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特開2023-6260開閉部材駆動装置および便蓋開閉ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006260
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】開閉部材駆動装置および便蓋開閉ユニット
(51)【国際特許分類】
   F16H 57/023 20120101AFI20230111BHJP
   A47K 13/10 20060101ALI20230111BHJP
   H02K 5/22 20060101ALI20230111BHJP
   H02K 5/00 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
F16H57/023
A47K13/10
H02K5/22
H02K5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021108774
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】石水 昭夫
【テーマコード(参考)】
2D037
3J063
5H605
【Fターム(参考)】
2D037AB07
2D037AB10
3J063AB03
3J063AC01
3J063BA01
3J063CC22
3J063CC23
3J063CD45
3J063XA01
3J063XA11
5H605BB05
5H605CC06
5H605CC08
5H605EA05
5H605EC08
(57)【要約】
【課題】組立時に金属端子とモータの給電端子の接続状態を視認でき、異物による導通障害を防止あるいは抑制する。
【解決手段】開閉部材駆動装置1のケース9は、第1ケース21、中間ケース22、第2ケース23を第1方向Zに積層して構成される。モータ6を収容する第1ケース21は、モータ6を囲む第1周壁26の一部が第2ケース23まで延びており、この部分が中間ケース22の第2周壁32の外側を覆う支持板部20を構成している。中間ケース22と第1ケース21を組み立てると、支持板部20と第2周壁32との間に密閉空間が形成され、この密閉空間が、金属端子60を通すための配置穴となる。第1ケース21に中間ケース22を組み付ける前に、第1ケース21に予め金属端子60を組み込んでおき、その後にモータ6を組み込むときに金属端子60と給電端子29とを導通させる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電端子を備えるモータと、
開閉部材が接続される出力軸と、
前記モータの駆動力を前記出力軸に伝達する伝達機構と、
前記モータおよび前記伝達機構を収容するケースと、
前記ケースに固定される基板と、
前記基板と前記給電端子とを接続する金属端子と、を有し、
前記出力軸の軸線方向を第1方向とした場合に、
前記ケースは、前記モータを収容する第1ケースと、前記第1ケースの前記第1方向の一方側に重なる中間ケースと、前記中間ケースの前記第1方向の一方側に重なる第2ケースと、を備え、
前記第1ケースは、第1底部および前記第1底部の外周縁から前記第1方向の一方側へ立ち上がる第1周壁を備え、
前記中間ケースは、第2底部および前記第2底部の外周縁から前記第1方向の一方側へ立ち上がる第2周壁を備え、
前記第1周壁は、前記第2周壁の外周側に位置し前記第1底部から前記第2ケースまで延びる支持板部を備え、
前記金属端子は、
前記支持板部に保持され、前記支持板部と前記第2周壁との間を通って前記第1ケースの内側から前記基板まで延びる直線部と、
前記直線部の前記第1方向の他方側の端から前記モータ側へ延びて前記給電端子に接続される給電端子接続部と、を備えることを特徴とする開閉部材駆動装置。
【請求項2】
前記給電端子接続部は、前記第1方向に延びる給電端子挿入溝を備えることを特徴とする請求項1に記載の開閉部材駆動装置。
【請求項3】
前記給電端子接続部は、
前記直線部から前記第1底部に沿って前記モータ側へ延びる腕部と、
前記腕部から前記第1方向の一方側へ延びる一対の板部と、を備え、
前記給電端子挿入溝は、前記一対の板部の隙間であり、
前記一対の板部の先端部は、前記第1方向の一方側へ向かうに従って間隔が拡がるテーパ部を備えることを特徴とする請求項2に記載の開閉部材駆動装置。
【請求項4】
前記一対の板部は、前記第1方向の他方側の端部が、前記第1底部に設けられた第1凹部に嵌め込まれることを特徴とする請求項3に記載の開閉部材駆動装置。
【請求項5】
前記中間ケースは、前記第2底部から前記第1方向の他方側へ突出する突出部を備え、
前記突出部は、前記一対の板部の一方をガイドする第1ガイド面と、前記一対の板部の他方をガイドする第2ガイド面と、を備え、
前記第1ガイド面と前記第2ガイド面は、前記第1方向の一方側へ向かうに従って間隔が狭まるテーパ面であることを特徴とする請求項3または4に記載の開閉部材駆動装置。
【請求項6】
前記支持板部は、前記第2周壁と対向する内側面において前記第1方向に延びる端子保持溝を備え、
前記直線部は、前記端子保持溝に嵌め込まれていることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の開閉部材駆動装置。
【請求項7】
前記支持板部は、前記端子保持溝の幅方向の一方側の開口縁から前記幅方向の他方側へ突出するガイド部を備えることを特徴とする請求項6に記載の開閉部材駆動装置。
【請求項8】
前記第1ケースは、前記支持板部に設けられた係止突起を備え、
前記第2ケースは、前記第1方向の他方側へ延びて前記係止突起に係止されるフックを備えることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の開閉部材駆動装置。
【請求項9】
請求項1から8の何れか一項に記載の開閉部材駆動装置を有し、
前記開閉部材は、便蓋であることを特徴とする便蓋開閉ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉部材を駆動する開閉部材駆動装置、および開閉部材としてトイレユニットの便蓋を開閉する便蓋開閉ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
便蓋などの開閉部材を開閉する開閉部材駆動装置は特許文献1に記載されている。特許文献1の開閉部材駆動機構は、モータと、開閉部材が接続される出力軸と、モータの駆動力を出力軸に伝達する伝達機構と、モータおよび伝達機構を収容するケースを備える。出力軸はケースに設けられた開口部から外部に突出する。
【0003】
ケースは、モータを収容する第1ケースと、第1ケースに重ねられ伝達機構を収容する中間ケースと、第1ケースとは反対側から中間ケースを覆う第2ケースを備える。中間ケースの第2ケース側の端部には基板が配置される。基板には、出力軸の回転角度位置を検出するポテンショメータが搭載されるとともに、図示しない給電線が接続される。モータの給電端子は、ケースの内部を引き回されるリード線を介して基板に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-165530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1ケースの底部に配置されるモータの給電端子と中間ケースの縁に配置される基板との接続構造として、中間ケースに予め板金製の金属端子を圧入しておき、モータを組み付けた第1ケースと中間ケースとを組み立てることにより、金属端子とモータの給電端子とを接触させて導通させる構造が提案されている。
【0006】
しかしながら、上記の構造では、第1ケースと中間ケースとを組み立てる際、モータの給電端子と金属端子を目視で確認できない。そのため、金属端子が曲がるなどの異常が発生しても気づくことができない。また、中間ケースには、金属端子を圧入するための孔を設ける必要があるが、金型を用いた中間ケースの製造方法では、細長い貫通孔を設けることは困難である。金属端子は貫通孔でなく溝に圧入する構造とすることもできるが、溝に保持させたのでは中間ケースの内側に金属端子が露出するため、金属端子が異物と接触するおそれがあり、異物による短絡などの導通障害が発生するおそれがある。
【0007】
本発明の課題は、かかる点に鑑みて、ケースを組み立てることによってケースに組み込まれた金属端子とモータの給電端子とを接続する開閉部材駆動装置において、組立時に金属端子と給電端子との接続状態を視認可能とし、且つ、異物による導通障害を防止あるいは抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の開閉部材駆動装置は、給電端子を備えるモータと、開閉部材が接続される出力軸と、前記モータの駆動力を前記出力軸に伝達する伝達機構と、前記モータおよび前記伝達機構を収容するケースと、前記ケースに固定される基板と、前記基板と前記給電端子とを接続する金属端子と、を有し、前記出力軸の軸線方向を第1方向とした場合に、前記ケースは、前記モータを収容する第1ケースと、前記第1ケースの前記第1方向の一方側に重なる中間ケースと、前記中間ケースの前記第1方向の一方
側に重なる第2ケースと、を備え、前記第1ケースは、第1底部および前記第1底部の外周縁から前記第1方向の一方側へ立ち上がる第1周壁を備え、前記中間ケースは、第2底部および前記第2底部の外周縁から前記第1方向の一方側へ立ち上がる第2周壁を備え、前記第1周壁は、前記第2周壁の外周側に位置し前記第1底部から前記第2ケースまで延びる支持板部を備え、前記金属端子は、前記支持板部に保持され、前記支持板部と前記第2周壁との間を通って前記第1ケースの内側から前記基板まで延びる直線部と、前記直線部の前記第1方向の他方側の端から前記モータ側へ延びて前記給電端子に接続される給電端子接続部と、を備え、前記給電端子接続部は、前記第1方向に延びる給電端子挿入溝を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、モータおよび伝達機構を収容するケースは、第1ケース、中間ケース、第2ケースを第1方向に積層して構成される。第1ケースは、モータを囲む第1周壁の一部が第2ケースまで延びており、この部分が中間ケースの第2周壁の外側を覆う支持板部を構成している。モータへの給電用の金属端子は、支持板部に保持され、支持板部と第2周壁との隙間を通って第1ケースの内側まで延びる直線部を備えている。このようにすると、中間ケースと第1ケースを組み立てることにより、支持板部と第2周壁との間に密閉空間が形成され、この密閉空間が、金属端子60を通すための配置穴となる。従って、予め部品に細長い孔を形成することなく、金属端子と異物との接触を防止あるいは抑制できる。よって、異物との接触による導通障害を防止あるいは抑制できる。また、第1ケースに中間ケースを組み付ける前に、第1ケースに予め金属端子を組み込んでおき、その後にモータを組み込むときに金属端子と給電端子とを導通させることができる。従って、金属端子の曲がりなどの異常を検出でき、金属端子を目視で確認しながら給電端子を接続できる。
【0010】
本発明において、前記給電端子接続部は、前記第1方向に延びる給電端子挿入溝を備えることが好ましい。このようにすると、第1ケースに金属端子を組み込んだ後に、第1ケースの底部にモータを組み付ける際、同時に給電端子挿入溝にモータ側の給電端子が挿入される。従って、第1ケースに金属端子およびモータを組み付ける作業が容易である。
【0011】
本発明において、前記給電端子接続部は、前記直線部から前記第1底部に沿って前記モータ側へ延びる腕部と、前記腕部から前記第1方向の一方側へ延びる一対の板部と、を備え、前記給電端子挿入溝は、前記一対の板部の隙間であり、前記一対の板部の先端部は、前記第1方向の一方側へ向かうに従って間隔が拡がるテーパ部を備える。このようにすると、一対の板部によって両側から給電端子を挟み込んで保持できる。また、テーパ部によって給電端子を案内できるので、給電端子を一対の板部の間に挿入しやすい。
【0012】
本発明において、前記一対の板部は、前記第1方向の他方側の端部が、前記第1底部に設けられた第1凹部に嵌め込まれることが好ましい。このようにすると、一対の板部の隙間が拡がりにくい。また、一対の板部の位置精度を高めることができるため、一対の板部の隙間に給電端子を挿入しやすい。
【0013】
本発明において、前記中間ケースは、前記第2底部から前記第1方向の他方側へ突出する突出部を備え、前記突出部は、前記一対の板部の一方をガイドする第1ガイド面と、前記一対の板部の他方をガイドする第2ガイド面と、を備え、前記第1ガイド面と前記第2ガイド面は、前記第1方向の一方側へ向かうに従って間隔が狭まるテーパ面であることが好ましい。このようにすると、中間ケースを第1ケースに組み付ける際、一対の板部の先端が第1ガイド面と第2ガイド面の間に挿入される。そして、中間ケースが第1ケースに近づくに従って、第1ガイド面と第2ガイド面は、一対の板部を互いに近づける方向に案内するので、給電端子が一対の板部によって締め付けられる。よって、金属端子と給電端子とを確実に導通させることができる。
【0014】
本発明において、前記支持板部は、前記第2周壁と対向する内側面において前記第1方向に延びる端子保持溝を備え、前記直線部は、前記端子保持溝に嵌め込まれていることが好ましい。このようにすると、第1ケースに金属端子を保持させることができるので、給電端子との接続作業が容易である。また、直線部の位置精度が高まるので、ケースに固定される基板に金属端子を接続しやすい。
【0015】
本発明において、前記支持板部は、前記端子保持溝の幅方向の一方側の開口縁から前記幅方向の他方側へ突出するガイド部を備えることが好ましい。このようにすると、金属端子をガイド部に沿って挿入できるので、金属端子の組み付け作業が容易である。また、第1ケースにモータおよび中間ケースを組み付ける際、端子保持溝から直線部が外れることをガイド部によって規制できる。
【0016】
本発明において、前記第1ケースは、前記支持板部に設けられた係止突起を備え、前記第2ケースは、前記第1方向の他方側へ延びて前記係止突起に係止されるフックを備えることが好ましい。このように、第1ケースと第2ケースをフックにより固定すれば、第1ケースと第2ケースの間に中間ケースを挟んで保持できるため、ねじ固定を削減できる。従って、組立作業を容易化できる。
【0017】
次に、本発明の便蓋開閉ユニットは、上記の開閉部材駆動装置を有し、前記開閉部材は、便蓋であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、モータおよび伝達機構を収容するケースは、第1ケース、中間ケース、第2ケースを第1方向に積層して構成される。第1ケースは、モータを囲む第1周壁の一部が第2ケースまで延びており、この部分が中間ケースの第2周壁の外側を覆う支持板部を構成している。モータへの給電用の金属端子は、支持板部に保持され、支持板部と第2周壁との隙間を通って第1ケースの内側まで延びる直線部を備えている。このようにすると、中間ケースと第1ケースを組み立てることにより、支持板部と第2周壁との間に金属端子を通すための配置穴が形成される。従って、予め部品に細長い孔を形成することなく、金属端子と異物との接触を防止あるいは抑制できる。よって、異物との接触による導通障害を防止あるいは抑制できる。また、第1ケースに中間ケースを組み付ける前に、第1ケースに金属端子およびモータを組み込むことができる。従って、金属端子の曲がりなどの異常を検出でき、給電端子接続部とモータ側の給電端子との接続状態を目視で確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】開閉部材駆動装置の外観斜視図である。
図2】便蓋開閉ユニットの説明図である。
図3】開閉部材駆動装置の断面図である。
図4】第2ケースを中間ケースから取り外した開閉部材駆動装置を第1方向の一方側から見た分解斜視図である。
図5】第1方向の他方側から見た開閉部材駆動装置の分解斜視図である。
図6】第1ケースにモータ、金属端子、および第1歯車を組み付けた状態を示す斜視図である。
図7】金属端子および第1歯車を組み付けた第1ケースとモータの分解斜視図である。
図8】第1歯車を組み付けた第1ケースと金属端子の分解斜視図である。
図9】第1ケースの図示を省略した開閉部材駆動装置を金属端子の側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の開閉部材駆動装置および便蓋開閉ユニットの実施形態を説明する。
【0021】
(全体構成)
図1は、開閉部材駆動装置1の外観斜視図である。図2は、便蓋開閉ユニット3の説明図である。図3は、開閉部材駆動装置1の断面図である。図4は、第2ケース23を中間ケース22から取り外した開閉部材駆動装置1を第1方向Zの一方側Z1から見た分解斜視図である。図5は、第1方向Zの他方側Z2から見た開閉部材駆動装置1の分解斜視図である。図6は、第1ケース21にモータ6、金属端子60、および第1歯車39を組み付けた状態を示す斜視図である。図7は、金属端子60および第1歯車39を組み付けた第1ケース21とモータ6の分解斜視図である。図8は、第1歯車39を組み付けた第1ケース21と金属端子60の分解斜視図である。図9は、第1ケース21の図示を省略した開閉部材駆動装置1を金属端子60の側から見た斜視図である。
【0022】
図1に示す開閉部材駆動装置1は、蓋や扉などの開閉部材を回動させて開閉する。便蓋開閉ユニット3は、開閉部材駆動装置1に、開閉部材としてトイレユニット200の便蓋201が接続されたものである。より具体的には、図2に示すように、トイレユニット200は、便器本体202、便座203、便蓋201、およびタンク204を有する。便蓋201は、タンク204の側の端部分が開閉部材駆動装置1の出力軸7に連結される。便蓋201は、出力軸7の回転により、平伏して便器本体202に被さる閉位置と、便器本体202から立ち上がる開位置と、の間を移動する。なお、トイレユニット200に第2の開閉部材駆動装置1を設け、第2の開閉部材駆動装置1の出力軸7に、開閉部材として、便座203を連結することもできる。
【0023】
図3に示すように、開閉部材駆動装置1は、モータ6と、便蓋201が接続される出力軸7と、モータ6の駆動力を出力軸7に伝達する伝達機構8と、モータ6および伝達機構8を収容するケース9を有する。出力軸7は、ケース9に設けられた開口部10から突出する突出部11と、ケース9に収容された基部12と、を備える。出力軸7の突出部11には、便蓋201の端部が接続される。従って、開閉部材駆動装置1は、片持ち状態で便蓋201を開閉する。図1に示すように、ケース9は、出力軸7の軸線Lに沿った方向から見た場合に細長い形状である。出力軸7は、ケース9における長手方向の一方側の端部に配置される。
【0024】
以下の説明では、互いに直交する3方向を、第1方向Z、第2方向Yおよび第3方向Xとする。第1方向Zは、出力軸7の軸線Lに沿った軸線方向である。第2方向Yはケース9の長手方向であり、第3方向Xはケース9の短手方向である。第1方向Zにおいて、ケース9から出力軸7が突出している側を第1方向の一方側Z1とし、ケース9が位置する側を第1方向Zの他方側Z2とする。第2方向Yにおいて、出力軸7が位置する側を第2方向の一方側Y1とし、出力軸7が位置する側とは反対側を第1方向Zの他方側Z2とする。また、第3方向Xの一方側をX1、他方側をX2とする。
【0025】
ケース9は樹脂製である。図1に示すように、ケース9は、第2方向Yに平行に延びる第1側壁9aおよび第2側壁9bを備える。また、ケース9は、第3方向Xに延びて第1側壁9aの第2方向Yの他方側Y2の端および第2側壁9bの第2方向Yの他方側Y2の端を接続する第3側壁9cを備える。さらに、ケース9は、第1側壁9aの第2方向Yの一方側Y1の端および第2側壁9bの第2方向Yの一方側Y1の端を接続する第4側壁9dを備える。第4側壁9dは、半円状に湾曲し第2方向Yの一方側Y1に突出する。
【0026】
図1図3図5に示すように、ケース9は、第1方向Zに積層された第1ケース21、中間ケース22および第2ケース23を備える。第1ケース21は中間ケース22の第1方向Zの一方側Z1に位置し、第2ケース23は中間ケース22の第1方向Zの他方側Z2に位置する。また、図3に示すように、ケース9は、中間ケース22に収容される出力軸支持部材24を備える。
【0027】
図3図5に示すように、第1ケース21は、第1底部25と、第1底部25の外周縁から第1方向Zの一方側Z1に立ち上がる第1周壁26を備える。第1周壁26は、ケース9の第1側壁9a、第2側壁9b、および第4側壁9dの第1方向Zの他方側Z2の部分を構成する。また、第1周壁26の第2方向の他方側Y2の端部分には、第3方向に延びる支持板部20が設けられている。支持板部20は、第1底部25から第2ケース23の縁まで延びており、中間ケース22の第2方向Yの他方側Y2の外周面を覆う。支持板部20は、ケース9の第3側壁9cを構成する。
【0028】
図4図5に示すように、支持板部20の第1方向Zの一方側の端部には、複数の端子ピン13が圧入された端子部14が設けられており、端子部14の第3方向Xの両側に係止突起15が設けられている。2箇所の係止突起15には、第2ケース23の第2方向の他方側Y2の縁に設けられたフック16が係止される(図1参照)。また、係止突起15は、第1ケース21の第1周壁26において、ケース9の第1側壁9aおよび第2側壁9bを構成する部分(すなわち、第1ケース21の第3方向Xの一方側X1の側面、および、第3方向Xの他方側X2の側面)においても、それぞれ1箇所ずつ設けられている。
【0029】
図3図6に示すように、第1ケース21にはモータ6が固定される。また、第1ケース21の第2方向Yの一方側Y1の端には、伝達機構8を構成する複数の歯車のうちの一部の歯車(第1歯車39)が収容される。図7に示すように、モータ6は、モータ本体28と、モータ本体28から突出する回転軸27と、モータ本体28から回転軸27とは反対側に突出する一対の給電端子29を備える。図6に示すように、モータ本体28は、第1ケース21の第2方向Yの他方側Y2の端に配置される。回転軸27は、モータ本体28から第1ケース21の第2方向Yの一方側Y1の端に向けて延びる。回転軸27は、第1方向Zから見た場合に、第2方向Y(ケース9の長手方向)に対して傾斜している。
【0030】
中間ケース22は、第2底部31と、第2底部31の外周縁から第1方向Zの一方側へ立ち上がる第2周壁32を備える。第2周壁32は、ケース9の第1側壁9a、第2側壁9b、第3側壁9c、および第4側壁9dの第1方向Zの中間部分を構成する。中間ケース22には、伝達機構8を構成する複数の歯車のうち、第1歯車39を除く歯車が収容される。中間ケース22は、第2底部31の第3方向Xの一方側X1の縁および他方側X2の縁から第1方向Zの他方側Z2へ延びる一対のフック19を備える。各フック19は、第1ケース21の第1周壁26に設けられた係止突起15に係止される。
【0031】
図3図4に示すように、中間ケース22における第2ケース23の側の端部分(すなわち、第1方向Zの一方側Z1の端部分)には、板状の補強部材35が固定される。補強部材35は、ケース9よりも剛性が高い。本形態において、補強部材35は、金属製である。補強部材35には、筒状の軸受部36が設けられている。軸受部36は、例えば、バーリング加工により形成される。軸受部36からは、出力軸7が第1方向Zの他方側Z2に突出する。出力軸7の基部12は、軸受部36によって外周側から回転可能に支持される。
【0032】
第2ケース23は、板状であり、第1方向Zの一方側Z1から補強部材35に被せられている。ケース9の第1方向Zの他方側Z2の端面は、第2ケース23によって構成される。図3図4に示すように、第2ケース23の第2方向Yの一方側Y1の端部分には、
第1方向Zの一方側Z1に突出する環状の軸受部17が設けられている。軸受部17は、補強部材35に設けられた軸受部36の第1方向Zの一方側Z1において、出力軸7を回転可能に支持する。出力軸7は、軸受部17の先端に設けられた開口部10から第1方向Zの一方側Z1へ延びている。
【0033】
図3図6に示すように、伝達機構8は、モータ6から出力軸7に至る駆動力伝達経路の上流側から下流側に向かって、ウォーム38、第1歯車39、第2歯車40、第3歯車41、および出力歯車42を備える。また、伝達機構8は、第3歯車41と噛み合う補助歯車43を備える。図7に示すように、ウォーム38は、モータ6の回転軸27に固定される。ウォーム38および第1歯車39は第1ケース21内に配置される。第2歯車40、第3歯車41、出力歯車42、および補助歯車43は中間ケース22内に配置される。
【0034】
図3図6に示すように、第1歯車39は、第1ケース21の第2方向Yの一方側Y1の端に配置される。第1歯車39は、ウォーム38に噛合する第1大径歯車39aと、第1大径歯車39aと同軸に配置される第1小径歯車39bを備える。第1小径歯車39bは、第1大径歯車39aの第1方向Zの一方側Z1に位置する。図2に示すように、第1大径歯車39aと第1小径歯車39bとの間には、駆動力の伝達を継断するトルクリミッタ44が配置される。
【0035】
図3に示すように、第2歯車40は、第1小径歯車39bに噛合する第2大径歯車40aと、第2大径歯車40aと同軸に配置される第2小径歯車(図示省略)を備える。第2大径歯車40aは、第2小径歯車の第1方向Zの他方側Z2に位置し、中間ケース22の第2底部31に設けられた中間ケース開口部33を介して第1小径歯車39bに噛合する。
【0036】
第3歯車41は、中間ケース22の第2方向Yの略中央に配置される。第3歯車41は、第2小径歯車に噛合する第3大径歯車41aと、第3大径歯車41aと同軸に配置される第3小径歯車41bを備える。第3大径歯車41aは、第3小径歯車41bの第1方向Zの他方側Z2に位置する。第3歯車41を回転可能に支持する支軸は、一端が中間ケース22の第2底部31に保持され、他端が補強部材35に設けられた支軸保持部37(図4参照)を貫通して第2ケース23に保持される。
【0037】
出力歯車42は、中間ケース22の第2方向Yの一方側Y1の端に配置され、第3歯車41の第3小径歯車41bと噛み合う。出力歯車42は、金属製である。図3に示すように、出力歯車42の中心穴に出力軸7の基部12が挿入されており、出力歯車42と出力軸7とは、軸線L回りに相対回転不能な状態で連結されている。
【0038】
図3に示すように、中間ケース22内において、補強部材35と第2底部31との間には、出力軸支持部材24が配置される。出力軸支持部材24は、出力軸7の基部12を回転可能に支持する出力軸支持部18を備える。出力軸支持部材24は、第2底部31の第1方向Zの一方側Z1に配置される中間板24aと、中間板24aの外周縁から第1方向Zの他方側Z2に延びる側板24bを備える。側板24bは、第2底部31に第1方向Zの一方側Z1から当接する。出力軸支持部18は、中間板24aの略中央から第1方向Zの一方側Z1に突出する。出力軸支持部18が出力軸7の基部12に設けられた凹部に挿入されることにより、出力軸7および出力歯車42が回転可能に支持される。
【0039】
補助歯車43は、中間ケース22の第2方向Yの他方側Y2の端に配置される。補助歯車43は、外周面に歯部が設けられた環状の歯車部43aと、歯車部43aの中心に配置される軸部43bと、歯車部43aと軸部43bの第1方向Zの他方側Z2の端部を接続する端板部43cを備える。歯車部43aは、第3大径歯車41aに第2方向Yの他方側
Y2から噛み合う。
【0040】
伝達機構8は、補助歯車43に組み付けられた第1コイルバネ48および第2コイルバネ49を備える。第1コイルバネ48は、補助歯車43の歯車部43aと軸部43bとの間に配置される。第2コイルバネ49は、第1コイルバネ48の内周側に配置される。第1コイルバネ48の第1方向Zの一方側Z1の端からは、中間ケース22の内周面に設けられた係止部に係止されるバネ端部が延びている。同様に、第2コイルバネ49の第1方向Zの一方側Z1の端からは、中間ケース22の内周面に設けられた係止部に係止されるバネ端部が延びている。第1コイルバネ48の第1方向Zの他方側Z2の端のバネ端部、および、第2コイルバネ49の第1方向Zの他方側Z2の端のバネ端部は、補助歯車43に係止される。
【0041】
ポテンショメータ80は、伝達機構8を構成する複数の歯車のうちのいずれかの歯車に噛合するポテンショ歯車(図示省略)を備える。また、ポテンショメータ80は、ポテンショ歯車の回転角度位置を検出する検出部81を備える。例えば、ポテンショ歯車は、第3歯車41の第3小径歯車41bと噛み合う。図3に示すように、検出部81は、中間ケース22の第1方向Zの一方側Z1の端に配置される基板82に搭載される。
【0042】
ケース9には、モータ6に電力を供給するための金属端子60が保持される。図3に示すように、金属端子60は、ケース9の第3側壁9cを構成する支持板部20に保持され、支持板部20から第1方向Zの一方側Z1へ突出する。基板82の第2方向Yの他方側Y2の端部は、端子部14まで延びており、端子ピン13および金属端子60に接続される。基板82の第2方向Yの一方側Y1の端部は、補強部材35まで延びており、ポテンショメータ80の検出部81が配置される。
【0043】
(動作)
金属端子60を介した電力の供給によってモータ6が正方向または逆方向に駆動されると、モータ6の駆動力が伝達機構8を介して出力軸7に伝達される。従って、出力軸7に固定された便蓋201は、図2に示すように、閉方向Aまたは開方向Bに回転する。便蓋201が回転すると、ポテンショメータ80からは、便蓋201の回転角度位置に対応する信号が出力される。
【0044】
便蓋201が閉方向Aに回転すると、第1コイルバネ48および第2コイルバネ49は、出力軸7を軸線L回りで開方向Bに回転させる付勢力を蓄える。従って、第1コイルバネ48および第2コイルバネ49は、便蓋201を開方向Bに回転する際に、出力軸7を開方向Bに付勢するアシストバネとして機能する。さらに、伝達機構8は、第1歯車39にトルクリミッタ44を備える。従って、便蓋201から出力軸7を介して伝達機構8に過大な負荷が加わった場合には、トルクリミッタ44が機能して、伝達機構8による駆動力の伝達を遮断する。これにより、外部からの過大な負荷に起因して、伝達機構8が破損することを防止する。
【0045】
(金属端子)
図3図6に示すように、支持板部20の内側面20aには、第1方向Zに直線状に延びる端子保持溝50が2本並んで設けられている。各端子保持溝50の幅方向の一方側(第3方向の一方側X1)の開口縁からは、幅方向の他方側(第3方向Xの他方側X2)へ突出するガイド部51が設けられている。ガイド部51は、金属端子60が端子保持溝50から外れることを規制する。
【0046】
図5に示すように、中間ケース22の第2周壁32は、支持板部20の内側面20aと対向する外側面32aを備える。第1ケース21と中間ケース22とを組み立てると、支
持板部20の内側面20aと第2周壁32の外側面32aとの隙間が密閉される。2本の金属端子60は、支持板部20と第2周壁32との間の密閉空間を通って第1ケース21の内側から基板82まで延びている。
【0047】
図8に示すように、2本の金属端子60のそれぞれは、第1方向Zに延びる直線部61と、直線部61の第1方向Zの他方側Z2の端部からモータ6側へ延びる給電端子接続部62を備える。給電端子接続部62の先端には、給電端子29を挟み込んで保持する一対の板部63が設けられている。給電端子接続部62は、第1ケース21の底部に沿って直線部61からモータ本体28へ向かって延びる腕部64を備える。一対の板部63は、腕部64の先端から第1方向Zの一方側Z1へ延びている。一対の板部63の隙間は、第1方向Zに延びる給電端子挿入溝65となっている。
【0048】
金属端子60は、金属板を曲げた曲げ部材であり、一対の板部63の第1方向Zの他方側Z2の端部は、半円状の曲げ部66を介して接続されている。図8に示すように、第1ケース21の第1底部25には、モータ本体28から突出する給電端子29の突出方向に延びる溝状の第1凹部52が2か所に設けられている。図7に示すように、一対の板部63および曲げ部66を第1凹部52に挿入すると、給電端子挿入溝65の向きと給電端子29の突出方向とが一致する。
【0049】
一対の板部63の先端部は、第1凹部52から第1方向Zの一方側Z1へ延びている。一対の板部63の第1方向Zの一方側Z1の先端部は、第1方向Zの一方側Z1へ向かうに従って隙間が拡がるテーパ部67を備える。従って、給電端子挿入溝65は、第1方向Zの一方側Z1へ向かうにしたがって溝幅が拡大している。図7に示すように金属端子60を第1ケース21に組み付けた後に、モータ本体28を第1ケース21に嵌め込むと、モータ本体28から突出する2本の給電端子29は、それぞれ、一対の板部63の隙間(給電端子挿入溝65)に挿入される。このとき、テーパ部67によって給電端子29の挿入がガイドされる。
【0050】
図5図9に示すように、中間ケース22は、第2底部31から第1方向Zの他方側Z2へ突出する突出部53を2か所に備える。各突出部53には、第1ケース21に設けられた第1凹部52と第1方向Zに対向する第2凹部54が設けられている。図5に示すように、第2凹部54は、第1方向Zに対して傾斜する第1ガイド面55、および、第1ガイド面55と対向し第1ガイド面55とは逆向きに傾斜する第2ガイド面56を備える。第1ガイド面55と第2ガイド面56は、第1方向Zの他方側Z2へ向かうに従って間隔が拡がるテーパ面である。
【0051】
第1ケース21に対して第1方向Zの一方側Z1から中間ケース22を組み付けると、図9に示すように、一対の板部63の先端部は、第2凹部54に挿入されて第1ガイド面55と第2ガイド面56に接触する。第1ガイド面55と第2ガイド面56はテーパ面であるため、中間ケース22が第1ケース21に接近するのに伴って、一対の板部63は、給電端子29を両側から締め付ける方向に撓む。
【0052】
(本形態の主な作用効果)
以上のように、本形態の開閉部材駆動装置1は、給電端子29を備えるモータ6と、開閉部材が接続される出力軸7と、モータ6の駆動力を出力軸7に伝達する伝達機構8と、モータ6および伝達機構8を収容するケース9と、ケース9に固定される基板82と、基板82と給電端子29とを接続する金属端子60と、を有する。出力軸7の軸線方向を第1方向Zとした場合に、ケース9は、モータ6を収容する第1ケース21と、第1ケース21の第1方向Zの一方側Z1に重なる中間ケース22と、中間ケース22の第1方向Zの一方側Z1に重なる第2ケース23と、を備える。第1ケース21は、第1底部25お
よび第1底部25の外周縁から第1方向Zの一方側Z1へ立ち上がる第1周壁26を備える。中間ケース22は、第2底部31および第2底部31の外周縁から第1方向Zの一方側Z1へ立ち上がる第2周壁32を備える。第1周壁26は、第2周壁32の外周側に位置し第1底部25から第2ケース23まで延びる支持板部20を備えており、金属端子60は支持板部20に保持される。金属端子60は、支持板部20と第2周壁32との間を通って第1ケース21の内側から基板82まで延びる直線部61と、直線部61の第1方向Zの他方側Z2の端からモータ6側へ延びて給電端子29に接続される給電端子接続部62を備える。給電端子接続部62は、第1方向Zに延びる給電端子挿入溝65を備える。
【0053】
本形態では、モータ6を収容する第1ケース21は、モータ6を囲む第1周壁26の一部が第2ケース23まで延びており、この部分が中間ケース22の第2周壁32の外側を覆う支持板部20を構成している。中間ケース22と第1ケース21を組み立てると、支持板部20と第2周壁32との間に密閉空間が形成され、この密閉空間が、金属端子60を通すための配置穴となる。従って、予め部品に細長い孔を形成することなく、金属端子60と異物との接触を防止あるいは抑制できる。よって、異物との接触による導通障害を防止あるいは抑制できる。また、第1ケース21に中間ケース22を組み付ける前に、第1ケース21に予め金属端子60を組み込んでおき、その後にモータ6を組み込むときに金属端子60と給電端子29とを導通させることができる。従って、金属端子60の曲がりなどの異常を検出でき、金属端子60を目視で確認しながら給電端子29を接続できる。さらに、金属端子60、モータ6、中間ケース22、および第1ケース21を全て、同一方向から組み付けることができるので、組立性が良好である。
【0054】
本形態の給電端子接続部62は、第1方向Zに延びる給電端子挿入溝65を備える。従って、第1ケース21に金属端子60を組み込んだ後に、第1ケース21の底部にモータ6を組み付ける際、同時に給電端子挿入溝65にモータ6側の給電端子29が挿入される。従って、第1ケース21にモータ6を組み付けて金属端子60に接続する作業が容易である。
【0055】
本形態の給電端子接続部62は、直線部61から第1底部25に沿ってモータ6側へ延びる腕部64と、腕部64から第1方向Zの一方側Z1へ延びる一対の板部63と、を備えており、一対の板部63の隙間が給電端子挿入溝65である。従って、両側から給電端子29を挟み込んで保持できる。また、一対の板部63の先端部は、第1方向Zの一方側Z1へ向かうに従って間隔が拡がるテーパ部67を備えている。従って、テーパ部67によって給電端子29を案内できるので、給電端子29を一対の板部63の間に挿入しやすい。
【0056】
本形態では、一対の板部63は、第1方向Zの他方側Z2の端部が、第1底部25に設けられた第1凹部52に嵌め込まれているので、一対の板部63の隙間が拡がりにくい。また、一対の板部63の位置精度が高まるため、給電端子29を挿入しやすい。
【0057】
本形態の中間ケース22は、第2底部31から第1方向Zの他方側Z2へ突出する突出部53を備える。突出部53は、一対の板部63の一方をガイドする第1ガイド面55と、一対の板部63の他方をガイドする第2ガイド面56と、を備える。第1ガイド面55と第2ガイド面56は、第1方向Zの一方側Z1へ向かうに従って間隔が狭まるテーパ面である。従って、中間ケース22を第1ケース21に組み付ける際、一対の板部63の先端が第1ガイド面55と第2ガイド面56の間に挿入される。そして、中間ケース22が第1ケース21に近づくに従って、第1ガイド面55と第2ガイド面56は、一対の板部63を互いに近づける方向に案内するので、給電端子29が一対の板部63によって締め付けられる。よって、金属端子60と給電端子29とを確実に導通させることができる。
【0058】
本形態では、第1ケース21の支持板部20は、第2周壁32と対向する内側面20aにおいて第1方向Zに延びる端子保持溝50を備えており、直線部61は、端子保持溝50に嵌め込まれている。従って、第1ケース21に金属端子60を保持させることができるので、給電端子29との接続作業が容易である。また、直線部61の位置精度が高まるので、ケース9に固定される基板82に金属端子60を接続しやすい。
【0059】
本形態では、第1ケース21の支持板部20は、端子保持溝50の幅方向の一方側の開口縁から幅方向の他方側へ突出するガイド部51を備える。従って、金属端子60をガイド部51に沿って挿入できるので、金属端子60の組み付け作業が容易である。また、第1ケース21にモータ6および中間ケース22を組み付ける際、端子保持溝50から直線部61が外れることをガイド部51によって規制できる。
【0060】
本形態では、第1ケース21は、支持板部20に設けられた係止突起15を備え、第2ケース23は、第1方向Zの他方側Z2へ延びて係止突起15に係止されるフック16を備える。このように、第1ケース21と第2ケース23をフック16により固定すれば、第1ケース21と第2ケース23の間に中間ケース22を挟んで保持できるため、ねじ固定を削減できる。従って、組立作業を容易化できる。
【0061】
なお、本形態では、第2ケース23をフック16で第1ケース21に係止して固定するだけでなく、中間ケース22をフック19で第1ケース21に係止して固定する構造になっているが、中間ケース22のフック19はなくてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1…開閉部材駆動装置、3…便蓋開閉ユニット、6…モータ、7…出力軸、8…伝達機構、9…ケース、9a…第1側壁、9b…第2側壁、9c…第3側壁、9d…第4側壁、10…開口部、11…突出部、12…基部、13…端子ピン、14…端子部、15…係止突起、16…フック、17…軸受部、18…出力軸支持部、19…フック、20…支持板部、20a…内側面、21…第1ケース、22…中間ケース、23…第2ケース、24…出力軸支持部材、24a…中間板、24b…側板、25…第1底部、26…第1周壁、27…回転軸、28…モータ本体、29…給電端子、31…第2底部、32…第2周壁、32a…外側面、33…中間ケース開口部、35…補強部材、36…軸受部、37…支軸保持部、38…ウォーム、39…第1歯車、39a…第1大径歯車、39b…第1小径歯車、40…第2歯車、40a…第2大径歯車、41…第3歯車、41a…第3大径歯車、41b…第3小径歯車、42…出力歯車、43…補助歯車、43a…歯車部、43b…軸部、43c…端板部、44…トルクリミッタ、48…第1コイルバネ、49…第2コイルバネ、50…端子保持溝、51…ガイド部、52…第1凹部、53…突出部、54…第2凹部、55…第1ガイド面、56…第2ガイド面、60…金属端子、61…直線部、62…給電端子接続部、63…板部、64…腕部、65…給電端子挿入溝、66…曲げ部、67…テーパ部、80…ポテンショメータ、81…検出部、82…基板、200…トイレユニット、201…便蓋、202…便器本体、203…便座、204…タンク、A…閉方向、B…開方向、L…軸線、X…第3方向、Y…第2方向、Z…第1方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9