(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062636
(43)【公開日】2023-05-08
(54)【発明の名称】塗布体付き化粧料容器
(51)【国際特許分類】
A45D 33/00 20060101AFI20230426BHJP
A45D 40/18 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
A45D33/00 650D
A45D40/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021172742
(22)【出願日】2021-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】591147339
【氏名又は名称】株式会社トキワ
(72)【発明者】
【氏名】石田 行一
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、塗布体を支持部へ組付ける作業を容易に行うことができ、また組付けた塗布体を支持部から外れづらい塗布体付き化粧料容器を提供する。
【解決手段】塗布体付き化粧料容器1は、塗布体5の縮径部がテーパー形状またはドーム形状となっており、支持部3の外筒3bの内径よりも外形が小さくなっていることで、塗布体5の支持部3への装着を容易にしている。また、塗布体5は接着剤などの固定手段で支持部3へ固定できるので外れづらい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長の柱状であり両端は先端へいくに従い外径が縮径している縮径部が形成される塗布体と、
前記塗布体が固定される支持部が設けられている容器本体と、
内側に化粧料が充填された収容部を設け前記容器本体と嵌着可能なキャップと、
を具える塗布体付き化粧料容器であって、
前記塗布体の少なくとも一方端の前記縮径部がテーパー形状またはドーム形状となっており、
前記支持部は外筒を設け、前記塗布体の前記縮径部は途中からこの外筒の内径よりも外径が小さくなっており、
前記塗布体は接着剤などの固定手段で前記支持部へ固定されている、ことを特徴とする塗布体付き化粧料容器。
【請求項2】
前期支持部は前記外筒の内側に設けられ前記塗布体の軸方向の移動を規制する内筒を備えていると共に前記外筒と前記内筒との間に有底の溝が形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の塗布体付き化粧料容器。
【請求項3】
前記塗布体は両端の前記縮径部がテーパー形状またはドーム形状の相似形状となっている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の塗布体付き化粧料容器。
【請求項4】
前記塗布体は一方端の前記縮径部がテーパー形状またはドーム形状となっているとともに他方端には平坦部が設けられている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の塗布体付き化粧料容器。
【請求項5】
前記キャップは、ブラシを備えていることを特徴とする請求項1~4に記載の塗布体付き化粧料容器。
【請求項6】
前記容器本体には、前記支持部の軸線方向反対側に棒状化粧料を繰出可能なカートリッジが備えられていることを特徴とする請求項1~5に記載の塗布体付き化粧料容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布体付き化粧料容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧料を塗布するための塗布部を備える化粧用具として、以下の特許文献1に記載のものが知られている。この特許文献1に記載の化粧用具は、上端面開口で細長な胴部を有し、この胴部の上部を弾性変形可能に形成させている。さらにこの胴部の内部に化粧料充填つぼをばねで上方に付勢させて収納した容器体と、この容器体口部に着脱可能に装着される細長なキャップ状の柄から容器体内に挿入される塗布軸を垂下し、その先端に前記化粧料を付着させる塗布部を設けている。そして前記弾性変形部を介して外部から化粧料充填つぼを押え固定できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記化粧用具にあっては筒状の塗布軸の下端の絞り部にスポンジ等の塗布部を圧入して固定しているだけである。
【0005】
このように圧入しているだけの固定方法では、塗布部を化粧料充填ツボ内部の化粧料に押し付けながら回して化粧料を付着させる際に塗布軸から塗布部が外れてしまったり、または塗布軸の内側へ入り込んでしまう不具合があった。
【0006】
さらに塗布軸の絞り部の径が塗布部の径より小さい必要があり、容器を組み立てる際に塗布部を絞り部へ挿入し圧入固定する作業に時間がかかり、作業効率の観点からも改善が求められていた。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、塗布部を塗布軸へ組付ける作業を容易に行うことができ、また組付けた塗布部を塗布軸から外れづらい塗布体付き化粧料容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による塗布体付き化粧料容器は、細長の柱状であり両端は先端へいくに従い外径が縮径している縮径部が形成される塗布体と、塗布体が固定される支持部が設けられている容器本体と、内側に化粧料が充填された収容部を設け容器本体と嵌着可能なキャップと、を具える塗布体付き化粧料容器であって、塗布体の少なくとも一方端の縮径部がテーパー形状またはドーム形状となっており、支持部は外筒を設け、塗布体の縮径部は途中からこの外筒の内径よりも外径が小さくなっており、塗布体は接着剤などの固定手段で支持部へ固定されている。
【0009】
このような塗布体付き化粧料容器によれば、塗布体に縮径部の外径が支持部の外筒の内径よりも小さいことで塗布体の支持部への装着を容易にしている。また、塗布体を接着剤で支持部へ固定することで外れにくくしている。また、塗布体は少なくとも一方端の縮径部をテーパー形状またはドーム形状とすることで、テーパー形状またはドーム形状の端を被塗布部へ当てて化粧料を塗布することができ使い勝手を向上させることが出来る。
【0010】
また、支持部は外筒の内側に設けられ塗布体の軸方向の移動を規制する内筒を備えていると共に外筒と内筒との間に有底の溝が形成されている。この内筒を具えることで塗布体が支持部内部へもぐり込んでしまうことを防止することができると共に、溝に余分な接着剤を留めることができる。また、塗布体が内筒へ当接して内筒を塞ぐことで接着剤が内筒内部へ侵入することを防止することが出来る。
【0011】
また、塗布体は両端の縮径部がテーパー形状またはドーム形状の相似形状とすることで塗布体の使い勝手を向上させると共に、塗布体を支持部へ挿入し組み付ける際に作業者が塗布体の挿入する方向を確認する必要が無いので作業を効率よく行うことが出来る。
【0012】
塗布体は一方端の縮径部がテーパー形状またはドーム形状となっているとともに他方端には平坦部を設けることで、平坦部側を目印にして塗布体を組み付けるようにしてもよい。
【0013】
また、前記キャップは、ブラシを備えており、塗布体で化粧を塗布したあとの被塗布部にこのブラシを用いることで化粧をのばしたりできアレンジを加えることが出来る。
【0014】
また、容器本体には、支持部の軸線方向反対側に棒状化粧料を繰出可能なカートリッジが備えられており、棒状化粧料を別容器で持つ必要がなく収納時にコンパクトになり使い勝手も向上される。
【発明の効果】
【0015】
このように本発明によれば、塗布体を支持部へ容易に組み付けることができると共に、組付けた塗布体を接着材などの固定手段で支持部へ固定することで外れることはない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】塗布体付き化粧料容器の外観を示す側面図である。
【
図2】
図1の塗布体付き化粧料容器の縦断面図である。
【
図3】
図1の塗布体付き化粧料容器のキャップ、ブラシキャップ、カートリッジキャップを取り外した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る塗布体付き化粧料容器の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0018】
図1~
図3に示される塗布体付き化粧料容器1は、
図1に表すように全体形状が筆記具の如き細長い丸棒状を成し良好な外観を呈するものである。
【0019】
塗布体付き化粧料容器1は、容器本体2の一方側には塗布体5を固定した支持部3が設けられ、塗布体5を覆うようにして着脱自在にキャップC1が容器本体2に対して取り付けられている。キャップC1には内部に化粧料M1を収容した収容部4を備えると共にブラシ7を固定したホルダー部6が備えられ、ブラシ7を覆うようにキャップC1に対して着脱自在にブラシキャップC2が取り付けられている。また、容器本体2の支持部3と軸線方向反対側の他方側には挿入部2aが設けられ、カートリッジ9及びバネ部材11が装着されている。このカートリッジ9の内部には移動体10と棒状化粧料M2が備えられており、カートリッジ9を覆うようにカートリッジキャップC3が容器本体2に対して嵌着自在に取り付けられている。
【0020】
化粧料M1は例えば、粉体、固形、半固形でありこれらの形状に適用できればアイブロウ、アイライナー、コンシーラー、リップライナー、リップブロス等、なんでもよい。また、棒状化粧料M2は例えば、アイブロウ、アイライナー、等であり、棒状化粧料の形状とできればなんでもよい。
【0021】
本明細書において、「軸」及び「軸線」とは、塗布体付き化粧料容器1の前後に延びる中心線を示しており、「軸線方向」とは軸線に沿った方向を示している。また、棒状化粧料M2の繰り出し方向を前方(前進する方向)とし、棒状化粧料M2の繰り戻し方向を後方(後退する方向)とする。
図1または
図2の容器本体2のカートリッジキャップC3が取り付けられる方向を前方とし、キャップC2が取り付けられる方向を後方とする。
【0022】
図2及び
図3に示す容器本体2の軸線方向の一方側には、塗布体5を保持する支持部3が設けられていると共にこの支持部3の軸線方向反対の他方側には挿入部2aが形成されておりカートリッジ9及びバネ部材11が挿入される。
【0023】
支持部3は、
図2~
図5に示すように、外周面にはキャップC1の雌螺子C1aと螺合結合する雄螺子3aが形成されており、キャップC1が支持部3を覆うように容器本体2に取り付け可能となっている。また支持部3には外壁となる軸線方向に延びる円筒状の外筒3b、その外筒3bの内側に外筒3bよりも小径で軸線方向の長さも短い円筒状の内筒3cが設けられ、外筒3bと内筒3cの間には有底の溝3dが形成される。この外筒3bの底は軸線方向に貫通していると共に、後述するキャップC1の収容部4に圧入させるために外周面には半球状の突起3eが円周上に等間隔に、ここでは3つ配置されている。
【0024】
そして支持部3には塗布体5を固定することが可能となっており、塗布体5は弾力があり化粧料の保持性能のよい多孔質材料が好ましく、材質としては例えば、フェルト、ウレタン等の発砲プラスチック、ニトリルゴム等のエラストマー樹脂、合成繊維などが挙げられる。また塗布体5は、芯材と芯材を覆う外層からなるものであってもよい。例えば、芯材が発泡プラスチックであり、外層がエラストマー樹脂であるもの、芯材としてのエラストマー樹脂にナイロン繊維を係着したものが挙げられる。
【0025】
図2及び
図7及に示すのは第一実施例の塗布体5である。この塗布体5は細長の柱状であり両端は先端へいくに従い外径が縮径している縮径部5Tが形成されている左右対称の形状となっている。そして、少なくとも縮径部5Tの先端部分の外周径は外筒3bの内周径よりも小さくなっているので、塗布体5を外筒3bへ組み付ける際に挿入しやすくなっている。また、塗布体5は左右対称で両端に縮径部5Tがあることで、組み付ける際に組付け作業者は左右のどちらからでも組み付けることができるので、組付け方向を確認する必要がなく、作業効率が上がることとなる。
【0026】
そして塗布体5の縮径部5T以外の軸線方向中央部分は外筒3bの内径よりも大きい径となっていることから、塗布体5は外筒3bへ縮径された状態で挿入され、その後塗布体5が元の大きさへ戻ろうとする力が働き、塗布体5の外周面が外筒3bの内周面へ押し付けられることで圧入固定される。また、塗布体5を外筒3bへ挿入していくと内筒3cへ当接し、この内筒3cが塗布体5の軸線方向のストッパーの役目をはたして塗布体5が外筒3b内部へ潜りこみすぎることを防止している。
【0027】
さらに、塗布体5を外筒3bへ強固に固定するための手段として接着剤で固定することもできる。その場合は、外筒3bの内周面に液状の接着剤を塗布した後に塗布体5を挿入すればよい。その時、塗布体5の挿入時に外筒3bと塗布体5との間におさまらなかった余分な接着剤は軸線方向前方へ押し出されるが溝3dがこれを受け止めて溜めておくことができる。この溝3dがあることにより、接着剤が容器本体2の前方へ流れ出て他の部材へ付着することでの動作不良等の不具合を防止することができる。また、塗布体5が内筒3cへ当接して内筒3cを塞ぐことで接着剤が内筒3c内部へ侵入することを防止することが出来る。本実施例の場合では、接着剤が挿入部2aへ侵入し、カートリッジ9やバネ部材11、雌螺子部材12へ付着することを防止することができる。
【0028】
図7に示した塗布体5の
図7(a)は、両端の縮径部5Tがテーパー形状となっている。また
図7(b)の塗布体5は両端の縮径部5Tが
図7(a)の縮径部5Tよりも傾斜が緩やかになっている。そして
図7(c)の塗布体5は両端の縮径部5Tがドーム形状となっている。
【0029】
また、
図8に示しているのは第二実施例の塗布体105である。塗布体5との違いは、一方の縮径部105Tの先端に平坦部105Fが設けられていることである。ここで示す塗布体105の
図8(a)は、平坦部105Fが設けられているのとは違う他方の縮径部105Tがテーパー形状となっている。また
図8(b)の塗布体105は平坦部105Fが設けられているのとは違う他方の縮径部105Tが
図8(a)の縮径部105Tよりも傾斜が緩やかになっている。そして
図8(c)の塗布体105は平坦部105Fが設けられているのとは違う他方の縮径部105Tがドーム形状となっている。
【0030】
この第二実施例の塗布体105も左右両端に縮径部105Tを設けていることで、組み付ける際に組付け作業者は左右のどちらからでも組み付けることができ、作業の効率が向上する。また平坦部105Fを目印にこの平坦部105F側から外筒3bへ挿入するようにしてもよい。
【0031】
図1~
図3に示す、支持部3を覆い容器本体2に取り付けられているキャップC1は、上述したように支持部3の雄螺子3aと螺合結合する雌螺子C1aが一方の端の内周面に設けられていると共に内部に化粧料M1を収容する収容部4を備えている。さらに、雌螺子C1aとは反対のもう一方の端にはホルダー部6を備え、このホルダー部6にはブラシ7が設けられ、このブラシ7を覆うようにブラシキャップC2が嵌着自在に取り付けられている。このホルダー部6の外周面には突起6aが設けられ、ブラシキャップC2の凹部C2aと軸線方向に嵌着自在に係合するようになっている。
【0032】
そして収容部4とホルダー部6の間には収容部4を塗布体5の方向へ付勢している弾性体8を備えている。
図2に示すように、容器本体2にキャップC1を取り付けた際には収容部4内に支持部3が圧入され、塗布体5と化粧料M1が接触している。このとき、収容部4は弾性体8に塗布体5の方向へ押圧されているので、化粧料M1が使用され容量が少なくなってきても容器本体2にキャップC1が取り付けられた際は常に塗布体5と収容部4内の化粧料M1が接触するようになっている。
【0033】
弾性体8としてはバネやスプリングなどを用いることが出来るが、同様の機能を有しているものであれば他の手段に変更が可能である。
【0034】
また、ここではブラシ7として樹脂製の毛を二本の金属性の針金で挟み込んで捩った、いわゆる巻線ブラシを示しているが、化粧を施すための塗布体であれば特に限定されない。
【0035】
ここまでは塗布体付き化粧料容器1の容器本体2の支持部3側の構成を説明してきたが、
図2、
図3、
図6に示めされるように容器本体2には支持部3の軸線方向反対の他方側には挿入部2aが形成されておりカートリッジ9及びバネ部材11が挿入される。
【0036】
カートリッジ9は、全体として細長い丸棒状に形成されており、軸線方向の中央付近の外周面に拡径する段差部9aを有する段付き円筒状とされている。カートリッジ9の外周面において、段差部9aより後側は円筒部9bとされており、段差部9aより前側は前方に向かうに従って徐々に傾斜しながら縮径する傾斜面9cとされている。
【0037】
カートリッジ9の段差部9aより後側の円筒部9bは、筒状とされたバネ部材11の内部に挿入される部位である。段差部9aより前側の傾斜面9cは、外部に露出する部位である。また、傾斜面9cは、容器本体2から突出する部位である。カートリッジ9の後側の外周面には、バネ部材11に対して回転可能且つ軸線方向に移動不能に係合する環状凹凸部9dが形成されている。環状凹凸部9dは、バネ部材11に対する軸線方向への相対移動を抑えると共にバネ部材11に対して回転可能に結合する。
【0038】
バネ部材11は略円筒状に形成されている。バネ部材11の後側の内周面には、カートリッジ9の環状凹凸部9dが軸線方向に係合する環状凸部11aが形成されている。バネ部材11は、落下時等の外力作用時に、棒状化粧料繰出容器M2の内部に伝わる衝撃を緩和し、棒状化粧料繰出容器M2を保護する機能を有する。
【0039】
バネ部材11の先端は、カートリッジ9の段差部9aに後方から突き当てられる。バネ部材11は、その軸線方向の前側に設けられた鍔部11bと、鍔部11bよりも前側に位置する前側筒部11cと、鍔部11bよりも後側に位置する後側筒部であるバネ部11dとを備える。前側筒部11cの外周面には、カートリッジキャップC3を装着させるための半球状の突起11eが形成されている。突起11eは、例えば3個形成されており3個の突起11eはバネ部材11の周方向に等間隔に配置されている。バネ部11dは、軸線方向に伸縮可能とされている所謂樹脂バネである。バネ部11dは、その周面に沿って螺旋状に延び且つ内外を連通するスリットを形成することによって構成されている。バネ部11dは、外力が作用したときに伸縮することによって衝撃を緩和する。
【0040】
鍔部11bは、容器本体2の挿入部2aの内周面の前端に形成された環状凹部2bに係合する。容器本体2は、カートリッジ9に対して軸線周りに回転可能且つ軸線方向に移動不能に装着される。また、挿入部2aの内側であって且つバネ部材11の後方には、バネ部材11の後端が突き当てられる突出部2cと、突出部2cの後側で雌螺子部材12が回転方向に係合するローレット2dとが設けられる。
【0041】
雌螺子部材12は、略円筒状に形成されている。雌螺子部材12の外周面の後側には、容器本体2のローレット2dが回転方向に係合するものとして、軸線方向に延びると共に周方向に沿って並設された突条12aが設けられる。雌螺子部材12は、突条12aがローレット2dに回転方向に係合することにより、容器本体2に対し同期回転可能(回転不能)とされている。
【0042】
そして雌螺子部材12は、カートリッジ9に対して軸線方向移動不能に係合し、内周面には雌螺子部12bが設けられており、移動体10の雄螺子部10aと螺合する。
【0043】
移動体10は、その先端で棒状化粧料M2を支持する棒状化粧料支持体である。移動体10は、容器本体2に動作可能に係合すると共に、容器本体2の軸に沿って棒状化粧料M2を移動させる。移動体10は、カートリッジ9及び雌螺子部材12の内部に配置されて軸線方向に延在する。移動体10は、カートリッジ9に対し軸線方向に移動可能とされて
おり、全体として丸棒状を成している。
【0044】
そして、移動体10は、外周面には雌螺子部材12の雌螺子部12bと螺合する雄螺子部10aが設けられると共に、図示はしないが、前端に棒状化粧料M2の後端部を把持する芯チャックが備えられている。
【0045】
以上のように構成された棒状化粧料繰出容器1においては、
図2、
図3に示される容器本体2からキャップC1を外し塗布体5に付着している化粧料M1を皮膚や眉などの被塗布部へ塗布して化粧を施すことが出来る。また、ブラシキャップC2を外してブラシ7を露出させ眉を梳かすなどして化粧料M1を眉毛に馴染ませる用途に使用することが出来る。
【0046】
さらに、
図2、
図3に示される容器本体2からカートリッジキャップC3を外した状態でカートリッジ9と容器本体2とを一方向(例えば時計回り)に相対回転すると、容器本体2、バネ部材11、雌螺子部材12が同期回転する。これにより、雌螺子部材12の雌螺子部12b及び移動体10の雄螺子部10aによって構成された螺合部の螺合作用が働いて移動体10が前進する。この移動体10の前進によって棒状化粧料M2がカートリッジ9の先端から出現し、棒状化粧料M2の繰り出しが行
われる。
【0047】
また、カートリッジ9と容器本体2を上記一方向の逆方向(例えば反時計回り)に相対回転すると、容器本体2、バネ部材11及び雌螺子部材12が同期回転すると共に、螺合部の螺合作用が働いて移動体10が後退する。これにより、移動体10に支持された棒状化粧料M2はカートリッジ9の先端から没入する。
【0048】
以上、本発明に係る棒状化粧料繰出容器1の実施形態について説明したが、本発明は、前述の実施形態に限られるものではなく、請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形してもよい。すなわち、棒状化粧料繰出容器1を構成する各部品の形状及び配置態様は、上記の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0049】
また、容器本体2は挿入部2aを設けなくてもよく、カートリッジ9、バネ部材11、雌螺子部材12、カートリッジキャップC3を備えなくてもよい。
【0050】
また、ホルダー部6、ブラシ7、ブラシキャップC2を備えなくてもよく、容器本体2、支持部3、塗布体5、キャップC1、収容部4、弾性体8だけの構成であってもよい。
【符号の説明】
【0051】
1…塗布体付き化粧料容器、2…容器本体、2a…挿入部、2b…環状凹部、2c…突出部、2d…ローレット、3…支持部、3a…雄螺子、3b…外筒、3c…内筒、3d…溝、3e…突起、4…収容部
5,105…塗布体、5T,105T…縮径部、105F…平坦部6…ホルダー部、6a…突起、7…ブラシ、8…弾性体、9…カートリッジ、9a…段差部、9b…円筒部、9c…傾斜面、9d…環状凹凸部、10…移動体、10a…雄螺子部、11…バネ部材、11a…環状凸部、11b…鍔部、11c…前側筒部、11d…バネ部(後側筒部)、11e…突起、12…雌螺子部材、12a…突条、12b…雌螺子部、M1…化粧料、M2…棒状化粧料、C1…キャップ、C1a…雌螺子、C2…ブラシキャップ、C2a…凹部、C3…カートリッジキャップ。