(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006264
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】光ケーブルの成端ユニット
(51)【国際特許分類】
G02B 6/46 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
G02B6/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021108780
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000110309
【氏名又は名称】住友電工オプティフロンティア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】島津 貴之
(72)【発明者】
【氏名】山根 慎司
【テーマコード(参考)】
2H038
【Fターム(参考)】
2H038CA37
2H038CA38
(57)【要約】 (修正有)
【課題】光コネクタの着脱作業及び光ケーブルの配線作業を容易にする光ケーブルの成端ユニットを提供することを目的とする。
【解決手段】光ケーブルの成端ユニット1は、筐体2と、筐体2内に設けられ、複数の光コネクタそれぞれが挿抜可能なよう構成された複数の第一アダプタ31と、複数の第一アダプタ31を配列する第一面32とを備える第一アダプタパネル3と、筐体2内に設けられ、複数の光コネクタそれぞれが挿抜可能なよう構成された複数の第二アダプタ41と、複数の第二アダプタ41を配列する第二面42とを備える第二アダプタパネル4と、を備える。第一面32と、第二面42は互いに離隔する。第一アダプタパネル3は、第二アダプタパネル4に対して相対的に移動可能であって、第一面32と第二面42が互いに平行となることが可能なよう構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に設けられ、複数の光コネクタそれぞれが挿抜可能なよう構成された複数の第一アダプタと、前記複数の第一アダプタを配列する第一面とを備える第一アダプタパネルと、
前記筐体内に設けられ、複数の光コネクタそれぞれが挿抜可能なよう構成された複数の第二アダプタと、前記複数の第二アダプタを配列する第二面とを備える第二アダプタパネルと、を備え、
前記第一面と、前記第二面は互いに離隔し、
前記第一アダプタパネルは、前記第二アダプタパネルに対して相対的に移動可能であって、前記第一面と前記第二面が互いに平行となることが可能なよう構成されている、光ケーブルの成端ユニット。
【請求項2】
前記第一アダプタパネルは、第一軸を介して前記筐体に支持され、
前記第一アダプタパネルは、前記第一軸を中心に、前記第二アダプタパネルに対して相対的に回転するよう構成されている、請求項1に記載の光ケーブルの成端ユニット。
【請求項3】
前記筐体内に設けられ、前記筐体に対しスライドするよう構成される支持体を備え、
前記第一アダプタパネル及び前記第二アダプタパネルの少なくともいずれか一方は、前記支持体に支持されている、請求項1または請求項2記載の光ケーブルの成端ユニット。
【請求項4】
前記第一アダプタパネルは、前記複数の第一アダプタの一部を備える第三アダプタパネルと、前記複数の第一アダプタの他部を備える第四アダプタパネルと、を有し、
前記第三アダプタパネルは、前記第一アダプタパネルの一端に設けられる第三軸を介して前記筐体に支持され、
前記第三アダプタパネルは、前記第三軸を中心に、前記第四アダプタパネルに対して相対的に回転するよう構成され、
前記第四アダプタパネルは、前記第一アダプタパネルの他端に設けられる第四軸を介して前記筐体に支持され、
前記第四アダプタパネルは、前記第四軸を中心に、前記第三アダプタパネルに対して相対的に回転するよう構成されている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光ケーブルの成端ユニット。
【請求項5】
前記第二アダプタパネルは、第二軸を介して前記筐体に支持され、
前記第二アダプタパネルは、前記第二軸を介して、前記第一アダプタパネルに対して相対的に回転するよう構成されている、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光ケーブルの成端ユニット。
【請求項6】
複数の第一コネクタ付きケーブルが前記複数の第一アダプタにそれぞれ接続され、
複数の第二コネクタ付きケーブルが前記複数の第二アダプタにそれぞれ接続される、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光ケーブルの成端ユニット。
【請求項7】
各前記第一コネクタ付きケーブルは光ファイバ心線または光ファイバテープ心線を有し、
各前記第二コネクタ付きケーブルは光ファイバ心線または光ファイバテープ心線を有し、
前記複数の第一コネクタ付きケーブルのケーブル部は保護材に覆われ、
前記複数の第二コネクタ付きケーブルのケーブル部は保護材に覆われる、請求項6に記載の光ケーブルの成端ユニット。
【請求項8】
各前記第一コネクタ付きケーブルは、外径が200μmから250μmである光ファイバ心線を有し、
各前記第二コネクタ付きケーブルは、外径が200μmから250μmである光ファイバ心線を有する、請求項6または請求項7に記載の光ケーブルの成端ユニット。
【請求項9】
開口を有する筐体と、
外部から前記筐体の前記開口へ光ケーブルを案内するケーブル導入部と、を備え、
前記ケーブル導入部は、軸を介して前記筐体の外面に支持され、前記軸を中心に、前記ケーブル導入部が前記開口と対向する第一位置と、前記第一位置よりも、前記ケーブル導入部が前記開口から離れている第二位置の間を回転するよう構成されている、光ケーブルの成端ユニット。
【請求項10】
前記外面は、前記筐体を形成する第一側面及び第二側面を有し、
前記第一側面及び前記第二側面は互いに対向し、且つ前記開口を含む面に交差し、
前記ケーブル導入部は、前記軸を介して、前記第一側面及び前記第二側面のどちらにも支持されるよう構成されている、請求項9に記載の光ケーブルの成端ユニット。
【請求項11】
前記筐体の前記外面に取り付けられ、且つ前記軸を有するブラケットを備え、
前記ケーブル導入部は前記ブラケットに取り付けられる、請求項9または請求項10に記載の光ケーブルの成端ユニット。
【請求項12】
前記ブラケットは前記筐体の前記外面にスライド可能に取り付けられている、請求項11に記載の光ケーブルの成端ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光ケーブルの成端ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
光配線ラックに複数搭載される成端ユニットが知られている。各成端ユニットは、前面に設けられ、複数の光コネクタとそれぞれ接続するアダプタを複数取り付けたアダプタパネルと、背面あるいは側面に設けられ、外部から光ケーブルを通過させる開口とを有する(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4及び特許文献5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-029055号公報
【特許文献2】特開2004-361893号公報
【特許文献3】特開2009-258244号公報
【特許文献4】米国特許出願公開第2018/129008号明細書
【特許文献5】特開2019-039978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
成端ユニットの大きさや形状は、当該成端ユニットが搭載される光配線ラックの収容部に制限される。制限された狭い空間内で、外部から導かれる複数の光コネクタを複数のアダプタにそれぞれ着脱する作業や、外部から導かれる光ケーブルを筐体内で適切に配線する作業は容易ではなく、作業スペースの確保が望まれる。
【0005】
さらに成端ユニットは、大容量の情報を取り扱うため、光コネクタと接続するアダプタを数多く備えることが望ましい。しかしながら、制限された空間内に多くのアダプタを配列するには限界がある。例えば特許文献1から特許文献4は、複数の光コネクタを配列し、且つ筐体に対して相対的に移動するアダプタパネルを備える成端ユニットを開示している。アダプタパネルが筐体に対して相対的に移動するため、作業スペースは確保されるが、パネルに搭載できる光コネクタの数には限りがある。
【0006】
また外部から成端ユニットへ光ケーブルを導入する際、制限された空間内へ光ケーブルを適切に案内し、配線する作業は困難である。特許文献5は、成端ユニットの一側面にスライド可能、且つ回転可能に取り付けられ、多心ケーブルを固定する固定部材を備える成端ユニットを開示している。固定部材が成端ユニットに対してスライド可能に且つ回転可能に移動するため、使用者は必要に応じて固定部材に固定された光ケーブルを所定の位置に移動できるが、成端ユニットの筐体に対する固定部材の位置や可動範囲に更なる自由度が望まれる。
【0007】
本開示は、光コネクタの着脱作業及び光ケーブルの配線作業を容易にする光ケーブルの成端ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の光ケーブルの成端ユニットは、
筐体と、
前記筐体内に設けられ、複数の光コネクタそれぞれが挿抜可能なよう構成された複数の第一アダプタと、前記複数の第一アダプタを配列する第一面とを備える第一アダプタパネルと、
前記筐体内に設けられ、複数の光コネクタそれぞれが挿抜可能なよう構成された複数の第二アダプタと、前記複数の第二アダプタを配列する第二面とを備える第二アダプタパネルと、を備え、
前記第一面と、前記第二面は互いに離隔し、
前記第一アダプタパネルは、前記第二アダプタパネルに対して相対的に移動可能であって、前記第一面と前記第二面が互いに平行となることが可能なよう構成されている。
【0009】
本開示の光ケーブルの成端ユニットは、
開口を有する筐体と、
外部から前記筐体の前記開口へ光ケーブルを案内するケーブル導入部と、を備え、
前記ケーブル導入部は、軸を介して前記筐体の外面に支持され、前記軸を中心に、前記ケーブル導入部が前記開口と対向する第一位置と、前記第一位置よりも、前記ケーブル導入部が前記開口から離れている第二位置の間を回転するよう構成されている。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、光コネクタの着脱作業及び光ケーブルの配線作業を容易にする光ケーブルの成端ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係る光ケーブルの成端ユニットの正面図と、内部を示す平面図である。
【
図2】
図2は、成端ユニットの第一アダプタパネルが移動した状態を示す、成端ユニットの平面図である。
【
図3】
図3は、インナーシャーシを含む、成端ユニットの平面図である。
【
図4】
図4は、インナーシャーシが移動した状態を示す、成端ユニットの平面図である。
【
図5】
図5は、成端ユニットの第二アダプタパネルが回転する場合の、成端ユニットの平面図である。
【
図6】
図6は、成端ユニットの第一アダプタパネルが両開きである場合の、成端ユニットの平面図である。
【
図7】
図7は、成端ユニットが3つのアダプタパネルを備える場合の、成端ユニットの平面図である。
【
図8】
図8は、成端ユニットのケーブル導入部が第一位置に位置する場合の、成端ユニットの平面図である。
【
図9】
図9は、成端ユニットのケーブル導入部が第二位置に位置する場合の、成端ユニットの平面図である。
【
図10】
図10は、ケーブル導入部が、成端ユニットの筐体の右側に支持された状態を示す、成端ユニットの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本開示の一形態の説明)
まず本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の一態様に係る光ケーブルの成端ユニットは、
(1)筐体と、
前記筐体内に設けられ、複数の光コネクタそれぞれが挿抜可能なよう構成された複数の第一アダプタと、前記複数の第一アダプタを配列する第一面とを備える第一アダプタパネルと、
前記筐体内に設けられ、複数の光コネクタそれぞれが挿抜可能なよう構成された複数の第二アダプタと、前記複数の第二アダプタを配列する第二面とを備える第二アダプタパネルと、を備え、
前記第一面と、前記第二面は互いに離隔し、
前記第一アダプタパネルは、前記第二アダプタパネルに対して相対的に移動可能であって、前記第一面と前記第二面が互いに平行となることが可能なよう構成されている。
【0013】
本開示の成端ユニットは、第一アダプタパネルと第二アダプタパネルという複数のアダプタパネルを備えるため、光コネクタに接続可能なアダプタを多く備えることができる。第一アダプタパネルの第一面と、第二アダプタパネルの第二面は、互いに離隔し、且つ互いに平行に配置されているため、本開示は第一アダプタパネル及び第二アダプタパネルを、成端ユニットという限られた空間内に有効に配置することができる。さらに第一アダプタパネルは、第二アダプタパネルに対して相対的に移動するよう構成されている。このため使用者は、光コネクタを第二アダプタに着脱する際、第一アダプタパネルを第二アダプタパネルから遠ざけて作業スペースを確保することができる。よって光コネクタの着脱作業が容易となる。
【0014】
(2)前記第一アダプタパネルは、第一軸を介して前記筐体に支持され、
前記第一アダプタパネルは、前記第一軸を中心に、前記第二アダプタパネルに対して相対的に回転するよう構成されてもよい。
本開示によれば、第一アダプタパネルは第一軸を中心に、第二アダプタパネルに対して相対的に回転するよう構成されている。このため使用者は、光コネクタを複数の第二アダプタに着脱する際、第一アダプタパネルを回転することで第一アダプタパネルと第二アダプタパネルの間のスペースを確保することができる。よって光コネクタの着脱作業が容易となる。
【0015】
(3)前記成端ユニットは、前記筐体内に設けられ、前記筐体に対しスライドするよう構成される支持体を備えてもよい。前記第一アダプタパネル及び前記第二アダプタパネルの少なくともいずれか一方は、前記支持体に支持されてもよい。
本開示によれば、第一アダプタパネルと第二アダプタパネルの少なくともいずれか一方は支持体に支持されているため、使用者は支持体を筐体に対してスライドすることで、第一アダプタパネルあるいは第二アダプタパネルを筐体から露出させたり収容したりすることが容易となる。よって光コネクタの着脱作業が容易となる。
【0016】
(4)前記第一アダプタパネルは、前記複数の第一アダプタの一部を備える第三アダプタパネルと、前記複数の第一アダプタの他部を備える第四アダプタパネルと、を有してもよい。前記第三アダプタパネルは、前記第一アダプタパネルの一端に設けられる第三軸を介して前記筐体に支持されてもよい。前記第三アダプタパネルは、前記第三軸を中心に、前記第四アダプタパネルに対して相対的に回転するよう構成されてもよい。前記第四アダプタパネルは、前記第一アダプタパネルの他端に設けられる第四軸を介して前記筐体に支持されてもよい。前記第四アダプタパネルは、前記第四軸を中心に、前記第三アダプタパネルに対して相対的に回転するよう構成されてもよい。
【0017】
本開示によれば、第三アダプタパネル及び第四アダプタパネルは互いに相対的に回転するように構成されている。このため使用者は、例えば第四アダプタパネルを回転することなく、第三アダプタパネルのみを回転させて、第三アダプタパネルと第二アダプタパネルの間のスペースを確保することができる。この場合、第三アダプタパネル及び第四アダプタパネルを含む第一アダプタパネル全体を回転させる場合と比較して、必要最低限の動作で作業スペースを確保されるため、作業効率が上がる。
【0018】
(5)前記第二アダプタパネルは、第二軸を介して前記筐体に支持されてもよい。前記第二アダプタパネルは、前記第二軸を介して、前記第一アダプタパネルに対して相対的に回転するよう構成されてもよい。
本開示によれば、第一アダプタパネルだけでなく第二アダプタパネルも回転するよう構成されるため、作業スペースの自由度が増す。
【0019】
(6)複数の第一コネクタ付きケーブルが前記複数の第一アダプタにそれぞれ接続されてもよい。複数の第二コネクタ付きケーブルが前記複数の第二アダプタにそれぞれ接続されてもよい。
本開示によれば、複数の第一コネクタ付きケーブルが複数の第一アダプタにそれぞれ接続され、複数の第二コネクタ付きケーブルが複数の第二アダプタにそれぞれ接続されるため、光コネクタの接続作業が容易となる。
【0020】
(7)各前記第一コネクタ付きケーブルは光ファイバ心線または光ファイバテープ心線を有してもよい。前記第二コネクタ付きケーブルは光ファイバ心線または光ファイバテープ心線を有してもよい。前記複数の第一コネクタ付きケーブルのケーブル部は保護材に覆われてもよい。前記複数の第二コネクタ付きケーブルのケーブル部は保護材に覆われてもよい。
本開示によれば、第一コネクタ付きケーブルは光ファイバ心線または光ファイバテープ心線を有し、第二コネクタ付きケーブルは光ファイバ心線または光ファイバテープ心線を有しているため、本開示の成端ユニットは各種光ファイバへ接続することができる。また複数の第一コネクタ付きケーブルのケーブル部及び複数の第二コネクタ付きケーブルのケーブル部は保護材に覆われているため、両ケーブル部の損傷を防ぐことができる。
【0021】
(8)各前記第一コネクタ付きケーブルは、外径が200μmから250μmである光ファイバ心線を有してもよい。各前記第二コネクタ付きケーブルは、外径が200μmから250μmである光ファイバ心線を有してもよい。
本開示の成端ユニットの第一アダプタパネル及び第二アダプタパネルは、外径が200μmから250μmである光ファイバ心線と接続することができる。
【0022】
本開示の他の態様に係る光ケーブルの成端ユニットは、
(9)開口を有する筐体と、
外部から前記筐体の前記開口へ光ケーブルを案内するケーブル導入部と、を備え、
前記ケーブル導入部は、軸を介して前記筐体の外面に支持され、前記軸を中心に、前記ケーブル導入部が前記開口と対向する第一位置と、前記第一位置よりも、前記ケーブル導入部が前記開口から離れている第二位置の間を回転するよう構成されている。
【0023】
本開示によれば、ケーブル導入部が、軸を中心にして、第一位置と第二位置の間を回転するよう構成されている。このため使用者は成端ユニットへ光ケーブルを導入する際、ケーブル導入部を回転させることで筐体とケーブル導入部の間の空間を作業スペースとして拡げることができ、光ケーブルの配線作業を容易にすることができる。
【0024】
(10)前記外面は、前記筐体を形成する第一側面及び第二側面を有してもよい。前記第一側面及び前記第二側面は互いに対向し、且つ前記開口を含む面に交差してもよい。前記ケーブル導入部は、前記軸を介して、前記第一側面及び前記第二側面のどちらにも支持されるよう構成されてもよい。
搭載される光配線ラックの収容部に応じて、ケーブル導入部は、筐体の第一側面(例えば左側面)に取り付けられる場合もあれば、筐体の第二側面(例えば右側面)に取り付けられる場合もある。本開示によれば、ケーブル導入部は第一側面、第二側面のどちらにも支持されるよう構成されているため、筐体に対するケーブル導入部の設置位置の自由度が高まる。
【0025】
(11)前記成端ユニットは、前記筐体の前記外面に取り付けられ、且つ前記軸を有するブラケットを備えてもよい。前記ケーブル導入部は前記ブラケットに取り付けられてもよい。
成端ユニットの筐体やケーブル導入部の大きさや形状によっては、成端ユニットの筐体へのケーブル導入部の取り付けが制限される場合がある。しかし本開示よれば、ケーブル導入部はブラケットを介して成端ユニットの筐体に取り付けられる。このためブラケットの大きさや形状を変えることで、ケーブル導入部や成端ユニットの筐体の構成を変えることなく、筐体へのケーブル導入部の取り付けが可能となる。したがって、ケーブル導入部の設置の自由度が高まる。
【0026】
(12)前記ブラケットは前記筐体の前記外面にスライド可能に取り付けられてもよい。
本開示によれば、ブラケットは筐体の外面にスライド可能に取り付けられているため、使用者は、ブラケットに取り付けられるケーブル導入部を筐体に対して相対的に移動させることができる。このため、筐体とケーブル導入部の間の空間を作業スペースとして拡げることができ、作業効率が向上する。
【0027】
(本開示の一形態の詳細)
本開示の一形態に係る光ケーブルの成端ユニットの具体例を、図面を参照しつつ説明する。
なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0028】
図1は、本開示の一実施形態に係る光ケーブルの成端ユニット1の正面図と、内部を示す平面図である。
図1が示すように成端ユニット1は、筐体2と、第一アダプタパネル3と、第二アダプタパネル4と、ケーブル導入部5と、融着トレイ6と、を備える。
【0029】
筐体2は、筐体2を形成する外面22を備え、外面22は、背面24、左側面25、右側面26と、底面を有する。背面24、左側面25、右側面26と、底面はそれぞれ板部材で構成される。筐体2は更に、前方へ開口している前面23を備える。前面23と背面24は互いに対向するよう構成されている。左側面25と右側面26は、互いに対向し、且つ少なくとも背面24に交差するよう構成されている。左側面25は第一側面の一例である。右側面26は第二側面の一例である。
【0030】
左側面25及び右側面26のそれぞれには、ラックマウントブラケット27が設けられてもよい。本例の成端ユニット1は、ラックマウントブラケット27を介して、図示しない光配線ラックに支持され、搭載される。成端ユニット1は、ラックマウントブラケット27を介さず、光配線ラックに直接支持され、搭載されてもよい。
【0031】
第一アダプタパネル3は、筐体2内であって、第二アダプタパネル4よりも筐体2の前面23に近い位置に設けられている。第一アダプタパネル3は、複数の光コネクタそれぞれが挿抜可能なよう構成された複数の第一アダプタ31と、複数の第一アダプタ31を配列する第一アダプタ面32と、第一軸33と、を備える。複数の第一コネクタ付きケーブル34は複数の第一アダプタ31にそれぞれ接続されている。第一アダプタパネル3の背面側には、ケーブル部35と、保護材36と、ストッパ37と、が設けられている。第一アダプタ面32は第一面の一例である。
【0032】
各第一アダプタ31は、例えばLCコネクタに接続されるよう構成されたアダプタである。本例の第一アダプタ面32は288個の第一アダプタ31が配列されている。各第一コネクタ付きケーブル34は、光ファイバ心線または光ファイバテープ心線を有する。光ファイバ心線の外径は例えば200μmから250μmである。光ファイバテープ心線は例えば12心の間欠連結型光ファイバテープ心線である。複数の第一コネクタ付きケーブル34は、背面側で束ねられ、ケーブル部35として融着トレイ6に導かれている。ケーブル部35の少なくとも一部は保護材36に覆われている。本例のケーブル部35及び第一軸33は共に、第一アダプタパネル3の他端(本例では右端)であって、筐体2の他側面(本例では右側面26)に近い位置に設けられている。本例のストッパ37は、筐体2の一側面(本例では左側面25)に近い位置に設けられている。
【0033】
第一アダプタパネル3は、第一軸33を介して筐体2に支持されている。第一アダプタパネル3は、第二アダプタパネル4に対して相対的に移動するよう構成されている。ここで「第二アダプタパネル4に対して相対的に移動する」とは、第一アダプタパネル3が、第二アダプタパネル4に対して、筐体2の前後方向に平行移動する、または回転移動することを意味する。本例の第一アダプタパネル3は、第一軸33を中心に、第二アダプタパネル4に対して相対的に回転するよう構成されている。より具体的には、第一アダプタパネル3の右端に設けられた第一軸33を中心に、第一アダプタパネル3の左端が、第二アダプタパネル4に近づく、あるいは遠ざかるように回転する。
【0034】
第二アダプタパネル4は、筐体2内であって、第一アダプタパネル3よりも筐体2の背面24に近い位置に設けられている。本例の第二アダプタパネル4は、第一アダプタパネル3と融着トレイ6の間に固定されている。第二アダプタパネル4は、複数の光コネクタそれぞれが挿抜可能なよう構成された複数の第二アダプタ41と、複数の第二アダプタ41を配列する第二アダプタ面42と、を備える。複数の第二コネクタ付きケーブル44は複数の第二アダプタ41にそれぞれ接続されている。第二アダプタパネル4の背面側には、ケーブル部45と、保護材46と、が設けられている。第二アダプタ面42は第二面の一例である。
【0035】
各第二アダプタ41は、例えばLCコネクタに接続されるよう構成されたアダプタである。本例の第二アダプタ面42は288個の第二アダプタ41が配列されている。各第二コネクタ付きケーブル44は、光ファイバ心線または光ファイバテープ心線を有する。光ファイバ心線の外径は例えば200μmから250μmである。光ファイバテープ心線は例えば12心の間欠連結型光ファイバテープ心線である。複数の第二コネクタ付きケーブル44は、背面側で束ねられ、ケーブル部45として融着トレイ6に導かれている。ケーブル部45の少なくとも一部は保護材46に覆われている。本例のケーブル部45は、第二アダプタパネル4の一端(本例では左端)であって、筐体2の一側面(本例では左側面27)に近い位置に設けられている。
【0036】
筐体2内において、第一アダプタ面32と、第二アダプタ面42は互いに離隔する。更に本例では第一アダプタ面32と第二アダプタ面42は互いに平行となることが可能なよう構成されている。例えば、
図1に示すように、第一アダプタパネル3と第二アダプタパネル4との間の距離が最も近い状態においては、第一アダプタ面32と第二アダプタ面42は互いに離隔し、且つ平行となりえる。第一アダプタパネル3が、第二アダプタパネル4に対して遠ざかるよう回転した状態においては、第一アダプタ面32と第二アダプタ面42は互いに離隔し、且つ互いの面の方向が交差しえる。
【0037】
ケーブル導入部5は、筐体2の外面22に支持され、外部から筐体2へ光ケーブル51を案内するよう構成されている。本例のケーブル導入部5は、筐体2の左側面25に固定されている。なお、ケーブル導入部5の位置は左側面25に限定されない。成端ユニット1が搭載される光配線ラックに応じて、ケーブル導入部5は背面24や右側面26に設けられてもよい。
【0038】
融着トレイ6は、筐体2内であって、第二アダプタパネル4よりも筐体2の背面24に近い位置に設けられている。ケーブル導入部5から導かれた光ケーブル51と、第一アダプタパネル3のケーブル部35と、第二アダプタパネル4のケーブル部45とを接続するよう構成されている。例えば第一アダプタパネル3のケーブル部35から第一コネクタ付きケーブル34がそれぞれ導出され、第一コネクタ付きケーブル34と光ケーブル51との接続部が融着トレイ6内に収容される。あるいは第二アダプタパネル4のケーブル部45から第二コネクタ付きケーブル44がそれぞれ導出され、第二コネクタ付きケーブル44と光ケーブル51との接続部が融着トレイ6内に収容される。
【0039】
次に本実施形態に係る成端ユニット1の使用方法を説明する。
図2は、第一アダプタパネル3が第二アダプタパネル4に対して相対的に移動した状態を示す、成端ユニット1の平面図である。
【0040】
図2が示すように、第一アダプタパネル3の少なくとも一部は、第一軸33を中心に、第二アダプタパネル4に対して前方へ遠ざかるように回転した状態となりえる。本例では第一アダプタパネル3と第二アダプタパネル4とが互いに平行である状態から、第一軸33を中心に、第一アダプタパネル3の左端が第二アダプタパネル4に対して前方へ遠ざかるよう構成されている。こうすることで、第一アダプタパネル3と第二アダプタパネル4の間の空間が拡がり、作業スペースが確保される。
【0041】
第一アダプタパネル3の左端が第二アダプタパネル4に対して近づくように第一アダプタパネル3が後方へ回転する際には、第一アダプタパネル3が第二アダプタパネル4や第二アダプタ41に接続された複数のコネクタに接触しないよう、第一アダプタパネル3の左端がストッパ37に当接するよう構成されている。使用者は、第一アダプタパネル3の複数の第一アダプタ31に対しては正面右側から複数の光コネクタをそれぞれ挿抜し、第二アダプタパネル4の複数の第二アダプタ41に対しては正面左側から複数の光コネクタをそれぞれ挿抜することができる。
【0042】
以上説明したように、本例に係る成端ユニット1は、第一アダプタパネル3及び第二アダプタパネル4の両方を備える。特に本例の成端ユニット1内では、第一アダプタパネル3の第一アダプタ面32と、第二アダプタパネル4の第二アダプタ面42は、互いに離隔し、且つ互いに平行となるよう構成されている。したがって成端ユニット1は、限られた空間内に複数のアダプタパネルを有効に収容することができる。また成端ユニット1は、複数の光コネクタに接続可能なアダプタをより多く備えるため、一つのアダプタパネルを備える場合と比べ、大容量の情報を取り扱うことができる。
【0043】
本例の第一アダプタパネル3は、第二アダプタパネル4に対して相対的に移動するよう構成されている。このため使用者は、光コネクタを複数の第二アダプタ41に着脱する際、第一アダプタパネル3の一部を第二アダプタパネル4から遠ざけて作業スペースを確保することができる。したがって、第一アダプタパネル3が第二アダプタパネル4への光コネクタの着脱作業を阻害することはなく、光コネクタの着脱作業が容易となる。
【0044】
特に本例においては、第一アダプタパネル3の少なくとも一部が、第一軸33を介して、第二アダプタパネル4に対して相対的に回転するよう構成されている。このため使用者は、第一アダプタパネル3を回転することで第一アダプタパネル3と第二アダプタパネル4の間のスペースを確保することができる。よって光コネクタの着脱作業が容易となる。
【0045】
本例では、複数の第一アダプタ31に複数の第一コネクタ付きケーブル34がそれぞれ接続され、複数の第二アダプタ41に複数の第二コネクタ付きケーブル44がそれぞれ接続されるため、光コネクタの着脱作業が容易となる。
【0046】
本例では、各第一コネクタ付きケーブル34が光ファイバ心線または光ファイバテープ心線を有し、各第二コネクタ付きケーブル44が光ファイバ心線または光ファイバテープ心線を有する。したがって本例の成端ユニット1は各種光ファイバへ容易に接続することができる。よって利便性が向上する。
【0047】
複数の第一コネクタ付きケーブル34のケーブル部35は保護材36で覆われ、複数の第二コネクタ付きケーブル44のケーブル部45は保護材46で覆われている。このため、第一アダプタパネル3と第二アダプタパネル4を相対的に移動させる際等においても両ケーブルの損傷を防ぐことができ、成端ユニット1内での着脱作業が容易となる。
【0048】
本例の第一軸33及び第一コネクタ付きケーブル34のケーブル部35は共に、第一アダプタパネル3の右端であって、筐体2の右側面26に近い位置に設けられている。すなわち第一アダプタパネル3の左端が第二アダプタパネル4に対して相対的に回転した際でも、ケーブル部35は第一アダプタパネル3の右端に位置し、第一アダプタパネル3と第二アダプタパネル4の間の作業スペースは広く確保される。ケーブル部35が作業スペースにないため、光コネクタの着脱作業が容易となる。
【0049】
各第一コネクタ付きケーブル34は、外径が200μmから250μmである光ファイバ心線を有している。各第二コネクタ付きケーブル44は、外径が200μmから250μmである光ファイバ心線を有している。このため本例の成端ユニット1は、外径が200μmから250μmである光ファイバ心線と接続することができ、汎用性が高まる。
【0050】
なお、第二アダプタパネル4に対する第一アダプタパネル3の相対的移動は、回転に限定されない。第一アダプタパネル3が、第二アダプタパネル4に対して相対的にスライドするよう構成されてもよい。より具体的には、第一アダプタパネル3と第二アダプタパネル4とが互いに平行である状態から、第一アダプタパネル3全体が、第二アダプタパネル4から遠ざかり、筐体2の前面23から突出するようにスライドするよう構成されてもよい。第一アダプタパネル3全体がスライドすることで、第一アダプタパネル3と第二アダプタパネル4の間のスペースが広がる。よって複数の第二アダプタ41への光コネクタの着脱作業が容易となる。
【0051】
ケーブル部35及び第一軸33は、第一アダプタパネル3の一端であって、筐体2の左側面25に近い位置に設けられてもよい。この場合、第一アダプタパネル3の左端に設けられた第一軸33を中心に、第一アダプタパネル3の右端が、第二アダプタパネル4に近づく、あるいは遠ざかるように回転するよう構成される。使用者は、第一アダプタパネル3の複数の第一アダプタ31に対しては正面左側から複数の光コネクタをそれぞれ挿抜し、第二アダプタパネル4の複数の第二アダプタ41に対しては正面右側から複数の光コネクタをそれぞれ挿抜することができる。また第一アダプタパネル3と第二アダプタパネル4の間の作業スペースにケーブル部35が邪魔になることはなく、よって光コネクタの着脱作業が容易となる。
【0052】
成端ユニット1は、インナーシャーシ21を備えてもよい。
図3は、インナーシャーシ21を含む、成端ユニット1Bの内部を示す平面図である。なお、
図1に係る成端ユニット1と実質的に同一の要素については同一の参照番号を付し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0053】
図3に示すようにインナーシャーシ21は、筐体2内に設けられ、筐体2に対してスライドするよう構成されている。インナーシャーシ21は、第一アダプタパネル3及び第二アダプタパネル4の少なくとも何れか一方を支持するよう構成されている。例えば、第一アダプタパネル3の第一軸33はインナーシャーシ21に固定され、第一アダプタパネル3は第一軸33及びインナーシャーシ21を介して筐体2に支持されてもよい。同様に、第二アダプタパネル4はインナーシャーシ21に固定され、第二アダプタパネル4はインナーシャーシ21を介して筐体2に支持されてもよい。本例のインナーシャーシ21は、第一アダプタパネル3及び第二アダプタパネル4の両方を支持する。インナーシャーシ21は支持体の一例である。
【0054】
図4は、インナーシャーシ21が筐体2に対して相対的にスライドした状態を示す、成端ユニット1Bの平面図である。
図4に示すように、第一アダプタパネル3及び第二アダプタパネル4の両方を支持したインナーシャーシ21が、筐体2の前面23から突出するようスライドしえる。第一アダプタパネル3及び第二アダプタパネル4の両方を支持したインナーシャーシ21は、筐体2の背面24から突出するようスライドしてもよい。
【0055】
このように、インナーシャーシ21が筐体2に対してスライドするため、使用者は第一アダプタパネル3あるいは第二アダプタパネル4を筐体2から露出させたり、収容したりすることができる。特に使用者は第一アダプタパネル3あるいは第二アダプタパネル4を筐体2から露出させることで、成端ユニット1Bの筐体2という限られた空間ではなく、筐体2の外部という比較的広い空間へ導くことができる。作業スペースがより広くなるため、光コネクタの着脱作業が容易となる。
【0056】
第二アダプタパネル4は、第二軸43を備えてもよい。
図5は、第二アダプタパネル4が第二軸43を備える場合の、成端ユニット1Cの平面図である。なお、
図1に係る成端ユニット1と実質的に同一の要素については同一の参照番号を付し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0057】
図5に示すように第二アダプタパネル4は、第二軸43と、ストッパ47と、を備える。本例の第二軸43及びケーブル部45は共に、第二アダプタパネル4の一端(本例では左端)であって、筐体2の一側面(本例では左側面25)に近い位置に設けられている。本例のストッパ47は、筐体2の他側面(本例では右側面26)に近い位置に設けられている。なお第二軸43及びケーブル部45の位置は、他側面(右側面26)に近い位置に設けられてもよい。この場合ストッパ47は一側面(左側面25)に近い位置に設けられる。
【0058】
第二アダプタパネル4は、第二軸43を介して筐体2に支持されている。第二アダプタパネル4は、第二軸43を中心に、第一アダプタパネル3に対して相対的に回転するよう構成されている。より具体的には、第二アダプタパネル4の左端に設けられた第二軸43を中心に、第二アダプタパネル4の右端が、第一アダプタパネル3に近づく、あるいは遠ざかるように回転するよう構成されている。
【0059】
このように、第二アダプタパネル4は第二軸43を備えるため、本例の成端ユニット1Cでは第一アダプタパネル3だけでなく、第二アダプタパネル4も回転する。したがって作業スペースの自由度が増す。使用者は、第二アダプタパネル4の右端を筐体2の前面23に近づくよう前方へ回転させることで、光コネクタを複数の第二アダプタ41により着脱しやすくなる。
【0060】
第一アダプタパネル3は、複数のアダプタパネルを有してもよい。
図6は、第一アダプタパネル3が複数のアダプタパネルを備える場合の、成端ユニット1Dの平面図である。なお、
図1に係る成端ユニット1と実質的に同一の要素については同一の参照番号を付し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0061】
図6に示すように、第一アダプタパネル3は、複数の第一アダプタ31の一部を備える第三アダプタパネル7と、前記複数の第一アダプタ31の他部を備える第四アダプタパネル8と、を有する。
【0062】
第三アダプタパネル7は、複数の第一アダプタ31のうち左側に位置する一部のアダプタである複数の第三アダプタ71と、複数の第三アダプタ71を配列する第三アダプタ面72と、第三軸73と、を備える。本例の第三軸73は第一アダプタパネル3の一端(左端)であって、筐体2の左側面25に近い位置に設けられる。複数の第三コネクタ付きケーブル74は複数の第三アダプタ71にそれぞれ接続されている。第三アダプタパネル7の背面側には、ケーブル部75と、保護材76と、ストッパ77と、を備える。
【0063】
第四アダプタパネル8は、複数の第一アダプタ31のうち右側に位置する他部のアダプタである複数の第四アダプタ81と、複数の第四アダプタ81を配列する第四アダプタ面82と、第四軸83と、を備える。本例の第四軸83は第一アダプタパネル3の他端(右端)であって、筐体2の右側面26に近い位置に設けられる。複数の第四コネクタ付きケーブル84は複数の第四アダプタ81にそれぞれ接続されている。第四アダプタパネル8の背面側には、ケーブル部85と、保護材86と、ストッパ87と、が設けられている。
【0064】
第三アダプタパネル7は、第三軸73を介して筐体2に支持されている。更に第三アダプタパネル7は、第三軸73を中心に、第四アダプタパネル8に対して相対的に回転するよう構成されている。第四アダプタパネル8は、第四軸83を介して筐体2に支持されている。更に第四アダプタパネル8は、第四軸83を中心に、第三アダプタパネル7に対して相対的に回転するよう構成されている。言い換えると、第三アダプタパネル7及び第四アダプタパネル8は、第一アダプタパネル3の中央を基準とした両開き扉であり、互いに近づいたり、遠ざかったりするよう構成されている。
【0065】
第三アダプタパネル7及び第四アダプタパネル8が回転することで、第一アダプタパネル3と第二アダプタパネル4の間の空間が拡がり、作業スペースが確保される。使用者は、第三アダプタパネル7の複数の第三アダプタ71に対しては正面あるいは右側から複数の光コネクタをそれぞれ挿抜し、第四アダプタパネル8の複数の第四アダプタ81に対しては正面あるいは左側から複数の光コネクタをそれぞれ挿抜することができる。また使用者は、第二アダプタパネル4の複数の第二アダプタ41に対しては正面であって、第三アダプタパネル7と第四アダプタパネル8の間から複数の光コネクタをそれぞれ挿抜することができる。
【0066】
このように本例の成端ユニット1Dでは、第三アダプタパネル7及び第四アダプタパネル8は互いに相対的に回転するように構成されている。このため使用者は、例えば第四アダプタパネル8を回転することなく、第三アダプタパネル7のみを回転させて、第三アダプタパネル7と第二アダプタパネル4の間のスペースを確保することができる。この場合、第三アダプタパネル7及び第四アダプタパネル8を含む第一アダプタパネル3全体を回転させる場合と比較して、必要最低限の動作で作業スペースが確保されるため、作業効率が上がる。
【0067】
成端ユニット1は、第五アダプタパネル9を備えてもよい。
図7は、第五アダプタパネル9を含む、成端ユニット1Eの内部を示す平面図である。なお、
図3に係る成端ユニット1B及び
図5に係る成端ユニット1Cと実質的に同一の要素については同一の参照番号を付し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0068】
図7に示すように、第五アダプタパネル9は、筐体2内であって、第一アダプタパネル3及び第二アダプタパネル4よりも筐体2の背面24に近い位置に設けられている。本例の第五アダプタパネル9は、第二アダプタパネル4と融着トレイ6の間に固定されている。第五アダプタパネル9は、複数の光コネクタそれぞれが挿抜可能なよう構成された複数の第五アダプタ91と、複数の第五アダプタ91を配列する第五アダプタ面92と、を備える。複数の第五コネクタ付きケーブル94は複数の第五アダプタ91にそれぞれ接続されている。第五アダプタパネル9の背面側には、ケーブル部95と、保護材96と、が設けられている。
【0069】
筐体2内において、第一アダプタ面32と、第二アダプタ面42と、第五アダプタ面92は、それぞれ離隔する。更に本例では第一アダプタ面32と第二アダプタ面42と第五アダプタ面92は、それぞれ平行となることが可能なよう構成されている。例えば、
図7に示すように、第二アダプタパネル4と第五アダプタパネル9の間の距離が最も近い状態においては、第二アダプタ面42と第五アダプタ面92は互いに離隔し、且つ平行となりえる。第二アダプタパネル4が、第五アダプタパネル9に対して遠ざかるよう前方へ回転した状態においては、第二アダプタ面42と第五アダプタ面92は互いに離隔し、且つ互いの面の方向が交差しえる。
【0070】
本例の成端ユニット1Eでは第一アダプタパネル3及び第二アダプタパネル4も回転する。したがって第二アダプタパネル4と第三アダプタパネル7の間の作業スペースが確保される。なお本例において使用者は、第一アダプタパネル3の複数の第一アダプタ31に対しては左側から複数の光コネクタをそれぞれ挿抜し、第二アダプタパネル4の複数の第二アダプタ41に対しては右側から複数の光コネクタをそれぞれ挿抜することができる。更に使用者は、第五アダプタパネル9の複数の第五アダプタ91に対しては、筐体2の右側から、第二アダプタパネル4の左端を周回して、複数の光コネクタをそれぞれ挿抜することができる。
【0071】
このように本例の成端ユニット1Eは第一アダプタパネル3、第二アダプタパネル4及び第五アダプタパネル9を備える。すなわち成端ユニット1Eは、複数の光コネクタに接続可能なアダプタをより多く備えるため、更に大容量の情報を取り扱うことができる。
【0072】
成端ユニット1のケーブル導入部5は移動するよう構成されてもよい。
図8及び
図9は、成端ユニット1Fの内部を示す平面図である。
図8は、成端ユニット1Fのケーブル導入部5Fが第一位置に位置する場合の平面図である。
図9は、成端ユニット1Fのケーブル導入部5Fが第二位置に位置する場合の平面図である。なお、
図1に係る成端ユニット1と実質的に同一の要素については同一の参照番号を付し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0073】
図8及び
図9に示すように、成端ユニット1Fは、開口28L及び開口28Rを有する筐体2Fと、外部から筐体2Fの開口28Lあるいは開口28Rへ光ケーブルを案内するケーブル導入部5Fと、ケーブル導入部5Fを支持するブラケット29と、を備える。本例において開口28L及び開口28Rは、筐体2Fの背面24に設けられている。
【0074】
ケーブル導入部5Fは、ブラケット29に取り付けられている。ブラケット29は、筐体2Fの外面22に取り付けられ、且つ軸Xを有する。言い換えるとケーブル導入部5Fは、軸X及びブラケット29を介して筐体2Fの外面22に支持されている。本例のケーブル導入部5Fは、筐体2の左側面25に支持されている。
【0075】
本例のケーブル導入部5Fは、軸Xを中心に、開口28Lと対向する第一位置(
図8)と、第一位置よりも、ケーブル導入部5Fが開口28Lから離れている第二位置(
図9)の間を回転するよう構成されている。ここで「対向する」状態とは、必ずしもケーブル導入部5Fと開口28Lとが互いに正面で向き合う状態だけではなく、ケーブル導入部5Fの一部のみが開口28Lに向いている状態や、ケーブル導入部5Fが開口28Lに傾斜して向いている状態も含む。また第二位置は、必ずしもケーブル導入部5Fが第一位置から90度回転した位置(
図9)に限定されるものではない。ケーブル導入部5Fが、軸Xを中心に
図8に示す第一位置からいくらか回転した位置であれば、当該位置は第二位置となり得る。
【0076】
ブラケット29は、筐体2Fの外面22にスライド可能に取り付けられている。具体的には、ブラケット29に取り付けられたケーブル導入部5Fが、筐体2Fに近づいたり、遠ざかったりするよう構成されている。
【0077】
光ケーブル51は、ケーブル導入部5Fから導かれ、筐体2F内に収容されている。光ケーブル51は、ケーブル導入部5Fの回転移動及びブラケット29のスライド移動を許容する余長を有している。
【0078】
次に成端ユニット1Fの使用方法を説明する。
ケーブル導入部5Fが筐体2Fの開口28Lに近い位置にあることが好ましい場合がある。例えば成端ユニット1Fが光配線ラックに収納される場合がある。この場合、ケーブル導入部5Fを含む成端ユニット1F全体が小さいことが好ましい。このような場合使用者は、
図8に示すように、軸Xを中心としてケーブル導入部5Fを開口28Lと対向する第一位置に回転させ、成端ユニット1Fを光配線ラックに収納する。
【0079】
一方、ケーブル導入部5Fが筐体2Fの開口28Lから遠い位置にあることが好ましい場合がある。例えば外部から導入した光ケーブル51を筐体2Fの融着トレイ6へ導く場合がある。この場合、ケーブル導入部5Fと筐体2Fの開口28Lの間の作業スペースを拡げることが好ましい。このような場合使用者は、
図9に示すように、軸Xを中心としてケーブル導入部5Fを第一位置よりも、ケーブル導入部5Fが開口28Lから離れている第二位置に回転させ、作業スペースを確保する。
【0080】
以上説明したように、本例のケーブル導入部5Fは、軸Xを中心にして、第一位置と第二位置の間を回転するよう構成されている。このため使用者は、必要に応じてケーブル導入部5Fを第一位置と第二位置の間で回転させることで、筐体2Fとケーブル導入部5Fの間の空間を作業スペースとして拡げることができる。よって光ケーブルの配線作業が容易となる。
【0081】
本例の成端ユニット1Fはブラケット29を備え、ケーブル導入部5Fはブラケット29に取り付けられる。このためブラケットの大きさや形状を変えることで、ケーブル導入部5Fや成端ユニット1Fの筐体2Fの構成を変えることなく、筐体2Fへのケーブル導入部5Fの取り付けが可能となる。したがって、ケーブル導入部5Fの設置の自由度が高まる。
【0082】
ブラケット29は筐体2Fの外面22にスライド可能に取り付けられている。使用者は、ブラケット29に取り付けられるケーブル導入部5Fを筐体2Fに対して相対的に移動させることで、筐体2Fとケーブル導入部5Fの間の空間を作業スペースとしてより拡げることができる。したがって作業効率が向上する。
【0083】
なお成端ユニット1Fはブラケット29を備えなくてもよい。この場合、軸Xは筐体2の外面22の一部であって、ケーブル導入部5Fの一部に設けられる。ブラケット29を備えずとも、軸Xが成端ユニット1Fに設けられれば、ケーブル導入部5Fは第一位置と第二位置の間で回転することができる。
【0084】
ブラケット29は、筐体2Fの外面22に固定されていてもよい。ブラケット29が筐体2Fに固定されていても、ケーブル導入部5Fが第一位置と第二位置の間で回転すれば、筐体2Fとケーブル導入部5Fの間の空間は作業スペースとして確保される。
【0085】
本例のケーブル導入部5Fは、筐体2Fの左側面25及び右側面26のどちらにも支持されるよう構成されている。
図8では、ケーブル導入部5Fが、筐体2Fの左側面25に支持され、外部から筐体2Fの開口28Lへ光ケーブルを案内している状態を示していた。
図10は、ケーブル導入部5Fが、筐体2Fの右側面26に支持され、外部から筐体2Fの開口28Rへ光ケーブルを案内している状態を示す。
【0086】
搭載される光配線ラックの収容部に応じて、ケーブル導入部5Fは、筐体2Fの左側面25に取り付けられる場合もあれば、筐体2Fの右側面26に取り付けられる場合もある。本例のケーブル導入部5Fは左側面25、右側面26のどちらにも支持されるよう構成されているため、筐体2Fに対するケーブル導入部5Fの設置位置の自由度が向上し、よって利便性が高まる。
【0087】
以上、本開示を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本開示の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。また、上記説明した構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本開示を実施する上で好適な数、位置、形状等に変更することができる。
【符号の説明】
【0088】
1、1B、1C、1D、1E、1F:成端ユニット
2、2F:筐体
21:インナーシャーシ(支持体)
22:外面
23:前面
24:背面
25:左側面(第一側面)
26:右側面(第二側面)
27:ラックマウントブラケット
28L、28R:開口
29:ブラケット
3:第一アダプタパネル
31:第一アダプタ
32:第一アダプタ面(第一面)
33:第一軸
34:第一コネクタ付きケーブル
35:ケーブル部
36:保護材
37:ストッパ
4:第二アダプタパネル
41:第二アダプタ
42:第二アダプタ面(第二面)
43:第二軸
44:第二コネクタ付きケーブル
45:ケーブル部
46:保護材
47:ストッパ
5、5F:ケーブル導入部
51:光ケーブル
6:融着トレイ
7:第三アダプタパネル
71:第三アダプタ
72:第三アダプタ面
73:第三軸
74:第三コネクタ付きケーブル
75:ケーブル部
76:保護材
8:第四アダプタパネル
81:第四アダプタ
82:第四アダプタ面
83:第四軸
84:第四コネクタ付きケーブル
85:ケーブル部
86:保護材
9:第五アダプタパネル
91:第五アダプタ
92:第五アダプタ面
93:第五軸
94:第五コネクタ付きケーブル
95:ケーブル部
96:保護材
X:軸