(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006266
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】惣菜供給システム
(51)【国際特許分類】
B65B 1/12 20060101AFI20230111BHJP
B65G 65/46 20060101ALI20230111BHJP
B65B 43/44 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
B65B1/12
B65G65/46 C
B65B43/44 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021108782
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】591094262
【氏名又は名称】鈴茂器工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101971
【弁理士】
【氏名又は名称】大畑 敏朗
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 美奈子
(72)【発明者】
【氏名】大澤 賢明
【テーマコード(参考)】
3E030
3E118
3F075
【Fターム(参考)】
3E030AA01
3E030BA03
3E030BB10
3E030BC03
3E030DA07
3E030EA01
3E030EB03
3E030GA05
3E118AA02
3E118AB10
3E118BA08
3E118BB02
3E118BB06
3E118BB14
3E118CA02
3E118EA06
3F075AA08
3F075BA01
3F075CA07
3F075CB01
3F075CB06
3F075CB13
3F075CC05
3F075CD08
3F075DA03
(57)【要約】
【課題】容器の供給から惣菜の定量盛り付け、トレイへの移載までを自動的に行える惣菜供給システムを提供する。
【解決手段】容器Bが積み重ねられた容器積層体BTから最下段の容器Bを1枚ずつ取り出す容器取出装置10と、容器取出装置10から取り出された容器Bを搭載して間欠的に搬送する容器搬送テーブル11と、惣菜が投入されるとともに、容器搬送テーブル11に搬送される容器Bに計量された惣菜を盛り付ける惣菜盛付装置30と、容器搬送テーブル11に搬送された惣菜盛付後の容器Bをトレイ24に移載する移載装置20とで構成された惣菜供給システムである。これによれば、容器Bを容器取出装置10に積み重ねておき、調理された惣菜を惣菜盛付装置30に投入するだけで、容器Bの供給から惣菜の定量盛り付け、トレイ24への移載までが自動的に行われる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器が積み重ねられた容器積層体から一つずつ容器を取り出す容器取出手段と、
前記容器取出手段から取り出された前記容器を搭載して間欠搬送する搬送手段と、
惣菜が投入されるとともに、前記搬送手段で搬送された容器に計量された惣菜を盛り付ける惣菜盛付手段と、
惣菜の盛り付けられた前記搬送手段上の容器をトレイ上に移載する移載手段と、
を有することを特徴とする惣菜供給システム。
【請求項2】
前記惣菜盛付手段は、
惣菜が投入されるホッパと、
前記ホッパに投入された惣菜を解して下方へと送る解し機構と、
下方に向けて開口するように開閉可能とされ、閉鎖位置において前記解し機構で解された惣菜を計量し、開放位置において計量された惣菜を直下に位置する搬送手段上の前記容器に落下供給する計量兼供給カップと、
を備えることを特徴とする請求項1記載の惣菜供給システム。
【請求項3】
前記ホッパ内には、
投入された惣菜を搬送方向下流側に位置する前記解し機構に向けて搬送する搬送スクリュと、
前記搬送スクリュにより前記解し機構に到達できなかった惣菜を搬送方向上流側に戻すリバーススクリュと、
を備えることを特徴とする請求項2記載の惣菜供給システム。
【請求項4】
前記解し機構は、
ローラ本体部、および前記ローラ本体部の径方向に向けて設けられた複数の解し羽根を備えた解しローラを備える、
ことを特徴とする請求項2または3記載の惣菜供給システム。
【請求項5】
前記解しローラは、
1段、または相互に同一方向に回転可能に上下方向に複数段配置されている、
ことを特徴とする請求項4記載の惣菜供給システム。
【請求項6】
前記容器取出手段は、
前記容器積層体を収容する容器収容部と、
相互に接近して前記容器積層体の最下段に位置する最下段容器を保持する保持位置と、前記最下段容器の取出時に相互に離反して前記最下段容器の保持を解除する解除位置とに移動可能な一対の第1の移動部材と、
前記一対の第1の移動部材の上方に設けられ、前記一対の第1の移動部材が前記保持位置のときに相互に離反して前記最下段容器の直上に積層された直上容器の保持を解除する解除位置と、前記一対の第1の移動部材が解除位置となったときに相互に接近して前記直上容器を保持する保持位置とに移動可能な一対の第2の移動部材と、
前記容器収容部の直下において昇降可能に設けられ、保持が解除された前記最下段容器の底面を支持しながら下降して当該最下段容器を前記容器積層体から取り出して前記搬送手段に搭載する昇降部材と、
を備えることを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の惣菜供給システム。
【請求項7】
前記搬送手段は、前記昇降部材が出没するとともに前記容器が嵌まり込んで保持される保持孔が周方向に一定間隔で形成されたターンテーブルである、
ことを特徴とする請求項6記載の惣菜供給システム。
【請求項8】
前記移載手段は、
容器を把持および把持を解除する把持部が昇降可能に装着されるとともに往復動部により直線的に往復動可能に設けられ、一方の移動端で前記容器を把持した前記把持部を上昇させて直線的に移動し、他方の移動端で当該把持部を下降させて前記容器を前記トレイ上に移載する移載部と、
前記移載部の移動方向と交差する方向に前記トレイを容器一列分ずつ間欠的に移動する移動部と、
を備えることを特徴とする請求項1~7の何れか一項に記載の惣菜供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、惣菜供給システムに関し、特に、各種惣菜の容器への盛り付けからトレイへの移載までを行うことのできる惣菜供給システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
社員食堂や学生食堂での惣菜の提供、病院食における惣菜の配膳などにおいては、出来上がった惣菜を容器に盛り付けてトレイに搭載することが行われている。
【0003】
ここで、容器に定量の惣菜を盛り付ける技術としては例えば特許文献1(特開2008-045927号公報)に、計量された惣菜を人手により容器に盛り付ける技術としては例えば特許文献2(特開2001-097306号公報)に、細切りや顆粒状の食品(惣菜)を定量抽出する技術としては例えば特許文献3(特開平09-313152号公報)に、定量に分けておいた惣菜を弁当容器に盛り付ける技術としては例えば特許文献4(特開平09-065838号公報)に、それぞれ記載がされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-045927号公報
【特許文献2】特開2001-097306号公報
【特許文献3】特開平09-313152号公報
【特許文献4】特開平09-065838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これらの特許文献に記載の技術では、作業者が空の容器を1個ずつセットしてから惣菜の盛り付けが行われ、作業者が惣菜の盛り付けられた容器を1個ずつトレイに置かなければならないため、作業効率が悪かった。
【0006】
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、容器の供給から惣菜の定量盛り付け、トレイへの移載までの動作を自動的に行うことのできる惣菜供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の惣菜供給システムは、容器が積み重ねられた容器積層体から一つずつ容器を取り出す容器取出手段と、前記容器取出手段から取り出された前記容器を搭載して間欠搬送する搬送手段と、惣菜が投入されるとともに、前記搬送手段で搬送された容器に計量された惣菜を盛り付ける惣菜盛付手段と、惣菜の盛り付けられた前記搬送手段上の容器をトレイ上に移載する移載手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の本発明の惣菜供給システムは、上記請求項1記載の発明において、前記惣菜盛付手段は、惣菜が投入されるホッパと、前記ホッパに投入された惣菜を解して下方へと送る解し機構と、下方に向けて開口するように開閉可能とされ、閉鎖位置において前記解し機構で解された惣菜を計量し、開放位置において計量された惣菜を直下に位置する搬送手段上の前記容器に落下供給する計量兼供給カップと、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の本発明の惣菜供給システムは、上記請求項2記載の発明において、前記ホッパ内には、投入された惣菜を搬送方向下流側に位置する前記解し機構に向けて搬送する搬送スクリュと、前記搬送スクリュにより前記解し機構に到達できなかった惣菜を搬送方向上流側に戻すリバーススクリュと、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の本発明の惣菜供給システムは、上記請求項2または3記載の発明において、前記解し機構は、ローラ本体部、および前記ローラ本体部の径方向に向けて設けられた複数の解し羽根を備えた解しローラを備える、ことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の本発明の惣菜供給システムは、上記請求項4記載の発明において、前記解しローラは、1段、または相互に同一方向に回転可能に上下方向に複数段配置されている、ことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の本発明の惣菜供給システムは、上記請求項1~5の何れか一項に記載の発明において、前記容器取出手段は、前記容器積層体を収容する容器収容部と、相互に接近して前記容器積層体の最下段に位置する最下段容器を保持する保持位置と、前記最下段容器の取出時に相互に離反して前記最下段容器の保持を解除する解除位置とに移動可能な一対の第1の移動部材と、前記一対の第1の移動部材の上方に設けられ、前記一対の第1の移動部材が前記保持位置のときに相互に離反して前記最下段容器の直上に積層された直上容器の保持を解除する解除位置と、前記一対の第1の移動部材が解除位置となったときに相互に接近して前記直上容器を保持する保持位置とに移動可能な一対の第2の移動部材と、前記容器収容部の直下において昇降可能に設けられ、保持が解除された前記最下段容器の底面を支持しながら下降して当該最下段容器を前記容器積層体から取り出して前記搬送手段に搭載する昇降部材と、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の本発明の惣菜供給システムは、上記請求項6記載の発明において、前記搬送手段は、前記昇降部材が出没するとともに前記容器が嵌まり込んで保持される保持孔が周方向に一定間隔で形成されたターンテーブルである、ことを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の本発明の惣菜供給システムは、上記請求項1~7の何れか一項に記載の発明において、前記移載手段は、容器を把持および把持を解除する把持部が昇降可能に装着されるとともに往復動部により直線的に往復動可能に設けられ、一方の移動端で前記容器を把持した前記把持部を上昇させて直線的に移動し、他方の移動端で当該把持部を下降させて前記容器を前記トレイ上に移載する移載部と、前記移載部の移動方向と交差する方向に前記トレイを容器一列分ずつ間欠的に移動する移動部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、容器を容器取出手段に積み重ねておき、調理された惣菜を惣菜盛付手段に投入するだけで、容器の供給から惣菜の定量盛り付け、トレイへの移載までの動作を自動的に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施の形態である惣菜供給システムを示す斜視図である。
【
図2】
図1の惣菜供給システムを構成する容器取出装置、惣菜盛付装置および容器搬送テーブルを示す斜視図である。
【
図3】
図1の惣菜供給システムを構成する移載装置を容器搬送テーブルとともに示す斜視図である。
【
図4】本実施の形態の惣菜供給システムを構成する惣菜盛付装置について計量兼供給カップを除いて示す斜視図である。
【
図5】
図4の惣菜盛付装置を上方から見た斜視図である。
【
図6】
図4の惣菜盛付装置を構成する解し機構の前面カバーを取り外した状態で計量兼供給カップとともに示す斜視図である。
【
図7】
図4の惣菜盛付装置を構成する解し機構の前面カバーを取り外した状態で
図6と反対側から示す斜視図である。
【
図8】
図4の惣菜盛付装置を構成する解し機構の前面カバーを取り外した状態で示す左側面図である。
【
図9】本実施の形態の変形例としての惣菜盛付装置を構成する解し機構の前面カバーを取り外した状態で且つ計量兼供給カップを除いて示す斜視図である。
【
図10】
図9の惣菜盛付装置に装着された解しローラを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0018】
図1は本発明の一実施の形態である惣菜供給システムを示す斜視図、
図2は
図1の惣菜供給システムを構成する容器取出装置、惣菜盛付装置および容器搬送テーブルを示す斜視図、
図3は
図1の惣菜供給システムを構成する移載装置を容器搬送テーブルとともに示す斜視図である。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態の惣菜供給システムは、容器(小鉢、皿、茶碗など)Bが積み重ねられた容器積層体BTから最下段の容器Bを1枚ずつ取り出す容器取出装置(容器取出手段)10と、容器取出装置10から取り出された容器Bを間欠的に搬送するターンテーブル式の容器搬送テーブル(搬送手段)11と、惣菜(例えば、煮物、蒸し物、焼き物、揚げ物、和え物、サラダ類など)が投入されるとともに、容器搬送テーブル11に搬送される容器Bに計量された惣菜を盛り付ける惣菜盛付装置(惣菜盛付手段)30と、容器搬送テーブル11に搬送された惣菜盛付後の容器Bをトレイ24に移載する移載装置(移載手段)20とで構成されている。また、容器取出装置10と容器搬送テーブル11と惣菜盛付装置30とは、ステージ13上に設置されている。図示するように、当該ステージ13と移載装置20とは、四隅にキャスタ14aが取り付けられて移動自在となったキャスタフレーム14上に、隣り合って搭載されている。
【0020】
さて、
図2に示すように、容器取出装置10は開口部(図示せず)の形成されたベース体10aを備えている。そして、開口部上に、容器Bを積み重ねて容器積層体BTとして収容する容器収容部12が設けられている。また、開口部を挟むようにして、相互に接近・離反可能になった一対の第1の移動爪(一対の第1の移動部材:図示せず)と、当該一対の第1の移動爪の上方において、同じく相互に接近・離反可能になった一対の第2の移動爪(一対の第2の移動部材)17とが設けられている。また、一対の第1の移動爪および一対の第2の移動爪17の両側には、一対の第1の移動爪および一対の第2の移動爪17を支持して移動をガイドするための一対のガイドブロック15が設けられている。
【0021】
また、容器収容部12には、容器積層体BTの側方に接してこれを支持するガイドロッド12aが上下方向を向けて設置されている。図示するように、ガイドロッド12aは、一対の移動爪(一対の第1の移動爪・一対の第2の移動爪)側に2本ずつの合計4本が配置されており、一対の第1の移動爪の下方に設けられたロッド用プレート16に取り付けられている。このロッド用プレート16は、前述のガイドブロック15に支持されており、様々な幅の容器積層体BTを支持できるように、相互に接近および離反移動可能となっている。なお、容器Bを積み重ねる際の便宜のために、手前側のガイドロッド12aの高さの方が奥側のガイドロッド12aよりも低くなっている。但し、ガイドロッド12aの本数は複数本であれば足り、容器積層体BTが転倒しないように支持できれば、本実施の形態に示す4本である必要はない。
【0022】
ここで、一対の第1の移動爪は、相互に接近して容器積層体BTの最下段に位置する容器Bである最下段容器Bを保持する保持位置と、相互に離反して最下段容器Bの保持を解除する解除位置とに移動可能となっている。また、一対の第2の移動爪17は、一対の第1の移動爪が保持位置のときに相互に離反して直上容器B(最下段容器の直上に積層された容器)の保持を解除する解除位置と、一対の第1の移動爪が解除位置となったときに相互に接近して直上容器Bを保持する保持位置とに移動可能となっている。したがって、これら2組の一対の移動爪のアクション(接近動作および離反動作)により容器積層体BTを下方から支持しながら最下段の容器Bが分離される。
【0023】
なお、容器収容部12の直下には、保持が解除された最下段容器Bの底面を支持しながら下降して当該最下段容器Bを容器積層体BTから取り出して容器搬送テーブル11に搭載する昇降部材(図示せず)が昇降可能に設けられている。
【0024】
図2に示すように、容器搬送テーブル11には、昇降部材が出没するとともに、当該昇降部材によって取り出された最下段容器Bが嵌まり込んで保持される保持孔11aが周方向に一定間隔で形成されている。
【0025】
惣菜盛付装置30は、ホッパ31に投入された惣菜が解し機構32で解された後に下方へと送られ、下方に向けて開口するように開閉可能となった計量兼供給カップ33で所定量に計量され、直下に位置する容器搬送テーブル11上の容器Bに落下供給される構造となっている。
図2において、ホッパ31は、上部枠31aと、当該上部枠31aが嵌め込まれるとともに解し機構32と一体になった本体部31bとで構成されている。なお、惣菜盛付装置30の詳細については後述する。
【0026】
さて、
図1および
図3に示すように、移載装置20は、容器Bを把持および把持を解除する把持部21が昇降可能に装着された移載部22と、移載部22が直線的に往復動可能に設置された往復動部23とを備えている。また、容器Bは、移載装置20に設置されたトレイ24上に移載部22によって移載される。すなわち、往復動部23を移動する移載部22が、一方の移動端(先述した容器搬送テーブル11によって搬送された容器B(惣菜の盛り付けられた容器B)の位置)において把持部21で容器Bを把持し上昇して直線的に移動し、他方の移動端(トレイ24上における容器Bの配置箇所)で当該把持部21を下降させてトレイ24上に移載する。
【0027】
なお、
図3に示すように、把持部21には、相互に接近して容器Bを把持する把持位置および相互に離反して容器Bの把持を解除する解除位置に水平移動可能な一対の把持体21a,21aが設けられており、当該一対の把持体21a,21aの接近・離反により容器Bが把持され、把持が解除される。
【0028】
また、移載装置20は、移載部22の移動方向と交差する方向に前述したトレイ24を間欠的に移動するトレイ移動コンベア(移動部)25を備えている。なお、本実施の形態において、トレイ移動コンベア25の両側には、当該トレイ移動コンベア25で移動されるトレイ24の両側を支持する支持レール26が設けられている。この支持レール26は、容器Bをトレイ24に搭載する際にトレイ24の前後左右の重量バランスが悪くなり、トレイ24がトレイ移動コンベア25上で不安定になることを防止するものである。但し、トレイ移動コンベア25の幅がトレイ24に対して十分に広くなっており、重量バランス悪化の懸念がなければ、支持レール26は省略することができる。
【0029】
そして、トレイ移動コンベア25によるトレイ24の移動停止中に移載部22の移動方向に沿って一列になるように容器Bをトレイ24上に移載したならば、容器Bの一列分トレイ24を移動して停止し、再び移載部22の移動方向に沿って一列になるように容器Bをトレイ24上に移載するように移載部22およびトレイ移動コンベア25が動作する。
【0030】
次に、
図4~
図8を用いて惣菜盛付装置30について説明する。ここで、
図4は本実施の形態の惣菜供給システムを構成する惣菜盛付装置について計量兼供給カップを除いて示す斜視図、
図5は
図4の惣菜盛付装置を上方から見た斜視図、
図6は
図4の惣菜盛付装置を構成する解し機構の前面カバーを取り外した状態で計量兼供給カップとともに示す斜視図、
図7は
図4の惣菜盛付装置を構成する解し機構の前面カバーを取り外した状態で
図6と反対側から示す斜視図、
図8は
図4の惣菜盛付装置を構成する解し機構の前面カバーを取り外した状態で示す左側面図である。
【0031】
惣菜盛付装置30は、上部枠31a(
図2)と本体部31bとで構成されて惣菜が投入されるホッパ31と、ホッパ31に投入された惣菜を解して下方へと送る解し機構32と、下方に向けて開口するように開閉可能とされ、惣菜を所定量に計量するとともに直下に位置する容器搬送テーブル11上の容器Bに落下供給する計量兼供給カップ33とで構成されている。
【0032】
図4および
図5に示すように、解し機構32と一体になったホッパ31内(詳しくは、ホッパ31の本体部31b内)には、投入された惣菜を搬送方向下流側に位置する解し機構32に向けて搬送する搬送スクリュ34と、搬送スクリュ34により解し機構32に到達できなかった惣菜を搬送方向上流側に戻すリバーススクリュ35とを備えている。
【0033】
図5に詳しく示すように、ホッパ31の内側底面の中央部には、解し機構32に向けて延びるように形成された略半円形の収容溝36が形成されており、前述した搬送スクリュ34は当該収容溝36内に配置されている。また、リバーススクリュ35は搬送スクリュ34の両側の、収容溝36よりも高い位置にそれぞれ配置されている。
【0034】
ここで、搬送スクリュ34は、回転軸であるシャフト34aと、シャフト34aの回りに形成された螺旋羽根34bとからなる。また、リバーススクリュ35は、回転軸であるシャフト35aと、搬送方向下流側のシャフト35aに形成されるとともに搬送スクリュ34の螺旋羽根34bとは逆向きとなった螺旋羽根35bと、搬送方向上流側のシャフト35aに沿って形成されて螺旋羽根35bにより戻された惣菜を搬送スクリュ34の配置された収容溝36に送り込むプレート35cとからなる。
【0035】
なお、本実施の形態では、リバーススクリュ35は搬送スクリュ34の両側に2本配置されているが、1本であってもよい。また、搬送スクリュ34およびリバーススクリュ35の形状は本実施の形態に限定されるものではない。つまり、搬送スクリュ34においては、惣菜を解し機構32に向けて搬送することができる限り、リバーススクリュ35におては、解し機構32に到達できなかった惣菜を搬送方向上流側に戻すことができる限り、様々な形状を採用することができる。
【0036】
図4および
図5に示すように、解し機構32は、ホッパ31に取り付けられたカバー本体32aaと、カバー本体32aaに着脱可能に装着された前面カバー32abとからなるハウジング32aを備えている。
【0037】
そして、
図6~
図8に示すように、ハウジング32a内には、搬送スクリュ34で搬送された惣菜を解して下方へと送るための上下2段の解しローラ37が、両端がハウジング32aに支持された状態で回転可能に設けられている。図示するように、これらの解しローラ37は、ローラ本体部37aと、ローラ本体部37aの径方向に向けて設けられた複数の解し羽根37bを備えている。そして、ローラ本体部37aを中心に回転する複数の解し羽根37bによって惣菜が解されながら下方へと送られる。
【0038】
また、ローラ本体部37aの一方端には、外周に多数の歯が形成されたギア38が取り付けられている。さらに、上段のローラ本体部37aに取り付けられたギア38と下段のローラ本体部37aに取り付けられたギア38とはアイドルギア39を介してギア結合されている。これにより、上段の解しローラ37と下段の解しローラ37とは相互に同一方向に回転可能になっている。なお、上段のギア38と下段のギア38とに無端状ベルトを掛け渡して同一方向に回転させるようにしてもよい。
【0039】
下段の解しローラ37を構成するローラ本体部37aのギア38と反対側端には、モータ(図示せず)からの駆動力が伝達される伝達ギア42が取り付けられている。したがって、本実施の形態では、下段の解しローラ37が駆動側、上段の解しローラ37が下段の解しローラ37の回転で回転する従動側となっている。
【0040】
また、上段のギア38の径の方が下段のギア38の径よりも大きくなっており、よって、上段の解しローラ37の回転速度の方が下段の解しローラ37の回転速度よりも遅くなるように設定されている。これにより、上段の解しローラ37により、搬送スクリュ34で搬送されたホッパ31内の惣菜が大きく掻き込まれて解され、下段の解しローラ37により、上段の解しローラ37で掻き込まれた惣菜がさらに細かく解された後、計量兼供給カップ33で計量されるようになっている。
【0041】
図6に示すように、解し機構32の直下に設けられた計量兼供給カップ33は、前述のように、下方に向けて開口するように開閉可能となっている。すなわち、計量兼供給カップ33は、左右に分割された2つのカップ片33a,33bからなり、正面視で逆三角形の形状を呈している。また、各カップ片33a,33bには、カップ片33a,33bをそれぞれ旋回させて計量兼供給カップ33を開閉するための旋回軸40(カップ片33b側は図示せず)が取り付けられている。さらに、惣菜盛付装置30には、計量兼供給カップ33を閉鎖位置にしておいて惣菜を計量するためのロードセル41が設けられている。
【0042】
したがって、計量兼供給カップ33においては、旋回軸40で閉鎖位置において解し機構32で解された惣菜をロードセル41で計量し、所定の設定重量になったならば、旋回軸40を回転させて開放位置にし、直下に位置する容器搬送テーブル11上の容器Bに惣菜を落下供給する。
【0043】
なお、以上の説明では、解しローラ37が上下方向に2段となって相互に同一方向に回転可能に配置されているが、上下2段に限定されるものではなく、1段のみ、あるいは上下に3段以上であってもよい。また、解しローラ37についても、ローラ本体部37aに惣菜を解すための解し羽根37bが備えられている限り、様々な形状を採用することができる。
【0044】
一例として、解しローラ37が1段のみ配置された解し機構32について、
図9~
図11を用いて説明する。ここで、
図9は本実施の形態の変形例としての惣菜盛付装置を構成する解し機構の前面カバーを取り外した状態で且つ計量兼供給カップを除いて示す斜視図、
図10は
図9の惣菜盛付装置に装着された解しローラを示す斜視図、
図11は
図10の正面図である。
【0045】
これらの図面に示すように、解し機構32に配置された解しローラ37のローラ本体部37aは、軸方向の中央部が最も小径で、両側に向かって徐々に大きくなっている。また、ローラ本体部37aの両端にはフランジ37cが形成されており、惣菜がローラ本体部37aの両端部からはみ出してローラ本体部37aとハウジング32aとの間に入り込むことが防止されている。さらに、ローラ本体部37aの周面にはエンボス加工が施されており、惣菜が付着しにくいようになっている。
【0046】
図9~
図11に示す解しローラ37のローラ本体部37aの径は、前述した
図6~
図8に示す解しローラ37のローラ本体部37aの径よりも全体として大きくなっている。また、
図9~
図11に示す解しローラ37のローラ本体部37aに設けられた複数の解し羽根37bの長さは、逆に
図6~
図8に示す解しローラ37の複数の解し羽根37bの長さよりも短くなっている。
【0047】
以上説明したように、本実施の形態の惣菜供給システムは、容器Bが積み重ねられた容器積層体BTから最下段の容器Bを1枚ずつ取り出す容器取出装置10と、容器取出装置10から取り出された容器Bを搭載して間欠的に搬送する容器搬送テーブル11と、惣菜が投入されるとともに、容器搬送テーブル11に搬送される容器Bに計量された惣菜を盛り付ける惣菜盛付装置30と、容器搬送テーブル11に搬送された惣菜盛付後の容器Bをトレイ24に移載する移載装置20とで構成されている。
【0048】
したがって、容器Bを容器取出装置10に積み重ねておき、調理された惣菜を惣菜盛付装置30に投入するだけで、容器Bの供給から惣菜の定量盛り付け、トレイ24への移載までの動作を自動的に行うことが可能になる。
【0049】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0050】
例えば、本実施の形態では2種類の解しローラ(
図6~
図8に示す解しローラ37・
図6~
図8に示す解しローラ37)が開示されているが、使用された食材の種類や切断サイズ、調理方法など、惣菜の種類によって解し易さが異なることから、解しローラ37の段数、ローラ本体部37aの形状、解し羽根37bの本数や形状などについては、惣菜の種類に応じて決定されるのが望ましい。よって、本実施の形態に示す2種類の解しローラ37は例示に過ぎず、これらに限定されるものではない。
【0051】
また、本実施の形態では、トレイ24の移動部としてトレイ移動コンベア25というベルト式コンベアが用いられているが、トレイ24を容器一列分ずつ間欠的に移動させることができれば足り、例えばローラ式コンベアなどで移動させるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上に説明の惣菜供給システムにおいて、容器に投入される惣菜の種類は特に限定されるものではなく、本惣菜供給システムにて容器に投入可能な様々な惣菜に対して用いることが可能である。
【符号の説明】
【0053】
10 容器取出装置(容器取出手段)
10a ベース体
11 容器搬送テーブル(搬送手段)
11a 保持孔
12 容器収容部
12a ガイドロッド
13 ステージ
14 キャスタフレーム
14a キャスタ
15 ガイドブロック
16 ロッド用プレート
17 一対の第2の移動爪(一対の第2の移動部材)
20 移載装置(移載手段)
21 把持部
21a 把持体
22 移載部
23 往復動部
24 トレイ
25 トレイ移動コンベア(移動部)
26 支持レール
30 惣菜盛付装置(惣菜盛付手段)
31 ホッパ
31a 上部枠
31b 本体部
32 解し機構
32a ハウジング
32aa カバー本体
32ab 前面カバー
33 計量兼供給カップ
33a,33b カップ片
34 搬送スクリュ
34a シャフト
34b 螺旋羽根
35 リバーススクリュ
35a シャフト
35b 螺旋羽根
35c プレート
36 収容溝
37 解しローラ
37a ローラ本体部
37b 解し羽根
37c フランジ
38 ギア
39 アイドルギア
40 旋回軸
41 ロードセル
42 伝達ギア
B 容器
BT 容器積層体