(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062759
(43)【公開日】2023-05-09
(54)【発明の名称】スプールブッシュ
(51)【国際特許分類】
B22D 17/20 20060101AFI20230427BHJP
【FI】
B22D17/20 F
B22D17/20 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021172848
(22)【出願日】2021-10-22
(71)【出願人】
【識別番号】521464411
【氏名又は名称】高三 真司
(71)【出願人】
【識別番号】518402370
【氏名又は名称】株式会社クローラル
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高三 真司
(72)【発明者】
【氏名】和田 泰秀
(57)【要約】
【課題】スプールブッシュの冷却性能を高める。
【解決手段】スプールブッシュ10は、内筒11と、内筒11と別部材であって溶融した成形材料の流れ方向の下流側となる軸方向一方側に移動不能となって内筒11に外嵌する外筒12と、内筒11および外筒12それぞれと別部材であって外筒12の軸方向他方側の端部44に軸方向他方側から接触する環状のフランジ13とを備える。内筒11は、フランジ13が取り付けられる取付部14を有する。内筒11の外周面11aに、周方向に沿って周溝15が設けられており、外筒12の内周面12aと、周溝15とによって、冷却液用流路20が構成される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成型金型に設けられるスプールブッシュであって、
内周側が溶融した成形材料の通る流路の一部となる内筒と、
前記内筒と別部材であって前記溶融した成形材料の流れ方向の下流側となる軸方向一方側に移動不能となって前記内筒に外嵌する外筒と、
前記内筒および前記外筒それぞれと別部材であって前記外筒の軸方向他方側の端部に軸方向他方側から接触する環状のフランジと、
を備え、
前記内筒は、前記フランジが取り付けられる取付部を有し、
前記内筒の外周面と前記外筒の内周面とのうちの一方である第一周面に、周方向に沿って周溝が設けられており、
前記内筒の外周面と前記外筒の内周面とのうちの他方である第二周面と、前記周溝とによって、冷却液用流路が構成される、
スプールブッシュ。
【請求項2】
前記内筒は、筒状である内本体部と、前記内本体部の軸方向一方側において径方向に突出して設けられ前記外筒の軸方向一方側の端面と接触する鍔部を有する、請求項1に記載のスプールブッシュ。
【請求項3】
前記周溝は、周方向に沿って設けられている主溝部と、前記主溝部に繋がるとともに前記主溝部から軸方向一方側に迂回する迂回溝部と、を有し、
前記主溝部のうち、前記迂回溝部と周方向について同じ位置に、前記主溝部での冷却液の流れを妨げる栓部材が設けられている、請求項1または請求項2に記載のスプールブッシュ。
【請求項4】
前記フランジは、周方向に沿って複数に分割される分割ピースと、前記分割ピースを連結すると共に前記分割ピースを径方向内側に締め付けるための締結部材と、を有し、
前記取付部は、前記内筒の外周側であって軸方向他方側に形成されている取付溝を有し、
前記取付溝の軸方向他方側の溝側面は、径方向内側に向かうにしたがって軸方向一方に進む傾斜面を有し、
前記分割ピースは、前記傾斜面に接触するガイド面を有する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスプールブッシュ。
【請求項5】
成型金型に設けられるスプールブッシュであって、
内周側が溶融した成形材料の通る流路の一部となる内筒と、
前記内筒と別部材であり前記内筒に外嵌する外筒と、
を備え、
前記内筒の外周面と前記外筒の内周面との合わせ面に、軸方向に延びる共通溝と、前記共通溝とそれぞれが繋がり周方向に沿う複数の周溝と、が設けられ、
前記共通溝を周方向の一方側の第一領域と他方側の第二領域とに区画する仕切りブロックが、前記共通溝に設けられ、
前記第一領域が冷却液の流入ポートと繋がり、前記第二領域が冷却液の流出ポートに繋がる、
スプールブッシュ。
【請求項6】
前記冷却液用流路は、冷却液を通過させる複数の貫通穴が形成されている仕切り部材を有し、
前記複数の貫通穴として、前記流入ポートまたは前記流出ポートに近い部分に設けられている小貫通穴と、前記流入ポートまたは前記流出ポートから離れる部分に設けられていて前記小貫通穴よりも大きい穴からなる大貫通穴と、が前記仕切り部材に形成されている、請求項5に記載のスプールブッシュ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スプールブッシュに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、鋳造用の成型金型に設けられるスプールブッシュ(湯口スリーブ)が開示されている。スプールブッシュ内に、冷却液を通過させる流路が形成される。スプールブッシュにおいて、湯口ランナ側の冷却性能を高めることで、湯口ランナにおける溶湯の凝固が促進され、鋳造のサイクルタイムが短縮されることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のスプールブッシュの場合、冷却液を通過させる流路として、周方向の流路の他、その流路から軸方向に沿って湯口ランナ側に延びる冷却穴が形成されていて、その冷却穴にパイプが設けられている。この構成により、湯口ランナ側における冷却性能が高まり、湯口ランナを通過する溶湯の凝固が促進される。
【0005】
このように、鋳造のサイクルタイムを短縮するために、様々な試みが成されている。そこで、本開示は、冷却性能を高めることが可能となる新たな技術的手段を備えるスプールブッシュを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る成型金型に設けられるスプールブッシュは、内周側が溶融した成形材料の通る流路の一部となる内筒と、前記内筒と別部材であって前記溶融した成形材料の流れ方向の下流側となる軸方向一方側に移動不能となって前記内筒に外嵌する外筒と、前記内筒および前記外筒それぞれと別部材であって前記外筒の軸方向他方側の端部に軸方向他方側から接触する環状のフランジと、を備え、前記内筒は、前記フランジが取り付けられる取付部を有し、前記内筒の外周面と前記外筒の内周面とのうちの一方である第一周面に、周方向に沿って周溝が設けられており、前記内筒の外周面と前記外筒の内周面とのうちの他方である第二周面と、前記周溝とによって、冷却液用流路が構成される。
【0007】
本開示の別の態様に係るスプールブッシュは、成型金型に設けられる。スプールブッシュは、内周側が溶融した成形材料の通る流路の一部となる内筒と、前記内筒と別部材であり前記内筒に外嵌する外筒と、を備え、前記内筒の外周面と前記外筒の内周面との合わせ面に、軸方向に延びる共通溝と、前記共通溝とそれぞれが繋がり周方向に沿う複数の周溝と、が設けられ、前記共通溝を周方向の一方側の第一領域と他方側の第二領域とに区画する仕切りブロックが、前記共通溝に設けられ、前記第一領域が冷却液の流入ポートと繋がり、前記第二領域が冷却液の流出ポートに繋がる。
【発明の効果】
【0008】
本開示のスプールブッシュによれば、冷却性能を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、スプールブッシュが用いられる鋳造用の成型金型の断面図である。
【
図2】
図2は、第一実施形態に係るスプールブッシュの斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2に示すスプールブッシュの分解斜視図である。
【
図5】
図5は、変形例に係る内筒を径方向外側から見た図である。
【
図6】
図6は、
図5に示す内筒を軸方向から見た断面図である。
【
図8】
図8は、冷却液用流路を構成するための周溝の別の変形例を説明する図である。
【
図9】
図9は、冷却液用流路を構成するための周溝のさらに別の変形例を説明する図である。
【
図10】
図10の(A)は、スプールブッシュの分解状態を示す断面図であり、(B)は、そのスプールブッシュが有するフランジの斜視図である。
【
図11】
図11の(A)は、スプールブッシュの分解状態を示す断面図であり、(B)は、そのスプールブッシュが有するフランジの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本開示の実施形態の詳細を説明する。なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0011】
図1は、スプールブッシュ10が用いられる鋳造用の成型金型5の断面図である。成型金型5は、例えばアルミニウムなどの金属の鋳造を行うための金型である。成型金型5は、固定金型6、可動金型7、分流子8、中間スリーブ9、およびスプールブッシュ10を備える。プランジャ3およびプランジャスリーブ4を含む溶湯供給機2によって、溶湯が、成型金型5に形成される流路Fおよび湯口ランナFaを経て、キャビティFbに供給される。中間スリーブ9およびスプールブッシュ10の内周側が、溶湯が通る流路Fの一部となる。
なお、本実施形態では、成型金型5は前記のとおり鋳造用であり、溶融した成形材料として溶湯(溶けた金属材料)が用いられる。成型金型5は鋳造用以外であってもよい。この場合、「溶湯」が「溶融した成形材料」と読み替えられる。
スプールブッシュ10は、鋳込口ブッシュ、鋳込口スリーブ、湯口ブッシュ、射出スリーブ、型スリーブ、または、金型用スリーブとも呼ばれる。
【0012】
図2は、第一実施形態に係るスプールブッシュ10の斜視図である。
図3は、
図2に示すスプールブッシュ10の分解斜視図である。
図4は、
図2に示すスプールブッシュ10の断面図である。スプールブッシュ10は、内筒11と、外筒12と、環状のフランジ13とを備える。内筒11、外筒12、およびフランジ13は、鋼製である。内筒11と外筒12とは別部材である。フランジ13は、内筒11と別部材であり、外筒12と別部材である。
【0013】
スプールブッシュ10に関する方向について定義する。円筒状であるスプールブッシュ10の中心線Lに沿った方向、およびその中心線Lに平行な方向を「軸方向」と定義する。溶湯の流れ方向の下流側(
図1~
図3において左側)を「軸方向一方側」とし、溶湯の流れ方向の上流側(
図1~
図3において右側)を「軸方向他方側」と定義する。中心線Lに直交する方向を「径方向」と定義する。中心線Lを中心とする円に沿った方向を「周方向」と定義する。
【0014】
内筒11は、円筒形状を有する。内筒11の内周側に(
図1参照)、溶湯が通る流路Fの一部が位置する。流路Fは、その下流側で湯口ランナFaと繋がる。湯口ランナFaは、内筒11と分流子8との間の空間、および固定金型6と可動金型7との間の一部に形成される空間によって構成される。
【0015】
内筒11は、筒状である内本体部16と、内本体部16の軸方向一方側に設けられている環状の鍔部17とを有する。内本体部16の外径は一定であり(ただし、周溝15が形成されている箇所は除く。)直線上の外周面を有する。内本体部16に外筒12が外嵌する。鍔部17は、内本体部16の軸方向一方側の端部から径方向外側に突出して設けられていて、外筒12の軸方向一方側の端面12eと接触する。鍔部17によって、外筒12は軸方向一方側に移動不能となって内筒11に外嵌する。
【0016】
内筒11は、フランジ13が取り付けられる取付部14を有する。取付部14は、内本体部16の軸方向他方側の一部(端部)によって構成されている。取付部14は、フランジ13を取り付けることによって、内筒11に外嵌する外筒12が軸方向他方側に脱落するのを防ぐ。そのために、取付部14は、内筒11の外周側であって軸方向他方側に形成されている取付溝24を有する(
図4参照)。取付溝24に、フランジ13が有する突起部48が嵌る。さらに、後にも説明するが、フランジ13は、止めボルト55によって外筒12に取り付けられる。突起部48が取付溝24に軸方向について接触することで、外筒12は軸方向他方側に脱落しない。
【0017】
取付溝24は、周方向に沿って連続する環状の溝である。取付溝24は、軸方向一方側の第一の溝側面27と、軸方向他方側の第二の溝側面25と、第一の溝側面27と第二の溝側面25とを繋ぐ溝底面26とを有する。第二の溝側面25は、径方向内側に向かうにしたがって軸方向一方に進む傾斜面25aを有する。
【0018】
本実施形態では、内筒11の外周面11aに、冷却液用流路20を構成するための周溝15が形成されている。周溝15は周方向に沿って設けられている。外筒12の内周面12aと、内筒11の周溝15とによって囲まれて形成された空間により、冷却液用流路20の一部が構成される。
図4に示す形態では、2つの独立した周溝15が形成されており、2つの冷却液用流路20が構成される。冷却液用流路20(周溝15)の形態については、後に説明する。冷却液用流路20は、スプールブッシュ10内に設けられており、冷却液が流れる流路である。
【0019】
外筒12は、円筒形状を有する。外筒12は、筒状である外本体部41と、筒状である延長部42とを有する。延長部42は外本体部41の軸方向一方側の端部から、さらに軸方向一方側に向かって延びて設けられている。外本体部41の内径と延長部42の内径とは同じである。外筒12の軸方向他方側の端部に、ボルト孔56が形成されている。ボルト孔56に、フランジ13用の止めボルト55が螺合し、フランジ13と外筒12とが一体となる。
【0020】
外筒12(延長部42)の軸方向一方側の端面12eが、内筒11の鍔部17に全周にわたって接触する。これにより、外筒12は、軸方向一方側に移動不能となって内筒11に外嵌する。内筒11と外筒12との間は、Oリング61,62,63によってシールされている。なお、Oリング61(62,63)以外のシール材であってもよく、耐熱ガスケット、または、シートパッキンなどが用いられてもよい。外筒12に、冷却液用流路20に含まれる流入ポートP1および流出ポートP2(
図3参照)が設けられている。流出ポートP2は、周方向について流入ポートP1の隣に設けられている。流入ポートP1および流出ポートP2それぞれは、外筒12を径方向に貫通する穴であり、周溝15と繋がる。
【0021】
図3および
図4に示す形態では、軸方向一方側の第一の冷却液用流路20-1と、軸方向他方側の第二の冷却液用流路20-2とが設けられている。一つの流入ポートP1および一つ流出ポートP2が第一の冷却液用流路20-1と繋がり、別の一つの流入ポートP1および別の一つ流出ポートP2が第二の冷却液用流路20-2と繋がる。流入ポートP1および流出ポートP2それぞれには、図外の冷却液供給装置が接続される。
【0022】
図4に示すように、フランジ13は、外筒12の軸方向他方側の端部(端面)44に軸方向他方側から接触する。フランジ13に、周方向に沿って複数の貫通穴(ザグリ穴)49が設けられている。止めボルト55によってフランジ13は、外筒12に固定される。
図3に示す実施形態では、フランジ13は、複数の円弧状である分割ピース22を含み、これらが周方向に沿って設けられることで環状となる。つまり、フランジ13は、周方向に沿って複数(図例では2つ)に分割される分割ピース22と、これら分割ピース22を連結するための締結部材としての複数の締め付けボルト23とを有する。
【0023】
締め付けボルト23は、分割ピース22を径方向内側の成分を有する力で締め付けるための締結部材となる。このために、分割ピース22,22間には隙間eが設けられており、締め付けボルト23を締め付けると、第一の分割ピース22を、それとは別である第二の分割ピース22に接近させる。
【0024】
各分割ピース22は、その内周側に、径方向内側に突出する突起部48を有する。突起部48の軸方向他方側の面は、ガイド面28となる(
図4参照)。ガイド面28は、径方向内側に向かうにしたがって軸方向一方に進む傾斜面を有する。ガイド面28は、内筒11が有する取付溝24の前記傾斜面25aに接触する。締め付けボルト23によって、分割ピース22,22が締め付けられると、ガイド面28と傾斜面25aとによるクサビ作用により、フランジ13は、内筒11に対して軸方向一方側に変位する。その結果、外筒12はフランジ13と鍔部17との間で軸方向について挟まれ、外筒12は軸方向の圧縮力が作用した状態となって、内筒11に固定された状態となる。
【0025】
冷却液用流路20を構成するための周溝15について説明する。本実施形態では、前記のとおり、軸方向一方側の第一の冷却液用流路20-1と、軸方向他方側の第二の冷却液用流路20-2とが設けられる。第一の冷却液用流路20-1を構成するために、内筒11に、周溝15が設けられている。
図3に示すように、その周溝15は、周方向に沿って設けられている主溝部18と、主溝部18に繋がるとともに主溝部18から軸方向一方側に迂回する迂回溝部19とを有する。主溝部18は、周方向に連続する溝であり、旋盤などを用いた機械加工によって容易に形成される。迂回溝部19についても、フライス盤またはマシニングセンタなどを用いた機械加工によって容易に形成される。
【0026】
主溝部18のうち、迂回溝部19と周方向について同じ位置に、主溝部18での冷却液の流れを妨げる栓部材21が設けられている。栓部材21は、内筒11とは別部材であり、内筒11にボルトまたは溶接等によって固定される。主溝部18内の一部(栓部材21の反対側の一部)であって、第一の冷却液用流路20-1のための流入ポートP1と流出ポートP2との間に、図示しないが、主溝部18での冷却液の流れを妨げる仕切りブロック33が設けられている。仕切りブロック33については、冷却液用流路20を構成するための溝形状が異なるが、
図5及び
図6に示すように、仕切りブロック33は、内筒11とは別の部材である。
【0027】
以上の構成により、図外の前記冷却液供給装置から流入ポートP1に冷却液が供給されると、その冷却液は第一の冷却液用流路20-1を構成する主溝部18の前半部分を流れ、さらに、迂回溝部19を流れ、主溝部18の後半部分を流れ、流出ポートP2から排出される。
【0028】
迂回溝部19は、
図4に示すように、内本体部16の軸方向一方側の外周面に形成されている。具体的に説明すると、迂回溝部19は、内本体部16の外周面であって鍔部17の裾部17aに形成されている。これにより、スプールブッシュ10の軸方向一方側の端部に、冷却液を到達させることが可能となる。
【0029】
第二の冷却液用流路20-2を構成するために、内筒11に、周方向に沿って設けられる周溝15が設けられている。周溝15は、周方向に連続する溝であり、旋盤またはマシニングセンタなどを用いた機械加工によって容易に形成される。周溝15内の一部であって、第二の冷却液用流路20-2のための流入ポートP1と流出ポートP2との間に、周溝15での冷却液の流れを妨げる(第一の冷却液用流路20-1の場合と同様の)仕切りブロック33が設けられている。この構成により、図外の前記冷却液供給装置から流入ポートP1に冷却液が供給されると、その冷却液は第二の冷却液用流路20-2を構成する周溝15を流れ、流出ポートP2から排出される。
【0030】
前記実施形態では、内筒11の外周面11aに周溝15が形成されている。内筒11に外筒12を外嵌すれば、周溝15と外筒12の内周面12aとの間に形成される空間により、冷却液用流路20が形成される。
図示しないが、外筒12の内周面12aに周溝が形成されていてもよい。この場合、内筒11に外筒12を外嵌すれば、その周溝と内筒11の外周面11aとの間に形成される空間により、冷却液用流路が形成される。
【0031】
図示しないが、第一の冷却液用流路20-1のために、内筒11の外周面11aに周溝が形成されていて、第二の冷却液用流路20-2のために、外筒12の内周面12aに周溝が形成されていてもよい。この場合、内筒11に外筒12を外嵌すれば、内筒11の周溝と外筒12の内周面12aとの間に形成される空間により、第一の冷却液用流路が形成され、外筒12の周溝と内筒11の外周面11aとの間に形成される空間により、第二の冷却液用流路が形成される。
図示しないが、内筒11の外周面11aに第一の周溝が形成されていて、その第一の周溝の位置に合わせて外筒12の内周面12aに第二の周溝が形成されていてもよい。この場合、内筒11に外筒12を外嵌すれば、第一の周溝と第二の周溝とによって一つの周溝が形成される。つまり、内筒11に外筒12を外嵌すれば、内筒11の第一の周溝と、第二の周溝が形成されている内筒11の外周面11aとの間に形成される空間により、冷却液用流路が形成される。
つまり、内筒11の外周面11aと外筒12の内周面12aとのうちの一方である第一周面に少なくとも、周方向に沿って周溝15が設けられていればよい。そして、内筒11の外周面11aと外筒12の内周面12aとのうちの他方である第二周面と、前記周溝15とによって、冷却液用流路20(の一部)が構成される。
【0032】
冷却液用流路20を構成するための周溝の変形例について説明する。
図5は、その変形例に係る内筒11を径方向外側から見た図である。
図6は、
図5に示す内筒11を軸方向から見た断面図である。
図5、
図6および後で説明する
図7では、外筒12およびフランジ13を二点鎖線により示している。
図5に示す形態に関して、
図2および
図3に示す形態と同じ構成については、同じ符号を付しており、その説明を省略する。
【0033】
図5および
図6において、内筒11の外周面11aに、軸方向に延びる共通溝31と、周方向に沿う複数(図例では6条)の周溝32とが設けられている。複数の周溝32それぞれは、共通溝31に繋がる。つまり、共通溝31から複数の周溝32に溝が分岐している。共通溝31に、内筒11とは別の部材である仕切りブロック33が設けられている。仕切りブロック33によって、共通溝31は、周方向の一方側の第一領域K1と他方側の第二領域K2とに区画される。仕切りブロック33は、内筒11にボルトまたは溶接等によって固定される。共通溝31および複数の周溝32と、外筒12の内周面12aとの間に形成される空間により、冷却液用流路20の一部が形成される。
【0034】
周溝32は、
図3に示す主溝部18と同様、周方向に連続する溝であり、旋盤またはマシニングセンタなどを用いた機械加工によって容易に形成される。共通溝31についても、フライス盤またはマシニングセンタなどを用いた機械加工によって容易に形成される。
【0035】
図5に示す形態では、環状の区画壁51によって、共通溝31が軸方向について二分割されており、また、6条の周溝32が、4条の周溝32のグループと、2条の周溝32のグループとに分割されている。区画壁51によって、第一領域K1及び第二領域K2それぞれについても、軸方向一方側と他方側とに分割される。これにより、軸方向一方側の第一の冷却液用流路20-1と、軸方向他方側の第二の冷却液用流路20-2とが、内筒11と外筒12との間に設けられる。
【0036】
第一の冷却液用流路20-1において、第一領域K1が一つの流入ポートP1と繋がり、第二領域K2が一つの流出ポートP2に繋がる。第二の冷却液用流路20において、第一領域K1が別の一つの流入ポートP1と繋がり、第二領域K2が別の一つの流出ポートP2に繋がる。なお、区画壁51は、省略されていてもよく、また、区画壁51は、スプールブッシュ10の軸方向長さに応じて、複数設けられていてもよい。これに応じて、流入ポートP1および流出ポートP2の数も変更自在である。
【0037】
図示しないが、外筒12の内周面12aに共通溝および複数の周溝が形成されていてもよい。この場合、内筒11に外筒12を外嵌すれば、前記共通溝および前記複数の周溝と、内筒11の外周面11aとの間に形成される空間により、冷却液用流路が形成される。
つまり、内筒11の外周面11aと外筒12の内周面12aとの合わせ面に、軸方向に延びる共通溝31と、共通溝31とそれぞれが繋がり周方向に沿う複数の周溝32とが設けられていればよい。
【0038】
図7は、
図5に示す内筒11の一部を示す断面図である。
図5、
図6および
図7に示すように、冷却液用流路20-1,20-2それぞれは、冷却液を通過させる複数の貫通穴36が形成されている仕切り部材35を有する。切り部材35には、冷却液の通過面積が異なる複数種類の貫通穴36が形成されている。第一の冷却液用流路20-1では、流入ポートP1(または流出ポートP2)に近い部分に、冷却液の通過面積が比較的小さい小貫通穴36Sが設けられており、流入ポートP1(または流出ポートP2)から離れる部分に、小貫通穴36Sよりも冷却液の通過面積が大きい穴からなる大貫通穴36Lが形成されている。
【0039】
これは、第一の冷却液用流路20-1において、流入ポートP1から流入した冷却液を、複数の周溝32に可及的に均等に流すためである。
図7に示すように、流入ポートP1(または流出ポートP2)から遠いほど、冷却液の通過面積の大きい貫通穴36が形成されるのが好ましい。
仕切り部材35は、板状であり、
図5に示す形態では、共通溝31であって周溝32との境界部分に取り付けられている。仕切り部材35は、流入ポートP1側に設けられていると共に、流出ポートP2側にも設けられている。なお、仕切り部材35は、図示する形態以外であってもよく、また、他の位置に取り付けられていてもよい。
【0040】
図8は、冷却液用流路20を構成するための周溝32の別の変形例を説明する図であり、内筒11の断面図である。周溝32において、溝内に突出する凸部52が形成されている。凸部52は、周方向に沿って設けられている。凸部52はいわゆるフィンのように冷却液の接触面積を拡大させ、冷却効率を高める。なお、凸部52の構成を、
図4に示す形態に適用してもよい。
図8に示す形態、および次に説明する
図9に示す形態それぞれに関して、
図2および
図3に示す形態と同じ構成については、同じ符号を付しており、その説明を省略する。
【0041】
図9は、冷却液用流路20を構成するための周溝のさらに別の変形例を説明する図であり、内筒11の断面図である。内筒11は、周溝32が形成される筒状部材53を、内本体部16と別部材として有する。筒状部材53は、内本体部16よりも熱伝導率の高い材質(例えば銅、アルミニウム)により構成される。筒状部材53は、二分割構造を有することで、内本体部16の外周面に沿って取り付けられる。内本体部16と筒状部材53との間には、熱伝導性を有するグリスが介在するのが好ましい。
図9に示す周溝32に、
図8に示す凸部52が適用されてもよい。また、
図9に示す筒状部材53の構成を、
図4に示す形態に適用してもよい。
【0042】
〔実施形態に係るスプールブッシュ10について〕
以上のように、前記各形態に係るスプールブッシュ10は、鋳造用の成型金型5(
図1参照)に設けられる。スプールブッシュ10は(例えば
図4参照)、内周側が溶湯の通る流路Fの一部となる内筒11と、内筒11と別部材であって軸方向一方側に移動不能となって内筒11に外嵌する外筒12と、内筒11および外筒12それぞれと別部材である環状のフランジ13とを備える。フランジ13は、外筒12の軸方向他方側の端部44に軸方向他方側から接触する。内筒11は、フランジ13が取り付けられる取付部14を有する。内筒11の外周面11aと外筒12の内周面12aとのうちの一方である第一周面に、周方向に沿って周溝15が設けられている。内筒11の外周面11aと外筒12の内周面12aとのうちの他方である第二周面と、周溝15とによって、冷却液用流路20が構成される。
図4に示す形態では、内筒11の外周面11aに周溝15が設けられていて、その周溝15と、外筒12の内周面12aとによって冷却液用流路20が構成される。
【0043】
前記スプールブッシュ10によれば、内筒11に外筒12を外嵌すれば、これらの間に冷却液用流路20が構成される。内筒11の外周面11aと外筒12の内周面12aとのうちの一方である第一周面に周溝15を形成すれば、冷却液用流路20が構成されることから、周溝15の形成領域に自在性があり、スプールブッシュ10における冷却性能を高めることが可能となる。
図4に示すように、周溝15(迂回溝部19)が内筒11の軸方向一方側に寄って設けられることで、また、
図5に示すように、複数の周溝32が軸方向に広く分布して設けられることで、スプールブッシュ10における軸方向一方側における冷却性能、つまり、湯口ランナFaの立ち上がり部分における冷却性能が高まる。
また、内筒11に外筒12を外嵌し、内筒11の取付部14にフランジ13を取り付ければ、内筒11に外嵌する外筒12が軸方向他方側に脱落せず、スプールブッシュ10の組み立てが容易である。
【0044】
前記各形態では、内筒11に外嵌する外筒12を軸方向一方側に移動不能とするために、内筒11は、筒状である内本体部16と、鍔部17とを有する。鍔部17は、内本体部16の軸方向一方側において径方向に突出して設けられ、外筒12の軸方向一方側の端面12eと接触する(
図4参照)。この構成により、スプールブッシュ10の軸方向一方側において、溶湯が通る流路(湯口ランナFa)に、内筒11と外筒12との合わせ面の端29が露出しない。その結果、湯口ランナFaを通過する溶湯が、内筒11と外筒12との間に影響を及ぼし難い。例えば、内筒11と外筒12との間であって軸方向一方側にシール材としてOリング61が設けられるが、湯口ランナFaの溶湯がそのOリング61に熱による影響を及ぼし難い。
【0045】
図3に示す形態の場合、第一の冷却液用流路20-1のための周溝15は、周方向に沿って設けられている主溝部18と、主溝部18に繋がる迂回溝部19とを有する。迂回溝部19は、主溝部18から軸方向一方側に迂回するようにして形成されている。主溝部18のうち、迂回溝部19と周方向について同じ位置に、主溝部18での冷却液の流れを妨げる栓部材21が設けられている。この構成によれば、迂回溝部19を冷却液が流れることで、スプールブッシュ10の軸方向一方側の冷却性能を向上させることが可能となる。つまり、湯口ランナFaの立ち上がり部分における冷却性能が向上し、湯口ランナFaにおける溶湯の凝固が促進され、鋳造のサイクルタイムが短縮され、生産効率が高まる。
【0046】
図3に示す形態では、フランジ13は、周方向に沿って複数に分割される分割ピース22,22と、これら分割ピース22,22を連結すると共に分割ピース22,22を径方向内側に締め付けるための締結部材(締め付けボルト23)とを有する。内筒11が有する取付部14は、内筒11の外周側であって軸方向他方側に形成されている取付溝24を有する(
図4参照)。取付溝24の軸方向他方側の溝側面25は、径方向内側に向かうにしたがって軸方向一方に進む傾斜面25aを有する。分割ピース22,22それぞれは、傾斜面25aに接触するガイド面28を有する。
【0047】
この構成により、複数の分割ピース22,22を締結部材(締め付けボルト23)によって連結し、分割ピース22,22を径方向内側に締め付けると、分割ピース22のガイド面28および取付溝24の傾斜面25aによって(クサビ作用により)、分割ピース22,22が外筒12を軸方向一方側に締め付けることが可能となる。さらに、分割ピース22,22は、外筒12に止めボルト55によって取り付けられる。その結果、内筒11、外筒12、およびフランジ13の一体化が促進される。
【0048】
図5、
図6および
図7に示す形態(第二の形態)に係るスプールブッシュ10は、
図2に示すスプールブッシュ10と同様、成型金型5に設けられるスプールブッシュ10である。さらに、そのスプールブッシュ10は、内筒11と、内筒11と別部材であり内筒11に外嵌する外筒12とを備える。内筒11の内周側に、湯口ランナFaに繋がり溶湯が通る流路の一部が位置する。そして、前記第二の形態では、内筒11の外周面11aと外筒12の内周面12aとの合わせ面に、軸方向に延びる共通溝31と、共通溝31とそれぞれが繋がり周方向に沿う複数の周溝32とが設けられている。共通溝31および複数の周溝32によって冷却液用流路20が構成される。共通溝31に、その共通溝31を周方向の一方側の第一領域K1と、他方側の第二領域K2とに区画する仕切りブロック33が設けられている。第一領域K1が冷却液の流入ポートP1と繋がり、第二領域K2が冷却液の流出ポートP2に繋がる。
【0049】
前記第二の形態に係るスプールブッシュ10によれば、内筒11に外筒12を外嵌することで、内筒11と外筒12との間に冷却液用流路20(20-1,20-2)が構成される。複数の周溝32により、冷却液用流路20が軸方向に広く構成され、スプールブッシュ10における冷却性能を高めることが可能となる。特に、周溝32を、軸方向一方側、具体的には内本体部16の外周面であって鍔部17の裾部17aに形成することで、スプールブッシュ10の軸方向一方側における冷却性能を高めることが可能となる。その結果、湯口ランナFaの立ち上がり部分における冷却性能が向上し、湯口ランナFaにおける溶湯の凝固が促進され、鋳造のサイクルタイムが短縮され、生産効率が高まる。
また、内筒11に外筒12を外嵌すればよく、スプールブッシュ10の組み立てが容易である。
【0050】
図7に示すように、冷却液用流路20は、冷却液を通過させる複数の貫通穴36が形成されている仕切り部材35を有する。複数の貫通穴36として、流入ポートP1または流出ポートP2に近い部分に設けられている小貫通穴36Sと、流入ポートP1または流出ポートP2から離れる部分に設けられていて小貫通穴36Sよりも大きい穴からなる大貫通穴36Lと、が仕切り部材35に形成されている。この構成により、複数の周溝32において可及的に均等に冷却液を流すことが可能となる。
【0051】
また、このように、複数の周溝32において均等に冷却液を流すことが可能となる他の例として、図示しないが、複数の周溝32として、冷却液の通過断面が小さい小周溝と、冷却液の通過断面が前記小周溝よりも大きい大周溝とが設けられていてもよい。前記小周溝は、流入ポートP1または流出ポートP2に近い部分に設けられ、前記大周溝は、小周溝よりも、流入ポートまたは流出ポートから離れる部分に設けられる。
【0052】
その他の変形例について説明する。
図10の(A)は、スプールブッシュ10の分解状態を示す断面図であり、(B)は、そのスプールブッシュ10が有するフランジ13の斜視図である。
図10に示す形態では、フランジ13は、一つの環状部材により構成されている。この点、およびそのフランジ13の取付構成について、
図3に示す形態と異なる。その他については同じであり、ここでは説明を省略する。
【0053】
図10に示す形態では、内筒11が有する取付部14は、フランジ13の軸方向一方側の側面(内周側の側面)65に接触する内側接触面66と、第一ボルト孔58とを有する。第一ボルト孔58は、フランジ13を第一止めボルト57によって固定するため、その第一止めボルト57が締め付けられる孔である。内筒11が有する取付部14は、内本体部16から軸方向他方側に突出して設けられ、フランジ13を外嵌させる凸部67を有する。
外筒12は、フランジ13の軸方向一方側の側面(外周側の側面)69に接触する外側接触面68と、第二ボルト孔60とを有する。第二ボルト孔60は、フランジ13を第二止めボルト59によって固定するため、その第二止めボルト59が締め付けられる孔である。
【0054】
フランジ13に、第一止めボルト57を貫通させるため、周方向に沿って複数の貫通穴(ザグリ穴)49aが設けられている。フランジ13に、第二止めボルト59を貫通させるため、周方向に沿って複数の貫通穴(ザグリ穴)49bが設けられている。
フランジ13を凸部67に外嵌させ、第一止めボルト57および第二止めボルト59を締め付けることで、フランジ13は内筒11および外筒12に固定されるとともに、外筒12はフランジ13と鍔部17との間で挟まれた状態となって固定される。
【0055】
図11は、さらに別の変形例を示す。
図11の(A)は、スプールブッシュ10の分解状態を示す断面図であり、(B)は、そのスプールブッシュ10が有するフランジ13の斜視図である。
図11に示す形態では、フランジ13は、一つの環状部材により構成されている。この点、およびそのフランジ13の取付構成について、
図3に示す形態と異なる。その他については同じであり、ここでは説明を省略する。
【0056】
図11に示す形態では、フランジ13の内周面に雌ネジ70が形成されている。内筒11が有する取付部14は、内本体部16から軸方向他方側に突出して設けられており、フランジ13を外嵌させる環状の凸部67を有する。環状の凸部67の外周面に、雌ネジ70が螺合する雄ネジ71が形成されている。フランジ13(雌ネジ70)を凸部67(雄ネジ71)に締め付けることで、フランジ13は内筒11に固定されるとともに、外筒12はフランジ13と鍔部17との間で挟まれた状態となって固定される。
【0057】
図10および
図11それぞれに示す取付部14(フランジ13の取付構造)によれば、
図3に示す形態と同様、内筒11、外筒12、およびフランジ13が一体化される。しかも、内筒11に外筒12を外嵌し、内筒11の取付部14にフランジ13を取り付ければ、内筒11に外嵌する外筒12が軸方向他方側に脱落せず、スプールブッシュ10の組み立てが容易である。
【0058】
〔その他の構成〕
前記実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、前記実施形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更を含む。
【符号の説明】
【0059】
5 成型金型
10 スプールブッシュ
11 内筒
11a 外周面
12 外筒
12e 端面
12a 内周面
13 フランジ
14 取付部
15 周溝
16 内本体部
17 鍔部
18 主溝部
19 迂回溝部
20 冷却液用流路
20-1 第一の冷却液用流路
20-2 第二の冷却液用流路
21 栓部材
22 分割ピース
23 ボルト(締結部材)
24 取付溝
25 溝側面
25a 傾斜面
28 ガイド面
31 共通溝
32 周溝
33 仕切りブロック
35 仕切り部材
36 貫通穴
36S 小貫通穴
36L 大貫通穴
F 流路
K1 第一領域
K2 第二領域
P1 流入ポート
P2 流出ポート