワークW1と第2ワークW2が貼合された一群の貼合体を連続して形成できるようにした。こうしたワーク貼合方法によれば、回転貼合台5の貼合面31のそれぞれに、両ワークW1・W2の貼合体の一群を積層状に形成できる。したがって、従来の貼合装置とは異なり、一連の貼合サイクルごとに回転貼合台を初期状態に戻す必要がなく、その分だけ第1ワークW1と第2ワークW2の1回あたりの貼合処理に要する時間を短縮して、貼合処理の生産性を向上できる。
【0015】
第1ワークW1の貼合終端の外縁部を貼合ローラー37で押さえつけた状態のままで、第1ワークW1の貼合終端と貼合ローラー37との間の第1ワークW1を下層の第1ワークW1に溶着固定する溶着工程を含むと、第1ワークW1の貼合終端と貼合ローラー37との間の第1ワークW1を下層の第1ワークW1に一体に固定することができるので、回転貼合台5を台駆動機構30で回転駆動する際に、両ワークW1・W2の貼合面に第1ワークW1の張力が作用して、第1ワークW1が第2ワークW2から剥離するのを確実に防止できる。したがって、第2ワークW2に対する第1ワークW1の貼合に連続する、回転貼合台5による第1ワークW1の巻取りを常に安定した状態で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係るワーク貼合装置の正面図である。
図2図1におけるA矢視図である。
図3図1におけるB矢視図である。
図4】回転貼合台の平面図である。
図5】貼合手順のワーク移送工程を示す説明図である。
図6】貼合手順のワーク移送工程と貼合工程を示す説明図である。
図7】貼合手順の貼合台反転工程と2回目のワーク移送工程を示す説明図である。
図8】貼合手順の2回目の貼合工程と溶着工程を示す説明図である。
図9】貼合手順の2回目の貼合台反転工程と、3回目のワーク移送工程を示す説明図である。
図10】貼合手順の連続貼合工程(3回目の貼合工程と2回目の溶着工程)を示す説明図である。
図11】貼合手順のシート切断工程を示す説明図である。
図12】シート切断工程後のブランク貼合体を模式的に示す正面図である。
図13】仕上げ切断が施されたブランク貼合体の斜視図および正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施形態) 図1から図13は、本発明に係るワーク貼合装置の実施形態を示す。本実施形態における前後、左右、上下とは、図1および図2に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。図1においてワーク貼合装置は、前後一対のフレーム1・1を備えており、前後のフレーム1・1の間にシート供給機構2と、ワーク載置台3と、ワーク搬送機構4と、回転貼合台5と、貼合機構6と、溶着機構7などが配置されている。
【0018】
シート供給機構2は、フレーム1・1で回転自在に軸支されて第1ワークW1の原反ロールRを支持するロール軸10と、原反ロールRのシート繰出し量を常に一定にする制動体(図示していない)と、フレーム1・1の上部に配置した3個のガイドローラー11と、原反ロールRの近傍の2個のガイドローラー11の下方に配置されて、両ローラー11に対して昇降移動しながら、第1ワークW1に一定の張力を作用させるテンション機構12などで構成される。原反ロールRから繰出された連続シート状の第1ワークW1は、1番目のガイドローラー11で下向きに反転案内されて、テンション機構12のテンションローラー13で上向きに反転案内されたのち、2番目と3番目のガイドローラー11で水平に案内され、3番目のガイドローラー11に支えられた状態で回転貼合台5に向かって下り傾斜状に送給案内される。
【0019】
ワーク載置台3は前段載置台3Aと後段載置台3Bで構成される。これら前段載置台3Aと後段載置台3Bとは、回転貼合台5とシート供給機構2の間に配置されている。前段載置台3Aは、シート供給機構2の近傍に配置され、後段載置台3Bは回転貼合台5と前段載置台3Aの間に配置されている。前段載置台3Aには、平板状の第2ワークW2の一群が載置されている。前段載置台3Aの台部分は、図示していない昇降機構で、第2ワークW2が移送されるごとに、第2ワークW2の厚み分だけ上昇操作される。後段載置台3Bの下面には、後段載置台3B上の第2ワークW2の載置姿勢を検知する左右一対の前段カメラ8Aが設けられている。
【0020】
ワーク搬送機構4は、前段載置台3A上の第2ワークW2を吸着保持して後段載置台3Bへ移送する前段搬送機構4Aと、後段載置台3B上の第2ワークW2を吸着保持して回転貼合台5の貼合面31上に移送する後段搬送機構4Bとで構成される。前段および後段の搬送機構4A・4Bは、前後のフレーム1・1に固定したガイドレール15で左右スライド自在に案内支持されている。詳しくは、図2に示すように、前段および後段の搬送機構4A・4Bは、前後のガイドレール15で案内支持される逆L字状の搬送フレーム16と、搬送フレーム16上に固定される前後の操作機構17と、操作機構17の昇降軸18で支持される搬送テーブル19と、搬送テーブル19の下面に設けられて第2ワークW2を吸着保持する吸着台20と、搬送フレーム16と前後いずれかのフレーム1との間に配置されて、各搬送機構4A・4Bを往復駆動する駆動機構(図示していない)などで構成されている。後段搬送機構4Bにおいては、吸着台20の回転貼合台5側の側縁に、後段搬送機構4Bが第2ワークW2を回転貼合台5に移送する際に第1ワークW1を受止める保持ローラー21が設けられている。また、後段搬送機構4Bの操作機構17は位置決め装置を備えている。
【0021】
図3および図4に示すように、回転貼合台5は、前後一対の台枠24の間に固定される平板状の台板25と、台板25の側端に固定されるクランプ26と、台枠24の側端に配置される巻取りローラー27と、台枠24の前後面に固定した回転軸28などで構成される。回転軸28は、前後のフレーム1・1に固定した軸受29で回転自在に軸支されている。符号30は、回転貼合台5を断続的に反転駆動(回転駆動)する台駆動機構を示す。回転貼合台5を台駆動機構30で断続的に反転駆動(回転駆動)することにより、第1ワークW1を台板25および巻取りローラー27で巻取りつつ、台板25の上下一対の貼合面31を第1ワークW1と交互に対向させることができる。回転貼合台5の上方には、台板25上へ移送された第2ワークW2の載置姿勢を検知する左右一対の後段カメラ8Bが設けられている。後段カメラ8Bは、第1ワークW1が貼合されたのちの第2ワークW2の載置姿勢を検知する。
【0022】
図1および図3に示すように貼合機構6は、先のガイドレール15で案内支持されるスライドフレーム34と、スライドフレーム34の下面前後に固定される操作機構35と、操作機構35で昇降操作されるローラー枠36と、ローラー枠36で回転自在に支持される貼合ローラー37などで構成される。スライドフレーム34の上面には、前後方向に長いガイドレール38が固定されており、このガイドレール38で溶着機構7を貼合ローラー37の中心軸線に沿って前後移動自在に案内支持している。
【0023】
図3において溶着機構7は、ガイドレール38で案内されるスライドブロック41と、スライドブロック41に固定される操作機構42と、操作機構42で昇降操作される溶着ヘッド43などで構成される。スライドブロック41には、溶着機構7とは別に、第1ワークW1を切断するための切断機構45が設けられている。切断機構45は、溶着機構7と同様にスライドブロック41に固定される操作機構46と、操作機構46で昇降操作されるカッター47などで構成される。
【0024】
以上のように構成したワーク貼合装置は、以下に説明する要領で第2ワークW2の上面に第1ワークW1を貼合する。両ワークW1・W2の貼合工程では、準備工程と、ワーク移送工程と、貼合工程と、溶着工程と、貼合台反転工程(貼合台回転工程)と、連続貼合工程と、シート切断工程と、仕上げ切断工程などを順次行う。
【0025】
準備工程においては、シート供給機構2から繰出された第1ワークW1を、図1に示すように、各ガイドローラー11およびテンションローラー13に巻掛けたのち、第1ワークW1の繰出し端を左側の巻取りローラー27に巻き掛けたのち回転貼合台5の左側裏面のクランプ26に固定する。この状態で、テンション機構12を昇降させて、第1ワークW1に一定の張力を作用させる。また、前段載置台3A上の第2ワークW2を、前段搬送機構4Aで後段載置台3B上へ移送しておく。
【0026】
ワーク移送工程においては、図5(a)~(b)に示すように、ワーク載置台3上の第2ワークW2を、ワーク搬送機構4で保持したのち、回転貼合台5の上面側の貼合面31に移送して第1ワークW1と対向させる。具体的には、後段載置台3B上の第2ワークW2を後段搬送機構4Bで保持して回転貼合台5の貼合面31上に移送し、並行して前段載置台3A上の第2ワークW2を前段搬送機構4Aで保持して後段載置台3Bへ移送する。このとき第2ワークW2は、前段および後段の搬送機構4A・4Bの吸着台20で吸着保持されており、搬送テーブル19および吸着台20を操作機構17で昇降させながら、両ワークW1・W2を吸着保持し、あるいは吸着を解除して両ワークW1・W2を移送する。また、後段搬送機構4Bが回転貼合台5の貼合面31上に移動し終わるのに先行して、図5(b)に示すように保持ローラー21が第1ワークW1を受止めて、貼合面31の側方に退避保持させる。前段搬送機構4Aで後段載置台3B上へ移送された第2ワークW2の載置姿勢は、前段カメラ8Aで検知され記憶される。
【0027】
1回目の貼合工程においては、回転貼合台5の上面を覆う第1ワークW1を、貼合機構6の貼合ローラー37で第2ワークW2に押付けて両ワークW1・W2を貼合する。具体的には、図6(a)に示すように、ローラー枠36を操作機構35で下降させて、貼合ローラー37で第1ワークW1を第2ワークW2に押付け、その状態のままで貼合機構6を図6(b)に示すように、後段載置台3B側(右側)へ向かって移動させて、両ワークW1・W2を貼合する。両ワークW1・W2の貼合が終了した時点で、第2ワークW2の貼合姿勢は後段カメラ8Bで検知され記憶される。1回目の貼合工程が終了した状態では、第2ワークW2に貼合された第1ワークW1の下層(下面側)には第1ワークW1が存在しないため、溶着工程は行われない。
【0028】
次に、2回目のワーク移送工程を行う。2回目のワーク移送工程では、図7(a)に示すように、貼合機構6を貼合始端側の待機位置へ復帰移動させたのち、回転貼合台5を台駆動機構30で反時計回転方向へ反転駆動して、第1ワークW1を台板25および巻取りローラー27で巻取りながら、第1ワークW1および第2ワークW2の貼合体を、図7(b)に示すように回転貼合台5の下面側に退避させ、新たな貼合面31を第1ワークW1と対向させる。この状態で、図7(c)に示すように前段載置台3A上の第2ワークW2と後段載置台3B上の第2ワークW2を、前段搬送機構4Aおよび後段搬送機構4Bで保持して、後段載置台3Bおよび回転貼合台5の貼合面31上に移送する。
【0029】
次に2回目の貼合工程を行う。2回目の貼合工程では、1回目の貼合工程と同様に、貼合ローラー37で第1ワークW1を第2ワークW2に押付け、その状態のままで貼合機構6を後段載置台3B側へ向かって移動させて、両ワークW1・W2を貼合する(図8(a)(b)参照)。両ワークW1・W2の貼合が終了した時点で、第2ワークW2の貼合姿勢は後段カメラ8Bで検知され記憶される。
【0030】
2回目の貼合工程が終了したら1回目の溶着工程を行う。溶着工程においては図8(c)に示すように、第1ワークW1を貼合ローラー37で押さえつけた状態のままで、第1ワークW1の貼合終端と貼合ローラー37との間の第1ワークW1を溶着機構7で下層の第1ワークW1に溶着固定する。詳しくは、溶着ヘッド43を操作機構42で断続的、あるいは連続的に下降操作した状態で、スライドブロック41を後方移動させて、上側の第1ワークW1を下層側の第1ワークW1に溶着する。上記のように、第1ワークW1の貼合終端と貼合ローラー37との間の第1ワークW1を下層の第1ワークW1に溶着固定することにより、回転貼合台5を台駆動機構30で反転駆動する際に、両ワークW1・W2の貼合面に第1ワークW1の張力が作用して、第1ワークW1が第2ワークW2から剥離するのを確実に防止できる。溶着工程が終了したら、貼合ローラー37を上昇させ、同時にスライドブロック41を前方の待機位置へ移動させた状態で、貼合機構6を貼合始端側の待機位置へ復帰移動させて、貼合台反転工程へ移行し、図9(a)(b)に示すように、回転貼合台5を反転駆動する。上記の準備工程から2回目の貼合台反転工程までが初期貼合処理となる。
【0031】
連続貼合工程においては、前段載置台3Aおよび後段載置台3B上の第2ワークW2を、前段と後段の搬送機構4A・4Bで保持して後段載置台3Bおよび回転貼合台5の貼合面31上に移送するワーク移送工程(図9(c)参照)と、第1ワークW1を貼合ローラー37で第2ワークW2に押付けて両ワークW1・W2を貼合する貼合工程と、第1ワークW1の貼合終端の外縁部を溶着機構7で下層の第1ワークW1に溶着固定する溶着工程と、回転貼合台5を台駆動機構30で反時計回転方向へ反転駆動する貼合台反転工程を繰返し連続して行って、回転貼合台5の一対の貼合面31上に一群の貼合体を形成する。ワーク移送工程においては、記憶されている第2ワークW2の貼合姿勢を基準にして、後段搬送機構4Bで保持した第2ワークW2の載置姿勢の位置調整を、回転貼合台5の上方で位置決め装置にて行う。
【0032】
図10(a)~(b)は、3枚目の第2ワークW2に第1ワークW1が貼合される状態を示しており、図10(c)は、第1ワークW1の貼合終端の外縁部を溶着機構7で下層の第1ワークW1に溶着固定する状態を示している。連続貼合工程によって両ワークW1・W2の貼合量が所定量に達したら、シート切断工程を行ってブランク貼合体50を得る。具体的には、図11に示すように、切断機構45の操作機構46でカッター47を下降操作した状態で、スライドブロック41を後方移動させて、溶着機構7による溶着部の外縁を切断して、ブランク貼合体50を第1ワークW1から切り離す。この状態の回転貼合台5を軸受29から分離して、ブランク貼合体50を回転貼合台5から抜取ることにより、図12に示すようなブランク貼合体50が得られる。なお、図12および図13では図面が複雑化するのを避けるために、第1ワークW1と第2ワークW2の貼合体が3層だけ積層された状態のブランク貼合体50を示しているが、両ワークW1・W2の貼合体の積層数は、ワークの大きさにもよるが数十層を越えるものとすることができる。
【0033】
仕上げ切断工程においては、シート切断工程を経て得られたブランク貼合体50の不要部分を切断する。回転貼合台5から取外した状態においては、図12に示すように上下のブランク貼合体50が対向している。この状態のブランク貼合体50の溶着部分と第2ワークW2の側縁の間で第1ワークW1を切断することにより、2個のブランク貼合体50が得られる。最後に、第2ワークW2の側縁の外にはみ出ている第1ワークW1を切断することにより、図13に示すような所定の外形寸法の第1ワークW1と第2ワークW2の貼合体を得ることができる。以後は、準備工程から仕上げ切断工程を繰返し行うことで、第1ワークW1と第2ワークW2の貼合体を、効率よく生産することができる。また、本実施形態のワーク貼合装置、およびワーク貼合方法では、第1ワークW1を巻取りながら第1ワークW1と第2ワークW2の貼合体を生産するので、枚葉状では平面形状を保つことが困難なラップフィルム等の素材からなる第1ワークW1であっても両ワークW1・W2を積層することができる。
【0034】
以上のように構成したワーク貼合装置、およびワーク貼合方法によれば、初期貼合処理が終了した後の連続貼合工程において、後段搬送機構4Bによる第2ワークW2の移送と、貼合ローラー37による両ワークW1・W2の貼合と、溶着機構7による第1ワークW1の貼合終端の溶着と、台駆動機構30による回転貼合台5の反転駆動を記載順に繰返し連続して行うことで、回転貼合台5の貼合面31のそれぞれに、両ワークW1・W2の貼合体を形成することができる。したがって、従来の貼合装置とは異なり、一連の貼合サイクルごとに回転貼合台を初期状態に戻す必要がないので、その分だけ第1ワークW1と第2ワークW2の1回あたりの貼合処理に要する時間を短縮して、貼合処理の生産性をさらに向上できる。
【0035】
また、前段載置台3Aと後段載置台3Bとでワーク載置台3を構成し、前段搬送機構4Aと後段搬送機構4Bとでワーク搬送機構4を構成するようにしたので、ワーク移送工程において、前段搬送機構4Aと後段搬送機構4Bが往復移動して、第2ワークW2を前段載置台3Aから後段載置台3Bへ移送するのと同時に、後段載置台3B上の第2ワークW2を回転貼合台5の貼合面31上に移送することができる。したがって、ワーク移送に要する時間を最小限化して、その分だけ1回あたりの貼合処理に要する時間を短縮することができる。また、第2ワークW2の上面が保護紙で覆われているような場合には、後段載置台3B上の第2ワークW2を後段搬送機構4Bで回転貼合台5へ移送する間に、前段搬送機構4Aで移送される第2ワークW2の保護紙を剥離装置で剥離することができるので、一連の貼合処理に要する処理時間をさらに短縮することができる。
【0036】
貼合機構6を回転貼合台5の一側の待機位置に配置し、同機構6の外側方に隣接して溶着機構7を配置するようにした。また、貼合ローラー37が第1ワークW1の貼合終端の外縁を抑え保持した状態のままで、溶着機構7を貼合ローラー37の中心軸線に沿って移動させて、第1ワークW1の貼合終端と貼合ローラー37との間の第1ワークW1を下層の第1ワークW1に溶着固定するようにした。こうした貼合装置によれば、第1ワークW1と第2ワークW2の貼合姿勢を保持した状態のままで、第1ワークW1の貼合終端と貼合ローラー37との間の第1ワークW1を、溶着機構7で下層の第1ワークW1に的確に溶着固定することができる。また、このように、第1ワークW1の貼合終端と貼合ローラー37との間の第1ワークW1を下層の第1ワークW1に溶着固定すると、回転貼合台5を台駆動機構30で反転駆動する際に、両ワークW1・W2の貼合面に第1ワークW1の張力が作用して、第1ワークW1が第2ワークW2から剥離するのを確実に防止できる。したがって、第2ワークW2に対する第1ワークW1の貼合に連続する、回転貼合台5による第1ワークW1の巻取りを常に安定した状態で行うことができる。
【0037】
上記の実施例では、ワーク載置台3を前段載置台3Aと後段載置台3Bで構成し、ワーク搬送機構4を前段搬送機構4Aと後段搬送機構4Bしたがその必要はなく、シート供給機構2と回転貼合台5の間に、ワーク載置台3とワーク搬送機構4とは1基ずつ設けられていてもよい。その場合のワーク搬送機構4は、後段搬送機構4Bと同様に保持ローラー21を備えるものとする。回転貼合台5は、断面が三角形や四角形などの一対以上の貼合面31を備える構造であってもよい。シート供給機構2は、ワーク載置台3の上方、あるいは回転貼合台5の上方に配置することができる。
【符号の説明】
【0038】
2 シート供給機構
3 ワーク載置台
3A 前段載置台
3B 後段載置台
4 ワーク搬送機構
4A 前段搬送機構
4B 後段搬送機構
5 回転貼合台
6 貼合機構
7 溶着機構
30 台駆動機構
31 貼合面
37 貼合ローラー
W1 第1ワーク
W2 第2ワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13