(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062798
(43)【公開日】2023-05-09
(54)【発明の名称】燃焼装置
(51)【国際特許分類】
F23N 5/26 20060101AFI20230427BHJP
F23N 5/24 20060101ALI20230427BHJP
F23N 5/02 20060101ALI20230427BHJP
F23N 5/18 20060101ALI20230427BHJP
F23N 5/00 20060101ALI20230427BHJP
【FI】
F23N5/26 101B
F23N5/24 101A
F23N5/02 343Z
F23N5/18 101M
F23N5/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021172903
(22)【出願日】2021-10-22
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】橋本 真輔
(72)【発明者】
【氏名】宮元 省吾
【テーマコード(参考)】
3K003
3K005
3K068
【Fターム(参考)】
3K003AB03
3K003AB06
3K003AC03
3K003BB04
3K003BC06
3K003CA05
3K003CB03
3K003DA03
3K003EA02
3K003FA00
3K003FB05
3K003GA03
3K005AB04
3K005AC06
3K005BA09
3K005CA06
3K005DA02
3K068NA03
3K068NA15
(57)【要約】
【課題】LPガス残量の低下を容易に検知してガスボンベの交換時期の到来を報知することができる燃焼装置を提供すること。
【解決手段】ガスボンベに充填されたLPガスを燃料として燃焼部で燃焼させる燃焼装置(10)において、予め設定された運転テーブルに基づいて、燃焼出力が目標出力となるように燃焼運転を制御する制御手段(6)と、燃焼出力を検知する出力検知手段(18,13,16)を有し、制御手段(6)は、出力検知手段(18,13,16)によって検知した燃焼出力が、目標出力に対して基準値以上上昇している場合には、ガスボンベのLPガス残量低下の報知を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスボンベに充填されたLPガスを燃料として燃焼部で燃焼させる燃焼装置において、
予め設定された運転テーブルに基づいて、燃焼出力が目標出力となるように燃焼運転を制御する制御手段と、前記燃焼出力を検知する出力検知手段を有し、
前記制御手段は、前記出力検知手段によって検知した前記燃焼出力が、前記目標出力に対して基準値以上上昇している場合には、前記ガスボンベのLPガス残量低下の報知を行うことを特徴とする燃焼装置。
【請求項2】
前記出力検知手段として燃焼部の火炎の温度を検知する火炎温度センサを有し、
前記制御手段は、前記運転テーブルに基づいて前記燃焼運転を制御したときに、前記火炎温度センサの検知温度が基準温度から一定以上上昇している場合に、前記燃焼出力が基準値以上上昇していると判定することを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
【請求項3】
前記出力検知手段として前記燃焼部に燃焼用空気を供給する燃焼ファンを有し、
前記制御手段は、前記運転テーブルに基づいて前記燃焼運転を制御して前記目標出力となるように調整したときに、前記燃焼ファンの回転数が基準回転数から一定以上の減少補正がなされた場合に、前記燃焼出力が基準値以上上昇していると判定することを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
【請求項4】
前記出力検知手段としてLPガスの供給流量を調整するガス比例弁を有し、
前記制御手段は、前記運転テーブルに基づいて前記燃焼運転を制御して前記目標出力となるように調整したときに、前記ガス比例弁の開度が基準開度から一定以上の減少補正がなされた場合に、前記燃焼出力が基準値以上上昇していると判定することを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LPガスを燃料とする燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、燃料ガスを燃焼させる燃焼装置が、例えば燃焼熱を利用して給湯する給湯装置に装備されて利用されている。燃料ガスは、供給者からガス導管を介して供給される都市ガスと、供給者が利用者ごとに配置するガスボンベに充填されたLPガスがある。
【0003】
ガスボンベに充填できるLPガスの量は限られているため、LPガス残量が少なくなったときにガスボンベを交換する必要がある。そのため、LPガスの供給者は、定期的に残量点検等を行い、必要に応じてガスボンベを交換することにより燃料切れを防止しているが、点検員がガスボンベの配置箇所を1つずつ巡回するので負担が大きい。
【0004】
そのため、例えば特許文献1のように、ガスボンベの重量、LPガスの供給流量、気温等に基づいてガスボンベの残量を管理する方法が知られている。また、特許文献2のように、LPガスを改質して発電に利用する燃料電池において、ガスボンベの残圧とLPガス中のブタン濃度の関係に基づいて、改質後の水素ガス量が一定になるように改質装置へのLPガスの供給流量を制御する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-138325号公報
【特許文献2】特許第4314942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1はガスボンベの重量を測定する装置が必要なので、導入にはコストがかかり容易ではない。そこで、特許文献2のようにガスボンベの残圧とLPガス中のブタン濃度の関係に基づいてガスボンベの残量を検知することが考えられるが、ガスメータから残圧を取得することができない場合がある。また、ガスボンベの交換時期の到来が分かればよいので、特許文献2のように常にガスボンベの残量を監視する必要はない。
【0007】
本発明の目的は、LPガス残量の低下を容易に検知してガスボンベの交換時期の到来を報知することができる燃焼装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明の燃焼装置は、ガスボンベに充填されたLPガスを燃料として燃焼部で燃焼させる燃焼装置において、予め設定された運転テーブルに基づいて、燃焼出力が目標出力となるように燃焼運転を制御する制御手段と、前記燃焼出力を検知する出力検知手段を有し、前記制御手段は、前記出力検知手段によって検知した前記燃焼出力が、前記目標出力に対して基準値以上上昇している場合には、前記ガスボンベのLPガス残量低下の報知を行うことを特徴としている。
【0009】
上記構成によれば、燃焼装置の制御手段は、運転テーブルに基づいて燃焼運転を行ったときに、目標出力に対して燃焼出力が基準値以上上昇している場合に、ガスボンベのLPガス残量が低下して少なくなっていることを報知する。LPガスは、ガスボンベのLPガス残量が少なくなって交換時期が近づくにつれ、主成分のプロパンに対して発熱量が大きいブタンの割合が増加する。そのため、運転テーブルに基づく燃焼運転よりも燃焼出力が増加するので、制御手段は出力検知手段によって燃焼出力を検知することにより、LPガスの残量が少なくなっていることを検知することができ、LPガス残量低下を報知することによりガスボンベの交換時期の到来を報知してガスボンベ交換を促すことができる。
【0010】
請求項2の発明の燃焼装置は、請求項1の発明において、前記出力検知手段として燃焼部の火炎の温度を検知する火炎温度センサを有し、前記制御手段は、前記運転テーブルに基づいて前記燃焼運転を制御したときに、前記火炎温度センサの検知温度が基準温度から一定以上上昇している場合に、前記燃焼出力が基準値以上上昇していると判定することを特徴としている。
上記構成によれば、制御手段は、運転テーブルに基づき燃焼運転を行い、燃焼部の火炎の温度が運転テーブルに設定された基準温度よりも一定以上上昇している場合、燃焼出力が基準値以上上昇していると判定する。従って、燃焼出力の基準値以上の上昇を発生させるLPガス残量低下を報知することができ、ガスボンベ交換を促すことができる。
【0011】
請求項3の発明の燃焼装置は、請求項1の発明において、前記出力検知手段として前記燃焼部に燃焼用空気を供給する燃焼ファンを有し、前記制御手段は、前記運転テーブルに基づいて前記燃焼運転を制御して前記目標出力となるように調整したときに、前記燃焼ファンの回転数が基準回転数から一定以上の減少補正がなされた場合に、前記燃焼出力が基準値以上上昇していると判定することを特徴としている。
上記構成によれば、制御手段は、運転テーブルに基づき燃焼運転を行い、目標出力となるように燃焼出力を調整する際に、燃焼出力を低下させるため燃焼ファンの回転数について運転テーブルに設定された基準回転数から一定以上の減少補正をした場合には、燃焼出力が基準値以上上昇していると判定する。従って、燃焼出力の基準値以上の上昇を発生させるLPガス残量低下を報知することができ、ガスボンベ交換を促すことができる。
【0012】
請求項4の発明の燃焼装置は、請求項1の発明において、前記出力検知手段としてLPガスの供給流量を調整するガス比例弁を有し、前記制御手段は、前記運転テーブルに基づいて前記燃焼運転を制御して前記目標出力となるように調整したときに、前記ガス比例弁の開度が基準開度から一定以上の減少補正がなされた場合に、前記燃焼出力が基準値以上上昇していると判定することを特徴としている。
上記構成によれば、運転テーブルに基づき燃焼運転を行い、目標出力となるように燃焼出力を調整する際に、燃焼出力を低下させるためガス比例弁の開度について運転テーブルに設定された基準開度から一定以上の減少補正をした場合には、燃焼出力が基準値以上上昇していると判定する。従って、燃焼出力の基準値以上の上昇を発生させるLPガス残量低下を報知することができ、ガスボンベ交換を促すことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の燃焼装置によれば、LPガス残量の低下を容易に検知してガスボンベの交換時期の到来を報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施例に係る燃焼装置を備えた給湯装置を示す図である。
【
図2】燃焼運転の条件が設定された運転テーブルの例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例0016】
燃料としてLPガスを燃焼させる燃焼装置について、この燃焼装置を有する給湯装置を例にして説明する。
図1に示すように、給湯装置1は、燃焼装置10と、燃焼装置10の燃焼熱を利用して湯水を加熱する熱交換部3と、熱交換部3に上水を供給する給水部4と、熱交換部3で加熱された湯水の温度を調整して出湯する出湯部5と、燃焼装置10の燃焼運転及び出湯部5の温度調整を制御する制御部6(制御手段)と、操作端末6aを有する。操作端末6aは、例えば給湯装置1の給湯目標温度の設定操作のために操作スイッチと表示部を有し、制御部6に接続されている。
【0017】
燃焼装置10は、燃料のLPガスを燃焼させる燃焼部が複数の燃焼段11a~11dで構成され、この燃焼部にLPガスを供給するガス供給部12と、燃焼部に燃焼用空気を供給する燃焼ファン13と、LPガスを燃焼させた燃焼排気を排気口14に導くために燃焼部を収容する缶体ケース15を備えている。
【0018】
ガス供給部12は、ガス通路12aと、ガス通路12aを開閉するガス通路開閉弁12bと、LPガスの供給流量を調整するガス比例弁16と、複数の燃焼段11a~11dへのLPガスの供給、停止を切り替える複数の燃焼段開閉弁17a~17dを有する。燃焼装置10は、複数の燃焼段11a~11dのうちの全段を燃焼させて燃焼出力を最大にする場合から、燃焼段11aの1段のみ燃焼させて燃焼出力を最小にする場合まで燃焼出力を調整可能であり、ガス比例弁16の開度調整により同じ燃焼段数でも燃焼出力を細かく調整することができる。この燃焼部の火炎の温度を検知する火炎温度センサ18が燃焼段11aの上方に配設されている。
【0019】
燃焼ファン13は、燃焼出力に応じて供給する燃焼用空気の流量を調整するために、制御部6によって回転数が調整される。缶体ケース15の外側には缶体温度センサ15aが装備され、例えばこの缶体温度センサ15aが異常な温度上昇(例えば50℃以上の上昇)を検知した場合に制御部6が燃焼を停止させて、安全を確保する。
【0020】
給水部4は、熱交換部3に上水を供給する給水通路4aと、上水の温度(給水温度)を検知する給水温度センサ4bと、熱交換部3に供給される上水の給水流量を検知する給水流量センサ4cを備えている。
【0021】
出湯部5は、熱交換部3で加熱された湯水を外部に供給する出湯通路5aと、給水通路4aの上水を出湯通路5aに供給するために給水通路4aから分岐されて出湯通路5aに接続されたバイパス通路7aと、バイパス通路7aの上水の流量を調整する流量調整弁7bを有する。出湯通路5aには、熱交換部3で加熱された湯水の温度を検知する第1出湯温度センサ5bと、バイパス通路7aから上水が混合されて温度調整された湯水の温度を検知する第2出湯温度センサ5cが装備されている。
【0022】
制御部6は、給水流量センサ4cが所定流量以上の流量を検知すると、この給水流量と給水温度と給湯目標温度に基づいて、燃焼装置10の燃焼運転の目標出力を設定する。そして、制御部6に記憶されている例えば
図2に示すような燃焼運転の運転テーブルに基づいて、燃焼させる燃焼段、ガス比例弁16の開度、燃焼ファン13の回転数を設定して燃焼運転を開始する。
【0023】
運転テーブルには、目標出力に応じた燃焼運転の基準運転条件として、例えば基準燃焼段数、ガス比例弁16の基準開度、燃焼ファン13の基準回転数、燃焼部の火炎の基準温度が定められている。基準運転条件は、目標出力が大きいほど燃焼させる燃焼段数、ガス比例弁16の開度、燃焼ファン13の回転数、燃焼部の火炎温度が夫々大きくなるように、所定の組成のLPガスを燃焼させる燃焼実験に基づいて予め設定されている。所定の組成のLPガスとしては、例えばプロパン90[mol%]、ブタン10[mol%]であるが、これに限定されるものではない。
【0024】
LPガスは、プロパンを主成分としてブタン等の炭化水素を含む混合ガスが、液化された状態でガスボンベに充填されている。LPガスは、このガスボンベから燃焼装置10に供給される。ガスボンベのLPガスの充填量は限られているので、燃料切れにならないようにガスボンベが交換される。
【0025】
プロパンはブタンよりも沸点が低いため気化し易いので、ガスボンベのLPガス残量が多いときには、供給されるLPガスに占めるプロパンの割合が多い。一方、ガスボンベのLPガス残量が少なくなるにつれて、LPガスの供給流量が同じでもプロパンの割合が減少し、ブタンの割合が増加する。
【0026】
気化したブタンは同量(同体積)の気化したプロパンよりも燃焼時の発熱が大きいので、LPガスの供給流量が一定の場合には、LPガス残量が少なくなるほど燃焼装置10の燃焼出力が上昇することになる。従って、制御部6は、この燃焼出力の基準値以上の上昇(例えば20%以上の上昇)を出力検知手段により検知することによって、LPガス残量が少なくなったと判定し、残量低下を報知してガスボンベ交換を促す。
【0027】
燃焼装置10は、火炎温度センサ18を装備しているので、例えばこの火炎温度センサ18を出力検知手段として利用する。
図2の運転テーブルには、燃焼運転時の燃焼部温度として火炎温度センサ18が検知すると想定される火炎の温度が、燃焼実験に基づいて基準温度として目標出力毎に予め設定されている。尚、缶体温度センサ15aを出力検知手段として利用してもよく、運転テーブルには目標出力毎に缶体温度センサ15aが検知すると想定される基準温度が予め設定されている。
【0028】
制御部6は、運転テーブルに基づく燃焼運転において、燃焼出力の増加により燃焼部の火炎温度が基準温度から一定温度以上上昇している場合に、LPガス残量が少なくなったと判定し、残量低下を報知する。例えば、目標出力が燃焼装置10の最大熱量の場合に、設定されている燃焼部の火炎の基準温度A[℃]に対して一定温度として30℃以上の上昇を検知すると、制御部6はLPガス残量が少なくなったことにより燃焼出力が基準値から一定以上上昇していると判定する。そして、制御部6は、操作端末6aからガスボンベの残量低下を例えば表示、音声出力によって報知する。一定温度は、燃焼出力が基準値だけ上昇した場合の上昇温度に相当し、例えば目標出力毎に実験によって予め設定されている。
【0029】
また、制御部6は、運転テーブルに基づいて燃焼運転を開始し、例えば燃焼部の火炎温度又は第1出湯温度センサ5bの検知温度に応じてガス比例弁16の開度、燃焼ファン13の回転数を調整して、燃焼出力を目標出力に合わせるように燃焼運転を制御する。制御部6は、この燃焼ファン13を出力検知手段として利用することもできる。例えば、ガスボンベのLPガス残量が少なくなって燃焼出力が上昇すると、制御部6は燃焼ファン13の回転数を減少補正して燃焼出力を低下させるように燃焼運転を制御する。
【0030】
燃焼ファン13の回転数について、運転テーブルに設定されている基準回転数から一定回転数以上減少させる減少補正がなされた場合に、制御部6は、LPガス残量が少なくなったことにより燃焼出力が基準値から一定以上上昇していると判定して、操作端末6aからガスボンベの残量低下を報知する。一定回転数の減少補正は、基準値だけ上昇した燃焼出力を目標出力に合わせる場合に減少させる燃焼ファン13の回転数に相当し、例えば目標出力毎に燃焼実験に基づいて予め設定されている。尚、回転数の減少割合を判定の基準にしてもよい。
【0031】
また、制御部6は、運転テーブルに基づいて燃焼運転を開始し、例えば燃焼部の火炎温度又は第1出湯温度センサ5bの検知温度に応じてガス比例弁16の開度、燃焼ファン13の回転数を調整して、燃焼出力を目標出力に合わせるように燃焼運転を制御する。制御部6は、このガス比例弁16を出力検知手段として利用することもできる。例えば、ガスボンベのLPガス残量が少なくなって燃焼出力が上昇すると、制御部6はガス比例弁16の開度を減少補正して燃焼出力を低下させるように燃焼運転を制御する。
【0032】
ガス比例弁16の開度について、運転テーブルに設定されている基準開度から一定開度以上減少させる減少補正がなされた場合に、制御部6は、LPガス残量が少なくなったことにより燃焼出力が基準値から一定以上上昇していると判定して、操作端末6aからガスボンベの残量低下を報知する。一定開度の減少補正は、基準値だけ上昇した燃焼出力を目標出力に合わせる場合に減少させるガス比例弁16の開度に相当する。例えば開度がステップ数で指定される場合には、ステップ数によって一定開度が目標出力毎に燃焼実験に基づいて予め設定されている。尚、開度の減少割合を判定の基準にしてもよい。
【0033】
給湯装置1は、燃焼装置10の燃焼熱を利用して、熱交換部3で上水を加熱し、出湯部5で加熱された湯水に上水を混合して温度調整した湯水を外部に供給する。制御部6は、給湯目標温度の湯水を外部に供給するための燃焼装置10の目標出力に応じて、燃焼装置10の燃焼出力及び湯水の温度調整のために上水を混合する混合比を調整する。
【0034】
制御部6は、燃焼運転の運転テーブルに基づいて燃焼運転を開始し、給水流量と給水温度と熱交換部3で加熱された湯水温度によって制御部6が算出する燃焼出力と目標出力との差を小さくするように燃焼運転を制御する。制御部6は、この給水流量と給水温度と熱交換部3で加熱された湯水温度を検知する給水流量センサ4cと給水温度センサ4bと第1出湯温度センサ5bを出力検知手段として利用することもできる。例えば、ガスボンベのLPガス残量が少なくなると算出される燃焼出力が上昇するので、制御部6は、目標出力に対して燃焼出力の基準値以上の上昇があった場合にLPガス残量が低下したと判定して、残量低下の報知を行う。
【0035】
上記燃焼装置10の作用、効果について説明する。
燃焼装置10の制御部6は、運転テーブルに基づいて燃焼運転を行ったときに、出力検知手段(火炎温度センサ18、燃焼ファン13、ガス比例弁16)によって検知される燃焼出力が基準値以上上昇している場合に、ガスボンベのLPガス残量が低下して少なくなっていることを報知する。LPガスは、ガスボンベのLPガス残量が少なくなって交換時期が近づくと、主成分のプロパンに対して発熱量が大きいブタンの割合が増加する。そのため、運転テーブルに基づく燃焼運転よりも燃焼出力が増加するので、制御部6は出力検知手段によって燃焼出力を検知することにより、LPガスの残量が少なくなっていることを検知することができ、LPガス残量低下を報知することによりガスボンベの交換時期の到来を報知してガスボンベ交換を促すことができる。
【0036】
制御部6は、運転テーブルに基づき燃焼運転を行い、燃焼部の温度として火炎温度センサ18の運転テーブルに設定された基準温度よりも一定以上上昇している場合、燃焼出力が基準値以上上昇していると判定する。従って、制御部6は、燃焼出力の基準値以上の上昇を発生させるLPガス残量低下を報知することができ、ガスボンベ交換を促すことができる。
【0037】
制御部6は、運転テーブルに基づき燃焼運転を行い、目標出力となるように燃焼出力を調整する際に、燃焼出力を低下させるため燃焼ファン13の回転数について運転テーブルに設定された基準回転数から一定以上の減少補正をした場合には、燃焼出力が基準値以上上昇していると判定する。従って、制御部6は、燃焼出力の基準値以上の上昇を発生させるLPガス残量低下を報知することができ、ガスボンベ交換を促すことができる。
【0038】
制御部6は、運転テーブルに基づき燃焼運転を行い、目標出力となるように燃焼出力を調整する際に、燃焼出力を低下させるためガス比例弁16の開度について運転テーブルに設定された基準開度から一定以上の減少補正をした場合には、燃焼出力が基準値以上上昇していると判定する。従って、制御部6は、燃焼出力の基準値以上の上昇を発生させるLPガス残量低下を報知することができ、ガスボンベ交換を促すことができる。
【0039】
燃焼装置10は、例えばガスファンヒータのような暖房装置に搭載されてもよい。その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく上記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。