(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062685
(43)【公開日】2023-05-08
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
F21K 9/275 20160101AFI20230426BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20230426BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230426BHJP
【FI】
F21K9/275
F21V19/00 450
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167541
(22)【出願日】2022-10-19
(31)【優先権主張番号】202122535925.4
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘ リ
【テーマコード(参考)】
3K013
【Fターム(参考)】
3K013BA01
3K013CA05
(57)【要約】
【課題】ケースの外壁の肉厚を薄くし、軽量化が可能な発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置は、外側に向かって開放された開口部211が設けられた外壁21を含むケース2と、光源モジュールボード6と、開口部211に対応する環状構造を有する溝リング5と、を含み、溝リング5及び光源モジュールボード6は、開口部211に位置し、かつ外壁21の内側に位置し、外壁21及び溝リング5のいずれも、光源モジュールボード6よりも外側に突出する部分を含み、外壁21、溝リング5及び光源モジュールボード6によって凹溝を囲んで形成し、外壁21及び溝リング5は、凹溝の両側壁を形成し、光源モジュールボード6は、凹溝の底部を形成する
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側に向かって開放された開口部が設けられた外壁を含むケースと、
光源モジュールボードと、
前記開口部に対応する環状構造を有する溝リングと、を含み、
前記溝リング及び前記光源モジュールボードは、前記開口部に位置し、かつ前記外壁の内側に位置し、
前記外壁及び前記溝リングのいずれも、前記光源モジュールボードよりも前記外側に突出する部分を含み、
前記外壁、前記溝リング及び前記光源モジュールボードによって凹溝を囲んで形成し、
前記外壁及び前記溝リングは、前記凹溝の両側壁を形成し、
前記光源モジュールボードは、前記凹溝の底部を形成することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記ケースは、中心軸を有する筒状体であり、前記ケースは、前記中心軸に沿った軸方向と、前記軸方向に垂直な径方向とを有し、
前記光源モジュールボード及び前記溝リングの両方は、前記ケースと同軸であり、前記ケースに対して固定され、
前記軸方向における前記光源モジュールボードの投影の最大寸法は、前記軸方向における前記溝リングの投影を覆うことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記溝リングは、前記ケースと一体に形成され、前記溝リングの軸方向における一方側の縁部には、複数の歯部が形成され、
前記光源モジュールボードには、貫通孔が開設され、前記歯部は、前記貫通孔に挿入されて貫通し、前記光源モジュールボードは、前記歯部の歯元に当接することを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記溝リングは、前記ケースとは別体に設けられ、前記溝リングは、前記光源モジュールボードに固定的に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
【請求項5】
前記光源モジュールボードには、取付孔が形成され、前記溝リングには、前記取付孔に対応する係合部が形成され、
前記係合部が前記取付孔に挿入されることにより、前記溝リングは、前記光源モジュールボードに係合することを特徴とする請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記光源モジュールボードは、前記外壁の径方向内側面に当接することを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記外壁は、前記光源モジュールボードに対して前記軸方向における一方側に突出する第1の部分を含み、
前記溝リングは、前記光源モジュールボードに対して前記軸方向における一方側に突出する第2の部分を含み、
前記第1の部分は、前記軸方向における一方側に延びるとともに、前記径方向の外側に延び、前記第2の部分は、前記軸方向に沿って延びることを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項8】
前記外壁は、前記光源モジュールボードに対して前記軸方向における一方側に突出する第1の部分を含み、
前記溝リングは、前記光源モジュールボードに対して前記軸方向における一方側に突出する第2の部分を含み、
前記第1の部分の前記軸方向の長さは、前記第2の部分の前記軸方向の長さ以上であることを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項9】
前記ケース及び/又は前記溝リングは、樹脂製であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明分野に関し、より詳しくは、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光源として発光ダイオード(LED)を用い、主にグローブとケースとを含む発光装置はよく知られている。グローブとケースとを強固に接続するために、通常、ケースにグローブ固定用接着剤槽を設け、接着剤槽内に接着剤を充填することにより、グローブとケースが接着されている。例えば、特許文献1には、ケースの底部には環状凹溝が設けられ、グローブの先端が導電性接着剤を介して環状凹溝内に接着されている簡易型LED電球が開示されている。
【0003】
しかし、グローブ固定用接着剤槽を形成するのに十分な空間をケースに確保するためには、その分ケースの肉厚を厚くする必要がある。肉厚が厚くなると、発光装置が重くなるので、発光装置の軽量化に不利である。また、ケースが収縮しやすい材料で製造されている場合、肉厚が厚い壁部は、材料の収縮特性の影響で、壁面の光沢度が低下してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許出願公開第105276385号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、ケースの外壁の肉厚を薄くし、軽量化が可能な発光装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示は、以下の技術的手段を採用する。
【0007】
本開示は、外側に向かって開放された開口部が設けられた外壁を含むケースと、光源モジュールボードと、開口部に対応する環状構造を有する溝リングと、を含み、溝リング及び光源モジュールボードは、開口部に位置し、かつ外壁の内側に位置し、外壁及び溝リングのいずれも、光源モジュールボードよりも外側に突出する部分を含み、外壁、溝リング及び光源モジュールボードによって凹溝を囲んで形成し、外壁及び溝リングは、凹溝の両側壁を形成し、光源モジュールボードは、凹溝の底部を形成することを特徴とする。
【0008】
選択可能な一実施形態では、ケースは、中心軸を有する筒状体であり、ケースは、中心軸に沿った軸方向と、軸方向に垂直な径方向とを有し、光源モジュールボード及び溝リングの両方は、ケースと同軸であり、ケースに対して固定され、軸方向における光源モジュールボードの投影の最大寸法は、軸方向における溝リングの投影を覆うようにしてもよい。
【0009】
選択可能な一実施形態では、溝リングは、ケースと一体に形成され、溝リングの軸方向における一方側の縁部には、複数の歯部が形成され、光源モジュールボードには、貫通孔が開設され、歯部は、貫通孔に挿入されて貫通し、光源モジュールボードは、歯部の歯元に当接するようにしてもよい。
【0010】
選択可能な一実施形態では、溝リングは、ケースとは別体に設けられ、溝リングは、光源モジュールボードに固定的に取り付けられるようにしてもよい。
【0011】
選択可能な一実施形態では、光源モジュールボードには、取付孔が形成され、溝リングには、取付孔に対応する係合部が形成され、係合部が取付孔に挿入されることにより、溝リングは、光源モジュールボードに係合するようにしてもよい。
【0012】
選択可能な一実施形態では、光源モジュールボードは、外壁の径方向内側面に当接するようにしてもよい。
【0013】
選択可能な一実施形態では、外壁は、光源モジュールボードに対して軸方向における一方側に突出する第1の部分を含み、溝リングは、光源モジュールボードに対して軸方向における一方側に突出する第2の部分を含み、第1の部分は、軸方向における一方側に延びるとともに、径方向の外側に延び、第2の部分は、軸方向に沿って延びるようにしてもよい。
【0014】
選択可能な一実施形態では、外壁は、光源モジュールボードに対して軸方向における一方側に突出する第1の部分を含み、溝リングは、光源モジュールボードに対して軸方向における一方側に突出する第2の部分を含み、第1の部分の軸方向の長さは、第2の部分の軸方向の長さ以上であるようにしてもよい。
【0015】
選択可能な一実施形態では、ケース及び/又は溝リングは、樹脂製であってもよい。
【発明の効果】
【0016】
上記開示によれば、ケース、溝リング及び光源モジュールボードは共同でグローブ固定用接着剤槽を形成するため、ケースの外壁の肉厚を薄くし、発光装置の軽量化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本開示の第1の実施例に係る発光装置の斜視図を示す。
【
図5】本開示の第2の実施例に係る発光装置の分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本開示の例示的な実施例を説明する。これらの具体的な説明は、当業者が本開示をどのように実施するかを教示するためのものにすぎず、本開示のすべての実施可能な形態を網羅するものではなく、本開示の範囲を限定するものでもないと理解されるべきである。
【0019】
本開示では、特別な説明がない限り、「上」、「下」、「頂」、「底」は、図面に示す方向と一致する。これらの方向に関する用語は、本願の発光装置の使用状態を限定するものではなく、本願の発光装置の構造を容易に説明するためのものにすぎない。
【0020】
図1~
図4は、本開示の第1の実施例に係る発光装置を示す。
【0021】
図1は、本開示の第1の実施例に係る発光装置の外部構造を示す。発光装置は、全体として中心軸を有する回転体構造をなし、同軸に配置されたグローブ1、ケース2及び口金3を含む。グローブ1は、ケース2の頂部に取り付けられ、口金3は、ケース2の底部に取り付けられている。
【0022】
図2は、本開示の第1の実施例に係る発光装置の内部構造を示す。ケース2は、外壁21により円筒状に囲まれて形成され、樹脂材料からなる。外壁21の頂部の直径は、その底部の直径よりも大きく、ラッパ状をなしている。外壁21の頂部開口は、第1の開口部211である。
【0023】
内壁22は、外壁21の内側に同軸に設けられ、均一径の円筒状の収容キャビティ221は、内壁22によって囲まれて形成されている。収容キャビティ221の中心軸は、ケース2の中心軸に一致する。内壁22の頂部には、収容キャビティ221と内壁22の外側とを連通する円形の第2の開口部222が形成され、内壁22の底部は、外壁21と一体に形成されている。内壁22の頂部には、内壁22の軸方向に延びる2つの第1の切欠部223が開設され、2つの第1の切欠部223には、係止爪224が設けられている。2つの係止爪224は、内壁22の周方向に均一に配置されている。2つの係止爪224は、その頂部が内壁22の頂部よりも高くなるように、内壁22の軸方向に沿って上方に延びる。内壁22の内壁面には、収容キャビティ221の軸方向に延びる2つのガイド溝225が設けられ、2つのガイド溝225の開口が対向して配置されている。
【0024】
発光装置は、電源ボード4をさらに含む。電源ボード4は、電子部品及びピン41(PIN針)が配置された長方形の回路基板である。ピン41は、電源ボード4に平行な方向に沿って上方へ延び、電源ボード4の外部に延出している。電源ボード4の縁部は、電源ボード4が収容キャビティ221の軸方向に沿って収容キャビティ221に入って内壁22に対して固定されるように、ガイド溝225内に滑り込む。電源ボード4の取り付けが完了すると、電源ボード4は、収容キャビティ221の軸方向に平行であり、電源ボード4の頂部は、内壁22の頂部と略面一であり、ピン41は、収容キャビティ221の外部に延出する。
【0025】
発光装置は、溝リング5をさらに含む。溝リング5は、外壁21と内壁22との間に設けられ、環状構造を有する。溝リング5の中心軸は、ケース2の中心軸に一致し、溝リング5は、外壁21の径方向内側に位置し、溝リング5の底部は、外壁21と一体に形成されている。溝リング5の厚さは、外壁21の厚さと同じである。溝リング5の頂部には、溝リング5の軸方向に延びる3つの第2の切欠部51が開設され、3つの第2の切欠部51は、溝リング5の頂部に第2の切欠部51に対応する歯部が形成されるように、溝リング5の周方向に均一に配置されている。歯部の歯先52の高さは、外壁21の頂部の高さよりも小さく、かつ内壁22の頂部の高さよりも大きく、歯部の歯元53は、内壁22の頂部と略面一である。
【0026】
発光装置は、光源モジュールボード6をさらに含む。光源モジュールボード6は、円形の回路基板であり、その頂面には、7つの発光ダイオード61が配置されている。7つの発光ダイオード61は、光源モジュールボード6の周方向に均一に配置されている。光源モジュールボード6の外径は、光源モジュールボード6が第1の開口部211を介して外壁21の径方向内側に取り付けられるように、第1の開口部211の最大内径よりも小さい。光源モジュールボード6の略中央部には、集積回路ソケット62が設けられている。ピン41は、光源モジュールボード6が電源ボード4と電気的に接続できるように、集積回路ソケット62の内部に挿入可能である。光源モジュールボード6には、光源モジュールボード6を貫通する2つの係止孔63が開設されている。係止爪224は、光源モジュールボード6が内壁22に対して固定されるように、弾性変形して係止孔63に係止可能である。光源モジュールボード6の縁部の近くには、光源モジュールボード6を貫通する3つの貫通孔64が開設され、3つの貫通孔64は、光源モジュールボード6の周方向に均一に配置されている。各貫通孔64は、光源モジュールボード6の周方向に延びる細長い円弧状に形成され、その形状は、溝リング5の頂部の歯部に対応し、溝リング5の頂部が貫通孔64を貫通できるようになっている。
【0027】
図3及び
図4は、本開示の第1の実施例に係る発光装置の組立図及び内部構造を示す断面図である。ケース2の底部に近い側の外壁21の外壁面には、第1のねじ23が設けられている。口金3は円筒状であり、その底部が閉じられ、その頂部には、口金3の内部と口金3の外部とを連通する円形の第3の開口部が設けられている。口金3の側壁の内壁面には、第1のねじ23に対応する第2のねじ31が設けられ、口金3の側壁の外壁面には、第3のねじ32が設けられている。第1のねじ23と第2のねじ31が係合することにより、口金3は、ケース2の底部に固定的に接続されている。
【0028】
光源モジュールボード6は、ケース2の径方向内側に取り付けられ、光源モジュールボード6の中心軸は、ケース2の中心軸に一致する。溝リング5の歯部が光源モジュールボード6の貫通孔64に挿入されることにより、歯部の歯先52は、前記光源モジュールボード6の頂面側に位置し、光源モジュールボード6の底面は、歯部の歯元53に当接する。ケース2の軸方向における光源モジュールボード6の投影の最大寸法は、ケース2の軸方向における溝リング5の投影を覆う。係止爪224は、係止孔63内に挿入され、光源モジュールボード6は、内壁22の頂部に係合する。光源モジュールボード6の縁部は、外壁21の内側面に当接する。ピン41が集積回路ソケット62に挿入されることにより、光源モジュールボード6は、電源ボード4に電気的に接続されている。外壁21は、光源モジュールボード6に対して上側(軸方向における一方側)に突出する第1の部分212を含み、第1の部分212は、上側に延びるとともに径方向外側に延びる。溝リング5は、光源モジュールボード6に対して上側(軸方向における一方側)に突出する第2の部分55を含み、第2の部分55は、軸方向に沿って延びる。外壁21の軸方向における第1の部分212の長さは、外壁21の軸方向における第2の部分55の長さよりも大きい。第1の部分212、第2の部分55及び光源モジュールボード6によって、ケース2の周方向に延びるグローブ固定用接着剤槽7を囲んで形成する。光源モジュールボード6は、グローブ固定用接着剤槽7の底部を形成し、第1の部分212は、グローブ固定用接着剤槽7の外側壁を形成し、第2の部分55は、グローブ固定用接着剤槽7の内側壁を形成するため、グローブ固定用接着剤槽7は、上方に開放された略U字槽に形成されている。グローブ固定用接着剤槽7には、接着剤としてシリカゲルが充填されている。
【0029】
ケース2、溝リング5及び光源モジュールボード6は共同でグローブ固定用接着剤槽7を形成するため、ケース2の外壁21の肉厚を薄くし、発光装置の軽量化を実現することができる。ケース2が収縮しやすい材料で製造されている場合、薄い外壁21は、材料の収縮性による影響を効果的に回避し、ケース2の壁面の光沢度を向上させることができる。
【0030】
溝リング5と外壁21との高度差を調整することにより、上記実施例に説明された構造以外に、溝リング5の頂部と外壁21の頂部とを面一にすることができるため、グローブ固定用接着剤槽7内の接着剤の容量を調整し、さらに粘着強度を調整することができる。光源モジュールボード6の発光ダイオード61は、溝リング5の径方向内側に位置するため、溝リング5の高さ、溝リング5の形状及び角度、溝リング5の透過率及び反射率を調整することにより、配光角度を調整することもできるため、空間内の発光装置の光強度分布を調整することができる。
【0031】
溝リング5の歯部は、光源モジュールボード6の貫通孔64に挿入されるため、光源モジュールボード6が傾斜しにくく、光源モジュールボード6の姿勢を安定に保つのに有利である。
【0032】
グローブ1は、内部が中空の半球状ケースであり、その底部には、円形の第4の開口部が設けられている。第4の開口部の縁部には、下方に延びる環形の突出部11が設けられている。グローブ1は、ケース2の頂部に取り付けられ、突出部11は、グローブ固定用接着剤槽7内に挿入されてシリカゲルに浸漬される。グローブ1とケース2は、シリカゲルの接着効果により固定的に接続されている。
【0033】
図5~
図7は、本開示の第2の実施例に係る発光装置を示す。第2の実施例は、第1の実施例の変形例であり、第1の実施例と同一又は類似の構成については、本実施例では同一の符号を使用し、これらの構成に関する詳細な説明を省略する。
【0034】
図5は、本開示の第2の実施例に係る発光装置の内部構造を示す。光源モジュールボード6の縁部の近くには、光源モジュールボード6を貫通する2つの取付孔65が開設され、2つの取付孔65は、光源モジュールボード6の周方向に均一に配置されている。取付孔65の位置と係止孔63の位置とは、光源モジュールボード6の周方向に90°ずれている。
【0035】
溝リング5は、環状構造を有し、ポリカーボネート(PC)からなり、ケース2とは別体に設けられている。溝リング5の厚さは、外壁21の厚さと同じである。溝リング5の底部には、溝リング5の軸方向に沿って下方に延びる2つの係合部54が設けられている。2つの係合部54は、溝リング5の周方向に均一に配置され、光源モジュールボード6の取付孔65に対応する。係合部54は、係合部54が取付孔65に係合するように弾性変形可能である。
【0036】
図6及び
図7は、本開示の第2の実施例に係る発光装置の組立図及び内部構造を示す断面図である。光源モジュールボード6は、ケース2の軸方向に沿って第1の開口部211の内側に取り付けられ、光源モジュールボード6の中心軸は、ケース2の中心軸に一致する。係止爪224は、係止孔63内に挿入され、光源モジュールボード6は、内壁22の頂部に係合する。光源モジュールボード6の縁部は、外壁21の内側面に当接する。
【0037】
溝リング5は、光源モジュールボード6の軸方向に沿って光源モジュールボード6の頂面に取り付けられ、溝リング5の中心軸は、光源モジュールボード6の中心軸に一致する。ケース2の軸方向における光源モジュールボード6の投影の最大寸法は、ケース2の軸方向における溝リング5の投影を覆う。係合部54は、取付孔65内に挿入され、溝リング5は、光源モジュールボード6の頂面に係合する。外壁21は、光源モジュールボード6に対して上側(軸方向における一方側)に突出する第1の部分212を含み、第1の部分212は、上側に延びるとともに径方向外側に延びる。溝リング5は、光源モジュールボード6に対して上側(軸方向における一方側)に突出する第2の部分55を含み、第2の部分55は、軸方向に沿って延びる。外壁21の軸方向における第1の部分212の長さは、外壁21の軸方向における第2の部分55の長さよりも大きい。第1の部分212、第2の部分55及び光源モジュールボード6によって、ケース2の周方向に延びるグローブ固定用接着剤槽7を囲んで形成する。光源モジュールボード6は、グローブ固定用接着剤槽7の底部を形成し、第1の部分212は、グローブ固定用接着剤槽7の外側壁を形成し、第2の部分55は、グローブ固定用接着剤槽7の内側壁を形成するため、グローブ固定用接着剤槽7は、上方に開放された略U字槽に形成されている。
【0038】
本開示は、以下の利点のうちの少なくとも1つを有する。
【0039】
(i)上記実施例では、ケース2、溝リング5及び光源モジュールボード6は共同でグローブ固定用接着剤槽7を形成する。より具体的には、ケース2の外壁21における光源モジュールボード6に対して上側(軸方向における一方側)に突出する部分、溝リング5のにおける光源モジュールボード6に対して上側(軸方向における一方側)に突出する部分及び光源モジュールボード6によって、上側(軸方向における一方側)に開放されたグローブ固定用接着剤槽7を囲んで形成する。このように、ケース2の外壁21の肉厚を薄くし、発光装置の軽量化を実現することができる。ケース2が収縮しやすい材料で製造されている場合、薄い外壁21は、材料の収縮性による影響を効果的に回避し、ケース2の壁面の光沢度を向上させることができる。
【0040】
(ii)溝リング5と外壁21の高さを調整することにより、グローブ固定用接着剤槽7内の接着剤の容量を調整し、さらに粘着強度を調整することができる。光源モジュールボード6の発光ダイオード61は、溝リング5の径方向内側に位置するため、溝リング5及び外壁12の高さ、溝リング5の形状及び角度、溝リング5の透過率及び反射率を調整することにより、配光角度を調整することもできるため、空間内の発光装置の光強度分布を調整することができる。
【0041】
(iii)溝リング5の歯部は、光源モジュールボード6の貫通孔64に挿入されるため、光源モジュールボード6が傾斜しにくく、光源モジュールボード6の姿勢を安定に保つのに有利である。
【0042】
上記実施形態は、例示的なものにすぎず、本開示を限定するものではないと理解されるべきである。当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく、本開示の教示から上記実施形態に対して様々な変形や変更を行うことができる。
【0043】
ケース2及び口金3は、円筒状に限定されず、グローブ1も半球状に限定されず、溝リング5も円環状に限定されず、方形や球状などの任意の形状であってもよい。発光装置は、回転体に限定されず、その形状は、非対称又は不規則であってもよい。
【0044】
グローブ固定用接着剤槽7は、環状溝に限定されず、複数の別々の凹溝であってもよい。グローブ固定用接着剤槽7は、U字槽に限定されず、台形溝などの任意の形状の凹溝であってもよい。溝リング5は、外壁21又は光源モジュールボード6に接続されることに限定されず、内壁22やグローブ1などの発光装置の内部の任意の可能な位置に接続されてもよい。溝リング5と第1の開口部211は、同軸に配置されることに限定されず、非同軸に配置されてもよい。溝リング5と発光装置の他の部材との接続形態は、一体接続や係合に限定されず、接着、螺接、追加の接続部材による接続などの形態であってもよい。外壁21と光源モジュールボード6との間、溝リング5と光源モジュールボード6との間は接触してもよいし、一定の隙間があってもよい。
【0045】
発光装置は、グローブ1、ケース2、口金3、電源ボード4、溝リング5及び光源モジュールボード6からなることに限定されず、ヒートシンクなどの発光装置が含み得る部品、部材又はアセンブリを含んでもよい。電源ボード4及び光源モジュールボード6はいずれも、プリント回路基板(PCB)だけでなく、プリント回路基板に設けられた電子部品も含むプリント回路基板アセンブリ(PCBA)である。光源モジュールボード6は、DOB(Drive-On-Board)ボードであってもよい。光源モジュールボード6は、光源として発光ダイオード61を用いることに限定されない。ケース2及び溝リング5は、樹脂製に限定されず、金属などの材料で製造されてもよい。グローブ固定用接着剤槽7に充填される接着剤は、シリカゲルに限定されない。
【符号の説明】
【0046】
1 グローブ、11 突出部、2 ケース、21 外壁、211 第1の開口部、212 第1の部分、22 内壁、221 収容キャビティ、222 第2の開口部、223 第1の切欠部、224 係止爪、225 ガイド溝、23 第1のねじ、3 口金、31 第2のねじ、32 第3のねじ、4 電源ボード、41 ピン、5 溝リング、51 第2の切欠部、52 歯先、53 歯元、54 係合部、55 第2の部分、6 光源モジュールボード、61 発光ダイオード、62 集積回路ソケット、63 係止孔、64 貫通孔、65 取付孔、7 グローブ固定用接着剤槽