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特開2023-62676大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関
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  • 特開-大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062676
(43)【公開日】2023-05-08
(54)【発明の名称】大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関
(51)【国際特許分類】
   F16C 7/02 20060101AFI20230426BHJP
   F02B 37/00 20060101ALI20230426BHJP
   F02B 25/04 20060101ALI20230426BHJP
   F01M 1/06 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
F16C7/02
F02B37/00 301Z
F02B25/04
F01M1/06 B
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022159180
(22)【出願日】2022-10-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-25
(31)【優先権主張番号】PA202100975
(32)【優先日】2021-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(71)【出願人】
【識別番号】597061332
【氏名又は名称】エムエーエヌ・エナジー・ソリューションズ・フィリアル・アフ・エムエーエヌ・エナジー・ソリューションズ・エスイー・ティスクランド
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】ニルソン パー ヘンリク
【テーマコード(参考)】
3G005
3G313
3J033
【Fターム(参考)】
3G005DA02
3G005DA04
3G005EA04
3G005EA16
3G005FA31
3G005GB39
3G313AA12
3G313BC02
3J033AA04
3J033DA02
3J033DA05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】剛性調整孔の位置と連接棒内部の潤滑液路が干渉しない連接棒を提供する。
【解決手段】大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関が開示される。この機関は潤滑流体供給部及び連接棒(3)を備える。連接棒は、クロスヘッドに接続される第1軸受(5)を有する第1端部(4)、クランクピンに接続される第2軸受(8)を有する第2端部(7)、第1端部と第2端部との間のロッド部分(10)を備える。この連接棒は板状である。連接棒は更に、第1軸受から第2軸受に潤滑流体を供給する潤滑流体路(11)と、剛性調整孔(12)とを備える。潤滑流体路は連接棒の軸心線(L)に対して中心がずれるようにされており、剛性調整孔と干渉しない。このため、潤滑流体路とは無関係に剛性調整孔の位置や形状を選択することが可能となり、連接棒の応力、油膜圧力分布、油膜厚、軸受の応力を十分に最適化することが可能となり得る。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関であって、
潤滑流体を供給する潤滑流体供給部と;
クロスヘッドに接続されるように構成される第1の軸受を有する第1の端部と、クランクピンに接続されるように構成される第2の軸受を有する第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間のロッド部分とを有する少なくとも1つの連接棒と;
を備え、
前記連接棒は、軸心線を有する軸方向エクステンションを有し;
前記連接棒は、前記第1の軸受から前記第2の軸受に潤滑流体を供給するように構成される潤滑流体路と、前記連接棒に設けられる少なくとも1つの剛性調整孔とをさらに有し;
前記連接棒は板状であり、前記潤滑流体路は前記軸心線に対して中心がずれるようにされており、前記剛性調整孔と干渉しないことを特徴とする、機関。
【請求項2】
請求項1に記載の大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関であって、
前記潤滑流体路は、前記連接棒の前記軸心線に対して傾斜した方向に沿って前記第1の軸受から前記第2の軸受へと延びる、機関。
【請求項3】
請求項1に記載の大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関であって、
前記潤滑流体路は、前記連接棒の前記軸心線に対して平行的に、前記第1の軸受から前記第2の軸受へと延びる、機関。
【請求項4】
請求項1に記載の大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関であって、
前記潤滑流体路は、第1の部分に亘って、前記連接棒の前記軸心線に対して第1の角度で傾いている第1の方向を走行し、第2の部分に亘って、前記連接棒の前記軸心線に対して第2の角度で傾いている第2の方向を走行することにより、前記第1の軸受から前記第2の軸受へと達する、機関。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関であって、
前記剛性調整孔は、円形、楕円形、多角形のいずれかであるか、バレル形、すなわち底部は長方形で側壁は外側に湾曲した形状である、機関。
【請求項6】
請求項1から4のいずれかに記載の大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関であって、
前記剛性調整孔の幅と前記クランクピンの直径の比は、1/10-3/10の範囲、好ましくは約2/10である、機関。
【請求項7】
請求項1から4のいずれかに記載の大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関であって、
前記剛性調整孔の距離と前記クランクピンの直径の比は、1/10-4/10の範囲であり、好ましくは3/20-3/10の範囲であり、より好ましくは2/10程度である、機関。
【請求項8】
請求項1から4のいずれかに記載の大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関であって、
前記少なくとも1つの剛性調整孔は、前記連結棒の前記軸心線に対して対称に設けられる、機関。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大型2ストロークユニフロー掃気ターボ付クロスヘッド内燃機関に関する。この機関は、
潤滑流体を供給する潤滑流体供給部と;
クロスヘッドに接続されるように構成される第1の軸受を有する第1の端部と、クランクピンに接続されるように構成される第2の軸受を有する第2の端部と、前記第1の軸受と前記第2の軸受との間のロッド部分とを有する少なくとも1つの連接棒と;
を備え、
前記連接棒は、軸心線を有する軸方向エクステンションを有し;
前記連接棒は、前記第1の軸受から前記第2の軸受に潤滑流体を供給するように構成される流体路と、前記連接棒に設けられる少なくとも1つの剛性調整孔とをさらに有する。
【背景】
【0002】
船舶用大型2ストロークディーゼル機関のような内燃機関では、機関のコストを削減し、より多くのコンテナを積むため等の目的で船内のスペースを確保するために、機関の重量と体積を最小限に抑える試みが重要性を増しており、これは常に開発が行われている領域である。特に、連接棒軸受のような大型部品をできるだけ小さくしながら、軸受に潤滑流体を供給し、同じ荷重を伝達することができ、連接棒や軸受、そして機関の寿命を短くしないことが重視されている。
【0003】
油膜圧分布、油膜厚さ、及び軸受と連接棒の応力を最適化するために、連接棒の1つ以上の剛性調整孔を使用して、軸受周りの剛性を調整できることは、よく知られている。また、DK178617により既知となっているが、クロスヘッドに設けられた第1の軸受から、剛性調整孔を通って、クランクピン軸受に設けられた第2の軸受に潤滑流体を導くことも可能である。しかし、連接棒の潤滑流体経路に干渉してしまう。DK178617には更に、潤滑流体流路の周囲に複数の剛性調整孔を使用
【0004】
する方法、または、大きな剛性調整孔を伸縮連結ピースと共に使用し、その孔を通って潤滑流体を導く方法が記載されている。伸縮連結ピース付きの大きな剛性調整孔の場合、孔の内部に応力フリーのプラトーが使用され、ダブルノッチ応力の問題やボルト用ネジ山の応力の問題を解決できることもDK178617から知られている。大型2ストロークディーゼル機関のクランクピン軸受とクロスヘッド軸受の寸法を決める際には、最大油膜圧、軸受コーティング材、軸受クリアランス、油膜厚、軸受の応力と歪みが主な判断材料とされている。
【0005】
DK178617から知られている既存の技術的ソリューションは、1つ又は複数の剛性調整孔の位置が連接棒内部の潤滑流体チャネルと干渉しないようにしなければならないか、または連結ピース解決策を使用しなければならないため、最適とは言えない。連接棒内部の潤滑流体流路は、クランクピン軸受に潤滑油を供給するために必要である。潤滑流体通路と干渉しないように剛性調整孔の位置や設計を決めると、連接棒の応力、油膜圧力分布、油膜厚、軸受の応力を十分かつ自由に最適化できないため不利になる。DK178617で提案されているように、潤滑流体流路の周囲に複数の小さな剛性調整孔を設けると良い効果が得られる。しかし、最大の効果を得るには、中央部に大きな剛性調整孔を1つの配置した方がよい。しかしながら、この中央部は、潤滑液流路の最適な位置と干渉してしまう。代替案として、連接棒内部の潤滑流体流路を完全に除去し、完全に外部にあるパイプシステムを使用してクランクピン軸受を潤滑するというものがあるが、複雑であるため望ましくない。さらに、クランク軸からの潤滑流体供給は、その複雑さとクランク軸の応力のためにも好ましくない。また、既存の連接棒の設計では、剛性調整孔と干渉しないように潤滑流体流路の位置を変更するには、連接棒に高い応力がかかるか、連接棒が大きすぎて重いという問題が発生する。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、クロスヘッド軸受からクランクピン軸受へと延伸する潤滑液路を有する連接棒を備える、冒頭に述べた種類の内燃機関であって、1つ又は複数の剛性調整孔の位置と連接棒内部の潤滑液路との干渉に関する上述の課題が少なくとも著しく低減された内燃機関を提供することである。
【0007】
上述の課題やその他の課題が、独立請求項に記載の特徴により解決される。より具体的な実装形態は、従属請求項や発明の詳細な説明、図面から明らかになるだろう。
【0008】
第1の捉え方によれば、次のような、大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関が提供される。この機関は、
潤滑流体を供給する潤滑流体供給部と;
クロスヘッドに接続されるように構成される第1の軸受を有する第1の端部と、クランクピンに接続されるように構成される第2の軸受を有する第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間のロッド部分とを有する少なくとも1つの連接棒と;
を備え、
前記連接棒は、軸心線を有する軸方向エクステンションを有し;
前記連接棒は、前記第1の軸受から前記第2の軸受に潤滑流体を供給するように構成される潤滑流体路と、前記連接棒に設けられる少なくとも1つの剛性調整孔とをさらに有し;
前記連接棒は板状であり、前記潤滑流体路は前記軸心線に対して中心がずれるようにされており、前記剛性調整孔と干渉しないことを特徴とする。
【0009】
この文脈において、「板状」という表現は、連接棒のロッド部分が、長手方向よりも機関横断方向(engine transverse direction)に著しく広いことを意味している。従って、前記ロッド部は、機関横断方向において、長手方向よりも少なくとも1.5倍広くなっている。
【0010】
このため、潤滑流体路とは無関係に剛性調整孔の位置や形状を選択することが可能となり、連接棒の応力、油膜圧力分布、油膜厚、軸受の応力を十分に最適化することが可能となり得る。
【0011】
既存技術と比較した本発明の利点は、軸受性能や軸受寿命、連接棒安全係数を悪化させることなく、軸受シェル背面の滑り特性を変更することもなく、クランクピン軸受のための高価で複雑な潤滑ソリューションも要せずに、クランクピンおよびクロスヘッド軸受の寸法を縮小できることである。軸受寿命の延長、軸受の出力損失の低減、機関効率の向上が即座に得られる。従って、幅と直径の点で軸受の寸法を縮小し、機関の全高、全長、全幅を縮小することができる。これは、既存の技術的ソリューションと比較して、機関の総質量及び製造コストを削減することになる。また本発明は、機関の運動学的アンバランスと振動に好影響を与え得る。更に、板状の連接棒は、クランク軸スロー間の距離を短くすることができるため、クランク軸及び機関全体に好影響を与える。
【0012】
前記潤滑流体路は、前記連接棒の前記軸心線に対して傾斜した方向に沿って前記第1の軸受から前記第2の軸受まで延びていてもよい。このようにすれば、連接棒内部の潤滑流体路が、連接棒の軸心線に対して対称に配置される剛性調整孔に干渉することがなく、剛性調整孔の形状を最適化することができる。
【0013】
更に、実施形態によっては、前記連接棒は、前記第1の軸受と前記第2の軸受のうち小さい方の直径の少なくとも1/2の幅を有するようにされ、好ましくは、前記第1の軸受と前記第2の軸受のうち小さい方の直径と少なくとも同じである幅を有するようにされる。このような実施形態では、前記潤滑流体路が、連接棒の前記軸心線に対して平行的に、前記第1の軸受から前記第2の軸受まで延びるようにすることが可能であろう。このようにすれば、連接棒内部の潤滑流体路が、連接棒の軸心線に対して対称に配置される剛性調整孔に干渉することがなく、剛性調整孔の形状を最適化することができる。
【0014】
本発明の更なる実施形態では、前記潤滑流体路は、第1の部分に亘って、前記連接棒の前記軸心線に対して第1の角度で傾いている第1の方向を走行し、第2の部分に亘って、前記連接棒の前記軸心線に対して第2の角度で傾いている第2の方向を走行することにより、前記第1の軸受から前記第2の軸受へと達してもよい。
【0015】
前記剛性調整孔は、連接棒の応力、油膜の圧力分布、油膜の厚み、軸受の応力を最適にする形状であればよく、円形、楕円形、多角形などであってもよい。しかし、バレル形であること、すなわち、底部は長方形で側壁は外側に湾曲した形状であることが好ましい。
【0016】
最適な軸受性能と剛性調整孔周辺の張力を得るために、剛性調整孔の幅とクランクピンの直径の比は、1/10-3/10の範囲、好ましくは約2/10であることが好ましい。
【0017】
最適な軸受性能と剛性調整孔周辺の張力を得るために、剛性調整孔の距離とクランクピンの直径の比は、1/10-4/10の範囲であることが好ましく、3/20-3/10であることがより好ましく、2/10程度であることが最も好ましい。
【0018】
機関を運転するとき、負荷は連接棒に均一に分散されず、その分布はクランクピンの回転方向によって影響を受ける。従って、正反両方の回転方向に駆動される可能性のある機関では、少なくとも1つの剛性調整孔が、連接棒の軸心線に関して対称に配置されていることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
以下、図面に示される例示的な実施形態を参照しつつ、本願発明をより詳細に説明する。
図1】大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関の部分断面図を示す。
図2】本発明による連接棒を示す。傾斜した潤滑流体路を有する。
図3】本発明による別の連接棒を示す。平行な潤滑流体路を有する。
【詳細説明】
【0020】
以下の詳細説明において、本発明を、大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関を参照しつつ説明する。ただし実施形態によっては、内燃機関は別のタイプの機関で有り得ることに注意されたい。
【0021】
図1は、潤滑流体の潤滑供給装置2と連接棒3とを備える大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関1を示している。連接棒3は、クロスヘッド6に連結されるように構成される第1の軸受5を有する第1の端部4と、クランクピン9に連結されるように構成される第2の軸受8を有する第2の端部7とを備える。連接棒3は、第1の端部4と第2の端部7との間にロッド部分10を更に備えている。連接棒3は、ロッド部分10に剛性調整孔12を有する。剛性調整孔12は、ロッド部分10において軸受8に近い位置に設けられる。剛性調整孔12は、連接棒3の両端間の長手方向の剛性を変更するように構成される。
【0022】
剛性調整孔12を有することにより、連接棒3は硬さ又は剛性が低く、連接棒3によってクランクピン9に加えられる力は、剛性調整孔を有しない古い型の連接棒に比べて、第2の軸受8の大きな接触面に亘って分配される。そして連接棒3をかなり薄くすることができ、第1の軸受5及び第2の軸受8も、軸受性能を低下させることなく小さくすることができる。連接棒3の厚さを薄くすることにより、クランク軸35も短くすることができ、機関の全長及び体積を大幅に削減することができる。
【0023】
図2に見られるように、連接棒3は軸方向エクステンション、すなわち軸方向に延びる部分を有し、軸心線Lを有する。連接棒3は、第1の軸受5と第2の軸受8の間の中間部にロッド部10を有する。連接棒3は更に、連接棒3の内部において、第1の軸受5から第2の軸受8へと延びる潤滑流体路11を備える。潤滑流体路11は、第1の軸受5から第2の軸受8へ潤滑流体を供給するように構成される。潤滑流体は、第1の軸受5に潤滑流体を供給するクロスヘッド6を介して供給される。潤滑流体は潤滑流体路11内を流れ、第2の軸受8に潤滑流体を供給する。剛性調整孔12は、軸心線Lに対して垂直方向尾の貫通孔である。
【0024】
本発明によれば、連接棒3は板状であり、潤滑液路11は軸心線Lに対して中心を合わせないように設けられる。このため、剛性調整孔12の位置や形状を潤滑液路11と独立して選択でき、連接棒3の応力、油膜圧分布、油膜厚、軸受の応力等を十分に最適化することが可能となる。
【0025】
図2に示す実施形態では、潤滑流体路11は、第1軸受5から第2軸受8に向かって、連接棒3の軸心線Lに対して傾斜した方向及び交差する方向に沿って延在している。このようにすると、連接棒内部の潤滑流体路11は、連接棒の軸心線Lに対して対称に配置される剛性調整孔12と干渉したり交差 したりすることがない。これにより、剛性調整孔12の形状を最適化することができる。
【0026】
図3に示す実施形態では、連接棒3は、2つの軸受のうち小さい方の第1の軸受5の直径と基本的に同じ幅で作られる。連接棒3の幅をある程度大きくすることで、潤滑流体路11が、連接棒3の軸心線Lに対して本質的に平行である方向に従って第1の軸受5から第2の軸受8まで走るようにすることが可能になる。また、この実施形態によれば、連接棒3内部の潤滑流体路11が、連接棒3の軸心線Lに対して対称に配置される剛性調整孔12に干渉又は交差することがなく、この実施形態の剛性調整孔12の形状を最適化することができる。
【0027】
図1図3において、剛性変更孔12は、上記で定義したように、その好ましい形状で示されている。更に、図3に示す実施形態では、連接棒3は、第1の端部4に近い反対側の端部に追加の剛性変更孔12bを備えることもできる。また、図示しないが、連接棒3は、好ましくは軸心線Lに関して均等に分布する1つ以上の追加の剛性修正孔12又は12bを両端に備えてもよい。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-01-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大型2ストロークユニフロー掃気ターボ付クロスヘッド内燃機関に関する。この機関は、
潤滑流体を供給する潤滑流体供給部と;
クロスヘッドに接続されるように構成される第1の軸受を有する第1の端部と、クランクピンに接続されるように構成される第2の軸受を有する第2の端部と、前記第1の軸受と前記第2の軸受との間のロッド部分とを有する少なくとも1つの連接棒と;
を備え、
前記連接棒は、軸心線を有する軸方向エクステンションを有し;
前記連接棒は、前記第1の軸受から前記第2の軸受に潤滑流体を供給するように構成される流体路と、前記連接棒に設けられる少なくとも1つの剛性調整孔とをさらに有する。
【背景】
【0002】
船舶用大型2ストロークディーゼル機関のような内燃機関では、機関のコストを削減し、より多くのコンテナを積むため等の目的で船内のスペースを確保するために、機関の重量と体積を最小限に抑える試みが重要性を増しており、これは常に開発が行われている領域である。特に、連接棒軸受のような大型部品をできるだけ小さくしながら、軸受に潤滑流体を供給し、同じ荷重を伝達することができ、連接棒や軸受、そして機関の寿命を短くしないことが重視されている。
【0003】
油膜圧分布、油膜厚さ、及び軸受と連接棒の応力を最適化するために、連接棒の1つ以上の剛性調整孔を使用して、軸受周りの剛性を調整できることは、よく知られている。また、DK178617により既知となっているが、クロスヘッドに設けられた第1の軸受から、剛性調整孔を通って、クランクピン軸受に設けられた第2の軸受に潤滑流体を導くことも可能である。しかし、連接棒の潤滑流体経路に干渉してしまう
【0004】
DK178617には更に、潤滑流体流路の周囲に複数の剛性調整孔を使用する方法、または、大きな剛性調整孔を伸縮連結ピースと共に使用し、その孔を通って潤滑流体を導く方法が記載されている。伸縮連結ピース付きの大きな剛性調整孔の場合、孔の内部に応力フリーのプラトーが使用され、ダブルノッチ応力の問題やボルト用ネジ山の応力の問題を解決できることもDK178617から知られている。大型2ストロークディーゼル機関のクランクピン軸受とクロスヘッド軸受の寸法を決める際には、最大油膜圧、軸受コーティング材、軸受クリアランス、油膜厚、軸受の応力と歪みが主な判断材料とされている。
【0005】
DK178617から知られている既存の技術的ソリューションは、1つ又は複数の剛性調整孔の位置が連接棒内部の潤滑流体チャネルと干渉しないようにしなければならないか、または連結ピース解決策を使用しなければならないため、最適とは言えない。連接棒内部の潤滑流体流路は、クランクピン軸受に潤滑油を供給するために必要である。潤滑流体通路と干渉しないように剛性調整孔の位置や設計を決めると、連接棒の応力、油膜圧力分布、油膜厚、軸受の応力を十分かつ自由に最適化できないため不利になる。DK178617で提案されているように、潤滑流体流路の周囲に複数の小さな剛性調整孔を設けると良い効果が得られる。しかし、最大の効果を得るには、中央部に大きな剛性調整孔を1つの配置した方がよい。しかしながら、この中央部は、潤滑液流路の最適な位置と干渉してしまう。代替案として、連接棒内部の潤滑流体流路を完全に除去し、完全に外部にあるパイプシステムを使用してクランクピン軸受を潤滑するというものがあるが、複雑であるため望ましくない。さらに、クランク軸からの潤滑流体供給は、その複雑さとクランク軸の応力のためにも好ましくない。また、既存の連接棒の設計では、剛性調整孔と干渉しないように潤滑流体流路の位置を変更するには、連接棒に高い応力がかかるか、連接棒が大きすぎて重いという問題が発生する。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、クロスヘッド軸受からクランクピン軸受へと延伸する潤滑液路を有する連接棒を備える、冒頭に述べた種類の内燃機関であって、1つ又は複数の剛性調整孔の位置と連接棒内部の潤滑液路との干渉に関する上述の課題が少なくとも著しく低減された内燃機関を提供することである。
【0007】
上述の課題やその他の課題が、独立請求項に記載の特徴により解決される。より具体的な実装形態は、従属請求項や発明の詳細な説明、図面から明らかになるだろう。
【0008】
第1の捉え方によれば、次のような、大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関が提供される。この機関は、
潤滑流体を供給する潤滑流体供給部と;
クロスヘッドに接続されるように構成される第1の軸受を有する第1の端部と、クランクピンに接続されるように構成される第2の軸受を有する第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間のロッド部分とを有する少なくとも1つの連接棒と;
を備え、
前記連接棒は、軸心線を有する軸方向エクステンションを有し;
前記連接棒は、前記第1の軸受から前記第2の軸受に潤滑流体を供給するように構成される潤滑流体路と、前記連接棒に設けられる少なくとも1つの剛性調整孔とをさらに有し;
前記連接棒は板状であり、前記潤滑流体路は前記軸心線に対して中心がずれるようにされており、前記剛性調整孔と干渉しないことを特徴とする。
【0009】
この文脈において、「板状」という表現は、連接棒のロッド部分が、長手方向よりも機関横断方向(engine transverse direction)に著しく広いことを意味している。従って、前記ロッド部は、機関横断方向において、長手方向よりも少なくとも1.5倍広くなっている。
【0010】
このため、潤滑流体路とは無関係に剛性調整孔の位置や形状を選択することが可能となり、連接棒の応力、油膜圧力分布、油膜厚、軸受の応力を十分に最適化することが可能となり得る。
【0011】
既存技術と比較した本発明の利点は、軸受性能や軸受寿命、連接棒安全係数を悪化させることなく、軸受シェル背面の滑り特性を変更することもなく、クランクピン軸受のための高価で複雑な潤滑ソリューションも要せずに、クランクピンおよびクロスヘッド軸受の寸法を縮小できることである。軸受寿命の延長、軸受の出力損失の低減、機関効率の向上が即座に得られる。従って、幅と直径の点で軸受の寸法を縮小し、機関の全高、全長、全幅を縮小することができる。これは、既存の技術的ソリューションと比較して、機関の総質量及び製造コストを削減することになる。また本発明は、機関の運動学的アンバランスと振動に好影響を与え得る。更に、板状の連接棒は、クランク軸スロー間の距離を短くすることができるため、クランク軸及び機関全体に好影響を与える。
【0012】
前記潤滑流体路は、前記連接棒の前記軸心線に対して傾斜した方向に沿って前記第1の軸受から前記第2の軸受まで延びていてもよい。このようにすれば、連接棒内部の潤滑流体路が、連接棒の軸心線に対して対称に配置される剛性調整孔に干渉することがなく、剛性調整孔の形状を最適化することができる。
【0013】
更に、実施形態によっては、前記連接棒は、前記第1の軸受と前記第2の軸受のうち小さい方の直径の少なくとも1/2の幅を有するようにされ、好ましくは、前記第1の軸受と前記第2の軸受のうち小さい方の直径と少なくとも同じである幅を有するようにされる。このような実施形態では、前記潤滑流体路が、連接棒の前記軸心線に対して平行的に、前記第1の軸受から前記第2の軸受まで延びるようにすることが可能であろう。このようにすれば、連接棒内部の潤滑流体路が、連接棒の軸心線に対して対称に配置される剛性調整孔に干渉することがなく、剛性調整孔の形状を最適化することができる。
【0014】
本発明の更なる実施形態では、前記潤滑流体路は、第1の部分に亘って、前記連接棒の前記軸心線に対して第1の角度で傾いている第1の方向を走行し、第2の部分に亘って、前記連接棒の前記軸心線に対して第2の角度で傾いている第2の方向を走行することにより、前記第1の軸受から前記第2の軸受へと達してもよい。
【0015】
前記剛性調整孔は、連接棒の応力、油膜の圧力分布、油膜の厚み、軸受の応力を最適にする形状であればよく、円形、楕円形、多角形などであってもよい。しかし、バレル形であること、すなわち、底部は長方形で側壁は外側に湾曲した形状であることが好ましい。
【0016】
最適な軸受性能と剛性調整孔周辺の張力を得るために、剛性調整孔の幅とクランクピンの直径の比は、1/10-3/10の範囲、好ましくは約2/10であることが好ましい。
【0017】
最適な軸受性能と剛性調整孔周辺の張力を得るために、剛性調整孔の距離とクランクピンの直径の比は、1/10-4/10の範囲であることが好ましく、3/20-3/10であることがより好ましく、2/10程度であることが最も好ましい。
【0018】
機関を運転するとき、負荷は連接棒に均一に分散されず、その分布はクランクピンの回転方向によって影響を受ける。従って、正反両方の回転方向に駆動される可能性のある機関では、少なくとも1つの剛性調整孔が、連接棒の軸心線に関して対称に配置されていることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
以下、図面に示される例示的な実施形態を参照しつつ、本願発明をより詳細に説明する。
図1】大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関の部分断面図を示す。
図2】本発明による連接棒を示す。傾斜した潤滑流体路を有する。
図3】本発明による別の連接棒を示す。平行な潤滑流体路を有する。
【詳細説明】
【0020】
以下の詳細説明において、本発明を、大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関を参照しつつ説明する。ただし実施形態によっては、内燃機関は別のタイプの機関で有り得ることに注意されたい。
【0021】
図1は、潤滑流体の潤滑供給装置2と連接棒3とを備える大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関1を示している。連接棒3は、クロスヘッド6に連結されるように構成される第1の軸受5を有する第1の端部4と、クランクピン9に連結されるように構成される第2の軸受8を有する第2の端部7とを備える。連接棒3は、第1の端部4と第2の端部7との間にロッド部分10を更に備えている。連接棒3は、ロッド部分10に剛性調整孔12を有する。剛性調整孔12は、ロッド部分10において軸受8に近い位置に設けられる。剛性調整孔12は、連接棒3の両端間の長手方向の剛性を変更するように構成される。
【0022】
剛性調整孔12を有することにより、連接棒3は硬さ又は剛性が低く、連接棒3によってクランクピン9に加えられる力は、剛性調整孔を有しない古い型の連接棒に比べて、第2の軸受8の大きな接触面に亘って分配される。そして連接棒3をかなり薄くすることができ、第1の軸受5及び第2の軸受8も、軸受性能を低下させることなく小さくすることができる。連接棒3の厚さを薄くすることにより、クランク軸35も短くすることができ、機関の全長及び体積を大幅に削減することができる。
【0023】
図2に見られるように、連接棒3は軸方向エクステンション、すなわち軸方向に延びる部分を有し、軸心線Lを有する。連接棒3は、第1の軸受5と第2の軸受8の間の中間部にロッド部10を有する。連接棒3は更に、連接棒3の内部において、第1の軸受5から第2の軸受8へと延びる潤滑流体路11を備える。潤滑流体路11は、第1の軸受5から第2の軸受8へ潤滑流体を供給するように構成される。潤滑流体は、第1の軸受5に潤滑流体を供給するクロスヘッド6を介して供給される。潤滑流体は潤滑流体路11内を流れ、第2の軸受8に潤滑流体を供給する。剛性調整孔12は、軸心線Lに対して垂直方向尾の貫通孔である。
【0024】
本発明によれば、連接棒3は板状であり、潤滑液路11は軸心線Lに対して中心を合わせないように設けられる。このため、剛性調整孔12の位置や形状を潤滑液路11と独立して選択でき、連接棒3の応力、油膜圧分布、油膜厚、軸受の応力等を十分に最適化することが可能となる。
【0025】
図2に示す実施形態では、潤滑流体路11は、第1軸受5から第2軸受8に向かって、連接棒3の軸心線Lに対して傾斜した方向及び交差する方向に沿って延在している。このようにすると、連接棒内部の潤滑流体路11は、連接棒の軸心線Lに対して対称に配置される剛性調整孔12と干渉したり交差したりすることがない。これにより、剛性調整孔12の形状を最適化することができる。
【0026】
図3に示す実施形態では、連接棒3は、2つの軸受のうち小さい方の第1の軸受5の直径と基本的に同じ幅で作られる。連接棒3の幅をある程度大きくすることで、潤滑流体路11が、連接棒3の軸心線Lに対して本質的に平行である方向に従って第1の軸受5から第2の軸受8まで走るようにすることが可能になる。また、この実施形態によれば、連接棒3内部の潤滑流体路11が、連接棒3の軸心線Lに対して対称に配置される剛性調整孔12に干渉又は交差することがなく、この実施形態の剛性調整孔12の形状を最適化することができる。
【0027】
図1図3において、剛性変更孔12は、上記で定義したように、その好ましい形状で示されている。更に、図3に示す実施形態では、連接棒3は、第1の端部4に近い反対側の端部に追加の剛性変更孔12bを備えることもできる。また、図示しないが、連接棒3は、好ましくは軸心線Lに関して均等に分布する1つ以上の追加の剛性修正孔12又は12bを両端に備えてもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関であって、
潤滑流体を供給する潤滑流体供給部と;
クロスヘッドに接続されるように構成される第1の軸受を有する第1の端部と、クランクピンに接続されるように構成される第2の軸受を有する第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間のロッド部分とを有する少なくとも1つの連接棒と;
を備え、
前記連接棒は、軸心線を有する軸方向エクステンションを有し;
前記連接棒は、前記第1の軸受から前記第2の軸受に潤滑流体を供給するように構成される潤滑流体路と、前記連接棒に設けられる少なくとも1つの剛性調整孔とをさらに有し;
前記連接棒は板状であり、前記潤滑流体路は、その中心線が前記軸心線に対して幅方向で一致しないようにされており、前記剛性調整孔と干渉しないことを特徴とする、機関。
【請求項2】
請求項1に記載の大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関であって、
前記潤滑流体路は、前記連接棒の前記軸心線に対して傾斜した方向に沿って前記第1の軸受から前記第2の軸受へと延びる、機関。
【請求項3】
請求項1に記載の大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関であって、
前記潤滑流体路は、前記連接棒の前記軸心線に対して平行的に、前記第1の軸受から前記第2の軸受へと延びる、機関。
【請求項4】
請求項1に記載の大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関であって、
前記潤滑流体路は、第1の部分に亘って、前記連接棒の前記軸心線に対して第1の角度で傾いている第1の方向を走行し、第2の部分に亘って、前記連接棒の前記軸心線に対して第2の角度で傾いている第2の方向を走行することにより、前記第1の軸受から前記第2の軸受へと達する、機関。
【請求項5】
請求項1に記載の大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関であって、
前記少なくとも1つの剛性調整孔のうちの少なくとも1つは前記連接棒の前記軸心線上に設けられる、機関。
【請求項6】
請求項に記載の大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関であって、
前記剛性調整孔を少なくとも2つ備え、該2つの剛性調整孔は前記連接棒の前記軸心線に対して対称的に配される、機関。
【請求項7】
請求項1からのいずれかに記載の大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関であって、
前記剛性調整孔は、円形、楕円形、多角形のいずれかであるか、バレル形、すなわち底部は長方形で側壁は外側に湾曲した形状である、機関。
【請求項8】
請求項1からのいずれかに記載の大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関であって、
前記剛性調整孔の幅と前記クランクピンの直径の比は、1/10-3/10の範囲、好ましくは約2/10である、機関。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関であって、
潤滑流体を供給する潤滑流体供給部と;
クロスヘッドに接続されるように構成される第1の軸受を有する第1の端部と、クランクピンに接続されるように構成される第2の軸受を有する第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間のロッド部分とを有する少なくとも1つの連接棒と;
を備え、
前記連接棒は、軸心線を有する軸方向エクステンションを有し;
前記連接棒は、前記第1の軸受から前記第2の軸受に潤滑流体を供給するように構成される潤滑流体路と、前記連接棒に設けられる少なくとも1つの剛性調整孔とをさらに有し;
前記連接棒は板状であり、前記潤滑流体路は、その中心線が前記軸心線に対して幅方向で一致しないようにされており、前記剛性調整孔と干渉しないことを特徴とする、機関。
【請求項2】
請求項1に記載の大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関であって、
前記潤滑流体路は、前記連接棒の前記軸心線に対して傾斜した方向に沿って前記第1の軸受から前記第2の軸受へと延びる、機関。
【請求項3】
請求項1に記載の大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関であって、
前記潤滑流体路は、前記連接棒の前記軸心線に対して平行的に、前記第1の軸受から前記第2の軸受へと延びる、機関。
【請求項4】
請求項1に記載の大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関であって、
前記潤滑流体路は、第1の部分に亘って、前記連接棒の前記軸心線に対して第1の角度で傾いている第1の方向を走行し、第2の部分に亘って、前記連接棒の前記軸心線に対して第2の角度で傾いている第2の方向を走行することにより、前記第1の軸受から前記第2の軸受へと達する、機関。
【請求項5】
請求項1に記載の大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関であって、
前記少なくとも1つの剛性調整孔のうちの少なくとも1つは前記連接棒の前記軸心線上に設けられる、機関。
【請求項6】
請求項1に記載の大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関であって、
前記剛性調整孔を少なくとも2つ備え、該2つの剛性調整孔は前記連接棒の前記軸心線に対して対称的に配される、機関。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関であって、
前記剛性調整孔は、円形、楕円形、多角形のいずれかであるか、バレル形、すなわち底部は長方形で側壁は外側に湾曲した形状である、機関。
【請求項8】
請求項1からのいずれかに記載の大型2ストロークユニフロー掃気ターボ過給式クロスヘッド内燃機関であって、
前記剛性調整孔の幅と前記クランクピンの直径の比は、1/10-3/10の範囲、好ましくは約2/10である、機関。
【外国語明細書】