(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062890
(43)【公開日】2023-05-09
(54)【発明の名称】洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/44 20060101AFI20230427BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20230427BHJP
A61K 8/42 20060101ALI20230427BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20230427BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20230427BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20230427BHJP
C11D 1/10 20060101ALI20230427BHJP
C11D 1/94 20060101ALI20230427BHJP
C11D 1/04 20060101ALI20230427BHJP
C11D 1/66 20060101ALI20230427BHJP
C11D 1/90 20060101ALI20230427BHJP
C11D 1/52 20060101ALI20230427BHJP
【FI】
A61K8/44
A61K8/36
A61K8/42
A61K8/46
A61K8/49
A61Q19/10
C11D1/10
C11D1/94
C11D1/04
C11D1/66
C11D1/90
C11D1/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021173057
(22)【出願日】2021-10-22
(71)【出願人】
【識別番号】390003001
【氏名又は名称】川研ファインケミカル株式会社
(72)【発明者】
【氏名】平沼 健永
(72)【発明者】
【氏名】福世 祐大
【テーマコード(参考)】
4C083
4H003
【Fターム(参考)】
4C083AC122
4C083AC641
4C083AC642
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC711
4C083AC712
4C083BB04
4C083BB05
4C083BB07
4C083CC23
4C083DD27
4C083EE01
4C083EE06
4H003AB03
4H003AC13
4H003AD04
4H003AD05
4H003AD06
4H003DA02
4H003EB05
4H003ED02
4H003FA10
4H003FA16
4H003FA21
4H003FA23
4H003FA28
(57)【要約】 (修正有)
【課題】洗浄時はしっとり感があり、泡切れが良く、すすぎ易く、洗浄後はさっぱり感とすべすべ感に優れ、さらに、経時安定性と低温安定性にも優れる、透明の液体の身体用の洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】(A)ココイル-β-アラニンカリウム0.5~15.0重量%と、(B)両性界面活性剤1.0~8.0重量%と、(C)脂肪酸0.06~10.0重量%と、(D)非イオン界面活性剤0.1~6.0重量%と、を含み、かつ(A)成分/(B)成分=0.1~5.0、かつ(A)成分+(B)成分=3.0~18.0重量%の組成であり、pH7.0~12.0である洗浄剤組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)一般式(1)で示されるココイル-β-アラニンカリウム 0.5~15.0重量%と、
【化1】
(上記一般式(1)中、RCOはヤシ脂肪酸残基、又はパーム核脂肪酸残基を示す。)
(B)両性界面活性剤 1.0~8.0重量%と、
(C)脂肪酸 0.06~10.0重量%と、
(D)非イオン界面活性剤 0.1~6.0重量%と、
を含み、
かつ(A)成分/(B)成分=0.1~5.0、かつ(A)成分+(B)成分=3.0~18.0重量%
の組成であり、pH 7.0~12.0である洗浄剤組成物。
【請求項2】
(B)成分である両性界面活性剤が塩濃度 1.0重量%以下、かつ塩中の塩化カルシウム濃度 0.3重量%以下、かつ塩中の塩化マグネシウム濃度 0.1重量%以下である、ラウラミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン、ラウロアンホ酢酸Naのうち少なくとも1種である、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】
(C)成分である脂肪酸が炭素数8~22の脂肪酸である、請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
【請求項4】
(D)成分である非イオン界面活性剤がPPG-2コカミドである、請求項1~3のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄時はしっとり感があり、泡切れが良く、すすぎ易く、洗浄後はさっぱり感とすべすべ感に優れ、さらに、経時安定性と低温安定性にも優れる、透明の液体の身体用の洗浄剤組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
身体用の洗浄剤組成物は一般にアニオン界面活性剤を主成分としており、その中でも刺激がマイルドなアニオン界面活性剤の例として、カルシウム非感受性のカルボン酸型界面活性剤であるN-アシルアミノ酸塩、N-アシル-N-アルキルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボキシレート等が広く使用されている。しかしながら、これらのアニオン界面活性剤を主成分とする洗浄剤は、洗浄効果は優れているものの、すすぎ時の泡切れが悪い場合があり、また洗浄後の肌にぬるつきを感じる場合があるなど、使用感の点で問題がある場合もあった。
使用感の改善として、特許文献1では、特定の構造を有するカルシウム感受性の2級アミド型N-アシルアミノ酸塩を組み合わせて配合することにより、洗浄効果に優れ、皮膚等に対する刺激がなく、かつ洗浄後の泡切れ及び滑りが良好な洗浄剤組成物の提案がされている。さらには、この特定構造の2級アミド型N-アシルアミノ酸塩と種々の成分を組み合わせて提案がされている(特許文献2~5)。しかしながら、これらの特許文献で示されている提案では、洗浄時の軋み感が感じられる場合があり、改善の余地があった。さらに、構造上結晶化しやすく、かつカルシウム感受性を有するため、経時で析出する場合があり、また低温で析出する場合があり、品質面で問題が残る場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-156287号公報
【特許文献2】特開平5-156281号公報
【特許文献3】特開平5-156286号公報
【特許文献4】特開平5-156283号公報
【特許文献5】特開平5-156288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような問題を解決するために、本発明は、洗浄時はしっとり感があり、泡切れが良く、すすぎ易く、洗浄後はさっぱり感とすべすべ感に優れ、さらに、経時安定性と低温安定性にも優れる、透明の液体の身体用の洗浄剤組成物を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ココイル-β-アラニンカリウムと、両性界面活性剤と、脂肪酸と、非イオン界面活性剤の組成とした、特定のpH範囲の透明の液体の身体用の洗浄剤組成物にて、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち本発明は、以下のとおりである。
(1)
(A)一般式(1)で示されるココイル-β-アラニンカリウム 0.5~15.0重量%と、
【化1】
(上記一般式(1)中、RCOはヤシ脂肪酸残基、又はパーム核脂肪酸残基を示す。)
(B)両性界面活性剤 1.0~8.0重量%と、
(C)脂肪酸 0.06~10.0重量%と、
(D)非イオン界面活性剤 0.1~6.0重量%と、
を含み、
かつ(A)成分/(B)成分=0.1~5.0、かつ(A)成分+(B)成分=3.0~18.0重量%
の組成であり、pH 7.0~12.0である洗浄剤組成物。
(2)
(B)成分である両性界面活性剤が塩濃度 1.0重量%以下、かつ塩中の塩化カルシウム濃度 0.3重量%以下、かつ塩中の塩化マグネシウム濃度 0.1重量%以下である、ラウラミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン、ラウロアンホ酢酸Naのうち少なくとも1種である、(1)の洗浄剤組成物である。
(3)
(C)成分である脂肪酸が炭素数8~22の脂肪酸である、(1)又は(2)の洗浄剤組成物である。
(4)
(D)成分である非イオン界面活性剤がPPG-2コカミドである、(1)~(3)のいずれかの洗浄剤組成物である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、洗浄時はしっとり感があり、泡切れが良く、すすぎ易く、洗浄後はさっぱり感とすべすべ感に優れ、さらに、経時安定性と低温安定性にも優れる、透明の液体の身体用の洗浄剤組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1はココイル―β―アラニンカリウムの板状結晶の走査型電子顕微鏡写真。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について説明する。
<洗浄後のすべすべ感>
ココイル―β―アラニンカリウムは水道水中等に含まれるカルシウム、マグネシウムと反応し、潤滑性の高い板状結晶を生成する性質を有する。そのため、ココイル―β―アラニンカリウムを配合した洗浄剤組成物は、すすぎ時に生成される板状結晶が皮膚に作用することにより、洗浄後の皮膚の滑り性が向上し、すべすべ感を感じられると考えられる。ココイル―β―アラニンカリウムの板状結晶の走査型電子顕微鏡写真を
図1に示す(日立社、Miniscope(登録商標)TM3030で撮影)。一方で、ココイルグリシンKでは板状結晶が生成しにくい場合があり、洗浄後のすべすべ感が感じられない場合がある。
【0010】
(A)成分は、一般式(1)で示されるココイル-β-アラニンカリウムである。
【化2】
(上記一般式(1)中、RCOはヤシ脂肪酸残基、又はパーム核脂肪酸残基を示す。)
【0011】
ココイル-β-アラニンカリウムの製造方法として、例えば、ヤシ脂肪酸クロライド、又はパーム核脂肪酸クロライドとβ―アラニンをアルカリ条件下で求核置換反応させることで得られる。ヤシ脂肪酸クロライド、パーム核脂肪酸クロライドは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。ココイル-β-アラニンカリウムの製造方法によっては、脂肪酸が副生する場合がある。副生する脂肪酸量は、洗浄剤組成物中の脂肪酸量が10.0重量%以下となる量が望ましい。
【0012】
(A)成分は洗浄剤組成物に0.5~15.0重量%とすることが望ましい。より好ましくは1.0~10.0重量%である。0.5重量%を下回ると、洗浄後のさっぱり感や、洗浄後のすべすべ感が感じられない場合があり、15.0重量%を超えた場合、経時安定性や低温安定性が悪くなる場合がある。
【0013】
<両性界面活性剤の脱塩精製>
両性界面活性剤は脱塩精製品を使用することが好ましい。両性界面活性剤の脱塩精製方法として、逆浸透膜法、電気透析法、イオン交換樹脂法、溶媒抽出法、再結晶法などが挙げられる。両性界面活性剤を脱塩精製することで塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムからなる塩が除去され、塩濃度が低い両性界面活性剤が製造される。
【0014】
(B)成分である両性界面活性剤として、アミドベタイン型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤、イミダゾリン型両性界面活性剤などが挙げられる。アミドベタイン型両性界面活性剤として、具体的には、ラウラミドプロピルベタイン(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のソフタゾリン(登録商標)LPB-R)、コカミドプロピルベタイン(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のソフタゾリンCPB-R)、パーム核脂肪酸アミドプロピルベタイン、(カプリル/カプラミド)プロピルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、ウンデシレナミドプロピルベタインなどが挙げられる。スルホベタイン型両性界面活性剤として、具体的には、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のソフタゾリンLSB-R)、ラウリルヒドロキシスルタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタインなどが挙げられる。イミダゾリン型両性界面活性剤として、具体的には、ラウロアンホ酢酸Na(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のソフタゾリンLHL-SF)、ココアンホ酢酸Na(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のソフタゾリンCH-R、CL-R)、パームアンホ酢酸Naなどが挙げられる。また、イミダゾリン型両性界面活性剤では、製法により塩を含まないココアンホプロピオン酸Na(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のソフタゾリンNS、SF、SFD)、ココアンホジプロピオン酸2Naなどが挙げられる。また、製法により塩を含まないアミンオキシド型両性界面活性剤では、ラウラミドプロピルアミンオキシド(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のソフタゾリンLAO-C)、コカミドプロピルアミンオキシド、ラウラミンオキシド、ココアミンオキシドなどが挙げられる。(B)成分である両性界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。(B)成分である両性界面活性剤として、コカミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココアンホ酢酸Na、ラウロアンホ酢酸Naが好ましく、ラウラミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン、ラウロアンホ酢酸Naが特に好ましい。
【0015】
(B)成分の洗浄剤組成物中の含有量は1.0~8.0重量%とすることが望ましい。より好ましくは2.0~6.0重量%である。1.0重量%を下回ると、経時安定性や低温安定性が悪くなる場合がある。また、8.0重量%を超えた場合、泡切れが悪く、すすぎにくい場合があり、洗浄後のさっぱり感が感じられない場合がある。
【0016】
(B)成分である両性界面活性剤の塩濃度は1.0重量%以下が望ましく、かつ塩中の塩化カルシウム濃度は0.3重量%以下、かつ塩中の塩化マグネシウム濃度は0.1重量%以下であることが望ましい。両性界面活性剤は、塩を含んでいなくてもよい。塩濃度が1.0重量%を超えるか、塩中の塩化カルシウム濃度が0.3重量%を超えるか、又は塩中の塩化マグネシウム濃度が0.1重量を超える両性界面活性剤では、洗浄剤組成物の経時安定性や低温安定性が悪くなる場合がある。
【0017】
(A)成分/(B)成分は0.1~5.0とすることが望ましい。(A)成分/(B)成分が0.1を下回ると、洗浄後のさっぱり感とすべすべ感が感じられない場合がある。(A)成分/(B)成分が5.0を超えると、洗浄剤組成物の経時安定性や低温安定性が悪くなる場合がある。(A)成分+(B)成分は3.0~18.0重量%とすることが望ましい。(A)成分+(B)成分が18.0重量%を超えると、洗浄剤組成物の経時安定性や低温安定性が悪くなる場合がある。
【0018】
(C)成分である脂肪酸は炭素数8~22の脂肪酸であり、天然由来の脂肪酸、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、分岐脂肪酸などが挙げられる。天然由来の脂肪酸として、具体的には、ヤシ脂肪酸、パーム核脂肪酸などが挙げられる。飽和脂肪酸として、具体的には、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸などが挙げられる。不飽和脂肪酸として、具体的には、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸などが挙げられる。分岐脂肪酸として、具体的には、2-エチルヘキサン酸、イソステアリン酸などが挙げられる。(C)成分である脂肪酸は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。(C)成分である脂肪酸としてヤシ脂肪酸、パーム核脂肪酸が好ましい。
【0019】
(C)成分の洗浄剤組成物中の含有量は0.06~10.0重量%とすることが望ましい。より好ましくは0.1~10.0重量%である。0.06重量%を下回ると、泡切れが悪く、すすぎにくい場合があり、洗浄後のさっぱり感が感じられない場合がある。また、10.0重量%を超えた場合、経時安定性や低温安定性が悪くなる場合がある。
【0020】
(D)成分である非イオン界面活性剤として、具体的には、PPG-2コカミド(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のアミゼット(登録商標)1PC)、コカミドMEA(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のアミゾール(登録商標)CME)、コカミドDEA(川研ファインケミカル社製のアミゾールCDE-G)、パーム核脂肪酸アミドDEA(川研ファインケミカル社製のアミゾールKD-1)、ラウラミドDEA(川研ファインケミカル社製のアミゾールLDE-G)、(ラウラミド/ミリスタミド)DEA(川研ファインケミカル社製のアミゾールLMDE-Y)、ラウラミドMIPA(川研ファインケミカル社製のアミゾールPLME-A)、PEG-3ラウラミド(川研ファインケミカル社製のアミゼット2L-Y)、(ラウリル/ミリスチル)グリコールヒドロキシプロピルエーテル(川研ファインケミカル社製のビスコセーフ(登録商標)LMPE)、コカミドメチルMEA、2-エチルヘキシルグリセリルエーテル、2-エチルヘキサン酸グリセリル、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル、アルキルグリセリルエーテル、アルキルグルコシド、アルキルサッカライド、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、アルキルポリグルコシド、アルキレングリコール脂肪酸エステル類、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、イソデシルグリセリルエーテル、オレイン酸とメチルグルコースのジエステルまたはトリエステルのポリエチレングリコールエーテル、グリセリンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ジオレイン酸PEG-120メチルグルコース、ジステアリン酸エチレングリコール、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコール、ショ糖脂肪酸エステル類、セスキオレイン酸ソルビタン、セテアレス-60ミリスチルグリコール、ソルビタンモノステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビット脂肪酸エステル、テトライソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラグリセリンモノラウリルエーテル、テトラポリオキシアルキレンエチレンジアミン縮合物類、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、プルロニック(登録商標)型類、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリトリトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンエーテル、ポリオキシアルキレンエステル類、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンジメチルダイマージオールエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンヒマシ油誘導体、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシエチレン・POPアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルチオエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレン-オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレングリセリルココエート、ポリオキシエチレン-グリセリンモノイソステアレート、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンスタノールエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンセトステアリルヒドロキシミリスチレンエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステルなどのポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン-ソルビットモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステリルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル類、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸PEG-グリセリル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ジエステル、ポリオキシブチレン・ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル類、ポリオキシプロピレンモノオクチルエーテル、ポリグリセリルエーテル、ポリグリセリルモノアルキルエーテル、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリグリセリンラウリン酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリソルベート、ポリプロピレングリコールカプリリルエーテル、モノアルキルグリセリルエーテル、モノアルケニルグリセリルエーテル、モノオレイン酸エチレングリコール、モノグリセリド誘導体、モノグリセリンアルキルエーテル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ラウリン酸PEG-4、ラウリン酸ジエチレングリコール、ラウリン酸プロピレングリコール、硬化ヒマシ油誘導体、高級脂肪酸ショ糖エステル、脂肪酸オキシブチレン、脂肪酸グリコールエステル、脂肪酸グリセリンエステル、脂肪酸ジオキシブチレン、脂肪族アルキル基を含むブロックポリマー、多価アルコール型非イオン界面活性剤、多価アルコール脂肪酸エステル、糖アルコール脂肪酸エステル、糖エーテル系、糖エステル系などが挙げられる。(D)成分である非イオン界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。(D)成分である非イオン界面活性剤として、PPG-2コカミド、コカミドDEA、パーム核脂肪酸アミドDEAが好ましく、特にPPG-2コカミドが好ましい。
【0021】
(D)成分の洗浄剤組成物中の含有量は0.1~6.0重量%とすることが望ましい。より好ましくは0.5~5.0重量%である。0.1重量%を下回ると、経時安定性や低温安定性が悪くなる場合がある。また、6.0重量%を超えた場合、洗浄後のさっぱり感が感じられない場合がある。
【0022】
洗浄剤組成物に使用されるpH調整剤としてKOH、NaOHなどのアルカリ金属水酸化物、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、クエン酸、乳酸、グルタミン酸、リンゴ酸などの有機酸が挙げられる。塩酸などの無機酸を使用すると、経時安定性や低温安定性が悪くなる場合がある。洗浄剤組成物のpHは、7.0~12.0とすることが望ましい。7.0を下回ると、経時安定性や低温安定性が悪くなる場合がある。また、12.0を超えた場合、泡切れが悪く、すすぎにくい場合があり、洗浄後のさっぱり感とすべすべ感が感じられない場合がある。
【0023】
特に限定されるわけではないが、洗浄剤組成物に使われる成分として陰イオン界面活性剤はα-オレフィンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホン酸塩、内部オレフィンスルホン酸塩、α-スルホ脂肪酸メチルエステル塩、ポリ(1~10)オキシエチレンラウリルエーテル酢酸塩、ポリ(1~10)オキシエチレンヤシ油アルキルエーテル酢酸塩、ポリ(1~10)オキシエチレントリデシルエーテル酢酸塩、ポリ(1~10)オキシエチレンラウロイルエタノールアミドエーテル酢酸塩、ポリ(1~10)オキシエチレンヤシ油脂肪酸エタノールアミドエーテル酢酸塩、ポリ(1~10)オキシエチレンN-メチル-ラウロイルエタノールアミドエーテル酢酸塩、ポリ(1~10)オキシエチレンN-エチル-ラウロイルエタノールアミドエーテル酢酸塩、ポリ(1~10)オキシエチレンN-メチル-ヤシ油脂肪酸エタノールアミドエーテル酢酸塩、ポリ(1~10)オキシエチレンN-エチル-ヤシ油脂肪酸エタノールアミドエーテル酢酸塩などを挙げることが出来る。陰イオン界面活性剤のカルシウム塩、陰イオン界面活性剤のマグネシウム塩を使用すると、経時安定性や低温安定性が悪くなる場合がある。
【0024】
その他の成分として、例えば、グリセリン等のグリコール類、γ-ドコサラクトン、グルコノラクトン、エルカラクトンなどのラクトン類、2-エチルヘキサン酸セチル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸フィトステリル、イソステアリン酸プロピレングリコール、イソデシルベンゾエート、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル、オクタン酸セチル、オレイン酸エチル、オレイン酸フィトステリル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、コハク酸ジエチルヘキシル、コハク酸ビス(ジエチレングリコールエチルエーテル)エステル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジネオペンタン酸トリプロピレングリコール、ジペンタエリスリトールとヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸等の混合脂肪酸とのエステル、ジリノール酸ジ(フィトステアリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸硬化ヒマシ油、セバシン酸ジエチル、セバチン酸ジエチル、デキストリン脂肪酸エステル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリエチルヘキサノイン、ネオペンタン酸イソデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、フィトステリルイソステアレート、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油、ウレタン樹脂、疎水変性ポリエーテルウレタン、ポリウレタンゲルなどのウレタン類、メチルパラベン、プロピルパラベンなどの防腐剤、色素、ベンジルアルコールなどの香料等が挙げられる。
【0025】
本発明の洗浄剤組成物は、性状は透明の液体であり、用途は身体洗浄用である。
【実施例0026】
本発明の効果に関して、以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。実施例において、特に断りのない限り、使用成分は富士フィルム和光純薬社より購入したものを使用した。
【0027】
製造例1(ココイル-β-アラニンカリウムの製造)
500mlの4つ口分液ロートに、軟水 169gとβ-アラニン 27.4g(1.1当量)、水酸化Kの48重量%水溶液 68.8g(2.1当量)を入れ、攪拌して完全に溶解させた。そこへヤシ油脂肪酸クロライド 69.1g(1.0当量、HAIHANG INDUSTRY社製)を滴下した。滴下終了後、75重量%硫酸を加えて分液した。油層を軟水で希釈した。水酸化Kの48重量%水溶液 32.7g(1.0当量)を滴下し、目的物を得た。ココイル-β-アラニンカリウムの濃度は、25重量%であった。目的物の構造は1H-NMR(日本電子株式会社、JNM-E CZ400S)で確認した。1H-NMRケミカルシフト:0.65~0.80ppm(3H m)、1.0~1.3ppm(17H m)、1.4ppm(2H m)、2.1ppm(2H m)、2.3ppm(2H m)、3.2ppm(2H m)。ラウリン酸の含量については、高速液体クロマトグラフィー(カラム:ジーエルサイエンス株式会社製、Inertsil(登録商標)ODS-2、150mm)にて定量を実施した。その結果、1.5重量%であった。ラウリン酸クロライド 50.8%の組成比であるヤシ油脂肪酸クロライドを使用しているため、総脂肪酸含量は3.0重量%となった。
【0028】
製造例2(両性界面活性剤の脱塩精製品の製造)
(B)成分である両性界面活性剤は、特許2791712号を参考に脱塩精製した。具体的には、両性界面活性剤を適宜希釈した後、ポリアミド化スルホン膜をセットした逆浸透膜処理装置を用いて脱塩精製し、濃度調整することで得られた。製造した両性界面活性剤の脱塩精製品の分析値は下記の通りである。塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムの濃度は、ICP発光分光分析装置(SPECTRO社、ARCOS(登録商標)SPECTRO)で測定した。ラウラミドプロピルベタインの脱塩精製品(川研ファインケミカル株式会社製、ソフタゾリンLPB-R)塩濃度 0.903重量%、塩中の塩化カルシウム濃度 0.25重量%、塩中の塩化マグネシウム濃度 0.07重量%、塩化ナトリウム濃度 0.9重量%。ラウラミドプロピルヒドロキシスルタインの脱塩精製品(川研ファインケミカル株式会社製、ソフタゾリンLSB-R)塩濃度 0.702重量%、塩中の塩化カルシウム濃度 0.20重量%、塩中の塩化マグネシウム濃度 0.05重量%、塩化ナトリウム濃度 0.7重量%。ラウロアンホ酢酸Naの脱塩精製品(川研ファインケミカル株式会社製、ソフタゾリンLHL-SF)塩濃度 0.501重量%、塩中の塩化カルシウム濃度 0.14重量%、塩中の塩化マグネシウム濃度 0.04重量%、塩化ナトリウム濃度 0.5重量%。
【0029】
試験方法
表1、2に示す組成の洗浄剤組成物を常法に準じて調製した。pHはKOH、クエン酸で調整した。pHはpH/ION METER(堀場製作所社、LAQUA(登録商標)F-72)で、25℃で測定した。実施例1~9、および比較例1~8に記載する洗浄剤組成物を得た。組成における数値は、純分の重量%を示す。得られた洗浄剤組成物について下記評価を行った。その結果を表1、2に示す。
【0030】
評価方法
経時安定性および低温安定性の評価方法
実施例1~9、および比較例1~8で作製した洗浄剤組成物をガラス容器(第一硝子株式会社:PS-13K)に100g採取し、充填した。その後、25℃および-5℃で4週間保管した時の外観を下記の評価基準により判定した。
〈経時安定性および低温安定性の評価基準〉
〇:外観が無色透明で、変化なし
△:外観が半透明で、やや白濁する
×:外観に析出物あり
【0031】
洗浄時のしっとり感、洗浄時のすすぎ易さ、洗浄後のさっぱり感、洗浄後のすべすべ感の評価方法
社内専門パネラー10人に、実施例1~9、および比較例1~8で作製した評価用のサンプル5gをナイロンタオルで約20回泡立て、被験者の左上腕内側部を洗浄し、すすいで、タオルドライした。洗浄時のしっとり感、洗浄時のすすぎ易さ、洗浄後のさっぱり感、洗浄後のすべすべ感を下記基準により評価した。10名の評価ポイントの平均点でランク分けした。
<洗浄時のしっとり感>
4:しっとり感を強く感じる
3:しっとり感を感じる
2:しっとり感をほとんど感じない
1:しっとり感を全く感じない
ランクは◎:4~3.5、○:3.5未満~3、△:3未満~2、×:2未満~1とした。
<洗浄時のすすぎ易さ>
4:泡切れが良く、すすぎ易さを強く感じる
3:泡切れがやや良く、すすぎ易さをやや感じる
2:どちらともいえない
1:泡切れが悪く、すすぎ易さを全く感じない
ランクは◎:4~3.5、○:3.5未満~3、△:3未満~2、×:2未満~1とした。
<洗浄後のさっぱり感>
4:さっぱり感を強く感じる
3:さっぱり感をやや感じる
2:どちらともいえない
1:さっぱり感を全く感じない
ランクは◎:4~3.5、○:3.5未満~3、△:3未満~2、×:2未満~1とした。
<洗浄後のすベすべ感>
4:すべすべ感を強く感じる
3:すべすべ感をやや感じる
2:どちらともいえない
1:すべすべ感を全く感じない
ランクは◎:4~3.5、○:3.5未満~3、△:3未満~2、×:2未満~1とした。
【0032】
【表1】
※1:ソフタゾリンLPB-R(川研ファインケミカル)、※2:ソフタゾリンLSB-R(川研ファインケミカル)、※3:ソフタゾリンLHL-SF(川研ファインケミカル)、※4:椰子脂肪酸DC(新日本理化)、※5:アミゼット1PC(川研ファインケミカル)
【0033】
【0034】
結果
本発明の洗浄剤組成物の範囲内で調製された実施例1~9は、洗浄時はしっとり感があり、泡切れが良く、すすぎ易く、洗浄後はさっぱり感とすべすべ感に優れ、さらに、経時安定性と低温安定性にも優れていた。
一方で、(A)成分が範囲を超える比較例1では、経時安定性と低温安定性が劣った。(A)成分が範囲未満であり、(A)成分/(B)成分が範囲未満であり、(C)成分が範囲未満であり、pHが範囲を超える比較例2では、洗浄時のすすぎ易さと洗浄後のさっぱり感と洗浄後のすべすべ感が劣った。(B)成分が範囲を超える比較例3では、洗浄時のすすぎ易さと洗浄後のさっぱり感が劣った。(B)成分が範囲未満であり、(A)成分/(B)成分が範囲を超え、pHが範囲未満の比較例4では、経時安定性と低温安定性が劣った。(C)成分が範囲を超える比較例5では、経時安定性と低温安定性が劣った。(D)成分が範囲を超える比較例6では、洗浄後のさっぱり感が劣った。(D)成分が範囲未満である比較例7では、経時安定性と低温安定性が劣った。両性界面活性剤の塩中の塩化カルシウム濃度が範囲を超える比較例8では、経時安定性と低温安定性が劣った。
本発明の洗浄剤組成物は、ボディソープ、ボディシャンプー、ボディウォッシュ、洗顔剤、メイク落とし、クレンジングフォーム、クレンジングクリーム、クレンジングローション、ハンドソープ、ハンドクリーナー、ハンドウォッシュ、ハンドクレンザー、手指洗浄剤、足指洗浄剤、局所洗浄剤等の透明の液体の身体用洗浄剤組成物として使用することができる。