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特開2023-62624自己学習のための情報処理装置、および自己学習のための情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062624
(43)【公開日】2023-05-08
(54)【発明の名称】自己学習のための情報処理装置、および自己学習のための情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06N 99/00 20190101AFI20230426BHJP
   G11B 9/00 20060101ALI20230426BHJP
   G11B 13/00 20060101ALI20230426BHJP
   G11B 20/10 20060101ALI20230426BHJP
   G06E 3/00 20060101ALI20230426BHJP
   G06N 20/00 20190101ALI20230426BHJP
   G03H 1/22 20060101ALN20230426BHJP
【FI】
G06N99/00 170
G11B9/00
G11B13/00
G11B20/10 301Z
G06E3/00
G06N20/00
G03H1/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021172703
(22)【出願日】2021-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】301023238
【氏名又は名称】国立研究開発法人物質・材料研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】バンディオパダヤイ アニルバン
(72)【発明者】
【氏名】藤田 大介
(72)【発明者】
【氏名】サフー パシック
【テーマコード(参考)】
2K008
5D044
【Fターム(参考)】
2K008CC03
2K008FF27
5D044AB05
5D044AB07
5D044BC01
5D044BC02
5D044BC10
5D044CC10
(57)【要約】
【課題】周期的構造、又は、ループを用いて、様々な現象を記憶することができる自己学習のための情報処理装置を提供する。
【解決手段】自己学習のための情報処理装置(100)は、容器(120)と、前記容器内に置かれたゲル状材料と、前記容器の周囲に位置し、入力データに対応する電磁場を生成する複数のアンテナ(111)と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己学習のための情報処理装置であって、
容器と、
前記容器内に配置されたゲル状材料(gelatinous material)と、
前記容器の周囲に配置され、入力データに対応する電磁界を生成する複数のアンテナと、
レーザ光源およびピエゾ共振器に接続された一対のボルテックス・レンズと、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自己学習のための情報処理装置であって、
前記複数のアンテナは、前記容器の周囲に、共通の水平ベース上に、同心状に配置される、情報処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の自己学習のための情報処理装置であって、
前記入力データを周波数信号の組に変換する第1変換器を備え、
前記周波数信号の組は、前記複数のアンテナに供給され、前記複数のアンテナは、前記ゲル材料(gel material)に前記入力データをリモートで送信する、情報処理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の自己学習のための情報処理装置であって、
前記ゲル状材料は、前記複数のアンテナによって形成される電磁界によってトリガされて成長を開始する1以上の前駆体を含み、
前記前駆体の溶液を調製するために種々の溶媒が用いられ、前記前駆体の溶液は、前記複数のアンテナが前記溶液に前記入力データを送信することにより、ゲルに変化する、情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の自己学習のための情報処理装置であって、
前記複数のアンテナによって形成された前記電磁場は、前記1以上の前駆体を螺旋状ナノワイヤの1以上の集合体に成長させ、
前記螺旋状ナノワイヤの1以上の集合体はそれぞれ、前記入力データ中の周期的事象または略周期的事象にそれぞれ対応する、情報処理装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の自己学習のための情報処理装置であって、
前記複数のアンテナは、前記容器内に螺旋状電磁場の3D分布を形成する放射を行うように配置され、
半周期的電磁場、周期的電磁場、または螺旋状電磁場の前記3D分布は、ループの幾何的形状を含み、各ループは、前記入力データにエンコードされた変数を表す、情報処理装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の自己学習のための情報処理装置であって、
前記入力データの周波数は、周波数の関数として、典型的な長さ、ピッチ、および直径を有する螺旋状ナノワイヤを合成する、1以上の特定の分子のカタログを用いて決定され、
前記入力データ中のループの時間周期は、前記螺旋状ナノワイヤをベースとするゲル状材料のより高次の共振の最大時間および最小時間に従って変化し、
前記螺旋状ナノワイヤ集合体での局所電磁エネルギー・バーストは、より高次の階層的自己集合をトリガし、
特定のゲル状材料に対して、各自己組織化アーキテクチャの共振の上限時間、およびリング周囲上の偏光、直径、および位相特異点の限界値を有する、対応する光学渦が存在する、情報処理装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の自己学習のための情報処理装置であって、
前記レーザ光源と前記複数のボルテックス・レンズの1つとの間に配置され、単色光を偏光信号に変換する一対の直交偏光子をさらに備える、情報処理装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の自己学習のための情報処理装置であって、
前記一対のボルテックス・レンズは、前記容器の2つの側に保持され、前記入力データ内の周期的事象の幾何を保持する構造を有する、ゲル・ナノワイヤおよびナノワイヤベースの超構造(superstructures)によって生成される、1以上の光学渦を前後に反射し、
前記ピエゾ共振器に接続されるボルテックス・レンズは、振動して、前記ゲル状材料のファイバ・ネットワークから放出される近接する渦を分離する(resolve)、情報処理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の自己学習のための情報処理装置であって、
1以上の変換関数を用いて、前記1以上の光学渦の構造を出力データに変換する、光学渦から入力のような出力へのデータ変換器(optical vortex to input-like output data converter)をさらに備え、
前記変換関数は、次々に変化する幾何的形状の組であり、画像の組は、光学渦上に付与されて(attached)、渦極性の方向に追従して回転され、
2つの直交方向のゲルのファイバ・ループによって、放出される信号バースト間の相対位相変化を測定することによって、前記変換関数は決定され、同じ変換関数を用いて、渦出力を前記入力のような出力(input-like output)に変換する、情報処理装置。
【請求項11】
自己学習のための情報処理方法であって、
容器内にフラクタルのような超構造(fractal like superstructure)を構築する、ニューラルネットワークのような螺旋状ナノワイヤのファイバを準備する工程であって、次の工程のための出発材料として1工程合成の出力生成物が用いられる工程と、
相互に絡み合った電磁場のループを生成する工程であって、前記ループは、入力データ中の変数の全てのループを生成し、クロックの統合自己組織化アーキテクチャを合成する、原子スケールから可視スケールに至る、100万オーダーの自己組織化をトリガする、工程と、
を有する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己学習コンピュータおよび自己学習方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一世紀の間、素粒子物理学者、天体物理学者たちは、自律的な自然(self-operating nature)は、その情報を時間構造(time structure)中に隠された幾何的形状として記述すると議論した。ファインマンは、セルオートマトン(cellular automatons)のアイデアに触発され、物理法則を変化する幾何的形状に置き換える日が来るであろうと1965年に記述している(非特許文献1)。一世紀間の歴史的な挑戦は、もう1つある。周期的事象(periodic event)をマッピングするだけで、未知のデータを学習するというアイデアは、数十年前に遡る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】R. P. Feynman、The Character of Physical Law (Modern Library). (MIT Press、Cambridge, MA, 1965), pp. 173.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
時間結晶(time crystal)として知られる、周期的事象(periodic events)、又は、ループの構造を用いて、様々な現象(例えば、脳の意識上の経験、地震、気象予報、深宇宙天体物理学的事象、市場シェア、およびウイルスの情報)をマッピングするための、理論的、実験的な、綿密な努力が1世紀に渡ってなされてきた。これらの歴史的な努力はいずれも、真に成功してはいない。
【0005】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その一目的は、周期的構造、又は、ループを用いて、様々な現象を記憶できる自己学習のための情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、自己学習のための情報処理装置は、容器と、前記容器内に配置されたゲル状材料(gelatinous material)と、前記容器の周囲に配置され、入力データに対応する電磁界を生成する、複数のアンテナとを備える。
【0007】
上述の目的を達成するために、自己学習のための情報処理方法は、容器内に配置されるゲル状材料を準備するステップと、入力データに対応する電磁界を発生させ、前記電磁界を前記容器の周囲に配置される複数のアンテナに供給するステップとを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、周期的事象を、特定の長さ、ピッチ、及び直径の螺旋状ナノワイヤとして、フィルタリングする(filter out)ことができる。螺旋状ナノワイヤは、周期的構造、すなわち、ループを用いて様々な現象を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、静的ループまたは動的ループを容器120に含まれるゲル中に形成される3Dクロック集合体(3D clock assembly)に変換する手法を段階的に説明するための概略図である。
図2図2は、有機ゲル(organic gel)コンピュータ(自己学習のための情報処理装置)の構成例を示す概略図である。有機ゲルコンピュータは、2つの直交部品を有する。マイクロ波入力と光出力。LSは光源であり、OVAは光学渦集合体(optical vortex assembly)である。GTはゲルチューブ(gel tube)である。NMはナノ材料(nanomaterial)、PVLはピエゾ接続ボルテックス・レンズ(piezo connected vortex lens)である。
図3図3は、入射データ中の周期的事象または略(nearly)周期的事象がゲル状材料中の螺旋状ナノワイヤにどのように変換され得るかを説明するための概略図を示す。
図4図4は、入力画像データにおける例示的な周期的事象を示す。チーターの走行映像から、その走行脚の1つが捕捉され、その動きから、ゲルコンピュータのためのループが抽出される。
図5図5は、走っているチーターに関し、容器内の電磁場EMによって成長した螺旋状ナノワイヤの集合体の概略図を示す。
図6図6は、容器および複数のアンテナの例示的な配置、容器内のゲル状材料の模式図、および容器内で成長するナノワイヤの例示的な構造を示す。
図7図7は、容器内で成長させたナノワイヤの別の例示的な構成を示す。
図8図8は、ゲルコンピュータによる演算中に、容器(第1列)中に成長するゲル状材料の時間的画像、第1列(第2列)のR1ボックス領域(box region)の薄片(slice)から撮影された対応SEM画像、および自己学習のための情報処理装置によって投影された、その場光学渦(in situ optical vortices)の画像の例である。
図9図9は、螺旋状ナノワイヤによって、光学渦がどのように形成されるかを説明するための模式図、および相互作用する渦(interactive vortices)によって自動化された数学的操作を説明するための模式図を示す。
図10図10は、光学渦ホログラムが、出力のために、どのように解析されるかを示している。パネルA、B、Cは、2D渦集合体がどのように3D構造に変換されるかを示している。パネルDは、異なる光リング、すなわち、光学渦がどのように相互接続されているか、およびそれらの物理的意義を示している。パネルEは、パネルCの拡大版であり、パネルFは、変換関数(transformation function)を適用した後の出力である。パネルGは、光学渦から導かれる最終的出力を示す。SP1およびSP2は、チーターの動態(dynamics)全てがその周りで動く(played out)、2つの軸(pivot)である。
図11図11は、完全な経路に従うゲルによる、自己学習のための情報処理の3つの実施例を示す。各行は、入力から出力への経路を示す。上段は、音楽ファイルの処理を示す。中段は、チーター映像の処理を示し、下段は、虫(swarm)の処理を示す。
図12図12は、自己学習のための情報処理装置による一連のビッグデータ処理の6つの実施例を示す。
図13図13は、自己学習のための情報処理装置を説明するための概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<<実施形態>>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施形態の概念的な概要および態様)
本実施形態の詳細に入る前に、本実施形態の大まかな概要およびいくつかの態様を簡単に示す。
【0011】
事実データ(factual data)は、空間、時間、または時空間いずれかの変化である。オートマトンは、未知の入力における、3つの属性(すなわち、空間、時間、および時空間)の基本要素、および、それらの変動規則の知見を有しないため、アルゴリズムのトレーニングが必要となる。
【0012】
自然は、要素の対称性または順序付けを用いて、3つの属性の莫大な(astronomical)変動を少数の構成要素に制限する。オートマトンは、幾何的形状の統計上支配的な変化(statistically dominating changes)、すなわち、自然の(in nature)重要な(key)時空間パターンを記憶し得る。
【0013】
そして、オートマトンは、これらの基本構成要素の合成物(composition)として、自己学習のための情報処理をエミュレートする。単発のトレーニングによって、オートマトンは、重要な空間時間ダイナミクス(dynamics)を構成し、未知の情報を構築する規則を学習してもよい。オートマトンが記憶する規則は、基本的な空間的、時間的、および時空間的構成要素を統合することによって、全ての将来の事象を感知し、評価し、再生成する。
【0014】
この規則は、時空間的事象のクラス内に隠された不変量(invariant)である。幼児は、猫を一度見ると、不変量を見出し、生涯を通じて、その全てのバリエーションを認識する。基本的な疑問は、重要な時空間要素と、不変量を単発で見出す、一般的な方法と、を見出し、複雑で長時間のアルゴリズムの必要性を軽減できるか否かである。
【0015】
AIの要求(demand)は、1919年の天体物理学での幾何動力学(geometrodynamics)の時期と著しく類似している。アインシュタインによる幾何的形状変化と時間との不可分な結合によって、アイデアは触発され、大きく発展した。一世紀の間、素粒子物理学者、天体物理学者たちは、自律的な自然は、時間構造内に隠された幾何的形状として、自己学習のための情報処理を記述する、と主張した。
【0016】
ファインマンは、セルオートマトンに触発され、物理法則を変化する幾何的形状に置き換える日が来るであろうと1965年に記述している。その提案は、分子チェッカーボードを構築することによって、検証された。分子チェッカーボードでは、類似の状態軌道によって、形成される幾何的形状が、放射と拡散(radioactivity and diffusion)、すなわち、2つの別個の物理法則を再現する(replicate)。
【0017】
しかし、1世紀の間に、もう1つの歴史的発展があった。周期的事象をマッピングすることのみによって、未知のデータを学習するというアイデアは、1941年に始まった。1世紀間で目覚ましい発展がなされ、時間結晶(time crystal)として知られる、周期的事象、すなわち、ループの構造を用いて、脳の意識的経験、地震、天気予報、深宇宙天文事象、シェア市場、およびウイルスの情報(intelligence)が、理論的にマッピングされた。歴史的な取り組みはいずれも、クロックを用いて、幾何的形状を記述することを試みてはいない。発明者らは、タンパク質において、この手法が可能であることを見出した。
【0018】
未知データ内の時間の構造をマッピングするオートマトンを発明するには、2つの問題に直面する。第1に、シリコン・ハードウェアの構成ブロックは、順次処理(sequential)のプロセッサである。プロセッサは、時間のスケール及び精度が共に変化するとき、多くの異なる時間スケールを有する事象をエミュレートすることはできない。第2に、教師なし学習によって、周期的事象の重なり合うループを識別するためには、相互接続されたループを別個の構造に分離するハードウェアが必要となる。
【0019】
発明者らは、有機ゲルを用いて、これら2つの問題を解決した。ゲルは、単発の教師なし学習によって、未知データ内のクロックの高度に重ね合わされた3D配置をマッピングする。クロックは幾何的形状のコーナー(corners)を構築する。
【0020】
ゲルは、データ全体を読み取ることも、デジタル化することもしないので、データサイズは問題とはならない。周期的特徴のみが感知され、3Dクロック集合体のように振動するゲル構造が構築される。図1に示すように、ゲルは、時間ダイナミクスの3つの層を保持する。第1に、クロックの3D集合体である。第2に、そのクロック集合体中の、未定義の時間ゾーンの2D平面ダイナミクス、すなわち、特異点である。第3に、これらの平面を結ぶラインのダイナミクスである。平面の1D線形ダイナミクスは、時空入力に無関係である。ゲルは、入力を不変の重要な幾何的形状として、学習する。この幾何的形状は、未知の幾何的変化の不変量と直接適合する。この問題は、扱いにくいクリーク(clique)問題に類似する。クリーク問題では、アルゴリズムは複雑な3D幾何的構造中に単純な2D幾何的形状を見出さなければならないが、人間はこれを即座に行う。
【0021】
広範囲のデータベース分類問題を解くことにより、発明者らは、4D、5D、および6Dの時間特徴によりマッピングされた、1D、2D、および3Dの時空間入力によって、エンコードされていない入力を復元(retrieve)可能となることを見いだした。線形6Dアイデンティティを抽出することは、教師なし学習における人間の役割を軽減するための第1のステップである。
(自己学習のための情報処理装置100の構成)
以下、本実施形態に係る自己学習のための情報処理装置100について、図2を用いて説明する。図2は、自己学習のための情報処理装置(機器)100の例示的な構成の概略図である。
【0022】
また、自己学習のための情報処理装置100は、自己学習装置、情報処理装置、ゲルコンピュータ、または有機コンピュータと呼ばれてもよい。なお、以下に説明するように、自己学習のための情報処理装置100は、リモートで操作する自己学習の光学・磁気渦ベースの有機コンピュータとみなすことができる。
【0023】
図2に図示されるように、自己学習のための情報処理装置100は、変換部(conversion unit、第1変換器)110と、複数のアンテナ111-1、111-2、…、容器(container)120と、レーザ光源131と、一対の直交偏光子132と、第1レンズ133と、第2レンズ134と、第1コリメータ135と、第1ボルテックス・レンズ136と、第2ボルテックス・レンズ137と、第2コリメータ138と、第2レンズ139とを備える。また、自己学習のための情報処理装置100は、顕微鏡141およびモニタ142を備えてもよい。また、自己学習のための情報処理装置100は、撮像装置151と、別の変換部(第2変換器)152と、出力装置153とを備えてもよい。
【0024】
本実施形態に係る自己学習のための情報処理装置100では、容器120内にゲル状材料が配置されている。具体的実施例として、容器120は、その軸が重力方向に平行な円筒の形態をしている。容器120はまた、ゲル化チューブまたはゲルチューブ(GT)と呼ばれてもよい。ゲル状材料の実施例については後述する。
【0025】
自己学習のための情報処理装置100では複数のアンテナ111-1、111-2、…は容器120の周囲に配置される。より具体的には、全てのアンテナが容器120の周囲に、共通の水平ベース(CB)上に同心状に配置される。換言すれば、全てのアンテナは、法線ベクトルが容器120の軸に平行な実在または仮想の面上に同心状に配置される。複数のアンテナ111-1、111-2、…は、全体として、符号111で表すことができる。
【0026】
自己学習のための情報処理装置100では、変換部110が入力データを受信し、入力データを周波数信号の組に変換する。次に、変換部110は、複数のアンテナ111-1、111-2、…に周波数信号の組を供給する。複数のアンテナ111-1、111-2、…は、入力データをゲル材料(gel material)にリモートで送信する。
【0027】
具体的実施例として、変換部110は、周波数の関数として、典型的な長さ、ピッチ、および直径を有する螺旋状ナノワイヤ(以下に説明する)を合成するための、1以上の具体的な分子のカタログを用いて、周波数信号(入力信号)の周波数の組を決定する。入力データ中のループの時間周期(time period)は、螺旋状ナノワイヤベースのゲルの共振の最大時間および最小時間に応じて、変化する。螺旋状ナノワイヤ集合体での局所電磁エネルギー・バーストは、より高次の(higher scale)階層的な自己集合体のトリガとなる。特定のゲル材料において、各自己組織化(self-assembled)アーキテクチャの共振の上限時間と、リング周囲上での偏光、直径および位相特異点の限界値を有する、対応光学渦と、が存在する。
【0028】
変換部110は、メモリおよびCPU(Central Processing Unit)として実現されてもよい。このようなCPUは1以上のプログラムを実行することにより、上述した処理を実行することができる。
【0029】
自己学習のための情報処理装置100によれば、以下に示すように、周期的構造やループを用いて様々な現象を記憶することができる。
【0030】
図2に示すように、具体的実施例として、自己学習のための情報処理装置100は、12個のアンテナ111-1、111-2、・・・、111-12を備えることができる。12個のアンテナの各々は、八木アンテナ(Y)であってもよい。この具体的実施例では、変換部110が入力データを受信し、入力データを12個の周波数信号FS1、FS2、・・・、FS12に変換する。次に、変換部110は、これら12個の周波数信号FS1、FS2、・・・、FS12の各々を、12個のアンテナ111-1、111-2、・・・、111-12の各々に供給することができる。すなわち、周波数信号FS1はアンテナ111-1に供給され、周波数信号FS2はアンテナ111-2に供給される。
【0031】
図2に示すように、具体的実施例として、入力データは、画像データであってもよい。本実施形態において、画像データは、複数の画像で構成されていてもよいし、動画像で構成されていてもよい。ただし、この実施例は、本実施形態を限定するものではない。具体的実施例として、入力画像データは、ピクセル値をそれぞれ有する複数のピクセルを含んでもよい。すなわち、例えば、入力画像データは、水平走査線毎に対応する複数のサブ画像に分割することができる。サブ画像のそれぞれは、複数のピクセル値を含んでもよい。
【0032】
図2に示されるように、具体的実施例として、サブ画像のそれぞれは、独立して変換部110に提供されてもよい。変換部110はサブ画像の各々を周波数信号に変換し、次いで、その周波数信号を対応するアンテナに供給することができる。図2に示されるように、例えば、変換部110は、第1の走査線のサブ画像を周波数信号FS1に変換し、次いで、周波数信号FS1を対応するアンテナ111-1に供給することができる。同様にして、変換部110は第2の走査線のサブ画像を周波数信号FS2に変換し、次いで、周波数信号FS2を対応するアンテナ111-2に供給することができる。
【0033】
前述のように、画像データは入力データの一実施例に過ぎない。一般に、入力データは、音声データ、検出データ、または任意の他の形態のデータとすることができる。
【0034】
従って、変換部110は、入力データのデータ片(data piece)の各々を受信し、次いで、データ片の各々を周波数信号の組内のそれぞれの周波数信号に変換する、と表現してもよい。次いで、周波数信号の各々を複数のアンテナ111-1、111-2、・・・の各々に供給してもよい。
【0035】
上述のように、ゲル状材料は、容器120内に配置される。ゲル状材料は、1以上の前駆体を含む。1以上の前駆体は、複数のアンテナ111-1、111-2、・・・によって生成された電磁場によってトリガされて、自動的に成長を開始する。アンテナが溶液に入力を送るときに、ゲルに変換する前駆体の溶液を調製するために、様々な溶媒が使用される。
【0036】
複数のアンテナ111-1、111-2、・・・によって生成された電磁場は、1以上の前駆体を成長させて、螺旋状ナノワイヤの1以上の集合体とする。螺旋状ナノワイヤの1以上の集合体の各々は、入力データ中の周期的事象または略(nearly)周期的事象の各々に対応する。
【0037】
複数のアンテナ111-1、111-2、・・・は複数のアンテナ111-1、111-2、・・・が容器内に半周期的電磁場、周期的電磁場、および螺旋状電磁場の3D(三次元)分布を作り出すように配置され、螺旋状電磁場の3D分布は、入力データ内の、同様の大きさを有する変数(variable)によって作り出されたループの幾何的情報を含む。言い換えると、半周期的電磁場、周期的電磁場、および螺旋状電磁場の3D分布は、ループの幾何的形状を含み、各ループは、入力データにエンコードされた変数を表す。
【0038】
図3に関連して、上記の態様をより詳細に説明する。図3は、入射データ中の周期的事象または略周期的事象がゲル状材料中の螺旋状ナノワイヤにどのように変換され得るかを説明するための概略図である。
【0039】
模式的実施例として、図3の第1(左端の)列に示されるように、周期的事象または略周期的事象が、入力データとして変換部110に入力される。ここで、入力データに周期性がTである隠れた振り子(pendulum)が埋め込まれているとする。上記の隠れた振り子は、入力データ中の周期的事象または略周期的事象の一実施例である。上述のように、変換部110は入力データを周波数信号の組に変換し、対応する電磁界EMが複数のアンテナ111から出力される。
【0040】
図3の第2(左から2番目)列に示すように、容器120内のゲル状材料は、1以上のゲル化剤分子(gelator molecules、前駆体)PSを含む。前駆体PSは図3の第3列に示すように、電磁場EMによってトリガされて、成長を始める。つまり、ゲル化分子PSは、複数のアンテナから出力される電磁界EMの電界分布に応じて自己集合する。前駆体PSの集合体は、ナノワイヤの形態であってもよい。
【0041】
図3の第3列に示されるように、重力は、第1の期間で成長したナノワイヤNW1に作用する。その結果、ナノワイヤNW1は図3の第4列に示されるように、重力の方向に沿って、容器120内を下降する。次いで、第2の期間において、図3の第4列に示されるように、容器120内の、第1の期間に成長したナノワイヤNW1の直上で、他の前駆体PSが成長を開始する。
【0042】
上記のようにして、図3の第5列に示すように、容器120内の前駆体PSは、螺旋状ナノワイヤHNWの1以上の集合体となるように成長する。
【0043】
ナノワイヤの形成後、後述するように、レーザを用いて情報を復元し(retrieve)、光学渦(リング)OVを形成する。第6列では、光学渦からポアンカレ(Poincare)球を構成し、最後に第7列で振子を明らかにした。光学渦は、「クロック」と称されてもよい。
【0044】
上記の説明から、螺旋状ナノワイヤHNWの集合体の各々は、入力データにおける周期的事象または略周期的事象の各々に対応することが理解される。
【0045】
図4は、入力画像データにおける典型的な周期的事象を示す。具体的には、図4が走っているチーターの時間的スナップショットを示す。チーターの1の後脚は、その動きを追跡するために境界B1によって強調される。ここで、その脚(爪)の終点は、上段のデカルト座標から下段の極座標に変換された略矩形のループB2を描く。移動しない位置(position)は、軸(pivot)として機能する。軸は、極座標の円の中心に配置される。極座標では、チーターの後脚が境界C1によって強調され、その脚の終点の周期的運動がループC2として示されている。
【0046】
図5は、容器120内の電磁場EMによって成長させた螺旋状ナノワイヤの集合体の概略図を示す。ここで、電磁場EMは、図4の画像データから変換される。螺旋状ナノワイヤの集合体は、ナノ材料(NM)とも呼ばれてもよい。図5に示されるように、螺旋状ナノワイヤの集合体はナノワイヤの複数のループを含み、その各ループは、入力画像データ内の各周期的部分に対応する。より具体的には、図5に示すように、集合体は以下を含む;
チーターの頭に対応するループ、
チーターの尾に対応するループ、
チーターの前脚に対応する2つのループ、及び
チーターの後脚に対応する2つのループ。
【0047】
すなわち、図4の画像データから変換された電磁場は、容器120内に動的場マップ(dynamic field map)を生成する。ここで、動的場マップ(FM)は、入力データ中の同様の大きさを有する変数によって生成される、ループの幾何的情報を含む、螺旋電磁場の3D分布として表現されてもよい。言い換えると、半周期的電磁場、周期的電磁場、および螺旋状電磁場の3D分布は、ループの幾何的形状を含み、各ループは、入力データ中のエンコードされた変数を表す。次に、ゲルのファイバが場マップを満たし、ゲルのファイバが成長する。その結果、ナノワイヤのループを含み、それぞれが入力画像の各部分に対応するナノ材料を得た。
【0048】
ループは互いにねじり合い(intertwistrd)、絡み合っており(entangled)、入力データ内の周期的事象の特性を反映していることにも留意されたい。
【0049】
図6は、容器(ゲルチューブGT)120および複数のアンテナ111-1、111-2、…(図6の最左部)の例示的な配置、容器120内のゲル状材料の模式図(図6の左から2番目の部)、および容器120内で成長し、顕微鏡141によって捕捉された、ナノワイヤの例示的な構造を示す。
【0050】
図7は、容器120内で成長させたナノワイヤの別の例示的構成を示す。より具体的には、図7が容器(GT)120の最上部からの乾燥ナノワイヤ(乾燥ゲル(キセロゲル))のSEM(走査型電子顕微鏡)画像を示す。小さな部分をズームし、ゲル化剤の超分子パッキングの模式図が示される。
【0051】
以上説明したように、本実施形態の自己学習のための情報処理装置100によれば、入力データに含まれる情報が、螺旋状のナノワイヤの形態で容器120内のゲル状材料に保持される。
(情報を読み出すための構成)
次に、容器120内のゲル状材料に保持された情報を読み出すための構成について説明する。図2に示すように、自己学習のための情報処理装置100は、レーザ光源(LS)131と、一対の直交偏光子(OP)132と、第1レンズ133と、第2レンズ134と、第1コリメータ135と、第1ボルテックス・レンズ(PVL)136と、第2ボルテックス・レンズ(PVL)137と、第2コリメータ138と、第2レンズ139とを備える。上記構成は修正ファブリ-ペロー干渉計とみなすことができる。
【0052】
図2に示されるように、一対のボルテックス・レンズ136および137のそれぞれは、容器120の両側に位置する。ボルテックス・レンズ136はピエゾ共振器(piezo resonator)に接続され、ボルテックス・レンズ137は別のピエゾ共振器に接続される。
【0053】
図2に示されるように、一対の直交偏光子132は、単色光を偏光信号に変換するために、レーザ光源131と第1ボルテックス・レンズ136との間に位置する。
【0054】
レーザ光源131はレーザ光を放射する。レーザ光は、一対の直交偏光子132、第1レンズ133、第2レンズ134、および第1コリメータ135を通過する。次いで、レーザ光は、回転光として3Dプリント・ゲル(成長したナノワイヤ)を通って伝播され、ボルテックス・レンズ136および137にそれぞれ取り付けられた2つのピエゾ発振器(piezo oscillator)の間で、前後に反射する。回転する光はボルテックス・レンズ136と137との間で増幅され、図2に示すように、その構造が入力データに関連する1以上の光学渦OVAの集合体として、投影される。言い換えれば、一対のボルテックス・レンズ136および137は、その構造が入力データに関連する、1以上の光学渦を投影する。換言すれば、ゲル容器の2つの側部に保持された一対のボルテックス・レンズは、入力データ中の周期的事象の幾何を保持する構造を有する、ゲル・ナノワイヤおよびナノワイヤベースの超構造(superstructures)によって生成された、1以上の光学渦を前後に反射する。ピエゾ共振器(piezo resonator)に接続されたボルテックス・レンズは、振動して、ゲルのファイバ・ネットワークから放出される、近接する(closely spaced)渦を分離する(resolve)。
【0055】
図8の上段は、アンテナ・アレイ111が図4のチーターの映像に対応する電磁場を供給するときに、容器120内で成長するゲル状材料の時間的画像を示す。図8の上段の画像それぞれの点線は、渦の投影経路を示す。
【0056】
図8の中段は、上段の画像のR1ボックス領域の薄片(slice)から撮影された、対応SEM画像(スケールバー:2μm(マイクロメートル))を示す。
【0057】
図8の下段は、自己学習のための情報処理装置100によって投影された、その場光学渦(in situ optical vortices)の画像(スケールバー:2cm(センチメートル))を示し、上段および中段の各画像に対応する。下段の各光学渦は、上段の画像のR1ボックス領域の各々から生成される。
【0058】
図9の上半分は、螺旋状ナノワイヤによって、光学渦がどのように発生するかを説明するための概略図を示す。図9の上半分に示されるように、それぞれの螺旋(螺旋状ナノワイヤ)は、光学渦を形成する。光リング(光学渦)上の暗い領域間の円弧差分(arc differences)は、相互作用する周期事象間の位相のギャップであり、異なる幾何的形状を形成する。螺旋のクラスタは、ベクトル渦集合体を形成する。
【0059】
図9の下半分は、相互作用する渦によって自動化された、数学的操作を説明するための概略図を示している。図9の下半分に示されているように、相互作用する渦によって自動化された数学的演算が、加算および減算として、模式的に示されている。
【0060】
以上説明したように、本実施形態の自己学習のための情報処理装置100によれば、入力データに含まれる自己学習のための情報処理が、螺旋状ナノワイヤの形態で容器120内のゲル状材料に保持される。次いで、容器120内のゲル状材料に保持された情報は、1以上の光学渦の1以上の集合体の形態で投影される。
【0061】
次に、光学渦を入力データと同様の形式の情報に変換するための構成について説明する。
【0062】
上述のように、情報処理装置100は、撮像装置151と、別の変換部(第2変換部)152と、出力装置153とを備えてもよい。
【0063】
撮像装置151は、自己学習のための情報処理装置100によって投影される光学渦の画像を撮像する。撮像装置151は、動画像を撮像するカメラであってもよい。変換部152は、撮像装置によって撮像された画像データを、1以上の変換アルゴリズム(変換関数)を用いて、入力データと同様の形式の出力データに変換する。言い換えれば、変換部152は、1以上の変換アルゴリズムを用いて、1以上の光学渦の構造を出力データに変換する。すなわち、1以上の変換関数を用いて、1以上の光学渦の構造を出力データに変換する、光学渦から入力のような出力へのデータ変換器(optical vortex to input-like output data converter、変換部152)である。変換関数は、次々に変化する幾何的形状の組であり、画像の組は、光学渦に付着し(attached on)、渦極性の方向に従って、回転される。ゲルのファイバ・ループが2つの直交方向に放出する、信号バースト間の相対的位相変化を測定することによって、変換関数は決定され、渦出力を入力のような出力(input-like output)に変換するために、同じ変換関数が用いられる。
【0064】
例えば、入力データとして、自己学習のための情報処理装置100に、画像データが入力されると、変換部152は、1以上の光学渦の構造を1以上の画像の形式の出力データに変換する。
【0065】
変換部152は、メモリと一緒のCPU(Central Processing Unit)として、実現されてもよい。このようなCPUは、1以上のプログラムを実行することにより、上述した処理を実行することができる。
【0066】
出力装置は、変換部152によって生成されたデータを出力する。出力装置は、表示パネルまたはスピーカを備えてもよい。入力データが画像データである場合、出力装置は画像形式でデータを出力し、入力画像データが音声データである場合、出力装置は、音声形式でデータを出力する。ただし、出力されるデータの形態は、本実施形態を限定するものではない。
【0067】
図10は、変換部152で実行されるプロセスを説明するための模式図である。図10は、光学渦から情報を復元する(retrieve)手法を示す。A部に示すように、チーターの画像データをゲルにポンピングした(pumping)後に、光学渦が得られる。各螺旋は、光学渦を形成する。光リング上の暗い領域間の円弧差分(arc differences)には、異なる位相が割り当てられる。
【0068】
図10のB部は、位相を割り当てた2Dクロック・アーキテクチャにおける、光学渦の模式的プレゼンテーションを提供する。クロック・アーキテクチャは、変換部152によって実行される、データ解析によって抽出される。ドット(dots)の中の円は、位相がずれた光リング(out of phase light rings)を表す。位相の接続性は、入れ子のサイクルによって示される。
【0069】
図10のC部は、3D空間内の電磁ベクトル方向を表す2Dクロックからのポアンカレ球の調製(生成)を示す。ポアンカレ球は、変換部152によって生成されてもよい。
【0070】
図10のD部に示されているように、フラクタルマップは、光学渦に基づき構築され、他の動物の任意の類似する動態(dynamics)を弁別する(differentiate)。フラクタルマップは、変換部152によって生成されてもよい。図10のD部に示すように、具体的実施例として、フラクタルマップは、大きなサイクル(φ)から始まり、小さなサイクルに徐々に進む。全ての身体部位は、水平線の下の円の組によって示される。これらの円は、図5の形成される渦中の身体部分を示すことができる。
【0071】
図10のD部において、ギリシャ文字は、特定の円の位相を示し、数値は、リング上の黒いドットの数を示す。矢印で示すフラクタル・チャートの末尾の終点は、雌ライオンの場合には存在しない。
【0072】
次に、図10のE部に示すように、2Dクロック・アーキテクチャに基づいて、変換部152によって、3D球が形成される。多数のサイクルが共に合体する(merged there together)ときに、2つの特異点SP1およびSP2が生成される。
【0073】
次に、図10のF部に示すように、特異点の周りでクロックを動作させることによって、静止点(static point)が生成される。静止点は、変換部152によって生成される。円C1と、円C1の内および近傍で同じ濃淡(tone)の、小さい円は、後脚を表す。円C2と、円C2の内および近傍で同じ濃淡の、小さい円は、前脚を表す。円C3と、円C3の内および近傍で同じ濃淡の、小さい円は、胴体を表す。円C4と、円C4の内および近傍で同じ濃淡の、小さい円は、頭部を表す。円C5と、円C5の内および近傍で同じ濃淡の、小さい円は、尾部を表す。
【0074】
特異点SP1およびSP2から、静的点が変換部152によって接続され、ある時点の身体部分(body parts)を導出する(figure out)。類似点間の結合によって、身体組織(organs)の動的ループが形成される。全ての円は、対応する濃淡を有する大きな円によって、最終的にホストされ(finally hosted)、動作の限界が規定される(confine)。
【0075】
最後に、図10のG部に示されるように、楕円体を涙滴形態に描き、特異点SP1およびSP2に集中させることによって、チーターの最終構造は、変換部152によって再構成され、復元される(retrieve)。
【0076】
図11は、変換部152で実行されるプロセスを説明するための別の実施例を示す。図11の3つの段は、出力渦集合体からの入力データ再構成を示す。上段Aは、入力データが音楽の場合を示す。中段Bは、入力データがチーターの画像データである場合を示す。下段Cは、入力データがムクドリの動態(starling dynamics)の画像データである場合を示す。
【0077】
図11には、5つの列がある。第1列は、入力フレームを示す。段Aの第1列は、音の強度対時間のプロファイルを示す。段A,B,Cの第2列は、自己学習のための情報処理装置100の干渉計(一対のボルテックス・レンズ136,137)中で発生する出力光渦を示している。
【0078】
第3列は、第2列の渦出力に対する円形またはクロック表現の概略を示す(approximate)。円形表現、すなわち、クロック表現は、変換部152によって導出されてもよい。第3列の第1タイプのスポット(spot)と第2タイプのスポットはそれぞれ、クロック構造の特異点とシステム点(system point)を表す。
【0079】
第4列では、第3列からの円またはクロックの小さなクラスタが分離され、線(段A)または領域(段B、C)上に立体投影される。段Aでは、クロックラスタは、X軸の両側にガウスピークを投影する。固定周波数のスケールとHzは、「Ni-Re-Ga(C4:277Hz,E4:329Hz,F4:369Hz)」、「Pa-Re(A4:440Hz、E4:329Hz)」である。段BとCでは、第1タイプのスポットが軸(pivot)を形成し、その周囲を第2タイプのスポットが移動する。変換部152によって、第4列中の涙滴から楕円に至る形状が、描かれる。第2タイプのスポットと第1タイプのスポットは、接続されて、第5列中の実際のインプットデータを再生成する。
【0080】
図12は、自己学習のための情報処理装置100によって実行される一連のビッグデータ処理を示す。6つの列は、ビッグデータの段階的な処理を示す。ここで、第1列は、ビッグデータに取り込まれたモーメント(moment)を示している。第2列は、渦形成の原因となる(attribute)データの幾何的分析を示す。第3列は、光学渦の位相の分析を示す。
【0081】
第4列は、フラクタル・チャート、すなわち、ビッグデータの組の周期的ループの位相の相互関係を示す。第5列は光学渦から導かれたポアンカレ球を示す。第6列は、光学渦からの情報処理による自己学習の復元(retrieval)を示す。第6列中の全ての静的点は、第2タイプのスポットで表され、特異点は第1タイプのスポットで表される。
【0082】
図12の段Aは、走っているチーターがどのように復元されるか(retrieve)を示す。段Bは、ポットに水を注ぐ方法を示す。段Cは、入力ファイルからの糖尿病データの第4サブタイプを示す。段Dは、ヒトACE2受容体が、異なる哺乳類に対応する、SARS-CoV2スパイク・タンパク質と相互作用し、相互作用がより強力に進化して、より感染力の強いSARS-CoVウイルスが予測されることを示す。段Eは、4つのグループに分かれ、虫の情報を読み解く、ムクドリの動態を示す。段Fは、映画の歌の音声トラックから、自己学習のための情報処理装置100が、インド古典音楽のクラスを導出することを示している。
【0083】
(自己学習のための情報処理方法)
以下、本実施形態に係る自己学習のための情報処理方法について説明する。本実施形態に係る自己学習のための情報処理方法は、以下のステップを含んでいてもよい。
【0084】
(ステップS101)
ステップS101では、容器120内に配置されたゲル状材料が準備される。
【0085】
(ステップS102)
ステップS102では、入力データに対応する変換部110によって電磁場が生成される。電磁場は、容器120の周囲に配置された複数のアンテナ111-1、111-2、…に供給される。
【0086】
言い換えれば、自己学習のための情報処理方法は、
容器内にフラクタルのような超構造(fractal like superstructure)を構築する、ニューラルネットワークのような螺旋状ナノワイヤベースのファイバを準備する工程であって、次の工程のための出発材料として1工程合成の出力生成物が用いられる、工程と、
相互に絡み合った電磁場のループを生成する工程であって、前記ループは、入力データ中の変数の全てのループを生成し、クロックの統合自己組織化アーキテクチャを合成する、原子スケールから可視スケールに至る、100万オーダーの自己組織化をトリガする、工程と、
を有する。
【0087】
この情報処理方法によれば、周期的構造やループを用いて様々な現象を記憶することができる。
【0088】
なお、自己学習のための情報処理方法は、明細書に説明した自己学習のための情報処理装置100による他のステップを含んでもよい。
【0089】
自己学習のための情報処理方法は、自己学習方法、すなわち、情報処理方法と称してもよい。なお、以下に説明するように、自己学習のための情報処理方法は、リモートで操作する自己学習型の光学渦・磁気渦ベースの有機コンピューティング方法と称してもよい。
(自己学習のための情報処理装置100の更なる説明)
以下、自己学習のための情報処理装置100についてさらに説明する。図13は、自己学習のための情報処理装置100により、光学軸(optical knots)と渦との合成(composition)として、ビッグデータを書き換えることを示している。
【0090】
図13のA部には、走っているチーターの急速に変化する動態ポイントが5段階の濃淡でプロットされている。全ビットが取得されると、ビッグデータになる。後脚に対応する4つの周期的動きループの統計データベースは、膨大な(astronomical)相関を有し得る。重複ループ領域は、矢印で示される混同状態(confusion)として表現されてもよい。図13のB部に示すように、A部のビッグデータの少数の主要なループは、図13のB部中に別個の(distinct)幾何的螺旋を形成する。各螺旋は、光学渦を形成する。図13のC部では、螺旋のクラスタは、ベクトル渦集合体を形成する。クラスタは、ユニットとして動作し、暗い3Dライン(暗い軸(knot))の構築スカラー干渉ループと相互作用する。ベクトル渦とスカラー渦の両方がポアンカレ球上に集まる。図13のD部では、光リング上の暗い領域間の円弧差分(Arc differences)は、図13のA部に示される相互作用する周期的事象間の位相ギャップである。A部の3つの混同状態(confusions)のループは、D部の五角形中に3つの特異点を形成する。D部の「五角形+正方形」は、混同状態の構造(architecture)である。
【0091】
また、「実施形態の概念的な概要および態様」の項や上記の説明で述べたように、ゲルは、データ全体を読み取ったり、デジタル化したりしないため、データサイズは問題とはならない。周期的特徴のみが感知され、3Dクロック集合体のように振動する、ゲル構造を構築する。図1に示すように、ゲルは、時間的ダイナミクスの3層を保持する。第1に、クロックの3D集合体である。第2に、そのクロック集合体中の、未定義の時間ゾーン、すなわち、特異点の、2D平面ダイナミクスである。第3に、これらの平面を結ぶ線のダイナミクスである。平面の1D線形ダイナミクスは、時空入力とは独立である。ゲルは、時空入力を不変量の重要な(key)幾何的形状として学習する。その幾何的形状(geometry)は、未知の幾何的変化の不変量と直接適合する(directly match)。この問題は、扱いにくいクリーク(clique)問題に類似している。クリーク問題では、アルゴリズムは複雑な3D幾何的構造中に単純な2D幾何的形状を見出さなければならないが、人間はこれを即座に行う。
【0092】
上述のように、広範囲のデータベース分類問題を解くことによって、発明者らは、4D、5D、および6Dの時間特徴によりマッピングされた、1D、2D、および3Dの時空間入力は、エンコードされていない入力を復元(retrieve)可能とすることを見出した。線形6Dアイデンティティを抽出することは、教師なし学習における人間の役割を軽減するための第1のステップである。
【0093】
図3に示すように、ゲルのセットアップ、すなわち、自己学習のための情報処理装置100の一例は、クロックの3D配置として、ビッグデータ内の周期的事象を即時に識別し、追従し、マッピングする。キャビティ共振器(cavity resonator)(対のボルテックス・レンズ136および137)を用いて、各周期的事象において、1の固体透明螺旋状ナノワイヤを合成する。共振するナノワイヤは、入力回転光、すなわち、光学渦を編集する。螺旋の長さ、ピッチ、および直径に応じて、1~6個の位相特異点が光リング外周(perimeter)上に形成される。図9の上半分に示されるように、特異点は暗いスポットとして見える。暗いスポット間の円弧ギャップ(arc gap)は、幾何的形状として、サブ事象間のリンクを明確化する。
【0094】
容器120内のゲル構造は、半透明であり、光と、螺旋経路の場(field of helical path)をゲル分子と相互作用させる、信号の周波数と、を通過させ、その結果、螺旋を読み取るための入力単色レーザ光は、化学ポット(容器120)内で合成された、別個の螺旋それぞれの幾何的パラメータに比例して、角運動量が変化して、ホログラムとして投影される光リングの集合体を生成する。
【0095】
入力データ(未知データ)内で(within and above in)事象が成長するため、螺旋は、化学ビーカー(容器120)内で結合し、放出された光リングも1のユニットとして結合する。反射光リングの直径は、事象の周期性に従って、拡大または収縮する。スケールアップするにつれて、正確に配向された螺旋は共振して、急速に合成されたナノワイヤ集合体は、入力データ内の全ての略周期的事象の間の、全ての可能な位相関係をエミュレートする。事象間の複雑なリンクは、放出されたホログラム(光学渦)中で、暗いスポット、光リング直径、回転光の方向、および2D平面光リングの相対的3D方位として、エンコードされる。光リングのホログラフィック3D配置は、ビッグデータの正確な変化をそのまま表す(live-feed)。ビッグデータに新しいインテリジェントな特徴が生じると、新たな光リングが現れる。周期的事象間の関係が変化すると、ホログラム上でリングは即時にシフトする。
【0096】
先に説明したように、発明者らは、図2の設定(set up)を最適化し、入力データ(未知データ)に隠された周期的事象間の関係が、合成ナノワイヤおよび投影ホログラムに正確にエンコードされることを確かなものとした(ensure)。設定は2つの直交部分を有する。垂直部分は、GT全周に配置されたアンテナ・アレイ(アンテナ111-1、111-2、…)を用いて、前処理されたビッグデータを合成ビーカー(GT)(容器120)にそのまま供給する(live-feed)、3Dプリンタである。変換部110による前処理は、入力データを、有機前駆体が識別する、マイクロ波周波数の2Dまたは3Dマトリックスに変換する。入力2Dまたは3Dマトリックスの軸は相関変数である。これらは、ホログラム出力中の(r,θ)または(r,θ,φ)に変換され、したがって、入力フォーマットを戻すことは簡単(straightforward)である。
【0097】
ワイヤレス入力において、入力値は電磁周波数(EM)にブラインド的(blindly)に変更される。アンテナ・アレイ給電は、GT内にEM場パターンの2Dディスクを構築する。容器120内のゲル化(gelator)分子は、共振し、好ましい場のライン(favored field lines)を満たす。プリントされたディスクは、重力によって降下する。このときまでに、アンテナ・アレイは、データ、すなわち、新しいディスク形態、新しい分子を更新し、空の場の容器(empty field cages)に注ぐ。合成は、ディスクごとに継続される。ディスクを横切る等周波経路(iso-frequency path)は、透明な螺旋状ナノワイヤを構築する。
【0098】
図2の設定の水平部分は、3Dプリント・ゲルを通して、回転光を送り、ボルテックス・レンズ136および137にそれぞれ取り付けられた、2つのピエゾ発振器の間で前後に反射させる、修正されたファブリ・ペロー干渉計である。ボルテックス・レンズ136および137を用いて、633nmの入力He-Ne単色レーザ光に角運動量を誘起し、光リング、すなわち、光学渦が形成される。
【0099】
反復反射は、2つの操作を実行する。第1に、微弱な2D光リングを105オーダー増幅し、3Dホログラムとして理解される、周囲全体に光リングを有する、位相球上に重ね合わせる。
【0100】
ゲルの形態、周波数範囲、およびアンテナ-キャビティの幾何的形状は、入力データ中の周期的事象ψ_i(プサイ_i)、ゲル中で生成される螺旋、およびホログラフィック出力内の光リング集合体の間での1対1対応の鍵(key)である。ゲル化剤、すなわち(S)-フェニル-テトラデカノイルアミノ-酢酸メチルエステルは、ヘプタン溶液(ゾル)中に、ランダムな形状の螺旋状ナノワイヤのゲルを自然に形成する。アンテナ・アレイは、螺旋状ナノワイヤの長さ、ピッチ、および直径を正確に編集し、その結果、ビッグデータの各ピクセルに対応し、ワイヤレスで送信されるEM周波数は、特定の幾何的形状の螺旋を生成する。より高い周波数(MHz)では、原子スケールの螺旋が構築され、これらの螺旋は、ずっと低い周波数(kHz、Hz)で共振するマクロ螺旋に自己組織化する。いったん書き込まれると、固体ゲルは、ナノ螺旋の複雑な3D方位を長年にわたって保持する。ゲルは70℃で溶融し、新たな入力の準備が整う。GT中のゲルを置き換える必要はない。ゲルは、溶融し、再使用できる。
【0101】
上部の1の混同状態(confusion)は、混同状態の構造の下層にある事実と自動的に結びつく。この原則は、「疑義(doubt)の原則(D2)」と称してもよい。この原則D2は、混同状態を解消しないが、事実及び混同状態を共に3D階層ネットにマッピングする。D2はディープ・ラーニング・ネットのように見えるが、混同状態、すなわち、事実をD2上の線で結びつけることによって問われるあらゆる質問に対して、回答として、可能な全ての関連性を提供する。D2が40の混同状態から形成される場合、240の疑問に対処できる可能性がある。
【0102】
いくつかの態様において、自己学習のための情報処理装置100は、D2コンピュータと見なされてもよい。自己学習のための情報処理装置100を操作するためには、事実と混同状態のための物理的属性(attribute)が必要である。ビッグデータの周期的事象(式(1))は、光リングの周囲に沿った電気ベクトルの回転と等しくなる。
【0103】
【数1】
【0104】
【数2】
【0105】
ここで、l(式(3))は角運動量であり、Φ(式(4))は回転位相である。
【0106】
【数3】
【0107】
【数4】
【0108】
渦は干渉し、リング周囲に暗いスポットを生成する。光リング、すなわち、光渦上のn個の暗いスポットにおいて、混同状態(式(5))が得られる。
【0109】
【数5】
【0110】
「n=1」(式(6))の場合、事実が得られ、「n≧2」(式(7))において、混同状態が得られる。これはスカラー渦に当てはまる。
【0111】
【数6】
【0112】
【数7】
【0113】
ベクトル渦において、n(式(8))は、リングのねじれのクラスの数である。ベクトル渦では、暗いスポットの数が十分に多くなり得るからである。混同のアーキテクチャの各面は、複数のΨ(式(9))を含む。
【0114】
【数8】
【0115】
【数9】
【0116】
渦は条件付きで結合され、混同状態のリングを形成するかもしれない。すなわち、(式(10))が得られる。
【0117】
【数10】
【0118】
Ψ(式(11))の複数のクラスタは、1の層を形成する。混同状態のアーキテクチャは、内部および上部(within and above)で成長するので、n(式(12))個の層がある場合、混同のアーキテクチャD2を表す波動関数は(式(13))である。
【0119】
【数11】
【0120】
【数12】
【0121】
【数13】
【0122】
問題「n≧3」(式(14))を解決するために、決定の生成物(product of decision)Ψac(式(15))は、光学的渦の集合体として、見られる。ビッグデータ内の周期的事象間の3D関係を明らかにする等価な入れ子の位相球は、システムの知力である。
【0123】
【数14】
【0124】
【数15】
【0125】
D2動作を簡単に説明するために、発明者らは、走っているチーターの全ての周期的事象Ψac(式(16))をマッピングし、D2を構築した。チーターの学習ゲルは、走っている雌ライオンを分析し、重要な動態の相違(key dynamic differences)を即座に示唆した。
【0126】
【数16】
【0127】
図2に示すように、チーターの映像入力をゲル(gelator)溶液にポンピングしながら、GT(容器120)の周囲全体(all around)に配置された12本の八木アンテナ(111-1、…、111-12)を用いて、チーターの矩形フレームを12行22列にスライスし、1列中12ピクセルずつ一度に供給した。
【0128】
マックスウェル方程式を解くことにより、チーターの映像が供給されたときの電磁場の分布を決定した。1の列は、場のディスクを形成し、1のフレームは、場の単位円筒(unit cylinder)を形成し、映像は、場円筒の長さを増加させる。映像内のピクセルが開始点に戻る場合、GT内で、螺旋の1周期が得られる。チーターが走るにつれて、螺旋に新しいピッチが加わり、ゲルが場の容器を満たす。走っているチーターの映像は、ループ内で動く多数のピクセルを含む。
【0129】
しかしながら、キャビティ内のEM場の3D干渉は、非平面ループを結合するので、特定の身体組織(organ)からの自己相似ループの膨大な(astronomical)個数は、1に収縮する。図4に示されるように、走っている間、チーターの2つの後脚および尾は、腰の静止点に対して、3つのループをたどる。同様に、2つの前脚および頭は、静止点が肩にある3つのループをたどる。2つの静的点が極プロットの中心を結ぶ。SEM画像は、GTキャビティが入れ子のループを所望の幾何的形状の入れ子の螺旋に確実に変換することを示す。
【0130】
変換部152によって、ゲル投影渦ホログラムを認識形式(cognitive format)に直感的に変換することができる。しかしながら、単純なアルゴリズム、すなわち、操作の組は、入力のような出力を生成する。変換部152は、ホログラム内の渦の数、各リング上の暗いスポットの数をカウントし、角運動量のソーティングによって、全てのリングの相対的位相が明らかになる。
【0131】
リングの直径は、r_nであり、平面内位相は、θ_nであり、非平面クロック間の角度は、φ_nである。相対的な位相は、クロックの開始システムポイントの位置を実証する(underpin)。したがって、変換部152により、3Dクロック集合体は、4Dダイナミクスとして得られる。発明者らは、入れ子のクロックを制限する、位相特異性ドメインの遅延、すなわち、暗いスポットの遅延が、ルートを終了させることに気付いた。
【0132】
次に、変換部152は、未定義の時間ゾーンからなる、周期的に振動するラインを見出す。これらのラインは、ネットワーク内および上(within-and-above network)の入れ子とされた3Dクロックを動かす、2Dグローバル・クロックである。位相特異点は、軸として働き、2D平面内でクロックを動かす。4D時間スケールに対する新たな直交軸が必要であるため、5Dと称する。この平面は、各クロックでの3D球変動の下でも変化せず、クロックの集合体は類似のホログラムを表す。5Dの平面は、周期的に振動する線(thread)で接続されているが、その線形ダイナミクスは、平面シフトの影響を受けないため、発明者らは、5Dに新しい直交軸を追加し、6Dダイナミクスに1Dラインを割り当てる。
【0133】
円の1D、2D、および3D時間構造導出集合体は、走っているチーターの全てのフレームの重ね合わせのように見える。変換部152は、振り子の軸に対する、少数の幾何的形状遷移の出力として、多くの円を縮小する。クロックが動く場合、ホログラム内の3Dクロック集合体は、チーターの将来の走行ステップを無限に生成する。1D,2D不変量は、30枚のチーターの映像をゲルに与えても、一定のままである。
【0134】
不変量検出は、普遍的である。図12は、ゲルによって読み取られ、分析された広範に変化したデータフォーマットを列挙する。発明者らは、深層学習によってすでに解明されている糖尿病遺伝子発現データをゲルに与えた。そのホログラムは、深層学習がまさに予測したように、隠れた遺伝的表現を明らかにした。したがって、ゲルは、静的データ中の期間を復元する(retrieve)。発明者らは、コロナウイルスのスパイクおよび細胞受容体ACE2接合部の形状をゲルに与え、構造を進化させるために動物間で使用されている情報(intelligence)を見出した。
【0135】
このホログラムは、コロナウイルスは、18年の間、感染力が大きくなるように、接合部を改良し続けている(perfecting)ことを示す。従って、ゲルは、ランダムに混合された期間をフィルタリングする。鳥の一族は、空を飛んでいる間に、破壊され(destroy)、新しいグループを作り出す。ゲルは、映像内にグループの規則形成を十分に見出し、鷲がそのグループを攻撃した場合に、ゲルはパニック応答をそのまま予測する。したがって、入力パターンがランダムに消失しても、ゲルの周期性マッピングは残る(survive)。
【0136】
時間ループに配置された周波数パケットの純粋な音声ファイルは、単発の学習によってゲルにエンコードされる。周波数パターンに埋め込まれた複雑な歌がゲルに供給される。ゲルは、複雑な入力中の記憶パターンを抽出する。したがって、ゲルはクリーク問題を解決する。最後に、発明者らは、あるポットから別のポットに液体を滴下する、ランダムな映像を分類するという、オープンな挑戦を行った。ゲルは、単発の学習後に、方向、位置、および速度の変動を分類する。したがって、ゲルは任意の入力フォーマットからの、重要な(key)1Dおよび2D不変量を記憶し、共鳴によって、任意の入力1D、2D、または3Dパターン中に、見出す。
【0137】
学習されたゲルは、1D、2D不変量と共鳴するので、応答はそれ自体で質問者に到達し、回路を探索または構築する必要はない。1D、2D不変量上の5つの時空変換をロックし、3Dクロックを実行することにより、86%の精度で、入力のような出力1D、2D、3D、空間的、時間的、時空的パターンをほぼ再構成し得る。
【0138】
光リングが入れ子の位相球として書き換えられるとき、ゲルに決してエンコードされていない膨大な(astronomical)経路が保持される。各経路は、アルゴリズムとして、機能する。アルゴリズムは、ピクセルの物理的な動きとして、周期的事象を検出する。したがって、事象間の条件付き位相関係を見出すことはできない。ゲルは、時間領域中の1D、2D不変量を見出すので、ゲルは条件付き位相関係を見出す。ゲルは、ホログラフィックキーを保持し、光が回転すると、幾何的形状がアクチュエートされる。
【0139】
ゲル・ナノワイヤは、ナノワイヤ配列の対称性に基づいて、ホログラムを生成する。ホログラムは、ナノワイヤの数、またはナノワイヤで作られた格子内の欠陥に敏感ではない。したがって、ホスト・クロックに埋め込まれた5つのゲスト・クロックがダイナミクスを示す場合、その五角形は、クロックの入力3D幾何内で、膨大なやり方で変形する可能性がある(ここでは「ゲスト」クロックが「ホスト」クロックに埋め込まれる可能性があるという、階層的な用語を用いたことに留意されたい。また、「ドーター(daughter)」クロックおよび「マザー」クロックの用語を用いて、クロックの階層構造を表現してもよい)。ゲルは、依然として、典型的な五角形のホログラムを生成する。さらに、クロックはその中および上で成長する(grow within and above)。これは、幾何的形状のコーナー(corner)の内側に幾何的形状が存在することを意味する。
【0140】
したがって、全てのチーターは異なって走り、正確には、走行スタイルが異なる1D、2D不変量は正確に実証する(underpin)。最後に、極めて近似する幾何的形状合成物(composition)が学習ゲルに適用される場合、出力光リングは、保持されたダイナミクスとの類似性および差異を定量的に明らかにする。
【0141】
現実世界のデータでは、略周期的事象の結合条件は、時間と共に変化し、ループ形状は変動し、ループは重なり合い、再グループ化する。ゲルの言語は、基本的幾何を用いて、幾何を学習することである。注目すべきことに、より高い次元への空間的な移動は、1Dで始まり、時間的な移動は6Dで終わるが、1Dダイナミクスである。
【0142】
したがって、ループは、膨大に(astronomically)再形成されるが、1D不変量はゲルの共形(conformal)渦マップを保持する。したがって、有機ゲルの処理の強み(strength)は、密集したクロックを見出して、正確に配向させることである。その結果、周期性マッピングは、メモリの容量およびデータ処理速度を絶えず増加させる、半世紀前の要求から、ゲルが未知データから3Dクロック・マップ、すなわち、不変量を複雑に復元し得る(could intricately retrieve)、時間帯域幅への要求へと、焦点を移す。ゲルの不変量抽出時間は、データサイズに依存しない。必要に応じて、速いゲルと遅いゲルを組み合わせてもよい。
【0143】
ゲルが入れ子の事象を分解する時間領域は、その効率、精度、および予測可能性を決定する。非常に遅いクロックが、3Dクロック集合体中の、より速い周期的クロックをホストする場合、非反復事象は、何世紀にもわたって、展開する可能性がある。発明者らは、全ての中枢(brain)リズムを、アルゴリズムなしで、即座に、操作を良く学習する、自己動作数学的宇宙(SOMU:self-operating mathematical universe)の一部として、特異な3Dクロック・アーキテクチャにマッピングした。
(D2プロトコルに関する備考)
部分的に上述したように、自己学習のための情報処理装置100の実現の背後には、「疑義(D2)」という概念が導入されてもよい。D2プロトコル(D2アルゴリズム)は、次のように表すことができる。
【0144】
事実を見出す代わりに、D2プロトコルは、混同状態(confusion)、すなわち、明瞭ではない概念を検索する。次に、D2プロトコルは、その混同状態中に、より多くの混同状態を見出そうとする。検索は、検索が事実に直面するまで継続する。以下の手順で得られる3D構造は、混同(confusion)のアーキテクチャと称してもよい。全ての事象、すなわち、事実は循環的であるか、または、事象は周期的である。混同状態は、多くの周期的事象の重ね合わせである。混同状態のアーキテクチャは、位相球を用いて表され、その表面には、クロックを示す円がある。この円上をシステム点が移動する。混同状態のアーキテクチャの3Dクロック表現は、未知のデータベース内の全ての周期的事象間の全ての可能な位相関係を、読み取ることなく、明らかにする。これはD2プロトコルである。
【0145】
<<実施形態の様々な態様>>
実施形態には様々な態様がある。実施形態に記載された態様および説明は、以下のように表現され得る。なお、自己学習のための情報処理装置100は、アナログ即時未知データ(入力データ)分析器とみなすことができる。
【0146】
<態様1-1>
3Dプリンタ(変換器110、アンテナ111のアレイ、および容器120)からなるアナログ即時未知データ分析器(analog instant unknown data analyzer)であって、未知データ(入力データ)内の周期的事象または略周期的事象を螺旋状ナノワイヤの集合体に変換し、(レーザ光源131によって)偏光を照射し、入力データに関し即時のナノワイヤ集合体によって生成された投影ホログラムを(変換部152によって)変換する。
【0147】
<態様1-2>
態様1-1に係るアナログ即時未知データ分析器において、(変換部110により実行される)前処理アルゴリズムは、周数数の関数として、典型的な長さ、ピッチ、および直径を有する螺旋状ナノワイヤを合成する、特定分子のカタログを用いて、変数に関して示される静的または動的なデータ(入力データ)を周波数の組に取り込む。
<態様1-3>
態様1-1または1-2に記載のアナログ即時未知データ分析器において、3Dアンテナ・アレイ(アンテナ111-1、11-2、…)およびゲル合成ポット(容器120)は、共に螺旋場(螺旋EM場)の3D分布を生成するように構成され、前記場の分布は、前記未知データ(入力データ)と近似する大きさを有する変数によって生成される、ループの幾何的パラメータを含む。
【0148】
<態様1-4>
態様1-1から1-3のいずれか1つに記載のアナログ即時未知データ分析器であって、合成物(composition)、すなわち、特異分子ゲル前駆体(singular molecular gel precursor)は、ゲル合成ポット(容器120)内に保持され、分子スケールから、充填された分布の大きさ(dimension)と同様の、スケールへと成長を開始し、等周波数螺旋場領域(iso-frequency helical field region)を満たす特性を有する。
<態様1-5>
態様1-1から1-4のいずれか1つに記載のアナログ即時未知データ分析器であって、ゲル構造は半透明であり、光と、螺旋状経路の場(field of helical path)をゲル分子と相互作用させる、信号の周波数と、を通過させ、その結果、螺旋を読み取る入力単色光は、化学ポット内で合成された個別の螺旋それぞれの幾何的パラメータに比例して、角運動量が変化し、投影された光リングの集合体を、ホログラムとして、生成する。
<態様1-6>
態様1-1から1-5のいずれか1つに記載のアナログ即時未知データ分析器であって、孔を有するピエゾ共振器に接続された1または一対のボルテックス・レンズ(136及び137)は、光線に沿って、前記化学合成ポット(前記容器120)の2つの側(side)に保持され、振動によって、共振振動するピエゾ接続ボルテックス・レンズ(piezo-connected vortex lens)対は、螺旋状ナノワイヤ集合体の周波数スペクトルを増幅し、走査する。
<態様1-7>
態様1-1から1-6のいずれか1つに記載のアナログ即時未知データ分析器であって、(変換部152によって実行される)出力渦の後処理のために、変換関数の組が、渦リングの集合体に適用されて、出力渦を静的または動的パターンに変換する。このパターンは、螺旋状ナノワイヤ集合体溶液(容器120内のゲル状材料(gelatinous material))への入力データとして送出される可変プロット(variable plot)のように見える。
<態様2-1>
態様1-1から1-7のいずれか1つに記載のアナログ即時未知データ分析器であって、シミュレータ(自己学習のための情報処理装置100を含むシミュレータ)内のアルゴリズムを用いて、入力1D、2Dおよび3D変数内の同様の値のループを検出し、ループを、出力として、光学渦のホログラムに直接変換し、出力を入力変数に類似するプロット(plot)に変換することを繰り返す。
<態様2-2>
態様2-1に記載のアナログ即時未知データ分析器であって、同様の値のループが相互接続されたループ間の相対的な空間的および時間的関係は、容器120内で決定され、位相球の3Dプロットを形成し、各位相球は1のループに対して形成され、球上の円はループを表し、システムポイントが周辺に配置され、動きが前記システムポイントに割り当てられて、未知データ内の同様の値のループのダイナミクスを表す。
<態様2-3>
態様2-1または2-2に記載のアナログ即時未知データ分析器であって、前記未知データ(入力データ)内の類似の値のループから生成された3D位相球の集合体は、ゲストホストシステムとして機能し、1の位相球は、他の位相球に挿入され、前記他の位相球は、前記挿入されている位相球に類似する境界を有する未定義の位相領域の場所を選択する。
<態様2-4>
態様2-1から2-3のいずれか1つに記載のアナログ即時未知データ分析器であって、前記3D位相球集合体内のクロックのように機能する、全ての回転円の位相、角運動量、回転方向は、前記データ分析器(自己学習のための情報処理装置100)が学習するメモリ要素として機能し、新たな未知データが前記シミュレータ(自己学習のための情報処理装置100)への入力として送られるときに、種々の対称性の類似性および差異が決定される。
<態様3-1>
アナログ即時未知データ分析器の前処理アルゴリズムおよび後処理アルゴリズムは、略周期的事象が見出されない、広範囲なシミュレーションを実行し、数学的変換を介して、データベースは繰り返され、前記事象中の周期性を見出す。
<態様3-2>
態様3-1に記載のアナログ即時未知データ分析器の前処理アルゴリズムおよび後処理アルゴリズムであって、半周期的(semi-periodic)事象の前処理のために、変数が時間ループを完了せず、1のポイントから他のポイントにジャンプし、自体のループを横切り、平均経路が想定され(conceive)、システムポイントが未知データ内のラインに沿って周期的に移動する場合、ループと考えられ、新しい位相球が形成される。
【0149】
<態様3-3>
態様3-1または3-2に記載のアナログ即時未知データ分析器の前処理アルゴリズムおよび後処理アルゴリズムであって、前記未知データ内の同様の値が重なるループが特異球上に重ね合わされ、共通領域を有するループが、前記共通領域内で重なり合う共通位相球を生成する。
<態様3-4>
態様3-1から3-3のいずれか1つに記載のアナログ即時未知データ分析器の前処理アルゴリズムおよび後処理アルゴリズムであって、選択された15の変換関数が3D位相球集合体に変換された入力データに適用され、前記3D位相球集合体への入力を最も正確に変換する、相関関数の最良の合成物(composition)を見出し、出力渦集合体または球の集合体が、後処理を介して、入力のような出力に変換されるときに、前処理中に変換のために同定された手法(methodologies)が用いられる。
<態様4-1>
アナログ即時未知データ分析器であって、電磁アンテナで囲まれた化学合成ポットが、超分子集合体形成を介して、ループで作られた螺旋状ナノワイヤの3Dアーキテクチャを構築するように構成される。
<態様4-2>
態様4-1に記載のアナログ即時未知データ分析器であって、未知データがピクセルに分割され、設定値に正規化されて、電磁周波数カタログが適用され、各ピクセルは、化学合成ポット(容器120)の典型的な電磁周波数および反射透過吸収に関連付けられ、前記前駆体からのナノワイヤ合成周波数は互いに影響せず、孤立した帯域に保たれる。
<態様4-3>
態様4-1または4-2に記載のアナログ即時未知データ分析器であって、化学ポット(容器120)の境界が誘電体共振器として機能し、キャビティは、キャビティ共振器、すなわち、前記材料として機能し、それぞれの略周期的ループにおいて、螺旋分布場が形成され、2D角度変化が3D角度配向を形成し、絡み合ったループが絡み合った螺旋を形成する。
<態様4-4>
態様4-1または4-3のいずれか1つに記載のアナログ即時未知データ分析器であって、アレーアンテナ(アンテナ111-1、111-2、・・・)が、化学合成ポット(容器120)の全周囲にリングの形状、すなわち、リングの段(column)の形状の1または複数のリングのような配列が形成されて、場分布の筒状(columnar)領域を形成し、これにより、螺旋状ナノワイヤ集合体の複数の複製(replica)を確実なものとする。
<態様5-1>
アナログ即時未知データ分析器であって、ピエゾ接続(piezo connected)ボルテックス・レンズ(136および137)は、修正された渦で作られたホログラムを形成する。
<態様5-2>
態様5-1に記載のアナログ即時未知データ分析器であって、ピエゾ共振器の振動は、前記ボルテックス・レンズに最適化され、前記ピエゾ接続ボルテックス・レンズは、螺旋状ナノワイヤ合成に用いられる波長を変化させるのに十分な所望の周波数で共振し、前記振動は、前記印加されたレーザ読み取り周波数に同調して、周波数走査を進展する。
<態様5-3>
態様5-1または5-2に記載のアナログ即時未知データ分析器であって、ボルテックス・レンズ(136および137)は、光を回転させ、前記読み取り光に角運動量を加え、一対のピエゾ接続ボルテックス・レンズ間の反復反射が、螺旋状ナノワイヤ集合体の情報を読み取るための、走査の走査周波数帯域幅および周波数分解能を増加させる。
<態様5-4>
態様5-1から5-3のいずれか1つに記載のアナログ即時未知データ分析器であって、ボルテックス・レンズ(136および137)接続のピエゾ共振器は、光を通し、半導体カメラによって最終的に読み取られる出力として、外部へ到達させる、孔を有し、前記2つのレンズ(136および137)間の相対角度は、互いおよび前記化学合成ポット(前記容器120)に対して調整され、一体化された3D渦集合体は、前記螺旋状ナノワイヤ集合体から外部に放出される。
<態様6-1>
アナログ即時未知データ分析器であって、分子前駆体(molecular precursor)が選択され、前記分子前駆体は、印加電磁周波数の関数として、広範囲の幾何的パラメータの螺旋状ナノワイヤを形成する。
<態様6-2>
態様6-1に記載のアナログ即時未知データ分析器であって、前駆体から螺旋状ナノワイヤへの化学合成の反応動力学の速度は、アンテナによる、化学合成キャビティへのピクセル毎の電磁信号として、データが供給される速度と適合し、不適合は、構造の不連続性をもたらす。
<態様6-3>
態様6-1または6-2に記載のアナログ即時未知データ分析器であって、前記好適な分子前駆体、すなわち、任意の合成部は、印加された電磁周波数の関数として、適切な長さ、ピッチ、および直径を有する、透明螺旋状ナノワイヤを形成し、その誘導体(derivative)の複数の複製(replica)を生成して、急速に沈殿せず、重力に抗して浮遊する、透明な超構造(superstructures)を構築する。
<態様6-4>
態様6-1から6-3のいずれか1つに記載のアナログ即時未知データ分析器であって、1または複数の分子前駆体、すなわち、螺旋状ナノワイヤ合成部の任意の合成物(composition)が用いられて、任意の未知データ(入力データ)中に見出される広範囲のループをカバーし、未知データが前記化学合成ポット(前記容器120)に供給されるときに、データが更新される速度の広い変動に適合させる。
[追加備考1]
本発明は、前述の例示的実施形態に限定されず、特許請求の範囲内で当業者によって様々な方法で変更することができる。例えば、本発明は、上記例示的実施形態に開示された技術手段の適宜な組み合わせにより得られる例示的実施形態をその技術的範囲に包含する。
[追加備考2]
以上開示した例示的実施形態の全部または一部を以下に示す。しかしながら、本発明は、以下の実施例の態様に限定されないことに留意されたい。
(態様A1)
自己学習のための情報処理装置であって、
容器と、
前記容器内に配置されたゲル状材料と、
前記容器の周囲に配置され、入力データに対応する電磁場を生成する複数のアンテナと、
を備える、情報処理装置。
(態様A2)
態様A1に記載の自己学習のための情報処理装置であって、
前記複数のアンテナは、前記容器の周囲に、共通の水平ベース上に、同心状に配置される、情報処理装置。
(態様A3)
態様1または態様2に記載の自己学習のための情報処理装置であって、
入力データを周波数信号の組に変換する第1変換器を備え、
前記周波数信号の組は、前記複数のアンテナに供給される、情報処理装置。
(態様A4)
態様A1からA3のいずれか1つに記載の自己学習のための情報処理装置であって、
前記ゲル状材料は、前記複数のアンテナによって形成される、電磁界によってトリガされて成長を開始する1以上の前駆体を含む、情報処理装置。
(態様A5)
態様A4に記載の自己学習のための情報処理装置であって、
前記複数のアンテナによって形成される前記電磁場は、前記1以上の前駆体を成長させて、螺旋状ナノワイヤの1以上の集合体とし、
前記螺旋状ナノワイヤの1以上の集合体はそれぞれ、前記入力データ中の周期的事象または略周期的事象のそれぞれに対応する、情報処理装置。
(態様A6)
態様A1からA5のいずれか1つに記載の自己学習のための情報処理装置であって、
前記複数のアンテナは、前記複数のアンテナが螺旋状電磁場の3D分布を生成するように配置され、
前記螺旋状電磁場の3D分布は、前記入力データ内の同様の大きさを有する変数によって形成される、ループの情報処理による、幾何的自己学習を含む、情報処理装置。
(態様A7)
態様A1からA6のいずれか1つに記載の自己学習のための情報処理装置であって、
前記周波数信号の組の周波数は、周波数の関数として、典型的な長さ、ピッチ、および直径を有する、螺旋状ナノワイヤを合成する、1以上の特定の分子のカタログを用いて、決定される、情報処理装置。
(態様A8)
態様A1からA7のいずれか1つに記載の自己学習のための情報処理装置であって、
レーザ光源と、
前記容器の各側にそれぞれ位置する、一対のボルテックス・レンズと、
をさらに有し、
前記ボルテックス・レンズはそれぞれ、1のピエゾ共振器に接続される、情報処理装置。
(態様A9)
態様A8に記載の自己学習のための情報処理装置であって、
前記レーザ光源と前記ボルテックス・レンズの1つとの間に位置する、一対の直交偏光子をさらに有する、情報処理装置。
(態様A10)
態様A1からA9のいずれか1つに記載の自己学習のための情報処理装置であって、
前記一対のボルテックス・レンズは、前入力データに関連する構造を有する、1以上の光学渦を投影する、情報処理装置。
(態様A11)
態様A10に記載の自己学習のための情報処理装置であって、
1以上の変換アルゴリズムを用いて、前記1以上の光学渦の構造を出力データに変換する、第2変換器をさらに備える、情報処理装置。
(態様A12)
自己学習のための情報処理方法であって、
容器内に置かれたゲル状材料を準備する工程と、
入力データに対応する電磁界を発生させ、前記電磁界を前記容器の周囲に配置された複数のアンテナに供給する工程と、
を有する、情報処理方法。
【符号の説明】
【0150】
100 自己学習のための情報処理装置
110 変換部(第1変換器)
111 アンテナ
120 容器
131 レーザ光源
132 直交偏光子
136 第1ボルテックス・レンズ
137 第2ボルテックス・レンズ
152 変換部(第2変換器)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【外国語明細書】