(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062917
(43)【公開日】2023-05-09
(54)【発明の名称】保冷カバー
(51)【国際特許分類】
A47G 23/00 20060101AFI20230427BHJP
C12M 1/38 20060101ALN20230427BHJP
【FI】
A47G23/00 D
C12M1/38 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021173104
(22)【出願日】2021-10-22
(71)【出願人】
【識別番号】519164758
【氏名又は名称】株式会社ツースリー
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】弁理士法人真明センチュリー
(72)【発明者】
【氏名】中井 良昇
(72)【発明者】
【氏名】中井 勇気
(72)【発明者】
【氏名】大岩 伸行
【テーマコード(参考)】
3B115
4B029
【Fターム(参考)】
3B115AA07
3B115AA22
3B115CA03
3B115DA26
4B029AA13
4B029BB20
4B029CC01
4B029DB19
4B029DD06
4B029DG10
4B029GA08
4B029GB10
(57)【要約】
【課題】ドライアイスの補充に要する手間を軽減できる保冷カバーを提供すること。
【解決手段】冷却カバー10は、ドライアイスDが収容される収容室S1と、その収容室S1に収容されたドライアイスDの冷気が供給される保冷室S2と、収容室S1の外面に形成される開口45aを有し、その開口45aからドライアイスDを収容室S1に投入可能に形成される投入部45とを備える。よって、蓋部材40を取り外さなくてもドライアイスDを収容室S1に補充でき、蓋部材40を取り付ける動作も不要とできる。よって、ドライアイスDの補充に要する手間を軽減できる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライアイスが収容される収容室と、その収容室に収容されたドライアイスの冷気が供給される保冷室とを備えた保冷カバーにおいて、
前記収容室の外面に形成される開口を有し、その開口から前記ドライアイスを前記収容室に投入可能に形成される投入部を備えることを特徴とする保冷カバー。
【請求項2】
前記投入部は、前記ドライアイスを前記開口から水平方向または斜め方向に沿って前記収容室に投入可能に形成されることを特徴とする請求項1記載の保冷カバー。
【請求項3】
前記投入部が形成される蓋部材と、
その蓋部材と共に前記収容室を区画し、前記投入部から投入されたドライアイスを受け取る受け部材と、
前記保冷室の周壁を形成し、前記受け部材と共に前記保冷室を区画するカバー部材と、を備え、
前記蓋部材、前記受け部材および前記カバー部材に分解可能に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の保冷カバー。
【請求項4】
前記蓋部材が前記受け部に対して着脱可能に連結され、
前記カバー部材は、前記蓋部材および前記受け部材が配設される開口を備え、前記連結された前記蓋部材と前記受け部材との間に前記カバー部材の前記開口に沿う縁部が挟まれることを特徴とする請求項3記載の保冷カバー。
【請求項5】
前記蓋部材は、前記投入部が形成される天壁と、その天壁の外縁側から下方へ突出する周壁とを備え、
前記受け部材は、前記投入部から投入されたドライアイスが載置される底壁と、その底壁の外縁側から上方へ突出する周壁とを備え、
前記蓋部材または前記受け部材の一方の周壁の外周面におねじが形成され、
前記蓋部材または前記受け部材の他方の周壁の内周面にめねじが形成され、
前記蓋部材と前記受け部材とが前記おねじ及び前記ねめじの螺合により連結されることを特徴とする請求項4記載の保冷カバー。
【請求項6】
前記底壁は、貫通形成される複数の通気孔を備え、前記底壁の中央を含む第1領域はその第1領域の周囲の第2領域よりも前記複数の通気孔の開口面積が少なくされることを特徴とする請求項5記載の保冷カバー。
【請求項7】
前記底壁は、円板状に形成される円板部と、その円板部の外縁側から立設され前記円板部から離間するほど拡径して形成される傾斜部とを備え、
前記複数の通気孔は、前記円板部と前記傾斜部とに貫通形成されると共に、前記円板部の板厚方向に沿って貫通形成されることを特徴とする請求項6記載の保冷カバー。
【請求項8】
前記投入部のドライアイスが通過する通路に張り出し、弾性変形可能に形成される返し部を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の保冷カバー。
【請求項9】
前記返し部は、前記投入部に着脱可能に配設される基部と、その基部から前記通路に張り出す板状体を複数のスリットにより区画して形成される複数の舌片とを備えることを特徴とする請求項8記載の保冷カバー。
【請求項10】
前記返し部は、前記蓋部よりも柔軟性の高い材料により形成されることを特徴とする請求項9記載の保冷カバー。
【請求項11】
前記複数のスリットは、起点から放射直線状に延設され、前記起点は、前記投入部における下方の内縁側に位置することを特徴とする請求項9又は10に記載の保冷カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保冷カバーに関し、特に、ドライアイスの補充に要する手間を軽減できる保冷カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ドライアイスが収容される収容室と、その収容室に収容されたドライアイスの冷気が供給される保冷室とを備えた保冷カバーが知られている(特許文献1,2)。保冷カバーは、食品が載った受け皿に被せて使用される。これにより、食品が保冷室に収められることで、大気中の埃などが食品に付着することを抑制しつつ、ドライアイスの冷気により食品を保冷状態に維持できる。
【0003】
ドライアイスが昇華され切ると、食品を保冷できなくなるため、ドライアイスは定期的に収容室に補充される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-345418号公報(例えば、段落0026,0027、
図1など)
【特許文献2】特開2015-100598号公報(例えば、段落0021、
図2など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術では、収容室に着脱可能な蓋が配設される構造であるため、ドライアイスの補充に手間を要するという問題点があった。即ち、ドライアイスを収容室に補充するためには、蓋を取り外し、ドライアイスを補充した後、蓋を取り付ける動作がそれぞれ必要となる。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、ドライアイスの補充に要する手間を軽減できる保冷カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために本発明の保冷カバーは、ドライアイスが収容される収容室と、その収容室に収容されたドライアイスの冷気が供給される保冷室とを備えたものであり、前記収容室の外面に形成される開口を有し、その開口から前記ドライアイスを前記収容室に投入可能に形成される投入部を備える。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の保冷カバーによれば、収容室の外面に形成される開口を有し、その開口からドライアイスを前記収容室に投入可能に形成される投入部を備えるので、蓋を着脱する動作を不要とできる。よって、ドライアイスの補充に要する手間を軽減できる。
【0009】
請求項2記載の保冷カバーによれば、請求項1記載の保冷カバーの奏する効果に加え、投入部は、ドライアイスを開口から水平方向または斜め方向に沿って収容室に投入可能に形成されるので、直方体状のドライアイスを横向き姿勢で投入できる。よって、その分、収容室の空間を低くできるので、ドライアイスが保冷室の食品に近づき過ぎることを抑制できる。また、収容室の上方にドライアイスを投入するための空間を確保することを不要とできる。
【0010】
請求項3記載の保冷カバーによれば、請求項1又は2に記載の保冷カバーの奏する効果に加え、投入部が形成される蓋部材と、その蓋部材と共に収容室を区画し、投入部から投入されたドライアイスを受け取る受け部材と、保冷室の周壁を形成し、受け部材と共に保冷室を区画するカバー部材と、を備え、蓋部材、受け部材およびカバー部材に分解可能に形成されるので、各部材をそれぞれ個別に洗浄できる。また、蓋部材、受け部材およびカバー部材を、それら各部位に要求される機能に適した材料から形成することができ、保冷カバーとしての機能を高めることができる。
【0011】
請求項4記載の保冷カバーによれば、請求項3記載の保冷カバーの奏する効果に加え、蓋部材が受け部材に対して着脱可能に連結され、カバー部材は、蓋部材および受け部材が配設される開口を備え、連結された蓋部材と受け部材との間にカバー部材の開口に沿う縁部が挟まれるので、構造を簡素化しつつ、蓋部材および受け部材がカバー部材から脱落することを抑制できる。
【0012】
請求項5記載の保冷カバーによれば、請求項4記載の保冷カバーの奏する効果に加え、蓋部材は、投入部が形成される天壁と、その天壁の外縁側から下方へ突出する周壁とを備え、受け部材は、投入部から投入されたドライアイスが載置される底壁と、その底壁の外縁側から上方へ突出する周壁とを備え、蓋部材または受け部材の一方の周壁の外周面におねじが形成され、蓋部材または受け部材の他方の周壁の内周面にめねじが形成され、前記蓋部材と前記受け部材とがおねじ及びねめじの螺合により連結されるので、受け部材の底壁の全体をドライアイスが載置される部位として利用できる。よって、受け部材に対する蓋部材(投入部)の位相(回転位置)に関わらず、直方体状のドライアイスを受け部材に受け入れることができる。また、天壁および底壁の中央におねじ及びめねじが形成される場合と比較して、収容室の容積(受け部材の底壁の面積)を確保できる。
【0013】
請求項6記載の保冷カバーによれば、請求項5記載の保冷カバーの奏する効果に加え、底壁は、貫通形成される複数の通気孔を備えるので、通気孔を介して、ドライアイスの冷気を収容室から保冷室へ供給できる。この場合、底壁の中央を含む第1領域はその第1領域の周囲の第2領域よりも通気孔の開口面積が少なくされるので、保冷室の食品がドライアイスの冷気に直接さらされることを抑制できる。
【0014】
請求項7記載の保冷カバーによれば、請求項6記載の保冷カバーの奏する効果に加え、底壁は、円板状に形成される円板部と、その円板部の外縁側から立設され円板部から離間するほど拡径して形成される傾斜部とを備え、複数の通気孔は、円板部と傾斜部とに貫通形成されるので、食品の周囲にドライアイスの冷気を行き渡らせて、食品を保冷状態に維持しやすくできる。
【0015】
また、複数の貫通孔は、円板部の板厚方向に沿って貫通形成されるので、貫通孔を成形する成形型の抜き方向を円板部と傾斜部とで同方向とできる。よって、受け部材を成形する成形型の構造を簡素化できる。
【0016】
請求項8記載の保冷カバーによれば、請求項1から7のいずれかに記載の保冷カバーの奏する効果に加え、投入部のドライアイスが通過する通路に張り出し、弾性変形可能に形成される返し部を備えるので、返し部を取り外すことなく装着した状態であっても、ドライアイスを押し込んで収容室に投入することができる。また、通路を返し部により塞ぐことができる。よって、収容室の冷気が外部に逃げることを抑制できると共に、収容室に投入されているドライアイスが外部に飛び出すことを抑制できる。
【0017】
請求項9記載の保冷カバーによれば、請求項8記載の保冷カバーの奏する効果に加え、返し部は、投入部に着脱可能に配設される基部と、その基部から通路に張り出す板状体を複数のスリットにより区画して形成される複数の舌片とを備えるので、蓋部材(投入部)と返し部とをそれぞれ個別に洗浄できる。よって、返し部が蓋部材と一体とされる構成や蓋部材に固着される構成と比較して、洗浄を行いやすくできる。また、返し部を、その返し部に要求される機能に適した材料から形成することができる。
【0018】
請求項10記載の保冷カバーによれば、請求項9記載の保冷カバーの奏する効果に加え、返し部は、蓋部よりも柔軟性の高い材料により形成されるので、舌片の変形性を確保できる。よって、舌片の耐久性を高めることができる。
【0019】
請求項11記載の保冷カバーによれば、請求項9又は10に記載の保冷カバーの奏する効果に加え、複数のスリットは、起点から放射直線状に延設され、起点は、投入部における下方の内縁側に位置するので、舌片の長さを確保できる。よって、舌片の耐久性を高めることができる。また、舌片が自重で折れ曲がることを抑制できる。返し部が柔軟性の高い材料から形成される場合には舌片の折れ曲がり抑制に対して請求項11の構成が特に有効となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1実施形態における保冷カバーの正面図である。
【
図2】
図1のII-II線における保冷カバーの断面図である。
【
図3】(a)は受け部材の上面図であり、(b)は
図3(a)のIIIb-IIIb線における受け部材の断面図である。
【
図4】(a)は蓋部材の上面図であり、(b)は蓋部材の下面図である。
【
図5】(a)は返し部の正面図であり、(b)は第2実施形態における返し部の正面図である。
【
図6】(a)は第3実施形態における受け部材の上面図であり、(b)は
図6(a)のVIb-VIb線における受け部材の断面図である。
【
図7】(a)は第4実施形態における蓋部材の上面図であり、(b)は蓋部材の下面図である。
【
図8】第5実施形態における蓋部材および受け部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1実施形態における保冷カバー10の正面図である。
図2は
図1のII-II線における保冷カバー10の断面図である。なお、カバー部材20は、光透過性の樹脂材料から形成される。よって、
図1では、カバー部材20を介して保冷カバー10の内部が視認(透視)された状態が図示される。
【0022】
図1及び
図2に示すように、保冷カバー10は、皿A1に載った食品A2を保冷室S2に収めることで、収容室S1に収容されるドライアイスDの冷気により食品A2を保冷状態に維持するためのものであり、ドーム状のカバー部材20と、カバー部材20の上部に配設される蓋部材40と、カバー部材20の内側で下方に突出して配設される受け部材30と、蓋部材40に配設される返し部80とを備える。
【0023】
本実施形態では、カバー部材20、受け部材30、蓋部材40及び返し部80の4個の部材は別部品(別体の部品)として形成され、保冷カバー10は、これら4個の部品に分解可能とされる。これにより、各部位ごとに洗浄ができ、複雑な形状(洗浄し難い部分)を少なくできる。よって、保冷カバー10全体が一体に形成される構成と比較して、洗浄の作業性を向上できると共に、洗い残しを少なくできる。
【0024】
収容室S1は、蓋部材40と受け部材30とにより区画され、投入部45から投入されたドライアイスDが収容される。保冷室S2は、カバー部材20と受け部材30とにより区画され、下側が開放した空間として形成される。
【0025】
なお、本実施形態では、ドライアイスDの形状が直方体とされる場合を例に説明する。直方体であれば、収容室S1の中でドライアイスDが転がり難く、安定して収容できる。また、後述する投入部45(開口45a)から投入可能な断面積のドライアイスDにおいて、立方体より直方体の方が一度に収容室S1に投入できるドライアイスDの体積を大きくでき、その分、ドライアイスDの充填に要する手間を軽減できる。但し、ドライアイスDの形状は、例えば、立方体や球状、円柱状でも良い。
【0026】
カバー部材20は、保冷室S2の周壁を形成する部材であり、上側および下側に円形の開口が形成される。カバー部材20の上側の開口(開口により形成される空間)には、受け部材30及び蓋部材40が配設される。なお、カバー部材20は、光透過性の樹脂材料から形成され、保冷室S2内の食品A2が外部から視認可能とされる。
【0027】
カバー部材20の下端21(下側の開口に沿う縁部)には、一又は複数箇所(本実施形態では周方向等間隔となる4箇所)に排気孔22が切り欠き形成(カバー部材20を板厚方向に貫通して形成)される。排気孔22を介して保冷室S2内の冷気を外部に排出して、収容室S1から保冷室S2に冷気が供給されやすくできる。
【0028】
カバー部材20は、上側の開口に沿って形成される縁部23と、その縁部23よりも径方向外側の下面から下方に突出される突出部24とを備える(
図2の拡大部分を参照)。なお、突出部24は、円筒状に形成され、周方向の全体に連続して形成されるが、周方向に断続的に形成されるものであっても良い。
【0029】
図3(a)及び
図3(b)を参照して、受け部材30について説明する。
図3(a)は受け部材30の上面図であり、
図3(b)は
図3(a)のII-II線における受け部材30の断面図である。
【0030】
受け部材30は、ドライアイスDが載置される底壁31と、その底壁31の外縁32側の上面から上方へ突出される周壁33とを備え、樹脂材料から一体に形成される。周壁33は、円筒状に形成され、その内周面にめねじが螺刻される。
【0031】
底壁31は、円板状に形成される円板部31aと、その円板部31aの外縁側から突出(立設)され円板部31aから離間するほど拡径して形成される円錐筒状の傾斜部31bとを備え、保冷室S2の内部に突出しつつ保冷室S2の天壁の一部を形成する(
図2参照)。
【0032】
底壁31(円板部31a及び傾斜部31b)には、収容室S1と保冷室S2とを連通させる複数の通気孔34が貫通形成される。よって、収容室S1に収容したドライアイスDの昇華による冷気は、通気孔34を介して、保冷室S2に供給される。
【0033】
底壁31(円板部31a)は、通気孔34が非形成とされる非通気領域35を備える。これにより、皿A1の中央付近に載った食品A2がドライアイスDの冷気に直接さらされないようにでき、冷気焼けし易い食品A2の変色を抑制できる。
【0034】
なお、本実施形態の非通気領域35は、底壁31の上面視中央を含む領域(本実施形態では、底壁31と同心の円形の領域)に形成される。非通気領域35の周囲の形成領域36(本実施形態では、上面視円環状の領域)には、略同形状の複数の通気孔34が縦横に等間隔に分散して全体に配置される。
【0035】
通気孔34は、円板部31aに加え、傾斜部31bにも形成されるので、収容室S1に収容されたドライアイスDの冷気を傾斜部31bからカバー部材20(保冷室S2の周壁)側に放射状に送り、保冷室S2の全体にドライアイスの冷気を行き渡らせやすくできる。即ち、食品A2の周囲にドライアイスDの冷気を行き渡らせて、食品A2を保冷状態に維持しやすくできる。
【0036】
通気孔34は、円板部31aの板厚方向(
図3(b)上下方向)に沿って貫通形成される。これにより、通気孔34を成形する成形型の抜き方向を円板部31aと傾斜部31bとで同方向とできる。即ち、円板部31aを成形する型と、傾斜部31bを成形する型とを分割し、それらの抜き方向をそれぞれ異なる方向とする必要がない。よって、受け部材30を成形する成形型の構造を簡素化できる。
【0037】
図2に戻って説明する。受け部材30の周壁33の外径は、カバー部材20の突出部24の内径と同等の寸法に設定され、受け部材30の周壁33をカバー部材20の突出部24に内嵌させることができる。
【0038】
これにより、保冷カバー10を分解する際、又は、保冷カバー10を組み立てる際に、カバー部材20(突出部24)に受け部材30を仮保持させることができるので、分解や組み立て時の作業性を向上できる。また、受け部材30と蓋部材40との連結(めねじとおねじとの螺合)が緩むことを抑制できるので、回転レーンを周回する際の振動により受け部材30がカバー部材20から外れる(受け部材30が食品A2に落下する)ことを抑制できる。
【0039】
図4(a)及び
図4(b)を参照して、蓋部材40について説明する。
図4(a)は蓋部材40の上面図であり、
図4(b)は蓋部材40の下面図である。
【0040】
蓋部材40は、収容室S1の天壁を形成する天壁41と、その天壁41の外縁42側の下面から下方に突出される周壁43と、天壁41に形成される投入部45及び把持部46とを備え、樹脂材料から一体に形成される。周壁43は、天壁41よりも小径の円筒状に形成され、その外周面におねじが螺刻される。
【0041】
天壁41には、複数(本実施形態では周方向等間隔に8個)の外気導入孔41aが板厚方向に貫通形成される。外気導入孔41aを介して外気が収容室S1に導入されることで、収容室S1に収容したドライアイスDの冷気を通気孔34から保冷室S2に供給しやすくできる。なお、外気導入孔41aの一部は、商品情報などを記載した旗などを掲示する(旗の柄を差し込む)ために使用しても良い。
【0042】
投入部45は、開口45aと、その開口45aから収容室S1までの直線状の通路を形成する通路上壁45b及び一対の通路側壁45cとを備える。これにより、収容室S1の外面(蓋部材40の天壁41)に開口45aが形成され、開口45aから投入されたドライアイスDを通路に沿って案内して収容室S1に収容できる。即ち、蓋部材40を着脱しなくてもドライアイスDを収容室S1に投入できる。よって、ドライアイスDの補充に要する手間を軽減できる。
【0043】
通路上壁45bは、通路の天壁を形成する部位であり、天壁41から開口45aへ向けて所定の傾斜角度(本実施形態では水平方向に対して略45度)で上昇傾斜して形成される(
図2参照)。通路側壁45cは、通路上壁45bと天壁41とを連結して通路の側壁を形成する部位であり、所定の間隔を隔てて一対が天壁41の両側に形成される。開口45aは、通路に沿う方向(通路上壁45bの傾斜方向)と直交する仮想平面で投入部45(通路上壁45b、通路側壁45c)を切断して形成される角度で開口される。
【0044】
これにより、直方体形状のドライアイスDを開口45aから水平方向または斜め方向に沿って収容室S1に投入でき、収容室S1に横向き姿勢でドライアイスDを収容することができる(
図2参照)。
【0045】
ここで、ドライアイスDを開口45aから収容室S1に垂直方向に沿って投入する構成では、直方体形状のドライアイスDを縦姿勢で投入しようとすると、収容室S1の空間高さをドライアイスDの長辺の長さよりも大きくしないと、収容室S1に受け入れさせることができない。これに対し、本実施形態の保冷カバー10によれば、水平方向または斜め方向に沿って投入できることで、収容室S1の空間高さをドライアイスDの短辺の長さよりも大きくすれば足りる。よって、収容室S1の空間を低くできる(受け部材30の底壁31を蓋部材40の天壁41に近づけることができる)ので、ドライアイスDが保冷室S2の食品A2に近づき過ぎることを抑制できる。
【0046】
また、ドライアイスDを開口45aから収容室S1に垂直方向に沿って投入する構成では、ドライアイスDの投入を行うための空間を収容室S1の上方に確保する必要がある(横姿勢で垂直方向に沿って投入する構成では、開口45aが大きくなり、冷気が逃げやすくなる)。回転レーンで食品A2を周回させる店舗では、ドライアイスDの補充は客から見えない厨房で行う必要があるところ、厨房では他の種々の設備が配設されているため、収容室S1の上方に上記空間を確保することが困難である。
【0047】
これに対し、本実施形態の保冷カバー10によれば、収容室S1の上方に上記空間を確保する必要がないので、設備の自由度を向上できる。また、垂直方向に沿って投入する場合と比較して、ドライアイスDを投入する高さ位置を低くできるので、背の低い人であってもドライアイスDの充填を行いやすくできる。
【0048】
把持部46は、保冷カバー10の取っ手となる部位であり、一端が蓋部材40の外縁42付近の天壁41に接続され、他端が投入部45の通路上壁45bに接続される。これにより、投入部45の強度を補強できる。
【0049】
図2に戻って説明する。蓋部材40は、その周壁43のおねじを受け部材30の周壁33のめねじに螺合させることで、受け部材30に着脱可能に連結される。このように、周壁33,43どうしを連結する構成とすることで、天壁41及び底壁31の中央におねじ及びめねじが形成される場合と比較して、受け部材30の底壁31の全体をドライアイスDが載置される部位として利用できる。よって、収容室S1の容積を確保できる。また、蓋部材40(投入部45)に対する受け部材30の位相(回転位置)に関わらず、直方体形状のドライアイスDを受け部材30に受け入れることができる。
【0050】
なお、第1実施形態では、上記した通り、蓋部材40(投入部45)に対する受け部材30の位相(回転位置)を合わせる必要がない。よって、周壁33,43のめねじ及びおねじは2条ねじとして形成される。これにより、1条ねじと比較して、蓋部材40と受け部材30との連結(螺合)をより強固とできる。
【0051】
ここで、連結された蓋部材40及び受け部材30をカバー部材20に載置するだけの構成では、蓋部材40及び受け部材30がカバー部材20から脱落する虞がある。一方、連結された蓋部材40及び受け部材30を、例えば、ねじ構造による締結や弾性爪による係合により、カバー部材20と連結する構成を採用すれば、脱落は抑制できるが、構造が複雑化する。
【0052】
これに対し、本実施形態の保冷カバー10によれば、受け部材30と蓋部材40とが連結(螺合)された状態では、カバー部材20の上側の開口に沿って形成される縁部23が、蓋部材40の天壁41の下面と受け部材30の周壁33の上端面との間に挟まれる。これにより、構造を簡素化しつつ、連結された蓋部材40及び受け部材30がカバー部材20から脱落することを抑制できる。
【0053】
図5(a)を参照して、返し部80について説明する。
図5(a)は返し部80の正面図である。
【0054】
返し部80は、投入部45の通路(開口45a)を塞ぐための部材であり、通路に張り出すと共に、弾性変形可能に形成され、その弾性変形によりドライアイスDの通過を許容する。よって、返し部80を取り外すことなく装着した状態であっても、ドライアイスDを押し込んで収容室S1に投入することができる。また、通路が返し部80により塞がれることで、収容室S1の冷気が外部に逃げることを抑制できると共に、収容室S1に投入されているドライアイスDが外部に飛び出すことを抑制できる。
【0055】
詳細には、返し部80は、投入部45に着脱可能に配設される基部81と、その基部81の内縁から通路に張り出す板状体を複数のスリット83により区画して形成される複数(本実施形態では6枚)の舌片84とを備え、蓋部材40よりも柔軟性の高い材料(本実施形態ではゴム材料)から一体に形成される。
【0056】
基部81は、角筒状の筒部81aと、その筒部81aの一端から外側にフランジ状に張り出すフランジ部81bとを備える(
図2参照)。筒部81aは、投入部45の通路の内形と略同形状の外形に形成され、その外面が投入部45の通路の内面に密着(嵌合)される。これにより、返し部80が通路に着脱可能に保持される。また、フランジ部81bが投入部45の開口45aの外縁(通路上壁45b及び通路側壁45cの端面)に係合されることで、返し部80が位置決めされる(通路内に没入されることが回避される)。
【0057】
舌片84は、筒部81aの他端(フランジ部81bと反対側の端部)から内側に張り出される。スリット83は、起点83aから放射直線状に延設される。このように、複数のスリット83により舌片84を区画する構成とすることで、収容室S1と外部とを連通させる隙間を最小として、冷気が収容室S1から外部に逃げることを抑制しつつ、舌片84の変形性を確保して、ドライアイスDを押し込みやすく(収容室S1に投入しやすく)できる。
【0058】
このように、返し部80が蓋部材40とは別部品(別体の部品)として形成され、蓋部材40に対して着脱可能とされるので、蓋部材40と返し部80とをそれぞれ個別に洗浄できる。よって、返し部80が蓋部材40と一体とされる構成や蓋部材40に固着される構成と比較して、洗浄を行いやすくできる。また、返し部80を、その返し部80に要求される機能(舌片84の変形性や筒部81aの通路への密着性など)に適した材料から形成することができる。
【0059】
本実施形態では、スリット83の起点83aが、基部81の下方(天壁41側)の内縁側(投入部45の開口45aにおける下方の内縁側)に位置される。これにより、舌片84の長さ(基部81から起点83aまでの張り出し寸法)を確保できるので、ドライアイスDの投入時の舌片84のひずみを小さくして、舌片84の耐久性を向上できる。また、舌片84の先端が下方に向かうので、自重により舌片84が折れ曲がり、冷気が逃げやすくなることを抑制できる。
【0060】
次に、
図5(b)を参照して、第2実施形態について説明する。
図5(b)は第2実施形態における返し部280の正面図である。第1実施形態では、返し部80のスリット83の起点83aが基部81の下方の内縁側に位置(偏芯)されたが、第2実施形態の起点283aは、基部81の内縁の略中央に位置される。なお、第1実施形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する(第2実施形態から第5実施形態においても同様とする)。
【0061】
第2実施形態における返し部280によれば、スリット283の起点283aが基部81の内縁の略中央に位置するので、第1実施形態(起点83aが基部81の下方の内縁側に位置する構成)と比較して、複数の舌片284において、その長さ(基部81から起点283aまでの張り出し寸法)の差を小さくできる。よって、各舌片284の耐久性のばらつきを小さくできる。
【0062】
図6(a)及び
図6(b)を参照して、第3実施形態について説明する。
図6(a)は第3実施形態における受け部材330の上面図であり、
図6(b)は
図6(a)のVIb-VIb線における受け部材330の断面図である。第1実施形態では、受け部材30の底壁31の全体が下方に突出する形状とされたが、第3実施形態の受け部材330では、底壁331の一部分のみが下方に突出する形状とされる。
【0063】
受け部材330は、円板状の底壁331の中央部分を下方に突出させて形成される突出部337を備える。突出部337は直方体形状のドライアイスDが収容可能な上面視長方形であって断面視逆台形の形状に形成され、突出部337の底壁及び周壁には、複数の通気孔334が貫通形成される。
【0064】
第3実施形態によれば、ドライアイスDが突出部337に収容されることで、ドライアイスDを収容室S1内の所定位置に位置決めできる。これにより、保冷室S2の狙った位置(冷気を集中させたい領域)に冷気を安定して供給することができる。
【0065】
この場合、受け部材330の周壁33と蓋部材40の周壁43とは、一条ねじにより螺合される構成が好ましい(
図2参照)。一条ねじであれば、螺合の開始位置に寄らず、突出部337と投入部45との位相(回転位置)を合わせる(突出部337の長手方向を投入部45からのドライアイスDの投入方向に合わせる)ことができる。これにより、ドライアイスDを突出部337に受け入れられ易くできる。
【0066】
なお、突出部337を底壁331の中央から偏心する位置に設けても良い。また、突出部337を底壁331に複数設けても良い。この場合、蓋部材40には、各突出部337に対応した位置(投入したドライアイスDが突出部337に収容可能な位置)に投入部45が複数形成される。
【0067】
図7(a)及び
図7(b)を参照して、第4実施形態について説明する。
図7(a)は、第4実施形態における蓋部材440の上面図であり、
図7(b)は、第4実施形態における蓋部材440の下面図である。第1実施形態では、蓋部材40の開口45aに返し部80が配設されたが、第4実施形態の開口445aには、回転板447が配設される。
【0068】
蓋部材440の天壁41には、開口445aが形成され、その開口445aに対応する位置に回転板447が配設される。回転板447は開口445aよりも大きな外形に形成され、軸447aを中心として回転板447が回転されることで、開口445aが開閉可能とされる。なお、回転板447の上面には、開閉操作時に指などを引っ掛ける突起447bが突出して形成される。
【0069】
第4実施形態によれば、回転板447を回転させることで、ドライアイスDを収容室S1へ投入できる。よって、蓋部材440を着脱する動作を不要とできるので、ドライアイスDの補充に要する手間を軽減できる。回転板447を取り外す必要がないので、回転板447の紛失を回避できる。開口445aを上面視において隙間なく塞ぐことができるので、収容室S1から外部へ冷気が逃げることを抑制できる。
【0070】
図8を参照して、第5実施形態について説明する。
図8は、第5実施形態における受け部材530及び蓋部材540の断面図である。
図8では、カバー部材20の一部が部分的に図示される。第1実施形態では、受け部材30及び蓋部材40を螺合するおねじ及びめねじが収容室S1の外周側に形成されたが、第5実施形態のおねじ及びめねじは、収容室S1の中央に形成される。
【0071】
受け部材530は、円板状の底壁531の中央から上方に突出して形成される円筒状の筒部538を備え、蓋部材540は、天壁41の中央から下方に突出して形成される円柱状の柱部548を備える。筒部538の内周面および柱部548の外周面にはめねじ及びおねじがそれぞれ螺刻され、それらが螺合されることで、受け部材530と蓋部材540とが連結される。
【0072】
第5実施形態によっても、回転板447を回転させることで、ドライアイスDを収容室S1へ投入できる。よって、蓋部材440を着脱する動作を不要とできるので、ドライアイスDの補充に要する手間を軽減できる。受け部材530と蓋部材540とが連結(螺合)された状態では、カバー部材20の縁部23が、蓋部材40の天壁41の下面と受け部材30の周壁33の上端面との間に挟まれるので、構造を簡素化しつつ、連結された蓋部材540及び受け部材530がカバー部材20から脱落することを抑制できる。
【0073】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0074】
上記実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。同様に、各構成の配設数は任意である。例えば、舌片84,284の配設数は、1枚でも良く、複数(2枚以上)でも良い。
【0075】
上記各実施形態の構成の一部を他の実施形態に追加しても良く、上記各実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成の一部と置き換えても良い。例えば、第1実施形態において、その蓋部材40及び受け部材30の連結構造(周壁33,43の螺合)を、第5実施形態における蓋部材540及び受け部材530の連結構造(筒部538及び柱部548の螺合)と置き換えても良い。
【0076】
上記各実施形態では、カバー部材20、受け部材30,330,530、蓋部材40,440,540が分解可能な別部品(別体の部品)として形成される場合を説明したが、カバー部材20と受け部材30,330,530とを一体に形成しても良く、カバー部材20と蓋部材40,440,540とを一体に形成しても良い。
【0077】
上記各実施形態では、受け部材30,330,530と蓋部材40,440,540とが螺合により連結される場合について説明したが、他の手段により連結される構成であっても良い。他の手段としては、弾性爪を被係合部に係合させる構成が例示される。
【0078】
第1実施形態から第4実施形態では、蓋部材40,440の周壁43の外周面におねじが形成され、受け部材30,330の周壁33の内周面にめねじが形成される場合について説明したが、蓋部材40,440の周壁43の内周面にめねじが形成され、受け部材30,330の周壁33の外周面におねじが形成される構成であっても良い。この場合、蓋部材40,440の周壁43の内径は、受け部材30,330の周壁33の外径よりも大きくされる。
【0079】
上記各実施形態では、カバー部材20、受け部材30,330,530及び蓋部材40,440,540が樹脂材料から形成される場合を説明したが、他の材料から形成されて良い。他の材料としては、金属材料、ゴム材料、樹脂材料、又は、ガラスや陶磁器などのセラミックスや複合材料が例示される。同様に、返し部80がゴム材料から形成される場合を説明したが、他の材料から形成されて良い。他の材料としては、樹脂材料、不織布が例示される。
【0080】
カバー部材20、受け部材30,330,530、蓋部材40,440,540及び返し部80はそれぞれ同じ材料から形成されても良く、他の部材と異なる材料から形成されても良い。この場合、各部材に要求される機能に適した材料から形成されることが好ましい。
【0081】
例えば、カバー部材20は、保冷室S2に配置された食品A2を外から視認可能にするため、光透過性の材料が好適とされる。例えば、ポリカーボネイト、アクリル樹脂、ガラスが例示される。受け部材30,330,530は、ドライアイスDが載置される部位であるため、耐低温性に優れた材料が好適とされる。例えば、フッ素樹脂、ステンレス合金が例示される。蓋部材40,440,540は、取っ手46、投入部45,145が形成される部位であるため、軽量、且つ、耐久性の優れた材料が好適とされる。例えば、繊維強化プラスチック、エンジニアリングプラスチックが例示される。返し部80は、ドライアイスDを収容室S1に投入可能にしつつ、投入したドライアイスDの冷気とドライアイスDとを収容室S1から外へ出さないようにするために、柔らかく、耐久性の優れた材料が好適とされる。例えば、シリコンゴム、熱可塑性のエラストマーが例示される。
【0082】
第1実施形態および第2実施形態では、舌片84,284が、基部81側の付け根から起点83a側の先端まで一定の厚み寸法で形成される場合を説明したが、先端側ほど薄くしても良く、付け根側ほど薄くしても良い。また、一部(例えば、付け根部分)を部分的に薄くしても良い。この場合には、薄肉の部分を利用して、舌片84,284の変形性(ドライアイスDの投入のしやすさ)を確保できる。舌片84,284を樹脂材料から形成する場合に有効となる。
【0083】
第1実施形態および第2実施形態では、舌片84,284の表面および裏面が平坦面として形成される場合を説明したが、裏面(収容室S1側の面)のみに凹凸や突状を設けても良い。この場合には、凹凸や突状にドライアイスDが接触した際に抵抗を発生させることができ、収容室S1からドライアイスDが飛び出ることを抑制できる。
【0084】
上記第1実施形態では、通路上壁45bが水平方向に対して略45度で傾斜される場合を説明したが、かかる傾斜角度は任意に設定できる。但し、略0度(水平)以上、略60度以下の範囲に設定されることが好ましい。
【0085】
第1実施形態では、複数の通気孔34がそれぞれ同形状(同じ断面積)に形成される場合を説明したが、各通気孔34の形状や断面積、分布が異なるものであっても良い。例えば、複数の通気口34を縦横格子状に等間隔に分散配置する場合に、径方向内側の通気口34ほど断面積を小さくしても良い。又は、同じ断面積の複数の通気口34を縦横格子状に分散配置する場合に、径方向内側ほど通気口34どうしの間隔を広くしても良い。これらを組み合わせても良い。これらを採用した場合、非通気領域35を形成する場合と同様の効果を奏することができる。
【0086】
第1実施形態では、非通気領域35が上面視円形の領域とされる場合を説明したが、他の形状であっても良く、例えば、上面視正方形や上面視多角形でも良い。なお、非通気領域35を上面視長方形や上面視楕円形としても良い。この場合、非通気領域35の長手方向を投入部45の通路の方向(ドライアイスDが投入される方向)に沿わせることが好ましい。投入された直方体形状のドライアイスDを非通気領域35に沿わせやすく(ドライアイスDを非通気領域35上に載置しやすく)できるからである。
【0087】
なお、非通気領域35の上面視形状に関わらず、非通気領域35の周囲(形成領域36との境界)に沿って連続または断続的に延びる突条を底壁31から収容室S1へ向けて突設しても良い。ドライアイスDを非通気領域35に位置(保持)させやすくできる。
【0088】
また、底壁31の中央を含む領域に非通気領域35が形成される場合を説明したが、中央を含まない領域に非通気領域35が形成されても良い。
【0089】
第1実施形態では、非通気領域35に通気孔34が形成されない(非形成とされる)場合を説明したが、非通気領域35に1又は複数の通気孔34が形成されていても良い。この場合、形成領域36と同様の態様で、非通気領域35に複数の通気孔34が形成されていても良い。但し、非通気領域35に形成される複数の通気孔34の合計の開口面積は、形成領域36に形成される複数の通気孔34の合計の開口面積よりも小さい面積とされることが好ましい。
【符号の説明】
【0090】
10 保冷カバー
20 カバー部材
23 縁部
30,330,530 受け部材
31 底壁
31a 円板部
31b 傾斜部
33 周壁
34,334 通気孔
35 非通気領域(第1領域)
36 形成領域(第2領域)
40,440,540 蓋部材
41 天壁
43 周壁
45 投入部
45a,445a 開口
80,280 返し部
81 基部
83,283 スリット
83a,283a 起点
84,284 舌片
D ドライアイス
S1 収容室
S2 保冷室