(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062815
(43)【公開日】2023-05-09
(54)【発明の名称】電子装置、電子装置の製造方法及び圧着装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20230427BHJP
【FI】
H01L21/60 311Q
H01L21/60 311T
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021172929
(22)【出願日】2021-10-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000221926
【氏名又は名称】東北パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】大峡 秀隆
【テーマコード(参考)】
5F044
【Fターム(参考)】
5F044KK01
5F044KK21
5F044KK23
5F044LL09
5F044PP16
5F044PP17
(57)【要約】
【課題】圧着部と、当該圧着部によって基板に接合された素子と、の対応関係を簡易に識別する。
【解決手段】第1圧着部520Aによって第1接合部110A及び第2接合部210Aが第1樹脂膜300Aを介して熱圧着される際、第1部分522Aは、第1周縁領域310Aの第1領域312Aの上面を下方に向けて押圧している。第1圧着部520Aによって第1接合部110A及び第2接合部210Aが第1樹脂膜300Aを介して熱圧着される際、第2部分524Aは、第1周縁領域310Aの第2領域314Aと鉛直方向に重なっている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
導電粒子を含有する樹脂膜を介して前記基板と接合した素子と、
を備え、
前記樹脂膜における前記基板と前記素子とが重なり合う領域の外側に位置する部分が、圧痕が存在する第1領域と、前記第1領域の厚みより厚みが厚い第2領域と、を有する、電子装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電子装置において、
前記第2領域が前記樹脂膜の外縁の一部分を含んでいる、電子装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電子装置において、
前記第1領域の厚みが前記第2領域の厚みの1%以上50%以下である、電子装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の電子装置において、
前記第2領域の前記樹脂膜の硬化度が前記第1領域の前記樹脂膜の硬化度より低い、電子装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の発光装置において、
前記基板が、発光装置の基板である、電子装置。
【請求項6】
導電粒子を含有する樹脂膜を介して基板と素子とを圧着部によって接合する工程を備え、
前記圧着部が、
前記樹脂膜における前記基板と前記素子とが重なり合う領域の外側に位置する第1領域を押圧する第1部分と、
前記樹脂膜における前記基板と前記素子とが重なり合う領域の外側に位置する第2領域と重なり、前記第1部分の押圧方向に対して前記第1部分より凹んだ第2部分と、
を有する、電子装置の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の電子装置の製造方法において、
前記第2部分が前記圧着部の外縁の切欠きによって画定されている、電子装置の製造方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の電子装置の製造方法において、
前記第2部分の位置及び構成の少なくとも一方が互いに異なる複数の前記圧着部が用いられる、電子装置の製造方法。
【請求項9】
導電粒子を含有する樹脂膜を介して基板と素子とを接合する圧着部を備え、
前記圧着部が、
前記樹脂膜における前記基板と前記素子とが重なり合う領域の外側に位置する第1領域を押圧する第1部分と、
前記樹脂膜における前記基板と前記素子とが重なり合う領域の外側に位置する第2領域と重なり、前記第1部分の押圧方向に対して前記第1部分より凹んだ第2部分と、を有する、圧着装置。
【請求項10】
請求項9に記載の圧着装置において、
前記第2部分が前記圧着部の外縁の切欠きによって画定されている、圧着装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の圧着装置において、
前記第2部分の位置及び構成の少なくとも一方が互いに異なる複数の前記圧着部を備える圧着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置、電子装置の製造方法及び圧着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
圧着装置によって、異方性導電膜(ACF)等の樹脂膜を介して、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイの基板にFPC(Flexible Printed Circuit)、IC(集積回路)チップ等の素子を接合させることがある。
【0003】
特許文献1には、圧着装置の一例について記載されている。当該圧着装置は、複数の圧着部を備えている。各圧着部は、ACFを介して素子を基板に向けて押圧している。したがって、複数の圧着部によって、複数の素子を複数の基板に同時に接合することができる。
【0004】
特許文献2には、圧着装置の圧着の品質を管理するシステムの一例について記載されている。当該システムは、素子と、素子を所定の供給部から所定のピックアップ位置まで移送するノズルと、の対応関係が記録されたデータを作成している。当該システムは、このデータを参照することで、供給部からピックアップ位置までに素子が移動した経路を特定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-201188号公報
【特許文献2】特開2012-186260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
圧着装置の圧着には、一定の品質が要求されることがある。例えば特許文献1に記載されているように、複数の圧着部によって複数の素子を複数の基板に接合する場合、複数の圧着部の各々について、圧着の均一性等の一定の品質が要求される。圧着部の圧着の品質を管理するため、圧着部と、当該圧着部によって基板に接合された素子と、の対応関係を識別することが必要な場合がある。当該対応関係を識別するため、例えば特許文献2に記載されているように、当該対応関係が記録されたデータを参照することがある。しかしながら、この場合、当該データをメモリに記憶することが必要になったり、メモリから当該データを読み出すことが必要になったりする等、上記対応関係を識別するための処理が比較的複雑になり得る。
【0007】
本発明が解決しようとする課題としては、圧着部と、当該圧着部によって基板に接合された素子と、の対応関係を簡易に識別することが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、
基板と、
導電粒子を含有する樹脂膜を介して前記基板と接合した素子と、
を備え、
前記樹脂膜における前記基板と前記素子とが重なり合う領域の外側に位置する部分が、圧痕が存在する第1領域と、前記第1領域の厚みより厚みが厚い第2領域と、を有する、電子装置である。
【0009】
請求項6に記載の発明は、
導電粒子を含有する樹脂膜を介して基板と素子とを圧着部によって接合する工程を備え、
前記圧着部が、
前記樹脂膜における前記基板と前記素子とが重なり合う領域の外側に位置する第1領域を押圧する第1部分と、
前記樹脂膜における前記基板と前記素子とが重なり合う領域の外側に位置する第2領域と重なり、前記第1部分の押圧方向に対して前記第1部分より凹んだ第2部分と、
を有する、電子装置の製造方法である。
【0010】
請求項9に記載の発明は、
導電粒子を含有する樹脂膜を介して基板と素子とを接合する圧着部を備え、
前記圧着部が、
前記樹脂膜における前記基板と前記素子とが重なり合う領域の外側に位置する第1領域を押圧する第1部分と、
前記樹脂膜における前記基板と前記素子とが重なり合う領域の外側に位置する第2領域と重なり、前記第1部分の押圧方向に対して前記第1部分より凹んだ第2部分と、を有する、圧着装置である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る電子装置の一部分の平面図である。
【
図2】実施形態に係る電子装置の一部分の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0013】
本明細書において「AがB上に位置する」という表現は、例えば、AとBの間に他の要素(例えば、層)が位置せずにAがB上に直接位置することを意味してもよいし、又はAとBの間に他の要素(例えば、層)が部分的又は全面的に位置することを意味してもよい。さらに、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」及び「後ろ」等の向きを示す表現は、基本的に図面の向きと合わせて用いるものであって、例えば本明細書に記載された発明品の使用する向きに限定して解釈されるものではない。
【0014】
本明細書において「A及びBが重なる」という表現は、特に断らない限り、ある方向からの投影像において、Aの少なくとも一部がBの少なくとも一部と同じ場所にあることを意味する。このとき複数の要素同士は直接接していてもよいし、又は離間していてもよい。
【0015】
本明細書において「Aの外側」という表現は、特に断らない限り、Aの縁を境にAが位置しない側の部分のことを意味する。
【0016】
本明細書において「Aの端」という表現は、一方向から見たときのAとその他の要素との境界を意味し、「Aの端部」という表現は、当該境界を含むAの一部の領域を意味し、「Aの端点」という表現は、当該境界のある一点を意味する。
【0017】
本明細書における「発光装置」とは、ディスプレイや照明等の発光素子を有するデバイスを含む。また、発光素子と直接的、間接的又は電気的に接続された配線、IC(集積回路)又は筐体等も「発光装置」に含む場合もある。
【0018】
本明細書において「接続」とは、複数の要素が直接的又は間接的を問わずに接続している状態を表す。例えば、複数の要素の間に接着剤又は接合部材が介して接続している場合も単に「複数の要素は接続している」と表現することがある。また、複数の要素の間に、電流、電圧又は電位を供給可能又は伝送可能な部材が存在しており、「複数の要素が電気的に接続している」場合も単に「複数の要素は接続している」と表現することがある。
【0019】
本明細書において、特に断りがない限り「第1、第2、A、B、(a)、(b)」等の表現は要素を区別するためのものであり、その表現により該当要素の本質、順番、順序又は個数等が限定されるものではない。
【0020】
本明細書において、各部材及び各要素は単数であってもよいし、又は複数であってもよい。ただし、文脈上、「単数」又は「複数」が明確になっている場合はこれに限らない。
【0021】
本明細書において、「AがBを含む」という表現は、特に断らない限り、AがBのみによって構成されていることに限定されず、AがB以外の要素によって構成され得ることを意味する。
【0022】
本明細書において「断面」とは、特に断らない限り、発光装置を画素や発光材料等が積層した方向に切断したときに現れる面を意味する。
【0023】
本明細書において「有さない」、「含まない」、「位置しない」等の表現は、ある要素が完全に排除されていることを意味してもよいし、又はある要素が技術的な効果を有さない程度に存在していることを意味してもよい。
【0024】
本明細書において、「~後に」、「~に続いて」、「~次に」、「~前に」等の時間的前後関係を説明する表現は、相対的な時間関係を表しているものであり、時間的前後関係が用いられた各要素が必ずしも連続しているとは限らない。各要素が連続していることを表現する場合、「直ちに」又は「直接」等の表現を用いることがある。
【0025】
本明細書において「Aを加熱する」という表現は、Aに熱が加わることを意味しており、Aのみを加熱することに限定されない。当該表現は、例えば、Aを含む要素が加熱されることを意味してもよい。また、「加熱する」とは故意的又は人為的に熱を加えることを意味し、Aの周囲の雰囲気の単なる温度変化は含まない。
【0026】
図1は、実施形態に係る第1電子装置10Aの一部分の平面図である。
図2は、実施形態に係る第1電子装置10Aの一部分の側面図である。
図3は、
図1のA-A´断面図である。
【0027】
図1~
図3において、第1方向X、第2方向Y又は第3方向Zを示す矢印は、当該矢印の基端から先端に向かう方向が当該矢印によって示される方向の正方向であり、当該矢印の先端から基端に向かう方向が当該矢印によって示される方向の負方向であることを示している。第1方向X又は第3方向Zを示す黒点付き白丸は、紙面の奥から手前に向かう方向が当該白丸によって示される方向の正方向であり、紙面の手前から奥に向かう方向が当該白丸によって示される方向の負方向であることを示している。第2方向Yを示すX付き白丸は、紙面の手前から奥に向かう方向が当該白丸によって示される方向の正方向であり、紙面の奥から手前に向かう方向が当該白丸によって示される方向の負方向であることを示している。
【0028】
第1方向Xは、後述する第1素子200Aの短手方向に平行な方向となっている。第2方向Yは、第1方向Xに直交している。また、第2方向Yは、第1素子200Aの長手方向に平行な方向となっている。第3方向Zは、第1方向X及び第2方向Yの双方に直交している。第3方向Zの正方向は、後述する第1基板100Aと第1素子200Aとが重なり合っている領域において第1基板100Aが位置する側から第1素子200Aが位置する側に向かう方向となっている。第3方向Zの負方向は、第1基板100Aと第1素子200Aとが重なり合っている領域において第1素子200Aが位置する側から第1基板100Aが位置する側に向かう方向となっている。
【0029】
第1電子装置10Aは、第1基板100A、第1素子200A及び第1樹脂膜300Aを備えている。
【0030】
本実施形態において、第1基板100Aは、発光装置の基板である。より具体的には、第1基板100Aは、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイの基板である。第1基板100Aは、例えば、ガラス基板、樹脂基板等である。第1基板100Aは、第1接合部110Aを有している。第1接合部110Aは、第1樹脂膜300Aを介して第1素子200Aに接合されている。本実施形態において、第1接合部110Aは、第1基板100Aの第2方向Yの正方向側の端部に位置している。本実施形態において、第1基板100Aの発光領域は、例えば、第1接合部110Aに対して第2方向Yの負方向側に位置している。なお、第1基板100Aは、OLEDディスプレイの基板に限定されない。例えば、第1基板100Aは、液晶ディスプレイ(LCD)の基板であってもよい。また、第1基板100Aは、発光装置の基板に限定されない。例えば、第1基板100Aは、半導体装置の基板であってもよい。例えば、第1基板100Aは、プリント回路板(PCB)であってもよい。
【0031】
本実施形態において、第1素子200Aは、電子素子である。より具体的には、第1素子200Aは、FPC(Flexible Printed Circuit)である。第1素子200Aは、第2接合部210Aを有している。第2接合部210Aは、第1樹脂膜300Aを介して第1基板100Aに接合されている。本実施形態において、第2接合部210Aは、第1素子200Aの第2方向Yの負方向側の端部に位置している。また、第2接合部210Aは、第1接合部110Aと第3方向Zに重なっている。なお、第1素子200Aは、FPCに限定されない。例えば、第1素子200Aは、IC(集積回路)チップであってもよい。この例においては、第1素子200Aの第3方向Zの負方向側の面のほぼ全体が第1樹脂膜300Aを介して第1基板100Aに接合されている。
【0032】
図3に示すように、第1樹脂膜300Aの第3方向Zの負方向側の面は、第1接合部110Aにおける第1基板100Aの第3方向Zの正方向側の面に接合されている。具体的には、第1樹脂膜300Aの第3方向Zの負方向側の面は、第1接合部110Aにおける第1基板100Aの第3方向Zの正方向側の面に接着されている。また、第1樹脂膜300Aの第3方向Zの正方向側の面は、第2接合部210Aにおける第1素子200Aの第3方向Zの負方向側の面に接合されている。具体的には、第1樹脂膜300Aの第3方向Zの正方向側の面は、第2接合部210Aにおける第1素子200Aの第3方向Zの負方向側の面に接着されている。これによって、第1接合部110A及び第2接合部210Aは、第1樹脂膜300Aを介して接合されている。具体的には、第1接合部110A及び第2接合部210Aは、第1樹脂膜300Aを介して接着されている。
【0033】
第1樹脂膜300Aは、導電粒子を含有している。本実施形態において、第1樹脂膜300Aは、異方性導電膜(ACF)である。
図3に示すように、第1接合部110Aにおける第1基板100Aの第3方向Zの正方向の面側には、複数の第1端子112Aが設けられている。第2接合部210Aにおける第1素子200Aの第3方向Zの負方向の面側には、複数の第2端子212Aが設けられている。第3方向Zに重なる第1端子112A及び第2端子212Aの間に存在する導電粒子は、第3方向Zに重なる第1端子112A及び第2端子212Aを電気的に接続する電気的経路を形成している。例えば、第3方向Zに重なる第1端子112A及び第2端子212Aの間に存在する導電粒子が、第1端子112Aの第3方向Zの正方向側の面と、第2端子212Aの第3方向Zの負方向側の面と、の双方に接触している。したがって、第3方向Zに重なる第1端子112A及び第2端子212Aの間では、第3方向Zに重なる第1端子112A及び第2端子212Aの間に存在する導電粒子を介して電流が流れるようにすることができる。これに対して、第3方向Zに垂直な方向に隣り合う第1端子112Aの間に存在する導電粒子は、第3方向Zに垂直な方向に隣り合う第1端子112Aを電気的に接続する電気的経路を形成していない。例えば、第3方向Zに垂直な方向に隣り合う第1端子112Aの間に存在する導電粒子が、第3方向Zに垂直な方向に隣り合う第1端子112Aのいずれにも接触していない。したがって、第3方向Zに垂直な方向に隣り合う第1端子112Aの間では、電流が流れないようにすることができる。同様にして、第3方向Zに垂直な方向に隣り合う第2端子212Aの間と、第3方向Zに重なり合っていない第1端子112A及び第2端子212Aの間と、では電流が流れないようにすることができる。
【0034】
図1及び
図2に示すように、第1樹脂膜300Aは、第1周縁領域310Aを有している。第1周縁領域310Aは、第1接合部110Aと第2接合部210Aとが第3方向Zに重なり合う領域の外側に位置している。
図1に示すように、本実施形態において、第1周縁領域310Aは、第2接合部210Aの第1方向Xの両側の外縁の外側に位置している。なお、第1周縁領域310Aが設けられる位置は、本実施形態に係る位置に限定されない。例えば第1素子200AがICチップである場合、第1周縁領域310Aは、第1素子200Aの第3方向Zの負方向側の面の全周囲に位置している。
【0035】
図4は、実施形態に係る圧着装置50の斜視図である。
【0036】
図4において、第3方向Zは、鉛直方向に平行な方向である。具体的には、第3方向Zの正方向は、鉛直方向の下方から上方に向かう方向である。第3方向Zの負方向は、鉛直方向の上方から下方に向かう方向である。第1方向X及び第2方向Yは、鉛直方向に垂直な水平方向に平行な方向である。
【0037】
図4に示すように、圧着装置50は、受部510、第1圧着部520A及び第2圧着部520Bを備えている。
【0038】
受部510は、第1方向Xに延伸している。受部510の上面は、水平方向に略平行に略平坦な面となっている。
【0039】
第1圧着部520Aは、受部510の上方に位置している。第1圧着部520Aの下面は、水平方向に略平行に略平坦な面となっている。第1圧着部520Aは、鉛直方向に可動になっている。
図4に示す例では、第1圧着部520Aの下方に第1基板100A、第1素子200A及び第1樹脂膜300Aが配置されている。第1圧着部520Aは、第1樹脂膜300Aを介して第1基板100Aと第1素子200Aとを接合して第1電子装置10Aを製造するために用いられている。
【0040】
第2圧着部520Bは、第1圧着部520Aに対して第1方向Xの正方向側に位置している。第2圧着部520Bは、受部510の上方に位置している。第2圧着部520Bの下面は、水平方向に略平行に略平坦な面となっている。第2圧着部520Bは、鉛直方向に可動になっている。
図4に示す例では、第2圧着部520Bの下方に第2基板100B、第2素子200B及び第2樹脂膜300Bが配置されている。第2圧着部520Bは、第2樹脂膜300Bを介して第2基板100Bと第2素子200Bとを接合して第2電子装置10Bを製造するために用いられている。
【0041】
図4を参照して、第1圧着部520Aによって、第1樹脂膜300Aを介して第1基板100Aと第1素子200Aとを接合する方法について説明する。
【0042】
まず、第1樹脂膜300Aを介して第1接合部110Aと第2接合部210Aとを鉛直方向に重ねる。この時点において、第1樹脂膜300Aは、未硬化状態である。鉛直方向から見て、第1樹脂膜300Aは、略四角形形状となっている。また、この時点において、第1樹脂膜300Aは、第1周縁領域310Aを有している。第1周縁領域310Aは、第1樹脂膜300Aを介して第1接合部110Aと第2接合部210Aとが鉛直方向に重なり合う領域の水平方向の外側に位置している。具体的には、第1周縁領域310Aは、第2接合部210Aの第1方向Xの両側の外縁の外側に位置している。
【0043】
次いで、第1接合部110Aを受部510の上面に設置することで、第1接合部110Aにおける第1基板100Aの下面を受部510の上面に接触させる。また、第1接合部110Aを第2接合部210Aに設置した状態で第1圧着部520Aを下方に向けて移動させることで、第2接合部210Aにおける第1素子200Aの上面を第1圧着部520Aの下面に接触させる。
【0044】
次いで、第1接合部110Aが受部510の上面に設置された状態で第1圧着部520Aによって第2接合部210Aを下方に向けて押圧する。これによって、第1樹脂膜300Aは、受部510の上面と、第1圧着部520Aの下面と、によって鉛直方向に加圧される。また、第1圧着部520Aは所定温度に加熱されている。したがって、第1樹脂膜300Aは、第1圧着部520Aの下面によって加熱される。これによって、第1接合部110Aにおける第1基板100Aの上面と、第2接合部210Aにおける第1素子200Aの下面と、が第1樹脂膜300Aを介して熱圧着される。さらに、
図3を用いて説明したように、第3方向Zに重なる第1端子112A及び第2端子212Aの間に存在する導電粒子を介して、第3方向Zに重なる第1端子112A及び第2端子212Aを電気的に接続することができる。
【0045】
第1圧着部520Aによって第2接合部210Aを下方に向けて押圧する場合、受部510は、加熱されていてもよいし、又は加熱されていなくてもよい。受部510が加熱されている場合、受部510の上面によって第1樹脂膜300Aを加熱することができる。
【0046】
次いで、第1圧着部520Aを上方に向けて移動させ、第1基板100Aを受部510から移動させる。これによって、第1接合部110A及び第2接合部210Aが第1樹脂膜300Aを介して接合された第1電子装置10Aが圧着装置50から取り出される。
【0047】
本実施形態において、第1圧着部520Aによって第1接合部110A及び第2接合部210Aが第1樹脂膜300Aを介して熱圧着される際、第1圧着部520Aの下面は、第2接合部210Aの上面だけでなく、第1周縁領域310Aの上面の一部分も下方に向けて押圧している。これによって、第1周縁領域310Aには、
図1に示す第1領域312A及び第2領域314Aが形成される。
【0048】
以下、
図1、
図2及び
図4を参照して、第1領域312A及び第2領域314Aの詳細について説明する。
【0049】
図4に示すように、第1圧着部520Aは、第1部分522A及び第2部分524Aを有している。本実施形態において、第1部分522Aは、第1圧着部520Aの下面の第1方向Xの負方向側の端部と、第1圧着部520Aの下面の第1方向Xの正方向側の端部の第2部分524Aを除いた部分と、に設けられている。第2部分524Aは、第1圧着部520Aの下面の第1方向Xの正方向側かつ第2方向Yの正方向側の角に設けられている。
【0050】
第1圧着部520Aによって第1接合部110A及び第2接合部210Aが第1樹脂膜300Aを介して熱圧着される際、第1部分522Aは、第1周縁領域310Aの第1領域312Aの上面を下方に向けて押圧している。したがって、第1領域312Aは、受部510の上面と、第1部分522Aにおける第1圧着部520Aの下面と、によって鉛直方向に加圧される。また、第1領域312Aは、第1部分522Aにおける第1圧着部520Aの下面によって加熱される。これによって、第1領域312Aの下面は、第1基板100Aの上面に接合される。また、第1領域312Aの上面には、第1部分522Aによって圧痕が形成される。第1領域312Aの上面に形成された圧痕は、第1圧着部520Aの熱圧着後も存在したままとなる。なお、第1領域312Aは、受部510の上面によって加熱されてもよいし、又は加熱されてなくてもよい。
【0051】
第1圧着部520Aによって第1接合部110A及び第2接合部210Aが第1樹脂膜300Aを介して熱圧着される際、第2部分524Aは、第1周縁領域310Aの第2領域314Aと鉛直方向に重なっている。第2部分524Aは、第1部分522Aの押圧方向に対して第1部分522Aより凹んでいる。本実施形態において、第1部分522Aの押圧方向は、鉛直方向の下方向である。また、第2部分524Aは、第1部分522Aよりも上方に向けて凹んでいる。これによって、第2部分524Aは、第1圧着部520Aの下面の第1凹部526Aを画定している。第1圧着部520Aによって第2接合部210Aが下方に向けて押圧された状態において、第2領域314Aの上面は、第1凹部526Aによって覆われる。したがって、第2領域314Aの上面は、第1領域312Aの上面と比較して、第1圧着部520Aから下方向の押圧を受けない。また、第2領域314Aの上面は、第1領域312Aの上面と比較して、第1圧着部520Aから加熱を受けない。これによって、第2領域314Aの上面には、第1領域312Aの上面と比較して、圧痕が形成されなくなっている。
【0052】
第1凹部526Aの第3方向Zの深さは、例えば、第1圧着部520Aによって第1樹脂膜300Aが押圧される前の第1樹脂膜300Aの第3方向Zの厚さより深くしてもよい。この場合、第1圧着部520Aによって第1接合部110A及び第2接合部210Aが第1樹脂膜300Aを介して熱圧着される際、第1凹部526Aの底面が第2領域314Aの上面に接触しなくさせることができる。
【0053】
本実施形態において、第1領域312Aの位置及び第2領域314Aの位置は、第1圧着部520Aによって第1樹脂膜300Aが押圧されるときの第1部分522Aの位置及び第2部分524Aの位置によってそれぞれ調整することができる。具体的には、第1領域312Aの位置は、第1圧着部520Aによって第1樹脂膜300Aが押圧されるときの第1部分522Aと鉛直方向に重なる位置である。また、第2領域314Aの位置は、第1圧着部520Aによって第1樹脂膜300Aが押圧されるときの第2部分524Aと鉛直方向に重なる位置である。
【0054】
本実施形態において、第1凹部526Aは、第1圧着部520Aの下面の外縁に設けられた切欠きによって画定されている。具体的には、第1凹部526Aは、第1圧着部520Aの下面の第1方向Xの正方向側かつ第2方向Yの正方向側の角に設けられた切欠きによって画定されている。したがって、第2領域314Aは、第1凹部526Aの位置に対応して、第2領域314Aの第3方向Zの正方向側の面の外縁の一部分を含んでいる。具体的には、第2領域314Aは、第1樹脂膜300Aの第1方向Xの正方向側かつ第2方向Yの正方向側の角に設けられている。また、第1領域312Aは、第1周縁領域310Aの第2領域314Aを除く部分に設けられている。具体的には、第1領域312Aは、第2接合部210Aに対して第1方向Xの負方向側に位置する第1周縁領域310Aと、第2接合部210Aに対して第1方向Xの正方向側に位置する第1周縁領域310Aの第2領域314Aを除く部分と、に設けられている。
【0055】
第1圧着部520Aの下面の外縁に切欠きを設けるために必要なコストは、第1圧着部520Aの下面の外縁の内側の領域に凹部を設けるために必要なコストよりも低くすることができる。したがって、本実施形態においては、第1圧着部520Aの下面の外縁の内側の領域に第1凹部526Aを設ける場合と比較して、第1凹部526Aを低コストで設けることができる。
【0056】
第1凹部526Aが設けられる位置は、上述した例に限定されない。例えば、第1凹部526Aは、第1圧着部520Aの下面の外縁よりも内側の領域に設けられていてもよい。この場合、第2領域314Aは、第1樹脂膜300Aの第3方向Zの正方向側の面の外縁の内側に設けられる。また、下方から見て、第1凹部526Aの形状は、文字、数字、図形、記号等の所定の情報を示す形状であってもよい。この例において、第3方向Zの正方向から見て、第2領域314Aの形状は、第1凹部526Aの形状に対応して、所定の情報を示す形状となる。
【0057】
次に、第1圧着部520Aによって第1樹脂膜300Aを介して第1接合部110A及び第2接合部210Aが接合された後の第1領域312A及び第2領域314Aの比較を説明する。
【0058】
第1部分522Aの押圧によって、第1領域312Aの第3方向Zの厚みは、第1圧着部520Aよって押圧される前の第1樹脂膜300Aの第3方向Zの厚みより薄くなっている。これに対して、第2領域314Aの第3方向Zの厚みは、第1圧着部520Aによって押圧される前の第1樹脂膜300Aの第3方向Zの厚みとほとんど等しくなっている。したがって、第2領域314Aの第3方向Zの厚みは、第1領域312Aの第3方向Zの厚みより厚くなっている。
【0059】
第1領域312Aの第3方向Zの厚みは、第2領域314Aの第3方向Zの厚みの例えば1%以上50%以下となっている。第1領域312Aの当該厚みが当該範囲の下限以上である場合、第1領域312Aの当該厚みが当該範囲の下限未満である場合と比較して、第1部分522Aの熱圧着による第1領域312Aの樹脂の損傷を抑制することができる。第1領域312Aの当該厚みが当該範囲の上限以下である場合、第1領域312Aの当該厚みが当該範囲の上限より大きい場合と場合と比較して、第1部分522Aの熱圧着によって第1領域312Aの樹脂をより確実に硬化させることができる。また、第1領域312Aの当該厚みが当該範囲の上限以下である場合、第1領域312Aの当該厚みが当該範囲の上限より大きい場合と場合と比較して、第3方向Zに重なる第1端子112A及び第2端子212Aにおける第1端子112Aの第3方向Zの正方向側の面と第2端子212Aの第3方向Zの負方向側の面との間での導電粒子を介した電気的接続をより確実にすることができる。
【0060】
第1領域312Aの第3方向Zの正方向側の面の外縁は、第1圧着部520Aによって押圧される前の第1樹脂膜300Aの第3方向Zの正方向側の面の外縁より外側に広がっている。これに対して、第2領域314Aの第3方向Zの正方向側の面の外縁は、第1領域312Aの第3方向Zの正方向側の面の外縁と比較して、第1圧着部520Aによって押圧される前の第1樹脂膜300Aの第3方向Zの正方向側の面の外縁からほとんど外側に広がっていない。
【0061】
第1部分522Aの加熱によって、第1領域312Aにおける第1樹脂膜300Aは、硬化された状態となっている。これに対して、第2領域314Aにおける第1樹脂膜300Aは、第1領域312Aにおける第1樹脂膜300Aと比較して、硬化されていない状態となっている。すなわち、第2領域314Aにおける第1樹脂膜300Aの硬化度は、第1領域312Aにおける第1樹脂膜300Aの硬化度より低くなっている。
【0062】
次に、
図4を参照して、第2圧着部520Bによって、第2樹脂膜300Bを介して第2基板100Bと第2素子200Bとを接合する方法について説明する。第2圧着部520Bは、以下の点を除いて、第1圧着部520Aと同様である。
【0063】
第2電子装置10Bにおいても、第1電子装置10Aと同様にして、第2圧着部520Bによって第2基板100Bの第3接合部110B及び第2素子200Bの第4接合部210Bが第2樹脂膜300Bを介して熱圧着される。
【0064】
第2樹脂膜300Bは、第2周縁領域310Bを有している。第1周縁領域310Aと同様にして、第2周縁領域310Bは、第4接合部210Bの第1方向Xの両側の外縁の外側に位置している。第2周縁領域310Bは、第3領域312B及び第4領域314Bを含んでいる。
【0065】
第2圧着部520Bは、第3部分522B及び第4部分524Bを有している。第2圧着部520Bによって第3接合部110B及び第4接合部210Bが第2樹脂膜300Bを介して熱圧着される際、第3部分522Bにおける第2圧着部520Bの下面は、第3領域312Bの上面を下方に向けて押圧する。また、第2圧着部520Bによって第3接合部110B及び第4接合部210Bが第2樹脂膜300Bを介して熱圧着される際、第4部分524Bは、第4領域314Bと鉛直方向に重なる。第4部分524Bは、第2凹部526Bを画定している。
【0066】
第2圧着部520Bにおいて第4部分524Bが設けられる位置は、第1圧着部520Aにおいて第2部分524Aが設けられる位置と異なっている。具体的には、第4部分524Bは、第2圧着部520Bの下面の第1方向Xの正方向側かつ第2方向Yの負方向側の角に設けられている。また、第3部分522Bは、第2圧着部520Bの下面の第1方向Xの負方向側の端部と、第2圧着部520Bの下面の第1方向Xの正方向側の端部の第4部分524Bを除く部分と、に設けられている。
【0067】
第2圧着部520Bにおいて第4部分524Bが設けられる位置に応じて、第2樹脂膜300Bにおいて第4領域314Bが設けられる位置が第1樹脂膜300Aにおいて第2領域314Aが設けられる位置と異なっている。具体的には、第4領域314Bは、第2樹脂膜300Bの第1方向Xの正方向側かつ第2方向Yの負方向側の角に設けられる。また、第3領域312Bは、第2周縁領域310Bの第4領域314Bを除く部分に設けられる。具体的には、第3領域312Bは、第2素子200Bの第4接合部210Bに対して第1方向Xの負方向側に位置する第2周縁領域310Bと、第4接合部210Bに対して第1方向Xの正方向側に位置する第2周縁領域310Bの第4領域314Bを除く部分と、に設けられる。
【0068】
第1圧着部520A及び第2圧着部520Bは、略同時に下方に向けて移動させることができる。これによって、第2接合部210A及び第4接合部210Bを、それぞれ、第1接合部110A及び第3接合部110Bに略同時に接合することができる。したがって、圧着装置50が単一の圧着部しか備えない場合と比較して、単位時間当たりに製造される電子装置の数を多くすることができる。なお、圧着装置50に設けられる圧着部の数は、第1圧着部520A及び第2圧着部520Bの2つに限定されない。圧着装置50に設けられる圧着部の数は3つ以上であってもよい。また、圧着装置50に設けられる圧着部の数は1つのみであってもよい。
【0069】
本実施形態によれば、第1樹脂膜300Aにおいて第2領域314Aが設けられた位置から、第1樹脂膜300Aが第1圧着部520Aによって熱圧着されたことを識別することができる。また、第2樹脂膜300Bにおいて第4領域314Bが設けられた位置から、第2樹脂膜300Bが第2圧着部520Bによって熱圧着されたことを識別することができる。すなわち、樹脂膜における圧着部の熱圧着を比較的受けていない領域の位置から、圧着部と、当該圧着部によって基板に接合された素子と、の対応関係を識別することができる。したがって、当該対応関係を比較的簡易に識別することができる。
【0070】
上述した例では、樹脂膜における圧着部の熱圧着を比較的受けていない領域の位置から、圧着部と、当該圧着部によって基板に接合された素子と、の対応関係を識別している。しかしながら、当該対応関係を識別する方法は、上述した例に限定されない。例えば、第2領域314Aの形状、寸法等の構成と、第4領域314Bの形状、寸法等の構成と、が異なっていてもよい。この場合、樹脂膜における圧着部の熱圧着を比較的受けていない領域の形状、寸法等の構成から、上記対応関係を識別することができる。
【0071】
樹脂膜における圧着部の熱圧着を比較的受けていない領域の位置及び構成の少なくとも一方は、圧着部の凹部の位置及び構成の少なくとも一方に応じて異ならせることができる。具体的には、第2領域314Aの位置及び構成の少なくとも一方は、第1凹部526Aの位置及び構成の少なくとも一方に応じて異ならせることができる。また、第4領域314Bの位置及び構成の少なくとも一方は、第2凹部526Bの位置及び構成の少なくとも一方に応じて異ならせることができる。したがって、凹部の位置及び構成の少なくとも一方が互いに異なる複数の圧着部を用いることで、樹脂膜における圧着部の熱圧着を比較的受けていない領域の位置及び構成の少なくとも一方から、当該複数の圧着部の各々と、各圧着部によって基板に接合された素子と、の対応関係を識別することができる。
【0072】
また、本実施形態において、第2領域314Aは、第1圧着部520Aによって第1接合部110A及び第2接合部210Aが第1樹脂膜300Aを介して熱圧着される際に形成されている。すなわち、第2領域314Aを形成する工程が、第1圧着部520Aによって第1樹脂膜300Aを介して第1接合部110A及び第2接合部210Aを熱圧着する工程に含まれている。したがって、第1圧着部520Aによって第1樹脂膜300Aを介して第1接合部110A及び第2接合部210Aを熱圧着する工程に対して、第2領域314Aを形成する工程を追加する必要がない。第4領域314Bについても同様である。
【0073】
本実施形態では、圧着装置50が、第1圧着部520A及び第2圧着部520Bの2つの圧着部を備える場合を説明した。しかしながら、圧着装置50が3つ以上の圧着部を備える場合においても、本実施形態を用いて説明した方法を採用することにより、樹脂膜における圧着部の熱圧着を比較的受けていない領域から、圧着部と、当該圧着部によって基板に接合された素子と、の対応関係を識別することができる。
【0074】
また、本実施形態では、同一の圧着装置に設けられた複数の圧着部の各々と、各圧着部によって熱圧着された基板に接合された素子と、の対応関係の識別について説明した。しかしながら、本実施形態を用いて説明した方法を採用することにより、異なる圧着装置に設けられた複数の圧着部の各々と、各圧着部によって基板に接合された素子と、の対応関係も識別することができる。
【0075】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0076】
例えば、実施形態では、1つの第1圧着部520Aによって、1つの第1基板100Aに対して1つの第1素子200Aを接合している。しかしながら、複数の第1圧着部520Aによって、1つの第1基板100Aに対して複数の第1素子200Aを接合してもよい。この場合においても、本実施形態を用いて説明した方法と同様にして、各第1圧着部520Aと、各第1圧着部520Aによって第1基板100Aに接合された第1素子200Aと、の対応関係を識別することができる。
【符号の説明】
【0077】
10A 第1電子装置
10B 第2電子装置
50 圧着装置
100A 第1基板
100B 第2基板
110A 第1接合部
110B 第3接合部
112A 第1端子
200A 第1素子
200B 第2素子
210A 第2接合部
210B 第4接合部
212A 第2端子
300A 第1樹脂膜
300B 第2樹脂膜
310A 第1周縁領域
310B 第2周縁領域
312A 第1領域
312B 第3領域
314A 第2領域
314B 第4領域
510 受部
520A 第1圧着部
520B 第2圧着部
522A 第1部分
522B 第3部分
524A 第2部分
524B 第4部分
526A 第1凹部
526B 第2凹部
X 第1方向
Y 第2方向
Z 第3方向