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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062924
(43)【公開日】2023-05-09
(54)【発明の名称】搬送システムと棚
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20230427BHJP
   F16H 49/00 20060101ALI20230427BHJP
【FI】
B65G1/00 501C
F16H49/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021173112
(22)【出願日】2021-10-22
(71)【出願人】
【識別番号】511058040
【氏名又は名称】株式会社坂井電機
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂井 康秀
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE01
3F022FF01
3F022GG05
3F022JJ13
3F022JJ16
3F022JJ20
3F022KK16
3F022LL07
3F022MM02
(57)【要約】
【課題】搬送システムにおいて、被搬送物の受け渡しのための駆動源の数を減らすことが可能な技術を提供する。
【解決手段】搬送システムは、被搬送物を搬送するための搬送車と、被搬送物を収容するための棚と、を備える。搬送車と棚とが近接した状態において、搬送車と棚との間で被搬送物の受け渡しが行われる。搬送車は、駆動源と、駆動源から駆動力を受けることに応じて回転する第1の磁気部材と、被搬送物が載置されると共に、駆動源から駆動力を受けることに応じて回転する第1のローラと、を備える。棚は、第1の磁気部材に近接した状態で第1の磁気部材が回転することに応じて回転する第2の磁気部材と、被搬送物が載置されると共に、第2の磁気部材から駆動力を受けることに応じて回転する第2のローラと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送システムであって、
被搬送物を搬送するための搬送車と、
前記被搬送物を収容するための棚であって、前記搬送車と前記棚とが近接した状態において、前記搬送車と前記棚との間で前記被搬送物の受け渡しが行われる、前記棚と、を備え、
前記搬送車は、
駆動源と、
前記駆動源から駆動力を受けることに応じて回転する第1の磁気部材と、
前記被搬送物が載置されると共に、前記駆動源から駆動力を受けることに応じて回転する第1のローラと、を備え、
前記棚は、
前記第1の磁気部材に近接した状態で前記第1の磁気部材が回転することに応じて回転する第2の磁気部材と、
前記被搬送物が載置されると共に、前記第2の磁気部材から駆動力を受けることに応じて回転する第2のローラと、を備える、
搬送システム。
【請求項2】
前記搬送車と前記棚とが近接した状態において、前記第1の磁気部材及び前記第2の磁気部材のそれぞれの回転軸は、第1方向に延び、
前記搬送車は、さらに、前記第1方向に延びる回転軸を有する第3のローラを備え、
前記棚は、さらに、前記第1方向に直交する第2方向に延びると共に、前記第3のローラをガイドする第1のガイドレールを備え、
前記第1のガイドレールは、前記棚に対する前記搬送車の前記第2方向の位置を決定するための段差を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記搬送車と前記棚とが近接した状態において、前記第1の磁気部材及び前記第2の磁気部材のそれぞれの回転軸は、第1方向に延び、
前記搬送車は、さらに、前記第1方向に直交する第3方向に延びる回転軸を有する第4のローラを備え、
前記棚は、さらに、前記第1方向及び前記第3方向に直交する第2方向に延びると共に、前記第4のローラをガイドする一対の第2のガイドレールを備え、
前記一対の第2のガイドレールは、前記第1方向に沿って距離を隔てて配置され、
前記距離は、前記第4のローラの直径に略等しい、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記搬送車と前記棚とが近接した状態において、前記第1の磁気部材及び前記第2の磁気部材のそれぞれの回転軸は、第1方向に延び、
前記第2の磁気部材は、前記第1方向に移動可能に構成され、
前記棚は、さらに、前記第2の磁気部材を前記第1方向の第1側に付勢する付勢部材を備え、
前記第1側は、前記棚から見て前記搬送車から離れる側であり、
前記第2の磁気部材は、前記第1の磁気部材が近づいてくると、前記付勢部材の付勢力に抗して、前記第1方向の前記第1側の反対側である第2側に移動する、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記搬送車と前記棚とが近接した状態において、前記第1の磁気部材及び前記第2の磁気部材のそれぞれの回転軸は、第1方向に延び、
前記搬送車と前記棚とのうちの一方は、さらに、前記第1方向に延びる第1のピンを備え、
前記搬送車と前記棚とのうちの他方は、さらに、前記第1のピンを受け入れ可能に構成される第1の受け部を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記搬送車は、さらに、前記搬送車と前記棚とが近接した状態において、前記第1のピン又は前記第1の受け部を前記第1方向の第1側に移動させる移動機構を備え、
前記第1側は、前記搬送車から見て前記棚に近づく側である、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記棚は、さらに、
前記第2の磁気部材と、前記第1の受け部又は前記第1のピンと、が固定される固定部材と、
前記固定部材を前記第1方向に直交する第2方向にフローティングさせる第1のフローティング機構と、を備える、請求項5又は6に記載のシステム。
【請求項8】
前記棚は、さらに、前記固定部材を前記第1方向にフローティングさせる第2のフローティング機構を備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
被搬送物が載置される棚であって、
第2の磁気部材と、
前記被搬送物が載置されると共に、前記第2の磁気部材から駆動力を受けることに応じて回転する第2のローラと、を備え、
前記第2の磁気部材は、前記被搬送物を搬送するための搬送車の第1の磁気部材に近接した状態で前記第1の磁気部材が回転することに応じて回転することによって、前記第2のローラを回転させて、前記搬送車の第1のローラと前記第2のローラとの間で前記被搬送物の受け渡しを行わせる、
棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、搬送車と棚とを備える搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、無人搬送車が開示されている。無人搬送車は、工場、倉庫等で床面上を自律的に走行し、被搬送物を搬送する。特許文献2には、複数のトレイを複数段で収容可能なトレイマガジンと、トレイマガジンからトレイを取り出すサブマガジンと、取り出されたトレイを受け取る供給ステーションと、サブマガジンを昇降させてトレイマガジンと供給ステーションとの間でトレイを搬送する昇降機構と、を備えるトレイ供給装置が開示されている。サブマガジンと供給ステーションとは、それぞれ、トレイ搬送機構を備える。トレイ搬送機構は、搬送モータと、搬送モータにより駆動される駆動プーリと、回転可能に支持される従動プーリと、駆動プーリと従動プーリとに架け渡される無端ベルトと、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-36143号公報
【特許文献2】特開2010-245241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2に開示されるトレイ供給装置では、トレイマガジンからトレイを取り出して搬送するために、サブマガジンと供給ステーションとのそれぞれに搬送モータが必要である。
【0005】
上記の実情を鑑み、本明細書では、搬送システムにおいて、被搬送物の受け渡しのための駆動源の数を減らすことが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する搬送システムは、被搬送物を搬送するための搬送車と、被搬送物を収容するための棚であって、搬送車と棚とが近接した状態において、搬送車と棚との間で被搬送物の受け渡しが行われる、棚と、を備える。搬送車は、駆動源と、駆動源から駆動力を受けることに応じて回転する第1の磁気部材と、被搬送物が載置されると共に、駆動源から駆動力を受けることに応じて回転する第1のローラと、を備える。棚は、第1の磁気部材に近接した状態で第1の磁気部材が回転することに応じて回転する第2の磁気部材と、被搬送物が載置されると共に、第2の磁気部材から駆動力を受けることに応じて回転する第2のローラと、を備える。
【0007】
上記した搬送システムでは、第1の磁気部材と第2の磁気部材とが近接した状態で、搬送車の駆動源が駆動すると、搬送車の第1の磁気部材及び第1のローラが回転すると共に、第1の磁気部材との磁気カップリングによって棚の第2の磁気部材も回転する。さらに、棚の第2のローラは、第2の磁気部材から駆動力を受けることに応じて回転する。従って、第2のローラを回転させるための駆動源を棚に設けずに済む。このために、搬送システムにおいて、被搬送物の受け渡しのための駆動源の数を減らすことができる。
【0008】
本明細書では、被搬送物が載置される棚も開示する。棚は、第2の磁気部材と、被搬送物が載置されると共に、第2の磁気部材から駆動力を受けることに応じて回転する第2のローラと、を備える。第2の磁気部材は、被搬送物を搬送するための搬送車の第1の磁気部材に近接した状態で第1の磁気部材が回転することに応じて回転することによって、第2のローラを回転させて、搬送車の第1のローラと第2のローラとの間で被搬送物の受け渡しを行わせる。
【0009】
上記した棚によると、第2のローラを回転させるための駆動源を棚に設けずに済む。このために、搬送システムにおいて、被搬送物の受け渡しのための駆動源の数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】無人搬送システムの斜視図を示す。
図2】無人搬送システムの側面図を示す。
図3】無人搬送システムの下面図を示す。
図4図2の点線IVによって囲まれた部分の斜視図を示す。
図5】無人搬送車と第1のガイドレールと第2のガイドレールとの側面図を示す。
図6図2の点線VIによって囲まれた部分の斜視図であって、第1の磁気部材と第2の磁気部材とが近接していない状態を示す。
図7図2の点線VIによって囲まれた部分の斜視図であって、第1の磁気部材と第2の磁気部材とが近接している状態を示す。
図8】第2実施形態の無人搬送システムの側面図を示す。
図9】第2実施形態の要部の斜視図を示す。
図10図9のX-X線図における断面図を示す。
図11図9のXI-XI線図における断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本技術の一実施形態において、搬送車と棚とが近接した状態において、第1の磁気部材及び第2の磁気部材のそれぞれの回転軸は、第1方向に延びてもよい。搬送車は、さらに、第1方向に延びる回転軸を有する第3のローラを備えてもよい。棚は、さらに、第1方向に直交する第2方向に延びると共に、第3のローラをガイドする第1のガイドレールを備えてよく、第1のガイドレールは、棚に対する搬送車の第2方向の位置を決定するための段差を備えてよい。このような構成によると、第2方向において、棚に対して搬送車を適切に位置決めることができる。この結果、第1及び第2の磁気部材の磁気カップリングを適切に実現することができる。
【0012】
本技術の一実施形態において、搬送車と棚とが近接した状態において、第1の磁気部材及び第2の磁気部材のそれぞれの回転軸は、第1方向に延びてもよい。搬送車は、さらに、第1方向に直交する第3方向に延びる回転軸を有する第4のローラを備えてもよい。棚は、さらに、第1方向及び第3方向に直交する第2方向に延びると共に、第4のローラをガイドする一対の第2のガイドレールを備えてよく、一対の第2のガイドレールは、第1方向に沿って距離を隔てて配置されてよく、距離は、第4のローラの直径に略等しくてもよい。このような構成によると、第1方向において、棚に対して搬送車を適切に位置決めることができる。棚に対する搬送車の第1方向の位置を適切に決定することができる。この結果、第1及び第2の磁気部材の磁気カップリングを適切に実現することができる。
【0013】
本技術の一実施形態において、搬送車と棚とが近接した状態において、第1の磁気部材及び第2の磁気部材のそれぞれの回転軸は、第1方向に延びてもよい。第2の磁気部材は、第1方向に移動可能に構成されてもよい。棚は、さらに、第2の磁気部材を第1方向の第1側に付勢する付勢部材を備えてよく、第1側は、棚から見て搬送車から離れる側であってよい。第2の磁気部材は、第1の磁気部材が近づいてくると、付勢部材の付勢力に抗して、第1方向の第1側の反対側である第2側に移動してもよい。このような構成によると、搬送車と棚とが近接していない状態において、棚から第2の磁気部材が第1方向の第2側に大きく突出するのを抑制することができる。
【0014】
搬送車と棚とが近接した状態において、第1の磁気部材及び第2の磁気部材のそれぞれの回転軸は、第1方向に延びてもよい。搬送車と棚とのうちの一方は、さらに、第1方向に延びる第1のピンを備えてよく、他方は、さらに、第1のピンを受け入れ可能に構成される第1の受け部を備えてもよい。このような構成によると、第2の磁気部材に対して第1の磁気部材を適切に位置決めすることができる。この結果、第1及び第2の磁気部材の磁気カップリングを適切に実現することができる。
【0015】
搬送車と棚とのうちの一方は、さらに、第1方向に延びる第2のピンを備えてよく、他方は、さらに、第2のピンを受け入れ可能に構成される第2の受け部を備えてもよい。搬送車と棚とのうちの一方の第1の磁気部材又は第2の磁気部材は、第1のピンと第2のピンとの間に位置してよく、搬送車と棚とのうちの他方の第2の磁気部材又は第1の磁気部材は、第1の受け部と第2の受け部との間に位置してよい。このような構成によると、第2の磁気部材に対して第1の磁気部材をより適切に位置決めすることができる。
【0016】
搬送車は、さらに、搬送車と棚とが近接した状態において、第1のピン又は第1の受け部を第1方向の第1側に移動させる移動機構を備えてもよい。第1側は、搬送車から見て棚に近づく側であってよい。このような構成によると、搬送車と棚とが近接していない状態において、搬送車から第1のピン又は第1の受け部が第1方向の第1側に大きく突出するのを抑制することができる。
【0017】
棚は、さらに、第2の磁気部材と、第1の受け部又は第1のピンと、が固定される固定部材と、固定部材を第1方向に直交する第2方向にフローティングさせる第1のフローティング機構と、を備えてもよい。このような構成によると、第2の磁気部材に対して第1の磁気部材をより適切に位置決めすることができる。
【0018】
棚は、さらに、固定部材を第1方向にフローティングさせる第2のフローティング機構を備えてもよい。このような構成によると、第2の磁気部材に対して第1の磁気部材をより適切に位置決めすることができる。
【0019】
棚は、さらに、第2の磁気部材から第2のローラへの駆動力を伝達するベルトと、ベルトに接触する第5のローラと、を備えてもよい。このような構成によると、ベルトが第2のローラから外れることを抑制することができる。
【0020】
本明細書では、被搬送物を搬送するための搬送車も開示する。搬送車は、駆動源と、駆動源から駆動力を受けることに応じて回転する第1の磁気部材と、被搬送物が載置されると共に、駆動源から駆動力を受けることに応じて回転する第1のローラと、を備える。第1の磁気部材は、被搬送物を収容するための棚の第2の磁気部材に近接した状態で回転することによって、第2の磁気部材を回転させると共に棚の第2のローラを回転させて、第1のローラと第2のローラとの間で被搬送物の受け渡しを行わせる。このような構成によると、第2のローラを回転させるための駆動源を棚に設けずに済む。このために、搬送システムにおいて、被搬送物の受け渡しのための駆動源の数を減らすことができる。
【0021】
(第1実施形態)
(システムの概略;図1
図面を参照して、無人搬送システム1の構成を説明する。図1に示されるように、無人搬送システム1は、被搬送物を搬送するための無人搬送車10と、被搬送物を収容するための棚60と、を備える。各図において、右、左、前、後、右、及び、左の各向きは、無人搬送車10が棚60に近接している状態(即ち図1の状態)において、無人搬送車10から棚60を見たときの向きを意味する。一例ではあるが、本実施形態では、棚60は、三段式の棚である。無人搬送システム1では、無人搬送車10が被搬送物を搬送して棚60に収容することができると共に、無人搬送車10が棚60から被搬送物を取り出して搬送することができる。
【0022】
(無人搬送車10の構成;図1図5
無人搬送車10は、所定の領域内における予めプログラムされた経路を自律的に走行する。無人搬送車10は、レールに沿って移動するいわゆるガイド式の無人搬送車であってもよいし、ガイドレス式の無人搬送車であってもよい。本実施形態では、無人搬送車10は、後者である。
【0023】
図1図3に示されるように、無人搬送車10は、モータ12と、第1の磁気部材14と、複数のローラ16a~16jと、第1のベルト25と、複数の第2のベルト28と、複数の車輪18a~18d(図3参照)と、を備える。
【0024】
図2に示されるように、モータ12は、車体20の内部に設けられ、例えばバッテリのような不図示の電力供給源に接続されている。モータ12は、前後方向に延びるシャフト22を介して、第1の磁気部材14に接続される。
【0025】
第1の磁気部材14は、モータ12が駆動することに応じて、前後方向に延びる回転軸周りに回転する。第1の磁気部材14は、棚60の後述する第2の磁気部材72との磁気カップリングを形成する。
【0026】
複数の第1のローラ16a~16jは、前後方向に等間隔に配置されている。図1に示されるように、各第1のローラ16a~16jは、一方の支持部24aと他方の支持部24bとの間において、左右方向に延在している。各第1のローラ16a~16jの一端は、一方の支持部24aによって回転可能に支持され、他端は、他方の支持部24bによって回転可能に支持される。即ち、各第1のローラ16a~16jの回転軸は、左右方向に延びる。
【0027】
第1のベルト25は、無端ベルトである。第1のベルト25は、90度捻じれた状態で、シャフト22に固定されたプーリ26と第1のローラ16bとの間に架け渡される。従って、モータ12が駆動すると、シャフト22、プーリ26、及び、第1のベルト25を介して、第1のローラ16bが回転する。
【0028】
複数の第2のベルト28の各々は、無端ベルトである。図2では、簡略化のために、第1のローラ16bと第1のローラ16cとの間に架け渡される第2のベルト28のみを図示している。複数の第2のベルト28の各々は、第1のローラ16aを除く隣り合う二つの第1のローラの間に架け渡されている。例えば、一つの第2のベルト28が第1のローラ16cと第1のローラ16dとの間に架け渡され、他の一つの第2のベルト28が第1のローラ16dと第1のローラ16eとの間に架け渡されている。
【0029】
上記の構成によると、モータ12が駆動すると、シャフト22を介して、第1の磁気部材14が回転する。モータ12が駆動すると、さらに、シャフト22、プーリ26、及び、第1のベルト25を介して、第1のローラ16bが回転する。そして、複数の第2のベルト28を介して、各第1のローラ16c~16jが回転する。本実施形態では、最も前側に位置する第1のローラ16aが回転しない構成を採用しているが、変形例では、第1のローラ16aも回転する構成を採用してもよい。
【0030】
モータ12の回転方向(即ち正回転又は逆回転)に応じて、各々の部材14,22,16b~16jの回転方向も変化する。モータ12が正回転すると、後側から前側を向いたときの時計周り方向に第1の磁気部材14が回転する。モータ12が正回転すると、さらに、各第1のローラ16b~16jが図2の反時計回り方向に回転し、この結果、第1のローラ16a~16jに載置された被搬送物が前方向に移動する。即ち、無人搬送車10から棚60への被搬送物の受け渡しが行われる。一方、モータ12が逆回転すると、後側から前側を向いたときの反時計周り方向に第1の磁気部材14が回転する。モータ12が逆回転すると、さらに、各第1のローラ16b~16jが図2の時計回り方向に回転し、この結果、被搬送物が後方向に移動する。即ち、棚60から無人搬送車10への被搬送物の受け渡しが行われる。
【0031】
図3に示されるように、複数の車輪18a~18dのうち、車輪18a,18bが駆動輪であり、車輪18c,18dが従動輪である。車輪18a,18bは、不図示のモータ等の駆動源に接続されている。
【0032】
図2図4及び図5に示されるように、無人搬送車10は、さらに、一対の第3のローラ40,42と一対の第4のローラ44,46とを備える。図3に示されるように、一方の第3のローラ40は、車体20の前面20aの左端に設けられており、他方の第3のローラ42は、車体20の前面20aの右端に設けられている。一方の第4のローラ44は、車体20の前面20aの左端に設けられており、他方の第4のローラ46は、車体20の前面20aの右端に設けられている。図4に示されるように、第3のローラ40と第4のローラ42とは、それぞれ、前方向に突出する支持部材48,50によって回転可能に支持されている。第3のローラ40は、前後方向に延びる回転軸周りに回転可能に構成される。第4のローラ42は、上下方向に延びる回転軸周りに回転可能に構成される。図4では隠れて見えないが、第3のローラ42は第3のローラ40と同様の構成を有し、第4のローラ46は第4のローラ44と同様の構成を有する。
【0033】
(棚60の構成;図1図5
続いて、棚60の構成を説明する。図1に示されるように、棚60は、4本の支柱62a~62dと、4本の支柱62a~62dに支持されている3つの棚部64a~64cと、を備える。各棚部64a~64cは、支柱62a~62dの内側に配置されると共に、被搬送物を収容する。3つの棚部64a~64cは、上下方向に等間隔に配置されている。図示省略しているが、棚60は、3つの棚部64a~64cの左側及び/又は右側に、3つの棚部64a~64cと同様の3つの棚部を備えていてもよい。
【0034】
3つの棚部64a~64cは、同じ構造である。ここで、1つの棚部64cを例に説明する。棚部64cは、3つのビーム66a~66cを備える。ビーム66aは、支柱62aと支柱62dとの間に配置される。ビーム66bは、支柱62aと支柱62bとの間に配置される。ビーム66cは、支柱62bと支柱62cとの間に配置される。
【0035】
図2に示されるように、棚部64cは、さらに、第2の磁気部材72と、付勢部材76(図6参照)と、複数の第2のローラ70a~70iと、を備える。棚60は、第2の磁気部材72及び複数の第2のローラ70a~70iを回転させるための駆動源を有さない。
【0036】
第2の磁気部材72は、無人搬送車10の第1の磁気部材14との磁気カップリングを形成する。第2の磁気部材72は、前後方向に延びるシャフト74に接続され、前後方向に延びる回転軸周りに回転可能に構成されている。
【0037】
ビーム66a(図1参照)には、固定部78(図2図6参照)が固定されている。固定部78には、不図示のベアリングを介して、シャフト74が接続されている。従って、シャフト74は、固定部78及びビーム66aに対して前後方向に移動可能に構成される。
【0038】
付勢部材76は、巻きバネであり、シャフト74の一端74aに設けられる。図6に示されるように、付勢部材76の一端76aは、シャフト74の一端74aに接触し、付勢部材76の他端76bは、固定部78に接触する。付勢部材76は、シャフト74を前後方向の前側に付勢する。従って、第2の磁気部材72が第1の磁気部材14に近接していない状態では、第2の磁気部材72及びシャフト74は、付勢部材76の付勢力によって前側に位置する。第2の磁気部材72が第1の磁気部材14に近づくと、図7に示されるように、第2の磁気部材72及びシャフト74は、磁力によって、付勢力に抗して後側に移動し、第1の磁気部材14に近づく。これにより、第1の磁気部材14と第2の磁気部材72とが近接している状態になる。
【0039】
上記の構成によると、無人搬送車10と棚60とが近接していない状態において、棚60から第2の磁気部材72が前後方向の後側に大きく突出するのを抑制することができる。このために、無人搬送車10が棚60に近づく際に、第2の磁気部材72が無人搬送車10の移動を妨げることが抑制される。
【0040】
図1に示されるように、複数の第2のローラ70a~70iは、前後方向に等間隔に配置されている。各第2のローラ70a~70iは、一方の支持部68aと他方の支持部68bとの間において、左右方向に延在している。一方の支持部68aは、ビーム66aを介して、支柱62aと支柱62dとに固定されており、他方の支持部68bは、ビーム66cを介して、支柱62bと支柱62cとに固定されている。各第2のローラ70a~70iの一端は、一方の支持部68aによって回転可能に支持され、他端は、他方の支持部68bによって回転可能に支持される。即ち、各第2のローラ70a~70jの回転軸は、左右方向に延びる。
【0041】
棚部64cは、図2に示されるように、第3のベルト80と複数の第4のベルト82とを備える。第3のベルト80は、無端ベルトである。第3のベルト80は、90度捻じれた状態で、シャフト74に固定されたプーリ75と第2のローラ70dとの間に架け渡される。従って、第2の磁気部材72が回転すると、シャフト74、プーリ75、及び、第3のベルト80を介して、第2のローラ70dが回転する。
【0042】
複数の第4のベルト82の各々は、無端ベルトである。図2では、簡略化のために、第2のローラ70dと第2のローラ70eとの間に架け渡されるベルト82のみを図示している。複数の第4のベルト82の各々は、第2のローラ70a~70cを除く隣り合う二つの第2のローラの間に架け渡されている。例えば、一つの第4のベルト82が第2のローラ70dと第2のローラ70eとの間に架け渡され、他の一つの第4のベルト82が第2のローラ70eと第2のローラ80fとの間に架け渡されている。
【0043】
上記の構成によると、第2の磁気部材72が回転すると、シャフト74、プーリ75、及び、第3のベルト80を介して、第2のローラ70dが回転する。そして、複数の第4のベルト82を介して、各第2のローラ70e~70iが回転する。本実施形態では、最も後側に位置する3つの第2のローラ70a~70cが回転しない構成を採用しているが、変形例では、各第2のローラ70a~70cも回転する構成を採用してもよい。
【0044】
上述したように、無人搬送車10のモータ12が正回転すると、後側から前側を向いたときの時計周り方向に第1の磁気部材14が回転する。このため、第1の磁気部材14との磁気カップリングを形成している第2の磁気部材72も時計周り方向に回転する。第2の磁気部材72が時計周り方向に回転すると、各第2のローラ70d~70iが図2の反時計回り方向に回転し、この結果、各第2のローラ70a~70iに載置された被搬送物が前方向に移動する。これにより、無人搬送車10から棚60への被搬送物の受け渡しが行われる。一方、モータ12が逆回転すると、後側から前側を向いたときの反時計周り方向に第1の磁気部材14が回転する。このため、第1の磁気部材14との磁気カップリングを形成している第2の磁気部材72も反時計周り方向に回転する。第2の磁気部材72が反時計周り方向に回転すると、各第2のローラ70d~70iが図2の時計回り方向に回転し、この結果、各第2のローラ70a~70iに載置された被搬送物が後方向に移動する。これにより、棚60から無人搬送車10への被搬送物の受け渡しが行われる。
【0045】
上述したように、無人搬送車10の第1の磁気部材14と棚60の第2の磁気部材72とが近接した状態で、無人搬送車10のモータ12が駆動すると、第1の磁気部材14及び第1のローラ16b~16jが回転すると共に、第1の磁気部材14との磁気カップリングによって棚60の第2の磁気部材72も回転する。さらに、棚60の第2のローラ70d~70iは、第2の磁気部材72から駆動力を受けることに応じて回転する。従って、第2のローラ70d~70iを回転させるための駆動源を棚60に設けずに済む。このために、無人搬送システム1において、被搬送物の受け渡しのための駆動源の数を減らすことができる。
【0046】
図2図4及び図5に示されるように、棚部64cは、さらに、第1のガイドレール90を備える。図5に示されるように、第1のガイドレール90は、左右方向に延びると共に、無人搬送車10の第3のローラ40,42をガイドする。
【0047】
第1のガイドレール90は、その上面90aにおいて、一対の段差92,94を備える。一対の段差92,94の各々は、第1のガイドレール90の上面90aに設けられ、上方に突出する。図5に示されるように、一方の段差92は第1のガイドレール90の左端に設けられ、他方の段差94は第1のガイドレール90の右端に設けられる。一対の段差92,94の間の距離は、無人搬送車10の一対の第3のローラ40,42の間の距離よりも僅かに大きい。このため、無人搬送車10は、一対の第3のローラ40,42が第1のガイドレール90の上面90aにガイドされた状態で左右方向に移動すると、一対の第3のローラ40,42が一対の段差92,94の間に収まる位置に到達する。この位置では、第1の磁気部材14と第2の磁気部材72との間で磁気カップリングを実現することができる。このように、本実施形態では、左右方向において、棚60に対して無人搬送車10を適切に位置決めすることができる。この結果、第1の磁気部材14と第2の磁気部材72との間の磁気カップリングを適切に実現することができる。
【0048】
棚部64cは、さらに、一対の第2のガイドレール96,98を備える。図5に示されるように、各第2のガイドレール96,98は、左右方向に延びる。図4に示されるように、各第2のガイドレール96,98は、前後方向に沿って所定の距離を隔てて配置される。ここでいう所定の距離は、一対の第4のローラ44,46の各々の直径に略等しい。このため、一対の第4のローラ44,46が各第2のガイドレール96,98の間に嵌まり込んだ状態では、前後方向において、棚60に対して無人搬送車10を適切に位置決めすることができる。この結果、第1の磁気部材14と第2の磁気部材72との間の磁気カップリングを適切に実現することができる。
【0049】
無人搬送システム1は、不図示の別体のリフトを備える。リフトは、無人搬送車10を上下方向に昇降させる昇降機能を有する。このため、例えば、無人搬送車10と棚60の最上段の棚部63a又は2段目の棚部63bとの間で被搬送物を受け渡しすべき場合には、無人搬送車10は、まず、リフト上までに移動し、その後、リフトによって最上段又は2段目まで上昇する。そして、無人搬送車10は、棚部63a又は棚部63bの後部に設けられた板(図示省略)の上を左右方向に移動して、棚部63a又は棚部63bに近接する。
【0050】
(第2実施形態;図8図11
続いて、第2実施形態の無人搬送システム100を説明する。図8に示されるように、本実施形態の無人搬送車110は、第1実施形態の以下の各構成、即ち、一対の第3のローラ40,42、一対の第4のローラ44,46、及び、支持部材48,50を備えない。本実施形態の棚160は、第1実施形態の以下の各構成、即ち、シャフト74、付勢部材76、固定部78、第1のガイドレール90、及び、一対の第2のガイドレール96,98を備えない。本実施形態において、第1実施形態と同じ構成には同一の符号を付すことによって、重複する説明を省略する。
【0051】
(無人搬送車110の構成;図8図9
図8及び図9に示されるように、無人搬送車110は、第1のピン112、第2のピン114、台116、移動機構118、及び、モータ120を備える。
【0052】
第1のピン112と第2のピン114とは、それぞれ、台116に固定され、台116から前側に突出する。第1の磁気部材14は、左右方向において、第1のピン112と第2のピン114との間に位置する。台116は、移動機構118に接続されている。台116には、孔116aが形成されており、その孔116aには、シャフト22が回転可能に挿通されている。
【0053】
図8に示されるように、移動機構118は、台116の上方に設けられる。移動機構118は、支持部24aによって支持されている。移動機構118は、モータ120を備える。移動機構118は、ボールねじ機構を有する。モータ120が駆動すると、ボールねじ機構によって、台116が前後方向に移動する。これにより、第1のピン112及び第2のピン114を前後方向に移動させることができる。無人搬送車110が棚160に近接していない状態では、第1の磁気部材14、第1のピン112、第2のピン114、及び、台116は、後側に位置する。そして、無人搬送車110が棚160に近接した状態において、台116が前側に移動すると、それに伴って、第1の磁気部材14が前側に移動して第2の磁気部材72に近接すると共に、第1のピン112及び第2のピン114も前側に移動する。
【0054】
上記の構成によると、無人搬送車110と棚160とが近接していない状態において、無人搬送車110から第1のピン112及び第2のピン114が前側に大きく突出するのを抑制することができる。このために、無人搬送車110の移動中に、第1のピン112及び第2のピン114が他の物体又はヒトに接触するのが抑制される。
【0055】
(棚160の構成;図8図11
図8及び図9に示されるように、棚160は、第1の受け部162と、第2の受け部164と、第2の磁気部材72から前後方向に延びるシャフト174と、を備える。なお、図9では、簡略化のために、第2のローラ70a~70cを省略している。
【0056】
第1の受け部162と第2の受け部164とは、それぞれ、前後方向に延びる軸部166a,166bと、後側に開口する開口168a,168bと、を備える。第1の受け部162と第2の受け部164とは、それぞれ、無人搬送車10の第1のピン112と第2のピン114とを受け入れ可能に構成される。
【0057】
図10に示されるように、第1の受け部162と第2の受け部164とは、それぞれ、前方に向かって径が小さくなるように傾斜する傾斜面170a,170bを備える。そのため、第1のピン112及び第2のピン114が前側に移動すると、第1のピン112及び第2のピン114は、それぞれ、傾斜面170a,170bに沿って第1の受け部162及び第2の受け部164の中央にガイドされる。これにより、第2の磁気部材72に対して第1の磁気部材14を適切に位置決めすることができる。この結果、第1及び第2の磁気部材14,72の磁気カップリングを適切に実現することができる。
【0058】
第1の受け部162の軸部166aと第2の受け部164の軸部166bとは、固定部材172に固定される。図9に示されるように、第2の磁気部材72は、固定部材172において、第1の受け部162と第2の受け部164との間に位置する。固定部材172は、ベアリング177(図10参照)を介して、第2の磁気部材72から延びるシャフト174に接続される。従って、シャフト174が前後方向に延びる回転軸周りに回転する場合に、固定部材172は回転しない。
【0059】
シャフト174は、第2の磁気部材72から前側に延びる。図10に示されるように、シャフト174は、ベアリング182を介して、第1の支持部176によって支持されている。シャフト174は、さらに、ベアリング209を介して、第2の支持部208によって支持されている。
【0060】
図11に示されるように、棚160は、さらに、第1のフローティング機構192を備える。第1のフローティング機構192は、ブラケット178と、板180と、一対の支持棒188,190とを備える。ブラケット178は、ビーム66aに固定されており(図9参照)、一対の支持棒188,190はブラケット178に固定されており、板180は一対の支持棒188,190に固定されている。
【0061】
第1の支持部176は、一対の支持棒188,190に摺動可能に接続される。一方の支持棒188は、第1の支持部176の上部に設けられる貫通孔184を通る。他方の支持棒190は、第1の支持部176の下部に設けられる貫通孔186を通る。一対の支持棒188,190は、バネ200~206を支持する。バネ200,204の左端はブラケット178に接触し、バネ200,204の右端は第1の支持部176に接触する。即ち、バネ200,204は、第1の支持部176を右方向に付勢する。また、バネ202,206の左端は第1の支持部176に接触し、バネ202,206の右端は板180に接触する。即ち、バネ202,206は、第1の支持部176を左方向に付勢する。
【0062】
上記の構成によると、第1の支持部176は、バネ200~206によって左右両側から付勢されながら、ビーム66a、ブラケット178、一対の支持棒188,190、及び、板180に対して、左右方向に移動可能である。即ち、第1の支持部176、シャフト174、固定部材172、第2の磁気部材72、及び、第1及び第2の受け部162,164は、第1のフローティング機構192によって、左右方向に移動可能に構成される。このような構成によると、第1及び第2のピン112,114が第1及び第2の受け部162,164に挿入される際に、第1及び第2の受け部162,164が左右方向に移動可能であるので、第2の磁気部材72に対して第1の磁気部材14をより適切に位置決めすることができる。
【0063】
棚160は、さらに、図10に示されるように、第2のフローティング機構210を備える。第2のフローティング機構210は、バネ212を備える。バネ212は、シャフト174において、固定部材172と第1の支持部176との間に設けられている。バネ212の前端は固定部材172に接触し、バネ212の後端は第1の支持部176に接触する。固定部材172は、ベアリング177によって、シャフト174に対して前後方向に移動可能に構成されている。従って、バネ212は、シャフト174において、固定部材172を前後方向の後側に付勢する。
【0064】
無人搬送車110が棚160に近接していない状態では、固定部材172(即ち第2の磁気部材72及び受け部162,164)は、バネ212の付勢力によって後側に位置する。そして、無人搬送車110が棚160に近接した状態において、例えば第1のフローティング機構192によって受け部162,164に微小な偏りが発生した場合であっても、固定部材172が第2のフローティング機構210によって前後方向に移動することによって、その偏りを吸収することができる。このような構成によると、第2の磁気部材72に対して第1の磁気部材14をより適切に位置決めすることができる。
【0065】
棚160は、図9に示されるように、さらに、ベルト214と、第5のローラ216とを備える。ベルト214は、無端ベルトである。第5のローラ216は、第2の支持部208の後面208aに設けられる。第2の支持部208は、ブラケット178に固定される。第5のローラ216は、プーリ218の近傍に位置する。ベルト214は、プーリ218に架けられ、第5のローラ216に接触する。そして、ベルト214は、90度に捻じれた状態で第2のローラ70dに架け渡される。従って、第2の磁気部材72が回転すると、シャフト74、プーリ218、第5のローラ216、及び、ベルト214を介して、第2のローラ70dが回転する。第5のローラ216がベルト214に接触しているので、ベルト214がプーリ218から外れることを抑制することができる。
【0066】
(対応関係)
モータ12が、「駆動源」の一例である。前後方向、左右方向、上下方向が、それぞれ、「第1方向」「第2方向」、「第3方向」の一例である。前側、後側が、それぞれ、「第1側」、「第2側」の一例である。
【0067】
以上、具体的な実施形態を詳細に説明した。但し、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、棚60は、昇降機能を有する別体のリフトを備えなくてもよく、無人搬送車10が昇降機能を有していてもよい。また、例えば、無人搬送車10の代わりに、台車等のような人力によって移動する搬送車が利用されてもよい。
【0068】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0069】
1,100:無人搬送システム、10,110:無人搬送車、12:モータ、14:第1の磁気部材、16:第1のローラ、18:車輪、40,42:第3のローラ、44,46:第4のローラ、60,160:棚、70:第2のローラ、72:第2の磁気部材、76:付勢部材、90:第1のガイドレール、92,94:段差、96,98:第2のガイドレール、112:第1のピン、114:第2のピン、118:移動機構、162:第1の受け部、164:第2の受け部、172:固定部材、192:第1のフローティング機構、210:第2のフローティング機構、214:ベルト、216:第5のローラ
図1
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図11