(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062661
(43)【公開日】2023-05-08
(54)【発明の名称】スロープ装置
(51)【国際特許分類】
E04F 11/00 20060101AFI20230426BHJP
【FI】
E04F11/00 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113988
(22)【出願日】2022-07-15
(31)【優先権主張番号】P 2021172546
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】392022938
【氏名又は名称】株式会社神戸車輌製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100144749
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正英
(74)【代理人】
【識別番号】100076369
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正治
(72)【発明者】
【氏名】神戸 栄治
(72)【発明者】
【氏名】片岡 敦史
(72)【発明者】
【氏名】冨山 修平
【テーマコード(参考)】
2E301
【Fターム(参考)】
2E301AA02
2E301AA03
(57)【要約】
【課題】 従来のスロープ装置よりも軽量なスロープ装置を提供する。
【解決手段】 本発明のスロープ装置は、スロープ体とスロープ体に回転可能に連結された可動支持体と可動支持体を回転させる駆動具を備えたものである。この場合、可動支持体をスロープ体の後端部側に、駆動具を可動支持体よりも前方側に設けて、可動支持体がその前端部が上がる方向及び下がる方向に回転するようにすることができる。本発明のスロープ装置は、可動支持体とスロープ体を連結する第一連結具を備えたものとし、スロープ体に第一連結具を案内する第一ガイドを設けることができる。この場合、第一連結具は駆動具の動作によって第一ガイドに沿って移動するようにすることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜角可変のスロープ装置において、
スロープ体と、
前記スロープ体に回転可能に連結された可動支持体と、
前記可動支持体を回転させる駆動具を備えた、
ことを特徴とするスロープ装置。
【請求項2】
請求項1記載のスロープ装置において、
可動支持体はスロープ体の後端部側に設けられ、
駆動具は前記可動支持体よりも前方側に設けられ、
前記可動支持体は当該可動支持体の前端部が上がる方向及び下がる方向に回転する、
ことを特徴とするスロープ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のスロープ装置において、
可動支持体とスロープ体を連結する第一連結具を備え、
前記スロープ体に前記第一連結具を案内する第一ガイドが設けられた、
ことを特徴とするスロープ装置。
【請求項4】
請求項3記載のスロープ装置において、
第一連結具は駆動具の動作によって第一ガイドに沿って移動する、
ことを特徴とするスロープ装置。
【請求項5】
請求項4記載のスロープ装置において、
第一ガイドがスロープ体の前後方向に沿って設けられた、
ことを特徴とするスロープ装置。
【請求項6】
請求項1又は請求項2記載のスロープ装置において、
可動支持体とスロープ体を連結する第二連結具を備え、
可動支持体に前記第二連結具が嵌る第二ガイドが設けられた、
ことを特徴とするスロープ装置。
【請求項7】
請求項6記載のスロープ装置において、
第二ガイドは第一ガイドとは異なる角度で設けられた、
ことを特徴とするスロープ装置。
【請求項8】
請求項1又は請求項2記載のスロープ装置において、
可動支持体の後方側の端部に移動車輪が設けられた、
ことを特徴とするスロープ装置。
【請求項9】
請求項1又は請求項2記載のスロープ装置において、
可動支持体の後方側の端部に、接地面に接地してスロープ装置を支持するブラケットが設けられた、
ことを特徴とするスロープ装置。
【請求項10】
請求項9記載のスロープ装置において、
ブラケットの接地面側に滑り止め部材が設けられた、
ことを特徴とするスロープ装置。
【請求項11】
請求項1又は請求項2記載のスロープ装置において、
スロープ体は第一傾斜部と当該第一傾斜部の裏面に設けられた補強体を備え、
前記補強体は前記第一傾斜部の前後方向に交差する向きで当該第一傾斜部の前後方向に並べて配置された複数の横向き管部材を備えた、
ことを特徴とするスロープ装置。
【請求項12】
請求項11記載のスロープ装置において、
補強体は第一傾斜部の前後方向に沿う向きで配置された縦向き管部材を備えた、
ことを特徴とするスロープ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段差の手前側に配置して使用するスロープ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物品の運搬には台車が利用される。運搬経路に段差がある場合、台車を持ち上げることなく段差を越えられるようにするため、スロープ装置が使用される。従来、スロープ装置として、本体部、スロープ板部、スロープ板支持機構及びスロープ板傾斜保持機構を備えたものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、スロープ装置は常時同じ場所に配置して使用するものではなく、段差のある場所にその都度移動させる必要があることから、スロープ装置は可能な限り軽量であることが望まれる。ところが、前記特許文献1のスロープ装置は、構造上必須の部品点数が多く、軽量化を図るのが難しかった。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、従来のスロープ装置と同等の強度を維持しつつ、従来のスロープ装置よりも軽量なスロープ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスロープ装置は、スロープ体とスロープ体に回転可能に連結された可動支持体と可動支持体を回転させる駆動具を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のスロープ装置は、可動支持体がスロープ体に連結され、従来のスロープ装置のようなベース部がないため、ベース部を備えたスロープ装置に比べて軽量である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】(a)は本発明のスロープ装置の一例を示す斜視図、(b)は(a)を他の角度から見た場合の斜視図。
【
図2】(a)は
図1(a)(b)に示すスロープ装置の平面図、(b)は(a)の底面図、(c)は(a)のIIc-IIc矢視図、(d)は(a)のIId-IId矢視図。
【
図3】(a)はスロープの傾斜を最低角度まで下げた状態の説明図、(b)はスロープの傾斜を最高角度まで上げた状態の説明図。
【
図4】(a)は
図3(a)のIVa部拡大図、(b)は
図3(b)のIVb部拡大図。
【
図5】
図1(a)の可動支持体の取付け部分の詳細説明図。
【
図6】(a)~(c)は本発明のスロープ装置の使用状態の説明図。
【
図7】(a)は本発明のスロープ装置の他例を示す斜視図、(b)は(a)のスロープ装置のブラケット部分の詳細説明図。
【
図8】(a)はスロープの傾斜を最低角度まで下げた状態の説明図、(b)はスロープの傾斜を最高角度まで上げた状態の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態1)
本発明のスロープ装置50の実施形態の一例を、図面を参照して説明する。本発明のスロープ装置50は、
図6(a)~(c)に示すように、段差の手前に配置して使用される傾斜角度可変のスロープ装置である。説明の便宜上、本願では、段差手前側(低い方)から見た際の手前側を前、奥側を後とし、前後方向に交差する方向を幅方向として説明を行う。
【0010】
一例として
図1(a)(b)に示すスロープ装置50は、スロープ体10と、スロープ体10に回転可能に連結された可動支持体20と、可動支持体20を回転させる駆動具30を備えている。
【0011】
前記スロープ体10は台車D(
図6(a)~(c))が移動する面状の部分である。
図1(a)(b)に示すように、この実施形態のスロープ体10は、第一傾斜部11と第二傾斜部12を備えている。第一傾斜部11は、幅方向に長い長方形状の板材である。第一傾斜部11には、たとえば、既存のスチール縞鋼板等を用いることができる。
【0012】
第一傾斜部11の幅方向両外側の端部には、接地壁部11aが下向きに突設されている。第一傾斜部11は、両接地壁部11aによって支持される。両接地壁部11a間には、第二傾斜部12を連結するための連結軸14が設けられている。
【0013】
第一傾斜部11の手前側には幅方向に長い長方形状の前方張出し板13が突設されている。前方張出し板13は、地面などの接地面に正対する角度で第一傾斜部11の前方側の端部に溶接により固定されている。前方張出し板13には既存の鋼板等を用いることができる。
【0014】
前方張出し板13の長手方向中央部には、前方持ち手部13aが一つ設けられている。両前方張出し板13及び前方持ち手部13aは必要に応じて設ければよく、不要な場合には省略することができる。前方持ち手部13aを設ける場合、その数は二つ以上であってもよい。
【0015】
前記第二傾斜部12は、第一傾斜部11と同程度の幅であって前後方向に長い長方形状の板材である。第二傾斜部12は第一傾斜部11の後方側に設けられた連結軸14を介して当該第一傾斜部11に回転可能に連結されている。この実施形態では、第二傾斜部12としてアルミ縞板等を用いている。軽量化の観点からアルミ縞板を用いるのが好ましいが、第一傾斜部11と同様、第二傾斜部12として既存のスチール縞鋼板等を用いることもできる。
【0016】
第二傾斜部12の幅方向両外側には前後方向に長い長方形状の側方張出し板15が突設されている。両側方張出し板15は、その上面が第二傾斜部12の上面と面一となるように、当該第二傾斜部12に溶接により固定されている。両側方張出し板15には既存の鋼板等を用いることができる。
【0017】
各側方張出し板15には、その長手方向に間隔をあけて側方持ち手部15aが二つ設けられている。両側方張出し板15及び側方持ち手部15aは必要に応じて設ければよく、不要な場合には省略することができる。側方持ち手部15aを設ける場合、その数は二つより多くても少なくてもよい。
【0018】
図2(b)(c)に示すように、第二傾斜部12の裏面側には、第二傾斜部12を補強する補強体16が設けられている。この実施形態の補強体16は、第二傾斜部12の前後方向に沿って配置された複数の横向き管部材16aを備えている。
【0019】
複数の横向き管部材16aの配列方向の前後には、それら横向き管部材16aよりも長い長尺横向き管部材16bが横向き管部材16aと同じ向きで設けられている。また、複数の横向き管部材16aの長手方向外側には、それら横向き管部材16aと直交する向きに配置された縦向き管部材16cが設けられている。
【0020】
この実施形態では、補強体16を構成する横向き管部材16a、長尺横向き管部材16b及び縦向き管部材16cとして角型鋼管を用いている。補強体16として、スロープ体10の前後方向に間隔をあけて横向きリブを突設することもできるが、横向きリブだけでは強度が不足し、横向きリブの下端側が広がって(屈曲して)しまうことがある。
【0021】
これに対し、この実施形態では、横向き管部材16a、長尺横向き管部材16b及び縦向き管部材16cとして、横向きリブのように広がらず、強度を確保しやすい角型鋼管を用いることで、第二傾斜部12に変形等が生じるのを防止することができる。
【0022】
第二傾斜部12の裏面側であって補強体16の両外側には、裏面側壁17が下向きに突設されている。この実施形態の裏面側壁17は、第二傾斜部12の長手方向の全長に亘る長さの長方形状の板材である。裏面側壁17には既存の鋼板等を用いることができる。
【0023】
図3(a)(b)及び
図4(a)(b)に示すように、各裏面側壁17の後端寄りの位置には、各裏面側壁17の他の部分よりも下側に突出する取付け部17aが設けられている。
図5に示すように、各取付け部17aには、後述する第一連結具41が挿通される取付け部第一孔(第一ガイド)17b及び後述する第二連結具42が挿通される取付け部第二孔17cが設けられている。
【0024】
この実施形態の取付け部第一孔17bは長孔であり、スロープ体10(第二傾斜部12)の長手方向に沿って、第二傾斜部12と平行又は略平行に設けられている。また、この実施形態の取付け部第二孔17cは丸孔であり、取付け部第一孔17bよりも後方側の下端寄りの位置(取付け部第一孔17bよりも低い位置)に設けられている。
【0025】
前記各取付け部17aの外側の面には、可動支持体20及び駆動具30が設けられている。可動支持体20はスロープ体10(第二傾斜部12)を下側から支持する部材である。この実施形態の各可動支持体20は前後方向に長い略台形状の板材であり、後述する第一連結具41が挿通される支持体第一孔20a及び後述する第二連結具42が挿通される支持体第二孔(第二ガイド)20bが設けられている。
【0026】
この実施形態の支持体第一孔20aは丸孔であり、可動支持体20の先端寄りの位置に設けられている。また、この実施形態の支持体第二孔20bは長孔であり、可動支持体20の高さ方向に対して斜めに、具体的には、支持体第二孔20bの前方側の端部が高く、後方側の端部が低くなるように斜めに設けられている。
【0027】
可動支持体20は、第一連結具41及び第二連結具42によって取付け部17aに回転可能に連結されている。具体的には、取付け部第一孔17bと支持体第一孔20aを連通させて第一連結具41で連結するとともに、取付け部第二孔17cと支持体第二孔20bを連通させて第二連結具42で連結することで、両者が連結されている。
【0028】
図5に示すように、この実施形態では、第一連結具41として頭付きボルト41aとナット41bを、第二連結具42として頭付きボルトを用いている。第一連結具41の頭付きボルト41aは、頭部が可動支持体20の外側に位置するように可動支持体20の外側から挿通され、支持体第一孔20a及び取付け部第一孔17bを通過した部分にナット41bが締結されている。頭付きボルト41aの頭部は、駆動具30が当接する部分である。
【0029】
また、この実施形態では、第二連結具42として頭付きボルトを用いている。第一連結具41と同様、第二連結具42も、頭部が可動支持体20の外側に位置するように可動支持体20の外側から挿通され、その先端側の軸部が取付け部第二孔17cに螺合されている。
【0030】
このように取付け部17aに取り付けられた可動支持体20は、
図3(a)(b)及び
図4(a)(b)に示すように、第一連結具41及び第二連結具42で取付け部17aに連結された各可動支持体20は、前端部が上がる方向及び下がる方向に縦回転するようにしてある。
【0031】
可動支持体20の回転に際し、第一連結具41は取付け部第一孔17bに沿って前後方向に移動(スライド)する。また、可動支持体20の回転に際し、可動支持体20は支持体第二孔20bに挿通された第二連結具42にガイドされ、その姿勢(可動支持体20の角度)が変わる。
【0032】
各可動支持体20の長手方向後方側には、前後方向に回転する移動車輪21が設けられている。この移動車輪21はスロープ装置50を移動させる際に使用するものである。移動車輪21は、スロープ装置50の前端側を持ち上げて運ぶ際に地面に接地するように、可動支持体20の後端側の周縁よりも外側に突出するようにしてある。
【0033】
図5に示すように、この実施形態では、移動車輪21が各可動支持体20の外側の面と内側の面のそれぞれに一つずつ(各可動支持体20に二つずつ)設けられている。二つの移動車輪21は可動支持体20の外側の面と内側の面に宛がわれ、連結具22(ボルト22a及びナット22b)で当該可動支持体20に回転可能に取り付けられている。
【0034】
図3(a)(b)及び
図4(a)(b)に示すように、前記各取付け部17aの外側の面には長ナット31が固定され、その長ナット31に駆動具30として頭付きボルトが螺合されている。駆動具30は、長ナット31の出口側から突出した端部(頭付きボルトの軸部の先端)が、第一連結具41の頭部に当接するようにしてある。
【0035】
この実施形態では、インパクトレンチ等によって駆動具30が締め付け方向に回転すると、駆動具30によって第一連結具41の頭部が押され、可動支持体20が起立方向へ回転する。このとき、第一連結具41は取付け部第一孔17bに沿って後方へ移動し、第一連結具41が取付け部第一孔17bの後端に到達したところで、可動支持体20が完全に立ち上がった状態(以下「起立状態」という)に達する。
【0036】
一方、可動支持体20が起立状態にある場合、インパクトレンチ等によって駆動具30が締め付け方向と反対方向に回転すると、駆動具30が前方へ移動すると共に、駆動具30で支持されていた第一連結具41も取付け部第一孔17bに沿って同方向へ移動し、第一連結具41が取付け部第一孔17bの前端に到達したところで、可動支持体20が完全に下がった状態(以下「倒伏状態」という)に達する。
【0037】
図4(a)(b)に示すように、この実施形態では、起立状態にある可動支持体20の後端部から同状態にあるスロープ体(第二傾斜部12)の後端部までの距離L1が、倒伏状態にある可動支持体20の後端部から同状態にあるスロープ体(第二傾斜部12)の後端部までの距離L2よりも短くなるようにしてある。
【0038】
また、この実施形態では、起立状態にある可動支持体20の後端部と同状態での第二傾斜部12の後端部の前後方向の位置が同一又は略同一になるようにしてある。また、この実施形態では、可動支持体20が起立状態に近づくにつれて第一連結具41の位置が後方に移動するようにしてある。
【0039】
この種のスロープ装置においては、傾斜部の支点部を挟む前方側と後方側との間でいわゆるシーソー現象(スロープ部の支点を挟んだ前方側や後方側がシーソーのように持ち上がる現象)が発生しないようにする必要があるが、前記構成を備えた本実施形態のスロープ装置50では、シーソー現象の発生を効果的に抑制することができる。
【0040】
このほか、従来のスロープ装置では、スロープ体の角度を変える際に、スロープ体が前方側へ引っ張られて、段差上面の前方側の端部とスロープ体の後方側の端部との間に隙間が生じてしまうことがある。これに対して、この実施形態のスロープ装置50では、第一連結具41が取付け部第一孔17bに沿って移動しながら可動支持体20が立ち上がるようにしてあるため、スロープ体10の前後方向の位置ずれがほぼ生じず、段差上面とスロープ体10の間に隙間が発生するのを回避することができる。
【0041】
(実施形態2)
本発明のスロープ装置50の他例について、図面を参照して説明する。この実施形態のスロープ装置の基本的な構造は実施形態1のスロープ装置50と同様である。異なるのは、移動車輪21の代わりに、接地面に接地してスロープ装置50を支持するブラケット23を設けた点である。
【0042】
図7(a)(b)に示すように、この実施形態のブラケット23は、底部23aの幅方向両側に上向きに折り返された対向片23b、23cを備えたコ字状の部材である。ブラケット23は、可動支持体20が対向片23b、23cの間に収まるように配置され、それらを固定ボルト24aと固定ナット24bで締結することで、可動支持体20に取り付けられている。
【0043】
両対向片23b、23cと可動支持体20のそれぞれの間にはスペーサ25が設けられ、両対向片23b、23cと可動支持体20のそれぞれの間に第二連結具42が収まる程度の隙間(第二連結具42が干渉しない程度の隙間)が確保されている。
【0044】
ブラケット23の底部23aの裏面(接地面側)には、滑り止め部材26としてゴム製部材が設けられている。この実施形態の滑り止め部材26は、薄板状のベース部26aとベース部26aの幅方向両端寄りの位置に下向きに突設された突条部26bを備えている。滑り止め部材26の形状や材質はこれ以外であっても良い。
【0045】
滑り止め部材26がない場合、スロープ装置50の上を、無限軌道を備えた車両が走行した際にスロープ装置50が不用意に移動してしまうことがあるが、滑り止め部材26を設けることで、このような不用意な移動を防止することができる。ただし、滑り止め部材26は必須の構成ではなく、不要な場合には省略することもできる。
【0046】
図8(a)(b)に示すように、ブラケット23は可動支持体20に対して回転可能に連結されており、倒伏状態ではブラケット23と可動支持体20とが略水平となり、起立状態では可動支持体20の前方側が立ち上がってブラケット23に対して角度が付くようにしてある。
【0047】
(その他の実施形態)
前記実施形態1及び2では、第一連結具41が取付け部第一孔17bに沿って移動する場合を一例としているが、第一連結具41は取付け部に形成された非貫通の凹陥部(取付け部第一孔17bと同程度の長さのもの)に沿って移動するようにすることもできる。
【0048】
前記実施形態1及び2では、可動支持体20が支持体第二孔20bとその支持体第二孔20bに挿通された第二連結具42によってガイドされる場合を一例としているが、可動支持体20は、非貫通の凹陥部(支持体第二孔20bと同程度の長さのもの)とこの凹陥部にクリアランスを持って嵌る第二連結具42によってガイドされるようにすることもできる。
【0049】
前記実施形態1及び2の構成は一例であり、本発明のスロープ装置50の構成はこれに限定されるものではない。本発明のスロープ装置50は、所期の目的を達成できる範囲内で、構成の追加や省略、入替え等の変更を加えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明のスロープ装置50は、各種台車Dで段差を乗り越える際に利用することができ、特に、建築資材のような重量物を運搬する台車Dで段差を乗り越える際に特に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0051】
10 スロープ体
11 第一傾斜部
11a 接地壁部
12 第二傾斜部
13 前方張出し板
13a 前方持ち手部
14 連結軸
15 側方張出し板
15a 側方持ち手部
16 補強体
16a 横向き管部材
16b 長尺横向き管部材
16c 縦向き管部材
17 裏面側壁
17a 取付け部
17b 取付け部第一孔(第一ガイド)
17c 取付け部第二孔
20 可動支持体
20a 支持体第一孔
20b 支持体第二孔(第二ガイド)
21 移動車輪
22 連結具
22a ボルト
22b ナット
23 ブラケット
23a 底部
23b、23c 対向片
24a 固定ボルト
24b 固定ナット
25 スペーサ
26 滑り止め部材
26a ベース部
26b 突条部
30 駆動具
31 長ナット
41 第一連結具
41a 頭付きボルト
41b ナット
42 第二連結具
50 スロープ装置
D 台車